JP2002155489A - 製紙用ドライヤーカンバス - Google Patents

製紙用ドライヤーカンバス

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JP2002155489A JP2000348560A JP2000348560A JP2002155489A JP 2002155489 A JP2002155489 A JP 2002155489A JP 2000348560 A JP2000348560 A JP 2000348560A JP 2000348560 A JP2000348560 A JP 2000348560A JP 2002155489 A JP2002155489 A JP 2002155489A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】上質紙や塗工用原紙のような高品位水準が要求
される用途の抄紙機乾燥部の前群に好適な表面平滑性と
経糸方向での柔軟性を有し、且つ、緯糸方向の剛性を兼
ね備えた製紙用ドライヤーカンバスを提供すること。更
に、シングルランのカンバス方式やシリンダーが単列配
置された形式の乾燥部に適用可能な厚さであって、且
つ、例えば、カンバス幅9m以上、抄速max1500
m/min以上の広幅・高速の抄紙機にも適用可能な、優
れた寸法安定性や走行安定性、並びに広い通気度調整範
囲を有する製紙用ドライヤーカンバスを提供すること。 【解決手段】 合成繊維織物より成る製紙用ドライヤー
カンバス10であって、経糸11に断面楕円形状のモノ
フィラメントをその長径方向がカンバス幅方向となる様
に配設して用い、経糸充填率が100%〜175%の範
囲内とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抄紙機の乾燥部で使
用される製紙機械用布の改良に関する。特には、高度な
品位水準が要求される用途において好適な表面平滑性を
有する製紙用ドライヤーカンバスに関する。
【0002】
【従来の技術】抄紙機の乾燥部に使用されるドライヤー
カンバスには、円形断面の合成繊維モノフィラメントを
経糸及び緯糸に用いた、所謂、モノフィラメントカンバ
スが多用されている。これは、モノフィラメントの有す
る剛直性によって優れた寸法安定性が得られ、また平滑
な糸表面によって防汚性に優れた布とすることができ、
更に充分な強力を有することや水分の吸収が極めて少な
いことを利用して通気性の優れた布とすることができる
ことによる。一方、極めて低い通気度を要求される場合
には、モノフィラメント織物構造が本来有する立体的空
隙のために達成が困難となる場合もあった。
【0003】一般にモノフィラメントは紡績糸やフィラ
メント糸に比して柔軟性に劣るため、経糸と緯糸の交差
点で織物表面に経糸の凸部、即ちナックル部を生じ、こ
の硬いナックル部が湿紙を強くシリンダーに圧接するの
で高い表面性を求められる上質紙等ではマーク欠点を発
生し問題となる場合が有った。このため出願人らは、ド
ライヤーカンバスに加熱下で相当の高圧力を作用させて
円形断面の太い糸を扁平断面にしてナックル部を扁平化
させたり(特願昭58−41992号公報)、円形断面
の糸の織りなすナックル部を研磨することによって平坦
化させて(実開昭57−56798号公報)解決を計っ
てきたが、加熱下で高い加圧力を発生させる設備を必要
としたり、研磨した経糸表面の粗面に紙粉や填料などの
汚れが付着しやすく防汚性に劣る問題が有った。
【0004】これに対し、実開平7−38194号公報
に記載の考案では、経糸に直径が0.28乃至0.32
mmの細径の円形断面ポリエステルモノフィラメント、
緯糸にこの経糸よりも僅かに太径のポリエステルモノフ
ィラメント、又は、経糸よりも僅かに太径のポリエステ
ルモノフィラメント及びポリアクリル繊維紡績糸を配し
た、防汚性に優れ、湿紙の紙マーク等の品質欠点の発生
することが無い、高い表面平滑性を有するドライヤーカ
ンバスが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この実開平7−381
94号公報に開示のドライヤーカンバスは、経糸に細径
の円形断面ポリエステルモノフィラメントを高密度に配
して高い表面平滑性を有する上に、経糸方向の柔軟性が
あって湿紙との密着性が良好なため、高度な品位水準が
要求される用途において使用されている。また、同公報
に開示のドライヤーカンバスの通気度は、3,000c
3/cm2・min〜16,000cm3/cm2・mi
nの範囲である。
【0006】一方、近年、抄紙機の広幅化、高速化が顕
著になってきており、例えば、抄速max1500m/
min以上の実績も有るが、前記実開平7−38194
号公報に開示のドライヤーカンバスは、そのような抄紙
機の広幅化、高速化に対応して抄紙機の安定操業を確保
するには、必ずしも完全とはいえない状況となってきて
いる。
【0007】一般に、上質紙や塗工用原紙の抄紙のよう
な高度な品位水準が要求される用途においては、湿紙の
紙マーク等の品質欠点が発生することが無いだけでな
く、湿紙の流れ方向および幅方向における乾燥の均一性
に対する要求が厳しい。従って、湿紙をシリンダーに均
一に接触させる必要があり、流れ方向及び幅方向におけ
る湿紙との均一な密着性と押圧力を、広幅・高抄速下に
も維持できることがドライヤーカンバスに求められる。
そのため、良好な表面平滑性と経糸方向での柔軟性を有
すると同時に、経糸方向の強力と緯糸方向の剛性を兼ね
備えることが必要となる。
【0008】他方、抄紙用多筒式乾燥機の乾燥部の構造
としては、従来から上下2段配列のドライヤーにおける
上下カンバス方式、これの改良案としてのシングルラン
のカンバス方式や、その更に改良案としてのシリンダー
が単列配置された形式のベルラン方式(米国ベロイト社
の商標)、シムラン方式(フィンランド国バルメット社
の商標)等が提案され、抄紙速度の高速化に伴うシート
フラッタリングの防止に対する改良が成されてきた。シ
ングルランのカンバス方式では下段のシリンダー上、ま
たベルラン方式ではシリンダー間に設けられたサクショ
ンローラー上において、ドライヤーカンバスの外周上を
湿紙が走行するため、上段のシリンダー部分と下段のシ
リンダー部分とでカンバスの厚さに相当する周速度の差
が原因となって、湿紙の走行に伴って湿紙に掛かる張力
の張りと緩みの繰り返しを生じ、湿紙に悪影響を及ぼし
たり、甚だしくは断紙等の欠陥が発生することも有っ
た。そのため、特に、高速度の抄紙を行うシングルラン
のカンバス方式やベルラン方式、シムラン方式では、カ
ンバスの厚さが薄いことが不可欠とされている。
【0009】従って、本発明では、例えば上質紙や塗工
用原紙の抄紙のような、高度な品位水準が要求される用
途において好適に使用でき、それら用途の抄紙機乾燥部
のうち湿紙水分率の比較的高い前群において特に好適に
使用できる良好な表面平滑性と経糸方向での柔軟性を有
し、且つ、緯糸方向の剛性を兼ね備えた製紙用ドライヤ
ーカンバスを提供することを課題とする。
【0010】更に、シングルランのカンバス方式やシリ
ンダーが単列配置された形式の乾燥部に適用可能な厚さ
であって、且つ、例えば、カンバス幅9m以上、抄速m
ax1500m/min以上の広幅・高速の抄紙機にも適
用可能な、優れた寸法安定性や走行安定性、並びに広い
通気度調整範囲を有する製紙用ドライヤーカンバスを提
供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】良好な表面平滑性と経糸
方向での柔軟性を有する製紙用ドライヤーカンバスを得
るためには、前記実開平7−38194号公報に開示の
発明の様に経糸に細径の円形断面モノフィラメントを高
密度に配したものの他、経糸に適当な厚さと幅寸法を有
する、所謂、断面扁平モノフィラメント(以下、断面四
角形モノフィラメントという)を用いたものが有り、経
糸長浮き織組織に織成したカンバス等が使用されてい
る。
【0012】しかし、この断面四角形モノフィラメント
を経糸に用いたドライヤーカンバスにおいても、次のよ
うな問題のあることが判明した。
【0013】すなわち、高度な表面平滑性と厚さ寸法小
なることを維持しつつ、低い通気度を含む広い通気度範
囲を達成する為には、緯糸の高密度化や経糸長浮き織組
織だけでは対応に限界があるため、経糸密度を高く、例
えば経糸充填率が100%を越える高い範囲に設定して
対処することも必要となってくるが、その場合、隣り合
った断面四角形モノフィラメントの側面同士が互いに干
渉し合って希望する高い範囲の充填率を確保するのが困
難となること、並びに、ある程度まで充填率を高めてい
くと断面四角形モノフィラメントの平坦な表面とカンバ
ス表面との並行が維持できなくなり(図6(A)参
照)、カンバス表面の一部では経糸70の断面四角形の
隅部がカンバス表面71に表出して、特にカンバス幅方
向における表面性の向上に影響が出ること、また、製織
時の経糸の捌きに影響して製織効率等の低下をきたすこ
との問題点が判明した。出願人らは、例えば、経糸に寸
法0.3mm×0.55mmの断面四角形ポリエステモ
ノフィラメントを用いた場合には、経糸充填率125%
〜130%が実用上の上限になるとの知見を経験的に有
している。
【0014】一方、経糸方向での柔軟性と厚さ寸法を薄
く維持した上で、緯糸方向の剛性を確保するためには、
経糸のカンバス厚さ方向寸法を比較的小さくすると共
に、緯糸の直径を太くする必要があるが、この場合に
は、経糸の剛性に比しての緯糸の剛性が増して緯糸にク
リンプが付き難くなるため、経糸を緯糸との交絡点でよ
り強く交絡させることが必要になる。
【0015】以上の問題点に鑑み、本発明は、以下のよ
うな構成としたことを特徴とする。
【0016】すなわち、本発明は、合成繊維織物より成
る製紙用ドライヤーカンバスであって、経糸に断面楕円
形状のモノフィラメントをその長径方向がカンバス幅方
向になる様に配設して用い、経糸充填率が100%〜1
75%の範囲内としたことを特徴とする。経糸充填率
は、好適には125%〜175%の範囲内とする。
【0017】更に、本発明は、前記織物を構成する少な
くとも一層の緯糸に乾熱収縮率の高いモノフィラメント
を用いて、経糸の充填率を130%〜175%、好適に
は150%〜175%の範囲内にしたことを特徴とす
る。
【0018】加えて、本発明は、前記織物が、少なくと
も接紙面側表面の経糸が長浮きする緯2重の斜文織組織
から成る織成布であり、経糸に、短径×長径が0.25
mm〜0.35mm×0.40mm〜0.70mmの範
囲内、短径と長径の比が1:1.6〜1:2の範囲内に
ある断面楕円形状のモノフィラメントを用いたことを特
徴とする。
【0019】また、本発明は、前記接紙面側緯糸および
反接紙面側緯糸が、それぞれ、直径が0.4mm〜0.
8mmの範囲内にある断面円形モノフィラメントであっ
て、且つ、緯糸密度が15本×2/2.54cm〜48
本×2/2.54cmの範囲内にあることを特徴とす
る。
【0020】更に、本発明は、前記経糸および緯糸をポ
リエステルモノフィラメントを用いて織成し、カンバス
厚さ方向の寸法低減率が82.0%〜90.0%の範囲
内であり、且つ、カンバスの厚さが1.23mm〜1.
8mmの範囲内であることを特徴とする。
【0021】また、本発明は、前記経糸および緯糸をP
PSモノフィラメントを用いて織成し、カンバス厚さ方
向の寸法低減率が84.0%〜92.0%の範囲内であ
り、且つ、カンバスの厚さが1.26mm〜1.85m
mの範囲内であることを特徴とする。
【0022】更に、本発明は、前記織物が、少なくとも
接紙面側表面の経糸が長浮きする緯1重の斜文織組織か
ら成る織成布であり、経糸に、短径×長径が0.25m
m〜0.35mm×0.40mm〜0.70mmの範囲
内、短径と長径の比が1:1.6〜1:2の範囲内にあ
る断面楕円形状のモノフィラメントを用いたことを特徴
とする。
【0023】また、本発明は、前記緯糸が、それぞれ、
直径が0.6mm〜1mmの範囲内にある断面円形モノ
フィラメントであって、且つ、緯糸密度が15本/2.
54cm〜35本/2.54cmの範囲内にあることを
特徴とする。
【0024】更に、本発明は、前記経糸および緯糸をポ
リエステルモノフィラメントを用いて織成し、カンバス
厚さ方向の寸法低減率が90.5%〜95.0%の範囲
内であり、且つ、カンバスの厚さが1.0mm〜1.6
1mmの範囲内であることを特徴とする。
【0025】また、本発明は、前記経糸および緯糸をP
PSモノフィラメントを用いて織成し、カンバス厚さ方
向の寸法低減率が93.6%〜97.0%の範囲内であ
り、且つ、カンバスの厚さが1.03mm〜1.65m
mの範囲内であることを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の製紙用ドライヤーカンバ
スは、合成繊維織物より成る製紙用ドライヤーカンバス
であって、経糸に断面楕円形状のモノフィラメントをそ
の長径方向がカンバス幅方向となる様に配設して用い、
経糸充填率が100%〜175%の範囲内としたことを
特徴とする。この構成は、経糸充填率が125%〜17
5%の範囲において、より有効である。
【0027】ここで、断面楕円形状のモノフィラメント
とは、図2(A)に示すような断面が数学的に定義され
る正確な楕円形20の他、前記正確な楕円形に極めて近
い断面略楕円形、図2(B)に示すような前記正確な楕
円形若しくは略楕円形においてその長径方向に1乃至2
直線部23を有する断面略楕円形22、及び、図2
(C)に示すような四隅の2箇所乃至4箇所を円弧状に
角落し25した断面形状24のものを含むものとする。
【0028】本発明は、経糸に断面楕円形状のモノフィ
ラメントを用いることにより、例えば、図6(B)に示
すように、側面の滑らかな曲面形状が効果的に作用し
て、従来、図6(A)に示すように、経糸70が断面四
角形モノフィラメントの場合に問題であった、隣り合っ
たモノフィラメントの側面同士が互いに干渉し合って希
望する高い範囲の充填率を確保することが困難となるこ
とや、カンバス表面71に対するモノフィラメント表面
の傾き発生によるカンバス表面性品質への悪影響などの
問題が解消される。
【0029】また、経糸に断面楕円形状のモノフィラメ
ントを用いるので、断面四角形モノフィラメントを用い
た場合よりも、経糸を緯糸との交絡点でより深く交絡さ
せることが出来て、走行安定性や形態保持性が良化す
る。
【0030】本発明の製紙用ドライヤーカンバスは、経
糸および緯糸に合成繊維糸条を用いて織成した合成繊維
織物である。
【0031】合成繊維糸条としては、PETやPBTな
どのポリエステル繊維、ナイロン6、ナイロン46、ナ
イロン66などのポリアミド繊維、ポリプロピレンなど
のポリオレフィン繊維をはじめ、耐熱性に優れたPPS
やPEEK等を主体として成る合成繊維糸条を、経糸及
び/又は緯糸に、単独にあるいはそれらを組み合わせて
用いる。寸法安定性および耐摩耗性、耐屈曲疲労等の点
からはPETやPBTなどのポリエステル繊維、耐熱性
等の点からはPPSやPEEKが好適である。
【0032】織組織としては、緯1重、緯2重、緯2.
5重、緯3重の平織、斜文織、朱子織など公知の織組織
を用いることができるが、経糸を長浮き構造として表面
の平坦度を向上させ、カンバスの流れ方向すなわち経糸
方向での湿紙への接触面積を増加させたものが好まし
く、少なくとも接紙面側表面の経糸が長浮きする緯2重
又は緯1重の斜文織組織を好適とする。経糸が長浮きす
る織組織とは、経糸が緯糸を2本以上跨いで組織するも
のをいい、前記少なくとも接紙面側表面の経糸が長浮き
する緯2重の斜文織組織では、図1(A)(B)に示す
ような、接紙面側表面において経糸が多く表出する2/
2正則斜文や2/2破れ斜文(図1(A))、3/3正
則斜文や3/3破れ斜文(図1(B))、3/3急斜文
や3/3急破れ斜文(図1(B))などの織組織を用い
ることができる。また、図1(C)(D)に示すよう
な、接紙面側表面において経糸が多く表出する様にした
2/1正則斜文や2/1破れ斜文(図1(C))、2/
2正則斜文や2/2破れ斜文、3/1正則斜文や3/1
破れ斜文(図1(D))、3/1急斜文や3/1急破れ
斜文(図1(D))などの緯1重の斜文織組織を用いる
ことができる。
【0033】経糸の充填率を高くするには、製織時の経
糸密度の設定による他、ヒートセット加工時の緯糸方向
の収縮量が多くなるような加工条件並びに乾熱収縮率の
高い緯糸を選定して用いる。乾熱収縮率の高い緯糸を用
いる場合には、緯糸の少なくとも一層に用いる。全ての
緯糸層に用いる方が経糸の充填率を高くすることができ
る。また、接紙面側の緯糸に用いるのが、湿紙への接触
面積を増加させる上で好ましい。乾熱収縮率の高い緯糸
を用いる場合は、経糸の充填率130%〜175%の範
囲、好適には150%〜175%の範囲が実現可能とな
る。
【0034】本発明の実施に当たり緯糸に用いる乾熱収
縮率の高いモノフィラメントとは、160℃において1
2%〜26%、180℃において14%〜30%の範
囲、より好適には160℃において12%〜21.4
%、180℃において14%〜24%の範囲の乾熱収縮
率を有するものを言い、ドライヤーカンバス用に一般に
入手可能なものである。例えば、ポリエステルモノフィ
ラメントでは、Shakespeare社製のPX−4
05が上市され入手可能であり、また、特開2000−
170034号公報、特表平9−510748号公報、
特開平8−302524号公報、特表平4−50024
7号公報に開示されたもの等がある。また、PPSモノ
フィラメントでは、特開平5−195318号公報に開
示されたもの等がある。
【0035】本発明の実施に当たっては、経糸の断面楕
円形の断面寸法を、短径×長径が0.25mm〜0.3
5mm×0.40mm〜0.70mmの範囲内、短径と
長径の比が1:1.6〜1:2の範囲内とする。1:2
を上限とするのは、カンバス幅方向での経糸本数が減少
して製織時および使用時の経糸当たりの張力負担が過大
となるのを回避するためである。モノフィラメントを経
糸及び緯糸に用いたドライヤーカンバスでは、マルチフ
ィラメント糸や紡績糸から成るものに比べてクッション
性が劣るため、使用時の経糸方向のテンションをそれら
カンバスよりも高めに設定して、湿紙との密着性を向上
させ湿紙の乾燥効率を高める傾向にあり、また抄紙機乾
燥部へギヤレスドライヤーが配設される場合もあり、こ
のような場合、カンバスへの張力負荷max3kg/c
mを基準にするが、経糸の摩耗および熱劣化に対応して
安定な操業と耐久性を確保するためには、経糸当たりの
張力負担が少なくなる様に配慮することが必要である。
一方、断面楕円形状のモノフィラメントの有するカンバ
ス幅方向の平坦さを有効に発揮させるため、短径と長径
の比は1:1.6を下限とする。
【0036】緯糸には、少なくとも接紙面側および/ま
たは反接紙面側にモノフィラメントを用いる。緯糸の断
面形状は、円形や楕円形の他、三角形、正方形、長方
形、四角形、六角形、八角形などの多角形状、およびこ
れらの形状を一部変更したものも利用可能である。ま
た、他の緯糸には、モノフィラメント糸および/又はマ
ルチフィラメント糸および/又は紡績糸から成る引揃え
糸若しくは撚り合わせ糸から成る糸条、及びつる巻き状
若しくはコイル状の芯−鞘構造を有するカバードヤーン
等を用いることができるが、カンバスへの紙粉や填料に
よる汚れ付着防止や付着した汚れ除去の観点から、接紙
面側緯糸および反接紙面側緯糸をモノフィラメントによ
り構成するのが良い。
【0037】好ましくは、緯糸の形状、寸法及び密度
を、前記少なくとも接紙面側表面の経糸が長浮きする緯
2重の斜文織組織の場合には、接紙面側緯糸および反接
紙面側緯糸のそれぞれに、直径が0.4mm〜0.8m
mの範囲内にある断面円形モノフィラメントを用いると
同時に、緯糸密度を15本×2/2.54cm〜48本
×2/2.54cmの範囲内、好適には15本×2/
2.54cm〜39本×2/2.54cmの範囲内に設
定する。より好適には、直径は0.5mm〜0.8mm
の範囲内とし、その場合には、緯糸密度を15本×2/
2.54cm〜40.6本×2/2.54cm、好適に
は15本×2/2.54cm〜33.8本×2/2.5
4cmの範囲内に設定して用いる。
【0038】また、好ましくは、前記少なくとも接紙面
側表面の経糸が長浮きする緯1重の斜文織組織の場合に
は、緯糸に、直径が0.6mm〜1mmの範囲内にある
断面円形モノフィラメントを用いると同時に、緯糸密度
を15本/2.54cm〜35本/2.54cmの範囲
内、好適には15本/2.54cm〜30本/2.54
cmの範囲内に設定して用いる。
【0039】前記緯糸の形状、寸法及び密度は、接紙面
側緯糸と反接紙面側緯糸とで異なるものでも適用可能で
あることは勿論である。
【0040】前記の緯糸密度の下限は、必要な表面平滑
性、緯糸方向の剛性、走行安定性、形態保持性などを満
たすと共に、必要な通気度範囲の上限を得るための下限
値である。また、前記の緯糸密度の上限は、前記斜文織
組織において、前記範囲の経糸の厚さ方向寸法および緯
糸の直径の最小値のもとにカンバス流れ方向に配列する
ことが出来る緯糸本数の最大値から得られる。このよう
な高い緯糸密度を達成するためには、ヒートセット加工
時の経糸方向の収縮量が多くなるように、製織時および
加工時の張力条件や温度条件を適宜好適に設定すると共
に、例えば経糸に乾熱収縮率の高いモノフィラメントを
選定して用いるのが良い。
【0041】本発明では、経糸に断面楕円形状のモノフ
ィラメントを用いて、経糸充填率を100%〜175%
の範囲内と高くするため、上記緯糸密度の設定範囲と相
俟って、良好な表面平滑性と広い通気度範囲を有すると
同時に、カンバス幅方向の剛性を確保することが出来
る。すなわち、高い経糸充填率と高い緯糸密度により、
従来よりも更に低い通気度が実現可能となる。また、高
い通気度範囲を得るために低い緯糸密度をとる場合に
も、経糸充填率が高いため、表面平滑性を良好に維持で
きる。
【0042】幅方向の剛性は、通常、緯糸のカンバス厚
さ方向の寸法が大なるほど向上するが、本発明は、前記
範囲の緯糸直径を用いると同時に、経糸の断面楕円形状
のモノフィラメントを、その長径方向がカンバス幅方向
となる様に配設して用い、且つ、経糸の充填率を高く設
定してカンバスの幅方向に隣り合った経糸が充分に密着
する様に構成したものであるから、カンバスの幅方向で
の撓みに対する自由度を減少させる作用を生じ、前記直
径寸法範囲の断面円形モノフィラメントの有する剛性と
相俟って、経糸に断面円形や断面四角形モノフィラメン
トを用いた場合に比べてその幅方向の剛性を向上させる
ことが可能となる。それにより、本発明のドライヤーカ
ンバスが適する用途、特に、カンバス幅9m以上の要求
にも対応可能な、優れた走行安定性や形態保持性を確保
できる。
【0043】本発明は、経糸および緯糸にポリエステル
モノフィラメントを用いて織成したドライヤーカンバス
において、前記少なくとも接紙面側表面の経糸が長浮き
する緯2重の斜文織組織の場合には、カンバス厚さ方向
の寸法低減率が82.0%〜90.0%の範囲内であ
り、且つ、その厚さが1.23mm〜1.8mmの範囲
内であることを特徴とし、また、前記少なくとも接紙面
側表面の経糸が長浮きする緯1重の斜文織組織の場合に
は、カンバス厚さ方向の寸法低減率が90.5%〜9
5.0%の範囲内であり、且つ、その厚さが1.0mm
〜1.61mmの範囲内であることを特徴とする。
【0044】また、本発明は、経糸および緯糸にPPS
モノフィラメントを用いて織成したドライヤーカンバス
において、前記少なくとも接紙面側表面の経糸が長浮き
する緯2重の斜文織組織の場合には、カンバス厚さ方向
の寸法低減率が84.0%〜92.0%の範囲内であ
り、且つ、その厚さが1.26mm〜1.85mmの範
囲内であることを特徴とし、また、前記少なくとも接紙
面側表面の経糸が長浮きする緯1重の斜文織組織の場合
には、カンバス厚さ方向の寸法低減率が93.6%〜9
7.0%の範囲内であり、且つ、その厚さが1.03m
m〜1.65mmの範囲内であることを特徴とする。
【0045】それにより、シングルランのカンバス方式
やシリンダーが単列配置された形式の乾燥部にも適用可
能な1.8mm以下(好適には1.7mm以下)の厚さ
も達成可能となる。
【0046】カンバス厚さ方向の寸法低減率とは、製作
したカンバスの厚さを、カンバス織物を構成する経糸お
よび緯糸のカンバス厚さ方向寸法の合計値で除した商を
%表示したものであり、また、織物を構成する経糸およ
び緯糸のカンバス厚さ方向寸法の合計値とは、接紙面側
並びに反接紙面側に表出する経糸の厚さ方向寸法および
緯糸層を構成する緯糸の厚さ方向寸法を足した合計値の
ことである。
【0047】前記厚さの範囲並びに厚さ方向の寸法低減
率は、断面楕円形状のモノフィラメントを経糸に用いる
と同時に、経糸および緯糸の材質、寸法、乾熱収縮率、
並びに製織時およびヒートセット加工時の加工条件を適
宜好適に設定して実現する。更には、乾熱収縮率の高い
モノフィラメントを緯糸に用いて実現することができ
る。これにより、経糸を緯糸との交絡点でより強く交絡
させることができると共に、緯糸により強くクリンプが
生じるため、上記の厚さ寸法の比を満たすことが出来
る。これにより、カンバス織組織のズレが生じ難くな
り、前記経糸が長浮きする織組織の場合に不足し易い走
行安定性を向上させるのに有効となる。
【0048】更に本発明は、断面楕円形状の経糸が断面
円形の緯糸に当接する場合に、断面四角形の経糸が断面
円形の緯糸に当接する場合よりも、経糸を緯糸との交絡
点でより深く交絡させることができることを利用して、
前記厚さの範囲並びに厚さ方向の寸法低減率を実現した
ものである。
【0049】すなわち、例えば、緯糸に掛かる単位長さ
当たりの張力Tに基づく当接力Pが作用する際に、断面
四角形の経糸が断面円形の緯糸に当接する場合と、断面
楕円形状の経糸が断面円形の緯糸に当接する場合とで
は、カンバス厚さ方向に投影した当接部分の面積Aが前
者の場合より後者の場合の方が小さくなるため、並び
に、当接力Pの大きさに関係しての当接部分の面積Aの
大きさの変化割合が前者の場合よりも後者の場合の方が
大きくなるため、当接力Pと当接部分の面積Aに基づく
単位面積当たりの当接圧pが、断面楕円形状の経糸の場
合の方がより大きくなり、経糸を緯糸との交絡点でより
深く交絡させることができて、カンバスの厚さを薄く出
来るようになるものである。
【0050】本発明では、経糸に短径×長径が0.25
mm〜0.35mm×0.40mm〜0.70mmの範
囲の断面楕円形ポリエステルモノフィラメント、緯糸に
直径が0.5mm〜0.8mmの範囲の断面円形ポリエ
ステルモノフィラメントを用い、経糸充填率が100%
〜175%の範囲、緯糸密度が15本×2/2.54c
m〜40.6本×2/2.54cmの範囲とした緯2重
の斜文織組織のドライヤーカンバスを各種試作した結果
に基づいて、カンバス厚さ方向の寸法低減率が82.0
%〜90.0%の範囲内、且つ、厚さが1.23mm〜
1.80mmの範囲内のカンバスが得られることを確認
した。
【0051】また、経糸に短径×長径が0.25mm〜
0.35mm×0.40mm〜0.70mmの範囲の断
面楕円形ポリエステルモノフィラメント、緯糸に直径が
0.6mm〜1.0mmの範囲の断面円形ポリエステル
モノフィラメントを用い、経糸充填率が100%〜17
5%の範囲、緯糸密度が15本/2.54cm〜35.
0本/2.54cmの範囲とした緯1重の斜文織組織の
ドライヤーカンバスを各種試作した結果に基づいて、カ
ンバス厚さ方向の寸法低減率が90.5%〜95.0%
の範囲内、且つ、厚さが1.0mm〜1.61mmの範
囲内のカンバスが得られることを確認した。
【0052】本発明では、経糸に短径×長径が0.25
mm〜0.35mm×0.40mm〜0.70mmの範
囲の断面楕円形PPSモノフィラメント、緯糸に直径が
0.5mm〜0.8mmの範囲の断面円形PPSモノフ
ィラメントを用い、経糸充填率が100%〜175%の
範囲、緯糸密度が15本×2/2.54cm〜40.6
本×2/2.54cmの範囲とした緯2重の斜文織組織
のドライヤーカンバスを各種試作した結果に基づいて、
カンバス厚さ方向の寸法低減率が84.0%〜92.0
%の範囲内、且つ、厚さが1.26mm〜1.85mm
の範囲内のカンバスが得られることを確認した。
【0053】また、経糸に短径×長径が0.25mm〜
0.35mm×0.40mm〜0.70mmの範囲の断
面楕円形PPSモノフィラメント、緯糸に直径が0.6
mm〜1.0mmの範囲の断面円形PPSモノフィラメ
ントを用い、経糸充填率が100%〜175%の範囲、
緯糸密度が15本/2.54cm〜35.0本/2.5
4cmの範囲とした緯1重の斜文織組織のドライヤーカ
ンバスを各種試作した結果に基づいて、カンバス厚さ方
向の寸法低減率が93.6%〜97.0%の範囲内、且
つ、厚さが1.03mm〜1.65mmの範囲内のカン
バスが得られることを確認した。
【0054】上記の構成とすることにより、通気度が
1,095cm3/cm2・min〜14,000cm3
/cm2・minの範囲、経糸方向の3点曲げ剛性(試
験方法は後述する)が110cN/3cm以下、緯糸方
向の3点曲げ剛性が500cN/3cm以上の性能を達
成することができる。特に、通気度調整範囲において
は、経糸及び緯糸がモノフィラメントで構成されたモノ
フィラメントカンバスでは達成が困難であった、1,0
95cm3/cm2・minの低い通気度も達成可能とな
る。
【0055】従って、本発明に因れば、例えば上質紙や
塗工用原紙の抄紙のような、高度な品位水準が要求され
る用途において好適に使用でき、それら用途の抄紙機乾
燥部のうち湿紙水分率の比較的高い前群において特に好
適に使用できる良好な表面平滑性と経糸方向での柔軟性
を有し、且つ、緯糸方向の剛性を兼ね備えたドライヤー
カンバスを実現出来る。
【0056】更に、シングルランのカンバス方式やシリ
ンダーが単列配置された形式の乾燥部に適用可能な1.
8mm以下(好適には1.7mm以下)の厚さであっ
て、且つ、例えばカンバス幅9m以上、抄速max15
00m/min以上の広幅・高速の抄紙機にも適用可能
な、優れた寸法安定性や走行安定性、並びに広い通気度
調整範囲を有する製紙用ドライヤーカンバスを実現出来
る。
【0057】尚、本発明の実施に係わる各試験の方法に
ついては、以下による。
【0058】乾熱収縮率 原糸を300mmの長さにカットした5本の試料を熱風
乾燥機中で20分間処理する。取り出した試料を標準状
態(温度20℃、相対湿度65%)の室内に約30分以
上放置してからその長さを測定して、次式で求めた5本
の試料の平均値で表す。 乾熱収縮率(%)={(300(mm)−処理後の長さ
(mm))/300(mm)}×100(%)
【0059】通気度 JIS L−1096:1999 フラジール形法に準
拠する。圧力125Paのもとに試料を通過した空気の
量を1分間当たり単位面積当たりに換算表示したもので
ある。
【0060】3点曲げ剛性 図3の装置により幅3cm(図3の紙面表裏方向の寸
法)の試料42の両端を100mmだけ離間させて固定
配置した直径20mmの丸棒43、43に係止し、試料
42の中央部を直径10mmのローラー44と荷重計
(図示せず)を介して上方に引張る。ローラー44の引
上げ量と共に荷重計の表示値は増大していくが、ある程
度引上げると荷重計の表示値は増大しなくなる。この時
の最大荷重を剛性値と称し、単位cN/3cmで表す。
【0061】経糸方向の3点曲げ剛性を測定する場合
は、試料42の長手方向(幅3cmと直角方向)を経糸
方向に、緯糸方向の3点曲げ剛性を測定する場合は、試
料42の長手方向を緯糸方向とする。
【0062】ズレ角度 図4(B)(C)はズレ角度測定装置50であって、固
定支柱54の上端部と基端部の横アーム55、56の一
端が上下揺動可能に取り付けられ、横アーム55、56
の他端は連結アーム57で連結され、常時は上側の横ア
ーム55が固定水平アーム60にピン61にて固定され
ている。
【0063】横アーム55に所定長、所定幅の試料Sの
上端を固定し、下端に試料Sの幅1cm当たり1kgの
荷重Wを懸垂する。この状態で下側の横アーム56に試
料Sの下端を固定し、その後、荷重Wを取り去る。この
ようにして、図4(B)のごとく試料Sを固定し、ピン
61を引き抜き、図4(C)のごとく下向きのモーメン
トをかける。この状態で一定時間放置後、ズレの寸法x
(加熱前)を測定し、その状態のまま温度180℃で一
定時間熱処理を行う。その後、再度、ズレの寸法x(加
熱後)を測定する。
【0064】ズレ角度θ1(加熱前)、θ2(加熱後)の
計算は、図4(A)のごとくズレの寸法x(mm)、枢
支ピン59から指針58の先端までの長さをL(=12
0mm)より、次式で計算される。
【0065】tanθ=x/120, θ=tan
−1(x/120)
【0066】上記により求めたズレ角度θから、カンバ
ス走行時の織組織のズレを推定し、カンバスの走行安定
性の評価に用いる。
【0067】静摩擦係数及び動摩擦係数 図5に示すように固定した接触部材31上で試料32を
垂直方向に荷重Wを加えた状態で矢印方向に走行させた
時(速度50mm/分)、動き始めた時の静摩擦力F1
と、動き始めた以後移動させるための動摩擦力F2を測
定(例;引き紐の途中にバネ秤を設置して、その値を見
る)し、静摩擦力F1及び動摩擦力F2と荷重(W=5k
g)とに基づいて、摩擦係数(μ)=摩擦力(F)/荷
重(W)の関係式から、静摩擦係数μ1及び動摩擦係数
μ2を算出した。
【0068】試料としては、幅10cm、長さ15cm
のものを用い、経糸方向の摩擦係数を求める場合は試料
の長さ方向を経糸方向とし、緯糸方向の摩擦係数を求め
る場合は試料の長さ方向を緯糸方向とする。試料32を
走行させる方向は、試料の長さ方向とする。
【0069】(実施例)次に、本発明の実施例およびこ
の実施例に対する比較例について、表1〜表6に基づい
て説明する。各表において、TMはポリエステルモノフ
ィラメント、PSは接紙面側、BSは反接紙面側を表
す。高収縮糸は、乾熱収縮率の高いモノフィラメントを
表す。
【0070】(実施例1)実施例1のドライヤーカンバ
ス100を、表1に示す仕様と図7に示す織組織に基づ
いて製作した。すなわち、経糸101に寸法が厚さ0.
3mm×幅0.46mmの断面楕円形ポリエステルモノ
フィラメント(図2(A)の断面形状20)、緯糸10
2に寸法が直径0.7mmの断面円形ポリエステルモノ
フィラメントを用い、接紙面側が2/2破れ斜文、反紙
紙面側が3/1破れ斜文の緯2重織組織で、経糸充填率
135.1%、緯糸密度16.8本×2/2.54cm
に製作した。製作したドライヤーカンバスは、厚さ1.
79mm、厚さ方向の寸法低減率89.5%、通気度1
2,779cm3/cm2・minであった。
【0071】(実施例2)実施例2のドライヤーカンバ
ス110を、表1に示す仕様と図7に示す織組織に基づ
いて製作した。すなわち、経糸101に寸法が厚さ0.
3mm×幅0.46mmの断面楕円形ポリエステルモノ
フィラメント(図2(A)の断面形状20)、緯糸10
2に寸法が直径0.7mmの断面円形ポリエステルモノ
フィラメントを用い、接紙面側が2/2破れ斜文、反紙
紙面側が3/1破れ斜文の緯2重織組織で、経糸充填率
141.5%、緯糸密度16.1本×2/2.54cm
に製作した。製作したドライヤーカンバスは、厚さ1.
77mm、厚さ方向の寸法低減率88.5%、通気度
9,145cm3/cm2・minであった。
【0072】(実施例3)実施例3のドライヤーカンバ
ス120を、表1に示す仕様と図7に示す織組織に基づ
いて製作した。すなわち、経糸101に寸法が厚さ0.
3mm×幅0.46mmの断面楕円形ポリエステルモノ
フィラメント(図2(A)の断面形状20)、緯糸10
2に寸法が直径0.7mmの断面円形ポリエステルモノ
フィラメントを用い、接紙面側が2/2破れ斜文、反紙
紙面側が3/1破れ斜文の緯2重織組織で、経糸充填率
141.8%、緯糸密度17.6本×2/2.54cm
に製作した。製作したドライヤーカンバスは、厚さ1.
70mm、厚さ方向の寸法低減率85.0%、通気度
4,520cm3/cm2・minであった。
【0073】実施例1〜3では、緯糸に、前記乾熱収縮
率の高いモノフィラメントを用いずに、それよりも低い
乾熱収縮率(160℃で3.8%、180℃で7%)の
ポリエステルモノフィラメントを用いたが、経糸に断面
楕円形ポリエステルモノフィラメントを用いたので、経
糸充填率を135.1%〜141.8%とすることがで
きて、カンバス幅方向の表面平滑性が良好となった。ま
た、接紙面側を経糸が長浮きする2/2破れ斜文緯2重
織組織としたので、カンバス流れ方向の表面平滑性も良
好で、且つ、湿紙への接触面積を増加させることが出来
た。
【0074】また、実施例3は、経糸を緯糸との交絡点
でより強く交絡させるように、製織後の加工時の張力条
件を実施例1や実施例2よりも高めに設定した結果、
1.70mmの厚さを実現できた。
【0075】(実施例4)実施例4のドライヤーカンバ
ス130を、表2に示す仕様と図7に示す織組織に基づ
いて製作した。すなわち、経糸101に寸法が厚さ0.
3mm×幅0.46mmの断面楕円形ポリエステルモノ
フィラメント(図2(A)の断面形状20)、緯糸10
2に寸法が直径0.7mmの断面円形の乾熱収縮率の高
いポリエステルモノフィラメントを用い、接紙面側が2
/2破れ斜文、反紙紙面側が3/1破れ斜文の緯2重織
組織で、経糸充填率152.7%、緯糸密度17.4本
×2/2.54cmに製作した。製作したドライヤーカ
ンバスは、厚さ1.80mm、厚さ方向の寸法低減率9
0.0%、通気度4,887cm3/cm2・minであ
った。
【0076】(実施例5)実施例5のドライヤーカンバ
ス140を、表2に示す仕様と図7に示す織組織に基づ
いて製作した。すなわち、経糸101に寸法が厚さ0.
3mm×幅0.46mmの断面楕円形ポリエステルモノ
フィラメント(図2(A)の断面形状20)、緯糸10
2に寸法が直径0.7mmの断面円形の乾熱収縮率の高
いポリエステルモノフィラメントを用い、接紙面側が2
/2破れ斜文、反紙紙面側が3/1破れ斜文の緯2重織
組織で、経糸充填率151.7%、緯糸密度19.0本
×2/2.54cmに製作した。製作したドライヤーカ
ンバスは、厚さ1.79mm、厚さ方向の寸法低減率8
9.5%、通気度2,101cm3/cm2・minであ
った。
【0077】(実施例6)実施例6のドライヤーカンバ
ス150を、表2に示す仕様と図7に示す織組織に基づ
いて製作した。すなわち、経糸101に寸法が厚さ0.
3mm×幅0.46mmの断面楕円形ポリエステルモノ
フィラメント(図2(A)の断面形状20)、緯糸10
2に寸法が直径0.7mmの断面円形の乾熱収縮率の高
いポリエステルモノフィラメントを用い、接紙面側が2
/2破れ斜文、反紙紙面側が3/1破れ斜文の緯2重織
組織で、経糸充填率153.5%、緯糸密度22.0本
×2/2.54cmに製作した。製作したドライヤーカ
ンバスは、厚さ1.80mm、厚さ方向の寸法低減率9
0.0%、通気度1,511cm3/cm2・minであ
った。
【0078】実施例4〜6では、経糸に断面楕円形ポリ
エステルモノフィラメントを用いると共に、緯糸に乾熱
収縮率(160℃で12.1%、180℃で19.0
%)の乾熱収縮率の高いモノフィラメントを用いたの
で、経糸充填率を実施例1〜3の場合よりも高く、15
1.7%〜153.5%とすることが出来て、カンバス
幅方向の表面平滑性がより良好となった。また、接紙面
側を経糸が長浮きする2/2破れ斜文緯2重織組織とし
たので、カンバス流れ方向の表面平滑性も良好で、且
つ、湿紙への接触面積を増加させることが出来た。
【0079】(実施例7)実施例7のドライヤーカンバ
ス160を、表3に示す仕様と図7に示す織組織に基づ
いて製作した。すなわち、経糸101に寸法が厚さ0.
25mm×幅0.5mmの断面楕円形ポリエステルモノ
フィラメント(図2(A)の断面形状20)、緯糸10
2に寸法が直径0.5mmの断面円形の乾熱収縮率の高
いポリエステルモノフィラメントを用い、接紙面側が2
/2破れ斜文、反紙紙面側が3/1破れ斜文の緯2重織
組織で、経糸充填率174.8%、緯糸密度25.5本
×2/2.54cmに製作した。製作したドライヤーカ
ンバスは、厚さ1.23mm、厚さ方向の寸法低減率8
2.0%、通気度1,095cm3/cm2・minであ
った。
【0080】実施例7では、経糸に断面楕円形ポリエス
テルモノフィラメントを用いると共に、緯糸に乾熱収縮
率(160℃で21.4%、180℃で24.0%)の
乾熱収縮率の高いモノフィラメントを用いたので、経糸
充填率を174.9%と高くすることができて、カンバ
ス幅方向の表面平滑性がより良好になると同時に、従来
の経糸及び緯糸がモノフィラメントで構成されたカンバ
スでは達成が困難であった、1,095cm3/cm2
minの低い通気度を実現出来た。また、経糸を緯糸と
の交絡点でより強く交絡させるように、製織後の加工時
の張力条件をより高めに設定したため、厚さ方向の寸法
低減率および厚さを減少させることが出来た。
【0081】(実施例8)実施例8のドライヤーカンバ
ス170を、表3に示す仕様と図7に示す織組織に基づ
いて製作した。すなわち、経糸101に寸法が厚さ0.
35mm×幅0.7mmの断面楕円形ポリエステルモノ
フィラメント(図2(A)の断面形状20)、緯糸10
2に寸法が直径0.7mmの断面円形の乾熱収縮率の高
いポリエステルモノフィラメントを用い、接紙面側が2
/2破れ斜文、反紙紙面側が3/1破れ斜文の緯2重織
組織で、経糸充填率155.6%、緯糸密度15.0本
×2/2.54cmに製作した。製作したドライヤーカ
ンバスは、厚さ1.79mm、厚さ方向の寸法低減率8
5.0%、通気度13,982cm3/cm2・minで
あった。
【0082】実施例8では、経糸に断面楕円形ポリエス
テルモノフィラメントを用いると共に、緯糸に乾熱収縮
率(160℃で12.1%、180℃で19.0%)の
乾熱収縮率の高いモノフィラメントを用いたので、経糸
充填率を更に高くすることができて、カンバス幅方向の
表面平滑性がより良好となった。また、接紙面側を経糸
が長浮きする2/2破れ斜文緯2重織組織としたので、
カンバス流れ方向の表面平滑性も良好で、且つ、湿紙へ
の接触面積を増加させることが出来た。また、経糸を緯
糸との交絡点でより強く交絡させるように、製織後の加
工時の張力条件をより高めに設定したため、厚さ方向の
寸法低減率および厚さを減少させることが出来た。
【0083】(実施例9)実施例9のドライヤーカンバ
ス180を、表3に示す仕様と図8(A)に示す織組織
に基づいて製作した。すなわち、経糸181に寸法が厚
さ0.3mm×幅0.46mmの断面楕円形ポリエステ
ルモノフィラメント(図2(A)の断面形状20)、緯
糸182に寸法が直径0.8mmの断面円形の乾熱収縮
率の高いポリエステルモノフィラメントを用い、接紙面
側に経糸が長浮きする2/2破れ斜文の緯1重織組織
で、経糸充填率135.6%、緯糸密度15.5本/
2.54cmに製作した。製作したドライヤーカンバス
は、厚さ1.33mm、厚さ方向の寸法低減率95.0
%、通気度6,030cm3/cm2・minであった。
【0084】(実施例10)実施例10のドライヤーカ
ンバス190を、表4に示す仕様と図8(B)に示す織
組織に基づいて製作した。すなわち、経糸191に寸法
が厚さ0.25mm×幅0.5mmの断面楕円形ポリエ
ステルモノフィラメント(図2(A)の断面形状2
0)、緯糸192に寸法が直径0.6mmの断面円形の
乾熱収縮率の高いポリエステルモノフィラメントを用
い、接紙面側に経糸が長浮きする3/1破れ斜文の緯1
重織組織で、経糸充填率155.6%、緯糸密度25.
5本/2.54cmに製作した。製作したドライヤーカ
ンバスは、厚さ1.0mm、厚さ方向の寸法低減率9
0.5%、通気度5,672cm3/cm2・minであ
った。
【0085】(実施例11)実施例11のドライヤーカ
ンバス200を、表4に示す仕様と図8(B)に示す織
組織に基づいて製作した。すなわち、経糸191に寸法
が厚さ0.35mm×幅0.7mmの断面楕円形ポリエ
ステルモノフィラメント(図2(A)の断面形状2
0)、緯糸192に寸法が直径1.0mmの断面円形の
乾熱収縮率の高いポリエステルモノフィラメントを用
い、接紙面側に経糸が長浮きする3/1破れ斜文の緯1
重織組織で、経糸充填率150.5%、緯糸密度15.
5本/2.54cmに製作した。製作したドライヤーカ
ンバスは、厚さ1.61mm、厚さ方向の寸法低減率9
4.7%、通気度7,325cm3/cm2・minであ
った。
【0086】実施例9〜11では、経糸に断面楕円形ポ
リエステルモノフィラメントを用いると共に、緯糸に乾
熱収縮率(160℃で12.1%、180℃で19.0
%)の乾熱収縮率の高いモノフィラメントを用いたの
で、経糸充填率を高くすることができて、カンバス幅方
向の表面平滑性がより良好となった。また、実施例9〜
11では、接紙面側に経糸が長浮きする2/2若しくは
3/1破れ斜文緯1重織組織としたので、カンバス流れ
方向の表面平滑性も良好で、且つ、湿紙への接触面積を
増加させることが出来た。
【0087】(比較例1)比較例1のドライヤーカンバ
ス300を、表5に示す仕様と図7に示す織組織に基づ
て製作した。すなわち、経糸101に寸法が直径0.4
mmの断面円形ポリエステルモノフィラメント、緯糸1
02に寸法が直径0.6mmの断面円形ポリエステルモ
ノフィラメントを用い、接紙面側が2/2破れ斜文、反
紙紙面側が3/1破れ斜文の緯2重織組織で、経糸充填
率131.3%、緯糸密度17.4本×2/2.54c
mに製作した。製作したドライヤーカンバスは、厚さ
1.89mm、厚さ方向の寸法低減率94.5%、通気
度15,612cm3/cm2・minであった。
【0088】(比較例2)比較例2のドライヤーカンバ
ス310を、表5に示す仕様と図7に示す織組織に基づ
いて製作した。すなわち、経糸101に寸法が直径0.
3mmの断面円形ポリエステルモノフィラメント、緯糸
102に寸法が直径0.6mm、乾熱収縮率が160℃
で12.1%、180℃で19.0%の乾熱収縮率の高
い断面円形ポリエステルモノフィラメントを用い、接紙
面側が2/2破れ斜文、反紙紙面側が3/1破れ斜文の
緯2重織組織で、経糸充填率148.2%、緯糸密度1
8.3本×2/2.54cmに製作した。製作したドラ
イヤーカンバスは、厚さ1.59mm、厚さ方向の寸法
低減率88.3%、通気度9,114cm3/cm2・m
inであった。
【0089】比較例2のドライヤーカンバスは、上質紙
や塗工用原紙の抄紙のような高度な品位水準が要求され
る用途の抄紙機乾燥部に従来より使用実績の有る、良好
な表面平滑性を有するカンバスである。
【0090】(比較例3)比較例3のドライヤーカンバ
ス320を、表5に示す仕様と図7に示す織組織に基づ
いて製作した。すなわち、経糸101に寸法が厚さ0.
3mm×幅0.55mmの断面四角形ポリエステルモノ
フィラメント、緯糸102に寸法が直径0.8mm、乾
熱収縮率が160℃で12.1%、180℃で19.0
%の乾熱収縮率の高い断面円形ポリエステルモノフィラ
メントを用い、接紙面側が2/2破れ斜文、反紙紙面側
が3/1破れ斜文の緯2重織組織で、経糸充填率11
5.4%、緯糸密度14.0本×2/2.54cmに製
作した。製作したドライヤーカンバスは、厚さ2.06
mm、厚さ方向の寸法低減率93.6%、通気度11,
310cm3/cm2・minであった。
【0091】比較例3のドライヤーカンバスは、広幅、
高速の抄紙機乾燥部に従来より使用実績の豊富なカンバ
スである。
【0092】(比較例4)比較例4のドライヤーカンバ
ス330を、表6に示す仕様と図7に示す織組織に基づ
いて製作した。すなわち、経糸101に寸法が厚さ0.
3mm×幅0.55mmの断面四角形ポリエステルモノ
フィラメント、緯糸102に寸法が直径0.7mm、乾
熱収縮率が160℃で12.1%、180℃で19.0
%の乾熱収縮率の高い断面円形ポリエステルモノフィラ
メントを用い、接紙面側が2/2破れ斜文、反紙紙面側
が3/1破れ斜文の緯2重織組織で、経糸充填率11
5.1%、緯糸密度16.9本×2/2.54cmに製
作した。製作したドライヤーカンバスは、厚さ1.80
mm、厚さ方向の寸法低減率90.0%、通気度6,0
70cm3/cm2・minであった。
【0093】比較例4のドライヤーカンバスは、広幅、
高速の抄紙機乾燥部に従来より使用実績の豊富なカンバ
スである。
【0094】(流れ方向および幅方向の剛性の確認)上
記の実施例1〜11及び比較例1〜4のドライヤーカン
バスのカンバス流れ方向(経糸方向)およびカンバス幅
方向(緯糸方向)の剛性を前記の図3に示す3点曲げ剛
性の試験装置により確認した。測定は、各カンバスにつ
いてサンプル数3にて行い、測定結果を表7に示した。
【0095】各表において、3点曲げ剛性のPS(若し
くはBS)とは、試料に加重を掛けて引っ張り上げる方
向がPS(若しくはBS)の場合をPS(若しくはB
S)と表現する。したがって、カンバス使用時にシリン
ダー上で湿紙に押圧している状態は、前記のBS方向に
加重を掛けて引っ張り上げる場合に相当する。
【0096】経糸方向の3点曲げ剛性の測定結果は、荷
重方向がPSの場合には、実施例1で86.4cN/3
cm、実施例2で81.2cN/3cm、実施例3で7
9.7cN/3cm、実施例4で92.2cN/3c
m、実施例5で100.8cN/3cm、実施例6で1
09.8cN/3cm、実施例7で52.6cN/3c
m、実施例8で95.0cN/3cm、実施例9で9
5.1cN/3cm、実施例10で83.8cN/3c
m、実施例11で108.2cN/3cmであった。一
方、比較例1では150.0cN/3cm、比較例2で
は99.3cN/3cm、比較例3では101.5cN
/3cm、比較例4では106.8cN/3cmであっ
た。
【0097】また、荷重方向がBSの場合には、実施例
1で80.4cN/3cm、実施例2で81.1cN/
3cm、実施例3で74.8cN/3cm、実施例4で
92.7cN/3cm、実施例5で95.4cN/3c
m、実施例6で105.3cN/3cm、実施例7で5
2.0cN/3cm、実施例8で88.4cN/3c
m、実施例9で95.0cN/3cm、実施例10で8
2.1cN/3cm、実施例11で106.0cN/3
cmであった。一方、比較例1では116.7cN/3
cm、比較例2では76.2cN/3cm、比較例3で
は85.5cN/3cm、比較例4では90.0cN/
3cmであった。
【0098】したがって、経糸方向の3点曲げ剛性が、
緯2重の斜文織組織では110cN/3cm以下、緯1
重の斜文織組織では110cN/3cm以下であり、経
糸方向の柔軟性が良好であることが確認された。更に、
経糸のカンバス厚さ方向の寸法が実施例と同値の断面円
形および断面四角形のポリエステルモノフィラメントを
経糸に用いた従来のカンバス(比較例2、3、4)と、
それらと同等の通気度を有する実施例2、1、3、4を
比較した場合、経糸方向の柔軟性が極めて良好であるこ
とが判った。
【0099】次に、緯糸方向の3点曲げ剛性の測定結果
は、荷重方向がPSの場合には、実施例1で930.3
cN/3cm、実施例2で875.5cN/3cm、実
施例3で964.2cN/3cm、実施例4で107
0.7cN/3cm、実施例5で1180.3cN/3
cm、実施例6で1284.8cN/3cm、実施例7
で502.9cN/3cm、実施例8で837.3cN
/3cm、実施例9で601.8cN/3cm、実施例
10で501.2cN/3cm、実施例11で785.
4cN/3cmであった。一方、比較例1では627.
1cN/3cm、比較例2では661.9cN/3c
m、比較例3では888.9cN/3cm、比較例4で
は830.7cN/3cmであった。
【0100】また、荷重方向がBSの場合には、実施例
1で924.7cN/3cm、実施例2で876.3c
N/3cm、実施例3で969.9cN/3cm、実施
例4で1068.7cN/3cm、実施例5で112
9.7cN/3cm、実施例6で1282.4cN/3
cm、実施例7で501.4cN/3cm、実施例8で
832.2cN/3cm、実施例9で601.7cN/
3cm、実施例10で500.5cN/3cm、実施例
11で769.7cN/3cmであった。一方、比較例
1では665.1cN/3cm、比較例2では668.
0cN/3cm、比較例3では930.8cN/3c
m、比較例4では869.9cN/3cmであった。
【0101】したがって、緯糸方向の3点曲げ剛性が、
緯2重の斜文織組織では500cN/3cm以上、緯1
重の斜文織組織では500cN/3cm以上であり、緯
糸方向の剛性が高いことが確認された。更に、経糸およ
び緯糸に断面円形のポリエステルモノフィラメントを用
いた従来のカンバス(比較例1、2)の緯糸方向の3点
曲げ剛性を、それらと同等の通気度を有する実施例1、
2が大幅に上回ることが確認された。また、経糸のカン
バス厚さ方向の寸法および緯糸の直径寸法が実施例と同
じ寸法の従来のカンバス(比較例4)と、それと同等の
通気度を有する実施例3、4を比較した場合、緯糸方向
の3点曲げ剛性が極めて良好であることが判った。
【0102】尚、比較例3、4のドライヤーカンバス
は、広幅、高速の抄紙機乾燥部に従来より使用実績の豊
富なカンバスである。
【0103】(走行安定性の評価)上記の実施例1〜1
1及び比較例1〜4のドライヤーカンバスの加熱前およ
び加熱後のズレ角度を前記の図4に示すズレ角度の測定
装置により測定して、カンバス走行時の織組織のズレを
推定し、カンバスの走行安定性を評価した。測定は、各
カンバスについてサンプル数3にて行い、測定結果を表
8に示した。
【0104】加熱前のズレ角度は、実施例1で2.10
°、実施例2で1.70°、実施例3で1.35°、実
施例4で1.02°、実施例5で0.60°、実施例6
で0.51°、実施例7で2.15°、実施例8で2.
21°、実施例9で1.52°、実施例10で1.83
°、実施例11で1.48°であった。一方、比較例1
では2.16°、比較例2では1.00°、比較例3で
は2.01°、比較例4では1.00°であった。
【0105】加熱後のズレ角度は、実施例1で5.08
°、実施例2で3.97°、実施例3で2.72°、実
施例4で2.37°、実施例5で1.49°、実施例6
で1.22°、実施例7で4.71°、実施例8で5.
33°、実施例9で2.49°、実施例10で2.85
°、実施例11で2.33°であった。一方、比較例1
では4.78°、比較例2では2.58°、比較例3で
は5.33°、比較例4では2.59°であった。
【0106】したがって、経糸のカンバス厚さ方向寸法
が実施例と同じ寸法を有する断面四角形モノフィラメン
トを経糸に用いた従来のカンバス(比較例3、4)と、
それらと同等の通気度を有する実施例1、4を比較した
場合、加熱前および加熱後のズレ角度は共に、従来の断
面四角形モノフィラメントより成るカンバスとほぼ同等
若しくはより小さな値となっており、カンバスの走行安
定性が維持若しくは改善されることが判った。
【0107】尚、比較例3、4のドライヤーカンバス
は、広幅、高速の抄紙機乾燥部に従来より使用実績の豊
富なカンバスである。
【0108】(流れ方向および幅方向の表面平滑性の評
価)上記の実施例1〜6及び比較例1〜4のドライヤー
カンバスの流れ方向(経糸方向)および幅方向(緯糸方
向)の静摩擦係数および動摩擦係数を前記の図5に示す
測定装置により測定して、流れ方向および幅方向の表面
平滑性を評価した。測定は、各カンバスについてサンプ
ル数3にて行い、測定結果を表9に示した。
【0109】経糸方向の静摩擦係数は、実施例1で0.
176、実施例2で0.176、実施例3で0.18
2、実施例4で0.166、実施例5で0.165、実
施例6で0.162であった。一方、比較例1では0.
195、比較例2では0.203、比較例3では0.2
01、比較例4では0.202であった。
【0110】経糸方向の動摩擦係数は、実施例1で0.
259、実施例2で0.278、実施例3で0.28
3、実施例4で0.256、実施例5で0.251、実
施例6で0.250であった。一方、比較例1では0.
261、比較例2では0.294、比較例3では0.2
90、比較例4では0.288であった。
【0111】また、緯糸方向の静摩擦係数は、実施例1
で0.179、実施例2で0.178、実施例3で0.
182、実施例4で0.176、実施例5で0.17
0、実施例6で0.167であった。一方、比較例1で
は0.189、比較例2では0.214、比較例3では
0.207、比較例4では0.202であった。
【0112】また、緯糸方向の動摩擦係数は、実施例1
で0.288、実施例2で0.270、実施例3で0.
251、実施例4で0.251、実施例5で0.25
7、実施例6で0.238であった。一方、比較例1で
は0.243、比較例2では0.275、比較例3では
0.319、比較例4では0.314であった。
【0113】したがって、経糸に細径の円形断面ポリエ
ステルモノフィラメントを高密度に配した、高度な品位
水準が要求される用途に適する従来のカンバス(比較例
2)に対して、通気度が同水準の実施例2を比較した場
合、カンバスの流れ方向(経糸方向)の静摩擦係数およ
び動摩擦係数共、およびカンバスの幅方向(緯糸方向)
の静摩擦係数および動摩擦係数共に、極めて良好な結果
であり、実施例は、カンバスの流れ方向、幅方向の両方
向で優れた表面平滑性を有することが判った。また、経
糸に断面四角形ポリエステルモノフィラメントを配し
た、表面平滑性が良好な従来のカンバス(比較例3、
4)に対して、それらと通気度が同等の実施例1、3、
4を比較した場合にも、カンバスの流れ方向(経糸方
向)の静摩擦係数および動摩擦係数共、およびカンバス
の幅方向(緯糸方向)の静摩擦係数および動摩擦係数共
に、極めて良好な結果であり、実施例は、流れ方向、幅
方向の両方向で優れた表面平滑性を有するカンバスであ
ることが確認された。
【0114】
【表1】
【0115】
【表2】
【0116】
【表3】
【0117】
【表4】
【0118】
【表5】
【0119】
【表6】
【0120】
【表7】
【0121】
【表8】
【0122】
【表9】
【0123】
【発明の効果】本発明に因れば、合成繊維織物より成る
製紙用ドライヤーカンバスにおいて、経糸に断面楕円形
状のモノフィラメントをその長径方向がカンバス幅方向
となる様に配設して用い、経糸充填率が100%〜17
5%という高い範囲内としたので、更には、織物を構成
する少なくとも一層の緯糸に乾熱収縮率の高いモノフィ
ラメントを用いて、経糸の充填率を130%〜175%
の範囲内としたので、例えば上質紙や塗工用原紙の抄紙
のような高度な品位水準が要求される用途において好適
に使用でき、それら用途の抄紙機乾燥部のうち湿紙水分
率の比較的高い前群において特に好適に使用できる極め
て良好な表面平滑性と経糸方向での柔軟性を有し、且
つ、緯糸方向の充分な剛性を兼ね備えた製紙用ドライヤ
ーカンバスを実現することが出来る。
【0124】更に、シングルランのカンバス方式やシリ
ンダーが単列配置された形式の乾燥部に適用可能な厚さ
も達成可能であると同時に、広幅・高速の抄紙機にも適
用可能な優れた寸法安定性や走行安定性、並びに広い通
気度調整範囲を有する製紙用ドライヤーカンバスを実現
することが出来る。
【0125】また、従来よりの経糸及び緯糸がモノフィ
ラメントで構成されたドライヤーカンバスでは達成が困
難であった、1,095cm3/cm2・minの低い通
気度も達成することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用し得るカンバス織組織例を示すも
ので、(A)(B)は緯2重の斜文織組織図、(C)
(D)は緯1重の斜文織組織図であり、何れも経糸が長
浮きする組織を示す。
【図2】(A)(B)(C)は本発明で用いるモノフィ
ラメントの断面略楕円形の形状例を示す断面図。
【図3】カンバス試料の3点曲げ剛性測定装置の説明
図。
【図4】(A)はカンバス試料のズレ角度測定装置にお
ける測定指針部の拡大説明図、(B)(C)はカンバス
試料のズレ角度測定装置の測定前後の状態図。
【図5】カンバス試料の静摩擦係数及び動摩擦係数の測
定装置の説明図。
【図6】(A)は従来の断面四角形のモノフィラメント
をカンバス経糸に用いた場合の問題点を示す断面図、
(B)は本発明の断面楕円形のモノフィラメントをカン
バス経糸に用いた場合の利点を示す断面図。
【図7】本発明の実施例及び比較例に用いた緯2重織組
織のカンバス組織図。
【図8】(A)(B)は本発明の実施例に用いた緯1重
織組織のカンバス組織図。
【符号の説明】
10、100、110、120、130、140、15
0、160、170、180、190、200、30
0、310、320、330・・ドライヤーカンバス 11、101、181、191・・経糸 12、102、182、192・・緯糸 13・・接紙面側 14・・反接紙面側 20・・楕円形 22、24・・略楕円形 23・・直線部 25・・円弧状の角落し部 70・・経糸 71・・カンバス表面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4L048 AA19 AA20 AA37 AA50 AB10 BA01 BA02 BA11 BC00 CA11 CA15 DA39 4L055 CF27 CF28 CF30 EA15 EA19 FA14 GA17 GA19

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成繊維織物より成る製紙用ドライヤー
    カンバスであって、経糸に断面楕円形状のモノフィラメ
    ントをその長径方向がカンバス幅方向となる様に配設し
    て用い、経糸充填率が100%〜175%の範囲内とし
    たことを特徴とする製紙用ドライヤーカンバス。
  2. 【請求項2】 前記織物を構成する少なくとも一層の緯
    糸に乾熱収縮率の高いモノフィラメントを用いて、経糸
    の充填率を130%〜175%の範囲内にしたことを特
    徴とする請求項1記載の製紙用ドライヤーカンバス。
  3. 【請求項3】 前記織物が、少なくとも接紙面側表面の
    経糸が長浮きする緯2重の斜文織組織から成る織成布で
    あり、経糸に、短径×長径が0.25mm〜0.35m
    m×0.40mm〜0.70mmの範囲内、短径と長径
    の比が1:1.6〜1:2の範囲内にある断面楕円形状
    のモノフィラメントを用いたことを特徴とする請求項1
    又は2に記載の製紙用ドライヤーカンバス。
  4. 【請求項4】 接紙面側緯糸および反接紙面側緯糸が、
    それぞれ、直径が0.4mm〜0.8mmの範囲内にあ
    る断面円形モノフィラメントであって、且つ、緯糸密度
    が15本×2/2.54cm〜48本×2/2.54c
    mの範囲内にあることを特徴とする請求項3記載の製紙
    用ドライヤーカンバス。
  5. 【請求項5】 経糸および緯糸をポリエステルモノフィ
    ラメントを用いて織成し、カンバス厚さ方向の寸法低減
    率が82.0%〜90.0%の範囲内であり、且つ、カ
    ンバスの厚さが1.23mm〜1.8mmの範囲内であ
    ることを特徴とする請求項1〜4何れかに記載の製紙用
    ドライヤーカンバス。
  6. 【請求項6】 経糸および緯糸をPPSモノフィラメン
    トを用いて織成し、カンバス厚さ方向の寸法低減率が8
    4.0%〜92.0%の範囲内であり、且つ、カンバス
    の厚さが1.26mm〜1.85mmの範囲内であるこ
    とを特徴とする請求項1〜4何れかに記載の製紙用ドラ
    イヤーカンバス。
  7. 【請求項7】 前記織物が、少なくとも接紙面側表面の
    経糸が長浮きする緯1重の斜文織組織から成る織成布で
    あり、経糸に、短径×長径が0.25mm〜0.35m
    m×0.40mm〜0.70mmの範囲内、短径と長径
    の比が1:1.6〜1:2の範囲内にある断面楕円形状
    のモノフィラメントを用いたことを特徴とする請求項1
    〜2何れかに記載の製紙用ドライヤーカンバス。
  8. 【請求項8】 緯糸が、それぞれ、直径が0.6mm〜
    1mmの範囲内にある断面円形モノフィラメントであっ
    て、且つ、緯糸密度が15本/2.54cm〜35本/
    2.54cmの範囲内にあることを特徴とする請求項7
    記載の製紙用ドライヤーカンバス。
  9. 【請求項9】 経糸および緯糸をポリエステルモノフィ
    ラメントを用いて織成し、カンバス厚さ方向の寸法低減
    率が90.5%〜95.0%の範囲内であり、且つ、カ
    ンバスの厚さが1.0mm〜1.61mmの範囲内であ
    ることを特徴とする請求項1、2、7及び8何れかに記
    載の製紙用ドライヤーカンバス。
  10. 【請求項10】 経糸および緯糸をPPSモノフィラメ
    ントを用いて織成し、カンバス厚さ方向の寸法低減率が
    93.6%〜97.0%の範囲内であり、且つ、カンバ
    スの厚さが1.03mm〜1.65mmの範囲内である
    ことを特徴とする請求項1、2、7及び8何れかに記載
    の製紙用ドライヤーカンバス。
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