JP2002151715A - 薄膜太陽電池 - Google Patents

薄膜太陽電池

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JP2002151715A
JP2002151715A JP2000339960A JP2000339960A JP2002151715A JP 2002151715 A JP2002151715 A JP 2002151715A JP 2000339960 A JP2000339960 A JP 2000339960A JP 2000339960 A JP2000339960 A JP 2000339960A JP 2002151715 A JP2002151715 A JP 2002151715A
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JP
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substrate
crystalline semiconductor
solar cell
thin
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JP2000339960A
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Kenji Wada
健司 和田
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Sharp Corp
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    • Y02E10/548Amorphous silicon PV cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】 結晶質半導体中の欠陥密度が少なく,しかも
基板基板表面凹凸による光閉込効果が十分に得られる結
晶質半導体薄膜太陽電池を提供する。 【解決手段】 凹凸大きさRと凹凸間隔Lとの比R/L
が0.1から1.5の範囲にあるテクスチャー構造を有
している基板を用いる。該基板上に,チャネリング粒子
が多い条件で第1導電型シリコン結晶質半導体層および
真性シリコン結晶質半導体層を形成する。こうして形成
された薄膜太陽電池の光電変換素子構造は基板に垂直な
方向に柱状に成長している結晶質半導体層により形成さ
れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高い光電変換効率を
有する薄膜太陽電池に関する。
【0002】
【従来の技術】将来の需給が懸念され、かつ地球温暖化
現象の原因となる二酸化炭素排出の問題がある石油等の
化石燃料の代替エネルギー源として太陽電池が注目され
ている。
【0003】この太陽電池は光エネルギーを電力に変換
する光電変換層にpn接合を用いており、このpn接合
を構成する半導体として一般的にはシリコンが最もよく
用いられている。光電変換効率の点からは単結晶シリコ
ンを用いることが好ましいが原料供給や大面積化、低コ
スト化の問題が有る。
【0004】一方、大面積化および低コスト化を実現す
るのに有利な材料としてアモルファスシリコンを光電変
換層とした薄膜太陽電池も実用化されているが、その光
電変換効率は単結晶シリコン太陽電池と比較して劣る。
さらにアモルファスシリコンには光を照射するにつれて
膜中の欠陥密度が増加するStaebler−Wron
ski効果と呼ばれる現象が生じるため、アモルファス
シリコン太陽電池には光電変換効率の経時劣化という問
題が避けられない。
【0005】そこで近年、単結晶シリコン太陽電池レベ
ルの高くて安定な光電変換効率と、アモルファスシリコ
ン太陽電池レベルの大面積化、低コスト化を兼ね備えた
太陽電池を実現するために、結晶質シリコンの光電変換
層への使用が検討されている。特にアモルファスシリコ
ンの場合と同様の化学的気相成長法(以下、CVD法と
する)による薄膜形成技術を用いて、結晶質シリコン薄
膜を形成した薄膜太陽電池(以下、結晶質シリコン薄膜
太陽電池とする)が注目されている。
【0006】ところが現在までのところ、精力的な研究
開発が行われているにも関わらず、上記の方法により作
製された結晶質シリコン薄膜太陽電池の光電変換効率
は、アモルファスシリコン太陽電池の光電変換効率と比
較して同等レベルでしかない。その大きな要因として、
得られた結晶質シリコン層中の欠陥密度が高いことが挙
げられる。欠陥密度を低減させるには、結晶粒径を増大
させることが有効である。また膜厚方向にキャリアが流
れる構造となる太陽電池においては、多結晶粒の存在形
態としては膜厚方向を横切るような粒界が存在しない構
造、すなわち膜厚方向に対し結晶粒が柱状に成長した構
造が望ましく、膜厚方向に対し結晶方位が揃っている場
合にそのような構造が得られやすい。
【0007】結晶粒径の大きな結晶質シリコン薄膜を得
る試みは様々な手法で行われている。例えば、基板上に
CVD法等により形成した非晶質シリコン薄膜にレーザ
ー光を照射して溶融させた後、凝固により多結晶シリコ
ン薄膜を得る、いわゆるレーザーアニール法が知られて
いる。また非晶質シリコン膜の一部分にリンあるいはボ
ロン等をドーピングすることにより、選択的に固相成長
による結晶化を開始させる、いわゆるパーシャルドーピ
ング法が知られている。ところが、上述のような方法に
は高い装置コストが必要であったり、数十時間もの熱処
理時間を要する等、実用に供する上で困難な問題が存在
する。
【0008】一方、膜厚方向に対し結晶方位が揃ってい
る結晶シリコン薄膜を得る試みも様々な手法で行われて
いる。例えば、特開平7−240531号公報には、半
導体薄膜の堆積中あるいは堆積後に不活性ガスビームを
複数の方向から照射することを特徴とする太陽電池およ
び多層薄膜の製造方法が示されている。該方法による
と、チャネリングビームとなる不活性ガスビームの照射
方向に結晶シリコンの最稠密方向である<111>方向
が揃ったシリコン薄膜が得られるとしている。また特開
平11−278988号公報には、シリコン膜堆積中に
基板に垂直な方向からSiH3ビームを照射し、基板に
平行な方向からHビームを照射することを特徴とする単
結晶薄膜の製造方法が示されている。該方法によると、
分子量が大きいので非チャネリングビームとなるSiH
3ビームの照射方向である基板表面に垂直な方向に結晶
シリコンの最稠密方向である<111>方向が揃い、分
子量が小さいのでチャネリングビームとなるHビームの
照射方向に結晶シリコンの<110>方向が揃うことに
より、単結晶のシリコン薄膜が得られるとしている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】結晶質シリコン薄膜太
陽電池が注目されているのは、素子構造がアモルファス
シリコン太陽電池と同様のものとすることができるの
で、素子を構成する部材や製造プロセスの大部分を流用
できると考えられるからである。ところが、H.Yam
amoto et al,PVSEC−11,Sapp
oro,Japan,1999において、ガラス上に酸
化錫を積層した表面凹凸によるテクスチャー構造を有す
る基板上にプラズマCVD法により微結晶シリコンを形
成した場合、図2に示すように、個々の凹凸表面に垂直
な方向にシリコンの結晶粒が優先的に成長し、異なる凹
凸表面から成長した互いに結晶方位の異なる結晶粒同士
がぶつかることで多量の欠陥が発生することが報告され
た。非晶質半導体層ではなく結晶質半導体層であること
に起因するこのような欠陥は、キャリアの再結合中心と
なるため光電変換効率を著しく劣化させるので、極力排
除されなければならない。H.Yamamotoらは、
表面凹凸を有する酸化錫の上にさらに酸化亜鉛を厚く積
層することで凹凸大きさを小さくした場合、酸化錫の場
合と同様に酸化亜鉛の表面に垂直な方向にシリコン結晶
粒が成長し、異なる凹凸表面から成長した結晶粒同士は
ぶつかるがそれらの方位差が小さいため、発生する欠陥
が少なくなることも同時に報告した。しかるに、結晶質
半導体層中の欠陥を低減するためには基板の表面凹凸を
できるだけ小さくすればよいのは明らかである。
【0010】しかしながら、特許第1681183号公
報に示されている通り、表面凹凸を有する透明導電膜に
は,光の乱反射を生じさせ、シリコン膜中における光路
長を大きくするので光吸収により発生する電流値を増大
させる、いわゆる光閉込効果という重要な機能がある。
さらに光閉込効果は光電変換効率の向上により光電変換
層を薄くできるので、製膜工程を短時間化できるという
利点も産み出す。このことは光吸収特性の違いからアモ
ルファスシリコン太陽電池の数倍もの光電変換層厚さを
要求される結晶質シリコン薄膜太陽電池において、スル
ープットの大幅な向上をもたらすことになる。したがっ
て、表面凹凸をなくす、あるいは小さくすることは回避
すべきである。
【0011】ところが現状のところ、結晶質シリコン薄
膜太陽電池の高効率化を図る上で重要な要素である、結
晶質シリコン薄膜中の欠陥密度低減と凹凸表面による光
閉込効果とは両立させることが非常に困難であり、解決
されていない。例えば、先述した特開平7−24053
1号公報または特開平11−278988号公報に示さ
れている結晶シリコン薄膜の製造方法を用いることで膜
中欠陥密度の小さいシリコン薄膜が作製できるが、シリ
コン薄膜を形成する基板が実質上平坦であるため、光閉
込効果を発現することができないので高効率化には限界
があることが明らかである。
【0012】それから、特開平10−150209号公
報には、基板の法線方向と柱状結晶粒の長手方向あるい
は凹凸表面の法線方向との関係がある範囲内に規定され
ていることを特徴とする光電変換素子が開示されている
が、基板の法線方向と柱状結晶粒の長手方向が小さくな
い傾きを持つ限りは前述した欠陥の発生は不可避であ
る。さらに、特開平10−117006号公報、特開平
10−294481号公報、特開平11−214728
号公報、特開平11−266027号公報、特開200
0−58892号公報には、表面を凹凸化した裏面電極
上に多結晶シリコン層から成る光電変換層を有する下部
光電変換素子を形成しており、該多結晶シリコン層が基
板表面に平行な(110)の優先結晶配向面を有する薄
膜太陽電池が示されているが、凹凸形状を有する裏面電
極表面近傍での多結晶シリコン層形成にあたっては、前
述した多結晶シリコンの成長挙動について全く考慮され
ていないため、欠陥の発生が避けられないのは明らかで
ある。
【0013】本発明の目的は、十分な光閉込効果を有し
つつ、欠陥密度の増大が抑制された結晶質半導体層を有
する、高効率な薄膜太陽電池を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明による薄膜太陽電
池は、基板と、基板上に順に積層された第1導電型結晶
質半導体層、真性結晶質半導体層および第2導電型半導
体層からなる光電変換素子構造とを備える。本発明にお
いて、光電変換素子構造を支持する基板の表面は、凹凸
間隔Lに対する凹凸大きさRの比R/Lが0.1〜1.
5の範囲にあるような凹凸によるテクスチャー構造を有
している。本発明において、第1導電型結晶質半導体層
および真性結晶質半導体層は、基板に垂直な方向に柱状
に成長している結晶粒により主として構成されている。
【0015】本発明において、第1導電型結晶質半導体
層は1nm以上200nm未満の厚みを有することが好
ましい。また、基板の表面から高さ200nmまでの部
分において、基板に垂直な方向に柱状に成長している結
晶粒は、当該部分における結晶粒全体の少なくとも50
%以上を占め、かつ基板に垂直な方向に100nm以上
の長さを有することが好ましい。
【0016】本発明において、第1導電型結晶質半導体
層は1nm以上100nm以下の厚みを有することが好
ましい。
【0017】本発明において、基板は、主として酸化亜
鉛からなる透明電極部を表面部として有するものである
ことが好ましい。
【0018】本発明において、第1導電型結晶質半導体
層および真性結晶質半導体層は、主としてシリコンから
成ることが好ましく、第1導電型結晶質半導体層および
真性結晶質半導体層において基板に平行に配向する結晶
面は主として(110)であることが好ましい。
【0019】本発明において、主としてシリコンから成
る真性結晶質半導体層について得られる、(220)面
のX線回折ピークの積分強度I220と(111)面のX
線回折ピークの積分強度I111との比I220/I111が3
以上であることが好ましい。
【0020】本発明において、主としてシリコンから成
る第1導電型結晶質半導体層はホウ素を不純物として含
有することが好ましい。
【0021】なお、本明細書において、特に言及しない
限り、「結晶質半導体層」という用語は、方位の異なる
複数の結晶粒を構成要素として含むあらゆる形態の半導
体層を包含する。したがって、「結晶質半導体層」とい
う用語は、たとえば、複数の結晶子の集合体である半導
体層のみならず、微結晶あるいはマイクロクリスタルと
呼ばれる結晶成分と非晶質成分が混在した状態の半導体
層も含む。
【0022】本発明による薄膜太陽電池において、半導
体層を支持する基板表面には凹凸によるテクスチャー構
造が設けられている。この凹凸の大きさは代表的には
0.01〜10μm、より好ましくは0.05〜2μm
の範囲であり、目視ではその凹凸形状を判別できない。
すなわち、目視では当該基板表面は平滑な面として認識
される。そこで、本明細書において「基板に垂直」ある
いは「基板に平行」というとき、特に断りのない限り、
「垂直」および「平行」の基準は、この目視により平滑
であるとみなされる基板面(巨視的基板面)である。
【0023】一方、微視的にみれば、半導体層を支持す
る基板表面は凹凸によるテクスチャー構造を形成してい
る。この凹凸形状は、原子間力顕微鏡により測定するこ
とができ、凹凸大きさRおよび凹凸間隔Lは次のように
定義される。すなわち、基板表面の任意の領域におい
て、原子間力顕微鏡により長さ5μmにわたって表面凹
凸形状の線測定を行い、測定により得られた表面形状波
形について、日本工業規格JISB0602−1994
で規定された表面凹凸の算術平均値Raを凹凸大きさR
とし、日本工業規格JISB0602−1994で規定
された表面凹凸の平均間隔Smを凹凸間隔Lとする。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明者は、平滑な表面を有する
ガラス板に被覆された酸化亜鉛をエッチングすることで
凹凸大きさRと凹凸間隔Lとの比R/Lを適宜変化させ
た基板上に、プラズマCVD法によりシリコン結晶質半
導体層を形成する検討を行った。その結果、チャネリン
グ粒子が少ない条件においては、図6の曲線61に示す
ように、R/Lの平均値が小さい、言い換えれば表面凹
凸が小さい場合のみシリコン結晶質半導体層の配向性を
強めることができるのに対して、チャネリング粒子が多
い条件においては、図6の曲線62に示すように、R/
Lの平均値が小さい場合、すなわち表面凹凸が小さい場
合だけでなく、R/Lが0.1〜1.5の範囲にある場
合に、(220)面のX線回折ピークの積分強度I220
と(111)面のX線回折ピークの積分強度I111との
比I220/I111を3以上とすることが可能であることを
発見した。
【0025】この発見により初めて、光閉込効果による
光吸収量の増大と、結晶質半導体層中の欠陥が増大しな
いことによる膜厚方向に対する良好なキャリア輸送特性
との両立が可能となり、高い光電変換効率を有する薄膜
太陽電池が実現できた。
【0026】本発明の薄膜太陽電池に用いる基板材料と
しては、ガラス、金属、あるいはポリイミドやポリビニ
ルといった200℃程度の耐熱性を有する樹脂、さらに
はそれらが積層されたもの等、種々のものが使用でき
る。さらには、それらの表面に金属膜、透明導電膜、あ
るいは絶縁膜等を被覆したものも含まれる。また、基板
厚さは特に限定されるものではないが、構造を支持し得
るよう適当な強度や重量を有するように、例えば0.1
〜30mm程度である。
【0027】基板の表面に凹凸を設ける手段としては、
例えば、平滑な表面を有する基板上に、堆積すると同時
に表面に凹凸が形成されるような膜を形成してもよい。
該表面に凹凸が形成される膜は基板と同じ材料であって
も、または異なる材料であっても構わない。また、基板
表面に対してサンドブラストのような機械加工、あるい
はエッチングといった化学的加工処理を行うことでも凹
凸の形成は可能である。
【0028】本発明の薄膜太陽電池は、凹凸間隔Lに対
する凹凸大きさRの比R/Lが0.1〜1.5の範囲に
あるような凹凸によるテクスチャー構造を有する基板、
ならびに図1に示すような、テクスチャーを有する基板
上においても、基板に垂直な方向に柱状に成長している
結晶粒により主として構成されている第1導電型結晶質
半導体層および真性結晶質半導体層を有するので、十分
な光閉込効果を生じさせるとともに、光電変換素子構造
中の欠陥増大を抑制し、高い光電変換効率をもたらすこ
とができる。なお光閉込効果を向上させるためにはR/
Lの値が大きい方が望ましく、光電変換素子中の欠陥増
大を抑制するためにはR/Lの値が小さい方が望まし
い。したがって、この両者を満足させることのできる凹
凸テクスチャー構造としては、R/Lの値が0.2〜
1.2の範囲にあるものが好ましく、0.25〜0.8
の範囲にあるものがより好ましい。
【0029】そして、第1導電型結晶質半導体層が1n
m以上200nm未満の厚みを有し、基板の表面から高
さ200nmまでの部分において、基板に垂直な方向に
柱状に成長している結晶粒が、当該部分における結晶粒
全体の少なくとも50%以上を占め、かつ基板に垂直な
方向に100nm以上の長さを有する場合には、同一の
結晶粒内に第1導電型結晶質半導体層と真性結晶質半導
体層との接合界面が形成されている傾向が強く、特に好
ましい。
【0030】さらには、第1導電型結晶質半導体層の膜
厚を1nm以上100nm以下とすることにより、直列
抵抗の低減、または導電型層における光吸収量の低減と
いった効果が得られるので光電変換効率の向上に効果的
である。
【0031】太陽電池用基板は、電極に用いるための導
電性膜で被覆されていることが多い。そのような導電性
膜は、基板表面の凹凸テクスチャーを形成することがで
きる。そのような導電性膜には、蒸着法等の公知技術に
より形成し得るAg、Al、Ti、Pd等の可視光反射
率の高い金属およびその合金を用いることもできる。し
かしながら、透明導電膜を用いることで、光閉込効果を
高めることが可能であり、さらには、基板に含まれてい
る不純物が光電変換部を形成する際に光電変換部へ取り
込まれることを防止することもできるので、特に好まし
い。また、透明導電膜は必ずしも単独で用いられる必要
はなく、例えば金属膜と光電変換部との間に挿入されて
いてもよい。
【0032】これらの透明導電膜は、例えばスパッタリ
ング法、常圧CVD法、減圧CVD法、電子ビーム蒸着
法、ゾルゲル法、電析法等の公知の方法により作製でき
る。その中でも特に、スパッタリング法は、透明導電膜
の透過率や抵抗率を薄膜太陽電池に適したものに制御す
ることが容易であるので望ましい。
【0033】なお、これらの透明導電膜中に微量の不純
物が添加されていてもよい。例えば、酸化亜鉛の場合で
は、5×1020〜5×1021cm-3程度のガリウムやア
ルミニウムといった第3B族元素あるいは銅のような第
1B族元素が含有されることにより抵抗率が低減するの
で、電極として使用するのに好ましい。また、これらの
透明導電膜の厚さは薄すぎると特性の均一性に問題が生
じ、厚すぎると透過率の減少による光電変換効率の低下
やコストの増大を引き起こすため、好ましくは0.1〜
2μm程度である。
【0034】透明導電膜は広く用いられている酸化錫、
酸化インジウムあるいはITOといった材料を用いても
よい。しかしながら、主として酸化亜鉛から成る材料に
は、安価である、耐プラズマ性が高く変質しにくいとい
う利点があるので、透明電極部として用いるのに好まし
い。
【0035】一方、巨視的基板面の法線方向に対する第
1導電型シリコン結晶質半導体層の優先配向面を(11
0)とすることで、その上に形成される真性シリコン結
晶質半導体層の優先配向面を(110)とすることがで
きる。そうすると、優先配向面が(111)や(10
0)である場合のように、シリコン層形成の際にシリコ
ン層がエッチングされる傾向が強く、膜損傷の恐れがあ
り形成速度が遅くなる条件を用いることなく真性シリコ
ン結晶質半導体層を形成できるので、高効率な薄膜太陽
電池を短時間で安定に製造することが可能となる。特
に、基板表面に接している第1導電型シリコン結晶質半
導体層の上に形成された真性シリコン結晶質半導体層の
(220)X線回折ピークの積分強度I220と(11
1)X線回折ピークの積分強度I111の比I220/I111
が3以上、より好ましくは5以上である場合に、良好な
光電変換特性が得られる。
【0036】また、第1導電型シリコン結晶質半導体層
がホウ素を不純物として含有する場合は、特に(11
0)配向の傾向が強くなるので望ましい。その理由は明
らかではないが、参考文献(1)〜(4)には、面方位
が(100)あるいは(111)である単結晶シリコン
の表面にボロンが存在するとシリコンの反応性が低下す
るという報告があり、同様の現象により(100)ある
いは(111)が基板に平行となる結晶粒の成長が抑制
されるためであると考えられる。ホウ素の含有量として
0.01〜10原子%の範囲であれば、(110)配向
が強められる効果が得られる。より好ましくは0.05
〜9原子%、最も好ましくは0.2〜8原子%である。
【0037】以下、実施例により本発明をさらに説明す
る。
【0038】実施例1 図3に作製した薄膜太陽電池の構造を示す。平滑な表面
を有するガラス板31a上にテクスチャー構造を有する
酸化錫31bを形成した上に、通常の電子ビーム蒸着法
により厚さ50nmの酸化亜鉛層31cを形成したもの
を基板31として用いた。原子間力顕微鏡により測定し
た基板表面の凹凸大きさRと凹凸間隔Lとの比R/Lは
0.8であった。
【0039】続いて、該基板31の上にp型シリコン結
晶質半導体層32、i型シリコン結晶質半導体層33、
n型シリコン半導体層34を高周波プラズマCVDによ
り順に形成した。プラズマCVD装置は前記各層ごとの
形成室が設けられており、各形成室およびロードロック
室間は真空を破ることなく基板を搬送できるようになっ
ている。各形成室内部には平行平板型の電極が設けられ
ている。電極は、カソード電極とそれに対向するアノー
ド電極からなる。カソード電極にプラズマ励起用高周波
電力が導入される。各形成室において、基板は、温度制
御機能を有するアノード電極側に、テクスチャー構造を
有する表面側がカソード電極に対向するように設置され
る。
【0040】基板表面に直接形成されるp型シリコン結
晶質半導体層32の形成条件は以下のとおりである。原
料ガスはSiH4、H2およびB26の混合ガスとした。
ガス混合比はp型シリコン結晶質半導体層中のボロン濃
度が0.8原子%となるように調整した。投入する高周
波の周波数は40.68MHz、形成室圧力は25P
a、基板温度は150℃とした。また、膜厚は20nm
とした。
【0041】p型シリコン結晶質半導体層32を形成し
た後、i型シリコン結晶質半導体層33を形成した。i
型シリコン結晶質半導体層33の形成条件は次のとおり
である。原料ガスはSiH4およびH2の混合ガスとし
た。ガス混合比はi型シリコン層が十分に結晶化される
ように調整した。投入する高周波の周波数は40.68
MHz、形成室圧力は40Pa、基板温度は150℃と
した。また、膜厚は1μmとした。
【0042】また、この条件を用いてi型シリコン結晶
質半導体層を平坦なガラス基板上に製膜した場合、(2
20)X線回折ピークの積分強度I220と(111)X
線回折ピークの積分強度I111の比I220/I111は、図
6に示すように10.0であり、このi型シリコン結晶
質半導体層33自体が基板面に対して強い(220)配
向を示すものであった。
【0043】i型シリコン結晶質半導体層33を形成し
た後、n型シリコン半導体層34を形成した。n型シリ
コン半導体層34の形成条件は以下のとおりである。原
料ガスはSiH4、H2およびPH3の混合ガスとした。
ガス混合比はn型シリコン半導体層中のリン濃度が0.
8%となるように調整した。投入する高周波の周波数は
40.68MHz、形成室圧力は25Pa、基板温度は
150℃とした。また、膜厚は20nmとした。
【0044】その後、プラズマCVD装置から基板を取
り出し、通常の電子ビーム蒸着法により膜厚50nmの
酸化亜鉛を形成して裏面反射層35とした。そしてレー
ザースクライブ法により1cm角の大きさに分離した。
その後、通常の電子ビーム蒸着法により裏面電極36と
して銀を形成して、ガラス板31a側から光を入射する
スーパーストレート型薄膜太陽電池を作製した。
【0045】図4にこの薄膜太陽電池の断面を透過型電
子顕微鏡により観察した像を模式的に示す。ただしn型
シリコン半導体層34、裏面反射層35、裏面電極36
は省略している。基板表面上には複数の結晶粒が生成し
ており、そのうち約50%の結晶粒は個々の凹凸表面に
垂直な方向に成長しているのに対して、残りの約50%
の結晶粒は基板に垂直な方向に成長していた。そして、
基板に垂直な方向に成長している結晶粒のほとんどは基
板に垂直な方向に100nm以上の長さを有する柱状結
晶粒であり、膜厚が増えるにつれて基板に平行な方向の
粒径が増大しながら、当該部分においてその割合を増し
ていた。
【0046】さらに、i型層全体に相当する領域の結晶
方位に関する情報を得るため、直径0.8μmの制限視
野しぼりを入れて制限視野電子線回折を行った。得られ
た回折像から、このi型シリコン結晶質半導体層では、
基板に平行に(110)面が配向していることが分かっ
た。すなわち基板に垂直な方向に成長しているp型シリ
コン結晶質半導体層の結晶粒は、基板に平行に(11
0)面を配向させており、その上に形成されたi型シリ
コン結晶質半導体層は下地となるp型シリコン結晶質半
導体層の結晶方位を引き継ぐ形で成長していることが分
かった。
【0047】また、i型シリコン結晶質半導体層の(1
10)配向性の度合いを定量的に調べるために、この薄
膜太陽電池と同じプロセスでi型層まで形成したものに
ついてX線回折を行ったところ、(220)面のX線回
折ピークの積分強度I220と(111)X線回折ピーク
の積分強度I111の比I220/I111が6.5であった。
【0048】この薄膜太陽電池のAM1.5(100m
W/cm2)照射条件下における電流−電圧特性の測定
を行ったところ、セル面積1cm2において開放電圧
0.525V、短絡電流22.8mA/cm2、形状因
子0.705、光電変換効率8.44%という値が得ら
れた。
【0049】比較例1 凹凸形状の効果を検証するために、平滑な表面を有する
ガラス板上にテクスチャー構造を有する酸化錫を形成し
た後、液温25℃の0.5%塩酸水溶液に30秒間浸し
てエッチングを行うことで表面凹凸を尖鋭化し、さらに
通常の電子ビーム蒸着法により厚さ50nmの酸化亜鉛
層を形成したものを基板として用いた。原子間力顕微鏡
により測定した、この基板表面の凹凸大きさRと凹凸間
隔Lとの比R/Lは1.65であった。この基板作製工
程以外は、実施例1と同様に薄膜太陽電池を作製した。
【0050】図5にこの薄膜太陽電池の断面を透過型電
子顕微鏡により観察した像を模式的に示す。ただし図4
と同様に、n型シリコン半導体層、裏面反射層、裏面電
極は省略している。凹凸表面上には複数の結晶粒が生成
しており、そのほとんどの結晶粒が個々の凹凸表面に垂
直な方向に成長していた。これら凹凸表面に垂直な方向
に成長している結晶粒は、やがて隣接する凹凸表面から
成長してきた結晶粒と衝突した後、基板に垂直な方向へ
と成長方向を徐々に変化させていた。しかし、基板に垂
直な方向に顕著に成長している結晶粒は確認されなかっ
た。
【0051】さらに、i型層全体に相当する領域の結晶
方位に関する情報を得るため、直径0.8μmの制限視
野しぼりを入れて制限視野電子線回折を行った。得られ
た回折像から、このi型シリコン結晶質半導体層は基板
に平行な配向面を明確には有していないことが分かっ
た。これは凹凸形状が適切でないため、p型シリコン結
晶質半導体層の結晶粒が基板に平行な配向面を有してお
らず、そのため、その上に形成されたi型シリコン結晶
質半導体層も基板に平行な配向面を有することなく成長
を開始しているためであると考えられる。
【0052】また、i型シリコン結晶質半導体層の(1
10)配向性の度合いを定量的に調べるために、この薄
膜太陽電池と同じプロセスでi型層まで形成したものに
ついてX線回折を行ったところ、(220)X線回折ピ
ークの積分強度I220と(111)X線回折ピークの積
分強度I111の比I220/I111が2.0であり、実施例
1の場合と比較して著しく配向性が劣っていた。
【0053】この薄膜太陽電池のAM1.5(100m
W/cm2)照射条件下における電流−電圧特性の測定
を行ったところ、セル面積1cm2において開放電圧
0.508V、短絡電流20.6mA/cm2、形状因
子0.670、光電変換効率7.01%という値が得ら
れた。実施例1の結果と比較して、開放電圧、短絡電
流、形状因子の全てにおいて特性の低下が生じていた。
さらに、実施例1および比較例1の素子について分光感
度測定を行った結果から、比較例1の素子は特に短波長
側での感度が劣ることが判明した。これは、光電変換層
の基板側、すなわちp型シリコン結晶質半導体層とi型
シリコン結晶質半導体層との界面近傍の構造に問題があ
ることを意味しており、透過型電子顕微鏡観察結果によ
り矛盾なく説明できる。
【0054】比較例2 凹凸形状の効果を検証するために、基板31表面の酸化
亜鉛層31cを厚さ500nmとしたこと以外は、実施
例1と同様に薄膜太陽電池を作製した。原子間力顕微鏡
により測定した基板表面の凹凸大きさRと凹凸間隔Lと
の比R/Lの平均値は0.05であった。
【0055】i型シリコン結晶質半導体層の(110)
配向性の度合いを定量的に調べるために、この薄膜太陽
電池と同じプロセスでi型層まで形成したものについて
X線回折を行ったところ、(220)X線回折ピークの
積分強度I220と(111)X線回折ピークの積分強度
111の比I220/I111が9.0であり、平坦なガラス
基板上に製膜した場合と同等の値であった。
【0056】この薄膜太陽電池のAM1.5(100m
W/cm2)照射条件下における電流−電圧特性の測定
を行ったところ、セル面積1cm2において開放電圧
0.528V、短絡電流19.6mA/cm2、形状因
子0.708、光電変換効率7.33%という値が得ら
れた。実施例1の結果と比較すると、開放電圧、形状因
子の値はほぼ同じであるのに対し、光閉込効果が小さい
ので短絡電流が低下していた。
【0057】実施例2 チャネリング粒子の効果を検証するために、p型シリコ
ン結晶質半導体層の形成時に原料ガス中にSiH4、H2
およびB26の他にArガスを添加したこと以外は、実
施例1と同様に薄膜太陽電池を作製した。このときのS
iH4、H2およびB26の混合比は実施例1と同じであ
り、Arの添加量は全混合ガスの5%となるように調整
した。
【0058】この薄膜太陽電池の断面を透過型電子顕微
鏡により観察すると、実施例1の場合と同様に、基板表
面上には複数の結晶粒が生成していたが、実施例1の場
合よりも結晶粒密度が低減されており、なおかつ約80
%の結晶粒は基板に垂直な方向に成長していた。そし
て、基板に垂直な方向に成長している結晶粒のほとんど
は基板に垂直な方向に100nm以上の長さを有する柱
状結晶粒であり、膜厚が増えるにつれて基板に平行な方
向の粒径が増大しながら、当該部分においてその割合を
増すという傾向は同様であった。
【0059】さらに、i型層全体に相当する領域の結晶
方位に関する情報を得るため、直径0.8μmの制限視
野しぼりを入れて制限視野電子線回折を行った。得られ
た回折像から、このi型シリコン結晶質半導体層では基
板に平行に(110)面が配向していることが分かっ
た。すなわち基板に垂直な方向に成長しているp型シリ
コン結晶質半導体層の結晶粒では、基板に平行に(11
0)面が配向しており、その上に形成されたi型シリコ
ン結晶質半導体層は下地となるp型シリコン結晶質半導
体層の結晶方位を引き継ぐ形で成長していることが分か
った。
【0060】また、i型シリコン結晶質半導体層の(1
10)配向性の度合いを定量的に調べるために、この薄
膜太陽電池と同じプロセスでi型層まで形成したものに
ついてX線回折を行ったところ、(220)X線回折ピ
ークの積分強度I220と(111)X線回折ピークの積
分強度I111の比I220/I111が8であった。
【0061】Ar添加により基板に平行に(110)配
向している結晶粒が優先的に成長する傾向が強められる
理由は未だ明らかではないが、シースポテンシャルによ
り基板に垂直な方向に加速されたプラズマ中のAr+
作用によりシリコンのチャネリング方向である<110
>への成長が促進されること、さらには基板に平行に
(110)が向いていない結晶粒をスパッタする効果に
よるものと考えられる。
【0062】なお、本実施例では添加する希ガスとして
Arを用いたが、HeあるいはNeなどであってもよ
い。
【0063】この薄膜太陽電池のAM1.5(100m
W/cm2)照射条件下における電流−電圧特性の測定
を行ったところ、セル面積1cm2において開放電圧
0.542V、短絡電流23.1mA/cm2、形状因
子0.714、光電変換効率8.94%という値が得ら
れた。実施例1の素子と比較して、さらに開放電圧、形
状因子の向上が成された。これはp型シリコン結晶質半
導体層とi型シリコン結晶質半導体層との界面近傍の構
造がさらに適切なものとなったためであり、透過型電子
顕微鏡観察結果により矛盾なく説明できる。
【0064】上述した実施例以外に、本発明による実施
の形態が多く存在することは、当業者に明らかである。
例えば、テクスチャー構造を有する基板としてステンレ
ス鋼板やアルミニウム板といった金属製基板の上に酸化
錫あるいは酸化亜鉛といった透明導電膜を被覆したもの
でもよい。テクスチャー構造として透明導電膜を形成す
る際に自然に発生する凹凸を利用してもよいし、透明導
電膜の形成後にエッチングを行ってテクスチャー構造を
形成してもよい。また、金属製基板自体にエッチングを
施すことで凹凸を設けてもよい。そして薄膜太陽電池の
構造として、基板上に光電変換層として形成したシリコ
ン結晶質半導体層側より光を入射するサブストレート型
であってもよい。
【0065】
【発明の効果】本発明の薄膜太陽電池では、テクスチャ
ー構造を有する基板上においても、第1導電型結晶質半
導体層ならびに真性結晶質半導体層が基板に垂直な方向
に柱状に成長した結晶粒により主として構成されてい
る。このような構造により、光閉込効果による光吸収量
の増大と、結晶質半導体層中の欠陥が低減されることに
よる膜厚方向に対する良好なキャリア輸送特性との両立
が可能となり、高い光電変換効率を得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 テクスチャー構造を有する基板上と、基板に
垂直な方向に柱状に成長した結晶粒により構成されてい
るシリコン結晶質半導体層とを示す模式図。
【図2】 凹凸表面に垂直な方向に柱状に成長した結晶
粒により構成されているシリコン結晶質半導体層を示す
模式図。
【図3】 本発明による薄膜太陽電池構造の一例を示す
模式図。
【図4】 実施例1におけるサンプル断面の透過型電子
顕微鏡観察像を示す模式図。
【図5】 比較例1におけるサンプル断面の透過型電子
顕微鏡観察像を示す模式図。
【図6】 比I220/I111とR/Lとの関係を示す図。
【符号の説明】
11、21…基板 12、22…表面凹凸層 13、23…シリコン結晶質半導体層 14、24…凹凸大きさR 15、25…凹凸間隔L 16…凹凸表面 17…目視による仮想的な基板面 31…基板 31a、41a、51a…ガラス板 31b、41b、51b…酸化錫層 31c、41c、51c…酸化亜鉛層 32、42、52…p型シリコン結晶質半導体層 33、43、53…I型シリコン結晶質半導体層 34…n型シリコン半導体層 35…裏面反射層 36…裏面電極 61…チャネリング粒子が少ない条件における、基板凹
凸形状の指標R/Lに対するI220/I111曲線 62…チャネリング粒子が多い条件における、基板凹凸
形状の指標R/Lに対するI220/I111曲線

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、前記基板上に順に積層された第
    1導電型結晶質半導体層、真性結晶質半導体層および第
    2導電型半導体層からなる光電変換素子構造とを備え、 前記光電変換素子構造を支持する前記基板の表面は、凹
    凸間隔Lに対する凹凸大きさRの比R/Lが0.1〜
    1.5の範囲にあるような凹凸によるテクスチャー構造
    を有しており、かつ前記第1導電型結晶質半導体層およ
    び前記真性結晶質半導体層は、前記基板に垂直な方向に
    柱状に成長している結晶粒により主として構成されてい
    る、薄膜太陽電池。
  2. 【請求項2】 前記第1導電型結晶質半導体層は1nm
    以上200nm未満の厚みを有し、 前記基板の表面から高さ200nmまでの部分におい
    て、前記基板に垂直な方向に柱状に成長している結晶粒
    が、当該部分における結晶粒全体の少なくとも50%以
    上を占め、かつ前記基板に垂直な方向に100nm以上
    の長さを有する、請求項1に記載の薄膜太陽電池。
  3. 【請求項3】 前記第1導電型結晶質半導体層は1nm
    以上100nm以下の厚みを有する、請求項1または2
    に記載の薄膜太陽電池。
  4. 【請求項4】 前記基板は、主として酸化亜鉛からなる
    透明電極部を前記表面部として有するものである、請求
    項1から3のいずれか1項に記載の薄膜太陽電池。
  5. 【請求項5】 前記第1導電型結晶質半導体層および前
    記真性結晶質半導体層は主としてシリコンから成り、 前記第1導電型結晶質半導体層および前記真性結晶質半
    導体層において前記基板に平行に配向する結晶面は主と
    して(110)である、請求項1から4のいずれか1項
    に記載の薄膜太陽電池。
  6. 【請求項6】 前記主としてシリコンから成る真性結晶
    質半導体層について得られる、(220)面のX線回折
    ピークの積分強度I220と(111)面のX線回折ピー
    クの積分強度I111との比I220/I111が3以上であ
    る、請求項5に記載の薄膜太陽電池。
  7. 【請求項7】 前記主としてシリコンから成る第1導電
    型結晶質半導体層はホウ素を不純物として含有する、請
    求項5または6に記載の薄膜太陽電池。
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