JP2002156826A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2002156826A
JP2002156826A JP2000349273A JP2000349273A JP2002156826A JP 2002156826 A JP2002156826 A JP 2002156826A JP 2000349273 A JP2000349273 A JP 2000349273A JP 2000349273 A JP2000349273 A JP 2000349273A JP 2002156826 A JP2002156826 A JP 2002156826A
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Katsuhiro Aoki
勝弘 青木
Hajime Koyama
一 小山
Takashi Hodoshima
隆 程島
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナー供給バイアス電圧の上限をパッシェン
の曲線に基づいて、放電が生じない値に設定し、異常放
電やリークに起因する画像濃度ムラを防止して画像の劣
化を防止できる画像形成装置を提供する。 【解決手段】 磁気ブラシローラ403に印加するトナ
ー供給バイアス電圧Vsupを−335V、現像ローラ4
02に印加する現像バイアス電圧Vを−260V、感
光体1の露光前帯電電位Vを−350V、露光後電位
を−60Vとする。これによって、トナー供給バイ
アス電圧Vsup、感光体の一様帯電による帯電電位
、トナー供給ポテンシャル、現像ポテンシャル、の
いずれも350V以下に抑え、パッシェン曲線に基づい
た放電開始電圧より低くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
ー、FAXなどの画像形成装置に係り、詳しくは、表面
にトナーを担持し潜像担持体に対向する現像領域に搬送
するトナー担持体と、トナーと磁性粒子とを含む二成分
現像剤を担持して該トナー担持体に対向するトナー供給
領域に搬送し、該二成分現像剤中のトナーを該トナー担
持体に供給するトナー供給部材とを有する現像装置を備
えた画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の画像形成装置に用いる現
像装置として、トナーと磁性粒子とを含む二成分現像剤
を用いて潜像担持体上の静電潜像を現像する二成分現像
装置と、トナーを一成分現像剤として用いて潜像担持体
上の静電潜像を現像する一成分現像装置が知られてい
る。これらの現像装置のうち後者の一成分現像装置は、
構成が簡易で小型化できるというメリットを有してい
る。また、磁性粒子を用いないため、二成分現像剤の磁
気ブラシが潜像担持体へ当たる状態の影響で、静電潜像
に忠実でなく多少現像ムラが発生してしまう現象、いわ
ゆる磁気ブラシマークが発生しない。更に、二成分現像
装置に比して現像剤層が薄く、いわゆるエッジ効果と呼
ばれる現象も少ない。このため、一成分現像装置は、高
精細な画像の再現性に優れている。なかでも、非磁性一
成分現像剤を用いるものは、カラー化への対応が優れて
おり、高繊細なカラー画像を得る現像装置として適して
いる。
【0003】しかしながら、通常の一成分現像装置で
は、トナー担持体上のトナーの帯電制御は該トナー担持
体に接触するブレードやトナー供給ローラ等の接触部材
による摩擦帯電で行われるため、トナーの帯電制御性の
高速化、高耐久化への対応が難しいという課題がある。
また、上記接触部材の加圧でトナー担持体上のトナーに
ストレスがかかってトナーフィルミングが起ったり、ト
ナー内に外添剤が入り込んだりすることにより、画質の
劣化を招くおそれがある。更に、トナー担持体と上記接
触部材との摩擦により両者が摩耗して現像特性が経時的
に変化するおそれもあった。これらの問題を解決するた
めに、上記従来のブレードやトナー供給ローラ等の接触
部材による摩擦帯電を用いないで、所定極性に帯電した
トナーをトナー担持体上に供給して担持させることが好
ましい。
【0004】上記接触部材による摩擦帯電を用いないで
所定極性に帯電したトナーをトナー担持体上に供給して
担持させることができる現像装置として、二成分現像剤
からなる磁気ブラシを表面に形成したトナー供給部材を
用い、該トナー供給部材上の磁気ブラシよりトナーのみ
がトナー担持体に供給される現像装置が提案されている
(例えば、特開昭56−40862号公報、特開昭59
−172662号公報参照)。これらの現像装置では、
トナー供給部材(磁気ローラ、磁気ブラシ形成体)上に
二成分現像剤を担持して磁気ブラシを形成する。この磁
気ブラシ中のトナーは磁性粒子との摩擦により所定極性
に帯電される。そして、このトナー供給部材上の磁気ブ
ラシから所定極性に帯電されたトナーのみが、トナー担
持体(現像ローラ、トナー層保持体)上に移動して担持
され、表面に潜像を担持した潜像担持体との対向位置で
潜像を現像するために潜像担持体側に供給されて顕像が
形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特開昭
56−40862号公報等に記載されているようなトナ
ー供給部材に形成した磁気ブラシからトナーのみがトナ
ー担持体上に供給される現像装置において、トナー供給
部材からトナー担持体へ、又はトナー担持体から潜像担
持体へトナーを供給するときのトナー供給条件によって
は、画像濃度ムラなどの画像の劣化が発生する場合があ
った。
【0006】トナー供給部材からトナー担持体へのトナ
ー供給量を確保するためにトナー担持体に印加する供給
バイアス電圧を高めに設定すると、トナー供給部材から
周辺部材への異常放電やリークが発生したり、トナー供
給部材及びトナー担持体への印加バイアスと潜像担持体
上の帯電電位の設定によってはトナー供給部材からトナ
ー担持体への異常放電やリークが発生したりして、トナ
ー供給ムラが生じて結果的に画像濃度ムラとなってしま
う恐れがある。また、一般的に現像能力を確保するため
に、潜像担持体の一様帯電電位を絶対値で500V以上
に設定し、潜像担持体上の潜像の電位と現像バイアス電
圧との電位差である現像ポテンシャルを大きくすること
が考えられる。しかしながら、現像ポテンシャルを高く
すると、トナー担持体と潜像担持体との間で異常放電や
リークが発生したり、潜像担持体の一様帯電電位を高め
に設定した場合は、潜像担持体と他の部材との間で異常
放電やリークが発生したりしてしまう恐れもある。
【0007】本発明は以上の背景のもとでなされたもの
であり、その目的は、異常放電やリークに起因する画像
濃度ムラを防止することにより画像の劣化を防止できる
画像形成装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の画像形成装置は、潜像担持体と、該潜像
担持体の表面を一様に帯電し画像情報に基づいて該表面
に光を照射することにより潜像を形成する潜像形成手段
と、該潜像担持体上の潜像を現像してトナー像とする現
像装置と、該潜像担持体上のトナー像を転写材に転写す
る転写装置とを備え、該現像装置が、表面にトナーを担
持し該潜像担持体に対向する現像領域に搬送するトナー
担持体と、トナーと磁性粒子とを含む二成分現像剤を担
持して該トナー担持体に対向するトナー供給領域に搬送
し、該二成分現像剤中のトナーを該トナー担持体に供給
するトナー供給部材とを有する画像形成装置において、
該トナー供給部材にトナー供給バイアスを印加するトナ
ー供給バイアス電源を設け、該トナー供給バイアス電圧
の上限を、パッシェンの曲線に基づいて、該トナー供給
部材と該トナー供給部材に近接して設けられている近接
部材との間に放電が生じない値に設定したことを特徴と
するものである。
【0009】請求項1の画像形成装置においては、トナ
ー供給バイアス電圧の上限を、パッシェン曲線に基づい
て、トナー供給部材とトナー供給部材に近接して設けら
れている近接部材との間の間隙、両者間の電位差等の関
係からトナー供給部材と近接部材との間に放電が生じな
いように設定する。これにより、トナー供給バイアス電
圧を上記上限以下に設定して、トナー供給部材と近接部
材との間に異常放電やリークが発生することを防止す
る。
【0010】また、請求項2の画像形成装置は、請求項
1の画像形成装置において、上記トナー供給バイアス電
圧の絶対値を350V以下にしたことを特徴とするもの
である。
【0011】請求項2の画像形成装置においては、パッ
シェン曲線から、トナー供給部材と近接部材との間の間
隙がいかなる大きさであっても放電が生じることがない
ような電位差である350V以下にトナー供給バイアス
電圧の絶対値を設定し、トナー供給部材と近接部材との
間に生じる異常放電やリークを確実に防止する。
【0012】請求項3の画像形成装置は、請求項2の画
像形成装置において、上記トナー担持体と上記トナー供
給部材との間の電位差であるトナー供給ポテンシャルを
350V以下にしたことを特徴とするものである。
【0013】請求項3の画像形成装置においては、トナ
ー担持体と上記トナー供給部材との間の電位差であるト
ナー供給ポテンシャルを、パッシェン曲線に基づいて放
電が発生しない大きさである350V以下にし、トナー
担持体とトナー供給部材との間に生じる異常放電やリー
クを確実に防止する。
【0014】請求項4の画像形成装置は、請求項2又は
3の画像形成装置において、上記潜像担持体と上記トナ
ー担持体との間の電位差である現像ポテンシャルを35
0V以下にしたことを特徴とするものである。
【0015】請求項4の画像形成装置においては、潜像
担持体とトナー担持体との間の電位差である現像ポテン
シャルを、パッシェン曲線に基づいて放電が発生しない
大きさである350V以下にし、潜像担持体とトナー担
持体との間に生じる異常放電やリークを確実に防止す
る。
【0016】請求項5の画像形成装置は、請求項2,3
又は4の画像形成装置において、上記潜像担持体表面の
一様帯電による帯電電位の絶対値を350V以下にした
ことを特徴とするものである。
【0017】請求項5の画像形成装置においては、潜像
担持体表面の一様帯電電位を、パッシェン曲線に基づい
て放電が発生しない大きさである350V以下にし、潜
像担持体とその近接部材との間に生じる異常放電やリー
クを確実に防止する。また、この異常放電やリークによ
って生じる現像バイアス変動も防止する。
【0018】請求項6の画像形成装置は、請求項2,
3,4又は5の画像形成装置において、上記トナー担持
体として表面に弾性層を有するトナー担持ローラを用
い、該トナー担持ローラに現像バイアス電圧を印加する
現像バイアス電源を有し、該トナー担持ローラの実効抵
抗値をR、上記潜像担持体上の画像部電位Vと上記現
像バイアス電圧Vとの差である現像ポテンシャルを|
−V|、潜像担持体線速をvp、トナー帯電量を
q、潜像担持体上のトナー担持領域面積をaとすると
き、 R≦|V−V|/{(q/a)・vp} R=R0・t/S R0:トナー担持ローラの体積抵抗 t:弾性層肉厚 S:トナー担持ローラニップ部面積 の関係を満たすトナー担持ローラを用いることを特徴と
すものである。
【0019】ここで、トナー担持ローラの弾性層肉厚と
現像ニップ部面積を一定にした場合に、トナー担持ロー
ラの体積抵抗値Rが高くなると、現像電流が流れにく
くなり、現像γの傾きが小さくなって飽和現像ポテンシ
ャルも大きくなってしまうことが判明した。
【0020】請求項6の画像形成装置においては、トナ
ー担持ローラの実効抵抗値Rの上限が以下の数1の関係
を満たすように設定した。
【数1】R≦|V−V|/{(q/a)・vp} 上記数1のようにRの範囲を規定することで、トナー担
持ローラの弾性層肉厚と現像ニップ部面積が種々に変化
しても、現像ポテンシャルを下げ、飽和現像ポテンシャ
ルをパッシェン曲線に基づいた放電が発生しない範囲内
に収めることが可能となる。これによって、潜像担持体
の帯電電位を低くしつつ、高品質の画像を形成すること
が可能となる。
【0021】請求項7の画像形成装置は、請求項5の画
像形成装置において、上記潜像担持体の感光層厚みを
d、該感光層の比誘電率をεとするとき、等価誘電厚み
d/εを12[μm]より小さくすることを特徴とするも
のである。
【0022】ここで、潜像担持体の静電容量[μF/m
]は、感光層の厚みdを薄くするに従って大きくなる
(図5参照)。また、比誘電率εを高めることでも静電
容量[μF/m]を大きくすることが可能である。
【0023】請求項7の画像形成装置においては、潜像
担持体の等価誘電厚みd/εを12[μm]より小さく
し、潜像担持体の静電容量[μF/m]を低く抑える。
表2は、本発明者らが等価誘電厚みd/εを種々に変化
させて画像を形成した結果を示したデータである。この
データから、潜像担持体表面の一様帯電電位が350V
以下であっても潜像担持体の等価誘電厚みが12[μm]
以上のときには地汚れが発生し、それ未満では地汚れの
状態が徐々に減少し、6[μm]でほとんど地汚れのない
状態が得られた。従って、本発明においては、等価誘電
厚みd/εを12[μm]より小さくすることで地汚れを
防止するものである。
【0024】請求項8の画像形成装置は、請求項1,
2,3,4,5,6又は7の画像形成装置において、上
記トナー担持体の表層部の構成材料としてフッ素系樹脂
を用いることを特徴とするものである。
【0025】請求項8の画像形成装置においては、トナ
ー担持体の表層部にフッ素系樹脂を用いることによりト
ナーとトナー担持体との間のファン・デル・ワールス力
を低減し、トナーのトナー担持体に対する非静電的付着
力を一般的にトナー担持体として用いられているシリコ
ン樹脂よりも低くする。これによって、トナーの潜像担
持体への転移開始となる潜像担持体初期帯電電位を下
げ、飽和現像ポテンシャルを低下させる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、画像形成装置と
しての電子写真式レーザプリンタ(以下「プリンタ」と
いう。)に適用した実施形態について説明する。まず、
図1を用いて、本実施形態に係るプリンタの全体の概略
構成について説明する。このプリンタは、潜像担持体と
してのドラム状の感光体1の周辺に、感光体1の表面を
一様帯電する帯電装置2、画像情報に基づいて変調され
たレーザー光線等を感光体1に照射する露光装置3、感
光体1に形成された静電潜像に対し該トナー担持体とし
ての現像ローラ402上の帯電トナーを付着させること
でトナー像を形成する現像装置4、感光体1上に形成さ
れたトナー像を転写材としての転写紙20に転写する転
写装置5、転写後に感光体1上に残ったトナーを除去す
るクリーニング装置6等が順に配設されている。また、
感光体1上に静電潜像を形成する潜像形成手段は、上記
帯電装置2及び露光装置3により構成されている。ま
た、図示しない給紙トレイ等から転写紙を給紙・搬送す
る図示しない給紙搬送装置と、転写装置5で転写された
トナー像を転写紙20に定着する図示しない定着装置と
が備えられている。
【0027】なお、上記プリンタを構成する複数の装置
の一部は、プリンタ本体に対して着脱可能に一体構造物
(ユニット)として構成してもよい。例えば、図2に示
すように、感光体1と帯電装置2と現像装置4とクリー
ニング装置6とを、プリンタ本体に対して着脱可能に、
一体構造物である画像形成プロセスユニットとして構成
してもよい。
【0028】上記構成のプリンタにおいて、矢印a方向
に回転する感光体1の表面は、帯電装置2で一様帯電さ
れた後、画像情報に基づいて変調されたレーザー光線が
感光体軸方向にスキャンされて照射される。これによ
り、感光体1上に静電潜像が形成される。感光体1上に
形成された静電潜像は、現像領域A1において、現像装
置4により帯電したトナーを付着させることで現像さ
れ、トナー像となる。一方、転写紙20は図示しない給
紙搬送装置で給紙・搬送され、レジストローラ7により
所定のタイミングで感光体1と転写装置5とが対向する
転写部に送出・搬送される。そして転写装置5により、
転写紙20に感光体1上のトナー像とは逆極性の電荷を
付与することで、感光体1上に形成されたトナー像が転
写紙20に転写される。次いで、転写紙20は、感光体
1から分離され、図示しない定着装置に送られ、該定着
装置でトナー像が定着された転写紙20が出力される。
転写装置5でトナー像が転写された後の感光体1の表面
は、クリーニング装置6でクリーニングされ、感光体1
上に残ったトナーが除去される。
【0029】次に、本実施形態を構成する各部材につい
て詳しく説明する。上記感光体1はアルミ等の素管に感
光性を有する無機又は有機感光体1を塗布し、感光層を
形成したものであるが、厚みの比較的薄いポリエチレン
テレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート
(PEN)、ニッケル等に感光層を形成したベルト感光
体1を使用することも可能である。なお、本実施形態で
は負極性に一様帯電する感光体1を使用しているが、ト
ナーの帯電極性等との関係を考慮し必要に応じて正極性
に一様帯電するものを使用してもよい。また、本実施形
態の感光体1の直径は50mmであり、線速200mm
/secで回転駆動している。
【0030】図2は、現像装置4の概略構成図である。
この現像装置4のケーシング401の内部には、感光体
1側から、トナー担持体としての現像ローラ402、ト
ナー供給部材としての磁気ブラシローラ403、攪拌・
搬送部材404、405が配設されている。ケーシング
401内のトナー10と磁性粒子11とを含む二成分現
像剤(以下「現像剤」という。)12は、攪拌・搬送部
材404、405で攪拌され、その一部が、磁気ブラシ
ローラ403上に担持される。磁気ブラシローラ403
上の現像剤12は、現像剤規制部材としての規制ブレー
ド406で層厚が規制された後、トナー供給領域A2で
現像ローラ402に接触する。このトナー供給領域A2
で磁気ブラシローラ403上の現像剤12よりトナー1
0のみ分離されて現像ローラ402に供給される。
【0031】上記現像剤12を構成するトナー10は、
ポリエステル、ポリオ−ル、スチレンアクリル等の樹脂
に帯電制御剤(CCA)及び色剤を混合したものであ
り、その周りにシリカ、酸化チタン等の外添剤を添加す
ることで流動性を高めている。添加剤の粒径は通常0.
1〜1.5μmの範囲である。色剤としてはカーボンブ
ラック、フタロシアニンブルー、キナクリドン、カーミ
ン等を挙げることができる。トナー10は更に場合によ
ってはワックス等を分散混合させた母体トナーに上記種
類の添加剤を外添しているものも使用することができ
る。また、上記トナーは粉砕法で作成されたものである
が、球形化処理の方法としては、重合法や、粉砕トナー
を加熱して表面を溶融して元に戻す加熱法などがある。
加熱法で作成されたトナーは、球形度(SF係数)が9
5%以上と極めて高く、形状による添加剤の被覆率
[%]も極めて高くなる。トナー10の体積平均粒径は
3〜12μmの範囲が好適である。本実施形態で用いた
トナー7の体積平均粒径は6μmであり、1200dp
i以上の高解像度の画像にも十分対応することが可能で
ある。また、本実施形態では、帯電極性が負極性のトナ
ー10を使用しているが、感光体1の帯電極性などに応
じて帯電極性が正極性のトナーを使用してもよい。
【0032】上記磁性粒子11は金属もしくは樹脂をコ
アとしてフェライト等の磁性材料を含有し、表層はシリ
コン樹脂等で被覆されたものである。磁性粒子11の粒
径は20〜50μmの範囲が好適である。また、磁性粒
子11の抵抗は、ダイナミック抵抗DRで10〜10
Ωの範囲が好適である。ここで、上記磁性粒子11の
ダイナミック抵抗DRの測定は、まず、接地した台座2
00の上方に、固定磁石を所定位置に内蔵した直径φ2
0mmの回転可能なスリーブをセットする。このスリー
ブの表面には、幅W=65mm及び長さL=0.5〜1
mmの対向面積を有する対向電極(ドクタ)を、ギャッ
プg=0.9mmで対向させる。次に、スリーブを回転
速度600rpm(線速628[mm/sec])で回
転駆動し始める。そして、回転しているスリーブ上に測
定対象の磁性粒子を所定量だけ担持させ、該スリーブの
回転により該磁性粒子を10分間攪拌する。次に、スリ
ーブに電圧を印加しない状態で、スリーブと対向電極と
の間を流れる電流Ioff[A]を電流計で測定する。次
に、直流電源からスリーブに耐圧上限レベル(高抵抗シ
リコンコートキャリアでは400Vから鉄粉キャリアで
は数V)の印加電圧EVを5分間印加する。そして、電
圧Eを印加した状態でスリーブ201と対向電極202
との間を流れる電流Ion[A]を電流計203で測定す
る。これらの測定結果から、次式を用いてダイナミック
抵抗DR[Ω]を算出する。
【0033】上記磁気ブラシローラ403は、複数の磁
極を有する磁石部材407を内蔵した非磁性の回転可能
なスリーブ408で構成されている。磁石部材407は
固定配置され、現像剤12がスリーブ408上の所定箇
所を通過するときに磁力が作用するようになっている。
本実施形態で用いたスリーブ408は、直径がφ18m
mであり、表面粗さRz(十点平均粗さ)が10〜20
μmの範囲に入るようにサンドブラスト処理されてい
る。
【0034】磁気ブラシローラ403に内蔵された磁石
部材407は、規制ブレード406による規制箇所から
磁気ブラシローラ403の回転方向にN極(N1)、S
極(S1)、N極(N2)、S極(S2)、S極(S
3)の5つの磁極を有する。なお、磁石部材407の磁
極の配置は、図3の構成に限定されるものではなく、磁
気ブラシローラ403の周囲の規制ブレード406等の
配置に応じて他の配置に設定してもよい。また、図3の
現像装置の例では磁石部材407を固定配置しスリーブ
408を回転駆動するように構成したが、スリーブ40
8を固定配置しその内側のローラ状の磁石部材を回転さ
せるように構成してもよい。
【0035】上記磁石部材407の磁力により、スリー
ブ408上にトナー10及び磁性粒子11からなる現像
剤13がブラシ状に担持される。そして、磁気ブラシロ
ーラ403上の磁気ブラシ中のトナー10は、磁性粒子
11と混合されることで規定の帯電量を得る。この磁気
ブラシローラ403上のトナーの帯電量としては、−1
0〜−30[μC/g]の範囲が好適であり、本実施形
態においてもこの範囲で行っている。
【0036】上記現像ローラ402は、磁気ブラシロー
ラ403内の磁極N2に隣接するトナー供給領域A2で
磁気ブラシローラ403上の磁気ブラシと接触するよう
にして対向するとともに、現像領域A1で感光体1に対
向するように配設されている。また、本実施形態では規
制ブレード406と磁気ブラシローラ403の間の最近
接部における間隔が500μmに設定され、また規制ブ
レード406に対向した磁石部材407の磁極N1を、
規制ブレード406との対向位置よりも磁気ブラシロー
ラ403の回転方向上流側に数度傾斜して位置してい
る。これにより、ケーシング401内における現像剤1
2の循環流を容易に形成することができる。
【0037】上記規制ブレード406は、磁気ブラシロ
ーラ403との対向部で磁気ブラシローラ403上に形
成された現像剤12の量を規制するように磁気ブラシと
接触し、所定量の現像剤がトナー供給領域に搬送される
ようにするとともに、現像剤12中のトナー10と磁性
粒子11との摩擦帯電を促進させている。
【0038】また、現像ローラ402及び磁気ブラシロ
ーラ403はそれぞれ、図示しない回転駆動装置により
図3の矢印b方向及びc方向に回転駆動され、トナー供
給領域A2では両ローラの表面が互いに逆方向に移動す
るようになっている。本実施形態では、感光体1の線速
200[mm/s]に対し、現像ローラ402を線速3
00[mm/s]で回転駆動している。
【0039】また、現像ローラ402の軸部には、現像
領域A1に現像電界を形成するための現像バイアス電圧
を印加する電源409が接続されている。また、磁
気ブラシローラ403のスリーブ408には、トナー供
給領域A2にトナー供給用電界を形成するためのトナー
供給バイアス電圧Vsupを印加する電源410が接続さ
れている。
【0040】上記構成の現像装置4において、ケーシン
グ401内に収容された現像剤12は、トナー10と磁
性粒子11が混合されたものであり、攪拌・搬送部材4
04,405や磁気ブラシローラ403のスリーブ40
8の回転力、磁石部材407の磁力によって攪拌され、
そのときに、トナー10に磁性粒子11との摩擦帯電に
より電荷が付与される。
【0041】一方、磁気ブラシローラ403上に担持さ
れた現像剤12は規制ブレード406によって規制さ
れ、現像剤12の一定量がトナー供給バイアスで形成さ
れた電界等により、現像ローラ402に転移し、残りは
ケーシング401内に戻される。
【0042】上記トナー供給領域A2では、磁気ブラシ
中のトナーが分離されて現像ローラ402に転移し、薄
層状のトナー10が担持される。そして、現像ローラ4
02上に担持された薄層状のトナー10は、該ローラ4
02の回転により現像領域A1に搬送される。そして、
上記現像バイアスで形成された現像電界により、感光体
1上の静電潜像に選択的に付着し、該静電潜像が現像さ
れる。
【0043】本実施形態の現像装置では、アルミ素管を
ベースとした剛体のドラム状の感光体1を用いているの
で、現像ローラ402はゴム材料が良好で、硬度は10
〜70°(JIS−A)の範囲が良好である。また、現
像ローラ402の直径は10〜30mmが好適である。
本実施形態では直径16mmのものを用いた。また、現
像ローラ402の表面は適宜あらして粗さRz(十点平
均粗さ)を1〜4μmとした。この表面粗さRzの範囲
は、トナー10の体積平均粒径に対して13〜80%と
なり、現像ローラ402の表面に埋没することなくトナ
ー10が搬送される範囲である。ここで、現像ローラ4
02のゴム材料として使用できるものとしてシリコン、
ブタジエン、NBR、ヒドリン、EPDM等を挙げるこ
とができる。また、いわゆるベルト感光体を使用した場
合には現像ローラ402の硬度は低くする必要がないの
で、金属ローラ等も使用可能である。また、上記現像ロ
ーラ402の表面には、経時品質を安定化させるために
適宜コ−ト材料を被覆することが有好である。また、本
実施形態における現像ローラ402の機能はトナーを担
持するためだけのものであり、従来の一成分現像装置の
ようにトナー10と現像ローラ402との摩擦帯電によ
るトナー10への帯電電荷付与の必要がないために、現
像ローラ402は電気抵抗、表面性、硬度と寸法精度を
満たせば良く、材料の選択幅は格段に広がることとな
る。
【0044】上記現像ローラ402の表層コート材料
は、帯電がトナー10と逆極性でも良いし、トナーを所
望の極性に摩擦帯電する機能を持たせない場合は同極性
でも良い。前者の表層コート材料としては、シリコン、
アクリル、ポリウレタン等の樹脂、ゴムを含有する材料
を挙げることができる。また後者の表層コート材料とし
ては、フッ素を含有する材料を挙げることができる。フ
ッ素を含んだいわゆるテフロン(登録商標)系材料は表
面エネルギーが低く、離型性が優れるため、経時におけ
るトナーフィルミングが極めて発生しにくい。また、上
記表層コート材料に用いることができる一般的な樹脂材
料として、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、
テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニール
エーテル(PFA)、テトラフルオロエチレン・ヘキサ
フルオロプロピレン重合体(FEP)、ポリクロロトリ
フルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロエチ
レン・エチレン共重合体(ETFE)、クロロトリフル
オロエチレン・エチレン共重合体(ECTFE)、ポリ
ビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリビニルフル
オライド(PVF)等を挙げることができる。これに導
電性を得るために適宜カ−ボンブラック等の導電性材料
を含有させることが多い。更に均一に現像ローラ402
にコートできるように、他の樹脂を混ぜ合わせることも
ある。電気抵抗に関してはコート層を含めてバルクの体
積抵抗率を設定するもので、層厚1〜5mmで10
10Ω・cmに設定できるようにベース層の抵抗と調
整を行う。本実施形態で使用するベース層の体積抵抗率
は10〜10Ω・cmなので、表層の体積抵抗率は
少し高めに設定することがある。本実施形態において
は、その体積低効率を10Ω・cmとしている。
【0045】また、上記現像ローラ402のコ−ト層の
厚みは5〜50μmの範囲が良好で、50μmを越える
コート層の硬度とベース層の硬度差が大きい場合で応力
が発生した時にひび割れ等の不具合が生じやすくなる。
また5μmを下回ると表面磨耗が進むとベース層の露出
が発生してトナーが付着しやすくなる。
【0046】ところで、トナー供給バイアス電圧Vsup
が高くなると、磁気ブラシローラ403から周辺部材へ
の異常放電やリークが発生し、トナー供給ムラが生じて
結果的に画像濃度ムラとなってしまうおそれがある。
【0047】図4は、2枚のマイラーシートの空隙幅
[μm]を横軸に空隙電圧[V]を縦軸にとった時の放
電が発生する破壊電圧を示した正規のパッシェン曲線で
ある。この図から、破壊電圧の最小値は350[V]程
度でありこの値を超えると、空隙幅の設定によっては放
電が発生することが分かる。350[V]を超えると空
隙幅が10[μm]弱のときに放電が発生する。また、
電圧が上がっていくと、破壊電圧を超える空隙幅の範囲
も広くなり、放電が発生する領域が広がることが分か
る。以下に、パッシェン曲線に基づいて、放電が発生し
ないよう種々の電圧を設定した実施例1について説明す
る。
【0048】〔実施例1〕実施例1においては、各部材
に印加するバイアス電圧を以下のように設定している。
磁気ブラシローラ403に印加するトナー供給バイアス
電圧Vsupを−335V、現像ローラ402に印加する
現像バイアス電圧Vを−260V、感光体1の露光前
帯電電位Vを−350V、露光後電位Vを−60V
としている。また、感光体1としては感光層の厚みが2
8μmのものを用い、書込み系にはビームスポット系が
50×60μm、光量が0.46mWのものを使用す
る。これによって、現像バイアス電圧Vとトナー供給
バイアス電圧Vsupとの差であるトナー供給ポテンシャ
ル|V−Vsup|が75V、画像部電位Vと現像バ
イアス電圧Vとの差である現像ポテンシャル|V
|が200Vとなる。
【0049】以上のように各バイアス電圧値を設定する
ことによって、トナー供給バイアス電圧Vsup、感光体
1の一様帯電による帯電電位V、トナー供給ポテンシ
ャル|V−Vsup|、現像ポテンシャル|V−V
|、のいずれも350V以下に抑えることができ、図4
に示すパッシェン曲線に基づいた放電開始電圧より低く
することができる。従って、磁気ブラシローラ403か
ら周辺部材への異常放電やリークを防止できると共に、
磁気ブラシローラ403から現像ローラ402へ、現像
ローラ402から感光体1へ、感光体1から周辺部材へ
の異常放電やリークを防止することができ、各領域での
トナー供給ムラをそれぞれ防止することができる。これ
によって、画像濃度ムラを防止でき、良好な画像を得る
ことができる。
【0050】尚、上記実施例1においては、トナー供給
ポテンシャル|V−Vsup|と現像ポテンシャル|V
−V|との関係が、
【数2】|V−Vsup|/|V−V|<1.5 の関係を満たしている。本発明者らの鋭意研究によっ
て、トナー供給ポテンシャルを現像ポテンシャルの1.
5倍未満にすることでより良好な画像が得られることが
判明した。従って、本実施例1においては、より良好が
画像を得ることができるものである。
【0051】ところで、本発明者らの鋭意研究によっ
て、現像ローラ402の体積固有抵抗Rが、画像の状
態に影響することが判明した。次に、現像ローラ402
の体積固有抵抗R観点で良好な画像が得られるように
した実施例2に係る構成について説明する。 〔実施例2〕図5は、現像ローラ402の弾性層肉厚と
現像ニップ部面積を一定にし現像ローラ402の体積固
有抵抗Rを種々に変化させたときの、現像ポテンシャ
ル[V]に対するトナー付着量[mg/cm](以下、現
像γという)の関係を示した図である。図5中の記号
「△」は現像ローラ402の体積固有抵抗Rが10
Ωcm、記号「●」はRが10Ωcm、記号「▲」
はRが10Ωcm、記号「×」はRが10Ωc
m、記号「○」はRが10Ωcmのときの現像γを
示したものである。この図より、現像ローラ402の体
積固有抵抗Rを低くすると、現像γの傾きが大きくな
り、より少ない現像ポテンシャルで飽和することがわか
る。これは、現像ローラ402の体積固有抵抗Rを低
くすることによって現像電流が流れ易くなり、結果とし
て現像され易くなるためである。具体的には、現像ロー
ラ402の体積固有抵抗Rが10Ωcmを超えると
飽和現像ポテンシャルが略350Vを超えてしまい、地
汚れが発生してしまうが、現像ローラ402の体積固有
抵抗Rが10Ωcm、10Ωcm、10Ωc
m、10Ωcmで飽和現像ポテンシャルがそれぞれ3
30V、290V、250V、200Vとなり、地汚れ
の問題がなく、地肌ポテンシャルを含めて良好な画像を
形成することができる。
【0052】そして、本実施例2においては、現像ポテ
ンシャルと現像電流との比と、現像ローラ402の実効
抵抗値Rとの関係を以下の関係を満たすように設定して
いる。
【数3】R≦|V−V|/{(q/a)・vp} R=R0・t/S R0:現像ローラの体積抵抗 t:弾性層肉厚 S:現像ローラの現像ニップ部(圧接部)面積 q:トナー帯電量 a:感光体上のトナー担持領域面積 vp:感光体線速 本実施例においては、現像ポテンシャルを50V、q/
aを30×10−9[C/cm]、感光体線速vpを5
00mm/s、現像ローラ402の体積抵抗Rを10
Ωcm、弾性層肉圧tを4mm、現像ローラ402の
現像ニップ部を現像ローラ幅240mm、ニップ幅1m
mとしている。このように設定すると、現像ローラ40
2の実効抵抗値Rが1.7×10Ωcmとなり、右辺
が3×10Ωとなり、上記関係を満たしている。ここ
で、上記各設定値を変えずに現像ローラ402の体積抵
抗Rのみを10 Ωcmにすると、現像ローラ402
の実効抵抗値Rが1.7×10Ωcmとなり、数3を
満たさなくなる。すると、図5の現像γから、飽和現像
ポテンシャルが350Vを超えてしまうことが予測でき
る。従って、上記数3を満たすことが良好な画像を形成
するために有効であることが分かる。
【0053】
【表1】 表1の実施例2と従来例は、現像ローラ402の抵抗値
のみ変え、その他の条件を統一して画像を形成した時
の、感光体帯電電荷量と感光体表面電位及び飽和現像ポ
テンシャルと地肌ポテンシャルを示したものである。両
者とも感光層の厚みを28μm、感光体1の静電容量を
0.79[μF/m]とし、現像ローラ抵抗値を従来例
では10Ωcm、実施例2では10Ωcmのものを
用いた。この結果、従来例が感光体表面電位が−500
[V]であるのに対して実施例2では−300[V]とな
り、感光体帯電電荷量を−395[μC/m]から−2
37[μC/m]へと約60%に低減することができ
た。従って、逆バイアス地汚れ余裕度を高めて地汚れを
発生しにくく出来るのに加えて、感光体1の静電疲労に
対する寿命も約1.7倍に延ばすことができる。
【0054】以上のことから、上記数3の関係を満たす
ことによって、現像ローラ402の弾性層肉厚と現像ニ
ップ部面積によらず常に現像ポテンシャルを下げつつ十
分な現像電流を得ることができ、飽和現像ポテンシャル
を下げることができる。
【0055】〔実施例3〕更に、地汚れを防止できる実
施例3の構成について説明する。本実施例は、感光体1
の等価誘電厚みd/εを12[μm]より小さくするよう
にしたものである。ここで、dは感光層厚みを、εは感
光層の比誘電率を示すものである。等価誘電厚みd/ε
は感光体1の静電容量C[μF/m]に影響し、静電容
量Cは次式で決定する。
【数4】C=ε・ε0・S/d ε0:真空の誘電率 従って、静電容量Cは感光層厚みdを薄くするに従って
大きくなり、また比誘電率εを高めることでも大きくな
る。図6は、感光層厚みdと静電容量Cとの関係を示し
た図である。この図からも、感光層厚みdを薄くするに
従って静電容量Cが大きくなることが分かる。
【0056】図7は、感光層厚みを変えたて現像γを測
定した結果を示す図である。図7中の記号「○」は感光
層厚みが28μm、記号「●」は感光層厚みが15μm
のときの現像γを示している。この図から、感光層厚み
が28μmのとき飽和現像ポテンシャルが250Vであ
ったものが、感光層厚みが15μmになると飽和現像ポ
テンシャルが100Vにまで下がっている。そして、飽
和現像ポテンシャルを下げることによって、地肌ポテン
シャルも下げることができ、地汚れ余裕度を向上させる
ことができる。
【0057】
【表2】 表2のB0、B1、2、3は、感光層厚みを15μm〜
31μmの範囲で変化させることによって等価誘電厚み
を変化させたもので、このうちB1、2、3は、感光体
帯電電荷量が等しいときの感光体帯電電位と地肌ポテン
シャルの変化を表したものである。また、図8は、B
1、2、3について地肌ポテンシャルに対する地汚れラ
ンクの関係を示した図である。B1、2、3の結果よ
り、感光体帯電電荷量が等しい場合、静電容量が変化す
ると共に感光体表面の帯電電位も変化するが、書込み系
の光エネルギーは上記のように十分であることから、感
光体1の画像部電位Vは一律に−60Vとなる。飽和
現像ポテンシャルを100Vと考えると、それぞれの場
合の地肌ポテンシャルが得られる。この地肌ポテンシャ
ルは、等価誘電厚みd/εがB1の11.2[μm]のと
きには140Vであったものが、B2の12[μm]のと
きに160V、B3の12.4[μm]のときには174
Vと上昇している。そして、地汚れのランクは、B1で
ランク3、B2とB3でランク1となった。これによ
り、等価誘電厚みd/εが12[μm]以上のとき、感光
体帯電電荷量を350V以下にし現像バイアス電圧を固
定していても、地肌ポテンシャルが上昇することによっ
て地汚れが悪化してしまい、等価誘電厚みd/εが12
[μm]より小さいと地汚れが発生しにくいと言える。
尚、地汚れ発生の境界を静電容量に換算すると0.74
[μF/m]となり、これ以下では地汚れが発生すると
言える。
【0058】以上のことから、本実施例3においては感
光体1の等価誘電厚みd/εを12[μm]より小さく
し、感光体1の静電容量[μF/m]を低く抑えること
で地汚れを防止することができる。
【0059】〔実施例4〕次に、更に飽和現像ポテンシ
ャルを低下させることができる実施例について説明す
る。この実施例においては、現像ローラ402とトナー
の非静電的付着力を低減させる事で現像開始電圧Vkを
低減させ、これによって飽和現像時の現像ポテンシャル
を低減させている。図9は、現像ローラ表層部の材料に
よる現像γの違いを示した図である。この図の記号
「●」はウレタン樹脂を使用した場合、記号「○」はフ
ッ素系樹脂を使用した場合を示している。この図から分
かるように、現像ローラ402の表層部にフッ素系樹脂
を使用すると、ウレタン樹脂を使用した場合に比して現
像開始電圧が低減し、飽和現像ポテンシャルが低くなっ
ている。
【0060】現像特性のうち、現像開始電圧はトナーの
静電的付着力と非静電的付着力によって決まり、静電的
付着力がトナーの帯電量や現像電界に依存するのに対し
て、非静電的付着力は主に現像ローラ402の表面エネ
ルギーと大きく関わり、トナー10−現像ローラ402
間のファン・デル・ワールス力に依存する。特にファン・
デル・ワールス力はトナー10と現像ローラ402が近
接する事で作用するもので、一般的にシリコン樹脂より
もフッ素樹脂の方が低いと言われている。本実施例4で
は現像ローラ402の表層部の材質に従来のシリコン系
樹脂に対してフッ素系樹脂を使用し、従来例のシリコン
系樹脂に対して現像開始電圧を低減させ、飽和現像ポテ
ンシャルを従来の300[V]から250[V]に約50
[V]低下させるものである。これによって、感光体1の
初期帯電電位を下げる事が可能となり、より低電位プロ
セスを実現させる事ができる。これによって、感光体帯
電電位を低下させることができ、感光体1とその近接部
材との間に生じる異常放電やリークをより確実に防止で
きると共に、感光体1への通電電荷量を低減することが
できるので、感光層の寿命を伸ばすことができる。
【0061】
【発明の効果】請求項1乃至8の画像形成装置によれ
ば、トナー供給部材と近接部材との間に生じる異常放電
やリークに起因する画像濃度ムラを防止することがで
き、画像の劣化を防止できるという優れた効果がある。
【0062】請求項2乃至8の画像形成装置によれば、
トナー供給部材と近接部材との間に生じる異常放電やリ
ークに起因する画像濃度ムラを確実に防止することがで
き、画像の劣化をより確実に防止できるという優れた効
果がある。
【0063】請求項3の画像形成装置によれば、トナー
担持体とトナー供給部材との間に生じる異常放電やリー
クに起因する画像濃度ムラを確実に防止することがで
き、画像の劣化をより確実に防止できるという優れた効
果がある。
【0064】請求項4の画像形成装置によれば、潜像担
持体とトナー担持体との間に生じる異常放電やリークに
起因する画像濃度ムラを確実に防止することができ、画
像の劣化をより確実に防止できるという優れた効果があ
る。
【0065】請求項5の画像形成装置によれば、潜像担
持体とその近接部材との間に生じる異常放電やリーク、
更には現像バイアス変動等に起因する画像濃度ムラを確
実に防止することができ、画像の劣化をより確実に防止
できるという優れた効果がある。また、潜像担持体の一
様帯電電位を大きくすると、潜像持体上の地肌部の電位
と現像バイアス電圧との間の電位差が必然的に大きくな
り、飽和現像ポテンシャルも大きくなってしまうため、
いわゆる逆バイアス地汚れ余裕度が低くなって地汚れが
発生しやすくなる。請求項5の構成によれば、このよう
な地汚れも防止することができるという優れた効果があ
る。
【0066】請求項6の画像形成装置によれば、トナー
担持ローラの実効抵抗値Rの上限を規定することによっ
て、飽和現像ポテンシャルをパッシェン曲線に基づいた
放電が発生しない範囲内に収めることができ、画像の劣
化をより確実に防止できるという優れた効果がある。
【0067】請求項7の画像形成装置によれば、潜像担
持体の静電容量[μF/m]の上昇によって発生する地
汚れを防止でき、より良好な画像を得ることができると
いう優れた効果がある。
【0068】請求項8の画像形成装置によれば、トナー
担持体の表層部にフッ素系樹脂を用いるという容易な構
成で飽和現像時の潜像担持体表面の帯電電位を低下させ
ることができ、潜像担持体とその近接部材との間に生じ
る異常放電やリークを確実に防止することができるとい
う優れた効果がある。また、潜像担持体への通電電荷量
を低減することができるので、潜像担持体の感光層の寿
命を伸ばすことができるという優れた効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係るプリンタの概略構成図。
【図2】同プリンタに用いることができるプロセスユニ
ットの斜視図。
【図3】同プリンタに用いる現像装置の概略構成図。
【図4】正規のパッシェン曲線を示した図。
【図5】現像ローラの実効抵抗値Rを種々に変化させた
ときの現像γを示した図。
【図6】感光層厚みdと静電容量Cとの関係を示した
図。
【図7】感光層厚みが28μmと15μmのときの現像
γを示した図。
【図8】感光体上帯電電荷量一定の場合の地肌ポテンシ
ャルに対する地汚れランクの関係を示した図。
【図9】現像ローラ表層部の材料による現像γの違いを
示した図。
【符号の説明】
1 感光体 2 帯電装置 3 露光装置 4 現像装置 5 転写装置 6 クリーニング装置 10 トナー 11 磁性粒子 12 二成分現像剤 20 転写紙 50 画像形成プロセスユニット 401 ケーシング 402 現像ローラ(トナー担持体) 403 磁気ブラシローラ(トナー供給部材) 404,405 攪拌・搬送部材 406 規制ブレード 407 磁石部材 408 スリーブ 409 電源(現像バイアス用) 410 電源(トナー供給バイアス用) A1 現像領域 A2 トナー供給領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 程島 隆 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H068 AA28 2H073 AA02 BA02 BA13 BA25 BA41 BA45 CA03 2H077 AC04 AC13 AD06 AD35 DB08 EA01 FA13 FA16 FA21 FA29

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】潜像担持体と、該潜像担持体の表面を一様
    に帯電し画像情報に基づいて該表面に光を照射すること
    により潜像を形成する潜像形成手段と、該潜像担持体上
    の潜像を現像してトナー像とする現像装置と、該潜像担
    持体上のトナー像を転写材に転写する転写装置とを備
    え、該現像装置が、表面にトナーを担持し該潜像担持体
    に対向する現像領域に搬送するトナー担持体と、トナー
    と磁性粒子とを含む二成分現像剤を担持して該トナー担
    持体に対向するトナー供給領域に搬送し、該二成分現像
    剤中のトナーを該トナー担持体に供給するトナー供給部
    材とを有する画像形成装置において、 該トナー供給部材にトナー供給バイアスを印加するトナ
    ー供給バイアス電源を設け、該トナー供給バイアス電圧
    の上限を、パッシェンの曲線に基づいて、該トナー供給
    部材と該トナー供給部材に近接して設けられている近接
    部材との間に放電が生じない値に設定したことを特徴と
    する画像形成装置。
  2. 【請求項2】請求項1の画像形成装置において、上記ト
    ナー供給バイアス電圧の絶対値を350V以下にしたこ
    とを特徴とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】請求項2の画像形成装置において、上記ト
    ナー担持体と上記トナー供給部材との間の電位差である
    トナー供給ポテンシャルを350V以下にしたことを特
    徴とする画像形成装置。
  4. 【請求項4】請求項2又は3の画像形成装置において、
    上記潜像担持体と上記トナー担持体との間の電位差であ
    る現像ポテンシャルを350V以下にしたことを特徴と
    する画像形成装置。
  5. 【請求項5】請求項2,3又は4の画像形成装置におい
    て、 上記潜像担持体表面の一様帯電による帯電電位の絶対値
    を350V以下にしたことを特徴とする画像形成装置。
  6. 【請求項6】請求項2,3,4又は5の画像形成装置に
    おいて、 上記トナー担持体として表面に弾性層を有するトナー担
    持ローラを用い、該トナー担持ローラに現像バイアス電
    圧を印加する現像バイアス電源を有し、該トナー担持ロ
    ーラの実効抵抗値をR、上記潜像担持体上の画像部電位
    と上記現像バイアス電圧Vとの差である現像ポテ
    ンシャルを|V−V|、潜像担持体線速をvp、ト
    ナー帯電量をq、潜像担持体上のトナー担持領域面積を
    aとするとき、 R≦|V−V|/{(q/a)・vp} R=R0・t/S R0:トナー担持ローラの体積抵抗 t:弾性層肉厚 S:トナー担持ローラニップ部面積 の関係を満たすトナー担持ローラを用いることを特徴と
    する画像形成装置。
  7. 【請求項7】請求項5の画像形成装置において、 上記潜像担持体の感光層厚みをd、該感光層の比誘電率
    をεとするとき、等価誘電厚みd/εを12[μm]より
    小さくすることを特徴とする画像形成装置。
  8. 【請求項8】請求項1,2,3,4,5,6又は7の画
    像形成装置において、 上記トナー担持体の表層部の構成材料としてフッ素系樹
    脂を用いることを特徴とする画像形成装置。
JP2000349273A 2000-11-16 2000-11-16 画像形成装置 Pending JP2002156826A (ja)

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