JP2002162707A - ハロゲン化銀カラー写真感光材料およびそれを用いた画像形成法 - Google Patents

ハロゲン化銀カラー写真感光材料およびそれを用いた画像形成法

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JP2002162707A
JP2002162707A JP2000357117A JP2000357117A JP2002162707A JP 2002162707 A JP2002162707 A JP 2002162707A JP 2000357117 A JP2000357117 A JP 2000357117A JP 2000357117 A JP2000357117 A JP 2000357117A JP 2002162707 A JP2002162707 A JP 2002162707A
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Atsushi Matsunaga
淳 松永
Tomoki Tasaka
知樹 田坂
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高感度でかぶりが抑制され、かつ耐湿潤磨耗
性に優れたハロゲン化銀カラー写真感光材料及びそれを
用いた画像形成法の提供。 【解決手段】 支持体上に、イエローカプラー含有青感
性ハロゲン化銀乳剤層、マゼンタカプラー含有緑感性ハ
ロゲン化銀乳剤層およびシアンカプラー含有赤感性ハロ
ゲン化銀乳剤層を、それぞれ少なくとも一層有するハロ
ゲン化銀カラー写真感光材料において、該緑感性ハロゲ
ン化銀乳剤層および/または赤感性ハロゲン化銀乳剤層
に、塩化銀含有率が95モル%以上であり、かつ、ヨウ
化銀含有率が0.05〜0.75モル%であるハロゲン
化銀粒子を含有し、更に、下記一般式(I)で表される
化合物を0.3mg/m2以上含有することを特徴とす
るハロゲン化銀カラー写真感光材料である。式中、Q
は、5員もしくは6員複素環核を完成するのに必要な非
金属原子群を表し、Mは水素原子または金属カチオンを
表す。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化銀カラ
ー写真感光材料およびそれを用いた画像形成法に関し、
より詳しくは高感度でかぶりが抑制され、かつ耐湿潤磨
耗性に優れたヨウ塩化銀を含む写真乳剤を用いたハロゲ
ン化銀カラー写真感光材料およびそれを用いた画像形成
法に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀粒子の表面または亜表面部
分にヨウ塩化銀層を含むヨウ塩化銀乳剤は、高感度が得
られ、また、高照度露光適性に優れるため好ましい。こ
れらの代表例として、例えば米国特許5,550,01
3号、同5,728,516号、同5,547,827
号、同5,605,789号、同5,726,005
号、同5,736,310号に開示されている。しか
し、これら開示された方法では、ヨード含有率の増加に
つれて、写真的に好ましくないかぶりの増加が生じると
いう欠点を有していた。
【0003】フェニルメルカプトテトラゾール(PM
T)およびその誘導体を用いることにより、カブリが低
く、生保存性に優れるハロゲン化銀乳剤が得られること
が既に知られている。これらの代表例として、米国特許
4,957,855号、同5,320,938号に開示
されている。しかし、これら開示された方法では、湿潤
磨耗性を悪化させる欠点を有していた。
【0004】米国特許5,543,281号、特開平8
−254800号には色素生成性カプラーを含み且つP
MTの遷移金属塩を含む塩化銀粒子を含む写真要素によ
り耐湿潤磨耗性に優れ、漂白定着液誘発シアン汚染を排
除できる長所について開示されているが、PMT遷移金
属塩の使用により、特にマゼンタ、シアンの感度を減少
させる欠点を有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来に
おける問題を解決し、以下の目的を達成することを課題
とする。即ち、本発明は、高感度でかぶりが抑制され、
かつ耐湿潤磨耗性に優れたハロゲン化銀カラー写真感光
材料およびそれを用いた画像形成法を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は、以下の通りである。即ち、 <1> 支持体上に、イエローカプラー含有青感性ハロ
ゲン化銀乳剤層、マゼンタカプラー含有緑感性ハロゲン
化銀乳剤層およびシアンカプラー含有赤感性ハロゲン化
銀乳剤層を、それぞれ少なくとも一層有するハロゲン化
銀カラー写真感光材料において、該感光性ハロゲン化銀
乳剤層のうち緑感性ハロゲン化銀乳剤層および/または
赤感性ハロゲン化銀乳剤層に、塩化銀含有率が95モル
%以上であり、かつ、ヨウ化銀含有率が0.05〜0.
75モル%であるハロゲン化銀粒子を含有し、更に、下
記一般式(I)で表される化合物を0.3mg/m2
上含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー写真感
光材料である。
【0007】
【化2】
【0008】(一般式(I)中、Qは、5員もしくは6
員複素環核を完成するのに必要な非金属原子群を表し、
Mは水素原子または金属カチオンを表す。) <2> ハロゲン化銀カラー写真感光材料を走査露光
し、その後発色現像処理する画像形成法において、該ハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料が前記<1>に記載のハ
ロゲン化銀カラー写真感光材料であることを特徴とする
画像形成法である。 <3> 前記発色現像処理が20秒以下である前記<2
>に記載の画像形成法である。 <4> 前記走査露光が、一画像あたり10-4秒以下の
可視レーザービーム光である前記<2>または<3>に
記載の画像形成法である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明に用いられる一般式(I)で表される化合
物について説明する。一般式(I)中、Qは、5員もし
くは6員複素環核を完成するのに必要な非金属原子群を
表し、Mは水素原子または金属カチオンを表す。Qで表
される5員もしくは6員複素環核を完成するのに必要な
非金属原子群は、形成された5員もしくは6員複素環核
がS、O及び/又はNへテロ原子を含有する複素環化合
物、好ましくは2〜4個のヘテロ原子を有する5員もし
くは6員複素環化合物であり、該複素環としては、例え
ば、テトラゾール、トリアゾール、イミダゾール、オキ
サジアゾール、チアジアゾール、ベンゾチアゾールが挙
げられる。これらの複素環は置換基を有してもよく、ま
た、ベンゼン環等により縮合環を形成してもよい。
【0010】Mで表される金属カチオンとしては、好ま
しくはアルカリ金属カチオン(例えば、Li、Na、
K)、アルカリ土類金属カチオン(例えば、Ca、B
a)、遷移金属カチオン(例えば、Ag、Au、Cu、
Ni、Pd、Zn、Rh、Pt、Pb)が挙げられる。
Mは水素原子または遷移金属イオンを表すことが好まし
く、更に好ましくは遷移金属カチオンである。一般式
(I)で表される化合物のうち、好ましくは、以下の一
般式(I−a)〜(I−f)で表される化合物である。
【0011】
【化3】
【0012】上記一般式(I−a)〜(I−f)におい
て、Mは一般式(I)と同義であり、R1およびR2は、
それぞれ独立に水素原子または置換基を表す。R1で表
される置換基としては、好ましくはアルキル基、アルケ
ニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、シクロアル
ケニル基、アリール基、アシルアミド基、スルホンアミ
ド基、スルホニル基、スルフィニル基、ホスホニル基、
アシル基、カルバモイル基、スルファモイル基、アミノ
基、アルキルアミノ基、アニリノ基、イミド基、ウレイ
ド基、スルファモイルアミノ基、アルコキシカルボニル
アミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、アルコ
キシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基より選
ばれる基であり、R2で表される置換基としては、好ま
しくはR1 と同じ置換基に加え、ハロゲン原子、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、シリルオキシ基、アシルオ
キシ基、カルバモイルオキシ基、メルカプト基、アルキ
ルチオ基、アリールチオ基より選ばれる基である。上記
一般式(I−c)において、mは0、1または2であ
り、上記一般式(I−f)において、nは0または1〜
4の整数である。
【0013】一般式(I)、(I−a)〜(I−f)に
おいて、Mが遷移金属イオンである場合が好ましく、更
には、13〜20のpKsp値を有する化合物である場
合が好ましい。なお、pKsp値とは水溶液中における
溶解度積(Ksp)で規定されるものである。 pKsp=−logKsp Ksp=[M+][Het−S-] ここで、Hetとは一般式(I)におけるQ−C=Nで
形成される複素環核である。
【0014】一般式(I)、(I−a)〜(I−f)に
おいて、MがAgである場合が更に好ましい。最も好ま
しいものは、フェニルメルカプトテトラゾール(PM
T)の誘導体のAg塩で、下記一般式(II)で表され
る。
【0015】
【化4】
【0016】一般式(II)中、R2およびnは、一般式
(I−f)のものと同義である。R2のうち好ましいも
のは、アルキル基、アリール基、アシルアミノ基、ウレ
イド基であり、nは好ましくは0または1である。以下
に、本発明における一般式(I)で表される化合物の具
体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】上記以外に、リサーチ・ディスクロージャ
ー(Research Disclosure), 24236(1984年 6月) 274-
278、リサーチ・ディスクロージャー(Research Disclo
sure), 29759 (1989年 1月)45-50 、米国特許第 4,91
2,026号明細書の欄16-24 、米国特許第 5,244,779号明
細書の欄13-28 に列挙されるメルカプトテトラゾールお
よびそのAg塩を用いることもできる。上記化合物のう
ち、PMTであるI−6およびそのAg塩(PMT−A
g)であるI−1が好ましく、最も好ましくはI−1で
ある。
【0021】一般式(I)で表される化合物を添加する
層はハロゲン化銀乳剤層であっても、ハロゲン化銀乳剤
を含まない層であってもよいが、ハロゲン化銀乳剤層で
あることが、該化合物がハロゲン化銀乳剤に化学吸着し
て形成する銀錯体の点で好ましい。尚、本発明では、耐
湿潤磨耗性が劣る緑感性ハロゲン化銀乳剤層および/ま
たは赤感性ハロゲン化銀乳剤層に、該化合物を添加す
る。また、該化合物の添加量はハロゲン化銀粒子表面を
被覆する必要量の点から、0.3mg/m2以上(好ま
しくは0.3mg/m2以上3mg/m2以下)含有する
ことが好ましく、より好ましくは0.5mg/m2以上
(好ましくは0.5mg/m2以上2mg/m2以下)で
あり、更に好ましくは0.6mg/m2以上(好ましく
は0.6mg/m2以上1.5mg/m2以下)、最も好
ましくは0.70mg/m2以上(好ましくは0.70
mg/m2以上1.25mg/m2以下)である。
【0022】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤中の
ハロゲン化銀粒子は、好ましくは実質的に{100}面
を持つ立方体または14面体の結晶粒子(これらは粒子
頂点が丸みを帯び、さらに高次の面を有していてもよ
い)または8面体の結晶粒子、または全投影面積の50
%以上が{100}面または{111}面からなるアス
ペクト比2以上の平板状粒子が好ましい。アスペクト比
とは、投影面積に相当する円の直径を粒子の厚さで割っ
た値である。本発明では、立方体または{100}面を
主平面とする平板状粒子または{111}面を主平面と
する平板状粒子が好ましく適用される。
【0023】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤として
は、沃臭化銀、塩沃臭化銀乳剤等が用いられるが、迅速
処理性の観点からは、塩化銀含有率が95モル%以上の
塩沃化銀、または塩臭沃化銀乳剤が好ましく、更に塩化
銀含有率が98モル%以上の塩沃化銀、または塩臭沃化
銀乳剤が好ましい。このようなハロゲン化銀乳剤の中で
も、ハロゲン化銀粒子のシェル部分に、全銀モルあたり
0.05〜0.75モル%、より好ましくは0.1〜
0.40モル%の沃塩化銀相を有するものも高感度が得
られ、高照度露光適性に優れるため好ましい。また、ハ
ロゲン化銀粒子の表面に全銀モルあたり0.2〜5モル
%、より好ましくは0.5〜3モル%の臭化銀局在相を
有するものが、高感度が得られ、しかも写真性能の安定
化が図れることから特に好ましい。
【0024】本発明に用いられる乳剤が沃化銀を含有す
る場合、沃化物イオンの導入は、沃化物塩の溶液を単独
で添加させるか、或いは銀塩溶液と高塩化物塩溶液の添
加と併せて沃化物塩溶液を添加してもよい。後者の場合
は、沃化物塩溶液と高塩化物塩溶液を別々に、または沃
化物塩と高塩化物塩の混合溶液として添加してもよい。
沃化物塩は、アルカリもしくはアルカリ土類沃化物塩の
ような溶解性塩の形で添加する。或いは米国特許第5,
389,508号明細書に記載される有機分子から沃化
物イオンを開裂させることで沃化物を導入することもで
きる。また別の沃化物イオン源として、微小沃化銀粒子
を用いることもできる。
【0025】沃化物塩溶液の添加は、粒子形成の一時期
に集中して行ってもよく、またある一定期間かけて行っ
てもよい。高塩化物乳剤への沃化物イオンの導入位置
は、高感度で低被りな乳剤を得る上で制限される。沃化
物イオンの導入は、乳剤粒子のより内部に行うほど感度
の増加が小さい。故に沃化物塩溶液の添加は、粒子体積
の50%より外側が好ましく、より好ましくは70%よ
り外側から、最も好ましくは80%より外側から行うの
がよい。また沃化物塩溶液の添加は、好ましくは粒子体
積の98%より内側で、最も好ましくは96%より内側
で終了するのがよい。沃化物塩溶液の添加は、粒子表面
から少し内側で終了することで、より高感度で低被りな
乳剤を得ることができる。
【0026】粒子内の深さ方向への沃化物イオン濃度の
分布は、エッチング/TOF−SIMS(Time of Fligh
t−Secondary Ion Mass Spectrometry)法により、例え
ばPhiEvans社製TRIFT II型TOF−SIMSを用いて測
定できる。TOF−SIMS法については、具体的には
日本表面科学会編「表面分析技術選書 二次イオン質量分
析法」丸善株式会社(1999年発行)に記載されてい
る。エッチング/TOF−SIMS法で乳剤粒子を解析
すると、沃化物塩溶液の添加を粒子の内側で終了して
も、粒子表面に向けて沃化物イオンがしみ出しているこ
とが分析できる。本発明に用いられる乳剤が沃化銀を含
有する場合、エッチング/TOF−SIMS法による分
析で、沃化物イオンは粒子表面で濃度極大を有し、内側
に向けて沃化物イオン濃度が減衰していることが好まし
い。
【0027】本発明に用いられる乳剤が臭化銀局在相を
含有する場合、臭化銀含有率が少なくとも10モル%以
上の臭化銀局在相を粒子表面にエピタキシャル成長させ
てつくることが好ましい。臭化銀局在相の臭化銀含有率
は、10〜60モル%の範囲が好ましく、20〜50モ
ル%の範囲が最も好ましい。臭化銀局在相は、本発明に
おけるハロゲン化銀粒子を構成する全銀量の0.1〜5
モル%の銀から構成されていることが好ましく、0.3
〜4モル%の銀から構成されていることが更に好まし
い。臭化銀局在相中には、塩化第1イリジウム(II
I)、臭化第1イリジウム(III)、塩化第2イリジウム
(IV)、ヘキサクロロイリジウム(III)酸ナトリウ
ム、ヘキサクロロイリジウム(IV)酸カリウム、ヘキサ
アンミンイリジウム(IV)塩、トリオキザラトイリジウ
ム(III)塩、トリオキザラトイリジウム(IV)塩等の
第VIII族金属錯イオンを含有させることが好ましい。こ
れらの化合物の添加量は目的に応じて広範囲にわたる
が、ハロゲン化銀1モルに対して10 -9〜10-2モルが
好ましい。
【0028】本発明においては、ハロゲン化銀粒子を形
成および/または成長させる過程で遷移金属イオンを添
加し、ハロゲン化銀粒子の内部および/または表面に金
属イオンを組み込むことができる。用いる金属イオンと
しては遷移金属イオンが好ましく、なかでも、鉄、ルテ
ニウム、イリジウム、オスミウム、鉛、カドミウム、ま
たは、亜鉛であることが好ましい。さらにこれらの金属
イオンは配位子を伴い6配位八面体型錯体として用いる
ことがより好ましい。無機化合物を配位子として用いる
場合には、シアン化物イオン、ハロゲン化物イオン、チ
オシアン、水酸化物イオン、過酸化物イオン、アジ化物
イオン、亜硝酸イオン、水、アンモニア、ニトロシルイ
オン、または、チオニトロシルイオンを用いることが好
ましく、上記の鉄、ルテニウム、イリジウム、オスミウ
ム、鉛、カドミウム、または、亜鉛のいずれの金属イオ
ンに配位させて用いることも好ましく、複数種の配位子
を1つの錯体分子中に用いることも好ましい。また、配
位子として有機化合物を用いることもでき、好ましい有
機化合物としては主鎖の炭素数が5以下の鎖状化合物お
よび/または5員環あるいは6員環の複素環化合物を挙
げることができる。さらに好ましい有機化合物は、分子
内に窒素原子、リン原子、酸素原子、または、硫黄原子
を金属への配位原子として有する化合物であり、最も好
ましくはフラン、チオフェン、オキサゾール、イソオキ
サゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾー
ル、ピラゾール、トリアゾール、フラザン、ピラン、ピ
リジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジンであり、さ
らにこれらの化合物を基本骨格とし、それらに置換基を
導入した化合物もまた好ましい。
【0029】金属イオンと配位子の組み合わせとして好
ましくは、鉄イオン及びルテニウムイオンとシアン化物
イオンの組み合わせである。これらの化合物において、
シアン化物イオンは中心金属である鉄またはルテニウム
への配位数のうち過半数を占めることが好ましく、残り
の配位部位はチオシアン、アンモニア、水、ニトロシル
イオン、ジメチルスルホキシド、ピリジン、ピラジン、
または、4,4’−ビピリジンで占められることが好ま
しい。最も好ましくは中心金属の6つの配位部位が全て
シアン化物イオンで占められ、ヘキサシアノ鉄錯体また
はヘキサシアノルテニウム錯体を形成することである。
これらシアン化物イオンを配位子とする錯体は、粒子形
成中に銀1モル当たり1×10-8〜1×10-2モル添加
することが好ましく、1×10-6〜5×10-4モル添加
することが最も好ましい。
【0030】中心金属としてイリジウムを用いた場合に
配位子として好ましくは、フッ化物イオン、塩化物イオ
ン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンであり、中でも塩化
物イオンまたは臭化物イオンを用いることが好ましい。
イリジウム錯体として具体的に好ましくは、[IrC
l6]3-、[IrCl6]2-、[IrCl5(H2O)]2-、[IrCl5(H2O)]-
[IrCl 4(H2O)2]-、[IrCl4(H2O)2]0、[IrCl3(H2O)3]0、[I
rCl3(H2O)3]+、[IrBr6]3-、[IrBr6]2-、[IrBr5(H
2O)]2-、[IrBr5(H2O)]-、[IrBr4(H2O)2]-、[IrBr4(H2O)
2]0、[IrBr3(H2O)3]0、および[IrBr3(H2O)3]+ である。
これらのイリジウム錯体は、粒子形成中に銀1モル当た
り1×10-10〜1×10-3モル添加することが好まし
く、1×10-8〜1×10-5モル添加することが最も好
ましい。ルテニウムおよびオスミウムを中心金属とした
場合にはニトロシルイオン、チオニトロシルイオン、ま
たは水分子と塩化物イオンを配位子として共に用いるこ
とも好ましい。より好ましくはペンタクロロニトロシル
錯体、ペンタクロロチオニトロシル錯体、または、ペン
タクロロアクア錯体を形成することであり、ヘキサクロ
ロ錯体を形成することも好ましい。これらの錯体は、粒
子形成中に銀1モル当たり1×10-10〜1×10-6
ル添加することが好ましく、より好ましくは1×10-9
〜1×10-6モル添加することである。
【0031】本発明において上記の錯体は、ハロゲン化
銀粒子形成時に反応溶液中に直接添加するか、ハロゲン
化銀粒子を形成するためのハロゲン化物水溶液中、ある
いはそれ以外の溶液中に添加し、粒子形成反応溶液に添
加することにより、ハロゲン化銀粒子内に組み込むが好
ましい。さらにこれらの方法を組み合わせてハロゲン化
銀粒子内へ含有させることも好ましい。
【0032】これらの錯体をハロゲン化銀粒子に組み込
む場合、粒子内部に均一に存在させることも好ましい
が、特開平4−208936号、特開平2−12524
5号、特開平3−188437号各公報に開示されてい
る様に、粒子表面層のみに存在させることも好ましく、
粒子内部のみに錯体を存在させ粒子表面には錯体を含有
しない層を付加することも好ましい。また、米国特許第
5,252,451号および同5,256,530号明
細書に開示されているように、錯体を粒子内に組み込ん
だ微粒子で物理熟成して粒子表面相を改質することも好
ましい。さらに、これらの方法を組み合わせて用いるこ
ともでき、複数種の錯体を1つのハロゲン化銀粒子内に
組み込んでもよい。上記の錯体を含有させる位置のハロ
ゲン組成には特に制限はなく、塩化銀層、塩臭化銀層、
臭化銀層、沃塩化銀層、沃臭化銀層の何れに錯体を含有
させることも好ましい。
【0033】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤に含まれ
るハロゲン化銀粒子の平均粒子サイズ(粒子の投影面積
と等価な円の直径を以て粒子サイズとし、その数平均を
とったもの)は、0.1〜2μmが好ましい。また、そ
れらの粒子サイズ分布は変動係数(粒子サイズ分布の標
準偏差を平均粒子サイズで除したもの)20%以下、好
ましくは15%以下、更に好ましくは10%以下の所謂
単分散なものである。このとき、広いラチチュードを得
る目的で上記の単分散乳剤を同一層にブレンドして使用
することや、重層塗布することも好ましく行われる。
【0034】また、本発明において、ハロゲン化銀乳剤
の保存性を高めるため、特開平11−109576号に
記載のヒドロキサム酸誘導体、特開平11−32709
4号に記載のカルボニル基に隣接して、両端がアミノ基
もしくはヒドロキシル基が置換した二重結合を有する環
状ケトン類(特に一般式(S1)で表されるもので、段
落番号0036〜0071は本願の明細書に取り込むこ
とができる。)、特開平11−143011号に記載の
スルホ置換のカテコールやハイドロキノン類(例えば、
4,5−ジヒドロキシ−1,3−ベンゼンジスルホン
酸、2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゼンジスルホ
ン酸、3,4−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸、2,
3−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸、2,5−ジヒド
ロキシベンゼンスルホン酸、3,4,5−トリヒドロキ
シベンゼンスルホン酸およびこれらの塩など)、米国特
許第5,556,741号の一般式(A)で表されるヒ
ドロキシルアミン類(米国特許第5,556,741号
の第4欄の第56行〜第11欄の第22行の記載は本願
においても好ましく適用され、本願の明細書の一部とし
て取り込まれる)、特開平11−102045号の一般
式(I)〜(III)で表される水溶性還元剤は本発明に
おいても好ましく使用される。
【0035】分光増感は、本発明の感光材料における各
層の乳剤に対して所望の光波長域に分光感度を付与する
目的で行われる。本発明の感光材料において、青、緑、
赤領域の分光増感に用いられる分光増感色素としては例
えば、F.M.Harmer著 Heterocyclic compounds-Cyanine
dyes andrelated compounds (John Wiley & Sons [New
York,London] 社刊1964年)に記載されているものを
挙げることができる。具体的な化合物の例ならびに分光
増感法は、前出の特開昭62−215272号公報の第
22頁右上欄〜第38頁に記載のものが好ましく用いら
れる。また、特に塩化銀含有率の高いハロゲン化銀乳剤
粒子の赤感光性分光増感色素としては特開平3−123
340号に記載された分光増感色素が安定性、吸着の強
さ、露光の温度依存性等の観点から非常に好ましい。
【0036】これらの分光増感色素の添加量は目的に応
じて広範囲にわたり、ハロゲン化銀1モルあたり0.5
×10-6〜1.0×10-2モルの範囲が好ましい。更に
好ましくは、1.0×10-6〜5.0×10-3モルの範
囲である。
【0037】本発明に用いるハロゲン化銀乳剤は、通常
化学増感を施される。化学増感法については、不安定硫
黄化合物の添加に代表される硫黄増感、金増感に代表さ
れる貴金属増感、あるいは還元増感等を単独もしくは併
用して用いることができる。化学増感に用いられる化合
物については、特開昭62−215272号の第18頁
右下欄から第22頁右上欄に記載のものが好ましく用い
られる。このうち、特に、金増感を施したものであるこ
とが好ましい。金増感を施すことにより、レーザー光等
によって走査露光したときの写真性能の変動を更に小さ
くすることができるからである。
【0038】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤に金
増感を施すには、種々の無機金化合物や無機配位子を有
する金(I)錯体及び有機配位子を有する金(I)化合
物を利用することができる。無機金化合物としては、例
えば塩化金酸もしくはその塩、無機配位子を有する金
(I)錯体としては、例えばジチオシアン酸金(I)カ
リウム等のジチオシアン酸金化合物やジチオ硫酸金
(I)3ナトリウム等のジチオ硫酸金化合物等の化合物
を用いることができる。
【0039】有機配位子を有する金(I)化合物として
は、特開平4−267249号に記載のビス金(I)メ
ソイオン複素環類、例えば四フッ化硼酸金(I)ビス
(1,4,5−トリメチル−1,2,4−トリアゾリウ
ム−3−チオラート)、特開平11−218870号に
記載の有機メルカプト金(I)錯体、例えばカリウムビ
ス(1−[3−(2−スルホナートベンズアミド)フェ
ニル]−5−メルカプトテトラゾールカリウム塩)オー
レート(I)5水和物、特開平4−268550号に記
載の窒素化合物アニオンが配位した金(I)化合物、例
えばビス(1−メチルヒダントイナート)金(I)ナト
リウム塩四水和物、を用いることができる。また、米国
特許第3、503、749号に記載されている金(I)
チオレート化合物、特開平8−69074号、特開平8
−69075号、特開平9−269554号に記載の金
化合物、米国特許第5,620,841号、同5,91
2,112号、同5,620,841号、同5,93
9,245号、同5,912,111号に記載の化合物
も用いることができる。これらの化合物の添加量は、目
的に応じて広範囲に変わり得るがハロゲン化銀1モルあ
たり5×10-7〜5×10-3モル、好ましくは5×10
-6〜5×10-4モルである。
【0040】また、コロイド状硫化金を用いることも可
能であり、その製造方法はリサーチ・ディスクロージャ
ー(Reserch Disclosure,37154)、ソリッド ステート
イオニクス(Solid State Ionics)第79巻、60
〜66頁、1995年刊、Compt.Rend.Hebt.Seances A
cad.Sci.Sect.B第263巻、1328頁、1966年刊
等に記載されている。コロイド状硫化金として様々なサ
イズのものを利用でき、粒径50nm以下のものも用い
ることができる。添加量は目的に応じて広範囲に変わり
得るがハロゲン化銀1モルあたり金原子として5×10
-7〜5×10-3モル、好ましくは5×10-6〜5×10
-4モルである。本発明においては、金増感を更に他の増
感法、例えば硫黄増感、セレン増感、テルル増感、還元
増感あるいは金化合物以外を用いた貴金属増感等と組み
合わせてもよい。
【0041】本発明のハロゲン化銀カラー写真感光材料
には、従来公知の写真用素材や添加剤を使用することが
できる。例えば写真用支持体としては、透過型支持体や
反射型支持体を用いることができる。透過型支持体とし
ては、セルロースナイトレートフィルムやポリエチレン
テレフタレートなどの透明フィルム、更には2,6−ナ
フタレンジカルボン酸(NDCA)とエチレングリコー
ル(EG)とのポリエステルや、NDCAとテレフタル
酸とEGとのポリエステル等に磁性層などの情報記録層
を設けたものが好ましく用いられる。反射型支持体とし
ては、特に複数のポリエチレン層やポリエステル層でラ
ミネートされ、このような耐水性樹脂層(ラミネート
層)の少なくとも一層に酸化チタン等の白色顔料を含有
する反射支持体が好ましい。
【0042】本発明においてさらに好ましい反射支持体
としては、ハロゲン化銀乳剤層を設ける側の紙基体上に
微小空孔を有するポリオレフィン層を有しているものが
挙げられる。ポリオレフィン層は多層から成っていても
よく、その場合、好ましくはハロゲン化銀乳剤層側のゼ
ラチン層に隣接するポリオレフィン層は微小空孔を有さ
ず(例えばポリプロピレン、ポリエチレン)、紙基体上
に近い側に微小空孔を有するポリオレフィン(例えばポ
リプロピレン、ポリエチレン)から成るものがより好ま
しい。紙基体および写真構成層の間に位置するこれら多
層もしくは一層のポリオレフィン層の密度は0.40〜
1.0g/mlであることが好ましく、0.50〜0.
70g/mlがより好ましい。また、紙基体および写真
構成層の間に位置するこれら多層もしくは一層のポリオ
レフィン層の厚さは10〜100μmが好ましく、15
〜70μmがさらに好ましい。また、ポリオレフィン層
と紙基体の厚さの比は0.05〜0.2が好ましく、
0.1〜0.15がさらに好ましい。
【0043】また、上記紙基体の写真構成層とは逆側
(裏面)にポリオレフィン層を設けることも、反射支持
体の剛性を高める点から好ましく、この場合、裏面のポ
リオレフィン層は表面が艶消しされたポリエチレンまた
はポリプロピレンが好ましく、ポリプロピレンがより好
ましい。裏面のポリオレフィン層は5〜50μmが好ま
しく、10〜30μmがより好ましく、さらに密度が
0.7〜1.1g/mlであることが好ましい。本発明
に用いられる反射支持体において、紙基体上に設けるポ
リオレフィン層に関する好ましい態様については、特開
平10−333277号、同10−333278号、同
11−52513号、同11−65024号、EP08
80065号、およびEP0880066号に記載され
ている例が挙げられる。
【0044】更に前記の耐水性樹脂層中には蛍光増白剤
を含有するのが好ましい。また、蛍光増白剤は、感光材
料の親水性コロイド層中に分散してもよい。蛍光増白剤
として、好ましくは、ベンゾオキサゾール系、クマリン
系、ピラゾリン系を用いることができ、更に好ましく
は、ベンゾオキサゾリルナフタレン系及びベンゾオキサ
ゾリルスチルベン系の蛍光増白剤である。使用量は、特
に限定されていないが、好ましくは1〜100mg/m
2である。耐水性樹脂に混合する場合の混合比は、好ま
しくは樹脂に対して0.0005〜3質量%であり、更
に好ましくは0.001〜0.5質量%である。反射型
支持体としては、透過型支持体、または上記のような反
射型支持体上に、白色顔料を含有する親水性コロイド層
を塗設したものでもよい。また、反射型支持体は、鏡面
反射性または第2種拡散反射性の金属表面をもつ支持体
であってもよい。
【0045】また、本発明の感光材料に用いられる支持
体としては、ディスプレイ用に白色ポリエステル系支持
体又は白色顔料を含む層がハロゲン化銀乳剤層を有する
側の支持体上に設けられた支持体を用いてもよい。更に
鮮鋭性を改良するために、アンチハレーション層を支持
体のハロゲン化銀乳剤層塗布側又は裏面に塗設するのが
好ましい。特に反射光でも透過光でもディスプレイが観
賞できるように、支持体の透過濃度を0.35〜0.8
の範囲に設定するのが好ましい。
【0046】本発明の感光材料には、画像のシャープネ
ス等を向上させる目的で親水性コロイド層に、欧州特許
EP0,337,490A2号の第27〜76頁に記載
の、処理により脱色可能な染料(なかでもオキソノール
系染料)を感光材料の680nmに於ける光学反射濃度
が0.70以上になるように添加したり、支持体の耐水
性樹脂層中に2〜4価のアルコール類(例えばトリメチ
ロールエタン)等で表面処理された酸化チタンを12質
量%以上(より好ましくは14質量%以上)含有させる
のが好ましい。
【0047】本発明の感光材料には、イラジエーション
やハレーションを防止したり、セーフライト安全性等を
向上させる目的で親水性コロイド層に、欧州特許EP0
337490A2号明細書の第27〜76頁に記載の、
処理により脱色可能な染料(中でもオキソノール染料、
シアニン染料)を添加することが好ましい。さらに、欧
州特許EP0819977号明細書に記載の染料も本発
明に好ましく添加される。これらの水溶性染料の中には
使用量を増やすと色分離やセーフライト安全性を悪化す
るものもある。色分離を悪化させないで使用できる染料
としては、特開平5−127324号、同5−1273
25号、同5−216185号に記載された水溶性染料
が好ましい。
【0048】本発明においては、水溶性染料の代わり、
あるいは水溶性染料と併用しての処理で脱色可能な着色
層が用いられる。用いられる処理で脱色可能な着色層
は、乳剤層に直かに接してもよく、ゼラチンやハイドロ
キノンなどの処理混色防止剤を含む中間層を介して接す
るように配置されていてもよい。この着色層は、着色さ
れた色と同種の原色に発色する乳剤層の下層(支持体
側)に設置されることが好ましい。各原色毎に対応する
着色層を全て個々に設置することも、このうちに一部の
みを任意に選んで設置することも可能である。また複数
の原色域に対応する着色を行った着色層を設置すること
も可能である。着色層の光学反射濃度は、露光に使用す
る波長域(通常のプリンター露光においては400〜7
00nmの可視光領域、走査露光の場合には使用する走
査露光光源の波長)において最も光学濃度の高い波長に
おける光学濃度値が0.2以上3.0以下であることが
好ましい。さらに好ましくは0.5以上2.5以下、特
に0.8以上2.0以下が好ましい。
【0049】着色層を形成するためには、従来公知の方
法が適用できる。例えば、特開平2−282244号3
頁右上欄から8頁に記載された染料や、特開平3−79
31号3頁右上欄から11頁左下欄に記載された染料の
ように固体微粒子分散体の状態で親水性コロイド層に含
有させる方法、アニオン性色素をカチオンポリマーに媒
染する方法、色素をハロゲン化銀等の微粒子に吸着させ
て層中に固定する方法、特開平1−239544号に記
載されているようなコロイド銀を使用する方法などであ
る。色素の微粉末を固体状で分散する方法としては、例
えば、少なくともpH6以下では実質的に水不溶性であ
るが、少なくともpH8以上では実質的に水溶性である
微粉末染料を含有させる方法が特開平2−308244
号の第4〜13頁に記載されている。また、例えば、ア
ニオン性色素をカチオンポリマーに媒染する方法として
は、特開平2−84637号の第18〜26頁に記載さ
れている。光吸収剤としてのコロイド銀の調製法につい
ては米国特許第2,688,601号、同3,459,
563号に示されている。これらの方法のなかで微粉末
染料を含有させる方法、コロイド銀を使用する方法など
が好ましい。
【0050】本発明のハロゲン化銀写真感光材料は、カ
ラーネガフィルム、カラーポジフィルム、カラー反転フ
ィルム、カラー反転印画紙、カラー印画紙等に用いられ
るが、中でもカラー印画紙として用いるのが好ましい。
カラー印画紙は、イエロー発色性ハロゲン化銀乳剤層、
マゼンタ発色性ハロゲン化銀乳剤層およびシアン発色性
ハロゲン化銀乳剤層をそれぞれ少なくとも1層ずつ有し
てなることが好ましく、一般には、これらのハロゲン化
銀乳剤層は支持体から近い順にイエロー発色性ハロゲン
化銀乳剤層、マゼンタ発色性ハロゲン化銀乳剤層、シア
ン発色性ハロゲン化銀乳剤層である。
【0051】しかしながら、これとは異なった層構成を
取っても構わない。イエローカプラーを含有するハロゲ
ン化銀乳剤層は支持体上のいずれの位置に配置されても
構わないが、該イエローカプラー含有層にハロゲン化銀
平板粒子を含有する場合は、マゼンタカプラー含有ハロ
ゲン化銀乳剤層またはシアンカプラー含有ハロゲン化銀
乳剤層の少なくとも一層よりも支持体から離れた位置に
塗設されていることが好ましい。また、発色現像促進、
脱銀促進、増感色素による残色の低減の観点からは、イ
エローカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層は他のハロゲン
化銀乳剤層より、支持体から最も離れた位置に塗設され
ていることが好ましい。更に、Blix退色の低減の観
点からはシアンカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層は他の
ハロゲン化銀乳剤層の中央の層が好ましく、光退色の低
減の観点からはシアンカプラー含有ハロゲン化銀乳剤層
は最下層が好ましい。また、イエロー、マゼンタおよび
シアンのそれぞれの発色性層は2層または3層からなっ
てもよい。例えば、特開平4−75055号、同9−1
14035号、同10−246940号、米国特許第
5,576,159号等に記載のように、ハロゲン化銀
乳剤を含有しないカプラー層をハロゲン化銀乳剤層に隣
接して設け、発色層とすることも好ましい。
【0052】本発明において適用されるハロゲン化銀乳
剤やその他の素材(添加剤など)および写真構成層(層
配置など)、並びにこの感光材料を処理するために適用
される処理法や処理用添加剤としては、特開昭62−2
15272号、特開平2−33144号、欧州特許EP
0,355,660A2号に記載されているもの、特に
欧州特許EP0,355,660A2号に記載されてい
るものが好ましく用いられる。更には、特開平5−34
889号、同4−359249号、同4−313753
号、同4−270344号、同5−66527号、同4
−34548号、同4−145433号、同2−854
号、同1−158431号、同2−90145号、同3
−194539号、同2−93641号、欧州特許公開
第0520457A2号等に記載のハロゲン化銀カラー
写真感光材料やその処理方法も好ましい。
【0053】特に、本発明においては、前記の反射型支
持体やハロゲン化銀乳剤、更にはハロゲン化銀粒子中に
ドープされる異種金属イオン種、ハロゲン化銀乳剤の保
存安定剤またはカブリ防止剤、化学増感法(増感剤)、
分光増感法(分光増感剤)、シアン、マゼンタ、イエロ
ーカプラーおよびその乳化分散法、色像保存性改良剤
(ステイン防止剤や褪色防止剤)、染料(着色層)、ゼ
ラチン種、感光材料の層構成や感光材料の被膜pHなど
について、表1の公報に記載のものが特に好ましく適用
できる。
【0054】
【表1】
【0055】本発明において用いられるシアン、マゼン
タおよびイエローカプラーとしては、その他、特開昭6
2−215272号の第91頁右上欄4行目〜121頁
左上欄6行目、特開平2−33144号の第3頁右上欄
14行目〜18頁左上欄末行目と第30頁右上欄6行目
〜35頁右下欄11行目やEP0355,660A2号
の第4頁15行目〜27行目、5頁30行目〜28頁末
行目、45頁29行目〜31行目、47頁23行目〜6
3頁50行目に記載のカプラーも有用である。また、本
発明はWO−98/33760の一般式(II)および
(III)、特開平10−221825号の一般式(D)
で表される化合物を添加してもよく、好ましい。
【0056】以下に更に具体的に説明する。本発明に使
用しうるシアンカプラーとしては、ピロロトリアゾール
系カプラーが好ましく用いられ、特開平5−31332
4号の一般式(I)又は(II)で表されるカプラーおよ
び特開平6−347960号の一般式(I)で表される
カプラー並びにこれらの公報に記載されている例示カプ
ラーが特に好ましい。また、フェノール系、ナフトール
系のシアンカプラーも好ましく、例えば、特開平10−
333297号に記載の一般式(ADF)で表されるシ
アンカプラーが好ましい。上記以外のシアンカプラーと
しては、欧州特許EP0488248号明細書及びEP
0491197A1号明細書に記載のピロロアゾール型
シアンカプラー、米国特許第5,888,716号に記
載の2,5−ジアシルアミノフェノールカプラー、米国
特許第4,873,183号、同第4,916,051
号に記載の6位に電子吸引性基、水素結合基を有するピ
ラゾロアゾール型シアンカプラー、特に、特開平8−1
71185号、同8−311360号、同8−3390
60号に記載の6位にカルバモイル基を有するピラゾロ
アゾール型シアンカプラーも好ましい。
【0057】また、特開平2−33144号公報に記載
のジフェニルイミダゾール系シアンカプラーの他に、欧
州特許EP0333185A2号明細書に記載の3−ヒ
ドロキシピリジン系シアンカプラー(なかでも具体例と
して列挙されたカプラー(42)の4当量カプラーに塩
素離脱基をもたせて2当量化したものや、カプラー
(6)や(9)が特に好ましい)や特開昭64−322
60号公報に記載された環状活性メチレン系シアンカプ
ラー(なかでも具体例として列挙されたカプラー例3、
8、34が特に好ましい)、欧州特許EP045622
6A1号明細書に記載のピロロピラゾール型シアンカプ
ラー、欧州特許EP0484909号に記載のピロロイ
ミダゾール型シアンカプラーを使用することもできる。
【0058】なお、これらのシアンカプラーのうち、特
開平11−282138号に記載の一般式(I)で表さ
れるピロロアゾール系シアンカプラーが特に好ましく、
該公報の段落番号0012〜0059の記載は例示シア
ンカプラー(1)〜(47)を含め、本願にそのまま適
用され、本願の明細書の一部として好ましく取り込まれ
る。
【0059】本発明に用いられるマゼンタカプラーとし
ては、前記の表の公知文献に記載されたような5−ピラ
ゾロン系マゼンタカプラーやピラゾロアゾール系マゼン
タカプラーが用いられるが、中でも色相や画像安定性、
発色性等の点で特開昭61−65245号に記載された
ような2級又は3級アルキル基がピラゾロトリアゾール
環の2、3又は6位に直結したピラゾロトリアゾールカ
プラー、特開昭61−65246号に記載されたような
分子内にスルホンアミド基を含んだピラゾロアゾールカ
プラー、特開昭61−147254号に記載されたよう
なアルコキシフェニルスルホンアミドバラスト基を持つ
ピラゾロアゾールカプラーや欧州特許第226,849
A号や同第294,785A号に記載されたような6位
にアルコキシ基やアリールオキシ基をもつピラゾロアゾ
ールカプラーの使用が好ましい。特に、マゼンタカプラ
ーとしては特開平8−122984号に記載の一般式
(M−I)で表されるピラゾロアゾールカプラーが好ま
しく、該公報の段落番号0009〜0026はそのまま
本願に適用され、本願の明細書の一部として取り込まれ
る。これに加えて、欧州特許第854384号、同第8
84640号に記載の3位と6位の両方に立体障害基を
有するピラゾロアゾールカプラーも好ましく用いられ
る。
【0060】また、イエローカプラーとしては、前記表
中に記載の化合物の他に、欧州特許EP0447969
A1号明細書に記載のアシル基に3〜5員の環状構造を
有するアシルアセトアミド型イエローカプラー、欧州特
許EP0482552A1号明細書に記載の環状構造を
有するマロンジアニリド型イエローカプラー、欧州公開
特許第953870A1号、同第953871A1号、
同第953872A1号、同第953873A1号、同
第953874A1号、同第953875A1号等に記
載のピロール−2または3−イルもしくはインドール−
2または3−イルカルボニル酢酸アニリド系カプラー、
米国特許第5,118,599号明細書に記載されたジ
オキサン構造を有するアシルアセトアミド型イエローカ
プラーが好ましく用いられる。その中でも、アシル基が
1−アルキルシクロプロパン−1−カルボニル基である
アシルアセトアミド型イエローカプラー、アニリドの一
方がインドリン環を構成するマロンジアニリド型イエロ
ーカプラーの使用が特に好ましい。これらのカプラー
は、単独あるいは併用することができる。
【0061】本発明に使用するカプラーは、前出表中記
載の高沸点有機溶媒の存在下で(または不存在下で)ロ
ーダブルラテックスポリマー(例えば米国特許第4,2
03,716号)に含浸させて、または水不溶性かつ有
機溶媒可溶性のポリマーとともに溶かして親水性コロイ
ド水溶液に乳化分散させることが好ましい。好ましく用
いることのできる水不溶性かつ有機溶媒可溶性のポリマ
ーは、米国特許第4,857,449号明細書の第7欄
〜15欄及び国際公開WO88/00723号明細書の
第12頁〜30頁に記載の単独重合体または共重合体が
挙げられる。より好ましくはメタクリレート系あるいは
アクリルアミド系ポリマー、特にアクリルアミド系ポリ
マーの使用が色像安定性等の上で好ましい。
【0062】本発明においては公知の混色防止剤を用い
ることができるが、その中でも以下に挙げる公報に記載
のものが好ましい。例えば、特開平5−333501号
に記載の高分子量のレドックス化合物、WO98/33
760号、米国特許第4,923,787号等に記載の
フェニドンやヒドラジン系化合物、特開平5−2496
37号、特開平10−282615号および独国特許第
19629142A1号等に記載のホワイトカプラーを
用いることができる。また、特に現像液のpHを上げ、
現像の迅速化を行う場合には独国特許第1961878
6A1号、欧州特許第839623A1号、欧州特許第
842975A1号、独国特許19806846A1号
および仏国特許第2760460A1号等に記載のレド
ックス化合物を用いることも好ましい。
【0063】本発明においては、紫外線吸収剤としてモ
ル吸光係数の高いトリアジン骨核を有する化合物を用い
ることが好ましく、例えば、以下の公報に記載の化合物
を用いることができる。これらは、感光性層または/お
よび非感光性に好ましく添加される。特開昭46−33
35号、同55−152776号、特開平5−1970
74号、同5−232630号、同5−307232
号、同6−211813号、同8−53427号、同8
−234364号、同8−239368号、同9−31
067号、同10−115898号、同10−1475
77号、同10−182621号、独国特許第1973
9797A号、欧州特許第711804A号および特表
平8−501291号等に記載されている化合物であ
る。
【0064】本発明の感光材料に用いることのできる結
合剤又は保護コロイドとしては、ゼラチンを用いること
が有利であるが、それ以外の親水性コロイドを単独であ
るいはゼラチンとともに用いることができる。好ましい
ゼラチンとしては、鉄、銅、亜鉛、マンガン等の不純物
として含有される重金属は、好ましくは5ppm以下、
更に好ましくは3ppm以下である。また、感光材料中
に含まれるカルシウム量は、好ましくは20mg/m2
以下、更に好ましくは10mg/m2以下、最も好まし
くは5mg/m2以下である。本発明においては、親水
性コロイド層中に繁殖して画像を劣化させる各種の黴や
細菌を防ぐために、特開昭63−271247号公報に
記載のような防菌・防黴剤を添加するのが好ましい。さ
らに、感光材料の被膜pHは4.0〜7.0が好まし
く、より好ましくは4.0〜6.5である。
【0065】本発明においては、感光材料の塗布安定性
向上、静電気発生防止、帯電量調節等の点から界面活性
剤を感光材料に添加することができる。界面活性剤とし
てはアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ベ
タイン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤があり、例
えば特開平5−333492号に記載のものが挙げられ
る。本発明に用いる界面活性剤としてはフッ素原子含有
の界面活性剤が好ましい。特に、フッ素原子含有界面活
性剤を好ましく用いることができる。
【0066】これらの界面活性剤の感光材料への添加量
は特に限定されるものではないが、一般的には1×10
-5〜1g/m2、好ましくは1×10-4〜1×10-1
/m2、更に好ましくは1×10-3〜1×10-2g/m2
である。これらのフッ素原子含有界面活性剤は単独で用
いても、従来公知の他の界面活性剤と併用しても構わな
いが、好ましくは従来公知の他の界面活性剤との併用で
ある。
【0067】本発明の感光材料は、通常のネガプリンタ
ーを用いたプリントシステムに使用される以外に、陰極
線(CRT)を用いた走査露光方式にも適している。陰
極線管露光装置は、レーザーを用いた装置に比べて、簡
便でかつコンパクトであり、低コストになる。また、光
軸や色の調整も容易である。画像露光に用いる陰極線管
には、必要に応じてスペクトル領域に発光を示す各種発
光体が用いられる。例えば赤色発光体、緑色発光体、青
色発光体のいずれか1種、あるいは2種以上が混合され
て用いられる。スペクトル領域は、上記の赤、緑、青に
限定されず、黄色、橙色、紫色或いは赤外領域に発光す
る蛍光体も用いられる。特に、これらの発光体を混合し
て白色に発光する陰極線管がしばしば用いられる。
【0068】感光材料が、異なる分光感度分布を有する
複数の感光性層を持ち、陰極性管も複数のスペクトル領
域の発光を示す蛍光体を有する場合には、複数の色を一
度に露光、即ち陰極線管に複数の色の画像信号を入力し
て管面から発光させてもよい。各色ごとの画像信号を順
次入力して各色の発光を順次行わせ、その色以外の色を
カットするフィルムを通して露光する方法(面順次露
光)を採ってもよく、一般には、面順次露光の方が、高
解像度の陰極線管を用いることができるため、高画質化
のためには好ましい。
【0069】本発明の感光材料は、ガスレーザー、発光
ダイオード、半導体レーザー、半導体レーザーあるいは
半導体レーザーを励起光源に用いた固体レーザーと非線
形光学結晶を組合わせた第二高調波発光光源(SHG)
等の単色高密度光を用いたデジタル走査露光方式が好ま
しく使用される。システムをコンパクトで、安価なもの
にするために半導体レーザー、半導体レーザーあるいは
固体レーザーと非線形光学結晶を組合わせた第二高調波
発生光源(SHG)を使用することが好ましい。特にコ
ンパクトで、安価、更に寿命が長く安定性が高い装置を
設計するためには半導体レーザーの使用が好ましく、露
光光源の少なくとも一つは半導体レーザーを使用するこ
とが好ましい。
【0070】このような走査露光光源を使用する場合、
本発明の感光材料の分光感度極大波長は、使用する走査
露光用光源の波長により任意に設定することができる。
半導体レーザーを励起光源に用いた固体レーザーあるい
は半導体レーザーと非線形光学結晶を組合わせて得られ
るSHG光源では、レーザーの発振波長を半分にできる
ので、青色光、緑色光が得られる。従って、感光材料の
分光感度極大は通常の青、緑、赤の3つの波長領域に持
たせることが可能である。このような走査露光における
露光時間は、画素密度を400dpiとした場合の画素
サイズを露光する時間として定義すると、好ましい露光
時間としては10 -4秒以下、更に好ましくは10-6秒以
下である。
【0071】本発明に適用できる好ましい走査露光方式
については、前記の表に掲示した公報に詳しく記載され
ている。また本発明の感光材料を処理するには、特開平
2−207250号の第26頁右下欄1行目〜34頁右
上欄9行目、及び特開平4−97355号の第5頁左上
欄17行目〜18頁右下欄20行目に記載の処理素材や
処理方法が好ましく適用できる。また、この現像液に使
用する保恒剤としては、前記の表に掲示した公報に記載
の化合物が好ましく用いられる。
【0072】本発明は迅速処理適性を有する感光材料に
も好ましく適用される。発色現像時間とは、感光材料が
発色現像液中に入ってから次の処理工程の漂白定着液に
入るまでの時間をいう。例えば、自動現像機などで処理
される場合には、感光材料が発色現像液中に浸漬されて
いる時間(いわゆる液中時間)と、感光材料が発色現像
液を離れ次の処理工程の漂白定着浴に向けて空気中を搬
送されている時間(いわゆる空中時間)との両者の合計
を発色現像時間という。同様に、漂白定着時間とは、感
光材料が漂白定着液中に入ってから次の水洗又は安定浴
に入るまでの時間をいう。また、水洗又は安定化時間と
は、感光材料が水洗又は安定化液中に入ってから乾燥工
程に向けて液中にある時間(いわゆる液中時間)をい
う。
【0073】本発明において迅速処理を行う場合には、
発色現像時間は好ましくは60秒以下、更に好ましくは
50秒以下6秒以上、特に好ましくは20秒以下6秒以
上である。同様に、漂白定着時間は好ましくは60秒以
下、更に好ましくは50秒以下6秒以上、特に好ましく
は30秒以下6秒以上である。また、水洗又は安定化時
間は、好ましくは150秒以下、更に好ましくは130
秒以下6秒以上である。
【0074】本発明の感光材料を露光後、現像する方法
としては、従来のアルカリ剤と現像主薬を含む現像液で
現像する方法、現像主薬を感光材料に内蔵し、現像主薬
を含まないアルカリ液などのアクチベーター液で現像す
る方法などの湿式方式のほか、処理液を用いない熱現像
方式などを用いることができる。特に、アクチベーター
方法は、現像主薬を処理液に含まないため、処理液の管
理や取扱いが容易であり、また廃液処理時の負荷が少な
く環境保全上の点からも好ましい方法である。アクチベ
ーター方法において、感光材料中に内蔵される現像主薬
またはその前駆体としては、例えば、特開平8−234
388号、同9−152686号、同9−152693
号、同9−211814号、同9−160193号に記
載されたヒドラジン型化合物が好ましい。
【0075】また、感光材料の塗布銀量を低減し、過酸
化水素を用いた画像増幅処理(補力処理)する現像方法
も好ましく用いられる。特に、この方法をアクチベータ
ー方法に用いることは好ましい。具体的には、特開平8
−297354号、同9−152695号に記載された
過酸化水素を含むアクチベーター液を用いた画像形成方
法が好ましく用いられる。アクチベーター方法におい
て、アクチベーター液で処理後、通常脱銀処理される
が、低銀量の感光材料を用いた画像増幅処理方法では、
脱銀処理を省略し、水洗または安定化処理といった簡易
な方法を行うことができる。また、感光材料から画像情
報をスキャナー等で読み取る方式では、撮影用感光材料
などの様に高銀量の感光材料を用いた場合でも、脱銀処
理を不要とする処理形態を採用することができる。
【0076】本発明で用いられるアクチベーター液、脱
銀液(漂白/定着液)、水洗および安定化液の処理素材
や処理方法は公知のものを用いることができる。好まし
くは、リサーチ・ディスクロージャーItem 36544
(1994年9月)第536頁〜第541頁、特開平8
−234388号に記載されたものを用いることができ
る。
【0077】本発明の感光材料をプリンター露光する
際、米国特許第4,880,726号に記載のバンドス
トップフィルターを用いることが好ましい。これによっ
て光混色が取り除かれ、色再現性が著しく向上する。本
発明においては、欧州特許EP0789270A1や同
EP0789480A1号に記載のように、画像情報を
付与する前に、予め、黄色のマイクロドットパターンを
前露光し、複写規制を施しても構わない。
【0078】本発明の感光材料は、以下の公知資料に記
載の露光、現像システムと組み合わせることで好ましく
用いることができる。 ・特開平10−333253号に記載の自動プリント並
びに現像システム ・特開2000−10206号に記載の感光材料搬送装
置 ・特開平11−215312号に記載の画像読取装置を
含む記録システム ・特開平11−88619号並びに特開平10−202
950号に記載のカラー画像記録方式からなる露光シス
テム ・特開平10−210206号に記載の遠隔診断方式を
含むデジタルフォトプリントシステム ・特願平10−159187号に記載の画像記録装置を
含むフォトプリントシステム
【0079】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明するが、本発
明はこれらの実施例に何ら制限されるものではない。 (実施例1) [乳剤Aの調製]立方体の平均粒子サイズ0.70μm
の大サイズ乳剤A1と0.50μmの小サイズ乳剤A2
との1:1混合物(銀モル比)を調製した。乳剤A1お
よびA2の粒子サイズ分布の変動係数は、それぞれ0.
09と0.11であった。各サイズ乳剤とも臭化銀0.
5mol%を、塩化銀を基盤とする粒子表面の一部に局
在含有させた。臭化銀局在相中にはヘキサクロロイリジ
ウム(IV)酸カリウムを含有させた。この粒子の最表層
からの体積で10%に相当する部位には、全ハロゲンに
対して0.1mol%のヨウ素イオンを存在させ、全銀
モル量に対して1×10-5モルのK4Ru(CN)6、全
銀モル量に対して1×10-6モルの黄血塩、全銀モル量
に対して1×10-6モルのK2IrCl5(H2O)をド
ープした。この乳剤には下記の青感性増感色素Aおよび
Bを銀1モルあたり乳剤A1に対してそれぞれ3.2×
10-4モル、乳剤A2に対してそれぞれ4.4×10-4
モル添加し分光増感を施し、化学増感はチオ硫酸ナトリ
ウム五水和物と塩化金酸とにより最適に行われた。以上
により乳剤Aを調製した。
【0080】
【化8】
【0081】[乳剤B−1の調製]立方体の平均粒子サ
イズ0.45μmの大サイズ乳剤B1と0.35μmの
小サイズ乳剤B2との1:3混合物(銀モル比)を調製
した。粒子サイズ分布の変動係数はそれぞれ0.10と
0.08であった。各サイズ乳剤ともヨウ化銀0.01
モル%を粒子表面近傍に含有し、臭化銀0.4モル%を
粒子表面に局在含有させた。臭化銀局在相中にはヘキサ
クロロイリジウム(IV)酸カリウムを含有させた。また
乳剤Aと同様にK4Ru(CN)6、黄血塩、K2IrC
5(H2O)をドープした。以上により乳剤B−1を調
製した。
【0082】[乳剤B−2およびB−3の調製]上記乳
剤B−1において、ヨウ化銀含有量を0.01モル%か
ら0.05モル%に変更したことのみ異なる乳剤B−2
を、また、上記乳剤B−1においてヨウ化銀含有量を
0.01モル%から1.00モル%に変更したことのみ
異なる乳剤B−3をそれぞれ調製した。
【0083】[乳剤C−1の調製]立方体の平均粒子サ
イズ0.40μmの大サイズ乳剤C1と0.30μmの
小サイズ乳剤C2との1:1混合物(銀モル比)を調製
した。粒子サイズ分布の変動係数はそれぞれ0.09と
0.11であった。各サイズ乳剤ともヨウ化銀0.01
モル%を粒子表面近傍に含有し、臭化銀0.8モル%を
粒子表面に局在含有させた。臭化銀局在相中にはヘキサ
クロロイリジウム(IV)酸カリウムを含有させた。また
乳剤Aと同様にK4Ru(CN)6、黄血塩、K2IrC
5(H2O)をドープした。以上により乳剤C−1を調
製した。
【0084】[乳剤C−2およびC−3の調製]上記乳
剤C−1において、ヨウ化銀含有量を0.01モル%か
ら0.05モル%に変更したことのみ異なる乳剤C−2
を、また、上記乳剤C−1においてヨウ化銀含有量を
0.01モル%から1.00モル%に変更したことのみ
異なる乳剤C−3をそれぞれ調製した。
【0085】紙の両面をポリエチレン樹脂で被覆してな
る支持体の表面に、コロナ放電処理を施した後、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウムを含むゼラチン下塗層
を設け、さらに第一層〜第七層の写真構成層を順次塗設
して、以下に示す層構成のハロゲン化銀カラー写真感光
材料の試料(100)を作製した。各写真構成層用の塗
布液は、以下のようにして調製した。
【0086】第一層塗布液調製 イエローカプラー(ExY)57g、色像安定剤(Cp
d−1)7g、色像安定剤(Cpd−2)4g、色像安
定剤(Cpd−3)7g、色像安定剤(Cpd−8)2
gを溶媒(Solv−1)21g及び酢酸エチル80m
lに溶解し、この液を4gのドデシルベンゼンスルホン
酸ナトリウムを含む23.5質量%ゼラチン水溶液22
0g中に高速攪拌乳化機(ディゾルバー)で乳化分散
し、水を加えて900gの乳化分散物Aを調製した。一
方、前記乳化分散物Aと乳剤Aとを混合溶解し、後記組
成となるように第一層塗布液を調製した。乳剤塗布量
は、銀量換算塗布量を示す。
【0087】第二層〜第七層用の塗布液も第一層塗布液
と同様の方法で調製した。各層のゼラチン硬化剤として
は、1−オキシ−3,5−ジクロロ−s−トリアジンナ
トリウム塩(H−1)、(H−2)、(H−3)を総量
で100mg/m2用いた。また、各層にAb−1、A
b−2、Ab−3、及びAb−4を、それぞれ全量が1
5.0mg/m2、60.0mg/m2、5.0mg/m
2及び10.0mg/m2となるように添加した。
【0088】
【化9】
【0089】
【化10】
【0090】緑及び赤感性乳剤層の塩臭化銀乳剤には、
以下の分光増感色素をそれぞれ用いた。 緑感性乳剤層
【0091】
【化11】
【0092】増感色素Dをハロゲン化銀1モル当り、大
サイズ乳剤に対しては3.0×10 -4モル、小サイズ乳
剤に対しては3.6×10-4モル、また、増感色素Eを
ハロゲン化銀1モル当り、大サイズ乳剤に対しては4.
0×10-5モル、小サイズ乳剤に対しては7.0×10
-5モル、また、増感色素Fをハロゲン化銀1モル当り、
大サイズ乳剤に対しては2.0×10-4モル、小サイズ
乳剤に対しては2.8×10-4モル添加した。 赤感性乳剤層
【0093】
【化12】
【0094】増感色素GおよびHをそれぞれ、ハロゲン
化銀1モル当り、大サイズ乳剤に対しては8.0×10
-5モル、小サイズ乳剤に対しては10.7×10-5モル
添加した。さらに、以下の化合物Iを赤感性乳剤層にハ
ロゲン化銀1モル当たり3.0×10-3モル添加した。
【0095】
【化13】
【0096】また、青感性乳剤層、緑感性乳剤層および
赤感性乳剤層に対し、1−(3−メチルウレイドフェニ
ル)−5−メルカプトテトラゾールを、それぞれハロゲ
ン化銀1モル当り3.3×10-4モル、1.0×10-3
モルおよび5.9×10-4モル添加した。さらに、第二
層、第四層、第六層および第七層にも、それぞれ0.2
mg/m 2、0.2mg/m2、0.6mg/m2、0.
1mg/m2となるように添加した。また、青感性乳剤
層および緑感性乳剤層に対し、4−ヒドロキシ−6−メ
チル−1,3,3a,7−テトラザインデンを、それぞ
れハロゲン化銀1モル当たり、1×10-4モル、2×1
-4モル添加した。また、赤感性乳剤層にメタクリル酸
とアクリル酸ブチルの共重合体ラテックス(質量比1:
1、平均分子量200000〜400000)を0.0
5g/m2添加した。また第二層、第四層および第六層
にカテコール−3,5−ジスルホン酸二ナトリウムを、
それぞれ6mg/m2、6mg/m2、18mg/m2
なるように添加した。また、イラジエーション防止のた
めに、以下の染料(カッコ内は塗布量を表す)を添加し
た。
【0097】
【化14】
【0098】−層構成− 以下に、各層の構成を示す。数字は塗布量(g/m2
を表す。ハロゲン化銀乳剤は、銀換算塗布量を表す。 支持体 ポリエチレン樹脂ラミネート紙 [第一層側のポリエチレン樹脂に白色顔料(TiO2
含有率16質量%、ZnO;含有率4質量%)と蛍光増
白剤(4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾリ
ル)スチルベン;含有率0.03質量%)、青味染料
(群青)を含む] 第一層(青感性乳剤層) 乳剤A 0.24 ゼラチン 1.25 イエローカプラー(ExY) 0.57 色像安定剤(Cpd−1) 0.07 色像安定剤(Cpd−2) 0.04 色像安定剤(Cpd−3) 0.07 色像安定剤(Cpd−8) 0.02 溶媒(Solv−1) 0.21
【0099】 第二層(混色防止層) ゼラチン 0.99 混色防止剤(Cpd−4) 0.09 色像安定剤(Cpd−5) 0.018 色像安定剤(Cpd−6) 0.13 色像安定剤(Cpd−7) 0.01 溶媒(Solv−1) 0.06 溶媒(Solv−2) 0.22
【0100】 第三層(緑感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤B(金硫黄増感された立方体、平均粒子サイズ0.45μmの 大サイズ乳剤と0.35μmの小サイズ乳剤との1:3混合物(銀モル比)。粒 子サイズ分布の変動係数はそれぞれ0.10と0.08。各サイズ乳剤とも沃化 銀0.15モル%を粒子表面近傍に含有し、臭化銀0.4モル%を粒子表面に局 在含有させた) 0.14 ゼラチン 1.36 マゼンタカプラー(ExM) 0.15 紫外線吸収剤(UV−A) 0.14 色像安定剤(Cpd−2) 0.02 色像安定剤(Cpd−4) 0.002 色像安定剤(Cpd−6) 0.09 色像安定剤(Cpd−8) 0.02 色像安定剤(Cpd−9) 0.03 色像安定剤(Cpd−10) 0.01 色像安定剤(Cpd−11) 0.0001 溶媒(Solv−3) 0.11 溶媒(Solv−4) 0.22 溶媒(Solv−5) 0.20
【0101】 第四層(混色防止層) ゼラチン 0.71 色像安定剤(Cpd−4) 0.06 色像安定剤(Cpd−5) 0.013 色像安定剤(Cpd−6) 0.10 色像安定剤(Cpd−7) 0.007 溶媒(Solv−1) 0.04 溶媒(Solv−2) 0.16
【0102】 第五層(赤感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤C(金硫黄増感された立方体、平均粒子サイズ0.40μmの 大サイズ乳剤と0.30μmの小サイズ乳剤との5:5混合物(銀モル比)。粒 子サイズ分布の変動係数はそれぞれ0.09と0.11。各サイズ乳剤とも沃化 銀0.1モル%を粒子表面近傍に含有し、臭化銀0.8モル%を粒子表面に局在 含有させた) 0.12 ゼラチン 1.11 シアンカプラー(ExC−2) 0.13 シアンカプラー(ExC−3) 0.03 色像安定剤(Cpd−1) 0.05 色像安定剤(Cpd−6) 0.06 色像安定剤(Cpd−7) 0.02 色像安定剤(Cpd−9) 0.04 色像安定剤(Cpd−10) 0.01 色像安定剤(Cpd−14) 0.01 色像安定剤(Cpd−15) 0.12 色像安定剤(Cpd−16) 0.03 色像安定剤(Cpd−17) 0.09 色像安定剤(Cpd−18) 0.07 溶媒(Solv−5) 0.15 溶媒(Solv−8) 0.05
【0103】 第六層(紫外線吸収層) ゼラチン 0.46 紫外線吸収剤(UV−B) 0.45 化合物(S1−4) 0.0015 溶媒(Solv−7) 0.25 第七層(保護層) ゼラチン 1.00 ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体 (変性度17%) 0.04 流動パラフィン 0.02 界面活性剤(Cpd−13) 0.01
【0104】
【化15】
【0105】
【化16】
【0106】
【化17】
【0107】
【化18】
【0108】
【化19】
【0109】
【化20】
【0110】
【化21】
【0111】
【化22】
【0112】
【化23】
【0113】
【化24】
【0114】同様にして試料(100)の第三層、第五
層の乳剤およびそれぞれの層に追添加した1−フェニル
−5−メルカプトテトラゾール(PMT)およびそのA
g塩であるPMT−Ag量を表2に示すように変更した
試料(101)〜(115)を作製した。
【0115】
【表2】
【0116】これらの試料の写真特性を調べるために以
下のような実験を行った。 <実験1> センシトメトリー 各塗布試料に対して感光計(富士写真フイルム(株)製
FWH型)を用いて、センシトメトリー用の階調露光を
与えた。SP−1フィルターを装着し、低照度10秒間
露光した。露光後は、以下に示す発色現像処理Aを行っ
た。
【0117】以下に処理工程を示す。 [処理A]上記感光材料(101)を127mm巾のロ
ール状に加工し、富士写真フイルム(株)製ミニラボプ
リンタープロセッサーPP1258ARを用いて像様露
光後、下記処理工程にてカラー現像タンク容量の2倍補
充するまで、連続処理(ランニングテスト)を行った。
このランニング液を用いた処理を処理Aとした。 処理工程 温 度 時 間 補充量* カラー現像 38.5℃ 45秒 45ミリリットル 漂白定着 38.0℃ 45秒 35ミリリットル リンス(1) 38.0℃ 20秒 − リンス(2) 38.0℃ 20秒 − リンス(3) **38.0℃ 20秒 − リンス(4) **38.0℃ 30秒 121ミリリットル *感光材料1m2当たりの補充量 **富士写真フイルム社製リンスクリーニングシステムRC50Dをリンス( 3)に装置し、リンス(3)からリンス液を取り出し、ポンプにより逆浸透膜モ ジュール(RC50D)へ送る。同槽で得られた透過水はリンス(4)に供給し 、濃縮水はリンス(3)に戻す。逆浸透モジュールへの透過水量は50〜300 ミリリットル/分を維持するようにポンプ圧を調整し、1日10時間温調循環さ せた。リンスは(1)から(4)へのタンク向流方式とした。
【0118】各処理液の組成は以下の通りである。 [カラー現像液] [タンク液] [補充液] 水 800ミリリットル 800ミリリットル ジメチルポリシロキサン系界面活性剤(シリコーンKF351A/信越化学工業 社製) 0.1g 0.1g トリ(イソプロパノール)アミン 8.8g 8.8g エチレンジアミン四酢酸 4.0g 4.0g ポリエチレングリコール(分子量300)10.0g 10.0g 4,5−ジヒドロキシベンゼン−1,3−ジスルホン酸ナトリウム 0.5g 0.5g 塩化カリウム 10.0g − 臭化カリウム 0.040g 0.010g トリアジニルアミノスチルベン系蛍光増白剤(ハッコールFWA−SF/昭和化 学社製) 2.5g 5.0g 亜硫酸ナトリウム 0.1g 0.1g ジナトリウム−N,N−ビス(スルホナートエチル)ヒドロキシルアミン 8.5g 11.1g N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)−3−メチル−4−アミ ノ−4−アミノアニリン・3/2硫酸・1水塩 5.0g 15.7g 炭酸カリウム 26.3g 26.3g 水を加えて 1000ミリリットル 1000ミリリットル pH(25℃/水酸化カリウム及び硫酸にて調整) 10.15 12.50
【0119】 [漂白定着液] [タンク液] [補充液] 水 700ミリリットル 600ミリリットル エチレンジアミン四酢酸鉄(III)アンモニウム 47.0g 94.0g エチレンジアミン四酢酸 1.4g 2.8g m−カルボキシベンゼンスルフィン酸 8.3g 16.5g 硝酸(67%) 16.5g 33.0g イミダゾール 14.6g 29.2g チオ硫酸アンモニウム(750g/リットル) 107.0ミリリットル 214.0ミリリットル 亜硫酸アンモニウム 16.0g 32.0g 重亜硫酸アンモニウム 23.1g 46.2g 水を加えて 1000ミリリットル 1000ミリリットル pH(25℃/酢酸およびアンモニアにて調整) 6.0 6.0
【0120】 [リンス液] [タンク液] [補充液] 塩素化イソシアヌール酸ナトリウム 0.02g 0.02g 脱イオン水(導電度5μS/cm以下) 1000ミリリットル 1000ミリリットル pH 6.5 6.5
【0121】処理後の各試料のマゼンタ発色濃度を測定
し、10秒露光低照度感度、かぶり濃度、湿潤磨耗性を
それぞれ求めた。結果を表3に示した。感度は、最低発
色濃度より1.0高い発色濃度を与える露光量の逆数を
もって規定し、試料(101)の現像処理した感度を1
00としたときの相対値で表した。また、かぶりを各試
料の最低濃度で表した。湿潤磨耗性については現像液中
に約10秒間浸漬した後、当該試料の乳剤面の上を走ら
せる直径1.6mmの鉄筆に加える重りを増加させてい
った。使用した重りの量は30gとした。ペーパーを可
視マークについて検査した。ペーパーが加重によりマー
クを示した場合は「不良」、マークが観測されなかった
場合には「良好」と示した。
【0122】
【表3】
【0123】(実施例2)層構成を下記のように変えて
薄層化した試料を作製し、この試料に対し実施例1の実
験1を行った。層構成は試料(200)で示す。なお、
試料(201)〜(215)は、試料(200)の第三
層および第五層の乳剤と追添加した化合物種およびその
量を表2に示すように変更したものである。実施例1の
結果と同様に、薄層化した試料の超迅速処理でも本発明
の効果が確かめられた。
【0124】 試料(200)の作製 第一層(青感性乳剤層) 乳剤A 0.24 ゼラチン 1.25 イエローカプラー(ExY) 0.57 色像安定剤(Cpd−1) 0.07 色像安定剤(Cpd−2) 0.04 色像安定剤(Cpd−3) 0.07 色像安定剤(Cpd−8) 0.02 溶媒(Solv−1) 0.21
【0125】 第二層(混色防止層) ゼラチン 0.60 混色防止剤(Cpd−19) 0.09 色像安定剤(Cpd−5) 0.007 色像安定剤(Cpd−7) 0.007 紫外線吸収剤(UV−C) 0.05 溶媒(Solv−5) 0.11
【0126】 第三層(緑感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤B(試料(100)と同じ乳剤) 0.14 ゼラチン 0.73 マゼンタカプラー(ExM) 0.15 紫外線吸収剤(UV−A) 0.05 色像安定剤(Cpd−2) 0.02 色像安定剤(Cpd−7) 0.008 色像安定剤(Cpd−8) 0.07 色像安定剤(Cpd−9) 0.03 色像安定剤(Cpd−10) 0.009 色像安定剤(Cpd−11) 0.0001 溶媒(Solv−3) 0.06 溶媒(Solv−4) 0.11 溶媒(Solv−5) 0.06
【0127】 第四層(混色防止層) ゼラチン 0.48 混色防止層(Cpd−4) 0.07 色像安定剤(Cpd−5) 0.006 色像安定剤(Cpd−7) 0.006 紫外線吸収剤(UV−C) 0.04 溶媒(Solv−5) 0.09
【0128】 第五層(赤感性乳剤層) 塩臭化銀乳剤C(試料(100)と同じ乳剤) 0.12 ゼラチン 0.59 シアンカプラー(ExC−2) 0.13 シアンカプラー(ExC−3) 0.03 色像安定剤(Cpd−7) 0.01 色像安定剤(Cpd−9) 0.04 色像安定剤(Cpd−15) 0.19 色像安定剤(Cpd−18) 0.04 紫外線吸収剤(UV−7) 0.02 溶媒(Solv−5) 0.09
【0129】 第六層(紫外線吸収層) ゼラチン 0.32 紫外線吸収剤(UV−C) 0.42 溶媒(Solv−7) 0.08 第七層(保護層) ゼラチン 0.70 ポリビニルアルコールのアクリル変性共重合体 (変性度17%) 0.04 流動パラフィン 0.01 界面活性剤(Cpd−13) 0.01 ポリジメチルシロキサン 0.01 二酸化珪素 0.003
【0130】作製された各試料は、実施例1の実験1と
同様に露光し、発色現像処理は、以下に示す現像処理B
に従い、超迅速処理を行った。
【0131】[処理B]上記の感光材料試料(201)
を127mm幅のロール状に加工し、処理時間、処理温
度を変えられるように富士写真フイルム(株)製ミニラ
ボプリンタープロセッサーPP350を改造した実験処
理装置を用いて、感光材料試料に平均濃度のネガティブ
フイルムから像様露光を行い、下記処理工程にて使用し
た発色現像補充液の容量が発色現像タンク容量の0.5
倍となるまで連続処理(ランニングテスト)を行った。
【0132】 処理工程 温度 時間 補充量* 発色現像 45.0℃ 15秒 45mL 漂白定着 40.0℃ 15秒 35mL リンス(1) 40.0℃ 8秒 − リンス(2) 40.0℃ 8秒 − リンス(3) **40.0℃ 8秒 − リンス(4) **38.0℃ 8秒 121mL 乾燥 80℃ 15秒 * 感光材料1m2あたりの補充量 ** 富士写真フイルム(株)製リンスクリーニングシステムRC50Dをリ ンス(3)に装着し、リンス(3)からリンス液を取り出してポンプにより逆浸 透モジュール(RC50D)へ送る。同槽で送られた透過水はリンス(4)に供 給し、濃縮液はリンス(3)に戻す。逆浸透モジュールへの透過水量は50〜3 00mL/分を維持するようにポンプ圧を調整し、1日10時間温調循環させた 。リンスは(1)から(4)への4タンク向流方式とした。
【0133】各処理液の組成は以下の通りである。 [発色現像液] [タンク液] [補充液 ] 水 800mL 600mL 蛍光増白剤(FL−1) 5.0g 8.5g トリイソプロパノールアミン 8.8g 8.8g p−トルエンスルホン酸ナトリウム 20.0g 20.0g エチレンジアミン4酢酸 4.0g 4.0g 亜硫酸ナトリウム 0.10g 0.50g 塩化カリウム 10.0g − 4,5−ジヒドロキシベンゼン−1,3−ジスルホン酸ナトリウム 0.50g 0.50g ジナトリウム−N,N−ビス(スルホナートエチル)ヒドロキシルアミン 8.5g 14.5g 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル )アニリン・3/2硫酸塩・モノハイドレード 10.0g 22.0g 炭酸カリウム 26.3g 26.3g 水を加えて全量 1000mL 1000mL pH(25℃、硫酸とKOHで調整) 0.35 12.6
【0134】 [漂白定着液] [タンク液] [補充液] 水 800mL 800mL チオ硫酸アンモニウム(750g/mL) 107mL 214mL コハク酸 29.5g 59.0g エチレンジアミン4酢酸鉄(III)アンモニウム 47.0g 94.0g エチレンジアミン4酢酸 1.4g 2.8g 硝酸(67%) 17.5g 35.0g イミダゾール 14.6g 29.2g 亜硫酸アンモニウム 16.0g 32.0g メタ重亜硫酸カリウム 23.1g 46.2g 水を加えて全量 1000mL 1000mL pH(25℃、硝酸とアンモニア水で調整) 6.00 6.00
【0135】 [リンス液] [タンク液] [補充液] 塩素化イソシアヌール酸ナトリウム 0.02g 0.02g 脱イオン水(電導度5μS/cm以下)1000mL 1000mL pH(25℃) 6.5 6.5
【0136】
【化25】
【0137】(実施例3)試料(201)〜(215)
を用いて、レーザー走査露光によって画像形成を行っ
た。レーザー光源としては、半導体レーザーGaAlA
s(発振波長808.5nm)を励起光源としたYAG
固体レーザー(発振波長946nm)を反転ドメイン構
造を有するLiNbO3のSHG結晶により波長変換し
て取り出した473nmと、半導体レーザーGaAlA
s(発振波長808.7nm)を励起光源としたYVO
4固体レーザー(発振波長1064nm)を反転ドメイ
ン構造を有するLiNbO3のSHG結晶により波長変
換して取り出した532nmと、AlGaInP(発振
波長約680nm:松下電産製タイプNo.LN9R2
0)とを用いた。3色のそれぞれのレーザー光はポリゴ
ンミラーにより走査方向に対して垂直方向に移動し、試
料上に、順次走査露光できるようにした。半導体レーザ
ーの温度による光量変動は、ペルチェ素子を利用して温
度が一定に保たれることで抑えられている。実効的なビ
ーム径は80μmで、走査ピッチは42.3μm(60
0dpi)であり、1画素あたりの平均露光時間は、
1.7×10-7秒であった。露光後、発色現像処理Bに
より処理を行ったところ、実施例2での高照度露光の結
果と同様、本発明の試料(208)と(214)は、レ
ーザー走査露光を用いた画像形成にも適していることが
わかった。
【0138】(実施例4)実施例1〜3において使用し
た紫外線吸収剤UV−AおよびUV−Bに対し、これら
の中に混合構成の一部として含むUV−4のみを、等質
量のUV−8に置き換えた紫外線吸収剤UV−A’およ
びUV−B’をそれぞれ調製した。そして、実施例1〜
3において、紫外線吸収剤UV−AおよびUV−Bを、
それぞれ紫外線吸収剤UV−A’およびUV−B’に代
えた各試料を作製し、実施例1〜3と同様の方法で評価
した結果、実施例1〜3と同様の結果を確認した。
【0139】
【化26】
【0140】
【発明の効果】本発明によれば、高感度でかぶりが抑制
され、かつ耐湿潤磨耗性に優れたハロゲン化銀カラー写
真感光材料およびそれを用いた画像形成法を提供するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03C 7/407 G03C 7/407

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、イエローカプラー含有青感
    性ハロゲン化銀乳剤層、マゼンタカプラー含有緑感性ハ
    ロゲン化銀乳剤層およびシアンカプラー含有赤感性ハロ
    ゲン化銀乳剤層を、それぞれ少なくとも一層有するハロ
    ゲン化銀カラー写真感光材料において、該感光性ハロゲ
    ン化銀乳剤層のうち緑感性ハロゲン化銀乳剤層および/
    または赤感性ハロゲン化銀乳剤層に、塩化銀含有率が9
    5モル%以上であり、かつ、ヨウ化銀含有率が0.05
    〜0.75モル%であるハロゲン化銀粒子を含有し、更
    に、下記一般式(I)で表される化合物を0.3mg/
    2以上含有することを特徴とするハロゲン化銀カラー
    写真感光材料。 【化1】 (一般式(I)中、Qは、5員もしくは6員複素環核を
    完成するのに必要な非金属原子群を表し、Mは水素原子
    または金属カチオンを表す。)
  2. 【請求項2】 ハロゲン化銀カラー写真感光材料を走査
    露光し、その後発色現像処理する画像形成法において、
    該ハロゲン化銀カラー写真感光材料が請求項1に記載の
    ハロゲン化銀カラー写真感光材料であることを特徴とす
    る画像形成法。
  3. 【請求項3】 前記発色現像処理が20秒以下である請
    求項2に記載の画像形成法。
  4. 【請求項4】 前記走査露光が、一画像あたり10-4
    以下の可視レーザービーム光である請求項2または3に
    記載の画像形成法。
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