JP2002166379A - 移動体搭載用ロボット及びこれを搭載した移動体 - Google Patents

移動体搭載用ロボット及びこれを搭載した移動体

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JP2002166379A
JP2002166379A JP2001083022A JP2001083022A JP2002166379A JP 2002166379 A JP2002166379 A JP 2002166379A JP 2001083022 A JP2001083022 A JP 2001083022A JP 2001083022 A JP2001083022 A JP 2001083022A JP 2002166379 A JP2002166379 A JP 2002166379A
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陽太 水野
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美智子 鵜飼
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 運転者を含めた全ての乗員が移動体内で快適
に過ごすことができる移動体用のロボットを提供する。 【解決手段】 移動体或いは乗員から受ける諸条件を認
識する認識部12と、この認識部12により認識された
前記諸条件に対応するための思考を行う思考部14と、
前記移動体に沿って所定位置に移動するための移動部1
6と、前記思考部14による結果に基づき必要な動作を
実行する動作部18とを含み、自律性を備えて乗員に種
々のサービスを提供する移動体用のロボット10であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は自動車、船舶、旅客
列車、旅客機等の移動体に搭載されるロボットに関し、
特にロボットが自律性を有しており自己が置かれている
状況に対応しつつ、自己の判断により或いは乗員の指示
に従って、必要な動作を実行する移動体搭載用のロボッ
トに関する。
【0002】なお、本明細書で言う移動体搭載用のロボ
ットとは、移動体との関わりにおいて、移動体或いは乗
員から受ける諸条件に対応して好ましい動作(サービ
ス)を実行するロボットを意味し、移動体専用であるも
の又は移動体に固定されたロボットに限るものではな
い。例えば、移動体から離れた場所では他の用途に用い
られているが、移動体内に持ち込んだときには移動体或
いは乗員から受ける諸条件に対応してサービスを提供す
るようなロボットもここで言う移動体搭載用のロボット
に含まれる。
【0003】
【従来の技術】近年、例えば自動車(以下、単に車両と
称す)内における環境が快適なものとなるように多くの
提案がなされている。例えば特開平11−272640
号公報では、運転環境が快適なものとなるように、運転
者とコミュニケーションを取るエージェント装置の技術
が開示されている。この技術では、擬人化されたエージ
ェントが画面上に出現して、運転者に種々の情報を伝達
する。このエージェントは運転者の応答や反応を学習し
て容姿、服装を変化させ、その運転者固有のエージェン
トとなり運転環境が快適となるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記エ
ージェント装置を含め従来提案されていた装置は固定さ
れた画面内に表れる映像であるため娯楽(アミューズメ
ント)性を与え、運転環境を快適とするには限界があっ
た。また、乗員の内で特に運転者の環境を改善すること
が主眼に置かれているので、後部座席に座った乗員に対
する快適さの改善には配慮されていないという問題があ
る。
【0005】また、従来において提案されているオーデ
ィオ若しくはナビゲーションシステム等の車両用の装置
は、ある条件下で乗員に対して一方的に所定のサービス
を提供する形態で実現されおり、必要に応じて乗員とコ
ミュニケーションを取りながらサービスを提供する形態
で実現されていないので乗員に与える快適さにも限界が
あった。
【0006】また、最近においては種々の実体を有する
ロボットが提案されている。このようなロボットは室内
用のペット或いは作業補助等を主な目的として提案され
ている。しかし、周囲の状況が刻々と変化する車両内の
状況に対応しつつ、さらに乗員が満足するようなサービ
スを提供できるロボットについては未だ満足できるよう
な提案はなされていない。さらに、車両用のロボットに
ついては、車両内のスペースは限られているので効率的
に配置するという点についても配慮しておくことが必要
である。
【0007】したがって、本発明の主な目的は、運転者
を含めた全ての乗員が車内で快適に過ごすことができる
移動体搭載用のロボットを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は請求項1に記
載される如く、移動体或いは乗員から受ける諸条件を認
識する認識手段と、該認識手段により認識された前記諸
条件に対応するための思考を行う思考手段と、前記移動
体に沿って所定位置に移動するための移動手段と、前記
思考手段による結果に基づき必要な動作を実行する動作
手段とを含む、移動体搭載用のロボットにより達成され
る。
【0009】請求項1記載の発明では、このような移動
体搭載用ロボットが移動体に搭載されていると、運転者
等の乗員が必要により指示を行ったときばかりでなく、
ロボットは前記思考手段の結果に基づいて、乗員に対し
て好ましい動作(サービス)を実行する。よって、乗員
は移動体内で快適且つ安全に過ごすことがでができる。
【0010】なお、移動手段によりロボットは車両等の
移動体に沿って移動するが、この移動手段はレール等を
予め移動体の内・外に敷設しておくことにより所定範囲
を移動する形態としてもよいし、また、ロボット自体が
歩行機能を備え、移動範囲を限定されない形態としても
よい。
【0011】歩行機能としては、ロボットの足に相当す
る部分を設け、例えば吸着手段を付加して車両に接触し
ながら移動できるようにしてもよい。吸着手段としては
駆動用の電源を用いて電磁石やエアを吸引するサクショ
ン装置等を採用できる。そして、この吸着手段をロボッ
トの足部に相当する部分に装着し、交互にON/OFF
させながら歩行することで車両回りを移動できる構成と
することができる。
【0012】またここで、移動体或いは乗員から受ける
諸条件には移動体或いは乗員から受ける広範囲な情報や
指示等が含まれる。移動体から受ける諸条件には例えば
ドアの開閉、イグニッションスイッチのON/OFF、
スロットル開度、操舵角、加速度、減速度、上下方向の
加速度、ヨーレイト等の移動体自体に関するもの他、移
動体が走行しているときにナビゲーション装置から提供
される位置情報や、移動体にある物品の位置や車両周辺
の視覚・聴覚情報等が含まれる。また、乗員から受ける
諸条件には、例えば乗員からの指示の他、登録した運転
者との確認情報、運転者の癖や運転履歴、乗員の人数、
乗員の着座位置、世話を要する乗員に関する情報等が含
まれる。
【0013】また、請求項2に記載される如く、請求項
1記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前記思考手
段にはロボット自らが行動するための自律思考部が設定
され、該自律思考部は前記認識手段が認識した前記諸条
件に基づき前記移動手段及び動作手段を駆動させて自律
制御を実行する、構成を採用することが好ましい。
【0014】請求項2記載の発明では、思考手段内に自
律思考部を設定することで、運転者等の補助或いは指示
を受けること無くロボット自らが自律制御して移動体搭
載ロボットとして必要な行動及び乗員にとって好ましい
サービスを提供する行動を取ることができる。ロボット
が自ら必要な行動を取るので、乗員は移動体が移動中で
もロボットの保護に関して配慮する必要が無くなる。ま
た、移動体内で乗員が欲するような好ましいサービスを
ロボットが実行するので、乗員は移動体内で快適かつ安
心して過ごすことができる。
【0015】前記認識手段は前記諸条件を認識するのに
役立つ各種センサ、装置或いはこれらで検出された情報
(出力信号)に所定の処理を施す制御回路等により構成
される。例えば、認識手段側で所定の閾値を設けノイズ
を除去して思考手段側に認識情報(認識手段からの出力
信号)を供給するようにしてもよいし、思考手段側から
の指示信号を受けたときに所定の認識情報を供給するよ
うにしてもよい。
【0016】また、前記思考手段は本ロボットの中央制
御部に相当する。この思考手段はCPU等で構成され移
動体搭載用のロボットとして機能するための必要な多種
のプログラムが予め設定されており、これらのプログラ
ムに基づいた思考(処理)を実行する。前述した自律思
考部はこのプログラムの一部として設定されている。
【0017】また、請求項3に記載される如く、請求項
2記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前記自律制
御には、移動体から受ける該移動体の挙動に対してロボ
ットの体勢を安定に保持できるように前記移動手段及び
動作手段を駆動制御する自己保持モードを含む、構成と
することができる。
【0018】請求項3記載の発明では、自律制御に自己
保持モードを有するので、ロボットは移動体の挙動に対
応して必要な安定体勢を取り、移動体内や乗員に衝突等
することが抑制される。移動体に搭載されるロボットは
通常のロボットとは異なり、車両が発進、走行、停止す
ることにより発生する加速度、減速度、上下加速度、ヨ
ーレイト等の車両挙動(外乱)を受けることになるが、
本ロボットはこのように自己保持機能を有し、運転者等
の乗員による補助或いは指示が無くても、自らがこれら
外乱に対して必要な行動を取るので、乗員がロボットに
対して配慮する必要がない。
【0019】ここでの移動体の挙動は移動体から受ける
前記諸条件に含まれ、前記認識手段を介して思考手段へ
供給され、所定のプログラムに従って本自律制御の自己
保持モードによる制御に用いられる。
【0020】また、請求項4に記載される如く、請求項
3記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前記認識手
段が認識した前記諸条件から前記移動体が示す前記移動
体の挙動を予想して自己保持モードによる動作を実行す
る、構成とすることができる。
【0021】請求項4記載の発明では、車両発進時のシ
フト位置等から移動体の前進或いは後進が認識され、ロ
ボットは自己の体勢に影響を与える移動体の挙動に備え
ることになる。よって、ロボットの体勢保持が容易とな
る。
【0022】また、請求項5に記載される如く、請求項
3又は4記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前記
自己保持モードによる制御は、衝撃方向に対抗するよう
に実行する制動制御とすることができる。
【0023】請求項5記載の発明では、ロボットは自己
に対する外乱となる加速度G等に対して、逆慣性の制動
制御を行い対抗する。よって、外乱により車内で後退移
動等することなく安定に自己の体勢を保持できる。
【0024】なお、外乱が所定の閾値以上であり危険で
ある場合に備えて、ロボットがエアバック機能等をさら
に含んでいる構成としてもよい。
【0025】また、請求項6に記載される如く、請求項
2又は3記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前記
自律制御は、前記認識手段が認識した前記諸条件に基づ
き当該ロボットが移動体及び乗員に関して必要な行動を
取る自発行動モードをさらに含む、構成とすることが好
ましい。
【0026】請求項6記載の発明では、ロボットの前記
自律制御にさらに自発行動モードを含むので、ロボット
が思考した結果、必要であると判断した事項については
自らが行動を起こすことになる。よって、乗員は逐次、
ロボットに指示を与えることなく移動体内で快適、安全
に過ごすことができる。この自発行動モードでは移動体
内外の人、物、装置等に関する情報や上記移動体全般に
関する車両情報が認識され、その制御に用いられる。こ
れらの情報は、移動体或いは乗員から受ける前記諸条件
に含まれる。これらの情報は認識手段を介して思考手段
に供給され、所定のプログラムに従って本自律制御の自
発行動モードが実行される。
【0027】例えば、ロボットが居た場所に乗員が乗り
込んできたときには、自ら移動手段を駆動させて邪魔と
ならない場所に移動すること、運転者が居眠りをした場
合には注意をすること、駐車中には周辺を監視して不審
者が接近したときには警報を発すること等をこの自発行
動モードに含めることができる。この自発行動モードに
含める項目とするか否かは、ロボットに求める機能に応
じて定める。例えばさらに、本ロボットにガスセンサ等
で構成した臭覚手段を設けて、移動体内の雰囲気ガスを
検出できるようにしておき、アルコールが検出された際
には、運転者に飲酒運転をしないように注意を喚起する
こと、さらに雰囲気中のアルコール濃度が所定値を越え
ている場合には移動体の運転ができないようにロックす
る等を自発行動モードに含めてもよい。そして、これら
については、思考手段内のプログラムに設定すればよ
い。
【0028】また、請求項7に記載される如く、請求項
6記載の移動体搭載用ロボットにおいて、前記自発行動
モードによる行動には、乗員登録、夜間監視、移動体内
における落下物監視、移動体走行時の監視アシスト、移
動体への乗降時の監視アシスト、乗員救助、移動体内の
清掃、ゴミの回収及び窓拭き、から選択される少なくと
も1つを含む、ものとすることができる。
【0029】請求項7記載の発明では、乗員にとって特
に好ましい監視、救助等のサービスをロボットが自発的
に提供するので、乗員は移動体内で快適、安全に過ごす
ことができ、さらに駐車中の移動体についても安心でき
る。
【0030】また、請求項8に記載される如く、請求項
7記載の移動体搭載用ロボットにおいて、前記乗員救助
は、前記自発行動モードに基づき指示がなくとも当該ロ
ボットが実行する、構成とすることができる。
【0031】請求項8記載の発明では、移動体の衝突時
等の事故時には乗員からの要求(指示)が無くても、前
記自発行動モードに基づいてロボットが自発的に乗員救
助を実行する。よって、移動体内の乗員をより確実に保
護することができる。
【0032】また、請求項9に記載される如く、請求項
8記載の移動体搭載用ロボットにおいて、前記自発行動
モードでは、前記認識手段が前記移動体の事故を認識し
たことに基づき、当該ロボットが生存空間を確保するよ
うに行動する、構成とすることもできる。
【0033】請求項9記載の発明では、移動体の衝突時
等にロボットが自発行動モードで生存空間を確保する。
よって、ロボットが生存空間を確保して自身のダメージ
を最小限に止め、乗員救助を実行することが可能とな
る。ロボットはこの生存空間を乗員が車両から脱出する
空間として用いる場合もある。
【0034】さらに、前述したように本ロボットが歩行
機能を有した形態で実現されていた場合には、まず生存
空間を確保できる場所に移動するようにし、これが無理
であるときには自ら生存空間を形成するように行動して
もよい。
【0035】また、請求項10に記載される如く、請求
項6記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前記自発
行動モードは、前記乗員の行動から予想して実行され
る、ように設定してもよい。
【0036】請求項10記載の発明では、乗員の行動は
適宜、認識手段により認識され思考手段に供給されるの
で、思考手段は過去に蓄積されたデータから所定の乗員
の行動に引続いて生じる事態を予想できる。よって、ロ
ボットは乗員が必要とするときに、最適なサービスを指
示されることなく提供できる。このようにロボットは自
発行動モードで必要となる行動を先取りする形で実行す
るので、乗員は移動体内で快適に過ごすことができる。
なお、上記データは新たな認識をしたときに順次更新さ
れるように設定されていることが望ましい。
【0037】また、請求項11に記載される如く、請求
項1又は2記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前
記思考手段は乗員の命令に応じて前記移動手段及び動作
手段を駆動させる、構成とすることができる。
【0038】請求項11記載の発明では、乗員からの指
示は認識手段により認識され、思考手段がその命令に応
じるように移動手段及び動作手段を駆動させる。よっ
て、乗員とコミュニケーションを取りながら、乗員の欲
するサービスを提供できるので、乗員は移動体内で快適
に過ごすことができる。このように乗員からの指示に応
じてロボットが行動を取る際にも、前述した自律制御を
実行していることが望ましい。
【0039】また、請求項12に記載の如く、請求項1
1記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前記乗員の
命令には物品運搬が含まれ、物品運搬動作では運搬する
物品の内容物を保持するために傾斜させて運搬する制御
動作を含む、構成とするこができる。
【0040】請求項12記載の発明では、ロボットが乗
員の命令に応じ、移動体内で物品運搬する際に、その物
品がカップに入った飲料等の流動性あるものときには、
カップを外乱に対抗する方向に傾けて運搬する。よっ
て、中味飲料をこぼすこと無く運搬できる。
【0041】すなわち、前記思考手段が乗員の命令に応
じて前記移動手段及び動作手段を駆動させるので、前記
ロボットは物品運搬中、移動体の走行状態に応じて運搬
動作の制御状態を変更できる。よって、ロボットは移動
体の走行状態に応じて乗員が所望する物品を適切に運搬
できる。
【0042】また、請求項13に記載される如く、請求
項1から12のいずれかに記載の移動体搭載用のロボッ
トにおいて、前記認識手段は前記諸条件を認識するため
少なくとも視覚手段及び/又は聴覚手段を含む、構成と
することが好ましい。
【0043】請求項13記載の発明では、ロボットによ
り移動体内の状況や移動体周辺の状況を視覚的或いは聴
覚的に認識され、その情報は思考手段に供給される。思
考手段は移動体周りの画像或いは音に基づいて種々の判
断を行うことができる。よって、例えば、ロボットは移
動体前方の道路状態について判断したり、移動体の周辺
を監視したり、乗員から要求された物品を検索したり等
することが可能となる。
【0044】さらに、前述した自発行動モードで乗員の
車両の乗車降車時に周辺を監視するよう設定を行ってい
るときには、ロボットが乗員の動作、ドアの開閉を認識
し、適切なサービスを提供できる。
【0045】さらに、本ロボットが前述したように臭覚
手段も備えると、飲酒や火災等の臭気を発生させる変化
も認識できるようになるので、乗員に対してより適切な
サービスを提供できるようになる。
【0046】また、請求項14に記載される如く、請求
項1から13のいずれかに記載の移動体搭載用のロボッ
トにおいて、前記移動手段は移動体周りに敷設されたレ
ールに沿って、当該ロボットを移動させる、構成とする
ことができる。
【0047】請求項14記載の発明で、移動体周りに敷
設されたレールとすることでロボットの位置と体勢を安
定化させることができる。このレールは例えば移動体の
天井部、ドアの枠部、コンソール部、インストルメント
パネル部等に敷設することができる。
【0048】ロボットを使用しないときには、トラン
ク、エンジンルーム等の空間内に収容する形態を採用す
ることもできる。この場合にはこれら空間からロボット
が出現できるように、延長のレールを敷設する。また、
レールは移動体内に限らず移動体外に設ける構成を採用
してともよい。この構成では、特に移動体外の状況を監
視させたいときやトランク内の物品を取り出させるので
便利である。なお、本移動体搭載用のロボットの移動手
段は特にレールを含むものに限定されるものではない。
すなわち、前述のようにロボットが歩行機能を備えると
きにはレールは不要であり、ロボット本体が移動手段と
しての足を備えた形態である。
【0049】また、請求項15に記載される如く、請求
項1から14のいずれかに記載の移動体搭載用のロボッ
トにおいて、当該ロボットは外部入力装置との接続用の
インターフェース部を備えた、構成とすることが好まし
い。
【0050】請求項15記載の発明では、ロボットは外
部入力装置から入力指示を受け移動体内で所定の行動を
実行する。この外部入力装置には、ノートパソコン等
他、移動体内に配置されているマイク、ナビゲーション
装置等も含まれる。外部入力装置がノートパソコンの場
合には、キーボードを介してロボットに指示を出し、所
定の行動を実行させることができる。また、インターフ
ェース部をICカード用のスロットとして形成してもよ
く、ノートパソコン等で所定の命令をICカードに書き
込んでおき、このICカードをスロットに差し込むこと
でロボットに命令を与えるように構成してもよい。
【0051】さらに、外部入力装置が入力機能のみでな
く出力機能も備える場合、ロボットが指示命令に対する
回答を外部装置に出力するような構成とすることができ
る。
【0052】また、請求項16に記載される如く、請求
項15記載の移動体搭載用のロボットにおいて、当該ロ
ボットが通信機能を備え、前記外部入力装置により遠隔
操作される、構成としてもよい。
【0053】請求項16記載の発明では、外部入力装置
が通信機能を備えた携帯電話、PAD等である場合に
は、車両外からロボットに指示して所定の仕事、例えば
ロボットに車内の忘れ物を探す等の命令指示を行って実
行させることができる。また、車両事故が発生した際に
は遠隔操作でレスキューセンタから指示を与えて、ロボ
ットに救助活動を実行させること等も可能となる。
【0054】さらに、ロボットが車外の指示者等へ携帯
電話を用いて電話を掛け指示に対して音声で回答する、
指示者が通信機能を備えパソコンから指示を出している
場合にはロボットが車内の画像を送信して指示者のパソ
コンのディスプレイ上でその作業をチェックする、等の
形態を採用できる。また、ロボットがインターネットに
定期的にアクセスしてE−メールで車内の状況を定期報
告する等の形態を採用することもできる。
【0055】先に説明したように、本ロボットは歩行機
能を備えた形態で実現されることがある。このようなロ
ボットは移動体とは分離、独立している。よって、ロボ
ットを移動体の外に持ち出される場合も想定される。こ
のように、ロボットが移動体外に持ち出されたときでも
通信機能を備えていれば、離れた所にある移動体の状態
をロボットが認識することが可能となる。そのために、
移動体側にも通信機能を設けロボットと交信可能な状態
を設定し、移動体側で得た情報をロボットが把握できる
ようにしておくこと、より好ましい実施形態を実現でき
る。
【0056】また、前記認識部及び思考部は、ロボット
側だけに設けるといった形態だけでなく、移動体側にそ
の一部或いは機能が重複する部分が設定される形態を採
用することもできる。ロボットが乗員に対するサービス
として、前述したような種々の動作を実行できる構成で
あればよい。
【0057】移動体側に認識部及び思考部を設けること
で、ロボットと移動体とが交信するので、ロボットが不
在である移動体についても監視等を確実に行うことがで
きる。また、乗員によりロボットが移動体に持込まれる
際には、ロボットが移動体に近付くことを互いに確認で
きる。
【0058】また、請求項17に記載の如く、請求項1
5記載の移動体搭載用のロボットにおいて、当該ロボッ
ト本体は通信装置と接続可能とされている、構成とする
ことができる。
【0059】請求項17記載の発明では、ロボットが通
信機能を備えていなくとも携帯電話等の通信装置を接続
することで外部から遠隔指示が可能となる。
【0060】また、請求項18に記載される如く、請求
項1又は2記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前
記移動体にはディスプレイ装置が配設されており、当該
ロボットは前記ディスプレイ装置上に表示された画像と
協調して動作を行うように設定されている、構成として
もよい。
【0061】請求項18記載の発明では、ロボットはデ
ィスプレイ装置上に表示されたキャラクタ画像と共にダ
ンスを行う等の画像との協調により乗員に娯楽を提供で
きる。ディスプレイ装置上に表示されたキャラクタ画像
とロボットとの外観を同一に形成しておき、ディスプレ
イ装置の背後からロボットが出現する構成とすればより
印象的な演出を行うことができる。このようなロボット
は特に子供が乗員に含まれる場合に採用すると、長時間
の走行でも飽きることなく移動体内で過ごすことができ
るので好ましい。
【0062】前述した請求項1から18に記載された移
動体搭載用ロボットは、移動手段を有する構成である
が、本発明の範疇となるロボットはこのような形態に限
定するものではない。移動手段を有さない移動体搭載用
のロボットであっても上記目的を達成できる。
【0063】すなわち、請求項19に記載されるごと
く、移動体或いは乗員から受ける諸条件を認識する認識
手段と、該認識手段により認識された前記諸条件に対応
するための思考を行う思考手段と、前記思考手段による
結果に基づき必要な動作を実行する動作手段とを含み、
前記乗員と間で双方向のコミュニケーションを取りなが
ら動作する移動体搭載用のロボットによっても達成され
る。
【0064】請求項19記載の発明では、移動体内の所
定位置に設定されたロボットが乗員と間で双方向のコミ
ュニケーションを取りながら動作(サービス)する。よ
って、乗員は移動体内で快適且つ安全に過ごすことがで
ができる。
【0065】本ロボットは、移動体内の所定位置に配置
される形態で実現されるが、移動体内に、この所定位置
を複数設定しておくことで、後部座席にいる乗員へもロ
ボットがサービスを提供できる。
【0066】また、このロボットは上記移動体内で用い
ることのみを目的に構成されている必要はなく、例えば
乗員の自宅でのアミューズメント用のペットロボット或
いは作業補助として用いる補助ロボット自体、或いはこ
れらが分離可能である場合にはその一部を前記所定位置
に配置する形態としてもよい。
【0067】そして、請求項20に記載される如く、請
求項19記載の移動体搭載用のロボットにおいても、前
記思考手段にはロボット自らが行動するための自律思考
部が設定され、該自律思考部は前記認識手段が認識した
前記諸条件に基づき前記動作手段を駆動させて自律制御
を実行する、構成を採用することが好ましい。
【0068】請求項20記載の発明によっても、移動体
内で乗員が欲するような好ましいサービスをロボットが
実行するので、乗員は移動体内で快適かつ安心して過ご
すことができる。
【0069】なお、本ロボットの思考手段及び認識手段
は、前述の請求項1から請求項18に記載した発明と同
様に構成することができる。
【0070】また、請求項21に記載される如く、請求
項20記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前記自
律制御には、前記移動体から受ける該移動体の挙動に対
してロボットの体勢を安定に保持できるように前記動作
手段を駆動制御する自己保持モードを含む、構成とする
ことが好ましい。
【0071】また、請求項22に記載される如く、請求
項21記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前記認
識手段が認識した前記諸条件から前記移動体が示す前記
移動体の挙動を予想して自己保持モードによる動作を実
行する、構成とすることがより好ましい。
【0072】また、請求項23に記載される如く、請求
項20又は21記載の移動体搭載用のロボットにおい
て、前記自律制御は、前記認識手段が認識した前記諸条
件に基づき当該ロボットが乗員に関して必要な行動を取
る自発行動モードをさらに含む、構成とすることがより
好ましい。
【0073】また、請求項24に記載される如く、請求
項23記載の移動体搭載用ロボットにおいて、前記自発
行動モードによる行動には、乗員登録、夜間監視、移動
体内における落下物監視、移動体走行時の監視アシス
ト、移動体への乗降時の監視アシスト、移動体内の清
掃、ゴミの回収及び窓拭き、から選択される少なくとも
1つを含む、ことが好ましい。
【0074】また、請求項25に記載される如く、請求
項23記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前記自
発行動モードは、前記乗員の行動から予想して実行され
る、構成としておくことが好ましい。
【0075】また、請求項26に記載される如く、請求
項19又は20記載の移動体搭載用のロボットにおい
て、前記思考手段は乗員の命令に応じて前記動作手段を
駆動させる、構成が好ましい。
【0076】また、請求項27に記載される如く、請求
項19から26のいずれかに記載の移動体搭載用のロボ
ットにおいて、前記認識手段は前記諸条件を認識するた
め少なくとも視覚手段及び/又は聴覚手段を含む、構成
が好ましい。
【0077】また、請求項28に記載される如く、請求
項19から27のいずれかに記載の移動体搭載用のロボ
ットにおいて、当該ロボットは外部入力装置との接続用
のインターフェース部を備えた、構成が好ましい。
【0078】また、請求項29に記載される如く、請求
項28記載の移動体搭載用のロボットにおいて、当該ロ
ボットが通信機能を備え、前記外部入力装置により遠隔
操作される、構成が好ましい。
【0079】また、請求項30に記載される如く、請求
項28記載の移動体搭載用のロボットにおいて、当該ロ
ボットは通信装置と接続可能とされている、構成が好ま
しい。
【0080】すなわち、請求項21〜30に記載される
発明でも、ロボットは自己保持モードと自発行動モード
を含む構成で自律制御しており、請求項1〜18に記載
した発明と同様に、移動体の挙動に対応しつつ乗員とコ
ミュニケーションを取りながら必要なサービスを提供す
ることができる。
【0081】また、請求項31に記載される如く、請求
項28記載の移動体搭載用のロボットにおいて、当該ロ
ボットは、前記移動体側に設けた通信装置と交信するた
めの通信機能を備え、移動体側から得る情報を前記自律
制御に用いる、構成とすることが好ましい。
【0082】請求項31記載の発明では、移動体側にも
通信機能が設けられロボットと交信可能な状態であるの
で移動体側で得た情報をロボットが把握できる、よっ
て、行動範囲が限られた移動体搭載用のロボットでも不
足する情報を補完して前記自律制御に利用することがで
きる。
【0083】なお、請求項16の説明で記載したと同様
に、前記認識部及び思考部は、ロボット側だけに設ける
といった形態だけでなく、移動体側にその一部が設定さ
れる形態としてもよい。乗員のサービスのためロボット
が種々の動作を実質的に実行できる構成であればよい。
【0084】また、請求項32に記載される如く、請求
項19から31のいずれかに記載の移動体搭載用のロボ
ットにおいて、当該ロボットが前記移動体を構成する部
品に対して着脱可能である、構成とすることができる。
【0085】請求項32記載の発明では、必要によりロ
ボットを移動体内で移動し、また移動体外へ持ち出すこ
とができる。
【0086】また、請求項33に記載される如く、請求
項32記載の移動体搭載用のロボットにおいて、当該ロ
ボットが、上部半身と歩行機能を有する下部半身とによ
り形成され、前記上部半身が前記部品に対して着脱可能
に形成されている、構成でもよい。
【0087】請求項33記載の発明では、本来、歩行機
能を有するロボットの一部を固定状態にして安定化し、
移動体用のロボットとして活用できる。
【0088】また、請求項34に記載される如く、請求
項32又は33に記載の移動体搭載用のロボットにおい
て、前記部品は、移動体を構成するシート、コンソー
ル、インストルメントパネル、ドア又は天井部とするこ
とができる。
【0089】請求項34記載の発明では、移動体を構成
する既存の部品を利用するのでロボットを安定的に配置
することができる。特に、コンソール、インストルメン
トパネル又は天井部にロボットを配置した場合には、乗
員からの視認が容易であるのでコミュニケーションを取
ることが容易となる。また、シートにロボットを配置し
た場合には乗員に最も近い位置となるので、さらにコミ
ュニケーションを取ることが容易となる。
【0090】また、請求項35に記載される如く、請求
項19から31のいずれかに記載の移動体搭載用のロボ
ットにおいて、当該ロボットは前記移動体を構成するシ
ートと一体である、構成を採用することもできる。
【0091】請求項35記載の発明では、移動体の構成
部品をロボット化するので乗員の居住スペースを減少さ
せることなく、乗員へのサービスを提供できる。
【0092】また、請求項36に記載される如く、請求
項34又は35に記載の移動体搭載用のロボットにおい
て、当該ロボットは、前記思考手段による結果に基づい
てシートに付加された機能を実行する、構成とすること
ができる。
【0093】また、この請求項36に記載の移動体搭載
用のロボットで、前記シートに付加された機能として、
シートベルトを緊締すること、シート内に設けた加熱冷
却手段を駆動して温度調整すること、シート内に設けた
血圧測定手段を駆動して乗員の血圧を測定すること、シ
ート内に設けた脈拍測定手段を駆動して乗員の心拍数を
測定すること、シートを回転させること、シートを前後
に移動させること、シートを傾斜させること等がある。
【0094】請求項36の発明では、好ましい付加機能
を有したシートがロボットであるので、例えばチャイル
ドシート等を別途準備することなく、自律制御により子
供を安全に保持できる。さらに、子供に限らず大人に対
しても安全で、体調にまで配慮するロボットなる。
【0095】また、請求項37に記載される如く、請求
項35に記載の移動体搭載用のロボットにおいて、前記
シートがさらに腕状のマニュピレータを備える、構成と
することができる。
【0096】請求項37の発明では、ロボットが腕状の
マニュピレータを備えるので移動できなくても物品の受
け渡し等を行うことができる。さらに、移動体が急発進
・停車等して過度の減速度が生じたときに腕状のマニュ
ピレータが乗員を抱込むように設定しておけば、乗員の
保護により効果的である。
【0097】さらに、本発明の範疇には請求項38に記
載される如く、請求項1から37のいずれかに記載の移
動体搭載用のロボットを搭載した移動体も含む。
【0098】このような移動体は、乗員が移動体内で快
適に過ごすことができ、さらに移動体を離れた後におい
てロボットに監視作業等を実行させることがでるので、
極めてユーザフレンドリな移動体として提供できる。
【0099】
【発明の実施の形態】以下、さらに図面に基づいて、移
動体として車両を例として本発明を具体的に説明する
が、その前に図1に基づき本発明の車載用ロボット(以
下、CRSとする)の基本構成とその機能について概略
を説明する。
【0100】図1はCRS10の概略構成を機能ブロッ
クで示す図である。CRS10は車両から或いは乗員か
ら受ける諸条件(以下、車両乗員情報20という)を認
識する認識部12を有する。この認識部12は車両乗員
情報20を認識するためのCRS10本体側に設けた各
種センサ並びに車両側に取付けた各種センサ及びナビゲ
ーション装置等を含み、さらにはこれらセンサ等で認識
された車両乗員情報20に所定の処理を施すCPU等の
処理装置により具現化することができる。ここで使用さ
れる上記センサとしては、例えばCRS10が車両の何
処に位置しているのを検出する自己位置検出センサ、音
を検出する聴覚センサ、CRS10が接触したものを検
出する触覚センサ、周辺の状態を視覚的に捉えるCCD
装置、車両内の雰囲気を検出するガスセンサ等がある。
さらに、CRS10は車両に搭載されることから、例え
ば車両走行により生じる加速度、減速度、上下方向の加
速度、ヨーレイト等を検出するセンサ、イグニッション
(I/G)スイッチの状態、操舵角、スロットル開度を
検出するセンサ等の他、車両情報を検出するための多種
類のセンサも含まれる。なお、車両状態は前記車両乗員
情報20に含まれる。
【0101】CRS10の認識部12をどのようなセン
サを用いて構成するかについては、CRS10に期待す
る機能を考慮して適宜選定すればよい。また、認識部1
2により認識される車両乗員情報20には、使用者に関
する各種情報も含む。例えば、使用者登録情報等のデー
タ記録が必要なものについては、認識部12に記憶部を
設けてこれを保存し、逐次更新するようにしてもよい。
また、これら使用者に関するデータは、後述する思考部
14が種々の判断をする際の基準となるので、思考部1
4内に格納し、逐次データの更新ができるよに構成して
おくことが好ましい。
【0102】認識部12で認識された車両乗員情報20
は思考部14に供給されるが、使用したセンサの検出ノ
イズを除去する等の処理を施してから車両乗員情報20
を思考部14側に供給することが好ましい。また、思考
部14からの要求があった車両乗員情報20について供
給するようにしてもよい。
【0103】CRS10の思考部14は前記認識部12
によって認識された車両乗員情報20に基づいて、移動
部16及び動作部18を駆動させる。思考部14はCR
S10の中央処理部に相当するものであり、認識部12
から供給される車両乗員情報20に基づいて移動部16
及び動作部18を駆動させるための多種のプログラムを
備えている。
【0104】このプログラムには車両内で運転者を含め
た乗員に対し行う種々のサービスに関するもの、車両の
安全を保持するための監視に関するもの、さらに車両が
衝突等に遭遇したときの緊急時対応に関するもの、車両
内の清掃に関するもの、CRS10及び車両が通信機能
を備え相互に交信する場合にはその交信に関するもの
等、CRS10が実行する動作を規定するものが多数含
まれる。
【0105】上記思考部14は、例えばデータ処理及び
上記各部12、16、18の制御を行うCPU(中央処
理装置)と、このCPUにデータバスや制御バス等のバ
スラインで接続されたROM、RAM、タイマ等を備え
た構成で具現化できる。ROMにはCPUで制御を行う
ための各種データやプログラムが予め格納され、RAM
にはCPUが用いるワーキングメモリ等が格納される。
【0106】上記移動部16は、車両周りにCRS10
本体を移動させる手段である。CRS10を移動させる
範囲により、例えば車両の天井部、ドア周り部、センタ
ーコンソール部等に適宜レールを敷設し、移動用モータ
を駆動する構成で具現化される。この移動用モータは制
動用の電磁ブレーキ或いは回生制動でブレーキを掛ける
ように構成できる。但し、この移動部16はレールのよ
うに車両に固定された部材に沿ってCRS10を移動可
能とするものに限るものではない。前述したようにCR
S10自体が吸着手段等を有して移動範囲の限定なく移
動できる自律歩行の形態を採用することも可能である。
【0107】また、上記動作部18はCRS10が所定
の動作、例えば車内の物を取る(捕獲)するとか、動か
す、操作する等のロボットとして具体的な動作を実行す
る手段である。この動作手段18は、例えば微小モータ
を関節に内蔵させたマニュピレータ等により具現化され
る。
【0108】なお、CRS10が車両の運転状態或いは
周辺を監視する等の動作を実行する場合には、思考部1
4は前記認識部14に含むCCD装置、聴覚センサ等を
機能させる。
【0109】さらに、このCRS10の全体的な外形に
ついて説明すると、例えば擬人化された人型のキャラク
タ或いはペット型のキャラクタとすることができる。こ
のように構成した場合には、乗員が触れることが出来る
具体的な存在であり乗員へのインパクトは画面で表示さ
れていた従来の装置より大幅に改善される。このように
実存するキャラクタとしてCRS10を実現したときに
は、例えばこのキャラクタ内に前記思考部14に相当す
るCPUを配置する他、目、鼻、耳に対応するセンサを
認識部12として配置し、さらにマニュピレータによる
腕を配置して動作部18とする。また、キャラクタの表
皮は乗員の安全確保等のため、衝撃吸収性の樹脂で形成
する。そして、例えば車両の所定の位置に敷設したレー
ルに沿ってこのキャラクタが車内を移動するような構成
としてCRS10を実現できる。
【0110】ところで、本発明の特徴の1つとして本C
RS10は自律動作を行う自律制御機能を備えている。
この自律制御では、CRS10が上記車両乗員情報20
に基づいて自ら思考し、必要な行動を取るものである。
【0111】本発明のCRS10は車両に搭載されるこ
とから車両が発進し、走行する際には加速度、減速度、
上下方向の加速度、ヨーレイト等を受けるので、乗員に
よる補助或いは指示を待つことなく自ら判断して必要な
行動を取ることが必要である。よって、この自律制御で
はCRS10が車両内で自己の体勢を安定に保持できる
ような基本的機能(自己保持モード)を備える。
【0112】また、この自律制御にはCRS10が車両
に搭載され、その環境に対応するという観点から、乗員
にとって好ましい行動を自発的に取る機能(自発行動モ
ード)も有することが好ましい。この自発行動モードで
は、例えば、車両に乗員が乗り込んできたときに邪魔に
ならない位置に移動するとか、車両がスピードオーバで
ある場合には警告を発するようにするとか、駐車中の車
両に近付く不審者があるときには警告音を発する、車両
が衝突した場合には乗員保護のための救助行動を行う、
さらには車内のゴミを拾ってゴミ箱に捨てる、曇ったウ
インドウを拭くなどの清掃行動等があり、CRS10は
乗員の指示を待つことなく適切な行動を取る。そのため
に、前記思考手段14内に自律思考部SELを備えてい
る。このような自律思考部SELによる判断も例えばC
PUとROM内に予め設定したプログラムとに基づいて
実現される。なお、自律制御に含まれる自発行動モード
の設定項目についてはCRS10に期待する機能により
使用者が適宜定めればよい。但し、乗員登録、夜間監
視、落下物監視、車両走行時の監視アシスト、車両乗降
時の監視アシスト、乗員救助及び清掃等の動作につい
て、車両の使用者がCRS10に対し、適宜指示するこ
とは煩瑣であるし、基本的に必要な事項であるので自発
行動モードの項目に予め設定しておくことが望ましい。
【0113】また、CRS10の上記自律制御の内で上
記自己保持モードは基本的な機能であるが、上記自発行
動モードについては運転者等の指示を受けてから実行す
るように思考手段14内に設定してもよい。勿論、自己
保持モード及び自発行動モードを含む自律制御自体を運
転者等の指示を受けてから実行するように設定してもよ
い。
【0114】さらに、CRS10はインターフェース
(I/F)17を介して外部側の入・出力装置19と接
続される。入・出力装置19としては車内に設けたマイ
ク及びスピーカを挙げることができるが、これに限らず
車両本体側に据え付けらけられているタッチパネルの
他、可搬性あるノートパソコン、情報携帯端末(PA
D)、携帯電話等がこれに含まれる。例えば、乗員の緊
急時に、これらの装置を介して、レスキューセンタ等か
らCRS10へ指示入力を行い、CRS10がこれに応
答する行動を取るように構成しておくことも可能であ
る。また、例えば、マイク、ノートパソコンのキ−ボー
ドを介してCRS10へ指示入力し、この指示に対して
CRS10は指示に沿った動作を行う、或いは指示に応
答してスピーカ、ノートパソコン上の画面に所定の出力
を行うように構成しておくことも可能である。通信機能
を有した携帯電話等を用いた場合には車外からCRS1
0への指示を行い、所定の動作を行わせることができ、
その実行状況をCRS10から出力される音声で確認す
るような構成とすることもできる。さらに、CRS10
が通信機能を予め備えている構成としてもよい。
【0115】さらに、車両側にも通信機能を設けCRS
10と交信できる状態を設定しておくことが好ましい。
上記のようにCRS10が自律制御を行うために、認識
部12が認識した諸条件を基に思考部14が思考処理を
行っている。CRS10及び車両が通信機能を有し、C
RS10が車両側の情報を利用できるようなれば、CR
S10が自律制御を実行するために、認識部12及び思
考部14の全てをCRS10の本体側に設ける必要がな
くなる。
【0116】すなわち、車両側に認識部12及び思考部
14の一部を設け、その情報をCRS10が利用して前
記自律制御を実行できる。また、認識部12及び思考部
14の一部がCRS10及び車両の双方に重複して設定
された状態では、CRS10及び車両の思考部が相互に
交信し、その結果に基づいてCRS10が最適な行動を
取るというより好ましい形態も実現できる。
【0117】特に、CRS10が歩行機能も備えた形態
で場合には、車両から独立した存在である。よって、C
RS10が車両外に持ち出される場合も想定される。こ
のような場合には、通信機能を備えたCRS10が離れ
た場所に駐車された車両の状態を監視したり、CRS1
0が車両に接近したときにドアロックの解除等がなされ
るようにすれば乗員へよりレベルの高いサービスを提供
できる。
【0118】上記のように本発明のCRS10は、自律
制御機能を備えているので、乗員に意識させることな
く、好適なサービスを提供できると共に、乗員からの指
示に応じたサービスも提供する。よって、運転者を含め
た乗員は車内で快適に過ごすことができる。
【0119】以下さらに、図面に基づき本発明の実施例
を説明する。
【0120】図2から図9は本発明の第1実施例につい
て示す。本第1実施例はCRSにより実行される、車両
の使用開始から使用者の登録、車両発進に備えた自律制
御動作、車両の走行中で制御動作、車両停止後の制御動
作等を広く例示したものである。なお、繰返しとなる
が、以下で示すCRS動作は多種のセンサ等を含み車両
乗員情報20を認識するCRSの認識部12と、この認
識部12から供給される信号に基づいて思考するCRS
の思考部14とによりCRS本体の動作を制御すること
で実行されるものである。
【0121】図2は、ステーションワゴンタイプの車両
1にCRS100を搭載した第1実施例について示して
いる。車両1の天井にはCRS100が移動するための
レール2が敷設されている。
【0122】このCRS100は、頭部102とこの頭
部102に作動自在に接続された左右の腕104、10
6を備えた擬人的な外観(本体)を有している。CRS
100の頭部102は接続アーム110を介して、レー
ル2に移動自在に配設されている。レール2側にはスラ
イダ108が接続され、その内部にはレール2に沿って
移動するための移動用モータ(図示せず)と接続アーム
110を回動させる回動用モータ(図示せず)が配設さ
れている。よって、CRS100本体はレール2に沿っ
て車両1内を前後に移動し、またスライダ108を中心
として接続アーム110が回動することでその長さ範囲
内をさらに移動することができる。さらに。この接続ア
ーム110を伸縮駆動可能な部材で構成してもよい。
【0123】また、頭部102はヘッド回動部109を
介して接続アーム110に接続されている。ヘッド回動
部108内には図示せぬモータを配設しており、CRS
100本体をその下部において左右両方向に回動させ、
また傾斜させること、及び所望の位置で停止させること
ができる。よって、CRS100本体が移動する際に
は、レール2に沿ってスライダ108が移動し、接続ア
ーム110がスライダ108を中心に回転し、最後にヘ
ッド回動部109を駆動して正面合わせを行うように駆
動することで、車内の任意位置に移動させることができ
る。なお、CRS100は運搬する物品の質量を計量す
るための計量部を備えている。この計量部は頭部10
2、スライダ108或いはヘッド回動部109のいずれ
かに配設される。
【0124】頭部102には、例えば、臭覚センサとし
てガスセンサを用いた鼻111、視覚センサとしてCC
Dを用いた目112と聴覚センサとしてマイクロホンを
用いた耳114、さらにスピーカを用いた口113が形
成され、さらに車両の状態を検出する加速度、減速度、
ヨーレイト、上下加速度、IGのON/OFF等を検出
する各種センサ、さらには座標系を認識するジャイロ或
いは3軸加速度センサについてもその内部に配置されて
いる。この車両挙動を検出する種々のセンサは、従来の
車両本体側に配置されているので、通信機能を付加した
車両本体側から検出信号を取得する構成とすることも可
能である。しかし、本実施例のように、CRS100内
にセンサ機能を集約することで、車両本体側の設備の軽
減を図ることができる。
【0125】また、CRS100の左右の腕104、1
06の先端には物体を把持するハンド104HA、10
6HAが形成されている。このハンド104HA、10
6HAには物を所定圧で捉えるため、感圧導電性ゴムマ
トリックス等で形成する触覚センサを備えている。
【0126】頭部102には、前述した中央処理部とし
て図示せぬCPUが配設され、前記複数のセンサにより
認識(検出)される車両乗員情報(CRS100が車両
或いは乗員から受ける諸条件)に基づいて、スライダ1
08、ヘッド回動部109及び接続アーム110を駆動
させて所定位置まで移動し、必要な動作を実行する。な
お、前方監視等の動作の場合には、スライダ108によ
りCRS100が所定位置に移動し、目(CCD)11
2、耳(マイクロフォン)114が必要な方向に向くよ
うにヘッド回動部109を回動させてから監視を実行す
る。
【0127】前述したようにCRS100は自律制御機
能を有している。その内の基本的機能である自己保持モ
ードを実行するときには、特に加速度、減速度、ヨーレ
イト、上下加速度、操舵角等を検出するセンサからの信
号に基づいて、CRS100は自己の体勢が安定となる
ように行動する。例えば左右の腕104、106を天井
に伸ばして揺れを防ぐようにしてもよいし、移動用及び
動作用のモータを強く制動しロック状態としてもよい
し、アーム110、ヘッド回動部108及び腕104、
106を協働的に駆動させCRS100本体のバランス
が取れるような姿勢となるように設定していもよい。
【0128】図3は本第1実施例のCRS100の各部
構成として採用できる具体的な要素をブロックで示す図
である。図3のCRS認識部12、CRS思考部14等
は図1と対応しており、同一構成部には同一の符号を付
している。
【0129】CRS認識部12には車両乗員情報を得る
ための種々のセンサ、装置が接続される。CRS認識部
12は必要に応じてその情報を処理或いは記憶しつつC
RS思考部14に供給する。
【0130】CRS認識部12には使用者登録記憶部2
1を含み、登録されている使用者であるか否か等につい
ての認識情報をCRS思考部14へ提供することが好ま
しい。車両使用者を登録するシステムを採用するときに
は、その使用者登録情報も車両乗員情報の1つとなる。
使用者登録システムの機能は、認識部12に設定しても
よく、この場合にはCCD、マイク、キーボード等から
使用者の容姿や音声、パスワード、使用者番号等の識別
を行い使用者を特定する。認識部12は使用者が未登録
である場合には登録を促す。
【0131】CRS思考部14では使用者登録記憶部2
1からの使用者登録情報に基づき、所定の乗員データ4
0を内部に蓄積し逐次更新する。必要の都度、動作指示
履歴及び運転履歴等を呼び出してCRS100の動作制
御に用いる。なお、この乗員データ40には、車両内で
娯楽等を提供して世話をする必要がある子供等の乗員に
関する挙動等についてのデータを含めることができる。
【0132】また、CRS認識部12には自己位置認識
部22を含み、車両の位置を認識できる様にしておくこ
とが好ましい。この自己位置情報はナビゲーション装置
からの情報を認識するナビ情報認識部23から供給でき
る。ナビ情報認識部23では車両が走行している道路が
間もなくカーブとなる等の道路インフラ情報を認識で
き、また自己位置情報で車両の自己位置を確認できる。
CRS100の安定動作を確保するため等の情報として
CRS思考部14へ提供すると、前述した自律制御を規
定する自律プログラム33の実行に利用される。
【0133】また、CRS認識部12にはCRS100
自身の充電状態を検出する充電検出部24を含むことが
好ましい。充電検出部24により検出された充電情報は
CRS思考部14へ提供される。CRS思考部14側に
はCRS100が常時駆動可能となるように効率的な節
電、充電プログラム38が準備されている。この充電プ
ログラム38は、使用者の指示が無くともCRS100
が最適な充電状態であるようにするとの観点から自律プ
ログラム33の一部或いはこれに連動させて起動させる
ようにしておくことが好ましい。なお、CRS100本
体内に緊急対応用のバッテリを設けておくとさらに好ま
しい。
【0134】また、CRS認識部12は外部状況センサ
処理部25を含む。CCD及びマイクロホン等のセンサ
により、車両内外の環境を認識するための処理部であ
る。これらセンサにより検出された信号は、車両間距
離、路面状態、危険物接近、信号等が接近した等の交通
インフラに関する車外の情報や車内での運転者の居眠り
情報等の認識情報である。この認識情報がCRS思考部
14へ提供されると、自律プログラム33を始めとし
て、動作パターンプログラム31、動作補正プログラム
32、対話プログラム35、フェールセーフプログラム
36、学習プログラム37、音声制御プログラム39等
が適宜実行される。例えばCRS100が、音声で車両
間距離が短いことを注意したり、居眠りしている運転者
に音声で注意を喚起し、それでも起きない場合には腕1
04、106を駆動させて揺り起こす等の動作も実行す
る。
【0135】また、CRS認識部12は、車両の各操作
のスイッチ(SW)、操作レバー、ドアノブ、装備品、
さらにシートベルトSW等について認識する車両インタ
ーフェース位置形状・操作方法認識部26を含んでいる
ことが好ましい。車両インターフェース位置形状・操作
方法認識部26からの情報もCRS思考部14へ提供さ
れ、前述した認識情報と同様にCRS100の動作制御
に供される。
【0136】また、CRS認識部12は、車内の物品位
置、その形状、音声による品名確認記憶、CCD画像処
理の情報等を認識し、記憶している物品検出記憶部27
を含むことが好ましい。CRS100が乗員の指示によ
り物品の運搬を実行する際等に、この物品検出記憶部2
7からの情報が用いられる。
【0137】また、CRS認識部12は、乗員の位置、
移動有無、乗員数、配置、シート荷重、音声、登録有無
について認識する乗員状態認識部28を含んでいること
が好ましい。これらの情報もCRS思考部14へ提供さ
れ、前述した認識情報と同様にCRS100の動作制御
に供される。
【0138】さらに、CRS認識部12は、車両制御の
各種システム、例えば車両挙動制御装置、ABS、電子
制御サスペンション装置からのヨーレイト、加速度G、
減速度G、路面状態上下Gの検出信号、また車両監視シ
ステムを設けた場合の前後CCDからの信号や、ATか
らのシフト位置、変速信号、変速特性や、エンジンのイ
グニッションのON/OFF、操舵角、スロットル開
度、さらにナビゲーション装置からのルート設定に関す
る情報等を取得する車両制御システム信号部29を含む
ことが好ましい。これらの情報もCRS思考部14へ提
供され、前述したと同様にCRS100の動作制御に供
される。
【0139】なお、前記ヨーレイト、加速度G、減速度
G等を検出するセンサはCRS100側に設けてもよい
し、車両側に設けたものを用いてもよい。さらに、特に
電源を駆動エネルギーのひとつとする車両については、
この車両制御システム信号部29でハイブリッド(H
V)、燃料電池(FC)の機能状態に関する情報等を取
得するように設定してもよい。
【0140】さらに、CRS認識部12は車両の状態を
診断するダイアグノーシス装置からの検出信号を取得す
るダイアグ信号部30を含むことが好ましい。各機能部
の温度、雑音、軌跡作動監視CCD情報がCRS思考部
14へ提供されるとダイアグノーシスプログラム36が
実行され不良箇所の有無の確認を行い、例えばCRS1
00が音声で不良箇所の指摘を行い、必要な場合は停車
を促すようにすることもできる。さらに、CRS100
が車両のナビゲーション画面にアクセスできるようにし
ておき、この画面上に警告を文字表示できるようにして
もよい。
【0141】以下さらに、上記のような構成を有する第
1実施例のCRS100が実行する動作(サービス)を
フローチャートに基づいて説明する。このフローチャー
トは、車両の発進前準備段階、走行中、停車等の一連の
流れの中で、CRS100が自律制御を実行しながら取
る基本的な動作について示す。
【0142】これらのフロチャートは、前述したように
各種センサ及び車両内の装置や各部信号からCRS認識
部12が認識した車両乗員情報に基づきCRS思考部1
4がCRS100の身体(本体)をなす頭部102、腕
114,116等を機能させて実行する。
【0143】なお、このフローチャートで示す例は、車
両の使用が開始されてから常にCRS100が自律制御
状態である場合の例について示している。
【0144】図4から図9はCRS100が自律制御を
行いながら種々の動作(サービス)を実行する際の基本
的なフローチャートを示している。まず、図4のステッ
プ101(以下、ステップを単にSで示す場合がある)
で動作開始信号が受信されることで、自律制御が開始さ
れる。動作開始信号としては、例えば、初めて車両のド
アが開錠されたとき等のセンサ信号を用いる。このよう
にすれば、メーカから車両が納品されたときには、自律
制御が実行されている状態となる。
【0145】上記動作開始信号が受信されると(S10
1)、自律制御が開始される(S103)。このステッ
プ103の自律制御では前述したように、自己保持モー
ドと自発行動モードが実行されている。
【0146】自己保持モードでは、CRS100は例え
ば次のような動作を取るように設定されている。CRS
100が車両中央コンソールボックス上部に位置し待機
状態であるとき、車両のギアの変更による変速ショック
に依る突然の外乱や、加速度Gの変化による外乱に対し
て変速信号を事前に認識して、対G逆慣性の制動制御で
対応する。この制動動作ではスライダ108やヘッド回
動部109の電磁ブレーキ等を駆動させ、CRS100
のヘッド回動部109や腕114,116を傾斜させる
等の体勢を取る。同様に、車速、前後加速度G、旋回G
(ヨーレイト)、上下加速度G等を検出することで車両
挙動による外乱に対して、体勢制御を実行する。さら
に、CRS100に備えた目112(以下、CCD11
2)による路面検出や、電子制御サスペンション装置か
らの走行安定信号に基づき体勢制御を実行するように設
定することも可能である。この自己保持モードはCRS
100の体勢に影響を与えるような車両挙動(外乱)に
対して実行される制御である。車両挙動は多様であるの
で、自己保持モードが実行される状況は種々存在する。
自己保持モードの制御が実行される具体的な状況は後に
示すフローチャートでより明らかとなる。
【0147】また、自発行動モードは乗員の指示を受け
ることなくCRS100が自発的に行う行動である。例
えば運転者のわき見等がCCD112で認識されると、
音声等の警告を発する。また、乗員が座席を移動するこ
とを検出すると、移動することが危険であると判断した
場合には警告を発する等である。
【0148】上記自己保持モードと自発行動モードと
は、CRS思考部14が実行する基本的な制御である。
その制御内容は上記に掲げた例に限るものではない。C
RS100が車両挙動による外乱を受けたときに自己の
体勢を安定保持するために実行されるのが自己保持モー
ドであり、車両に関して使用者の指示を待つまでもなく
実行することが好ましい動作(サービス)を行うのが自
発行動モードである。以下順に説明するステップ105
以降においても、これら自己保持モードと自発行動モー
ドが機能状態にあり、CRS思考部14内に設定した自
律プログラム32より逐次実行される。
【0149】なお、自己保持モードと自発行動モードは
背反するものではない。自己保持モードと自発行動モー
ドとが共に実行される場合や、いずれか一方が実行され
る場合もある。
【0150】上記のように自律制御が開始されCRS1
00側の準備が完了した状態で、車両の実際の使用に際
して、運転者の認識・確認が実行される(S105)。
キーレスエントリ、ドアの開閉信号等により、このCR
S100の動作が準備に入り運転者の認識が行われる。
このステップ105では、運転者本人か、登録者か、そ
の他の者が認識される。初めての運転者には登録を促
す。なお、CRS100が自律制御を実行中であれば、
車両への接近者をすべて認識するように設定しておいて
もよい。
【0151】次のステップ107では、過去の運転デー
タを読込み運転者の運転技量、嗜好等を参照し、エンジ
ン制御、AT変速制御定数等を設定する。このような準
備を行っておくことで、車両走行時においてCRS10
0が乗員に対して実行するサービスを円滑化できる。
【0152】次に、乗員が1人のみか、複数かの判断が
なされる(S109)。1人すなわち、運転者のみであ
ればステップ111で初期定位置が確認される。複数で
ある場合には、参照番号1で示すサブフロー(複数人処
理フロー)での処理が実行され、この処理後は初期定位
置が確認される(S111)。
【0153】図5は上記複数人処理のフローチャートで
ある。先ず、乗車定員が一杯か、否かの判断がなされ
(S201)、一杯でなければステップ205に進む。
ステップ205では、各乗員の車両外部の位置が確認さ
れ、どのドアから車両に乗り込んだかを認識する。この
とき、CRS100は乗員の着座位置を判断或いは予想
して空席に移動する。この複数人処理では、CCD11
2を用いて乗員の認識を行っている。
【0154】上記ステップ201で乗車定員が一杯であ
ると判断されると、ステップ203でCRS100が車
内での居場所を乗員に音声等で伝える。乗員が希望する
場合があるときには希望席近くに移動する。また、ステ
ップ203で、CRS100が乗員全員に近くに居るこ
とを拒否された場合には、所定の安全位置へ移動する。
例えば、車両中央コンソールボックスの上部位置、或い
は後方荷室位置等がCRS100の安全位置として予め
設定されている。
【0155】上記ステップ203及びステップ205の
処理が終了すると、乗員の確定と未登録者への登録を促
す(S207)。これにより、複数人処理を終了して図
4のメインフローに戻り、複数の乗員について初期所定
位置の認識がされる(S111)。本実施例の場合、上
記ステップ111までのフローは、CRS100が自発
行動モードとして実行したものであり、CRS思考部1
4により制御されている。
【0156】次のステップ113では運転者がイグニッ
ショ(I/G)をONするのを待ち、I/GがONされ
ないとき(S115)には、運転者が何をしているかを
把握する。CRS100のCCD112により、運転者
がCD、ナビゲーション装置、エアコン等の操作をして
いる、或いは携帯電話を掛けている等が認識される。一
方、I/GがONされると、走行時の動作制御準備に入
る(S117)。この準備では、車両が走る、曲る、止
まるの各特性に応じた最適な自己保持モードで制御が実
行されるように、CRS100の位置、体勢の準備や外
乱認識のために使用するセンサや装置の状態等のチェッ
ク等が行われる。
【0157】続くステップ119では、シフト操作によ
るシフト位置判別がなされ、前進レンジか、後進レンジ
かの判断がされる。前進レンジであると判断されると、
次に「乗員の指示による動作なしか」の判断がされる
(S121)。このステップ121では、乗員がCRS
100に対して何か指示(サービス要求)をしていない
かの確認をする。この要求指示があった場合には、乗員
の指示に応じた指示動作、例えばカップに入った飲料を
後部座席から運転席に運搬する等の動作を行う(S12
5)。このステップ125では、自己保持モードの下で
指示動作を実行している。すなわち、CRS思考部14
は自己保持モードでCRS100本体がN―Dシフトシ
ョックによる車両の揺れに対応できるように、前方発進
により発生する加速度Gに対してアクセル開度に応じた
逆慣性制御で備える制御を実行している。この逆慣性制
御動作では、スライダ108やヘッド回動部109のブ
レーキ等を強めに駆動させると共に、CRS100のヘ
ッド回動部109や腕114,116を傾斜させる等を
行って、カップ内の飲料がこぼれないない様にしながら
自己の体勢を取る。ステップ125の処理が終了すると
ステップ127の処理に入る。
【0158】ステップ121で、乗員の指示による動作
なしの場合には、このステップ123でCRS100が
前方監視のために車両中央前方に移動すると共に、ステ
ップ125の場合と同様に自己保持モードでN―Dシフ
トショックによる車両の揺れに対応できるように、前方
発進により発生する加速度Gに対してアクセル開度に応
じた逆慣性制御で備える。なお、このステップ123
で、CRS100が前方監視のために車両中央前方に移
動する動作は自発行動モードに基づく。CRS100が
特に指示がない場合でも運転者と共に前方を監視するこ
とで、車両の安全性が向上する。なお、CRS100は
乗員からの指示に応じ、以後のフロー中であってもその
指示を実行するようになっている。その際にも上記自己
保持モードを実行しつつ乗員の要求に応じる動作を行う
ように設定されている。
【0159】次に、ステップ119まで戻り後進レンジ
であると判断されると、参照番号で示す3のサブフロー
(後進処理フロー)での処理へ進む。この後進処理フロ
ーでの処理が終了すると、図4のメインフローのステッ
プ127での処理に入る。
【0160】上記後進処理フローは図6に示されてい
る。この後進処理フローでも前述した前進レンジの場合
と同様に後進する車両に対する処理が実行される。「乗
員の指示による動作なしか」の判断がされる(S21
1)。この指示があった場合には、乗員の指示に応じた
指示動作を行う(S215)。CRS思考部14は自己
保持モードでCRS100本体がN−Rシフトショック
による車両の揺れに対応できるように、後方発進により
発生する加減速Gに対してアクセル開度に応じた逆慣性
制御を前方発進の場合と同様に実行する。このステップ
215の処理が終了すると、図4で示すメインフローの
ステップ127へ戻る。
【0161】ステップ211で、乗員の指示による動作
なしとされた場合には、CRS100が後方監視のため
に車両後方に移動すると共に、ステップ215の場合と
同様に自己保持モードでN−Rシフトショックによる車
両の揺れに対応できるように、後方発進により発生する
加減速Gに対してアクセル開度に応じた逆慣性制御で備
える(S213)。なお、このステップ213で、CR
S100が後方監視のために車両後方に移動する動作も
自発行動モードに基づく。CRS100は指示がない場
合にも運転者が確認し難い後方を監視することで、車両
の安全確認を実行する。このステップ213の処理が終
了すると、図4で示すメインフローのステップ127で
の処理に入る。
【0162】図4のステップ127では、実際に発進し
た車両のアクセル開度が検出され、前進又は後進時に車
両発進により発生する加速後Gに対応するように、CR
S100が自己保持モードでの制御を実行する。続い
て、図7に示す「乗員の指示による動作なしか」の判断
がされる(S129)。前記ステップ121では発進前
の乗員からの指示であるが、このステップ129では走
行中において乗員がCRS100に対して何か指示(サ
ービス要求)をしていないかの判断をする。ステップ1
29で指示ありと判断されると、参照番号6のサブフロ
ー(指示動作処理フロー)の処理に入る。ステップ12
9で指示ありと判断されるとメインフローのステップ1
31の処理に入る。
【0163】上記指示動作処理フローは図9に示され
る。図9に例示されるように、この指示動作処理フロー
では乗員により指示された動作内容が運搬動作か、或い
は監視動作であるかをステップ221、223の順で判
断し、それぞれのフローチャ−トに基づく処理が実行さ
れる。乗員により指示された動作処理が完了すると、再
度、図7で示す指示確認の状態(S129)に戻り、メ
インフローによる処理が継続される。なお、図9で示し
た運搬動作及び監視動作について後述の実施例で詳細に
示すこととし、ここでは省略する。なお、乗員がCRS
100に指示する動作は上記運搬、監視動作に限るもの
ではない。
【0164】図7に示すメインフローに戻り、ステップ
131以後で実行される処理を引続き説明する。ステッ
プ131では、CRS100の充電状態(SOC)が所
定値であるかのチェックが実行される。ここでの処理は
前記自発行動モードによる。このようにCRS100が
充電状態をチェックすることで、運転者は適宜CRS1
00の充電状態をチェックすることも無く、CRS10
0のからのサービスを期待できる。よって、走行中にお
いて、指示した動作がCRS100の充電不足であるた
めに実行されないといった事態が回避される。
【0165】ステップ131で充電不足が確認される
と、ステップ135でCRS100に予め設定した、充
電手段を用いてCRS100への充電が実行される。こ
こでCRS100が用いることができる充電手段につい
て説明すると、CRS100が車両に搭載されることか
ら、例えば車両の振動エネルギを用いる変換発電や、エ
ンジン熱、車内外の温度差等の熱エネルギを用いる変換
発電や、FC(燃料電池)発電、HV(ハイブリッド)
での回生制動を用いた発電等が好ましい。CRS100
を駆動するためのバッテリはCRS100の身体内に収
納してもよいし、車両内の所定位置に配置しておきケー
ブルを介してCRS100側へ電源を供給するようにし
てもよい。ケーブルを介してCRS100側へ電源を供
給する構成を採用すると、充電を実行しながら(S13
5)、CRS100は乗員へのサービスを継続できるよ
うなる。さらに、CRS100を駆動するために太陽電
池を用いてもよい。太陽電池は車両天井の上面に配置す
ればよい。なお、CRS100は本体内に緊急時用の予
備バッテリを備えている。
【0166】ステップ131でSOCが設定値以上であ
る場合、ステップ135の処理が終了した場合はステッ
プ133に進み、車両が停止状態であるか、否かの判断
がされている。車両は停止状態ではなく、走行中である
と判断されるとステップ129に戻り、同様の処理が繰
返される。一方、ステップ133で車両は停止状態であ
ると判断されると、IGがOFF状態であるか、否かの
判断が実行される(S137)。このステップ137で
OFF状態ではない、すなわちIGがON状態である
と、判断されるとステップ139で再発進に備え、図4
に示したステップ117に戻って処理を継続する。一
方、ステップ137でIGがOFF状態であると判断さ
れると、車内に乗員がいるか、否かの判断がされる(S
141)。このステップ141で乗員はいないとの判断
がされると、図4に示したステップ105に戻る。一
方、ステップ141で、乗員はいるとの判断がされる
と、自律制御で待ち(S143)、乗員が車外へ出る動
作をしているかを判断する(S145)。このステップ
145で、乗員が車外へ出る動作をしているとの判断を
すると、ステップ147で予め設定した挨拶内容を音声
で「…へ行きますね?気を付けて」等を口(スピーカ)
113から発する。
【0167】上記ステップ145で、乗員が車外へ出る
動作をしていない場合、及びステップ147の処理を終
了した場合は、図8に示すステップ149で乗員からさ
らに何か指示があるかを確認し、指示が無い場合には図
7の前記ステップ141に戻り、処理を繰返す。一方、
乗員から指示があった場合には、その指示に応じた指示
動作を行い(S151)、運転者が車外に出たか、否か
の判断を行う(S153)。
【0168】ステップ153で運転者が車外に出ていな
いと判断された場合には図7の前記ステップ141に戻
り、処理を繰返す。ステップ153で運転者が車外に出
たと判断された場合には、ステップ115で例えば「気
を付けて」、「また明日」、「おやすみなさい」等の挨
拶をCRS100が行い、これと共に運転者に対し降車
時の確認項目を列挙して確認を促す。さらに、CRS1
00は運転者が車両に持ち込んだ物品や窓の閉め忘れが
ないか等の確認を促す。このとき合わせて、CRS10
0は車外を監視して安全を確認する。この動作は自発行
動モードに基づくものである。最後に、CRS100は
所定位置に戻り待機する(S157)。この状態でもC
RS100は自律制御を実行しており、例えば夜間では
盗難防止のため監視を継続する。このステップ157の
状態は、先に図4で説明したステップ105で説明した
自律制御が実行され、運転者がドアを開けるのを待つ状
態と同様である。すなわち、本基本フローに基づく処理
は終了し、次に運転者が車両のドアを開錠することによ
り、前述した処理が同様に実行される。
【0169】前述した第1実施例では、車両の使用開始
と共に、CRS100の自律制御が当初から立ち上げら
れ、常に実行されている例を示したが、これに限らず、
運転者が車両を使用開始する毎に、CRS100が自律
制御を実行するか、否かの確認を行い。運転者の自律制
御の実行指示に基づいて前述したと同様の自律制御を実
行するようにしてもよい。このように構成した場合に
は、車両に運転者が乗り込んだときの確認、乗員乗員確
認等、図4に示した処理はCRS思考部14に初期実行
プログラムとして別途設定して、自動的に実行されるよ
うにしてもよい。なお、自律制御の実行指示を待つ状態
のCRS100は、CRS100本体を保護するために
電磁ブレーキ等を機能させて、原則としてメカロック状
態とする。ただし、乗員の保護の観点から、目112、
耳114による周辺認識は実行状態にしておき、車両衝
突時等の緊急事態には警告を発する等を行うように設定
しておくことが好ましい。
【0170】次に本発明の第2実施例についてい説明す
る。本第2実施例は前記第1実施例で説明を省略した乗
員からの指示により、CRSが車両走行中に物品を運搬
する際の制御動作について示す。なお、CRSの基本構
成は第1実施例のCRS100と同様であるので重複し
た説明は省略し、本第2実施理でも前記第1実施例と同
一符号を用いて説明を行う。後述する第3実施例以下の
実施例についても同様とする。
【0171】図10から図14は、第2実施例の運搬動
作のフローチャートである。CRS100は、車両が停
止しているか、走行中であるかを問わず、乗員の指示に
応じて車内の物品を運搬するサービスを実行する。第1
実施例の図4で示した基本フローにおいては、CRS1
00が停車中の車内において乗員の指示に応じて車内の
物品を運搬するサービスを実行し、車両発進のときには
発進時の加速度G等を考慮した自己保持モードを実行し
つつ、物品を運搬することについて説明している。本第
2実施例で示す図10から図14のフローチャートは、
車両内で最も多くなると推定される運搬の実行形態とし
て、車両走行中においてCRS100が実行する運搬動
作処理を示している。
【0172】図10で、物品の運搬動作制御フローによ
る処理は乗員の指示に基づき実行され、所定の動作準備
(S301)がされてから、登録者であるか、否かが確
認される(S303)。登録者でなければ、CRS10
0は物品運搬の指示を出した乗員と音声認識による対話
等を行い、その物品(以下、対象物品とする)とその位
置を確認する(S307)。さらに、その対象物品を登
録する処理を終了して、CCDによる検索を行う(S3
09)。
【0173】なお、上記のように新たな物品に関して登
録しておくことで、次回同様な指示が出たときにCRS
100は迅速に対応できる。この登録データは車内の物
品位置リスト、物品形状等について詳細に記録しておく
ことが好ましい。この登録データはCRS思考部14が
用いる乗員データ40に含めてもよい。
【0174】一方、ステップ303で登録者であるとさ
れると、ステップ305で登録データを検索して登録物
の中から登録者が要求している物品を予測する。音声認
識による対話等により対象物品とその位置を確認してか
ら、ステップ309でCRS100の目であるCCD1
12を用いた検索動作を開始する。なお、ステップ30
5で示すような処理を行うと、前述したように登録者に
ついては迅速なサービスが実行される。
【0175】上記ステップ309では、CCD112に
より車内の検索を行い、対象物品の位置を確認し、運搬
経路を決定する。先ず、対象物品の位置を確認が済む
と、指示者に音声で位置を告げ対象物品の確認を取る。
次に、いつ、どこへ運搬するのかについて確認を取る。
そして、シートのヘッドレスト形状、乗員の位置等を確
認して凡その運搬経路を決定する。
【0176】そして、ステップ311でCRS100は
対象物品に向けた移動行動を開始する。CRS100は
シートのヘッドレスト形状、乗員の位置をリアルタイム
に確認し、車両天井部に設けたレール2に沿って移動す
る。その際、運転者の視界を妨げないように移動する。
なお。このCRS100の移動・動作制御は、先に図2
に基づいて説明したように、CRS思考部14が制御し
ている。
【0177】さて、このようにCRS100が対象物品
の位置へ向け移動状態であるとき、さらに対象物品を捕
獲した以後の運搬のときにも、車両は走行中であり、車
両挙動がCRS100に対して外乱となる。この外乱に
対しては、前述したようにCRS思考部14が自己保持
モードの制御を実行してCRS100本体の体勢を保持
しながら対象物品を指示者に運搬する。CRS100
が、この自己保持モードに基づいて実際に行う制御動作
は複数あるが、ステップ313以下の詳細な説明に伴い
明らかにする。また、CRS100の認識部12を構成
しいるセンサ或いは各種装置についても複数の例が明ら
かとなる。
【0178】再び、図10において、CRS100が対
象物品の位置へ向け移動状態のとき、ステップ313で
は車両の走行による外乱なしか、定常走行中か、が判断
される。このステップ313で走行外乱なし及び定常走
行中であると判断されると、CRS100の動作に影響
を与える外乱がないので、CRS100は自己保持モー
ドの制御を実行するとなく移動を継続する。よって、C
RS100が対象物品のある所定位置まで移動して、指
示者に音声による確認後、物品を腕104、106のハ
ンド104HA、106HAで捕獲して、運搬を開始す
る(S315)。
【0179】一方、上記ステップ313で、走行外乱あ
り或いは定常走行中でないと判断されると、さらにステ
ップ317で走行レンジのシフト操作ありか、否かが判
断される。ステップ317で走行レンジのシフト操作あ
りとの判断がされると、ステップ319の処理に入る。
ステップ319では、走行レンジシフト操作時のCRS
100の制動制御が自己保持モードに基づき実行され
る。CRS100はシフト信号を検出し、シフトショッ
クによる車両揺れに対して所定制動力を持って備える。
ここでの制動は先に説明した逆慣性制御と同様であり、
スライダ108の制動を高める等により実行される。な
お、乗員の保護及びCRS100保護の観点から、外乱
に対して所定の閾値をCRS思考部14に設定しておく
ことが好ましい。この閾値以上の外乱があるときには、
CRS100はシフト操作終了まで停止する制御を実行
する。ステップ319による制御が終了すると、前記ス
テップ315の処理に入り、対象物品を捕獲して運搬す
る動作を開始する。
【0180】前記ステップ317で、走行レンジのシフ
ト操作なしとの判断がされると、参照番号12で示すサ
ブフロー(シフトなし走行フロー)での処理に入る。こ
のシフトなし走行フローの処理は図11に示される。
【0181】図11のシフトなし走行フローの処理で
は、先ずステップ331で車両が加速中であるか、否か
が判断される。ステップ331で加速中であると判断さ
れるとステップ333の制御が実行される。ステップ3
33では車両からのアクセル開度信号に応じた加速度G
を予測して、移動中のCRS100の制動力を適性に補
正する。次のステップ335でCRS100の移動方向
と車両の加速方向とが一致しているか、否かが判断され
る。CRS100の移動方向と車両の加速方向とが一致
していると判断されると、自己保持モードに基づく駆動
力アップ制御が実行され(S337)、CRS100が
加速度Gに負けて後退しないように制動力アップの制御
がなされる。このステップ337での制御が実行される
と、図10に示した運搬動作のメインフローの前記ステ
ップ315での処理に入り、対象物品を捕獲して運搬す
る動作を開始する。
【0182】また、ステップ335でCRS100の移
動方向と車両の加速方向とが一致していない判断される
と、CRS100が急速に移動しないように制御する
(S339)。例えば、CRS100が車両後方に移動
中であるとき、後席に向け加速されないように制動制御
を実行する。このステップ339での制御が実行される
と、図10に示した運搬動作のメインフローの前記ステ
ップ315での処理に入り、対象物品を捕獲して運搬す
る動作を開始する。
【0183】さらに、図11の前記ステップ331で、
車両が加速中ではないとの判断がされると、参照番号2
0で示す第2のサブフロー(加速なしフロー)の処理に
入る。この加速なしフローは図12に示される。
【0184】図12の加速なしフローでは、まずステッ
プ341で車両がコーナリング(旋回)状態にあるか、
否かが判断される。車両がコーナリング(旋回)状態に
あると判断されると、車速とステアリングの操舵角、操
舵速度などの運転者の操作をリアルタイムで演算して旋
回G(ヨーレイト)を予測する(S343)。本CRS
100が搭載された車両が、車両挙動制御システムを採
用している場合には、目標ヨーレイト信号を入手して用
いてもよい。そして、CRS100は車両の移動方向に
対応して制動か、駆動かを判断して制御を実行する。ま
た、低摩擦(μ)路等では車両挙動制御によって生じる
車両挙動に協調したヨーレイト特性で移動補正の制御を
実行する。このステップ343での制御が実行される
と、図10に示した運搬動作のメインフローの前記ステ
ップ315での処理に入り、対象物品を捕獲して運搬す
る動作を開始する。
【0185】前記ステップ341で車両がコーナリング
状態ではないと判断されると、車両が制動中であるか、
否かの判断がされる(S345)。このステップ345
で制動中ではないとの判断がされると、CRS100の
移動について特に制御の必要がないので、図10に示し
た運搬動作のメインフローの前記ステップ315での処
理に入り、対象物品を捕獲して運搬する動作を開始す
る。
【0186】一方、ステップ345で制動中であると判
断されると、エンジンブレーキとサービスブレーキどち
らの制動であるかが確認される(S347)。そして、
エンジンブレーキであればステップ349で、サービス
ブレーキであればステップ351での制御が実行され
る。
【0187】ステップ349では、CRS100は車両
のパワオフ(OFF)時でのエンジンブレーキによるシ
フトダウンでの所定ギヤ段の減速度Gを推定し、制動側
又は駆動側への移動補正の制御を行う。移動方向に対応
して、制動か又は駆動かを判断して制御する。ただし、
所定以上のピークGが検出されたときには停止制御とす
る。このステップ349での制御が実行されると、図1
0に示した運搬動作のメインフローの前記ステップ31
5での処理に入り、対象物品を捕獲して運搬する動作を
開始する。
【0188】一方、ステップ351では、ブレーキ制動
力信号から減速度Gを検出し、移動方向に対応して制動
か又は駆動かを判断して制御する。ブレーキのON−O
FFが所定頻度、時間間隔で繰り返され補正制御が不可
能であるときには、移動を中断して、繰り返しによる揺
れを回避する。ステップ351の処理が終了すると、ス
テップ353の処理に入る。
【0189】次のステップ353では、サービスブレー
キにより車両が低速となっているときにパーキング
(P)側へのレンジ切換の有無があったか、否かの判断
がされる。車両が完全に停止する前にパーキング側への
レンジ切換があるとラチェットショックが大きくCRS
100への外乱となる。よって、CRS100がこれを
予測して体勢を整えるためにステップ353が設けられ
ている。なお、この処理を図12のフローチャート上で
は低速Pシフトの有無と記載している。低速Pシフトへ
の切換え無しと判断されるとこれ以上の制御は行わず、
ステップ351の制御を実行した状態で、参照符号11
で示すように図10のステップ315での処理に入り、
対象物品を捕獲して運搬する動作を開始する。なお、図
12では省略するが坂路等においては完全に車両が停止
した後に、Pシフトへ切換えても傾斜の為に、上記と同
様の外乱が発生することがある。よって、坂路での停止
を考慮し、上記ステップ315による処理に入る前に、
ラチェットショックに備えるステップ353と同内容の
処理を付加しておいてもよい。
【0190】ここで、低速Pシフト有りと判断されると
(S353)、ラチェットショックを伴った停止と判断
され、CRS100はステップ355でPシフト時にP
位置を検出し停止制御を実行する。ステップ353の処
理が終了すると、図10に示した運搬動作のメインフロ
ーの前記ステップ315での処理に入り、対象物品を捕
獲して運搬する動作を開始する。
【0191】再度、メインフローを示す図10を参照す
ると、ステップ315において対象物品が捕獲され、運
搬が開始される処理に続いて、次に物品運搬中フローに
よる処理が続く。
【0192】この物品運搬中フローは図13に示され
る。図13ではCRS100が対象物品を保持しながら
移動して指示者まで運搬する移動・動作について示す。
上記図12までに示したCRS100が対象物品の位置
まで移動する際に実行した制御と同様、外乱に対する種
々の制御実行される。ただし、図13で示すフローは、
CRS100が対象物品、例えばカップに入った飲料等
を保持し運搬している点で異なっている。
【0193】すなわち、図13及び図14に示す物品運
搬フローでは、運搬対象物品の質量をCRS100が予
め認識し、前後左右、上下のGによる物品の重量増加を
考慮して、CRS100の腕104、106及びハンド
104HA、106HAにより、対象物品への保持力を
向上させる制御を実行する。特にジュース等の流動性の
物品を運搬するときには中味がこぼれないように容器を
傾斜させ、また、手のひらで飴などを運ぶときには手の
ひらを傾斜させ、さらに雑誌等の柔軟性あるものを運搬
するときには車両挙動に応じて、車内の乗員やシートに
接触することが無いような制御がされる。
【0194】なお、全体としての運搬動作フローを見る
と、先ずCRS100は対象物品の位置まで到達し、次
にCRS100は対象物品を捕獲し、指示者まで対象物
品を運搬するという行動を実行している。この物品運搬
フローに関しては、対象物品を捕獲して保持する点を主
に説明を加える。但し、CRS100の物品運搬に関し
ては、先に説明した対象物品の位置への制御が同様に実
行されている。
【0195】図13のステップ361で、車両の走行に
よる外乱なしか、及び定常走行中か、否かが判断され
る。ステップ361で走行外乱なし及び定常走行中であ
ると判断されると、CRS100の運搬動作に影響を与
える外乱がないことになるので、特に制御を実行するこ
となく運搬動作を行うことができる。よって、CRS1
00は対象物品を指示者の位置(所定位置)まで運搬
し、物品を捕獲していた腕104、106のハンド10
4HA、106HAを緩めて物品を指示者に渡して運搬
動作を完了し(S363)、このフローチャートによる
処理を終了する。
【0196】一方、ステップ361で走行外乱あり或い
は定常走行中でないと判断されるとステップ365で走
行レンジのシフト操作ありか、否かが判断される。ステ
ップ365で走行レンジのシフト操作ありと認識される
と、ステップ367の制御が実行される。ステップ36
7では、走行レンジシフト操作時のCRS100の制動
制御が自己保持モードに基づき実行される。CRS10
0はシフト信号を検出し、シフトショックによる車両揺
れに対して所定制動力を持って備える。ここでの制動
は、先に説明した逆慣性制御と同様であり、スライダ1
08の制動を高める等により実行される。また、CRS
100は所定以上の外乱量であるときには、シフト操作
終了まで停止する場合もある。本ステップ367では、
CRS100が対象物品をハンド104HA、106H
Aで捕獲している点が前述した対象物品位置へのCRS
100の移動とは異なる。CRS100は計量部を備え
ているので、運搬物の質量を予め検出しており、この質
量に基づいてシフト時についての記憶データから車体の
揺れ等により生じる物品の重量増加を考慮し、ハンド1
04HA、106HAの保持力をアップする制御を実行
する。ステップ367での制御をが実行された後は、前
記ステップ363による処理に入り、対象物品を指示者
の位置まで運搬し、物品を捕獲していた腕104、10
6のハンド104HA、106HAを緩めて物品を指示
者に渡して運搬動作を完了する。
【0197】一方、前記ステップ365で走行レンジの
シフト操作なし、との判断がされると、さらに加速中で
あるか、否かが判断される(S369)。ステップ36
9で加速中であると判断されると、ステップ371でア
クセル開度信号に応じた加速度Gを予測して、移動中の
CRS100の制動力を適性に補正する。続くステップ
373では、CRS100の移動方向と車両の加速方向
との一致を考慮しつつ、加速中の駆動変化による加速度
G変化、変速ショックに伴う加速度G変化等を各走行状
態についてデータに基づいて対応し、対象物品を落下さ
せないようにハンド104HA、106HAの保持力を
制御する。このステップ373での制御が実行された後
は、前記ステップ363の処理に入り、指示者に対象物
品を渡して運搬動作を完了する。
【0198】前記ステップ369で、加速中ではないと
の判断がされると、車両がコーナリング状態にあるか、
否かが判断される(S375)。ここで、車両がコーナ
リング状態にあると判断されるとステップ377による
制御が実行される。ステップ377では車速とステアリ
ングの操舵角をリアルタイムで演算して旋回G(ヨーレ
イト)を予測する。車両が車両挙動制御システムを採用
している場合には、目標ヨーレイト信号を入手して用い
てもよい。そして、腕104,106の動作に対応して
制御する。対象物品の質量から予測した加速度Gによる
本体への負荷を予測し保持力がアップするように制御を
実行する。
【0199】続くステップ379では、所定値以下の旋
回Gであるかの確認がされる。所定値を超えるとステッ
プ381での制御が実行され、所定値以下であればステ
ップ383の制御が実行される。
【0200】ステップ381では、旋回Gが許容限度を
超え、対象物品の運搬を行うことが困難、或いは危険と
なる場合の制御である。CRS100は、一時的に移
動、運搬の動作を停止する制御に入る。まず、ジュース
など流動物を運搬している場合には容器を旋回Gに対抗
するように傾け、こぼれないよう傾斜制御を実行する。
さらに大きな旋回Gの場合には、CRS100は近くの
フロアに退避する等の行動を取る。
【0201】なお、CRS100が車両挙動制御システ
ムや電子制御スロットルへ電気的な指示入力が可能な状
態に設定されいる場合、安全が確認できるときには、こ
れらにアクセスし旋回G自体を弱める制御を行ってもよ
い。
【0202】他方のステップ383は、旋回Gが所定値
以下であるときの対象物品の運搬制御である。CRS1
00はジュース等の流動性物の場合、容器を旋回Gに応
じて腕104,106及びハンド104HA,106H
Aを傾け、運搬中にこぼれないようにする。例えば、車
両が右旋回するときに車両内で左方向に飲料入りカップ
を運搬中であるときには、旋回Gに対抗するように飲料
入りカップを手前(右方向)に傾けて運搬する。また、
雑誌など柔軟性のあるものの場合は、左方に反り曲るよ
うになるので、シートや乗員に接触しないように、リア
ルタイムで周囲の状態を認識して運搬ルートを修正しつ
つ旋回Gに対抗する制御も実行する。さらに、飴等をハ
ンド104HA、106HA上に乗せて運搬するときに
は旋回Gに対抗するようにハンド104HA、106H
Aを傾斜させる。
【0203】上記ステップ381、ステップ383の処
理が終了すると、前記ステップ363による処理に入
り、対象物品を指示者の位置まで運搬して、運搬動作を
完了する。
【0204】また、前記ステップ375で車両がコーナ
リング状態ではない、と判断されると参照番号13で示
すサブフロー(直進フロー)の処理に入る。この直進フ
ローは図14に示される。
【0205】図14のステップ385では、制動中であ
るか、否かの判断がされる。ステップ385で制動中で
はないとの判断がされると、図13の前記ステップ36
3の処理に入り、対象物品を指示者の位置まで運搬し、
指示者に渡して運搬動作を完了する。一方、ステップ3
85で制動中であると判断されるとステップ387へ進
み、エンジンブレーキとサービスブレーキどちらの制動
であるかが、確認される。エンジンブレーキであればス
テップ389での制御が実行され、サービスブレーキで
あればステップ391での制御が実行される。
【0206】ステップ389では、パワーオフ(OF
F)時のエンジンブレーキでシフトダウンの所定ギヤ段
に応じた減速度Gを推定し、制動側又は駆動側への移動
補正の制御を行う。このエンジンブレーキはギア比によ
る減速であり、シフトダウン時のギヤ段に応じ減速度G
を予測する。特に、CRS100はLOWレンジへのシ
フト時にシフト信号を検出すると、流動性物品の運搬時
にはフロア−付近に退避する等の制御を実行する。
【0207】さらに、CRS100が車両側のトランス
ミッションを電気的操作できるように設定されている場
合には、前車との安全が確保されていることが確認した
ときに、LOWギア比から一度に変速比を変更するので
はなく、HIGHギア比を一定時間維持する様にして段
階的に変速比を変更し、ピークGを低減する制御を実行
するようにしてもよい。また、CVTを搭載した車両に
好適に適用可能であり、変速速度を遅らせてピークGを
低減する制御を行ってもよい。
【0208】ただし、所定以上のピークGが検出された
ときには停止制御とする。このステップ389での制御
が実行されると、図13の前記ステップ363の処理に
入り、対象物品を指示者の位置まで運搬し、指示者に渡
して運搬動作を完了する。
【0209】一方、ステップ391では、車両への制動
操作の信号或いは制動力から減速度Gを検出或いは予測
し、G方向に対して対象物品の運搬が可能か否かを判断
する。図14のステップ391ではブレーキ制動力信号
から減速度Gを検出する例について示す。CRS100
は、運搬している対象物品を指示内容とCCDから認識
してジュース等の流動物の場合には減速度Gの応じて傾
斜させる。ブレーキON−OFFが所定頻度、時間間隔
で繰り返され補正制御が不可能であるときには、減速度
Gの変化に応じて傾斜−水平の制御を実行する。所定頻
度以上又は長時間収束しないときには、運転者にブレー
キのON−OFF操作を緩めるか、スムーズな操作とす
るように音声で警告してもよい。また、急制動など所定
以上の減速度Gを検出したときには、CRS100は運
搬動作を中断して、フロアマット上等に退避して、対象
物品の落下防止行動を取る。さらに、車内が満員であ
り、客室側に退避空間が無いときには後部荷室に緊急退
避をするように予め、CRS100を設定しておいても
よい。
【0210】なお、CRS100が車両のブレーキシス
テムに電気的に接続され、制動指示が出せるような構成
を採用してもよく、前方の安全を確かめられる場合には
ピークGの低減のために予めABS作動の閾値を変更し
て滑らかな停止となるような制御を実行してもよい。
【0211】次のステップ393は前述したステップ3
53と同様な低速Pシフトの有無の判断の処理である。
低速Pシフト無しと判断されると外乱がないので、これ
以上の制御は行わず、前記ステップ363に進み、対象
物品を指示者の位置まで運搬して物品を指示者に渡して
運搬動作を完了する。一方、低速Pシフト有りと判断さ
れると、ステップ395でPシフト時にP位置を検出
し、保持力アップの制御を実行してから、図13の前記
ステップ363の処理に入り、対象物品を指示者の位置
まで運搬し、指示者に渡して運搬動作を完了し、本フロ
ーチャートによる処理を終了する。なお、本実施例で、
例えば旋回時の横G、悪路等での上下Gには、道路情報
等からこれらのGを予測して、外乱に対応するように構
成してもよい。
【0212】次に本発明の第3実施例についてい説明す
る。本第3実施理は、車両走行中において乗員からの指
示でCRSが実行する監視動作について示す。図15か
ら図17は、第3実施例の監視動作制御のフローチャー
トである。
【0213】図15で、乗員からの指示によりCRS1
00の監視動作が実行される。指示された監視制御内容
に応じて、メインフローとサブフローでの処理を実行す
る。ここでは、メインフローでチャイルドシートが必要
な子供等、世話を必要とする乗員の監視について示し、
サブフローで車両前方監視及び車内の落下物監視につい
て示す。図16は参照番号16の(前方監視フロー)
を、図17は参照番号17の(落下物監視フロー)をそ
れぞれ示している。
【0214】図15において、指示者(例えば母親等)
が子供の監視を指示していることをCRS100が音声
対話等により確認すると(S401)、子供の監視処理
に入る(S403)。
【0215】ステップ403では、CRS100が指示
された子供の位置をCCD112で確認する。さらに、
CRS100は乗員データから登録者であるかを確認
し、その子供の母親等についてのデータも参照する。次
のステップ405では、シートベルト装着のスイッチ
(SW)がOFFか、否かが確認される。シートベルト
が装着されているときには、子供から何か動作要求があ
るかを確認する(S413)。
【0216】ステップ405でシートベルトが装着され
ていないと判断されると、CRS100はその子供のシ
ート位置まで移動して、母親の声などでシートベルトの
装着を促す。子供に拒否された場合はCRS100が腕
114、116及びハンド104HA、106HAを動
かして、子供にシートベルトを強制的に装着する。又
は、CRS100は車両の停止或いは他の乗員による子
供へのシートベルト装着を音声により警告する。ここ
で、CRS100がどのような動作を実行するかは、C
RS思考部14に予め設定した動作パターンプログラム
31による。
【0217】次のステップ409では、子供が所定の座
席を離れたか、否かについて確認される。席を離れてい
ないと判断すると、子供から何か動作要求があるか確認
する(S413)。
【0218】ステップ409で子供が席を離れたと判断
すると、CRS100は子供に位置を確認してから、例
えば母親の音声により着席を促す(S411)。子供が
音声による注意で席に戻らない場合には、CRS100
が腕114,116を駆動させて子供を座席へ誘導す
る。その際、車両が加速、旋回、制動等で子供が横転す
る可能性がある場合等には、CRS100は子供の衣服
をハンド104HA、106HAで掴み保持しつつ子供
を着席させる。このときには、前記自己保持モードの制
御が実行されている。
【0219】さらに、子供から何か動作要求があるかを
確認する(S413)。このステップ413で特に動作
要求がなければ、CRS100はステップ403に戻り
同様の監視動作を繰返す。
【0220】ステップ413で、動作要求があると判断
されると、CRS100はこれに応じるように動作する
(S415)。このステップ415では、子供の行動を
詳細に観察する。チャイルドシートに着席させられてい
る子供は、何かしようとするときには、チャイルドシー
トを外そうとする。そこで、子供が何かするための移動
なら、チャイルドシートを外そうとしている時点で、C
RS100は移動理由を音声で問い合わせる。また、C
RS100は駐車中又は停車中で、親の了解があるとき
にはシートベルトを外す動作を実行する、或いはおもち
ゃ等が取りたい等であればその玩具の位置を確認して運
搬動作を実行する。物品の運搬動作は先に詳述した通り
である。さらに、CRS100への何か娯楽(アミュー
ズメント)要求があればアイテムを実行する。このステ
ップ415での処理が終了した後は、ステップ401或
いは403に戻り同様の監視動作を繰返すようにしても
良いし、ステップ415による処理が完了すると本フロ
ーチャ−トによる処理を終了するようにしてもよい。な
お、CRS100が実行するアミューズメント動作につ
いては後に詳細するさらに、本第3実施例で示す監視動
作には車両前方の監視動作が含まれている。以下CRS
100が実行する前方監視動作の一例を説明する。CR
S100は車両内を移動可能である。このように車内を
移動可能なCRS100が監視を行うことで、運転者の
死角について監視できる。さらに、CRS100が車両
に搭載されているナビゲーション装置からの情報を用い
ることで、運転者から指示がなくとも適切な監視を実行
することもできる。
【0221】図16は前方監視フローを示している。図
15において指示者が前方の監視を指示していることを
CRS100が音声対話等により確認すると(S40
1)、図16の前方監視フローを実行するための所定の
準備に入る(S431)。この準備では、前方監視を実
行するために必要なセンサ等の状態が正常に機能してい
るか等のチェックが含まれる。続くステップ433で、
CRS100は運転者の視線を検出し、同時に前方の視
界を邪魔しない位置に移動してから障害物の有無を監視
する。CRS100はCCD112を用いて前方の画像
を認識するほか、ナビゲーションシステム等を用いてイ
ンフラからの障害物、対向車等の情報も用いた適切な監
視を実行する。CRS100は運転者の視線に合わせて
移動し、運転者の死角となる方向の情報を音声で知らせ
たり、インパネに設置されているCRT等に映像化して
知らせる等のサービスを実行する。
【0222】さらに、CRS100は運転者が所定時間
前方を見ていないと、判断すると(S435)、スピー
カ113から音声で警告したり、腕114,116を作
動させ運転者の体にさわって覚醒を促す(S437)。
さらに、CRS100はナビゲーション装置等からの情
報を用いて、交叉点、横断歩道等の危険領域が迫ってい
る場合の警告や、前車が迫って車間距離が所定値以下と
なったときに障害物があることを警告し、その方向を指
し示す等の行動を取る(S441)。
【0223】さらに、運転者の動作では危険回避が不可
能であるとCRS100が判断したときには、CRS1
00が車両の操作或いは操作の補助を行うようにしても
よい。この場合に、例えばフローチャートに示すように
CRS100がブレーキ、ハンドル等に腕114,11
6を延ばして車両操作を代行してもよい(S443)。
【0224】さらに、CRS100が車両の各制御を行
なう制御部などと通信を行い、各制御部への命令を行う
ことで車両を操作する構成としてもよい。また、CRS
100が電子制御スロットル装置、車両挙動制御装置、
電動ステアリング制御装置等の車両側のシステムと電気
的に接続され、これらの電子制御ユニット(ECU)に
アクセス可能な構成となっている場合には、ブレーキペ
ダル、ハンドル、シフトレバー等を操作して車両の操作
を代行するような構成としてもよい。
【0225】このステップ443での処理が終了した後
は、ステップ401或いは433に戻り同様の監視動作
を繰返すようにしても良いし、ステップ443による処
理が完了すると本フローチャ−トによる処理を終了する
ようにしてもよい。
【0226】また、上記前方監視動作では車両走行中の
でのCRS100の動作例を説明したが、CRS100
は駐車、車庫入れ時にも運転者の指示に応じて、車両の
進行軌跡から逸脱の防止、接近物の有無を監視し、音声
で警告する等のサービスを実行する。この際にも、運転
者の操作では危険が回避できないと判断すると、前述し
たと同様に、CRS100が車両の操作を代行する。
【0227】なお、上記のような処理が実行された際の
運転者に関する種々の情報は、CRS100がCRS思
考部14の乗員データとして登録、順次更新しておき、
次の監視動作の際に用いるなど以降の制御に用いるデー
タとして記憶する構成としてもよい。
【0228】さらに、図17は第3実施例に含まれる落
下物監視フローチャ−トを示している。このフローチャ
−トは指示者が車両内で物を落としたと思ったときに、
CRS100にその落下物の監視を指示したときに実行
される。
【0229】図15において指示者が落下物監視を指示
していることをCRS100が音声対話等により確認す
ると(S401)、落下物監視フローを実行するための
所定の準備に入る(S451)。この準備で、CRS1
00は指示者がどのような物品を落としたのか、音声対
話等で確認する。CRS100は記憶された所定位置に
その物品がないかを確認する(S453)。CRS10
0が所定位置にその物品があることを確認すると、CR
S100は指示者に、落ちていない旨を音声で報告し
て、本フローチャ−トによる処理を終了する。
【0230】このステップ453で、CRS100が記
憶した所定位置に物品がないとの判断をすると、乗員が
保持していないかを確認する。乗員が保持していること
を確認すると、本フローチャ−トによる処理を終了す
る。
【0231】ステップ455で、CRS100は乗員が
その物品を保持していないと判断すると、記憶された位
置の物品の形状と類似の形状を車内で検索する。発見出
来ない場合は、指示者にどの辺りかを音声対話で尋ね
る。CRS100が落下物を発見すると、落下物を元の
位置に戻すのかを確認する(S459)。
【0232】指示者が落下物をそのままにしておくとの
指示を出したら、CRS100はその場所を伝達し、本
フローチャ−トによる処理を終了する(S463)。指
示者が落下物を元に戻すせ、との指示を出したら、近く
の乗員に物品の捕獲し当初位置に戻すことを依頼する。
乗員が一人、すなわち運転者のみであるである場合、C
RS100が物品の捕獲、運搬を実行する。その際、C
RS100は車両が定常走行時に運搬動作を実行する。
この際の運搬動作は先に詳述した制御で実行される(S
461)。このステップ461での処理が終了した後
は、ステップ401に戻り同様の監視動作を繰返すよう
にしてもよいし、ステップ461による処理が完了する
と、本フローチャ−トによる処理を終了するようにして
もよい。
【0233】なお、上記各ステップ453、455、4
63での処理の後、終了(END)とした場合ついても
ステップ401に戻り同様の監視動作を繰返すものとし
てもよい。
【0234】前述した第3実施例では、車両の走行中に
おいて日常的に生じると想定される子供等の監視、前方
監視、落下物監視について関連付けて示した。CRS1
00が実行する監視動作はこれに限るものではない。ま
た、上記監視動作は各々独立したフローチャ−トにより
実行されるように構成してもよい。
【0235】さらに、本発明の第4実施例としてCRS
100が実行する夜間監視動作について説明する。この
監視動作は使用者が車両から離れた以後の夜間監視をC
RS100が実行する点で上記実施例とは異なる。ま
た、夜間監視動作は自発行動モード基づくのが好ましい
ので、ここではCRS100の自発的な夜間監視動作に
ついて説明する。
【0236】次に、図18はCRS100が夜間監視動
作する場合のフローチャートである。本夜間監視の処理
は、前述した自発行動モードの1項目として予め設定さ
れている。自発行動モードによりCRS100が実行す
る様になっていれば、運転者が逐次夜間における監視を
指示しなくとも、車両を離れたCRS100が必要な監
視動作を実行する。勿論、運転者の指示を受けて夜間監
視する様に設定することも可能である。この夜間監視と
合わせて前述した図16の前方監視動作も自発行動モー
ドにより実行するように設定すると、運転者等へのサー
ビス向上になる。
【0237】図18に示す夜間監視のフローチャートに
おいて、例えば夜、運転者が車両を停車(駐車)して車
外に出ようときに実行され、CRS100が所定の夜間
監視準備に入る(S421)。この準備では、夜間監視
を実行するために必要なセンサ等の状態が正常に機能し
ているか等のチェックが含まれる。続くステップ423
で設定時間帯であるか、否かが確認される。この設定時
間は使用者が夜間監視が必要である時間帯として予め設
定しておく時間である。CRS100は設定時間帯でな
いとの判断をすると、指示者に夜間監視が必要かを確認
する。指示者が監視不要であるとしたときには自律制御
を実行して待機状態となる。
【0238】ステップ423で設定時間帯であると判断
した場合或いはステップ424で監視を実行する様に指
示されると、車内外の監視動作を開始する(S42
5)。この夜間監視では、車両に接近するものを監視
し、特に盗難防止機能をONとする。また、CRS10
0が暗視CCD等の夜間の画像読取りに適したセンサを
備えているときには、これを機能させて登録者か否かの
確認を行う。さらに、緊急時には通信ネットワークを用
いて、所定のセキュリティーセンタや使用者の携帯電話
等にアクセスして緊急事態を連絡する。さらに、CRS
思考部14内のプログラムにこのセキュリティーセンタ
或いは使用者の携帯電話からの指示を受けて緊急時の最
適対処が実行されるような設定となっているときにはC
RS100を遠隔操作して盗難に対処できる。
【0239】次に、第5実施例としてCRS100が実
行する娯楽(アミューズメント)動作について説明す
る。乗員に子供等が含まれており、車内にいることに飽
きないように所定の世話をすることが必要になった際
に、CRS100により実行されるサービスである。図
19から図21に第4実施例の娯楽(アミューズメン
ト)動作のフローチャートを示す。
【0240】本フローチャートによる処理は、子供等の
世話が必要な乗員(以下、本フローチャートでは子供を
例にする)が含まれているときに他の乗員(子供の親
等)による指示、或いはCRS100の自発行動モード
の1項目として予め設定されたプログラムに基づき子供
が座席或いはチャイルドシート内でもぞもぞと動き、落
ち着かない動作を繰り返した場合等に実行される。
【0241】図19で、CRS100は子供が動きたい
ことを検出する(S501)。この検出方法は子供の動
作頻度の増加をチェックすること等により行う。例え
ば、CCD112により、子供の頭の動きを監視してお
り1分間に所定回数を越えたとき子供が動こうとしてい
るとの判断をする。また、子供の顔の表情、目の動きや
瞬きの回数、さらには耳(マイクロフォン)114で子
供が発したグズリ回数等を参照する。その際、CRS1
00はCRS思考部12のデータべ−スにアクセスする
(S503)。ここでのデータベースには、子供の動き
の回数や表情から動こうとしているかの判断を行う基準
が設定されている。また、子供が示した行動から車両内
で子供が何を欲するのかが複数の項目で設定され、子供
の欲する行動を予測できるようになっている。このデー
タベースは多くの子供の行動に基づき、予めCRS思考
部14に準備されている。そして、ある子供が車両に乗
車すると新規に登録され、その子供について固有のデー
タベースが追加記憶される。このデータベースは子供が
乗車する度毎にデータ更新され、CRS100が次にこ
の子供の世話をするとき参照できるようになっている。
なお、このデータベースはCRS思考部14内の乗員デ
ータ40に含まれる。
【0242】次に、この子供が何をしたいのかを推測す
る(S505)。その際にも上記データベースが参照さ
れる(S507)。CRS100は世話が必要な子供に
向け移動しながら、子供に音声(スピーカ)で話し掛け
ながら子供の動き、表情をCCD112で逐次認識す
る。この過程で、協調指数の計算を実行する(S50
9)。この協調指数は、前記データベースに基づくもの
で、子供の行動、表情から総合的に算出され、CRS1
00が子供への対応をどのように実行するかの基準とな
る。この協調指数もCRS100が子供の世話を実行し
た際に最新のものに更新される。CRS100はこの協
調指数が所定の閾値以上か、否かを判断する(S51
1)。このステップ511で、協調指数が所定の閾値以
上、即ち、CRS100が子供の機嫌が悪く子供との協
調が必要であると判断した場合には図21に示す協調フ
ローの処理に入る。一方、協調が必要無い、即ち、子供
の機嫌が良くCRS100側から提案を行っても受け入
れられるとの判断をすると、図20に示す提案フローの
処理に入る。
【0243】協調フローは、CRS100が機嫌の悪い
子供との協調を図ろうとする処理である。ただし、CR
S100が子供とのやり取りで、後に協調できないと判
断する場合もある。また、提案フローはCRS100が
上記データベースに基づいて子供の欲することを順次探
り、最終的に子供を満足させるようにする処理である。
上記協調フロー及び提案フローでの処理過程は乗員情報
としてデータ記憶され、逐次更新される。
【0244】図20で、提案フローでの処理に入ると、
CRS100は上記データベースにアクセスして(S5
61)、データベース上に予め準備されている「後
で」、「今は疲れている」、「今はできない」等の回答
をして子供(対象)に対し、今は何もしない提案や、相
手が求めていることに近い事の提案、或いは相手が求め
ていることは程遠い提案等をコミュニケーションを取り
ながら順次行う(S563)。これらの中のいずれかの
提案を対象が受け入れると(S565)、その行動過程
をデータベースに登録後、その受け入れられた行動をC
RS100が実行して(S567)、ステップ501に
戻り待機状態に入る。
【0245】一方、CRS100の提案を子供が受け入
れない場合(S565)、CRS100は所定の行動、
例えば踊る、歌う等の動作を一方的に実行し(S56
9)、CRS100のこの動作を子供が何か受け入れた
か、否かを判断する(S571)。
【0246】ステップ571で、子供がCRS100の
行動を受け入れたと判断されると、その行動過程をデー
タベースに登録後(S573)、ステップ501に戻り
待機状態に入る。
【0247】図21で、協調フローの処理に入ると、C
RS100は音声、画像等を用いて相手に質問をして
(S531)、対象がやりたい事の把握を試みる(S5
33)。このステップ533で、対象の要求の把握に失
敗するとその過程をデータベースに登録し、上記協調指
数の更新を行う(S551)。この更新後、再度協調指
数が閾値以上であるか、否かの判断を行い(S55
3)。ステップ553で協調指数が閾値以上であると判
断したときには、ステップ531に戻り再度、対象の把
握を試みる。一方、協調指数が閾値未満であると判断し
たときには、前述した提案フローによる処理を開始す
る。
【0248】ステップ533で、CRS100が対象の
欲することを把握することに成功すると、データベース
にアクセスしてデータを送受信して、(1)対象のやり
たい事をどの程度推測できたか、(2)CRS100の
「検出・推測キー」と推測結果の相関、さらに(3)協
調フローに入った割合の計算等についてデータ記録され
る(S535)。
【0249】つぎに、CRS100は再度、協調指数が
閾値以上か、否かを判断する(S537)。このステッ
プ537で協調指数が閾値未満であると判断したときに
は、前記提案フローによる処理に入る。一方、協調指数
が閾値以上であり何らかの協調行動が必要であると判断
されるとステップ539の処理に入る。
【0250】ステップ539では、把握した対象の要求
がCRS100がサポート実行できる条件の範囲内か、
否かを判断する。なお、CRS100が相手の要求がサ
ポート範囲内か、否かを、車両の状態及び子供の状態な
どに基づいて動作を実行できる状態であるかを判断する
ように、設定しておくことが好ましい。サポートできる
範囲内であれば、CRS100はサポートする選択範囲
から相手の要求に応じた行動を実行する。CRS100
は、例えば物を取りたい今とは違う景色が見たい、
音楽が聞きたい等の相手の要求に応じる行動を取る
(S541)。その後、その過程をデータベースに登録
して(S543)、待機状態に入る(S501)。
【0251】一方、ステップ539でCRS100がサ
ポート範囲外であるとの判断をすると、例えば「ちょっ
と待って」等と対話をしながら(S545)、対象が待
つことができるか、否かを判断する(S547)。対象
が待てないとの判断をすると、前記提案フローの処理に
入る。待てるとの判断をすると、ステップ537に戻っ
て処理を継続する。
【0252】以上説明した第5実施例では、CRS10
0が乗員の状態を確認できる認識手段と、この認識情報
に基づいて思考する思考手段とを備えるので、対象とな
る乗員等の状況、要求等に応じて、乗員の要求に沿うよ
うな行動(この場合は娯楽行動)を取ることができる。
なお、上記では子供を例として示したが、対象は子供に
限定するものではない。
【0253】さらに、以下には第6実施例から第8実施
例として、CRS100が実行する事故時におけるCR
S100の乗員救助動作の例を示す。CRS100によ
る乗員への救助動作は、乗員による指示を待つことな
く、自発的に実行されるのが望ましい。以下に示す実施
例はCRS100の自発行動モードに基づい実行され
る。
【0254】第6実施例はCRS100が実行する車両
衝突時の動作例である。図22及び図23に示したフロ
ーチャートに基づき説明する。なお、以下のフローチャ
ートで説明する例は、CRS100が通信機能を有し、
自ら車両事故の連絡を実行できるように設定されている
場合である。さらに、CRS100が事故の際に、その
報告を行うと所定の指示を出すレスキューセンタが開設
され、このレスキューセンタ等からの指示を受けた場合
にCRS100がこの指示に応じて所定の救助行動を実
行できるように、CRS思考部14にプログラムが設定
されている。
【0255】また、衝突時に乗員の保護を実行するため
には、CRS100自身が衝突に対応できることが必要
である。さらに、衝突時の衝撃でCRS100が乗員に
2次的に衝突することも防止する必要がある。よって、
本フローチャートで示す例は、CRS100自身がエア
バックを備えている。これにより、CRS100による
乗員への2次衝突を防止できる。なお、CRS100自
身を保護することにもなり、事故後の乗員保護行動を円
滑に実行することができる。
【0256】本第6実施例では、CRS100は衝突時
に乗員の指示を受けず自らを生存できる状態に自己保持
の制御を実行しつつ、事故時の乗員救助を実行する。こ
こでのCRS100の動作は自律制御に基づいて実行さ
れている。また、この例ではCRS100が非常時用の
予備電源(バッテリ)を体内に有している。
【0257】図22で、車両が衝突状態になった際に、
CRS100は監視動作実行中(S601)であれば衝
突の可能性ありかを判断し(S603)それ以後の処理
に入る。一方、監視動作を行っていないときに、突発で
の事故であるときには、CRS100は車両内での行動
を停止し、自律制御を実行しつつ異常Gの検出等により
衝突の状態を判断し、以後の処理を実行する(S61
5)。
【0258】まず、監視動作実行中で衝突の可能性あり
との判断をしてから(S603)、衝突の方向を確認
し、さらに相手車両の種類及び体格並びに相対速度から
車両が受けたダメージを推定する(S605)。そし
て、車両の対衝突計算から変形度合を推定し、CRS1
00が生存できる生存空間の位置、大きさを算出してそ
の位置に移動する(S607)。このようにCRS10
0が自身生存を確保するように移動することで、ダメー
ジを最小限に止て、以後の乗員救助が実行できるように
する。その際、CRS100は生存空間を乗員の脱出空
間として利用できるか、否かについても検討し、記憶し
ておくことが好ましい。さらに、衝突時のGが所定の閾
値以下であるかを判断する(S609)。この衝突Gが
所定の閾値以下であれば、その位置でその衝突Gに対し
てレールに固定制動するような制御を実行する(S61
1)。衝突Gが所定の閾値を越え危険と判断すれば、レ
ールに固定制動する制御と自己保護のためのエアバック
を作動させる(S613)。上述のように、CRS10
0は車両内で自己保持の制御を完了してから、車両の状
態を把握する動作に入る(S621)。
【0259】つぎに、CRS100自らの機能損傷をチ
ェックし、電源不良であるなら自己の本体内の予備電源
に切り換える。また、CRS100が移動に用いるレー
ル2の損傷についてもチェックする。さらに、CRS1
00は上記生存空間も含めて乗員の退避ルート(空間)
の確保が可能か等についてチェックを行う(S62
3)。
【0260】なお、上記突発での事故で異常Gの検出等
により衝突の状態を判断した場合は(S615)、衝突
Gを検出し対衝撃制御を実行すると共に、レールに固定
制動する制御と自己保護のためのエアバックを作動させ
る(S617)。そして、衝突Gからその方向と大きさ
を確認し(S619)、同様に上記ステップ621の車
両状態把握処理の処理に入る。
【0261】CRS100は、自身のシステムに問題が
あるか、否かを判断し(S627)、問題があり完全に
ダメージを受け、作動不能となっているような場合はレ
スキューセンタに救助信号を発信し(S629)、以後
は自律制御で待機する。
【0262】一方、自身のシステムに問題がないとの判
断をした場合は(S625)、実質的な乗員保護として
乗員の脱出空間を確保する等の行動を実行する(S62
7)。車内のダメージをCCD112により確認し、登
録乗員については顔等記憶した形態からその存在の確認
を行う。さらに、登録され物品の位置や車両形体と事故
後を比較しその差異の大きさから車両が受けたダメージ
を確認する。
【0263】さらに、図23に示すように、CRS10
0は乗員の全員が動作管理範囲にいるかの確認を実行し
(S631)、範囲外の乗員が居たらその乗員の状態を
確認し、レスキューセンタへ連絡し、乗員の位置とその
状況説明を行う。さらに他の乗員に報告を行い、動作指
示を待つ(S635)。
【0264】CRS100が乗員の全員が動作管理範囲
にあることを確認すると(S631)、障害の有無を音
声対話等で各乗員に確認して、レスキューセンタへ連絡
し、乗員の位置とその状況説明を行う。CRS100に
レスキューシステムがインストールされている場合は、
レスキューセンタからの指示に基づきCRS100が救
護動作を実行する(S633)。なお、CRS100に
レスキューシステムがインストールされていない場合に
は、双方向通信等を利用し、レスキューセンタからイン
ストールを実行してから救助動作を実行するようにして
もよい。
【0265】CRS100は、さらに火災について可能
性がないかのチェックを行い(S637)、火災の可能
性が無ければ乗員救助を実行する。インストールされて
いる救助動作では乗員の救出が不可能な場合にはレスキ
ューセンタからの指示による遠隔操縦制御に変更し、こ
の指示に基づきCRS100が救助動作、障害の手当て
を実行する(S639)。
【0266】一方、火災の虞があるとの判断したときに
は(S637)、乗員に脱出を促す(S641)。CR
S100は脱出不可能か、否かを判断して(S64
3)、脱出が可能であれば、全員の脱出を確認し(S6
49)、備え付けの消火器等があれば遠隔操作で消化活
動を実行する(S651)。CRS100が脱出不可能
であるとの判断をした場合には、レスキューセンタから
の指示による、遠隔操縦制御に変更し、脱出支援動作を
実行する。その際、CRS100は障害となる破損物品
の除去動作も実行する。また、さらに車両内に備え付け
の消火器があるような場合には、CRS100を遠隔操
作して消火器で消化活動を実行させる(S647)。
【0267】CRS100は上記一連の救助動作の動作
を完了すると、自律制御で待機状態に入る。
【0268】第7実施例はCRS100が実行する車両
横転時の救助動作例である。図24及び図25に示した
フローチャートに基づき説明する。本実施例のフローチ
ャートは前記第6実施例のフローチャートと近似する。
よって、相違する動作を主に説明する。
【0269】図24及び図25は、車両が横転した時に
CRS100が実行する第7実施例の救助動作の例を示
すフローチャートである。図24で、車両が横転状態に
なった際に、CRS100は運転監視動作実行中であれ
ば、衝突の可能性ありかを判断し(S703)それ以後
の処理に入る。一方、監視動作を行っていないときに、
突発での車両が横転したときには、CRS100は車両
内での行動を停止し、自律制御を実行しつつジャイロに
より座標系の異常を検出することにより横転の状態を判
断し、以後の処理を実行する(S715)。
【0270】CRS100は監視動作実行中、急ハンド
ル旋回時の許容横G以上であるか、脇見等による車線逸
脱、路肩突入、ガードレール接触を検出或いは予測し
て、横転の可能性ありとの判断をする(S703)。次
に、CRS100は警告を発し、それまでの動作を中断
し、乗員との2次衝突が生じないように移動する。ま
た、CRS100が生存空間を確保する位置に移動して
もよい。例えば、剛性が比較的高い中央又は後部のピラ
ーの下部付近等に移動する(S705)。さらに、トラ
ンクルーム等まで退避する構成としてもよい。これによ
り、CRS100が自身のダメージを最小限に留めて生
存可能性が高め、事故後の乗員救出或いは通信によるレ
スキューセンタへの連絡などの適切な行動が取れるよう
なる。CRS100が確保した生存空間は乗員の脱出空
間として利用してもよい。また、センサにて横転過渡状
態を確認すると共に、内蔵ジャイロから車両の横転の状
態を検出する。その際、横Gから横転Gを判断する(S
707)。
【0271】さらに、横転時の横転Gが所定の閾値以下
であるかを判断する(S709)。このGが所定の閾値
以下であれば、車両の状態を把握する。内部ジャイロ等
から左・右・逆さ・元の状態に戻ったかについて横転状
態を検出する(S711)。横転Gが所定の閾値を越え
危険と判断すれば、レールに固定制動する制御と自己保
護のためのエアバックを作動させる(S713)。
【0272】つぎに、CRS100自らの機能損傷をチ
ェックし、重力方向が変化したために座標系(X,Y,
Z)が異なる場合は、重力方向に従って座標系(X,
Y,Z)を変更する。さらに、車内の物品の位置をCC
D112で確認する。座標変換後の位置とCCDでの実
態映像で検証する(S721)。
【0273】また、電源不良であるなら自己の本体内の
予備電源に切り換える。また、CRS100が移動に用
いるレール2の損傷についてもチェックする。さらに、
乗員の退避ルートの確保が可能か等についてチェックを
行う(S723)。
【0274】なお、上記突発での事故で横転状態を判断
した場合は(S715)、剛性の比較的高い中央部又は
後部のピラー付近の車両中央又は後部に移動する共に、
レールに固定制動する制御と自己保護のためのエアバッ
クを作動させる(S717)。そして、横転Gからその
方向と大きさを確認し(S719)、同様に上記ステッ
プ711の車両状態把握の処理の実行に入る。
【0275】引き続き図25に示すように、CRS10
0は、自身のシステムに問題があるか、否かを判断し
(S625)、問題があり完全にダメージを受け、作動
不能となっているような場合はレスキューセンタに救助
信号を発信し(S729)、以後は自律制御で待機す
る。なお、レスキューセンタへの救助信号を発進する装
置は耐衝撃性部材で覆い、CRS100本体に内蔵する
構成としてもよい。
【0276】本第7実施例のステップ725以後の処理
は、第6実施例のステップ625以後の処理と同様であ
るので、これ以降の説明は省略する。
【0277】さらに、第8実施例はCRS100が実行
する車両水没時の救助動作例である。図26及び図27
に示したフローチャートに基づき説明する。
【0278】本実施例で示すフローチャートについて
も、CRS100が通信機能を有し自ら車両事故の連絡
を実行できるように設定されている場合である。さら
に、CRS100が事故の際に、その報告を行うと所定
の指示を出すレスキューセンタが開設され、このレスキ
ューセンタ等からの指示を受けた場合にCRS100が
この指示に応じて所定の救助行動を実行できるように、
CRS思考部14にプログラムが設定されている。
【0279】また、車両水没時に乗員の保護を実行する
ためには、CRS100自身が水没に対応できることが
必要である。よって、本フローチャートで示す例は、C
RS100が自身を保護するエアバックを備えている。
すなわち、CRS100は車両水没時に乗員の指示を受
けず自らを生存できる状態に駆動制御し、水没時の乗員
保護を実行する。ここでのCRS100の動作は、前述
した自己保持モードに基づいて実行される点は前述した
フローチャートと同様である。
【0280】図26で、車両が水没する状態になった際
に、CRS100は監視動作実行中(S801)であれ
ば河川、海等への突入の可能性ありかを判断し(S80
3)それ以後の処理に入る。一方、監視動作を行ってい
ないときに、突発での水没事故であるときには、CRS
100は車両内での行動を停止し、自律制御を実行しつ
つ突入時に衝突G等を検出し、レールへ自己を固定する
制動制御を実行して、以後の処理を実行する(S81
5)。
【0281】CRS100は監視動作実行中、急ハンド
ル旋回、脇見等により車線逸脱したことにより水没の場
合、ナビゲーション装置(NAVI)により河川、海へ
の突入の可能性を判断すると共に、3D機能があるNA
VIであれば、高度差も確認する(S803)。次に、
CRS100は警告を発し、CRS100はそれまでの
動作を中断し、自らの生存のために生存空間を確保す
る。例えば、積載量、乗員位置により重心位置が変化す
るので、前後輪の軸重により重心位置を確認して車両の
中心に対して重心位置と反対側の車内端への移動を試み
る(S805)。
【0282】さらに、水面への衝突時のGが所定の閾値
以下であるかを判断する(S809)。この衝突Gが所
定の閾値以下であれば、自己保護のためエアバックを展
開する(S811)。Gが所定の閾値を越えてより危険
と判断すれば、レールに固定制動する制御とエアバック
を展開させる(S813)。さらに、CCD112によ
り水面位置を確認し、内蔵ジャイロ等から実傾斜を検出
し、上方への移動を実行する(S821)。つぎに、C
RS100自らの機能損傷をチェックする(S82
3)。
【0283】さらに、図27に示すように、電源不良で
あるなら自己の本体内の予備電源に切り換える。また、
CRS100が移動に用いるレール2の損傷についても
チェックする。また、乗員の退避ルートの確保が可能か
等についてチェックを行う(S825)。
【0284】なお、図26のフローチャートに示す突発
事故で車両が水没状態となった場合は(S815)、水
に突入した時に衝突Gを検出し対衝撃制御を実行すると
共に、レールに固定制動する制御を即実行する。ジャイ
ロにより車体の傾斜を検出し、上方に移動する。ジャイ
ロにより座標系の異常、揺れ検出で突入を判断して(S
817)、前記ステップ821の処理を実行する。
【0285】さらに図27で、CRS100は自身のシ
ステムに問題があるか、否かを判断し(S827)、問
題があり完全にダメージを受け、作動不能となっている
ような場合は本体の耐衝撃ボックス内に内蔵されたEC
Uからレスキューセンタに救助信号を発信し(S82
9)、さらに腕104,106として使用していたマニ
ュピレータを外し、車両の窓を割ることが可能であるこ
と、さらにエアバックを取り外し浮き輪として使用可能
であることのサインを出し、以後は自律制御で待機す
る。
【0286】一方、自身のシステムに問題がないとの判
断をした場合は(S827)、車内のダメージをCCD
112により確認し、登録乗員については顔等記憶した
形態からその存在の確認を行う(S833)。さらに、
水面上の窓ガラスをレスキュ工具で割る動作を実行し
(S635)、続いて乗員全員が脱出したかの判断をす
る(S837)。全員が脱出していないときには、さら
に反対側の水面上の窓ガラスをレスキュ工具で割る動作
を実行する(S839)。CRS100は全員が脱出し
たことを確認すると待機状態に入る。
【0287】さらに、第9実施例としてCRS100が
実行する車内清掃動作の例を説明する。図28は清掃動
作1として走行中で車内清掃のフローチャート、図29
は清掃動作2として窓の曇り及びシート汚れに対する車
内清掃のフローチャート、図30は清掃動作3として乗
員が降車した後の車内清掃のフローチャートを示してい
る。
【0288】図28に示す処理は、CRS100の自発
行動モードの1つとして実行される。車両の走行中で
も、CRS100は車内に菓子などが落下したかを監視
しており(S901)、落下物があったことを確認する
と、その落下前の初期画面と落下後の画面を比較するこ
とにより落下物を探索する(S903)。CRS100
はその落下物を確認すると捕捉し、乗員にその捨て場所
を確認する。CRS100は捨て場所まで落下物を運搬
して廃棄する(S905)。
【0289】さらに、CRS100はその周辺の乗員の
衣服、シートにゴミが付着していないか落下物を発見す
る場合と同様にチェックし(S909)、ゴミが付着し
ていた場合にはハンド104HA、106HAでゴミを
摘み、落下物の場合と同様に処理する。乗員等にゴミが
付着していなかった場合及び付着したゴミを処理した後
は、自律制御を実行しつつ同様に清掃のための監視を継
続する(S901)。
【0290】図29には、車両が走行中にガラス窓が曇
った場合、シートが汚れていた場合、さらには乗員から
の清掃指示が合った場合を含めてCRS100が実行す
る清掃動作のフローチャ−トが示されている。
【0291】図29で、CRS100は車両のガラス窓
に曇りが生じていないか監視する(S911)。例え
ば、CRS100は変化する車外風景と車両と一体に変
化する画像(ガラスの汚れ)との面積比較から、透過率
に基づいてガラス窓の曇りを検出する。CRS100
は、ガラス窓に曇りを検出したときは窓を拭く動作を実
行し(S913)、ガラス窓を通して見える動的風景の
視界が広がるかチェックしながら(S915)、曇りが
なくなるまで窓拭きを実行する。
【0292】なお、車両前方の窓が曇った状態にあると
きには、運転に支障が出る場合もある。よって、前方の
窓拭きが必要なときには、CRS100は窓拭きが必要
である旨、運転者に伝えてから運転に邪魔にならないよ
うに窓拭き動作を実行するようにプログラム設定しても
よいし、運転者に警告を発するようにプログラム設定し
てもよい。
【0293】さらに、CRS100はシートの汚れも検
出する。CRS100はシート表面の散乱が所定値以上
となっていることを検出すると(S917)、ハンド1
04HA、106HAを動かして掃く等の動作を実行し
て、シートの汚れを取る清掃動作を実行する(S91
9)。例えば、CRS100のハンド104HA、10
6HAに吸引手段を更に付加してシートの汚れを吸引し
て除去するようにしてもよい。このシート汚れについて
も、シート表面の散乱が所定値以下となるまで、繰返さ
れる(S917)。なお、散乱の所定値を運転者等が設
定できるようにしてもよい。また、ティッシュ箱或いは
ブランケットなどの比較的大きな物品を検出した場合に
は、その位置を記憶して運転者に報告するように、又は
登録された場所の位置に運搬するように設定しておいて
もよい。
【0294】上述したシート汚れを除く動作は、CRS
100は車両が停車或いは駐車していることを認識して
いるときに実行するように設定しておくことが望まし
い。
【0295】さらに、CRS100は乗員の降車時に清
掃指示があった場合に(S921)、所定の清掃動作を
実行する(S923)。このような指示による清掃動作
の場合にもシート表面の散乱が所定値以下となるまで、
繰返される(S925)。
【0296】乗員による清掃指示が無い場合(S92
1)やシート表面の散乱が所定値以下となった場合は車
両内で自律制御しながら待機する。
【0297】さらに、図30には、夜間等で駐車された
車両内に乗員は居らず、CRS100が自発行動モード
で車内全般の清掃を実行する場合の清掃動作3が示され
ている。
【0298】図30で、CRS100が車内に誰もいな
いことを確認すると(S931)、雑巾が置いてある所
定の場所まで移動して雑巾を持つ(S933)。CRS
100は、雑巾で前方、後方及び側面の窓を拭き(S9
35)、その際、傷や拭いても取れない汚れがないか確
認しながら(S937)、視界が広がるまで拭く動作を
繰返す(S939)。なお、ステップ937で、CRS
100は傷や拭いても取れない汚れがあるときには、そ
の場所を登録しながら(S941)、上記窓拭き動作を
繰返す。
【0299】CRS100は、窓が綺麗になると、雑巾
を所定の場所に返却して(S947)、さらに車室内の
清掃を継続する。シートにゴミが散乱していると(S9
49)、これを回収してゴミ箱へ運搬する(S95
1)。
【0300】さらに、CRS100は飲料ホルダーに空
き缶が残っていないか確認し(S953)、空き缶を発
見したときにはその場所まで移動して、空き缶を捕捉す
る。その際、缶の重量が所定値以下であるかを確認する
(S955)。前述のステップ953では、空き缶に限
らず、ペットボトル、紙パック、或いは他の容器等であ
ったもよい。また、飲料ホルダーに限らず、フロアやシ
ート上を確認するように設定してもよい。
【0301】上記ステップ955で、缶の重量が所定値
以上であれば飲み残しがあるので、その場所を登録し
(S959)、その缶を元の飲料ホルダーに戻してお
く。その逆に、缶の重量が所定値以下の場合には飲み残
しは無いので、ゴミ箱の位置まで移動してゴミ箱に缶を
回収する(S957)。
【0302】CRS100は、上記一連の清掃動作が終
了すると、所定場所に移動して、自律制御のもと待機状
態となる(S965)。そして、運転者が車両に乗車し
てきた時に、前記シート汚れや飲み残しのある缶の登録
場所を報告する。この報告後は、登録場所の記憶を削除
する。
【0303】以上、複数のフローチャートに基づいてC
RS100が車載ロボットとして、運転者を含む乗員の
保護救助や娯楽、さらには車内清掃等のサービスを提供
することを例示したが、CRS100が実行するサ−ビ
スはこれらに限るものではない。
【0304】また、前述した実施例の記載では、CRS
100が実行する基本動作については第1実施例として
説明し、物品運搬動作等の個別動作については第2実施
例以後で示した。しかし、車載されるCRS100が乗
員等に提供するサービスの向上の面からは、これらのフ
ローチャートを相互に関連したものとし、一連のフロー
チャ−トとして構成することがより望ましい。
【0305】さらに、図31から図33にはCRSの他
の実施形態が示される。図31はCRS100を車載す
る上での変形例、図32はCRSが携帯電話内蔵型で形
成された例、さらに図33は車両のインストルメントパ
ネから飛び出す様に構成して、よりアミューズメント機
能を高めたCRSの例である。
【0306】図31では、コンパチブルタイプの車両5
にCRS100を搭載した変形例を示している。CRS
100は車両の後方トランク6内を待機空間としてお
り、必要なときにトランクと車室側に設けた切欠き部
(図示していない)から出現する。図31で示すCRS
100の移動はドア等に付設したレールに沿って移動す
る構成にしてもよいし、アーム110に伸縮嵌合管等を
用いてCRS100が車室内を移動できる構成にしても
よい。
【0307】図32に示したCRS200は携帯電話内
蔵型である。このCRS200は本体に携帯電話250
を収納する凹部202を備えている。この凹部202に
携帯電話250が嵌め込まれるとCRS200は通信機
能を備えるようになる。よって、車両の使用者等が車両
外から指示を出してCRS200に所定の動作をさせる
ことができる。また、CRS200がこの指示に応じて
行った動作を電話により確認すること等も可能である。
なお、CRS200の本体内に通信装置を予め内蔵した
構成としてもよい。
【0308】図33はアミューズメント機能を高めたC
RS300の例である。このCRS300は車両のイン
ストルメントパネル55から飛び出す様に構成して、よ
りアユーズメント機能を高めている。
【0309】テレビ、ナビゲーション情報等を表示する
CRT55がインストルメントパネル55に嵌め込まれ
ており、このCRT55の背後にはCRS300が待機
(収納)できる空間57が形成されている。CRT55
の一端にはヒンジが形成され図示の如く開閉可能であ
り、CRT55が開くとCRS300が出現する様に構
成する。さらに、コンソールボックス53上にはCRS
300移動用のレール52が敷設されている。
【0310】このような、アユーズメント機能を有する
CRS300を動作させるときには、例えば先ず空間5
7内で待機状態としておいてCRT55上にCRS30
0と同じ画像56を表示する。つぎに、CRT55を開
いて、CRS300を出現させて踊る、歌う等の行動を
実行させCRT55上の画像とCRS300を協調させ
ることで車内にいる乗員を楽しませることができる。
【0311】以上、図31から図33で説明したCRS
についても、前述したCRS100と同様な機能を備え
た車載用ロボットとして構成される。よって、このよう
なロボットが搭載されている車両は従来よりも快適で楽
しく、さらに安全性や盗難防止機能も向上したものとな
る。
【0312】上記で示したCRS100等はキャラクタ
として1つの形態に具現化されたものであるが、本発明
の想定するCRSはこのような一体的とされたロボット
を意図したものではない。本発明のCRSには、例え
ば、インストルメントパネル内に認識手段12と思考手
段14に相当する構成をビルドインすると共に車内空間
にキャラクタの3D画像或いはバーチャルリアリティ画
像を出現させる装置を準備し、マニュピレータのみが実
存して動作を行うような構成も含む。
【0313】また、CRS100の各構成が車両周りに
分散して存在する状態でもよい。例えばCRS100の
頭部は周辺の監視と乗員とのコミュニケーションを主目
的に車両天井部に設定され、乗員の指示に応じて物品等
を運搬するマニュピレータ等からなる腕のみがレールに
沿って移動可能であるような構成を採用してもよいので
ある。
【0314】前述した第1から第9の実施例は、CRS
が車両内に設定されており、レール等に沿って所定位置
まで移動する形態を主に説明した。しかし、本発明の範
疇に入るCRSはこのような形態に限定されるものでは
ない。車両から離れた状態ではアミューズメント用のペ
ットロボット或いは作業を手伝う補助ロボットとして機
能し、車両内に持込んだ際には前述した実施例のCRS
のように車両内でのサービスを実行するロボットでもよ
い。このようなロボットは、車両から独立した存在であ
り移動手段として本体に歩行機能を備えている。また、
このようなロボットにワイヤレスの通信機能を設けると
共に、車両側にも同様の通信機能を備えると、ロボット
は車両から離れていても車両の状態を認識できる形態と
なる。
【0315】次に、図34〜図38に示す第10実施例
のCRS400は、自ら歩行することができる歩行機能
を有すると共に、ワイヤレス通信機能も備えて車両側の
情報を用いながら自律制御を行うロボットである。よっ
て、車両も所定の通信機能を備え、CRS400の自律
制御に用いることができる情報を送信可能に設定されて
いる。また、本第10実施例では、CRS400と交信
可能な車両側に設けられた一連のシステムを車載システ
ムと称して説明する。
【0316】図34は、車両内で助手席に座っている乗
員HUBにCRS400が抱っこされた状態が示されて
いる。本実施例のCRS400は、頭部402を有する
上部半身401と歩行機能を有する下部半身408とで
形成されている。上部半身401は前述した実施例と同
様の腕404、406を備えている。
【0317】本実施例のCRS400も前述したCRS
100と同様に自律制御を行うための構成は備ている。
そして、さらに図示は省略するがワイヤレスの通信手段
が頭部402内等のCRS400に配設されている。
【0318】すなわち、本実施例のCRS400は、先
に示した実施例のCRS100と比較して、独立歩行で
きる機能及び車両と交信できる機能をさらに備えた構成
である。なお、図34において参照符号410で示すの
は、CRS400専用のシートである。乗員或いはCR
S400自身の判断で、CRS400が専用シート41
0にセッティングされると車両からの外乱に対して安定
に保持されるようなる。
【0319】図35〜図38に示されるフローチャート
を参照して、CRS400による動作の例を説明する。
図35において、車外にあったCRS400が運転者と
もに車両に接近すると、CRS400は車両が自分の乗
るべき車両(登録車)であることを確認する(S100
1)。
【0320】CRS400は、運転者とともに車内には
入ると、車載システムとの協調回線のチェックを行い
(S1005)、合わせて車内での位置を検知する(S
1007)。
【0321】次に、CRS400は車内で専用シート4
10にセットされたか、否かを検出し(S1009)、
専用シート410にセッティングされた場合には参照番
号30に示すセッティングフローによる自律制御を行
う。サブフローとなるセッティングフローについては、
後に図37に基づいて説明する。
【0322】CRS400は、専用シート410にセッ
ティングされていないと判断すると(S1009)、乗
員により抱っこされているか、否かを検出する(S10
11)。このステップ1011で、乗員に抱っこされて
いる場合には、参照番号31に示す抱っこフローによる
自律制御を行う。この抱っこフローについても後に図3
8に基づいて説明する。
【0323】CRS400は、専用シート410にセッ
ティングされておらず、さらに乗員に抱っこもされてい
ないと判断すると(S1011)、車内でフリーな状態
で自律制御を実行する。例えば、乗員に居場所を問い合
わせ、その場所に移動する等の行動を実行する。その
際、必要により車両からの外乱に備える姿勢としてお座
り等の態勢を取る(S1013)。
【0324】さらに、CRS400は車載システムから
の情報を得て、車両のシフト位置を検出し、前進する
か、後進するかを検知する(S1015)。車両が前進
すると判断した場合には、さらに車載システムからアク
セルの開度を検知して、発進時の加速度Gを予測し、必
要によりシート背もたれに胴体を接近させる等の行動を
取り自身を支える(S1017、S1019、S102
1)。また、車両が後進すると判断した場合にも、車載
システムからアクセルの開度を検知して発進時の加速度
Gを予測し、必要によりシートに捉まる等の行動を取り
自身を支える(S1023、S1025、S102
7)。
【0325】なお、CRS400が立った状態であると
きのために、車両外乱に対してZMP(ゼロ・モーメン
ト・ポイント)に一致するようなZMP制御などによる
歩行制御プログラムを予め設定しておいてもよい。
【0326】さらに、図36に続いて示されるように、
車両走行中においてCRS400は車両が旋回するとき
には(S1029)、ヨーレイトセンサによりヨーレイ
トをリアルタイムに検出し(S1031)、旋回Gに応
じて踏ん張る、シートに捉まる等の動作を実行する(S
1033)。なお、上記ヨーレイトの検出には、舵角セ
ンサを用いることができる。この場合には、舵角センサ
により検出した操舵角から予想されるヨーレイトを算出
して、旋回Gの発生を予測して制御を開始するようにし
てもよい。
【0327】続いて、CRS400は、車両が減速した
ときには(S1035)、減速度Gが所定レベル以上で
あるか判断する(S1037)。減速度Gが所定レベル
以上であるときには、CRS400は前記専用シート4
10へ退避して自らセッティングするか、或いは乗員に
専用シート410にセッティングして欲しい旨を告げる
(S1039)。
【0328】CRS400は、車両走行中でも前述の自
律制御を実行しており、乗員から所定のサービスを求め
る動作要求があると(S1041)、定常走行中である
場合には(S1043)、これに応じて先の実施例で示
したと同様に運搬、監視、エンタテイメント等の動作を
実行する(S1045)。定常走行中でない場合には
(S1043)、定常走行となるまで動作できない旨を
乗員に告げる(S1047)。
【0329】その後も、CRS400は乗員にサービス
できるよう自律制御で待機し、必要に応じて所定の動作
を実行する(S1049)。
【0330】最後に、車両が駐車したときには、CRS
400は乗員と一緒に車両から降ろされたか、否かを判
断する(S1051)。CRS400も降車した場合に
は、車載システムと交信して車外から車両の状態を監視
する(S1055)。CRS400が車内に残された場
合には、前述したCRS100の場合と同様に監視、清
掃等の自発動作を行う(S1053)。
【0331】図37は、図35及び図36で示したメイ
ンフローに対して、図35でCRS400が専用シート
410にセッティングされたときのサブフローを示して
いる。図37では、CRS400は専用シート410に
着座した状態のままで、乗員に提供できるサービス、例
えば、監視、エンタテイメント等の動作を実行する(S
1101)。その後、図36の参照番号32に示したメ
インフローによる動作がが同様に実行される。
【0332】図38は、図35でCRS400が乗員に
抱っこされているときのサブフローを示している。図3
8で、CRS400は車両のアクセルがオンとなったこ
とを検知すると(S1151)、アクセル開度信号を検
知して発進時の加速Gを予測する(S1153)。その
際、CRS400は、乗員の着衣に抱き着く力を増加さ
せ、乗員に対し「しっかり掴んで」等の言葉を発して注
意を喚起する(S1155)。
【0333】続いて、車両走行中においてCRS400
は車両が旋回するときには(S1157)、ヨーレイト
センサによりヨーレイトをリアルタイムに検出し(S1
159)、旋回Gに応じて踏ん張る、乗員の着衣に捉ま
る等の動作を実行し、上半身を旋回Gに対抗させて傾斜
させる(S1161)。
【0334】さらに、CRS400は、車両が減速した
ときには(S1163)、減速度Gが所定レベル以上で
あるか判断する(S1165)。減速度Gが所定レベル
以上であるときにも、減速度Gに応じて踏ん張り、乗員
の着衣に捉まる等の動作を実行し、上半身を減速度Gに
対抗させて傾斜させる(S1167)。その後、図36
の参照番号32に示したメインフローによる動作が同様
に実行される。
【0335】なお、上記第10実施例では、車両から離
れたCRS400であっても車両と交信できる例を示し
ている。しかし、このような実施形態に限らず、CRS
400が車両内にある場合に限り、車両と交信状態とな
るように設定してもよい。
【0336】さらに、第11実施例として車両に対して
着脱自在であるCRSの例を示す。図39で、CRS5
00は上半身560と、下半身となる歩行キット550
に分離可能に構成されている。上半身560は車両のコ
ンソール等にセットされて、車両搭載のロボットとな
る。
【0337】図39に示すCRS500は、上半身56
0と歩行キット550をセットしたときには、例えば乗
員の自宅においてペットロボット等となる。上半身56
0を車両内に持込み所定位置にセットすると、上半身5
60が前述した車載ロボットと同様に機能する。図39
で示すCRS560は車両に設けた案内溝565を移動
する構成であり、第1から第8実施例として説明したC
RS100と同様に自律制御を実行しながら乗員に種々
のサービスを提供する。
【0338】図40に示す第12実施例は、車両に対し
て着脱自在である第1のCRS656と、シート形状に
構成された第2のCRS600が車両内に併存している
例を示す。なお、第1のCRS656は前記第11実施
例の場合と同様に、CRS656に歩行キット650を
セットすると歩行機能を有したペットロボットであるよ
うな構成でもよい。
【0339】図40で、第1のCRS656は第2のC
RS600(以下、シートロボット600と称す)の所
定位置601に着脱可能に配置される。シートロボット
600はCCD等を備える頭部604と乗員を両脇から
抱えられるように延びた一対の腕状のマニュピレータ6
02を備えている。
【0340】また、シートロボット600は通常のシー
トと同様にシートベルト606も備えている。そして、
シートロボット600の好ましい形態では、付加機能と
して、シートに着座した乗員に対してシートベルトを緊
締する手段、シートを加熱冷却する手段、シートに着座
した乗員の血圧を測定する手段、シートに着座した乗員
の脈拍を測定する手段、シートに着座した乗員の脳波を
測定する手段、シートを回転させる手段、シートを前後
に移動させる手段、シートを傾斜させる手段等を備え、
乗員の安全確保と共に健康状態についてもチェックする
機能を備えている。
【0341】このシートロボット600も本発明でいう
CRSの一形態であり、外形がシート形状であり移動手
段を有していないが、他のCRSと同様に認識部及び思
考部を備え、車両内において乗員に好ましいサービスを
提供する。このシートロボット600も車両のシートC
ASに対して着脱可能であり、従来のチャイルドシート
に変わるものとして特に有効である。
【0342】図41及び図42に示したフローチャート
を参照して、上記CRS656とシートロボット600
による動作の例を説明する。なお、ここでは、CRS6
56及びシートロボット600が共に通信機を備え、協
調しながらシートロボット600に着座した子供に対し
てサービスを提供する場合を示す。
【0343】図41において、シートロボット600は
接近者があると、登録者であるか、否かを確認する(S
2001)。登録者である場合には、運転者がCRS6
56を持参したかチェックし、忘れている場合には取り
に行くように注意する。運転者がCRS656を持参し
た場合には、所定位置601にセッティングすることを
促す(S2003)。
【0344】シートロボット600が、CRS656が
所定位置601にセッティングされたことを確認すると
(S2005)、シートロボット600及びCRS65
6はサポート動作を開始する(S2007)。
【0345】シートロボット600は車載システムから
の情報を得て、車両のシフト位置を検出し、前進する
か、後進するかを検知する(S2009)。車両が前進
すると判断した場合には、アクセルがオンされても腕状
のマニュピレータ602を緩めたままとする。一方、車
両が後進すると判断した場合には(S2009)、アク
セルがオンされたことを検知した際には腕状のマニュピ
レータ602で子供が前方に傾かないように適度に締付
ける(S2017)。
【0346】なお、その際CRS656は、前述した自
律制御で車両からの外乱に対応しつつ、乗員に対して必
要なサービスを提供する。以下の説明においても同様で
ある。
【0347】さらに、車両走行中においてシートロボッ
ト600は車両が旋回するときには(S2019)、ヨ
ーレイトセンサによりヨーレイトをリアルタイムに検出
し(S2021)、旋回Gに応じて腕状のマニュピレー
タ602が子供を適切に保持するように制御する(S2
023)。
【0348】続いて、シートロボット600は車両が減
速したときには(S2025)、減速度Gが所定レベル
以上であるか判断し、減速度Gが所定レベル以上である
ときには(S2027)、ステップ2023の場合と同
様に、減速度Gに応じて腕状のマニュピレータ602が
子供を適切に保持するように制御する(S2029)。
【0349】さらに、子供からサービス動作の要求があ
ると(S2031)、CRS656は子供の動作をチェ
ックして気分を推定してから、前述したエンタテイメン
ト動作等を実行する(S2035)。
【0350】また、上記ステップ2031で、子供から
サービス動作の要求がない場合には、図42で示すよう
に、シートロボット600は予め付加されている機能に
基づいて、子供の心拍数、体温、脳波等の体調チェック
を実行して、子供が車酔いしていなかを確認する(S2
037)。
【0351】シートロボット600が、子供が車酔いし
ていると判断すると(S2039)、シートロボット6
00とCRS656が協調し、例えば運転席のナビゲー
ション画面に子供の体調が良くない旨の表示を出して運
転者に停車を提案し(S2041)、車両が停車するま
で子供を癒す動作を繰返す(S2043、S204
5)。
【0352】また、子供が寝た場合には(S204
7)、シートロボット600及びCRS565が協調し
て、他の乗員の要求に応じ、例えばエンタテイメント等
の動作を実行する(S2049)。
【0353】さらに、ステップ2051以降は車両が駐
車した場合のフロー例を続けて示している。シートロボ
ット600は、子供がシートから降りたいかを問い合わ
せ(S2051)、子供が降りたいとの態度を示した
ら、子供をサポートしていた腕状のマニュピレータ60
2等を緩め、必要によりシートを回転させ、シート高さ
を下げて、子供が降りられるようにする(S2053、
S2055、S2057)。
【0354】ステップ2051で、子供が降りたいとの
態度を示さない場合は、車両内でシートロボット600
及びCRS656が協調して子供の面倒をみる。他の乗
員が降車してしまった場合には、シートロボット600
及びCRS656は自律制御で、車内温度、エアコン
(A/C)等の車内環境を制御すると共に、車両に近付
く接近者についても監視する(S2063)。乗員が子
供を長期に置き去りにしたような場合には、置き去りは
止めるように乗員へ警告する(S2061)。
【0355】最後に、乗員が降車する際には(S206
7)、シートロボット600はCRS656がシートの
所定位置601から外され、乗員と共に車両を出たこと
を検知すると自律制御で夜間監視等の動作を継続する。
(S2069)。また、CRS656がシートの所定位
置601に残されままであることを検知すると、CRS
656と協調しながら自律制御で夜間監視等の動作を継
続する。
【0356】上記第12実施例は、第2のCRSとして
のシートロボット600が、第1のCRS565と協調
して乗員にサービスを提供する形態を示したが、勿論、
シートロボット600のみを車両内に配置させるだけで
も乗員に好ましいサービスを提供できる。さらに、この
シートロボット600に歩行機能又は走行機能を付加し
てもよい。さらに、シートロボット600にベビーカー
或いは車椅子としての機能を付加して車外に持ち出すこ
とができるように構成してもよく、その際には前記CR
Sと協調した動作を行うように設定してもよい。
【0357】さらに、第13実施例として車両を構成す
る部品の一部であるシートがCRSである例を示す。
【0358】図43で、CRS710は前席用シートと
一体に形成され、CRS720は後席用シートと一体に
形成されている。シートのヘッドレストにはCCD、マ
イク、車内のガス状態を検出するガスセンサ等を備え、
CRS710、720の頭部714、724となる。前
席用のCRS710及び後席用のCRS720は、前記
第12実施例のロボットシートと同様に各々が腕状のマ
ニュピレータ712、722を有している。
【0359】本実施例の前席用CRS710及び後席用
CRS720も、本発明のCRSの一形態である。CR
S710及びCRS720は、車両のシートと一体型で
あり移動手段を有していないが、他のCRSと同様に認
識部及び思考部を備え、車両内において乗員に好ましい
サービスを提供する。第1から第8実施例として説明し
たCRS100と同様に自律制御を実行しながら乗員に
種々のサービスを提供する。
【0360】図44及び図45に示したフローチャート
を参照して、上記前席用CRS710及び後席用CRS
720が互いに通信する機能を備え、協調して乗員にサ
ービスを提供する動作例を説明する。
【0361】図44において、CRS710、720は
車両に接近する者がいると登録者であるか、否かを確認
する(S3001)。登録者である場合にはあいさつを
する(S3003)。
【0362】上記前席用CRS710及び後席用CRS
720は、着座した乗員が大人であるか、否かを判断し
(S3005)、子供である場合には子供用のサポート
システムを稼動させる(S3009)。この子供用のサ
ポートシステムは前記第12実施例でのロボットシート
600が実行した動作と同様であり、ここでの重複した
説明は省略する。
【0363】運転席のシートとなる前席用CRS710
は、着座した乗員が大人である場合に(S3005)、
飲酒していないかチェックし(S3011)、ガスセン
サ等によりアルコール成分が検出された場合には、車両
システムをロックし、警告を発する(S3013)。
【0364】ステップ3011で、運転者が飲酒してい
ないと判断すると、前席用CRS710及び後席用CR
S720はサポート動作を開始する(S3017)。
【0365】前席用CRS710及び後席用CRS72
0は車載システムからの情報を得て、車両のシフト位置
を検出し、前進するか、後進するかを検知する(S30
19)。車両が前進すると判断した場合には、アクセル
がオンされても腕状のマニュピレータ712、722を
緩めたままとする(S3023)。一方、車両が後進す
ると判断した場合には(S3019)、アクセルがオン
されたことを検知した際には腕状のマニュピレータ71
2、722で乗員が前方に傾かないように適度に締付け
る(S3027)。
【0366】さらに、図45に示すように、車両走行中
において前席用CRS710及び後席用CRS720は
車両が旋回するときには(S3029)、ヨーレイトセ
ンサによりヨーレイトをリアルタイムに検出し(S30
31)、旋回Gに応じて腕状のマニュピレータ712、
722が乗員を適切に保持するように制御する(S30
33)。
【0367】続いて、前席用CRS710及び後席用C
RS720は、車両が減速したときには(S303
5)、減速度Gが所定レベル以上であるかを判断し、減
速度Gが所定レベル以上であるときには(S303
7)、ステップ3033の場合と同様に、減速度Gに応
じて腕状のマニュピレータ712、722が乗員を適切
に保持するように制御する(S3039)。
【0368】また、前席用CRS710は、車載システ
ムからの情報で運転者が暴走行為をしていると認識した
ときには、車載システムと協調してエンジン出力の低
下、エンジンブレーキ制御を行うと共に、運転者に警告
を発する(S3043)。
【0369】通常運転であると判断されている場合に
(S3041)、乗員からサービス動作の要求があると
(S3045)、前席用CRS710及び後席用CRS
720はその要求をチェック(S3047)する。例え
ば、乗員の要求が物品の運搬であり、腕状のマニュピレ
ータ712、722が届く範囲にある物品であれば、前
席用CRS710及び後席用CRS720を動作させる
ことで物品を捕捉し、運搬する。必要に応じて、腕状の
マニュピレータ712、722間での手渡しも行う(S
3049)。
【0370】さらに、前席用CRS710及び後席用C
RS720は、ヘッドレストのCCD等を用いて監視動
作を実行する。その際、前席用CRS710及び後席用
CRS720は監視エリアを分担し、チェックを行う。
特に前席用CRS710は運転者の状態も監視する(S
3051)。
【0371】最後に、前席用CRS710及び後席用C
RS720は乗員が降車すると(S3053)、協調し
ながら自律制御で夜間監視等の動作を継続する(S30
55)。
【0372】上記第13実施例は、CRSがシートであ
る場合を示したが、車両を構成する他の物品でもよい。
また、前席用CRS710及び後席用CRS720が協
調して乗員にサービスを提供する形態を示したが、勿
論、前席用CRS710と後席用CRS720が独立し
て乗員にサービスを提供する形態でもよい。このような
CRSは車両に既存の部品を用いるので車両内にロボッ
トを設けても車室内のスペースを従来と同様に維持でき
る。
【0373】以上本発明の好ましい実施例について詳述
したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるもの
ではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の
範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【0374】なお、特許請求範囲の認識手段はCRS認
識部12に、思考手段はCRS思考部14に、移動手段
はレール2及びスライダ108に、動作手段は腕11
4,116及びハンド104HA、106HAに、諸条
件は車両乗員情報20にそれぞれ対応している。
【0375】
【発明の効果】以上詳述したところから明らかなよう
に、請求項1記載の発明によれば、運転者等の乗員が必
要により指示を行ったときばかりでなく、ロボットは前
記思考手段の結果に基づいて、乗員に対して好ましいサ
ービスを実行する。よって、乗員は車両内で快適且つ安
全に過ごすことがでができる。
【0376】また、請求項2記載の発明によれば、思考
手段内に自律思考部を設定したので、運転者等の補助或
いは指示を受けること無くロボット自らが自律制御して
車載ロボットとして必要な行動及び乗員にとって好まし
いサービスを提供する行動を取る。よって、乗員は車両
が移動中でもロボットの保護に関して配慮する必要が無
く、また車両内で最低限必要なことはロボットが自発的
に実行してくれるので、乗員は車両内で快適かつ安心し
て過ごすことができる。
【0377】また、請求項3記載の発明によれば、自律
制御に自己保持モードを有するので、ロボットは車両挙
動に対応して必要な安定体勢を取り、車両内や乗員に衝
突等することが抑制される。
【0378】また、請求項4記載の発明によれば、ロボ
ットは車両発進時のシフト位置等から車両挙動を予め認
識するので、自己の体勢に影響を与える車両挙動に備え
ることができる。
【0379】また、請求項5記載の発明によれば、ロボ
ットは自己に対する外乱となる加速度G等の外乱で後退
移動等することなく安定に自己の体勢を保持できる。
【0380】また、請求項6記載の発明によれば、ロボ
ットの前記自律制御にさらに自発行動モードを含むの
で、乗員は逐次、ロボットに指示を与えることなく車両
内で快適、安全に過ごすことができる。
【0381】また、請求項7記載の発明によれば、乗員
にとって特に好ましい監視、救助等のサービスをロボッ
トが自発的に提供するので、乗員は車両内で快適、安全
に過ごすことができ、さらに駐車中の車両についても安
心できる。
【0382】また、請求項8記載の発明によれば、車両
の衝突時等の事故時には乗員からの指示が無くても、前
記自発行動モードに基づいてロボットが自発的に乗員救
助を実行する。よって、車両内の乗員をより確実に保護
することができる。
【0383】また、請求項9記載の発明によれば、車両
の衝突時等にロボットが自発行動モードで生存空間を確
保する。よって、ロボットが生存空間を確保して自身の
ダメージを最小限に止め、乗員救助を実行することが可
能となる。
【0384】また、請求項10記載の発明によれば、思
考手段が過去に蓄積されたデータから所定の乗員の行動
に引続いて生じる事態を予想するので、ロボットは乗員
が必要とするときに迅速なサービスを提供できる。
【0385】また、請求項11記載の発明によれば、ロ
ボットが乗員からの指示に応じ、コミュニケーションを
取りながらサービスを提供できるので、乗員は車内で快
適に過ごすことができる。
【0386】また、請求項12記載の発明によれば、ロ
ボットが飲料等の流動性があるものを運搬する際には、
飲料が入ったカップを外乱に対抗する方向に傾けて運搬
するので中味飲料をこぼすこと無く運搬できる。
【0387】また、請求項13記載の発明によれば、ロ
ボットが車両前方の道路状態について判断したり、車両
の周辺を監視したり、乗員から要求された物品を検索し
たり等することが可能となる。
【0388】また、請求項14記載の発明によれば、車
両周りに敷設されたレールとすることでロボットの位置
と体勢を安定化させることができる。
【0389】また、請求項15記載の発明によれば、ロ
ボットに対し外部入力装置から入力指示をして車両内で
所定の行動を実行させることができる。
【0390】また、請求項16記載の発明によれば、車
両外からロボットに指示して所定の仕事の命令指示を行
って実行させることができる。また、車両事故が発生し
た際には遠隔操作でレスキューセンタから指示を与え
て、ロボットに救助活動を実行させること等も可能とな
る。
【0391】また、請求項17記載の発明によれば、ロ
ボットが通信機能を備えていなくとも携帯電話を装着す
ることで外部から遠隔指示が可能となる。
【0392】また、請求項18記載の発明によれば、ロ
ボットはディスプレイ装置上に表示されたキャラクタ画
像との協調により乗員に娯楽を提供できる。
【0393】また、請求項19記載の発明によれば、移
動体内の所定位置に設定されたロボットが乗員と間で双
方向のコミュニケーションを取りながら動作(サービ
ス)する。よって、乗員は移動体内で快適且つ安全に過
ごすことがでができる。
【0394】また、請求項20記載の発明によれば、移
動体内で乗員が欲するような好ましいサービスをロボッ
トが実行するので、乗員は移動体内で快適かつ安心して
過ごすことができる。
【0395】また、請求項21〜30に記載される発明
によれば、ロボットは自己保持モードと自発行動モード
を含む構成で自律制御しており、請求項1〜18に記載
した発明と同様に、移動体の挙動に対応しつつ乗員とコ
ミュニケーションを取りながら必要なサービスを提供す
ることができる。
【0396】また、請求項31に記載される発明によれ
ば、移動体側にも通信機能が設けられロボットと交信可
能な状態であるので移動体側で得た情報をロボットが把
握できる、また、請求項32に記載の発明によれば、必
要によりロボットを移動体内で移動し、また移動体外へ
持ち出すことができる。
【0397】また、請求項33に記載の発明よれば、本
来、歩行機能を有するロボットの一部を固定状態にして
安定化し、移動体用のロボットとして活用できる。
【0398】また、請求項34に記載の発明よれば、移
動体を構成する既存の部品を利用するのでロボットを安
定的に配置することができる。特に、コンソール、イン
ストルメントパネル又は天井部にロボットを配置した場
合には、乗員からの視認が容易であるのでコミュニケー
ションを取ることが容易となる。また、シートにロボッ
トを配置した場合には乗員に最も近い位置となるので、
さらにコミュニケーションを取ることが容易となる。
【0399】また、請求項35に記載の発明によれば、
移動体の構成部品をロボット化するので乗員の居住スペ
ースを減少させることなく、乗員へのサービスを提供で
きる。
【0400】また、請求項36に記載の発明によれば、
好ましい付加機能を有したシートがロボットであるの
で、例えばチャイルドシート等を別途準備することな
く、自律制御により子供を安全に保持できる。さらに、
子供に限らず大人に対しても安全で、体調にまで配慮す
るロボットなる。
【0401】また、請求項37に記載の発明によれば、
ロボットが腕状のマニュピレータを備えるので移動でき
なくても物品の受け渡し等を行うことができる。さら
に、移動体が急発進・停車等して過度の減速度が生じた
ときに腕状のマニュピレータが乗員を抱込むように設定
しておけば、乗員の保護により効果的である。
【0402】また、請求項38記載の発明によれば、乗
員が車内で快適且つ安全に過ごすことができ、さらに車
両を離れた後においてロボットに監視作業等を実行させ
ることがでるので、極めてユーザフレンドリな車両とし
て提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】CRSの概略構成を機能ブロックで示す図であ
る。
【図2】ステーションワゴンタイプの車両にCRSを搭
載した第1実施例について示す図である。
【図3】第1実施例のCRSの各部構成として採用でき
る具体的な要素をブロックで示す図である。
【図4】第1実施例でCRSが自律制御を行いながら種
々の動作を実行する際の基本フローチャートである。
【図5】第1実施例でCRSが自律制御を行いながら種
々の動作を実行する際の基本フローチャートである。
【図6】第1実施例でCRSが自律制御を行いながら種
々の動作を実行する際の基本フローチャートである。
【図7】第1実施例でCRSが自律制御を行いながら種
々の動作を実行する際の基本フローチャートである。
【図8】第1実施例でCRSが自律制御を行いながら種
々の動作を実行する際の基本フローチャートである。
【図9】第1実施例でCRSが自律制御を行いながら種
々の動作を実行する際の基本フローチャートである。
【図10】第2実施例でCRSが実行する運搬動作の詳
細を示すフローチャートである。
【図11】第2実施例でCRSが実行する運搬動作の詳
細を示すフローチャートである。
【図12】第2実施例でCRSが実行する運搬動作の詳
細を示すフローチャートである。
【図13】第2実施例でCRSが実行する運搬動作の詳
細を示すフローチャートである。
【図14】第2実施例でCRSが実行する運搬動作の詳
細を示すフローチャートである。
【図15】第3実施例でCRSが実行する監視動作の詳
細を示すフローチャートである。
【図16】第3実施例でCRSが実行する監視動作の詳
細を示すフローチャートである。
【図17】第3実施例でCRSが実行する監視動作の詳
細を示すフローチャートである。
【図18】第4実施例でCRSが実行する夜間監視動作
の詳細を示すフローチャートである。
【図19】第5実施例でCRSが実行する娯楽動作例を
示したフローチャートである。
【図20】第5実施例でCRSが実行する娯楽動作例を
示したフローチャートである。
【図21】第5実施例でCRSが実行する娯楽動作例を
示したフローチャートである。
【図22】第6実施例でCRSが車両衝突時に実行する
動作例を示したフローチャートである。
【図23】第6実施例でCRSが車両衝突時に実行する
動作例を示したフローチャートである。
【図24】第7実施例でCRSが車両横転時に実行する
動作例を示したフローチャートである。
【図25】第7実施例でCRSが車両横転時に実行する
動作例を示したフローチャートである。
【図26】第8実施例でCRSが車両水没時に実行する
動作例を示したフローチャートである。
【図27】第8実施例でCRSが車両水没時に実行する
動作例を示したフローチャートである。
【図28】第9実施例でCRSが車両清掃時に実行する
動作1を示したフローチャートである。
【図29】第9実施例でCRSが車両清掃時に実行する
動作2を示したフローチャートである。
【図30】第9実施例でCRSが車両清掃時に実行する
動作3を示したフローチャートである。
【図31】図2に示したCRSをコンパチブルタイプの
車両に車載する変形例について示す図である。
【図32】CRSが携帯電話内蔵型で形成された例につ
いて示す図である。
【図33】インストルメントパネから飛び出す様に構成
して、よりアミューズメント機能を高めたCRSの例に
ついて示す図である。
【図34】第10実施例の歩行機能を有するCRSにつ
いて示した図である。
【図35】第10実施例でCRSが自律制御を行いなが
ら種々の動作を実行する際のフローチャートである。
【図36】第10実施例でCRSが自律制御を行いなが
ら種々の動作を実行する際のフローチャートである。
【図37】第10実施例でCRSが自律制御を行いなが
ら種々の動作を実行する際のフローチャートである。
【図38】第10実施例でCRSが自律制御を行いなが
ら種々の動作を実行する際のフローチャートである。
【図39】第11実施例の車両に対して着脱自在である
CRSについて示す図である。
【図40】第12実施例の、車両に対して着脱自在であ
る第1のCRSと、シート形状に構成された第2のCR
Sについて示す図である。
【図41】第12実施例でCRSが自律制御を行いなが
ら種々の動作を実行する際のフローチャートである。
【図42】第12実施例でCRSが自律制御を行いなが
ら種々の動作を実行する際のフローチャートである。
【図43】第13実施例のシートと一体に形成されたC
RSについて示す図である。
【図44】第13実施例でCRSが自律制御を行いなが
ら種々の動作を実行する際のフローチャートである。
【図45】第13実施例でCRSが自律制御を行いなが
ら種々の動作を実行する際のフローチャートである。
【符号の説明】
1 車両(移動体) 2 レール 10、100 CRS(移動体搭載用ロボット) 12 認識部 14 思考部 16 移動部 18 作動部 102 頭部 104,106 腕 104HA、106HA ハンド 112 目(CCD) 113 口(スピーカ) 114 耳(マイクロフォン)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 戸倉 隆明 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 水野 陽太 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 鵜飼 美智子 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 松本 章吾 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 加藤 雅史 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3C007 AS34 KS10 MT14 WA02 WA21 WB16 WB17 WB18 WC03 WC07 WC11 WC16 WC21

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動体或いは乗員から受ける諸条件を認
    識する認識手段と、該認識手段により認識された前記諸
    条件に対応するための思考を行う思考手段と、前記移動
    体に沿って所定位置に移動するための移動手段と、前記
    思考手段による結果に基づき必要な動作を実行する動作
    手段とを含む、移動体搭載用のロボット。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の移動体搭載用のロボット
    において、 前記思考手段にはロボット自らが行動するための自律思
    考部が設定され、該自律思考部は前記認識手段が認識し
    た前記諸条件に基づき前記移動手段及び動作手段を駆動
    させて自律制御を実行する、ことを特徴とする移動体搭
    載用のロボット。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の移動体搭載用のロボット
    において、 前記自律制御には、前記移動体から受ける該移動体の挙
    動に対してロボットの体勢を安定に保持できるように前
    記移動手段及び動作手段を駆動制御する自己保持モード
    を含む、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の移動体搭載用のロボット
    において、 前記認識手段が認識した前記諸条件から前記移動体が示
    す前記移動体の挙動を予想して自己保持モードによる動
    作を実行する、ことを特徴とする移動体搭載用のロボッ
    ト。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4記載の移動体搭載用のロ
    ボットにおいて、 前記自己保持モードによる制御は、衝撃方向に対抗する
    ように実行する制動制御である、ことを特徴とする移動
    体搭載用のロボット。
  6. 【請求項6】 請求項2又は3記載の移動体搭載用のロ
    ボットにおいて、 前記自律制御は、前記認識手段が認識した前記諸条件に
    基づき当該ロボットが移動体及び乗員に関して必要な行
    動を取る自発行動モードをさらに含む、ことを特徴とす
    る移動体搭載用のロボット。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の移動体搭載用ロボットに
    おいて、 前記自発行動モードによる行動には、乗員登録、夜間監
    視、移動体内における落下物監視、移動体走行時の監視
    アシスト、移動体への乗降時の監視アシスト、乗員救
    助、移動体内の清掃、ゴミの回収及び窓拭き、から選択
    される少なくとも1つを含む、ことを特徴とする移動体
    搭載用ロボット。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の移動体搭載用ロボットに
    おいて、 前記乗員救助は、前記自発行動モードに基づき指示がな
    くとも当該ロボットが実行する、ことを特徴とする車載
    用ロボット。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の移動体搭載用ロボットに
    おいて、 前記自発行動モードでは、前記認識手段が前記移動体の
    事故を認識したことに基づき、当該ロボットが生存空間
    を確保するように行動する、ことを特徴とする車載用ロ
    ボット。
  10. 【請求項10】 請求項6記載の移動体搭載用のロボッ
    トにおいて、 前記自発行動モードは、前記乗員の行動から予想して実
    行される、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  11. 【請求項11】 請求項1又は2記載の移動体搭載用の
    ロボットにおいて、 前記思考手段は乗員の命令に応じて前記移動手段及び動
    作手段を駆動させる、ことを特徴とする移動体搭載用の
    ロボット。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の移動体搭載用のロボ
    ットにおいて、 前記乗員の命令には物品運搬が含まれ、物品運搬動作で
    は運搬する物品の内容物を保持するために傾斜させて運
    搬する制御動作を含む、ことを特徴とする移動体搭載用
    ロボット。
  13. 【請求項13】 請求項1から12のいずれかに記載の
    移動体搭載用のロボットにおいて、 前記認識手段は前記諸条件を認識するため少なくとも視
    覚手段及び/又は聴覚手段を含む、ことを特徴とする移
    動体搭載用のロボット。
  14. 【請求項14】 請求項1から13のいずれかに記載の
    移動体搭載用のロボットにおいて、 前記移動手段は移動体周りに敷設されたレールに沿っ
    て、当該ロボットを移動させる、ことを特徴とする移動
    体搭載用のロボット。
  15. 【請求項15】 請求項1から14のいずれかに記載の
    移動体搭載用のロボットにおいて、 当該ロボットは外部入力装置との接続用のインターフェ
    ース部を備えた、ことを特徴とする移動体搭載用のロボ
    ット。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の移動体搭載用のロボ
    ットにおいて、 当該ロボットが通信機能を備え、前記外部入力装置によ
    り遠隔操作される、ことを特徴とする移動体搭載用ロボ
    ット。
  17. 【請求項17】 請求項15記載の移動体搭載用のロボ
    ットにおいて、 当該ロボット本体は通信装置と接続可能とされている、
    ことを特徴とする移動体搭載用ロボット。
  18. 【請求項18】 請求項1又は2記載の移動体搭載用の
    ロボットにおいて、 前記移動体にはディスプレイ装置が配設されており、当
    該ロボットは前記ディスプレイ装置上に表示された画像
    と協調して動作を行うように設定されている、ことを特
    徴とする移動体搭載用のロボット。
  19. 【請求項19】 移動体或いは乗員から受ける諸条件を
    認識する認識手段と、該認識手段により認識された前記
    諸条件に対応するための思考を行う思考手段と、前記思
    考手段による結果に基づき必要な動作を実行する動作手
    段とを含み、前記乗員と間で双方向のコミュニケーショ
    ンを取りながら動作する移動体搭載用のロボット。
  20. 【請求項20】 請求項19記載の移動体搭載用のロボ
    ットにおいて、 前記思考手段にはロボット自らが行動するための自律思
    考部が設定され、該自律思考部は前記認識手段が認識し
    た前記諸条件に基づき前記動作手段を駆動させて自律制
    御を実行する、ことを特徴とする移動体搭載用のロボッ
    ト。
  21. 【請求項21】 請求項20記載の移動体搭載用のロボ
    ットにおいて、 前記自律制御には、前記移動体から受ける該移動体の挙
    動に対してロボットの体勢を安定に保持できるように前
    記動作手段を駆動制御する自己保持モードを含む、こと
    を特徴とする移動体搭載用のロボット。
  22. 【請求項22】 請求項21記載の移動体搭載用のロボ
    ットにおいて、 前記認識手段が認識した前記諸条件から前記移動体が示
    す前記移動体の挙動を予想して自己保持モードによる動
    作を実行する、ことを特徴とする移動体搭載用のロボッ
    ト。
  23. 【請求項23】 請求項20又は21記載の移動体搭載
    用のロボットにおいて、 前記自律制御は、前記認識手段が認識した前記諸条件に
    基づき当該ロボットが乗員に関して必要な行動を取る自
    発行動モードをさらに含む、ことを特徴とする移動体搭
    載用のロボット。
  24. 【請求項24】 請求項23記載の移動体搭載用ロボッ
    トにおいて、 前記自発行動モードによる行動には、乗員登録、夜間監
    視、移動体内における落下物監視、移動体走行時の監視
    アシスト、移動体への乗降時の監視アシスト、移動体内
    の清掃、ゴミの回収及び窓拭き、から選択される少なく
    とも1つを含む、ことを特徴とする移動体搭載用ロボッ
    ト。
  25. 【請求項25】 請求項23記載の移動体搭載用のロボ
    ットにおいて、 前記自発行動モードは、前記乗員の行動から予想して実
    行される、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  26. 【請求項26】 請求項19又は20記載の移動体搭載
    用のロボットにおいて、 前記思考手段は乗員の命令に応じて前記動作手段を駆動
    させる、ことを特徴とする移動体搭載用のロボット。
  27. 【請求項27】 請求項19から26のいずれかに記載
    の移動体搭載用のロボットにおいて、 前記認識手段は前記諸条件を認識するため少なくとも視
    覚手段及び/又は聴覚手段を含む、ことを特徴とする移
    動体搭載用のロボット。
  28. 【請求項28】 請求項19から27のいずれかに記載
    の移動体搭載用のロボットにおいて、 当該ロボットは外部入力装置との接続用のインターフェ
    ース部を備えた、ことを特徴とする移動体搭載用のロボ
    ット。
  29. 【請求項29】 請求項28記載の移動体搭載用のロボ
    ットにおいて、 当該ロボットが通信機能を備え、前記外部入力装置によ
    り遠隔操作される、ことを特徴とする移動体搭載用ロボ
    ット。
  30. 【請求項30】 請求項28記載の移動体搭載用のロボ
    ットにおいて、 当該ロボットは通信装置と接続可能とされている、こと
    を特徴とする移動体搭載用ロボット。
  31. 【請求項31】 請求項28記載の移動体搭載用のロボ
    ットにおいて、 当該ロボットは、前記移動体側に設けた通信装置と交信
    するための通信機能を備え、移動体側から得る情報を前
    記自律制御に用いる、ことを特徴とする移動体搭載用ロ
    ボット。
  32. 【請求項32】 請求項19から31のいずれかに記載
    の移動体搭載用のロボットにおいて、 当該ロボットが前記移動体を構成する部品に対して着脱
    可能である、ことを特徴とする移動体搭載用ロボット。
  33. 【請求項33】 請求項32記載の移動体搭載用のロボ
    ットにおいて、 当該ロボットが、上部半身と歩行機能を有する下部半身
    とにより形成され、前記上部半身が前記部品に対して着
    脱可能に形成されている、ことを特徴とする移動体搭載
    用ロボット。
  34. 【請求項34】 請求項32又は33に記載の移動体搭
    載用のロボットにおいて、 前記部品は、移動体を構成するシート、コンソール、イ
    ンストルメントパネル、ドア又は天井部である、ことを
    特徴とする移動体搭載用ロボット。
  35. 【請求項35】 請求項19から31のいずれかに記載
    の移動体搭載用のロボットにおいて、 当該ロボットは前記移動体を構成するシートと一体であ
    る、ことを特徴とする移動体搭載用ロボット。
  36. 【請求項36】 請求項34又は35に記載の移動体搭
    載用のロボットにおいて、 当該ロボットは、前記思考手段による結果に基づいてシ
    ートに付加された機能を実行する、ことを特徴とする移
    動体搭載用ロボット。
  37. 【請求項37】 請求項35に記載の移動体搭載用のロ
    ボットにおいて、 前記シートがさらに腕状のマニュピレータを備える、こ
    とを特徴とする移動体搭載用ロボット。
  38. 【請求項38】 請求項1から37のいずれかに記載の
    移動体搭載用のロボットを搭載した移動体。
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