JP2002167272A - Mn−Znフェライトの製造方法 - Google Patents

Mn−Znフェライトの製造方法

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JP2002167272A JP2000361200A JP2000361200A JP2002167272A JP 2002167272 A JP2002167272 A JP 2002167272A JP 2000361200 A JP2000361200 A JP 2000361200A JP 2000361200 A JP2000361200 A JP 2000361200A JP 2002167272 A JP2002167272 A JP 2002167272A
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Osamu Yamada
修 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼成に特別の困難さを伴うことなく焼成屑の
再生利用を可能にするMn −Zn フェライトの製造方法
を提供する。 【解決手段】 Mn −Zn フェライトの焼成体を粉砕し
て得た粉末を再利用して、Fe2O3 44.0〜49.8 mol%、 Z
nO 4.0〜26.5 mol%、CoO が0.1〜3.0 mol%、Mn 2O3 0.
02〜1.00 mol%、残部MnO の成分組成を有する焼成体を
得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Mn −Zn フェラ
イトの製造方法に係り、より詳しくは焼成体の屑の再生
利用を可能にするMn −Zn フェライトの製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】軟磁性を有する代表的な酸化物磁性材料
としては、Mn −Zn フェライトがあり、従来よりスイ
ッチング電源トランス、フライバックトランスなどに用
いられる低損失材、各種インダクタンス素子、EMI対
策用インピーダンス素子、電波吸収材等として多用され
ている。このMn −Zn フェライトは、従来一般には50
mol%よりも多いFe2O3 、平均的には52〜55 mol%のFe2
O3 と、10〜24 mol%のZnO と、残部 MnO とを含有する
基本成分組成を有しており、通常は、Fe2O3 、ZnO 、Mn
O の各原料粉末を所定の割合で混合した後、仮焼、粉
砕、成分調整、造粒、成形等の各工程を経て所定の形状
とし、しかる後、窒素を流すことにより酸素分圧を大幅
に下げた還元性雰囲気中で、1200〜1400℃に3〜4時間
保持する焼成処理を行って製造されている。このように
還元性雰囲気中で焼成を行う理由は、50 mol%よりも多
いFe2O3 を含んでいることから、大気中で焼成すると十
分に緻密化が進まず、良好な軟磁性が得られなくなるた
めである。また、50 mol%よりも多いFe2O3 の一部を還
元することにより、正の結晶磁気異方性を有するFe2 +
を生成させ、これによりFe3+の負の結晶磁気異方性を
打ち消して軟磁性を高めるためである。
【0003】なお、上記したFe2+の生成量は焼成並び
に焼成後の冷却時の酸素分圧に依存し、この設定を誤る
と良好な軟磁気特性を確保することは困難となる。そこ
で、従来は実験的に下記(1)式を確立し、この(1)式
に従って焼成並びに焼成後の冷却時の酸素分圧を厳しく
管理している。ここで、Tは温度(℃)、Po2 は酸素
分圧、bは定数であり、通常、この定数として7〜8を
採用している。 log Po2=−14540 /(T+273 )+b … (1) また、上記粉砕工程においては、平均粒子径がおよそ
1.0〜1.4 μmとなるように粉砕を行っているが、これ
は、1.4 μmより大きいと焼成時に所望の密度が得られ
ず、一方、 1.0μmより小さいと粉体の扱いが困難にな
るためである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したM
n −Zn フェライトの製造においては、各工程で余剰、
不良等の理由で多くの屑が発生するが、成形以前の工程
で発生する廃材については、その再生利用に特別の問題
はないが、焼成工程で寸法不良、ひび割れ、欠け等の欠
陥を生じてスクラップとなる焼成体の屑(焼成屑)につ
いては、後述の理由により再生利用することは困難で、
そのまま破棄されるのが現状である。
【0005】すなわち、Mn −Zn フェライトの焼成過
程は、その構成イオンの中で最も拡散速度の遅い酸素イ
オンの空孔濃度に大きく影響され、この酸素イオンの空
孔濃度が高いほど酸素イオン、鉄イオン、マンガンイオ
ン並びに亜鉛イオンの拡散が活性化され、焼結体の密度
が上がる。これを支配する因子は、Fe2O3 の含有量と雰
囲気の酸素分圧であり、Fe2O3 含有量の少ないほど、か
つ雰囲気の酸素分圧が低いほど酸素イオンの空孔が生成
し易くなる。しかるに、従来のMn −Zn フェライト
は、Fe2O3 を50 mol%よりも多く含んでいるため、酸素
イオンの空孔が減じるのに相対して鉄イオン、マンガン
イオンおよび亜鉛イオンの空孔が多く生成する。つま
り、従来のMn −Zn フェライトの焼成体を粉砕、成形
して再利用しようとする場合は、雰囲気の酸素分圧をか
なり下げた条件で焼成を行わなければならないが、実際
の量産工程で下げ得る酸素分圧はおよそ0.0001程度であ
り、この程度の酸素分圧では、必要な酸素イオンの空孔
濃度を確保することができず、結果として、焼成が円滑
に進まず、所望の密度を得ることは困難となる。その結
果、実用に耐える磁気特性が得られず、焼成屑は破棄せ
ざるを得ない状況となっていた。
【0006】本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、その目的とするところは、焼成に特別の困
難さを伴うことなく焼成屑の再生利用を可能にするMn
−Zn フェライトの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、Mn −Zn フェライトの焼成体を粉砕し
て得た粉末を再利用して、Fe2O3 44.0〜49.8 mol%、 Z
nO 4.0〜26.5 mol%、CoO が0.1〜3.0 mol%、Mn2O3 0.
02〜1.00 mol%、残部MnO の成分組成を有する焼成体を
得ることを特徴とする。
【0008】本発明において、上記再利用する粉末すな
わち再生粉末の使用量は任意であり、そのままで目標成
分組成となる場合は、成形用混合粉末の全量を再生粉末
としてもよい。再生粉末のみで目標成分組成とならない
場合は、当然のこととして、Fe2O3 、ZnO 、CoO 、MnO
等の各原料粉末を適当量加えて成分調整を行う。
【0009】本発明は、上記したようにFe2O3 を50 mol
%未満に抑えているので、焼成過程で酸素イオンの空孔
が生成し易くなり、容易に焼結体の密度が上がる。した
がって、酸素を適当量含む雰囲気中で焼成(昇温−保持
−降温)した場合、再生粉末を使用しても十分に密度が
高まるようになる。ただし、このFe2O3 が少なすぎると
初透磁率の低下を招くので、少なくとも44.0 mol%は含
有させるようにする。本第1および第2の発明はまた、
上記したようにFe2O3 を50 mol%未満に抑えているの
で、Fe2+がほとんど生成しない。CoO は、Co2+が正
の結晶磁気異方性を有するため、同じ正の結晶磁気異方
性を有するFe2+が存在しなくても、Fe 3+の負の結晶磁
気異方性を相殺することができる。ただし、CoO は、そ
の含有量があまりに少ないと前記した効果は小さく、逆
に多すぎると磁歪が大きくなり、初透磁率が低下するた
め、0.1〜3.0 mol%とする。ZnO は、キュリー温度や飽
和磁化に影響を与えるが、あまり多いとキュリー温度が
低くなって実用上問題となり、逆に少なすぎると飽和磁
化が減ってしまうため、上記範囲 4.0〜26.5 mol%とす
る。上記フェライト中のマンガン成分は、Mn2+および
Mn3+として存在するが、Mn3+は結晶格子を歪ませる
等の理由で初透磁率を著しく低下させるため、Mn2O 3
して1.00 mol%以下とする。ただし、Mn2O3 が少なすぎ
ると比抵抗が著しく低下するため、少なくとも0.02 mol
%を含有させるようにする。また、上記した再生粉末の
平均粒子径は、従来と同様にその下限を 1.0μm程度に
抑えるのが望ましいが、その上限は 1.4μmを超えた
値、例えば 2.0μm程度としても焼成時に十分所望の密
度が得られる。
【0010】本発明は、焼成屑の再生利用を行うもので
あるため、焼成屑に含まれる副成分は、当然のことなが
ら再生したフェライト中にも含まれる。Mn −Zn フェ
ライトの副成分として一般的に用いられているものに、
CaO 、SiO2 、ZrO2 、Ta2O5、HfO2、Nb2O5、V2O5 、Bi2
O3 、In2O3、CuO、MoO3、WO3、Al2O3、TiO2およびSnO 2
ある。したがって、これら副成分のうちの1種または2
種以上を微量含有してもよい。
【0011】本発明において、上記Mn2O3 の含有量は、
酸素分圧を調整した雰囲気中で焼成を行うことにより制
御することができる。この場合、焼成および焼成後の冷
却を、前記(1) 式における定数bとして6〜10の範囲
内の任意の値を用いて求めた酸素分圧の雰囲気中で行う
ことで、Mn2O3 すなわちMn3+量を制御するのが望まし
い。定数bとして10より大きい値を選択した場合は、
フェライト中のMn3+量が1.00 mol%よりも多くなり、
初透磁率は急激に低下する。したがって、初透磁率を高
くするためには、フェライト中のMn3+量を少なくする
必要があり、定数bとして小さな値を選択するのが望ま
しいが、6より小さい値を選択すると、Fe2+ が多くな
ったり、あるいはMn3+が少なくなりすぎることによっ
て、比抵抗が著しく低下してしまうので、この定数bは
少なくとも6とする。ただし、雰囲気酸素分圧Po2
しては0.0001〜0.21の範囲で制御すればよい。このPO2
の上限0.21は大気であり、また、その下限0.0001は、実
際の製造工程でさほどの困難さを伴うことなく下げられ
る値である。また、本発明においては、上述したように
Fe2O3 を50 mol%未満に抑え、かつ前記(1)式におけ
る定数bとして6〜10の範囲を選択していることか
ら、得られたMn −Zn フェライトの比抵抗は10Ωm
以上となり、従来一般のMn −Zn フェライトの比抵抗
(およそ0.01〜1Ωm)と比べて非常に高い値となる。
したがって、例えば、1MHz を超えるような高周波領域
で使用される磁心材料に向けて好適となる。
【0012】
【発明の実施の形態】Mn −Zn フェライトの製造に際
しては、焼成工程で発生したMn −Zn フェライトの焼
成体の屑を適切な粉砕手段、例えばハンマーミルとジェ
ットミルとを用いて粉砕し、これを再生粉末として、こ
れに主成分としてのFe2O3 、ZnO 、CoO 、MnO 等の各原
料粉末を所定の比率で混合し、目標成分組成の混合粉末
を得る。前記再生粉末は、最初から細かなものを用意す
る必要はなく、約40μm以下とすれば十分で、この場合
は、前記混合粉末を仮焼し、さらに約 2.0μm以下に微
粉砕する。この場合の仮焼温度は、目標組成によって多
少異なるが、850 〜950℃の温度範囲内で適宜の温度を
選択することができる。ただし、再生粉末に対して新た
に加える原料粉末が微量である場合は、この仮焼を省略
することができる。また、混合粉末の微粉砕には汎用の
ボールミルを用いることができる。そして、この微細な
混合粉末に、所望により上記種々の副成分の粉末を所定
の比率で添加混合し、目標成分組成の混合粉末を得る。
その後は、通常のフェライト製造プロセスに従って造
粒、成形を行い、さらに、1200〜1400℃で2〜4時間保
持する焼成処理を行う。上記した焼成および焼成後の冷
却は、焼成炉中に窒素ガス等の不活性ガスを流して酸素
分圧を制御する。この場合、前記(1)式中の定数bは
6〜10の範囲内で任意の値を選択することができる。
また、この場合、上記(1)式に基く焼成後の冷却は、5
00℃よりも低い温度では、酸素分圧によらず酸化または
還元の反応を無視できるため、500℃までとすれば十分
である。
【0013】
【実施例】実施例1 Fe2O3 が53.0 mol%、 残部がMnO とZnO とでモル比
3:2となるように各原料粉末をボールミルにて混合し
た後、空気中、 900℃で2時間仮焼し、さらにボールミ
ルにて粉砕して平均粒子径 1.2μmの混合粉末を得た。
次に、この混合粉末に副成分としてCaO を0.05mass%加
え、さらにボールミルにて1時間混合した。そして、こ
の混合粉末にポリビニルアルコールを加えて造粒し、80
MPa の圧力で外径18mm,内径10mm,高さ4mmのトロイダ
ル状コア(成形体)を成形した。その後、成形体を焼成
炉に入れ、窒素を流すことにより前記(1)式中の定数
bを8として求められる酸素分圧の雰囲気中で、1300℃
に3時間保持する焼成処理並びに焼成後の冷却を行い、
従来のMn −Zn フェライトと同じ焼成体(比較試料)
1−1を得た。
【0014】上記焼成体1−1をハンマーミルとジェッ
トミルとを用いて、平均粒子径40μm以下となるように
粉砕し、これを再生粉末とした。そして、ボールミルに
て粉砕して平均粒子径 1.2μmの混合粉末を得た。次
に、この混合粉末にポリビニルアルコールを加えて造粒
し、80MPa の圧力で外径18mm,内径10mm,高さ4mmのト
ロイダル状コア(成形体)を成形した。その後、成形体
を焼成炉に入れ、窒素を流すことにより前記(1)式中
の定数bを8として求められる酸素分圧の雰囲気中で、
1300℃に3時間保持する焼成処理並びに焼成後の冷却を
行い、従来のMn−Zn フェライトと同じ成分組成の
再生焼成体(比較試料)1−2を得た。
【0015】一方、同じく上記焼成体1−1をハンマー
ミルとジェットミルとを用いて、平均粒子径40μm以下
となるように粉砕し、これを再生粉末とした。そして、
Fe2O 3 が49.0 mol%、 CoO が1.0 mol%、残部がMnO 、
Mn2O3 およびZnO で、MnO とMn2O3とを全てMnO として
換算したときのMnO とZnO とでモル比3:2となるよう
に、不足するCoO 、MnO 、ZnO 原料を加えて成分調整を
行った。そして、ボールミルにて混合した後、900℃で
2時間仮焼し、さらにボールミルにて粉砕して、平均粒
子径 1.2μmおよび2.0μmの混合粉末を得た。次に、
この混合粉末にポリビニルアルコールを加えて造粒し、
80MPa の圧力で外径18mm,内径10mm,高さ4mmのトロイ
ダル状コア(成形体)を成形した。その後、成形体を焼
成炉に入れ、窒素を流すことにより前記(1)式中の定
数bを8として求められる酸素分圧の雰囲気中で、1300
℃に3時間保持する焼成処理並びに焼成後の冷却を行
い、本発明試料1−3、1−4を得た。
【0016】そして、上記のようにして得た各試料1−
1〜1−4について、蛍光X線分析によって最終的な成
分を確認すると共に、本発明試料1−3、1−4につい
ては、滴定法によって各試料中のMn2O3の定量分析を行
った。また、焼成体密度と1MHz での初透磁率とを測定
した。それらの結果を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】表1に示す結果より、従来のMn −Zn フ
ェライトと同じ成分組成の再生焼成体である比較試料1
−2は、オリジナル(非再生焼成体)の比較試料1−1
に比較して密度が低く、初透磁率も大幅に低下して実用
に耐えないものとなっている。これに対して、本発明試
料1−3〜1−4は、同じ再生焼成体となっているにも
かかわらず、オリジナルの比較試料1−1と同等の密度
および初透磁率を有するものとなり、本発明の製造方法
が焼成体の再生利用に大きく寄与することが明らかとな
った。
【0019】実施例2 上記実施例1の比較試料1−1をハンマーミルとジェッ
トミルとを用いて、平均粒子径40μm以下となるように
粉砕し、これを再生粉末とした。そして、Fe2O 3 が49.0
mol%、CoO が1.0 mol%、残部がMnO 、Mn2O3およびZn
O で、MnO とMn 2O3 とを全てMnO として換算したときの
MnO とZnO とでモル比3:2となるように、不足するCo
O 、MnO 、ZnO 原料を加えて成分調整を行った。そし
て、ボールミルにて混合した後、空気中、900℃で2時
間仮焼し、さらにボールミルにて粉砕して、平均粒子径
1.2μmの混合粉末を得た。次に、この混合粉末にポリ
ビニルアルコールを加えて造粒し、80MPa の圧力で外径
18mm,内径10mm,高さ4mmのトロイダル状コア(成形
体)を成形した。その後、成形体を焼成炉に入れ、窒素
を流すことにより前記(1)式中の定数bを5.5〜12
として求められる酸素分圧の雰囲気中で、1300℃で3時
間焼成処理並びに焼成後の冷却を行い、再生焼成体とし
ての試料2−1〜2−5を得た。そして、このようにし
て得た各試料2−1〜2−5について、滴定法によって
各試料中のMn2O3 の定量分析を行うと共に、比抵抗と1
MHz での初透磁率を測定した。それらの結果を表2に示
す。
【0020】
【表2】
【0021】表2に示す結果より、(1)式中の定数b
を6〜10とした酸素分圧の雰囲気中で焼成を行った本
発明試料2−2〜2−4は、いずれも初透磁率が高い。
しかし、定数bを5.5とした酸素分圧の雰囲気中で焼
成を行った比較試料2−1は、比抵抗が低いために1MH
z という高周波帯域では初透磁率が低下している。逆
に、定数bを12とした酸素分圧の雰囲気中で焼成を行
った比較試料2−5は、Mn2O3 量が1.18 mol%と多いた
め、初透磁率が低下している。
【0022】実施例3 上記実施例1の比較試料1−1をハンマーミルとジェッ
トミルとを用いて、平均粒子径40μm以下となるように
粉砕し、これを再生粉末とした。そして、Fe2O 3 が49.0
mol%、CoO が1.0 mol%、残部がMnO 、Mn2O3およびZn
Oで、MnO とMn2O3 とを全てMnO として換算したときのM
nO とZnO とでモル比3:2となるように、不足するCoO
、MnO 、ZnO 原料を加えて成分調整を行った。そし
て、ボールミルにて混合した後、空気中、 900℃で2時
間仮焼し、さらにボールミルにて粉砕して、平均粒子径
1.2μmの混合粉末を得た。次に、この混合粉末に副成
分としてMoO3、V2O5、ZrO2、CuOまたはAl2O3 を0.05 ma
ss%加え、さらにボールミルにて1時間混合した。次
に、この混合粉末にポリビニルアルコールを加えて造粒
し、80MPa の圧力で外径18mm,内径10mm,高さ4mmのト
ロイダル状コア(成形体)を成形した。その後、成形体
を焼成炉に入れ、窒素を流すことにより前記(1)式中
の定数bを8として求められる酸素分圧の雰囲気中で、
1300℃で3時間焼成処理並びに焼成後の冷却を行い、本
発明試料3−1〜3−5を得た。そして、このようにし
て得た各試料3−1〜3−5について、滴定法によって
各試料中のMn2O3 の定量分析を行うと共に、1MHz での
初透磁率を測定した。それらの結果を表3に示す。
【0023】
【表3】
【0024】表3に示す結果より、副成分としてMoO3
V2O5、ZrO2、CuOまたはAl2O3 を微量添加しても、高い
初透磁率を維持できることがわかった。
【0025】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明に係るM
n −Zn フェライトの製造方法によれば、焼成体の屑を
再生利用しても、十分に高い焼成体密度と軟磁気特性と
を得ることができ、しかも、再生粉末をそれほど微細に
する必要がなく、製造性に優れかつコスト面での利益の
大きい再生利用技術が確立する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 清 静岡県磐田郡浅羽町浅名1743番地1 ミネ ベア株式会社浜松製作所内 Fターム(参考) 4G002 AA07 AA10 AB01 AE02 4G018 AA21 AA22 AA25 AC14 5E041 AB02 AB19 BD01 CA02 HB03 HB11 NN02

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Mn −Zn フェライトの焼成体を粉砕し
    て得た粉末を再利用して、Fe2O3 44.0〜49.8 mol%、 Z
    nO 4.0〜26.5 mol%、CoO が0.1〜3.0 mol%、Mn2O3 0.
    02〜1.00 mol%、残部MnO の成分組成を有する焼成体を
    得ることを特徴とするMn −Zn フェライトの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 酸素分圧を調整した雰囲気中で焼成を行
    うことにより、Mn2O 3 の含有量を制御することを特徴と
    するMn −Zn フェライトの製造方法。
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