JP2002161057A - シクロアルカノール及びシクロアルカノンの製造方法 - Google Patents

シクロアルカノール及びシクロアルカノンの製造方法

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JP2002161057A
JP2002161057A JP2000359581A JP2000359581A JP2002161057A JP 2002161057 A JP2002161057 A JP 2002161057A JP 2000359581 A JP2000359581 A JP 2000359581A JP 2000359581 A JP2000359581 A JP 2000359581A JP 2002161057 A JP2002161057 A JP 2002161057A
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nickel
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weight
mol
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JP2000359581A
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Tokuo Matsuzaki
徳雄 松崎
Yasuo Nakamura
靖夫 中村
Takumi Manabe
卓美 真鍋
Osamu Yamazaki
修 山崎
Yasunori Fukuda
康法 福田
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Ube Corp
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Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】エポキシシクロアルカン類に水素を接触させて
シクロアルカノール及びシクロアルカノンを製造するに
あたって、工業的に使用できる高活性で高い選択率を有
した長寿命の触媒を提供することである。 【解決手段】エポキシシクロアルカン類に水素を接触さ
せてシクロアルカノン及びシクロアルカノールを製造す
る際に、(1)ニッケル(II)イオンおよびアルカリ
金属イオンを担持させた担体を焼成および還元し、 (2)アルカリ金属の担持量が 0.3〜15重量% であるニッケル触媒を使用することを特徴とするシクロ
アルカノン及びシクロアルカノールの製造方法により解
決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シクロアルカノー
ル及びシクロアルカノンの製造法に関するものである。
特に、エポキシシクロアルカン類に水素を接触させて、
水素化されたシクロアルカノール及び異性化されたシク
ロアルカノンを製造する方法に関する。シクロアルカノ
ール及びシクロアルカノンは、ラクタム類、ラクトン類
又は二塩基酸類に容易に公知の方法によって誘導される
ため、ポリアミド、ポリエステル等の合成繊維、合成樹
脂の中間原料となる重要な化合物である。
【0002】
【従来の技術】シクロアルカノール及びシクロアルカノ
ンは、シクロアルカンの空気酸化法或いは硼酸酸化法に
よって製造されるが、これらの方法では目的とするシク
ロアルカノール及びシクロアルカノンの選択性、収率が
必ずしも高いものではない。これに対し、例えば、シク
ロドデセン、シクロドデカジエン、シクロドデカトリエ
ン等をエポキシ化してエポキシシクロドデカン類を合成
し、これら化合物を遷移金属触媒の存在下に水素添加し
シクロドデカノール及びシクロドデカノンに変換する方
法も知られている。例えば、特公昭47−38437号
公報には、触媒としてラネーニッケルを用いる方法が開
示されている。しかし、この方法の追試実験を行ったと
ころ、エポキシ基の脱酸素反応によって、シクロドデカ
ン、シクロドデセン及びシクロドデカジエン等の炭化水
素が多量に副生し、目的とするシクロドデカノール及び
シクロドデカノンの選択率、収率は満足出来るものでは
なかった。さらに触媒の繰返し使用に伴い、炭化水素類
の増大が認められた。特開2000−136156号公
報には、この炭化水素類の副生を抑制する方法として、
反応系に塩基物質を加えることを特徴とした方法が開示
されている。例えば、部分安定化ニッケル触媒に塩基物
質を吸着させた後、エポキシシクロドデカン類の接触水
添反応を行う方法が示されている。具体的には、シクロ
ドデカン、シクロドデセン及びシクロドデカジエン等の
炭化水素の副生が抑制され、シクロドデカノール及びシ
クロドデカノンが高い選択率で得られる事例が示されて
いる。このように反応系に塩基物質を添加することは、
選択性向上には一定の効果があることが示されたが、触
媒の寿命に関しては満足すべき結果が得られていない。
即ち、触媒の繰返し使用を行うと、シクロドデカン、シ
クロドデセン及びシクロドデカジエン等の炭化水素の副
生物が増大し、シクロドデカノール及びシクロドデカノ
ンの収率が低下してくることが実験からも認められた。
工業的観点からは、長時間にわたって触媒活性が低下す
ることなくシクロドデカノール及びシクロドデカノンを
高収率で製造することが極めて重要である。従って、エ
ポキシシクロドデカン類の接触水添反応において、高い
シクロドデカノール及びシクロドデカノン収率を与える
長寿命の触媒の開発が望まれる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、触媒
の存在下、エポキシシクロアルカン類と水素を接触させ
てシクロアルカノール及びシクロアルカノンを製造する
にあたって、工業的に使用できる高活性で高い選択率を
有した長寿命の触媒を提供することである。
【課題を解決するための手段】本発明の課題は、エポキ
シシクロアルカン類に水素を接触させてシクロアルカノ
ン及びシクロアルカノールを製造する際に、(1)ニッ
ケル(II)イオンおよびアルカリ金属イオンを担持さ
せた担体を焼成および還元し、 (2)アルカリ金属の担持量が 0.3〜15重量% であるニッケル触媒を使用することを特徴とするシクロ
アルカノン及びシクロアルカノールの製造方法により解
決される。
【0004】
【発明の実施の形態】本発明において使用するエポキシ
シクロアルカン類とは、エポキシ基を有する炭素数6〜
12の飽和又は不飽和の環状炭化水素であり、例えば、
エポキシシクロヘキサン、エポキシシクロヘキセン、エ
ポキシシクロオクタン、エポキシシクロオクテン、エポ
キシシクロデカン、エポキシシクロデセン、エポキシシ
クロドデカン、エポキシシクロドデセン、エポキシシク
ロドデカジエンが挙げられる。好ましくは、炭素数12
のエポキシシクロドデカン、エポキシシクロドデセン、
エポキシシクロドデカジエンである。これらの化合物
は、単独でもまた、二種以上の混合物として使用しても
何ら問題はない。また、構造異性体や幾何異性体が存在
する場合は、混合物のままで使用することも何ら問題は
ない。
【0005】本発明で使用する触媒の調整方法は、特に
制限はないが、最初にニッケル(II)イオンを担体に
担持させて触媒前駆体を調製する。ニッケル(II)イ
オンとしては、通常、ニッケル(II)の無機塩および
有機酸塩が使用されるが、塩基性炭酸ニッケル、水酸化
ニッケル、硝酸ニッケルおよびギ酸ニッケルが好まし
い。塩基性炭酸ニッケルや水酸化ニッケル等は、市販の
ものを用いることができるが、これらは公知の方法で簡
便に調製できるためそれを用いてもよい。具体的には、
塩基性炭酸ニッケルは硝酸ニッケル、硫酸ニッケル等の
塩と炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の塩から調製で
き、水酸化ニッケルは硝酸ニッケル、硫酸ニッケル等の
塩の加水分解によって調製することもできる。
【0006】ニッケル(II)イオンを担持する担体と
しては、アルミナ、シリカ、シリカアルミナ、珪藻土、
ゼオライトまたは活性炭などが挙げられる。担体の形状
は特に制限はなく、通常、粉末が用いられる。これらの
担体には、Zr、Mg、その他の金属成分などが含まれ
ていてもよい。塩基性の金属成分が含まれた担体で調製
した触媒では、目的生成物の選択性向上など望ましい反
応結果をもたらす場合がある。
【0007】ニッケル(II)イオンの担体への担持方法
は特に制限はなく、通常は、ニッケル(II)の無機塩
および有機塩を水あるいはアルコールのような極性溶媒
に溶かし、溶媒を飛散させて担体に担持させる。好まし
く安価な水が使用される。
【0008】ニッケル(II)イオン担持担体は、その
まま、あるいは一度乾燥させた後に、アルカリ金属イオ
ンを担持させる。例えばアルカリ金属化合物を水あるい
は極性溶媒に溶かし、ニッケル(II)イオン担持担体
を加えることにより担持させる。別法として、ニッケル
(II)イオンの無機塩あるいは有機塩とアルカリ金属
化合物を水あるいは極性溶媒に溶かし、この溶液に担体
を加え、一度にニッケル(II)イオンおよびアルカリ
イオンを担体に担持させることもできる。あるいは、先
にアルカリイオンを担体に担持させ、その後にニッケル
(II)イオンを担持させることも可能であるが、 好
ましくは、ニッケル(II)イオンを担持した後に、ア
ルカリ金属イオンを担持する。
【0009】本発明で使用するアルカリ金属イオンとし
ては、リチウム、ナトリウムおよびカリウムのイオンが
挙げられる。これらのイオンの具体的な化合物として
は、水酸化リチウム、硝酸リチウム、炭酸リチウム、水
酸化ナトリウム、硝酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水
酸化カリウム、硝酸カリウム、炭酸カリウム、およびギ
酸リチウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウムが挙げられ
る。好ましくは、カリウムイオンである。好ましい化合
物は、水酸化カリウム、硝酸カリウム、炭酸カリウムお
よびギ酸カリウム、より好ましい化合物は、水酸化カリ
ウムおよび硝酸カリウムである。
【0010】ニッケル(II)イオンおよびアルカリ金
属イオンを担持した担体は、焼成した後、還元されてシ
クロアルカノール及びシクロアルカノンの製造触媒とな
る。この工程を実施することにより、触媒の活性維持お
よび長い寿命が達成させる。
【0011】触媒前駆体の焼成および還元条件は、乾燥
した空気または酸素雰囲気下で焼成し、さらに水素還元
する。焼成温度は、通常300〜600℃であり、好ま
しくは400〜550℃である。焼成時間については、
特に制限はなく通常は1〜6時間、好ましくは2〜5時
間である。水素還元温度は、300〜700℃であり、
好ましくは400〜600℃である。還元時間は特に制
限はないが、6時間以内で充分である。
【0012】得られた還元ニッケル触媒は、実施的にニ
ッケル金属とアルカリ金属および担体からなる。このと
きニッケル金属の担持量については、特に制限はない
が、好ましくは10〜70重量%、より好ましくは20
〜60重量%である。しかし、アルカリ金属の担持量は
0.3〜15重量%であることが重要である。好ましく
は、1〜10重量%である。担持量の調整は、通常、ニ
ッケル(II)イオンおよびアルカリ金属イオンを担体
に担持させるときに行われる。アルカリ金属の担持量が
0.3重量%より低いと、炭化水素類の副生が増大し、
触媒の寿命が短くなる傾向が認められる。一方、アルカ
リ金属の担持量が15重量%より多くなるとエポキシシ
クロアルカン類からシクロアルカノール及びシクロアル
カノンへの活性が急激に低下する傾向が現れ、好ましく
ない。
【0013】触媒成分は、基本的には触媒担体物質以外
はニッケル金属およびアルカリ金属であるが、さらにそ
の他の塩基性金属化合物を含有してもよい。例えば、ア
ルカリ土類金属、ランタノイド金属などの化合物が、少
量含有されることによって、目的生成物の選択性が向上
する場合がある。
【0014】本発明の触媒を使用したエポキシシクロア
ルカン類の水素添加反応は、通常、有機溶媒を使用して
反応させるが、エポキシシクロアルカン類自体を有機溶
媒として使用することもできる。使用する有機溶媒とし
ては、アルカン類、シクロアルカン類、脂肪族アルコー
ル類、環状炭化水素のアルコール類が挙げられる。特に
アルカン類、シクロアルカン類は反応には関与しないた
め好適に用いられる。具体的にはn−ヘキサン、n−ヘ
プタン、シクロヘキサン、シクロオクタン等が挙げられ
る。また、反応によって生成したシクロアルカノール、
シクロアルカノン等を含んだ水添生成物も溶媒として用
いることもできる。水は共存させても良い。これらの有
機溶媒は、単独でも二種以上を混合して使用することも
できる。有機溶媒の使用量は、エポキシシクロアルカン
類に対して、0〜100重量倍、好ましくは、0〜30
重量倍である。
【0015】水添反応は、有機溶媒に所定量のエポキシ
シクロアルカン類と所定量の触媒を加え、水素ガス加圧
下、所定温度で行われる。反応温度は、特に制限はない
が、好ましくは60〜250℃、より好ましくは100
〜250℃である。水素圧力も、特に制限はないが、好
ましくは1〜15MPa、より好ましくは2〜10MP
aである。反応時間は、反応温度および水素圧に影響さ
れるが、通常は3時間以内で十分である。
【0016】触媒の使用量は、エポキシシクロアルカン
類を含んだ反応液に対して、好ましくは0.1〜10重
量%、更に好ましくは0.5〜5重量%である。触媒の
再使用は、反応液をろ過等で分離したのち後、所定の条
件で行うことができる。また、触媒を径が1〜10mm
のサイズに成型して、エポキシシクロアルカン類の水素
添加反応を固定床触媒反応で行うこともできる。その際
の反応圧力、反応温度は前記記載の条件と同様に設定さ
れる。液相流通法やトリクルベッド法で反応を行うこと
もできる。
【0017】得られたシクロアルカノール及びシクロア
ルカノンは、例えば蒸留等によって単離、精製すること
ができる。
【0018】
【実施例】以下に実施例及び比較例を用いて本発明を具
体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。
【0019】実施例1 (触媒A)炭酸ナトリウム(Na2CO3)16.29g
を80℃の温水160mlに溶解させた。これにアルミ
ナ(Al23)粉末14.0gを懸濁させた。他方、硝
酸ニッケル(Ni(NO32・6H2O)29.8gを
水100mlに溶解させた。この硝酸ニッケル水溶液を
前記の炭酸ナトリウム水溶液に攪拌しながら滴下し塩基
性炭酸ニッケルとAl23からなる沈殿物を得た。これ
を水洗した後、水酸化カリウム(KOH)1.20gを
溶解した水溶液50mlに加え、60℃で攪拌しながら
1時間保持した。さらにロータリーエバポレーターを用
い、80℃で水分を除去し触媒前駆体を得た。100℃
で6時間乾燥後、空気雰囲気下500℃で3時間焼成し
た。次に、水素ガスにより500℃で1時間還元処理を
した。室温で安定化処理を行い触媒とした。触媒の組成
は、カリウム(K)4.0重量%、ニッケル(Ni)2
8.8重量%、その他は触媒担体等であった。 (水添反応)撹拌器を備えた内容積120mlのステン
レス製オートクレーブに、1,2−エポキシ−5,9−
シクロドデカジエン(以下ECDDと称する)を8.9
2g、シクロヘキサン20.81g及び上記触媒Aを
0.60g仕込んだ。室温にて水素で5MPaまで加圧
した後、200℃まで昇温した。反応液温が200℃に
達した後、再度水素圧を5MPaに調整し、200℃一
定で1時間加熱撹拌した。反応後、室温まで冷却し、得
られた反応液を触媒分離して分析を行った。反応液の分
析は、ガスクロマトグラフィーにより行った。その結
果、ECDDは完全に消費されており、シクロドデカノ
ール(以下CDOLと称する)が91.7モル%、シク
ロドデカノン(以下CDONと称する)が3.1モル%
生成し、シクロドデカン(以下CDANと称する)は
5.1モル%生成していた。目的生成物であるCDOL
とCDONの合計収率は94.8モル%であった。反応
液から分離回収した触媒を用い、再び同じ反応条件でE
CDDの水添反応を行い、触媒の分離、反応液の分析を
行った。この操作を30回繰り返した。触媒の使用1回
目、繰返し使用10回目、30回目での反応液の分析結
果を表1に示した。
【0020】比較例1 (触媒B)炭酸ナトリウムNa2CO316.29gを8
0℃の温水160mlに溶解させた。これにAl23
粉末14.0gを懸濁させた。他方、硝酸ニッケルNi
(NO32・6H2O29.8gを水100mlに溶解
させた。この硝酸ニッケル水溶液を前記の炭酸ナトリウ
ム水溶液に攪拌しながら滴下し、塩基性炭酸ニッケルと
Al23からなる沈殿物を得た。この触媒前駆体を水洗
した後、105℃で12時間乾燥後、空気雰囲気下50
0℃で3時間焼成した。次に、水素ガスにより500℃
で1時間還元処理をした。室温で安定化処理を行い触媒
とした。触媒の組成は、ニッケル(Ni)が30重量%
であり、その他は触媒担体等であった。 (水添反応)触媒として触媒Bを用いた以外は、実施例
1と同様な条件で反応を行った。その結果、CDOLが
76.1モル%、CDONが2.6モル%生成し、CD
ANは20.5モル%生成していた。触媒Bでは、CD
ANが多く副生した。その為、触媒の繰返し反応は行わ
なかった。
【0021】実施例2 (触媒C)実施例1の調製法に従い所定量の原料を仕込
み調製した。なお担体は珪藻土を用いた。触媒の組成
は、カリウム(K)1.7重量%、ニッケル(Ni)5
0.2重量%、その他は触媒担体等であった。 (水添反応)触媒として触媒Cを用いた以外は、実施例
1と同様な条件で反応を行った。その結果、CDOLが
93.6モル%、CDONが0.3モル%生成し、CD
ANは6.0モル%生成していた。実施例1と同様にし
て触媒の繰返し使用反応を20回行った。触媒の使用1
回目、繰返し使用10回目、20回目での反応液の分析
結果を表1に示した。
【0022】実施例3 (触媒D)実施例1の調製法に従い所定量の原料を仕込
み調製した。触媒の組成は、カリウム(K)7.5重量
%、ニッケル(Ni)56.2重量%、その他は触媒担
体等であった。 (水添反応)触媒として触媒Dを用いた以外は、実施例
1と同様な条件で反応を行った。その結果、CDOLが
91.0モル%、CDONが4.0モル%生成し、CD
ANは4.8モル%生成していた。実施例1と同様にし
て触媒の繰返し使用反応を20回行った。触媒の使用1
回目、繰返し使用10回目、20回目での反応液の分析
結果を表1に示した。
【0023】比較例2 (触媒E)実施例1において水酸化カリウム(KOH)
の使用量を6.0gとした以外は、実施例1と同様にし
て触媒を調製した。触媒の組成は、カリウム(K)1
7.3重量%、ニッケル(Ni)24.8重量%、その
他は触媒担体等であった。 (水添反応)触媒として触媒Eを用いた以外は、実施例
1と同様な条件で反応を行った。その結果、CDOLが
21.0モル%、CDONが1.3モル%生成し、CD
ANは6.8モル%生成していた。この触媒では、活性
があまりに低く、触媒の繰返し反応は行わなかった。
【0024】実施例4 (触媒F)NaOH4.1gを水40mlに溶解させ
た。また他方、硝酸ニッケルNi(NO32・6H2
14.9gを水50mlに溶解させ、これにAl23
粉末7.0gを懸濁させた。このAl23が懸濁した硝
酸ニッケル水溶液を前者の水酸化ナトリウム水溶液に攪
拌しながら滴下し、水酸化ニッケルとAl23からなる
沈殿物を得た。これを水洗した後、105℃で12時間
乾燥し、KOH0.60gを溶解した水溶液50mlに
加え、60℃で攪拌しながら1時間保持した。さらにロ
ータリーエバポレーターを用い80℃で水分を除去し触
媒前駆体を得た。これを空気雰囲気下で500℃で3時
間焼成し、さらに水素ガスにより450℃で1時間還元
処理をした。室温で安定化処理を行い触媒とした。触媒
の組成は、カリウム(K)が4.0重量%、ニッケル
(Ni)が28.8重量%であり、その他は触媒担体等
であった。 (水添反応)実施例1において触媒として触媒Fを用い
た以外は、実施例1と同様な条件で反応を行った。その
結果、CDOLが91.7モル%、CDONが3.1モ
ル%生成し、CDANは5.1モル%生成していた。実
施例1と同様にして触媒の繰返し使用反応を行った。
【0025】比較例3 (触媒G)安定化したNi触媒(Ni53重量%、その
他珪藻土)2.75gに0.5NのKOH−エタノール
溶液5.6mlとエタノール4.4gを加えた後、ロー
タリエバポレーターを用い70℃でエタノールを除去
し、さらに105℃で12時間乾燥し、K、Niおよび
珪藻土から成る触媒を得た。この触媒は、カリウム
(K)が3.8重量%、ニッケル(Ni)が51.0重
量%であり、その他は触媒担体等であった。 (水添反応)触媒として触媒Gを用いた以外は、実施例
1と同様な条件で反応を行った。触媒を繰返し使用して
も反応した。1回目のCDOLとCDONの合計収率は
95.0モル%であったが、10回目は89.9モル
%、20回目では84.0モル%と順次低下した。
【0026】実施例5 (触媒H)実施例1のKOH1.20gの変わりに硝酸
カリウム(KNO3)2.16gとした以外は、実施例
1と同様にして触媒を調製した。触媒の組成は、カリウ
ム(K)4.0重量%、ニッケル(Ni)28.8重量
%、その他は触媒担体等であった。 (水添反応)触媒として触媒Hを用いた以外は、実施例
1と同様な条件でECDDの水添反応を行った。触媒を
繰返し使用しての反応もおこなった。1回目のCDOL
とCDONの合計収率は94.9モル%であり、10回
目は94.7モル%であった。
【0027】実施例6 (触媒I)実施例1において、水酸化カリウムのかわり
に水酸化ナトリウムを所定量使用した以外は、実施例1
と同様にして調製した。触媒の組成は、ナトリウム(N
a)2.2重量%、ニッケル(Ni)28.8重量%、
その他は触媒担体等であった。 (水添反応)触媒として触媒Iを用いた以外は、実施例
1と同様な条件で反応を行った。その結果、CDOLが
92.0モル%、CDONが1.6モル%生成し、CD
ANは6.2モル%生成していた。実施例1と同様にし
て触媒の繰返し使用反応を10回行った。触媒の使用1
回目、繰返し使用10回目での反応液の分析結果を表1
に示した。
【0028】実施例1〜6及び比較例1〜3の反応条件
と反応結果を表1にまとめて示した。
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明により、エポキシシクロアルカン
類と水素を接触させて、エポキシ基の脱酸素反応による
炭化水素であるシクロアルカンの副生を抑制して、目的
とする水素化されたシクロドデカノール及び異性化生成
物であるシクロドデカノンを高収率で製造する方法を提
供することが出来る。特に、本発明での触媒反応は触媒
の繰返し使用においても、それらの選択率、収率は高い
レベルに保持される。このためシクロアルカノール及び
シクロアルカノンの製法として工業的に有用な方法とな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 修 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内 (72)発明者 福田 康法 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇部 興産株式会社宇部研究所内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC41 AC44 BA02 BA21 BA30 BC10 BC11 BC19 BC32 BE20 BN20 BR70 4H039 CA60 CA62 CB10 CF90

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エポキシシクロアルカン類に水素を接触さ
    せてシクロアルカノン及びシクロアルカノールを製造す
    る際に、(1)ニッケル(II)イオンおよびアルカリ
    金属イオンを担持させた担体を焼成および還元し、 (2)アルカリ金属の担持量が 0.3〜15重量% であるニッケル触媒を使用することを特徴とするシクロ
    アルカノン及びシクロアルカノールの製造方法。
  2. 【請求項2】(1)アルカリ金属がカリウムである請求
    項1記載のシクロアルカノン及びシクロアルカノールの
    製造方法。
  3. 【請求項3】エポキシシクロアルカン類がエポキシシク
    ロドデカン類である請求項1または2記載のシクロアル
    カノン及びシクロアルカノールの製造方法。
JP2000359581A 2000-11-27 2000-11-27 シクロアルカノール及びシクロアルカノンの製造方法 Pending JP2002161057A (ja)

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