JP2002148979A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2002148979A
JP2002148979A JP2000341776A JP2000341776A JP2002148979A JP 2002148979 A JP2002148979 A JP 2002148979A JP 2000341776 A JP2000341776 A JP 2000341776A JP 2000341776 A JP2000341776 A JP 2000341776A JP 2002148979 A JP2002148979 A JP 2002148979A
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fixing roller
fixing
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image forming
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JP2000341776A
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English (en)
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Yoshio Kanazawa
祥雄 金澤
Kazufumi Tomita
和史 冨田
Teigen Ri
廷原 李
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電潜像にトナーを付着することによって
可視像を形成し、これを記録媒体上で加熱加圧して定着
する画像形成装置において、信頼性の高い定着を行うこ
と、及び装置の起動時における立ち上がり時間を短くす
るとともに、画像形成の高速化を可能とする。 【解決手段】 使用するトナーは、結着樹脂、着色
剤、離型剤とを含み、さらに結着樹脂は無機微粒子を含
むものとする。定着装置58は、円筒状の芯金10aの
周面上に耐熱性弾性体層10bと耐熱性樹脂層10cと
が積層された定着ローラ10を有し、エンドレスベルト
11がこの定着ローラに当接され、内側から加圧パッド
12によって押圧される。このとき、上記耐熱性弾性体
層には1%〜4%の歪みが付与されている。上記加圧パ
ッドの押圧によって形成されるニップは、入口側より出
口側で圧力が高く設定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式又は
静電記録方式等、粉状のトナーを利用した複写機、プリ
ンタ、ファクシミリなどの画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式や静電気録方式を利用した
複写機やプリンタ等においては、記録シート上に転写さ
れた未定着トナー像を定着して永久画像にする必要があ
り、その定着法として溶剤定着法、圧力定着法、および
加熱定着法が知られている。しかしながら、溶剤定着法
は、溶剤蒸気が発散し、臭気や衛生上の問題点があると
いう欠点を有している。一方、圧力定着法は、他の定着
法と比較して定着性が悪く、かつ圧力感応性トナーが高
価であるという欠点を有している。これらの要因から、
共にほとんど実用化されていないのが現状である。この
ため、加熱によってトナーを溶融させ、記録シートに熱
融着させる加熱定着法が広く採用されている。
【0003】加熱定着法による装置としては、図11に
示すように円筒状芯金111aの内部に加熱源113 を備え、
その円筒状芯金111aの外周面に離型層111bを形成した定
着ローラ111 と、該定着ローラ111 に対して圧接配置さ
れ、円筒状芯金112aの外周面に耐熱性弾性体層112b、お
よび耐熱性樹脂被膜あるいは耐熱性ゴム被膜による離型
層112cを形成した加圧ローラ112 とで構成され、定着ロ
ーラ111 と加圧ローラ112 との間に、未定着トナー像T
を担持した記録シートPを通過させて加熱加圧定着を行
う加熱ロール方式のものが知られている。これは他の加
熱定着法である熱輻射定着方式に比べ熱効率が高く、紙
詰まりによって記録紙が燃える危険性も少ないこと等か
ら現在最も広く利用されている。
【0004】定着ローラ111 の離型層111bは、定着後の
トナー像が定着ローラ111 から容易に剥離するように、
耐熱性樹脂被膜あるいは耐熱性ゴム被膜で形成されてい
る。この離型層111bの材料としては、一般的にはポリテ
トラフルオロエチレン(以下、「PTFE」という)
や、パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以
下、「PFA」という)、四フッ化エチレン六フッ化プ
ロピレン共重合体(以下、「FEP」という)に代表さ
れるフッ素系耐熱性樹脂が好適に用いることができる。
これらの材料は、シリコーンゴムやフッ素ゴムに代表さ
れる耐熱性ゴムよりも離型性が良好であり、離型剤(い
わゆる離型オイル)を用いないで高い離型性能を得られ
ることが知られている。このため、白黒複写機において
は、離型層としてこれら耐熱性樹脂を用いることによっ
て良好な離型性が得られ、高画質の定着トナー像を得る
ことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、フルカ
ラーの複写機又はプリンター等の画像形成装置では、以
下に示す各観点より課題があり、上記のような従来の技
術ではこれらの点を全て解決することはできていない。
【0006】1.画質の課題 円筒状芯金に離型層としてフッ素系樹脂を被覆した場
合、フッ素系樹脂は材質そのものが固いため、以下に示
すような画質上の問題が生ずる。
【0007】図13は、定着時における定着ローラ13
1、記録シート132およびトナー像133の状態を模
式的に示す拡大断面図である。図13に示すようにトナ
ー像133は微視的には凹凸を有しており、定着ローラ
131が硬いとそれに追従できず、微視的な密着性が低
くなる。このため、定着後のトナー像133は、定着ロ
ーラ131が接触した部分としない部分との間で、細か
い光沢ムラが発生する。
【0008】白黒複写機における画質の要求度は、フル
カラー複写機に比べるとそれほど高いものではないた
め、上述のような金属製芯金にフッ素樹脂を被覆した定
着ローラで十分であった。
【0009】これに対して、フルカラー複写機において
は画質への要求が白黒複写機の場合に比べて非常に大き
い。このため、従来の白黒画像と同等の光沢ムラが生じ
ると、カラー画像としては充分な画質を有するものでは
ない。
【0010】従って、フルカラー複写機においては、一
般にトナー中の結着樹脂の分子量を低くし変形しやすい
ようにしている。これにより、定着後のトナー表面が平
滑になりやすく、高い画質が得られるようにしている。
さらに光沢ムラが起こりにくいように、円筒状芯金に耐
熱性ゴムを被覆し、ゴム自身の伸縮性により定着画像と
トナー層との密着性を高くして光沢ムラのない優れた画
質を得ることができるようにしている。このため、次に
説明するような離型性の問題が派生する。
【0011】2.離型性と信頼性の課題 白黒複写機で用いるトナーの結着樹脂は分子量が大き
く、弾性的な挙動を示す。よって、結着樹脂そのものが
定着ローラとの離型性がよいものであった。しかしなが
ら、前述したようにフルカラー複写機においては画質性
向上の要求から、分子量が低く、粘性の強い挙動を示す
結着樹脂がトナーに用いられる。さらに、光沢ムラをな
くす目的で定着ローラの表面とトナーとの密着性を高く
しているため、定着ローラとトナーとの接触面積も増
え、付着力が大きくなっている。フルカラー複写機で
は、イエロー・マゼンタ・シアン・ブラックという4色
のトナーを用いているため、さらに付着力が大きくなっ
ている。このため、白黒複写機で用いられるフッ素樹脂
等の被覆層を有する定着ローラでは離型性が悪く、トナ
ー像を定着ローラから確実に剥離させることができな
い。
【0012】上記のような事情から、特開平5−150
679号に開示されている装置では、定着ローラに耐熱
性ゴムを被覆し、定着ローラに歪みを発生させることで
高い剥離性能を得る方法が採られる。図12は、かかる定
着装置を示す側断面図である。定着ローラ121は円筒状
芯金121aの外周面に耐熱性ゴム層121b、および耐熱性樹
脂被膜あるいは耐熱性ゴム被膜による離型層121cを有し
ている。なお、122 は加圧ローラであり、本定着装置は
定着ローラ121 および加圧ローラ122 の双方の内部に加
熱源123 、124 が配されている。ここで歪みとは、定着
ローラ121 に加圧ローラ122 を圧接した時に定着ローラ
121 の耐熱性ゴム層121bが弾性変形し、その表面に生じ
る歪みのことである。この歪みが生じることによってト
ナー像が融着された記録シートとの間に微小な滑り(ず
れ)が生じ、これによって付着を解除して剥離しようと
するものである。
【0013】定着ローラ121の構造は、円筒状芯金上に
LTVシリコーンゴム層を形成し、さらにその上に離型
層としてRTVシリコーンゴム層を形成したものであ
る。最外層のRTVシリコーンゴム層自身が展延性を有
することから、歪みは発生しやすい。しかしながら、ゴ
ムの離型性はそれ自体高いものではなく、十分な離型性
を確保するためには、定着ローラの離型層に離型オイル
を別途塗布および供給しなければならない。即ち、離型
オイル塗布により、オイル層内の分断によってトナーを
定着ローラから剥離するものである。現在、ほとんどの
フルカラー複写機において、このような離型オイルを用
いたゴムローラの定着器が採用されている。
【0014】しかし、このように離型オイルを用いてい
るため、従来よりシリコーンゴムのオイル膨潤や、装置
内のオイル漏れ、定着後の記録シート上のオイルによる
ボールペンやインクの加筆性低下等の問題が生じてい
る。さらに、オイルの定期的な補給等のメンテナンスも
必要であり、小型のフルカラー複写機やプリンターには
不向きである。また、シリコーンゴムの摩擦係数が高い
ため、通紙による離型層の摩耗や、シリコーンゴムその
ものの変質による離型性劣化という問題点もあった。
【0015】一方、それ自身が高い離型性能を有するフ
ッ素樹脂を耐熱性ゴム層の上に被覆すればさらに高い離
型性能が得られ、特別な離型オイル塗布手段は必要なく
なると考えられる。即ち、特開昭61−22376号や
特開昭61−248731号等に開示されるように耐熱
性ゴムの表面にフッ素樹脂をディスパージョン塗布焼成
した定着ローラを用いれば、高い離型性能と共に優れた
画質が得られると考えられる。しかし前記開示の塗布焼
成膜は、その厚さが2〜3μm程度であり、また、加圧
ローラによる圧力が大きいため、通紙による離型層摩耗
による離型性低下という問題点が生じる。
【0016】また、特開昭57−89785号、特開昭
53−144747号、特公平7−349号、特開平4
−42183号等に開示されるように、あらかじめ製造
されたフッ素樹脂チューブを耐熱性ゴムの表面に被覆す
ることにより、摩耗の問題点は解決される。
【0017】しかしながら、一般的なフッ素樹脂チュー
ブの厚さは50〜100μm程度であることから、チュ
ーブ自身が硬く、上述のような歪みを発生させることは
困難であり、高い離型性と優れた画質を得るという目的
は十分に達し得ないものであった。
【0018】また、耐熱性ゴムの表面にフッ素樹脂層を
設け、さらに歪みを与えれば離型性能は良くなるが、ゴ
ムと樹脂とでは伸縮率が異なるため、大きな歪みを与え
るとフッ素樹脂が塑性変形を起こし、シワが生じてしま
う。即ち、従来の加熱加圧ローラ対による定着装置にお
いては、比較的厚いゴム層に大きな歪みを与えて剥離し
ていたため、これにフッ素樹脂層を設けた場合にはシワ
が生じるおそれがある。フッ素樹脂層は、薄くなればな
るほどシワができやすく、画質向上と離型性向上のため
により薄いフッ素樹脂層を使用しようとすると、このシ
ワの問題が顕在化してしまう。
【0019】3.省エネ性・高速定着性の課題 さらに、図12に示す定着装置のように、定着ローラ121
と圧力ローラ122 とを互いに圧接して、広いニップを確
保するとともに大きな歪みを発生させるためには、定着
ローラ121 の円筒状芯金121aの肉厚は厚く、その上の耐
熱性ゴム層121bの肉厚も厚くする必要がある。従って、
必然的に定着装置の熱容量も大きくなり、室温からの立
ち上がり時間として3分〜6分ほどを要していた。この
ため画像形成を行わない待機時においても定着装置の温
度をある程度高温に維持する必要があり、これが画像形
成装置の消費電力の大部分を占めることになる。また、
熱伝導率の低いゴムの層が厚く存在するため、定着ロー
ラ121 の内周面から外周面への熱抵抗が極めて大きい。
従って、定着ローラ121 内のヒータ123 を加熱しても、
その熱が定着ローラ121 外周面へは、なかなか伝わらな
い。これが、定着装置の高速化への障害となっている。
【0020】早期立ち上がり性(以下、「インスタント
スタート性」という。)を備えた定着装置として、白黒
定着装置ではあるが、薄膜フィルムと固定ヒーターを用
いた定着装置が既に開示されている(特開昭63−31
3182号、特開平4−44074号等)。しかし、こ
の技術ではフルカラーで求められる高画質や高速適性は
得られない。なぜなら、上記定着装置は、熱容量がほと
んどゼロに近い薄膜のフィルムを介してヒーターの熱を
記録シートに伝える方式であり、高画質化のためにフィ
ルム上に弾性体層を設けると、熱伝達が悪くなってしま
い、結局システムとして成立しなくなってしまうからで
ある。
【0021】このような種々の課題に対して、特開平11
-133776 にて一応の解決策を提示してきた。しかし、富
士ゼロックス社製S 紙(坪量56g/m2)やトレーシングペ
ーパーのように剛性の小さい用紙を使用する際には、剥
離シートを用いて剥離する必要がある。この剥離シート
は非常に設計公差が狭く、設計の難易度が高い。また、
インスタントスタートとの組み合わせでは、ファースト
サンプルを取る際に、剥離シートが暖まらず冷えている
ため、用紙から排出される水蒸気が結露し易いという欠
点を持っていた。
【0022】本発明は、上記のような事情に鑑みてなさ
れたものであり、高い離型性と優れた画質を得ながら、
定着ローラ上の離型層にシワが発生すること、摩擦によ
る摩耗および劣化、離型性の低下といった問題を解消
し、信頼性の高い定着が可能な画像形成装置を得ること
を目的とする。さらに、定着装置の熱容量を少なくして
立ち上がり時間を短くするとともに、定着ローラの熱抵
抗を小さくすることにより、インスタントスタート性と
高速化を実現し得る画像形成装置を得ることを目的とす
る。即ち、画像形成装置の高画質化、長寿命化、省エネ
ルギー化、高速化を全て満足させようとするものであ
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記のような課題を解決
するために、請求項1に記載の発明は、 静電電位の差
による潜像が表面上に形成される像担持体と、 該像担
持体上の静電潜像にトナーを転移させることによって可
視化する現像手段と、 前記像担持体上に形成されたト
ナー像を記録シートに、又は中間転写体を介して記録シ
ートに転写する転写手段と、 転写された記録シート上
のトナー像を定着する定着装置とを有する画像形成装置
において、 前記トナーは、少なくとも結着樹脂、着色
剤、離型剤とを含み、さらに前記結着樹脂は無機微粒子
を含むものであり、 前記定着装置は、円筒状芯金の周
面上に耐熱性弾性体層が形成され、さらにその表面に耐
熱性樹脂層が形成された定着ローラと、該定着ローラの
周面に押圧される加圧手段とを具備するものであり、
前記加圧手段を押圧することにより、前記定着ローラと
の間にニップ部を形成するとともに、該定着ローラの耐
熱性弾性体層に1%〜4% の歪みが付与されているもの
とする。
【0024】上記画像形成装置では、トナーの結着樹脂
に無機微粒子が含まれており、定着装置で記録シート上
に溶融圧着されたときに、密着している定着ローラから
の離型性が向上する。したがって、定着ローラの耐熱性
弾性体層上に離型層として耐熱性樹脂層を被覆し、定着
ローラに歪みを与えるとともに、トナーとして無機微粒
子を含むものを用いることにより、シリコーンオイル等
の離型剤を用いることなく高い離型性が得られ、高画質
を達成することができる。また、耐熱性樹脂層は離型劣
化が起きにくく、極めて長い期間の使用にも離型性を維
持することができる。
【0025】請求項2に記載の発明は、 静電電位の差
による潜像が表面上に形成される像担持体と、 該像担
持体上の静電潜像にトナーを転移させることによって可
視化する現像手段と、 前記像担持体上に形成されたト
ナー像を記録シートに、又は中間転写体を介して記録シ
ートに転写する転写手段と、 転写された記録シート上
のトナー像を定着する定着装置とを有する画像形成装置
において、 前記トナーは、少なくとも結着樹脂、着色
剤、離型剤とを含み、さらに前記結着樹脂は無機微粒子
を含むものであり、 前記定着装置は、円筒状芯金の周
面上に耐熱性弾性体層が形成され、さらにその表面に耐
熱性樹脂層が形成された定着ローラと、該定着ローラに
当接されるエンドレスベルトと、該エンドレスベルトを
前記定着ローラの周面に押圧する加圧部材とを具備する
ものであり、 前記定着ローラと前記エンドレスベルト
との間に形成されたニップ部の圧力がニップ部入口側よ
りもニップ部出口側で高くなっているものとする。
【0026】この画像形成装置でも、請求項1に係る画
像形成装置と同様に、無機微粒子を含むトナーを用いる
ことと、耐熱性弾性体層及び耐熱性樹脂層を有する定着
ローラを用いることにより、高い離型性が得られるとと
もに高画質が得られる。また、加圧部材により定着ロー
ラの周面に沿ってエンドレスベルトを圧接することがで
きるため、2つのローラを用いる定着方式に比べて低い
荷重で広いニップ部を得ることができる。よって定着ロ
ーラの芯金の剛性を小さくすることができ、低熱容量化
が可能となることから、インスタントスタート性の向上
を実現することができる。
【0027】また、ニップ内の圧力が、ニップ出口側で
大きくなっており、この部分で定着ローラの弾性体層に
歪みが生じ、ここを通過するときに、定着ローラの表面
と記録シートとの間で微少な滑りが生じ、良好な離型性
が得られる。
【0028】このようにニップ部の出口付近において圧
力を増大させ、定着ローラの歪みを局所的に大きくする
ことにより、ニップ全域で歪みを生じさせる場合と比較
して、小さい歪み量で高い離型性能を得ることができ
る。従って、定着ローラの表面に薄膜の耐熱性樹脂層を
用いた場合にもシワの発生を防止することでき、耐熱性
弾性体層と耐熱性樹脂による離型層との間の剥離が起こ
りにくく、離型性能の維持と併せて長期にわたる信頼性
が得られる。また、歪み量が小さくて済むため、定着ロ
ーラの耐熱性弾性体層を薄肉化できる。これは定着ロー
ラの低熱容量化に寄与するため、よりインスタントスタ
ート性が向上するとともに、消費電力の低減をも図るこ
とができる。さらに、熱伝導性が悪い耐熱性弾性体層を
薄肉化できるため、定着ローラ内面と外面との間の熱抵
抗を小さくでき、熱応答が早くなって、より高速な定着
が可能となる。また、歪み量が小さくて済むため、耐熱
性樹脂層の摩耗が少なくなる。
【0029】請求項3に記載の発明は、請求項1又は請
求項2に記載の画像形成装置において、 前記無機微粒
子は、トナーに対して2〜10重量%含まれているもの
とする。
【0030】上記構成により、トナーの動的粘弾性のう
ち、粘性をほとんど変化させることなく、すなわち定着
後のトナー画像の光沢度を下げることなく、弾性のみを
上げることができ高画質を維持しつつ、剥離性能を向上
させることができる。
【0031】請求項4に記載の発明は、請求項1又は請
求項2に記載の画像形成装置において、 前記無機微粒
子が、酸化ケイ素であるものとする。
【0032】酸化ケイ素の微粒子を使うことにより、ト
ランスペアレンシーフィルム(OHPフィルム)上に画
像を形成した場合でも、画像の透過性が悪くなることが
ない。
【0033】請求項5に記載の発明は、請求項1又は請
求項2に記載の画像形成装置において、 前記トナー
は、温度が130℃〜190℃の範囲で、角速度が10
0rad/sの変形を与えたときの力学正接損失tan
δ(複素弾性率Gを、G=G‘+iG“としたときにt
anδ=G“/G‘で示される)が2.2以下であるも
のとする。
【0034】このような構成により、トナーと定着ロー
ラの離型層との付着力が低減され、良好な離型性を確保
することができる。
【0035】請求項6に記載の発明は、請求項2に記載
の画像形成装置において、 前記定着装置の加圧部材が
非回転状態で配置された加圧パッドであるものとする。
【0036】この画像形成装置では、加圧部材を非回転
状態で支持された加圧パッドとしているので、その形状
を適切に選択することができ、定着ローラを小径にして
も十分なニップを確保することができる。また、加圧部
材を簡単な構造としてニップ部入り口側とニップ部出口
側との圧力を調整することができる。したがって、装置
の小型化を図ることができる。
【0037】請求項7に係る発明は、請求項2に記載の
画像形成装置において、 前記定着装置のエンドレスベ
ルトが、複数の支持ローラに張架された状態で、前記加
熱定着ローラの周面の一部に巻き付けるように配置され
ており、前記支持ローラのうちの1つが、加圧部材とし
てニップ部出口側で前記定着ローラに押圧されているこ
ものとする。
【0038】このような構成とすることにより、エンド
レスベルトを他の部材に摺動させることなく、ニップ入
り口側とニップ出口側との圧力を調整することができ
る。従って、高い離型性を得るとともに、高速定着が可
能となる。
【0039】請求項8に記載の発明は、請求項2に記載
の画像形成装置において、 前記定着装置のニップ部入
口側の圧力が0.5〜1.5kg/cm2 であり、ニッ
プ部出口側の圧力が2.0〜4.0kg/cm2 である
ものとする。
【0040】ニップ部入り口側とニップ部出口側との圧
力を上記のように設定することにより、溶融したトナー
像の十分な圧着を行うとともに、定着ローラの弾性体層
の歪みを小さくし、かつ高い離型性が得られる。
【0041】請求項9に記載の発明は、 請求項2に記
載の画像形成装置において、 前記定着装置のニップ部
出口側の圧力は、前記定着ローラの軸線方向における端
部が、軸線方向の中央部よりも大きくなっているものと
する。
【0042】請求項10に記載の発明は、請求項9に記
載の画像形成装置において、 前記定着装置のニップ部
出口側の圧力は、前記定着ローラの軸線方向における端
部が、軸線方向の中央部の110〜150%となってい
るものとする。
【0043】このような構成とすることにより、記録シ
ートがニップ部を通過するときに、記録シートの幅方向
に小さな張力を付与することができ、ニップ部で加熱及
び加圧されることによる紙しわの発生を防止することが
できる。
【0044】請求項11に記載の発明は、請求項2に記
載の画像形成装置において、 前記定着装置の加圧部材
は、前記定着ローラへの押圧面の曲率半径が、R10 mm
以上もしくは平面になっているものとする。
【0045】このような構成とすることにより、記録材
のカールを防止することができる。トナー像を定着した
後の記録材のカール量と加圧部材の曲率半径との関係
は、定着ロールの径が変動しても、ほぼ図14(a)に
示すとおりとなる。ここで、カール量は図14(b)に
示すように、定着後の記録材を平坦な面上に置いたとき
の、端部の浮き上がり量(mm)で規定している。この
カール量は、10mm以下であるのが望ましく、この条
件を充たすためには、加圧部材の曲率半径Rを10mm
程度以上とすればよい。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、本願に係る発明の実施の形
態を図に基づいて説明する。 (第1の実施の形態) A.画像形成装置の構成 図1は、本願に係る発明の一実施形態である画像形成装
置を示す概略構成図である。この画像形成装置は、表面
に静電潜像が形成される感光体ドラム51と、この感光
体ドラム51の周辺にあって、該ドラム51の表面を一
様に帯電する帯電装置52と、一様帯電された感光体ド
ラム51に像光を照射して静電潜像を形成する光走査装
置53と、異なる色の現像剤をそれぞれ収容した4つの
現像器を備え、感光体ドラム51上の静電潜像をトナー
の選択的な付着によって可視化する回転式現像装置54
とを備えている。
【0047】また、複数のローラ62、63、64によ
って周回可能に張架され、上記感光体ドラム51と当接
される無端ベルト状の中間転写体55と、感光体ドラム
51上に形成されたトナー像を中間転写体55に転写す
る転写帯電器56と、記録紙16に中間転写体55上の
トナー像を転写する転写ローラ57と、記録紙16上の
未定着トナー像を加熱・加圧して記録紙上に融着する定
着装置58とが設けられている。なお、符号59は、記
録紙16にトナー像を転写した後の中間転写体55上か
ら残留トナーを除去するクリーニング装置、符号60
は、トナー像を中間転写体55に転写した後、感光体ド
ラム51上に残留するトナーを除去するクリーニング装
置、符号61は感光体ドラムの表面を一旦除電する除電
露光装置である。
【0048】上記感光体ドラム51は、ドラム表面にS
e、a-Si、a-SiC 、CdS 等の各種無機感光体層を有する
もの、又は各種有機感光体層を有するものを用いること
ができる。
【0049】上記帯電装置52は、導電性のローラであ
り、このローラに電圧を印加することにより、感光体ド
ラム51との微小間隙内で放電を発生させ、感光体ドラ
ム51の表面を一様に帯電するものである。
【0050】上記光走査装置53は、画像信号に基づい
てレーザー光を照射し、これをポリゴンミラーによって
感光体ドラム51の主走査方向にスキャンするものであ
り、これにより感光体ドラム51の表面に静電潜像を形
成するものである。
【0051】上記回転式現像装置54は、イエロー、マ
ゼンタ、シアン、ブラックのトナーを収容した4台の現
像器が回転可能に支持されており、順次各現像器が感光
体ドラム51と近接・対向して、各色に対応した潜像に
トナーを転移して可視像を形成するものである。
【0052】ベルト状の上記中間転写体55は、カーボ
ンブラックを添加することによって電気抵抗値を調整し
た耐熱性ポリイミドフィルムを用いている。
【0053】上記転写帯電記56は、感光体ドラム51
上のトナー像が、効率よく中間転写体55へ転移するよ
うに、電圧を印加することによって中間転写体55の裏
面に電荷を付与するものである。
【0054】上記転写ローラ57は、導電性もしくは半
導電性のローラであり、中間転写体55又は対向するロ
ーラ64との間に電圧を印加することによって、中間転
写体55上のトナー像を記録紙16に一括転写すること
ができるものである。
【0055】上記定着装置58の詳細な構成は後述す
る。
【0056】上記のような画像形成装置では、帯電装置
52によって一様に帯電された感光体ドラム51に、光
走査装置53から像光が照射され、静電潜像が形成され
る。そして、回転式現像装置54からトナーが転移さ
れ、トナー像が形成される。このようなトナー像の形成
は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックについて順
次に行われ、次々に中間転写体55上に重ねて転写され
る。中間転写体55上に担持されたトナー像は、中間転
写体55の周回移動により、ローラ64と転写ローラ5
7との対向位置に搬送され、記録紙16と重ね合わされ
て上記2つのローラの対向位置を通過する。転写ローラ
57とローラ64との間には転写用バイアス電圧が印加
されており、トナー像は記録紙16上に静電的に転写さ
れる。
【0057】未定着のトナー像を担持した記録紙16は
定着装置58へ搬送され、定着ローラと加圧部材との間
に形成されたニップ部に挟み込まれ加熱押圧される。こ
れにより、トナー像は溶融され記録紙16に圧着され
る。
【0058】B.定着装置の構成 図2は、図1に示す画像形成装置で用いられる定着装置
58の構成図である。この定着装置58は、定着ローラ
10と、エンドレスベルト11と、このエンドレスベル
ト11を介して定着ローラ10に押圧される加圧パッド
(加圧部材)12とで主要部が構成されている。
【0059】上記定着ローラ10は、円筒状芯金(金属
製のコア)10aの周囲に耐熱性弾性体層10b、およ
び耐熱性樹脂層(離型層)10cを形成したものであ
り、円筒状芯金10aの内部には、加熱源としてのハロ
ゲンランプ14が配置されている。定着ローラ10の表
面の温度は温度センサ15によって計測され、その計測
信号により、図示しない温度コントローラによってハロ
ゲンランプ14がフィードバック制御されて、定着ロー
ラ10の表面がほぼ一定温度になるように調整される。
エンドレスベルト11は、定着ローラ10に対し所定の
角度巻き付けられるように接触し、ニップ部を形成して
いる。
【0060】エンドレスベルト11の内側には、加圧パ
ッド12がエンドレスベルト11を介して定着ローラ1
0に押圧される状態で配置されている。加圧パッド12
は、幅の広いニップ部を確保するための弾性部材12a
と、該弾性部材12aの、エンドレスベルト11の内周
面と接触する面に設けられた低摩擦層12bとを有し、
金属製のホルダー12cに保持されている。低摩擦層1
2bを表面に有する弾性部材12aは、ほぼ定着ローラ
10の外周面に倣う凹形になっており、定着ローラ10
に対して押圧されてニップ部を形成し、定着ローラ10
に一定の歪み量を生じさせている。さらにホルダー12
cには、エンドレスベルト11がスムーズに摺動回転す
るようにベルト走行ガイド13が取り付けられている。
ベルト走行ガイド13はエンドレスベルト11内面と摺
擦するため摩擦係数が低い部材が望ましく、かつ、エン
ドレスベルト11から熱を奪いにくいように熱伝導の低
い部材がよい。
【0061】上記定着ローラ10は、図示しないモータ
により図中に示す矢印の方向に回転駆動され、この回転
によりエンドレスベルト11も従動回転するようになっ
ている。
【0062】このような定着装置58では、中間転写体
55からトナー像17が転写された記録シート16は、
定着ローラ10と加圧パッド12との間のニップ部に向
けて搬送されてくる。ニップ部に挿通させられた記録シ
ート16上のトナー像71は、ニップ部に作用する圧力
と、ハロゲンランプ14より定着ローラ10を通じて与
えられる熱と、により加熱及び溶融され、記録シート1
6に圧着される。このとき、ニップ部は、加圧パッド1
2によって広く設定されているので、安定した定着性能
が確保される。そして、定着後の記録シート16は、離
型層10cおよびニップ部における歪みの効果及びトナ
ーに無機微粒子が含まれていることにより、定着ローラ
10に巻き付くことなく良好に剥離される。
【0063】以下、上記定着装置の各構成について詳細
に説明する。円筒状芯金10aとしては鉄、アルミニウ
ムやステンレス等熱伝導率の高い金属製の円筒体を使用
することができる。円筒状芯金10aの外径および肉厚
は、本加圧パッド12の押圧力が小さいため、小径のも
の、薄肉のものを用いることができ、具体的には、鉄製
の場合、外径20〜35mm程度、肉厚0.3〜0.5
mm程度のものを使用することができる。もちろん使用
する材質により強度や熱伝導率が異なるため、最適な寸
法は適宜決定すればよい。
【0064】円筒状芯金10aの表面に形成される耐熱
性弾性体層10bとしては、耐熱性の高い弾性体であれ
ばどのような材料を使用することもできる。特に、ゴム
硬度25〜40°(JIS−A)程度のゴム、エラスト
マー等の弾性体を用いることが好ましく、具体的にはシ
リコーンゴム、フッ素ゴム等を挙げることができる。こ
のなかでも特に耐熱性と加工性の面からシリコーンゴム
が最適である。耐熱性弾性体層10bの厚さとしては、
用いる材料のゴム硬度にもよるが0.3〜1.0mm程
度が好ましい。
【0065】耐熱性弾性体層10bの上に形成される離
型層(耐熱性樹脂層)10cとしては、耐熱性の樹脂で
あればどのような樹脂を用いてもよく、例えばフッ素樹
脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。離型層10cの離
型性や摩耗性を考慮すれば特にフッ素樹脂を用いること
が好ましい。フッ素樹脂としては、PFA(パーフルオ
ロアルキルビニールエーテル共重合樹脂)、PTFE
(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(四フッ化エ
チレン六フッ化プロピレン共重合樹脂) 等が使用できる
が、耐熱性と加工性の観点よりPFAが最適である。離
型層10cの厚さとしては、好ましくは5〜30μmで
ある。離型層10cの厚さが5μm未満であると、定着
ローラ10の歪みに基づくシワが発生する可能性があ
り、また、30μmを超えると離型層10cが硬くな
り、光沢ムラ等の画質欠陥が現れる可能性があり、好ま
しくない。離型層10cの形成方法としては、従来公知
の如何なる方法も採用することができ、例えば、ディッ
プコート法、スプレーコート法、ロールコート法、バー
コート法、スピンコート法等を挙げることができる。
【0066】エンドレスベルト11は、ベース層とその
表面(定着ローラ10と接する面、または両面)に被覆
された離型層とから構成されることが好ましい。ベース
層はポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等から
選ばれ、その厚さは、好ましくは50〜125μm程
度、より好ましくは75〜100μm程度である。ベー
ス層の表面に形成される離型層としては、前述のフッ素
樹脂、例えばPFA等が5〜30μmの厚さでコーティ
ングされたものが好ましい。
【0067】エンドレスベルト11の定着ローラ10へ
の巻き付け角度としては、定着ローラ10の回転速度に
もよるが、ニップ部を十分に広く確保できるよう、20
〜45°程度とすることが好ましい。また、ニップ部の
デュエルタイム(記録シートの1つの点がニップを通過
するのに要する時間)が、30msec.以上、特に5
0〜70msec.程度となるような巻き付け角度とす
ることが好ましい。このように、定着ローラ10の形状
に追従して従動可能なエンドレスベルト11を用いるこ
とにより、ニップ部をの幅を広く採ることができ、トナ
ーの定着性や離型性の向上を図ることができる。
【0068】加圧パッド12は、前述のように、弾性部
材12aと、低摩擦層12bと、ホルダー12cとによ
り構成される。弾性部材12aは、定着ローラ10の耐
熱性弾性体層10bで説明したような弾性体、板バネ等
を用いることができ、ほぼ定着ローラ10の外周面に倣
う凹形になっている。さらに弾性部材12a上に形成さ
れる低摩擦層12bは、エンドレスベルト11の内周面
と加圧パッド12との摺動抵抗を小さくするために設け
られ、摩擦係数が小さく、耐摩耗性のあるものが望まし
い。具体的には、フッ素樹脂を含浸させたガラス繊維シ
ート、フッ素樹脂シート、定着ローラ10の離型層10
cで説明したような樹脂等を用いることができる。
【0069】以上のような加圧パッド12は、定着ロー
ラ10に対して押圧されて、ニップ部を形成し、定着ロ
ーラ10に一定の歪み量を生じさせる。加圧パッド12
の総荷重としては、所望の歪み量が得られる範囲であれ
ば特に限定されないが、本発明の定着装置はニップ部が
広いため、ニップ部の入口から出口にかけて徐々に荷重
が大きくなるようにすれば、少ない総荷重でも十分な歪
み量とすることができる。
【0070】ここで「歪み」とは既述の通りであり、本
発明において歪み量は、以下のようにして測定する。一
般に、ハードローラとソフトローラとをある荷重のもと
で圧接させた場合、その圧接されたニップ領域でソフト
ローラ表面が弾性変形し、その表面は円周方向にある歪
みを生じる。この状態でこのローラ対を回転させ、記録
シートを挿通させると、記録シートはソフトローラの歪
みを生じた領域、つまりニップ領域で搬送される。この
ためソフトローラ1回転で送り出される記録シートの長
さは、実際のローラの周長より円周方向の歪み量に対応
して搬送量が大きくなる。このとき実際のローラの周長
より大きくなった搬送量の割合をε(%)で表して、こ
れを歪み量と規定する。即ち、 ε(%)={(A÷B)−1}×100 (上記式中、Aはローラの1回転で搬送される記録シー
トの長さを、Bは歪みがないとした場合のローラの周長
をそれぞれ表す。)となる。
【0071】上記定着装置において、加圧パッド12に
より定着ローラ10に生ずる歪み量としては、1〜4%
の範囲であることが好ましい。歪み量が1%より小さく
なると離型性が十分でなく、4%を超えると定着ローラ
10の離型層10cにシワが発生する可能性があり好ま
しくない。また、加圧パッド12は、ローラのように回
転することなく固定化された状態で配置されているた
め、定着ローラ10から伝導される熱が放熱しにくい。
さらに、エンドレスベルト11は薄膜で熱容量が小さい
ことより、定着ローラ10の回転に従動してエンドレス
ベルト11が周回駆動されても、定着ローラ10から奪
う熱量が少ない。したがって、熱損失が少なく、定着ロ
ーラ10の温度を維持するための熱供給量が少なくてよ
く、経済的なものとなる。
【0072】ベルト走行ガイド13は、エンドレスベル
ト11の内面と摺擦するため、摩擦係数が小さい部材が
望ましく、かつ、ベルトから熱を奪いにくいように熱伝
導率の低い部材がよい。このような部材としては、PF
AやPPS(ポリフェニレンサルファイド)等の耐熱性
樹脂等が挙げられる。
【0073】上記定着装置においては、ニップ部が広く
十分な定着性能が得られ、かつ、少ない歪み量で効果的
に離型性を得ることができるため、加圧パッド12によ
る総荷重が小さくて済む。したがって、円筒状芯金10
aの外径を小さく、肉厚を薄くできるとともに、円筒状
芯金10aの表面に形成される耐熱性弾性体層10bの
厚さも薄くでき、従来のロール対方式の定着装置に比べ
て極めて熱容量が小さく、インスタントスタート性が向
上する。また、加熱源としてのハロゲンランプ14の出
力を低下させることもできる。また、定着ローラ10内
面と外面との間の熱抵抗が小さくなり、熱応答が早くな
って、消費電力の低減およびより高速な定着が可能とな
る。
【0074】C.本発明において使用するトナー 本願発明に係る画像形成装置で用いられるトナーについ
て説明する。本願発明に係る画像形成装置で用いられる
トナーは、少なくとも着色剤と、結着樹脂と、ワックス
とからなり、さらにトナー結着樹脂に2〜10重量%の
無機微粒子が含有されている。このトナーの平均粒径は
3μm以上10μm以下である。
【0075】上記結着樹脂に含まれる無機微粒子とは、
例えば炭酸カルシウム、リン酸三カルシウム、硫酸バリ
ウムなどの金属塩、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化アル
ミニウム、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウ
ム、チタン酸カルシウム、酸化セリウム、酸化ジルコニ
ウム、酸化マグネシウム、などの金属酸化物、セラミッ
ク、カーボンブラック、等が挙げられ、単独で用いても
よく、2種以上を混合して用いてもよい。なかでも発色
性、OHPにおける光透過性を良好にするため、酸化ケ
イ素などの結着樹脂との屈折率差が小さい無機微粒子が
好ましい。また、無機微粒子の粒径は好ましくは4nm
以上500nm以下で、特に好ましくは6nm以上50
nm以下である。500nm以上では十分な効果が得ら
れない。さらに、無機微粒子のトナー内部への添加量は
トナー100重量部に対し、好ましくは1重量部以上2
0重量部以下であり、特に好ましくは、2重量部以上1
0重量部以下である。1重量部以下では無機微粒子添加
の効果がなく、20重量部以上では定着性が不十分とな
る。
【0076】これらの無機微粒子は、製造工程中でトナ
ー中から脱離させないため、カップリング材等で疎水性
に表面処理することが好ましく、カップリング材として
は具体的にはメチルトリクロロシラン、メチルジクロロ
シラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシ
ラン、フェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロ
シラン、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシ
ラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキ
シシラン、ジフェニルジメトキシシラン、テトラエトキ
シシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエト
キシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニル
ジエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デ
シルトリメトキシシラン、ヘキサメチルシラザン、N,N-
(ビストリメチルシリル) アセトアミド、N,N-ビス( ト
リメチルシリル) ウレア、tert-ブチルジメチルクロロ
シラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン、β−(3.4エポキシシク
ロヘキシル) エチルトリメトキシシラン、γ−グリシド
キシプリピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプ
リピルメチルジエトキシシラン、γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキ
シシラン、等のシランカップリング剤やチタンカップリ
ング剤等をあげることができる。また、親油性が小さい
と、トナー中への無機微粒子の取り込み率が小さくな
る。
【0077】上記トナー粒子の作製方法としては、具体
的には、結着性樹脂、着色剤、ワックス、無機微粒子、
その他の材料を溶媒に溶解分散させてなる油性成分を、
水性媒体中で懸濁分散し、その後前記溶媒を除去する方
法、前記溶液に貧溶媒を加えることにより粒子を析出さ
せる方法が挙げられる。前記水性媒体は、主として水が
用いられるが、水溶性溶媒を混合しても構わない。油性
成分を水性媒体中に分散安定化させるために無機微粒子
かつ/または水溶性高分子を添加することが好ましく、
添加される無機微粒子としては、リン酸三カルシウム、
ヒドロキシアパタイト、炭酸カルシウム、酸化チタン、
水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウ
ム、酸化珪素等があげられる。無機分散剤の量は、水性
媒体100重量部に対して、1 〜30重量部が好ましい。さ
らに無機分散剤の平均粒径は1 μm 以下が好ましい。水
溶性高分子としては具体的には、セルロース、ヒドロキ
シプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース、デンプン、ポリビニルアルコ
ール、ポリアクリル酸などが挙げられる。
【0078】前記溶媒としては、一般の有機溶媒が用い
られる。例えば、トルエン、キシレン等の炭化水素、塩
化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタン等のハロゲ
ン化炭化水素、テトラヒドロフラン等のエーテル類、酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メ
チルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類があ
げられる。これらは単独で使用してもよく、混合して使
用してもよい。前記粒子作製のための攪拌方法として
は、ホモジナイザー、コロイドミル等のローターステー
ター型攪拌機,ディゾルバー等のインペラー型攪拌機、
超音波攪拌機などが用いられる。
【0079】上記結着樹脂は、公知の定着用樹脂を用い
ることができ、具体的にはアルコール成分とカルボン酸
成分との縮合重合によって得られるポリエステル(アル
コール成分としては、 エチレングリコール、 ジエチレン
グリコール、 トリエチレングリコール、 ポリエチレング
リコール、 プロピレングリコール、 ブタンジオール、ペ
ンタンジオール、 ヘキサンジオール、 シクロヘキサンジ
メタノール、 キシリレングリコール、 ジプロピレングリ
コール、 ポリプロピレングリコール、 ビスフェノールA、
水添ビスフェノールA、ビスフェノールA エチレンオキサ
イド、 ビスフェノールA プロピレンオキサイド、 ソルビ
トール、 グリセリンなどの2 価以上のアルコールおよび
アルコール誘導体。 カルボン酸成分としては、 マレイン
酸、 フマール酸、 フタル酸、 イソフタル酸、 テレフタル
酸、 コハク酸、 アジピン酸、 トリメリット酸、 ピロメリ
ット酸、 シクロペンタンジカルボン酸、 無水コハク酸、
無水トリメリット酸、 無水マレイン、 酸ドデセニル無水
コハク酸などの2 価以上のカルボン酸、 カルボン酸誘導
体や無水カルボン酸などが挙げられる。 アルコール成分
およびカルボン酸成分はをそれぞれ2 種類以上、 組み合
せてもかまわない。)、ポリアクリル酸メチル、 ポリア
クリル酸エチル、 ポリアクリル酸ブチル、 ポリアクリル
酸2-エチルヘキシル、 ポリアクリル酸ラウリル等のアク
リル酸エステル重合体、 ポリメタクリル酸メチル、 ポリ
メタクリル酸ブチル、 ポリメタクリル酸ヘキシル、 ポリ
メタクリル酸2-エチルヘキシル、 ポリメタクリル酸ラウ
リル等のメタクリル酸エステル重合体、 アクリル酸エス
テルとメタアクリル酸エステルとの共重合体、 スチレン
系モノマーとアクリル酸エステルもしくはメタクリル酸
エステルとの共重合体、 ポリ酢酸ビニル、 ポリプロピオ
ン酸ビニル、 ポリ酪酸ビニル、 ポリエチレン及びポリプ
ロピレンなどのエチレン系重合体およびその共重合体、
スチレン・ ブタジエン共重合体、 スチレン・ イソプレン
共重合体、 スチレン・ マレイン酸共重合体などのスチレ
ン系共重合体、ポリビニルエーテル、 ポリビニルケトン、
ポリエステル、 ポリアミド、 ポリウレタン、 ゴム類、
エポキシ樹脂、 ポリビニルブチラール、 ロジン、 変成ロ
ジン、 テルペン樹脂、 フェノール樹脂などを単独あるい
は混合して用いることができる。
【0080】上記トナーに用いるワックスとしては、具
体的にはパラフィンワックス、酸化パラフィンワック
ス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油ワック
ス、モンタンワックスなどの鉱物ワックス、みつろう、
カルナバワックスなどの動植物ワックス、ポリオレフィ
ンワックス、酸化ポリオレフィンワックス、フィッシャ
ートロプシュワックスなどの合成ワックス等を単独ある
いは混合して用いることができる。ワックスの融点は40
℃〜150 ℃が好ましく、50℃〜100℃が特に好ましい。
ワックスはあらかじめより小さく分散させておくのが望
ましく、平均1μm以下に分散させておくことが望まし
い。
【0081】ワックス粒子径を小さくするワックスの分
散方法としては、メディア式ミルでワックスを有機溶媒
中で湿式粉砕する方法、ワックスを有機溶媒中に溶解さ
せた後、冷却析出させて微分散させる方法、あるいはワ
ックスを気相中で蒸発させて、微粒子化させる方法が挙
げられる。用いられる有機溶媒は、結着樹脂を溶解する
際に用いる溶媒と必ずしも同一である必要はない。溶媒
の量は、ワックス1重量部に対して、溶媒0.1 〜20重量
部が望ましい。ワックスの溶解方法としては、加熱、加
圧などしておこなうことができる。
【0082】ワックスを気相中で蒸発させて、微粒子化
させる方法において、気相としては、ヘリウム、アルゴ
ン、窒素の不活性ガスを用い、ワックスを100 ℃〜400
℃の温度に加熱し、0.01〜10torrの減圧下で蒸発させ
て、蒸発したワックス微粒子を冷却した基体に付着させ
た後、かきとるかあるいは溶剤に分散させるなどして微
粒子化することができる。トナー造粒の際には、ワック
ス微粒子粉末をそのまま加えても、溶媒中に分散させて
も構わない。本方法では、温度および減圧度を調整する
ことで、分子量分布の狭い留分を分離することも可能で
ある。
【0083】上記トナーで用いられる着色材としては、
公知の有機、もしくは、無機の顔料を使用することがで
きる。たとえば、ファーネスブラック、チャンネルブラ
ック、アセチレンブラック、サーマルブラック等のカー
ボンブラック、ベンガラ、紺青、酸化チタン等の無機顔
料、ファストイエロー、ジスアゾイエロー、ピラゾロン
レッド、キレートレッド、ブリリアントカーミン、パラ
ブラウン、ベンズイミダゾロン等のアゾ顔料、銅フタロ
シアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン顔
料、フラバントロンイエロー、ジブロモアントロンオレ
ンジ、ペリレンレッド、キナクリドンレッド、ジオキサ
ジンバイオレット等の縮合多環系顔料、カーミンレーキ
顔料などが挙げられる。
【0084】なお、本発明においては、磁性一成分トナ
ーとして、黒色着色材の全部又は一部を磁性粉で置き換
えることができる。磁性粉としては、マグネタイト、フ
ェライト、又はコバルト、鉄、ニッケル等の金属単体又
はその合金を用いることができる。これらの着色剤は、
樹脂100 重量部に対して1 〜50重量部程度の割合で加
え、好ましくは2 〜20重量部が適切である。
【0085】本発明の顔料分散方法としては、サンドミ
ル、ボールミル、アトライター、コボールミル等のメデ
ィア式分散機、三本ロールミル等のロールミル、ナノマ
イザー等のキャビテーションミル、コロイドミルなどを
用いて顔料分散することができる。顔料分散時に適度な
せん断力を加えるために、前記結着樹脂を一部添加して
粘度を調製してもよい。
【0086】上記顔料の分散状態を安定に保つため、顔
料分散剤を添加することが好ましい。顔料分散剤として
は、具体的には、EFKA47,EFKA4009,E
FKA4010(変性ポリウレタン:EFKA CHE
MICALS社製)、アジスパーPB711,アジスパ
ーPB411、アジスパーPA111( 味の素( 株)製)
、ディスパロンDA−703−50、ディスパロンD
A−705、ディスパロンDA−725、ディスパロン
DA−400N(ポリエステル:楠本化成( 株) 製)な
どが挙げられる。また、顔料と顔料分散剤をより強固な
結合として顔料分散をより安定化するために、顔料誘導
体等を添加したり、顔料の表面処理を行ったものを顔料
分散することが好ましい。
【0087】顔料誘導体としては具体的には、ジメチル
アミノエチルキナクリドン、ジヒドロキナクリドン、ア
ントラキノンのスルホン酸誘導体、アントラキノンのカ
ルボン酸誘導体、ソルスパース5000,ソルスパース
12000,ソルスパース22000(ゼネカ社製)、
EFKA−745、LP6750( EFKA Chem
icals社製) などが挙げられる。また顔料の表面処
理剤としては、ガムロジン、ウッドロジン、トールロジ
ン等の天然ロジン、アビエチン酸、レボピマル酸、デキ
ストロピマル酸等のアビエチン酸誘導体とそれらのカル
シウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩
などの金属塩、ロジン・マレイン酸樹脂、ロジン・フェ
ノール樹脂等が挙げられる。顔料誘導体、顔料表面処理
剤量は、顔料に対して0.1〜100重量%が好まし
く、0.1〜10重量%の範囲が特に好ましい。
【0088】(第2の実施の形態)図3は、本願発明の
第2の実施の形態である画像形成装置で用いられる定着
装置の概略構成図である。この画像形成装置は、定着装
置以外は図1に示す画像形成装置と同じ構成を有するも
のであり、定着装置として、図2に示すものに代え、図
3に示す定着装置を使用している。この定着装置におけ
る定着ローラ20、エンドレスベルト21の構成は、第
1の実施の形態の定着装置と同様である。しかし、本実
施形態では、加圧パッド(加圧部材)22の構成が異な
っている。
【0089】本実施形態における加圧パッド22は、幅
の広いニップ部を確保するためのプレニップ部材22a
をニップ部の入口側に、定着ローラ20に歪みを与える
ための剥離ニップ部材22dをニップ部の出口側にそれ
ぞれ配置し、これらをホルダー22で支持するものであ
る。また、エンドレスベルト21の内周面と加圧パッド
22との摺動抵抗を小さくするために、プレニップ部材
22aおよび剥離ニップ部材22dのエンドレスベルト
21と接する面に低摩擦層22bが設けられている。プ
レニップ部材22a及び低摩擦層22bは、図2に示す
定着装置における弾性部材12a及び低摩擦層12bと
同様の材料、形態を有するものである。また、ベルト走
行ガイド23も、図2に示す定着装置におけるものと同
様の材料、形状を有するものである。
【0090】上記定着装置においては、ほぼ定着ローラ
20の外周面に倣う凹状面を備えたプレニップ部材22
aにより広いニップ部を確保するとともに、定着ローラ
20の外周面形状に対して突出させた剥離ニップ部材2
2dにより、ニップ部の出口付近(「剥離ニップ部」と
いう)において定着ローラ20の歪みが局所的に大きく
なるようにしている。定着ローラ20の歪みを局所的に
大きくすることにより、ロール対による定着方式のよう
にニップ全域で歪みを生じさせる場合と比較して、小さ
い歪み量で高い離型性能を得ることができる。従って、
定着ローラ20の離型層として薄膜の耐熱性樹脂層を用
いた場合にもシワの発生を防止でき、耐熱性弾性体層2
0bと耐熱性樹脂からなる離型層20cとの間の剥離等
の問題も起こりにくく、離型性能の維持と併せて長期に
わたる信頼性が得られる。
【0091】さらに、定着ローラ20の歪み量が小さく
て済むため、定着ローラ20の耐熱性弾性体層20bを
薄肉化することができる。これは定着ローラ20の低熱
容量化に寄与するため、よりインスタントスタート性が
向上するとともに、消費電力の低減をも図ることができ
る。また、熱伝導性が悪い耐熱性弾性体層20bを薄肉
化できるため、定着ローラ内面と外面との間の熱抵抗を
小さくすることができ、熱応答が早くなる。従って、よ
り高速な定着が可能となる。
【0092】剥離ニップ部材22dの材質としては、特
に限定されないが変形しにくいものが好ましく、PP
S、ポリイミド、ポリエステル、ポリアミド等の耐熱性
を有する樹脂、もしくは鉄、アルミニウム、ステンレス
等の金属が使用できる。剥離ニップ部材22dの形状と
しては、ニップ部における外面形状が一定の曲率半径を
有する凸曲面状とすることが好ましく、該曲率半径の好
ましい範囲としては、定着ローラ20の半径や耐熱性弾
性体層20bの厚さ、硬度等にもよるが、おおよそ2〜
5mm程度である。
【0093】本実施形態の画像形成装置では、上記定着
装置を用いることと、図1に示す画像形成装置と同じト
ナーを使用することにより、高い離形性が得られるとと
もに、定着部における使用エネルギーの低減、高速定
着、及び電源投入時の立ち上げ時間の短縮等、多くの点
について優れた性能を有する。
【0094】なお、画像形成装置の構造は、図1に示す
ものに限定されず、複数色のトナー像を形成するために
各色毎の像担持体を有するもの等、様々な形態のものを
採用することができる。
【0095】(第3の実施の形態)図4は、本願発明の
第3の実施の形態である画像形成装置で用いられる定着
装置の概略構成図である。この画像形成装置は、定着装
置以外は図1に示す画像形成装置と同じ構成を有するも
のであり、定着装置として、図2に示すものに代え、図
4に示す定着装置を使用している。この定着装置におけ
る定着ローラ30、エンドレスベルト31の構成は、図
2又は図3に示す定着装置と同様である。しかし、本実
施形態では、加圧部材の構成およびエンドレスベルト3
1が加圧ローラ32、および張架ローラ33a、33b
の3本のローラにより張架されている点で異なってい
る。
【0096】エンドレスベルト31は、図2又は図3に
示す定着装置と同様、所定の巻き付け角度で定着ローラ
30に巻き付けられ、ニップ部を形成している。しか
し、該ニップ部の出口において加圧ローラ32が定着ロ
ーラ30に押圧され、定着ローラ30の耐熱性弾性体層
30bに歪みを与えている。このような構成により、図
3に示す定着装置と同様に広いニップ部を確保するとと
もに、ニップ部の出口付近において定着ローラ30の歪
みが局所的に大きくなるようにしている。そして、その
効果も図3に示す定着装置と同様である。また、本実施
形態においては、ニップ部の出口付近における定着ロー
ラ30の歪み量を比較的大きく採ることができる(3%
前後)。このようにニップ部の出口付近で歪み量を大き
くすることにより、記録シートを定着ローラ30から強
制的に剥離する手段を用いることなく、記録シートの剥
離を行う、いわゆるセルフストリッピングが可能とな
る。
【0097】加圧ローラ32の押圧力としては、第1の
実施の形態の定着装置において好ましい範囲として記載
した歪み量の範囲となるように調整されるが、従来のロ
ール対方式の定着装置における加圧ローラ(図11および
図12参照)に比べ、加圧ローラ32を小径にできるため
少ない押圧力および歪み量で十分な剥離性を得ることが
できる。
【0098】このように、図4に示す定着装置を採用す
るとともに、無機微粒子を含むトナーを使用することに
より、離形性、及び定着性能について優れた画像形成装
置とすることができる。
【0099】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 <定着装置の諸元>本実施例の画像形成装置で用いる定
着装置は、図3に示す構成を備えるものである。この定
着装置の諸元は以下の通りである。 ・円筒状芯金(コア)20a:外径24.8mm、内径
24mmの鉄(STKM11)製円筒体 ・耐熱性弾性体層20b:厚さ600μm、ゴム硬度4
0°(JIS−A)のHTV(High Temperature Vulca
nization)シリコーンゴム ・離型層(耐熱性樹脂層)20c:厚さ20μmのPF
A(パーフルオロアルキルビニールエーテル共重合樹
脂)チューブ ・ハロゲンランプ24の出力:800W ・定着ローラ20の表面設定温度:150℃ ・エンドレスベルト21:ベース層として厚さ75μ
m、周長94mmのポリイミドシームレスベルトに、離
型層としてPFAが10μmの厚さでコーティングされ
たもの
【0100】・プレニップ部材22a:幅6mm、硬度
20°(JIS−A)のシリコーンゴム、定着ローラ2
0の外周面に倣う凹形(R26mm) ・低摩擦層22b:フッ素樹脂を含浸させたガラス繊維
シート(中興化成製FGF−500−4) ・剥離ニップ部材22d:PPS製、押圧部の曲率半径
が15mm ・ベルト走行ガイド23:PFA製 ・加圧パッド22の押圧力:総荷重30kg ・ニップ幅:6mm(プレニップ部材22aとの接触
幅:4mm、剥離ニップ部材との接触幅:2mm) ・ニップ幅内での圧力分布:図5に実線で示す通りの圧
力分布であり、プレニップ部の圧力が約1.0kg/c
2 、剥離ニップ部のピーク圧力が約3.0kg/cm
2 ・定着ローラ20の歪み:約1% ・定着ローラ20の周速度:100mm/sec ・ニップ部のデュエルタイム:60msec
【0101】<定着装置の作動>画像形成装置の転写ロ
ール57により中間転写体55から記録シート16の上
にトナー像が二次転写され、図3における右側からニッ
プ部に向けてこの記録シートが搬送され、ニップ部に作
用する圧力と、ハロゲンランプ24で発生し定着ローラ
20を通じて与えられる熱により、トナー像が記録シー
ト上に定着される。
【0102】この定着装置のハロゲンランプ24に80
0Wの電力を投入した際に、定着ローラ20を室温(2
0℃)から150℃まで立ち上げるのに要する時間は約
15秒であった。一方、フルカラーの未定着トナー画像
を形成するために、図1に示すような通常の4サイクル
の装置では15〜18秒かかる。よって、定着装置が室
温の状態からでも、ほとんど待機時間を設けることなく
画像形成を開始でき、本実施例の定着装置は、インスタ
ントスタート性に優れるものであることが確認された。
【0103】一方、比較対照として、富士ゼロックス社
製フルカラー複写機AColor620の定着装置を取
上げる。この定着装置は図12に示すようなロール対方式
であるため熱容量が大きい。定着ローラ121と加圧ロ
ーラ122との双方がハロゲンランプ123、124を
有しており、合計1100Wの電力を投入した際の立ち
上がり時間は約3分30秒である。図6は、本実施例の
定着装置とAColor620の定着装置の立ち上がり
時間を比較するグラフであるが、インスタントスタート
性の差は明白であった。
【0104】<用いたトナーの製造>本実施例において
は、以下のトナーを用いた。 ●イエロートナー C.I.ピグメントイエロー180、75重量部、酢酸
エチル412.4重量部、溶媒除去したディスパロンD
A−703−50(ポリエステル酸アマイドアミン塩、
楠本化成( 株) 社製)12.6重量部をDCPミルを用
いて溶解/分散し、顔料分散液を作製した。また、離型
剤としてパラフィンワックス(融点89℃)30重量部
と酢酸エチル270重量部をDCPミルを用い5℃に冷
却した状態で、湿式粉砕し、ワックス分散液を作製し
た。
【0105】ビスフェノールA プロピレンオキサイド付
加物、ビスフェノールA エチレンオキサイド付加物、テ
レフタル酸誘導体からなるポリエステル樹脂(Mw50
000 Mn3000 酸価15mgKOH/g 水酸
基価27mgKOH/g Tg65℃ 軟化点112
℃)300重量部、顔料分散液を267重量部、ワック
ス分散液400重量部、疎水性酸化けい素微粒子(アエ
ロジル社製R972、平均粒径約16nm)20重量部
を混合し均一になるまでよく撹拌した( この液をA 液と
した) 。一方、炭酸カルシウム40重量部、水60重量
部に分散した炭酸カルシウム分散液124重量部とセロ
ゲンBS-H( 第一工業製薬(株)) の2%水溶液99重量部
と水157重量部をホモジナイザー(ウルトラタラック
ス:IKA社製)を用いて3分間攪拌した( この液をB
液とした) 。
【0106】さらに、ホモジナイザー(ウルトラタラッ
クス:IKA社製)を用いて前記B液345重量部と前
記A液250重量部を10000rpmで1分間攪拌し
混合液を懸濁した後、室温、常圧で48時間プロペラ型
攪拌機で攪拌し溶媒を除去した。次に塩酸を加えて、炭
酸カルシウムを除去した後、水洗、乾燥、分級してトナ
ーを得た。トナーの平均粒径は6μmであった。
【0107】次に、このトナー100 重量部に平均粒径4
0nmのシリコンオイル処理酸化珪素微粒子(RY5
0:日本エアロジル社製) 1.3重量部、平均粒径10
0nmの爆燃法酸化珪素微粒子(KMP−105:信越
化学社製 の分級物)2重量部、平均粒径20nmの酸
化チタン(MT150AW:テイカ( 株) 製)をデシル
トリメトキシシラン20%で処理した微粒子1.5重量
部をサンプルミルで混合しトナーを作製した。
【0108】●マゼンタトナー C.I.ピグメントレッド57:1、75重量部、酢酸
エチル406.3重量部、溶媒除去したディスパロンD
A−703−50(ポリエステル酸アマイドアミン塩、
楠本化成( 株) 社製)18.7重量部をDCPミルを用
いて溶解/分散し、顔料分散液を作製した。また、離型
剤としてパラフィンワックス(融点89℃)30重量部
と酢酸エチル270重量部をDCPミルを用い5℃に冷
却した状態で、湿式粉砕し、ワックス分散液を作製し
た。
【0109】ビスフェノールA プロピレンオキサイド付
加物、ビスフェノールA エチレンオキサイド付加物、テ
レフタル酸誘導体からなるポリエステル樹脂(Mw50
000 Mn3000 酸価15mgKOH/g 水酸
基価27mgKOH/g Tg65℃ 軟化点112
℃)420重量部、顔料分散液を200重量部、ワック
ス分散液250重量部、酢酸エチル105重量部、疎水
性酸化けい素微粒子(アエロジル社製R972、平均粒
径約16nm)20重量部を混合し均一になるまでよく
撹拌した( この液をA 液とした) 。一方、炭酸カルシウ
ム40重量部、水60重量部に分散した炭酸カルシウム
分散液124重量部とセロゲンBS-H( 第一工業製薬
(株)) の2%水溶液99重量部と水157重量部をホモ
ジナイザー(ウルトラタラックス:IKA社製)を用い
て3分間攪拌した( この液をB 液とした) 。
【0110】さらに、ホモジナイザー(ウルトラタラッ
クス:IKA社製)を用いて前記B液345重量部と前
記A液250重量部を10000rpmで1分間攪拌し
混合液を懸濁した後、室温、常圧で48時間プロペラ型
攪拌機で攪拌し溶媒を除去した。次に塩酸を加えて、炭
酸カルシウムを除去した後、水洗、乾燥、分級してトナ
ーを得た。トナーの平均粒径は6μmであった。
【0111】次に、このトナー100 重量部に平均粒径4
0nmのシリコンオイル処理酸化珪素微粒子(RY5
0:日本エアロジル社製) 1.3重量部、平均粒径10
0nmの爆燃法酸化珪素微粒子(KMP−105:信越
化学社製 の分級物)2重量部、平均粒径20nmの酸
化チタン(MT150AW:テイカ( 株) 製)をデシル
トリメトキシシラン20%で処理した微粒子1.5重量
部をサンプルミルで混合しトナーを作製した。
【0112】●シアントナー C.I.ピグメントブルー15:4、100重量部、酢
酸エチル380重量部、溶媒除去したディスパロンDA
−703−50(ポリエステル酸アマイドアミン塩、楠
本化成( 株) 社製)20重量部をDCPミルを用いて溶
解/分散し、顔料分散液を作製した。また、離型剤とし
てパラフィンワックス(融点89℃)30重量部と酢酸
エチル270重量部をDCPミルを用い5℃に冷却した
状態で、湿式粉砕し、ワックス分散液を作製した。
【0113】ビスフェノールA プロピレンオキサイド付
加物、ビスフェノールA エチレンオキサイド付加物、テ
レフタル酸誘導体からなるポリエステル樹脂(Mw50
000 Mn3000 酸価15mgKOH/g 水酸
基価27mgKOH/g Tg65℃ 軟化点112
℃)428重量部、顔料分散液を113重量部、ワック
ス分散液250重量部、疎水性酸化けい素微粒子(アエ
ロジル社製R816、平均粒径約7nm)25重量部、
酢酸エチル180重量部を混合し均一になるまでよく撹
拌した( この液をA 液とした) 。一方、炭酸カルシウム
40重量部、水60重量部に分散した炭酸カルシウム分
散液124重量部とセロゲンBS-H( 第一工業製薬
(株)) の2%水溶液99重量部と水157重量部をホモ
ジナイザー(ウルトラタラックス:IKA社製)を用い
て3分間攪拌した( この液をB 液とした)。
【0114】さらに、ホモジナイザー(ウルトラタラッ
クス:IKA社製)を用いて前記B液345重量部と前
記A液250重量部を10000rpmで1分間攪拌し
混合液を懸濁した後、室温、常圧で48時間プロペラ型
攪拌機で攪拌し溶媒を除去した。次に塩酸を加えて、炭
酸カルシウムを除去した後、水洗、乾燥、分級してトナ
ーを得た。トナーの平均粒径は6μmであった。
【0115】次に、このトナー100 重量部に平均粒径4
0nmのシリコンオイル処理酸化珪素微粒子(RY5
0:日本エアロジル社製) 1.3重量部、平均粒径10
0nmの爆燃法酸化珪素微粒子(KMP−105:信越
化学社製 の分級物)2重量部、平均粒径20nmの酸
化チタン(MT150AW:テイカ( 株) 製)をデシル
トリメトキシシラン20%で処理した微粒子1.5重量
部をDCPミルで混合しトナーを作製した。
【0116】●ブラックトナー カーボンブラック、125重量部、酢酸エチル356.
2重量部、溶媒除去したディスパロンDA−703−5
0(ポリエステル酸アマイドアミン塩、楠本化成( 株)
社製)18.8重量部をDCPミルを用いて溶解/分散
し、顔料分散液を作製した。また、離型剤としてパラフ
ィンワックス(融点89℃)30重量部と酢酸エチル2
70重量部をDCPミルを用い5℃に冷却した状態で、
湿式粉砕し、ワックス分散液を作製した。
【0117】ビスフェノールA プロピレンオキサイド付
加物、ビスフェノールA エチレンオキサイド付加物、テ
レフタル酸誘導体からなるポリエステル樹脂(Mw50
000 Mn3000 酸価15mgKOH/g 水酸
基価27mgKOH/g Tg65℃ 軟化点112
℃)425重量部、顔料分散液を100重量部、ワック
ス分散液250重量部、疎水性酸化けい素微粒子(アエ
ロジル社製R812、平均粒径約7nm)25重量部を
混合し均一になるまでよく撹拌した( この液をA液とし
た) 。一方、炭酸カルシウム40重量部、水60重量部
に分散した炭酸カルシウム分散液124重量部とセロゲ
ンBS-H( 第一工業製薬(株)) の2%水溶液99重量部と
水157重量部をホモジナイザー(ウルトラタラック
ス:IKA社製)を用いて3分間攪拌した( この液をB
液とした) 。
【0118】さらに、ホモジナイザー(ウルトラタラッ
クス:IKA社製)を用いて前記B液345重量部と前
記A液250重量部を10000rpmで1分間攪拌し
混合液を懸濁した後、室温、常圧で48時間プロペラ型
攪拌機で攪拌し溶媒を除去した。次に塩酸を加えて、炭
酸カルシウムを除去した後、水洗、乾燥、分級してトナ
ーを得た。トナーの平均粒径は6μmであった。
【0119】次に、このトナー100 重量部に平均粒径4
0nmのシリコンオイル処理酸化珪素微粒子(RY5
0:日本エアロジル社製) 1.3重量部、平均粒径10
0nmの爆燃法酸化珪素微粒子(KMP−105:信越
化学社製 の分級物)2重量部、平均粒径20nmの酸
化チタン(MT150AW:テイカ( 株) 製)をデシル
トリメトキシシラン20%で処理した微粒子1.5重量
部をサンプルミルで混合しトナーを作製した。
【0120】<現像剤の製造>キャリアコアとして、F
300(パウダーテック社製)を用い、これにメチルメ
タクリレートをキャリアコアに対して0.5重量%の割
合で添加し、ニーダでコートしてキャリアを作製した。
このキャリアと上記トナーとをトナー:キャリア=8:
100の割合(重量比)で混合して、本実施例に用いる
現像剤とした。
【0121】<画像形成試験>上記の現像剤を用いて、
また、画像形成装置として、定着装置を前記のものに変
更したAColor620改造機(構成は図1に示すも
のと同じ)を用いて画像形成試験を行った。画像形成試
験は、4.5g/m2 のベタ画像を、記録シートとして
のA4用紙(富士ゼロックス社製J紙)に複写すること
により行った。画像形成試験の結果、光沢ムラがない良
好な複写物が得られた。記録シートの離型性も良好であ
った。また、待機時間もほとんどなく、インスタントス
タート性の高いものであった。
【0122】<トナーの無機微粒子含有量と定着ラチチ
ュードとの関係>次に、トナーの無機微粒子含有量と定
着ラチチュードとの関係について確認した。実施例の画
像形成装置に用いたトナーへの酸化ケイ素SiO2の含有量
を0〜3 0%の間で適宜条件を変え、定着ラチチュード
を測定した。その結果を図7に示す。ここで、「○のプ
ロットに実線」がオフセット発生温度、「△のプロット
に破線」が最低定着温度であり、この差が定着ラチチュ
ードである。
【0123】図7により、以下のことがわかる。2重量
%の無機微粒子を加えることによりオフセット発生温度
は急激に高くなり、さらに無機微粒子を加えるとオフセ
ット発生温度は緩やかに上昇する。一方、最低定着温度
の方は、無機微粒子量増加に伴い緩やかに上昇する。そ
して、無機微粒子量が10重量%を超えると極端に最低
定着温度が高くなってしまう。よって、無機微粒子量2
重量%以上10重量%以下にすることにより広い定着ラ
チチュードが得られることが確認された。
【0124】<定着ローラ離型層の材質の比較>比較例
1として、本実施例の定着ローラ20の離型層20cと
してフッ素樹脂の代わりにフッ素ゴムを厚さ30μmの
厚さでディップコートした定着ローラを用い、それ以外
は本実施例の構成と同じ画像形成装置を用意した。フッ
素ゴムローラには、離型剤としてA4用紙あたり約5m
gのアミノ変性シリコーンオイル(信越化学製:粘度3
00CS)を塗布した(フッ素樹脂ローラを用いる本実
施例では、定着ローラに離型剤は供給していない)。な
お、用いたトナーは本実施例のトナーからワックスを除
いたものである。また、比較例2として、トナーとし
て、本実施例のトナーから無機微粒子を除いたものを用
い、それ以外は本実施例と同じ構成の定着装置を備えた
画像形成装置を用意した。
【0125】本実施例および比較例1、比較例2の各画
像形成装置について、コピー枚数の増加による定着ラチ
チュードを調べた。その結果を図8に示す。比較例1の
画像形成装置では、初期的には約60℃と広いラチチュ
ードを有する。これは、フッ素ゴムそのものはフッ素樹
脂に比べて離型性は劣るが、フッ素ゴムには離型剤を塗
布しており、さらに、大きな歪み量(5%)の効果が現
れることに起因すると考えられる。しかしながら、比較
例1の画像形成装置は、コピー枚数の増加とともに定着
ラチチュードが狭くなった。これは、ゴムそのものの摩
耗や、オフセットトナーと紙粉のフッ素ゴムへの固着等
により離型性が劣化しことに起因するものと考えられ
る。比較例1の画像形成装置の定着ラチチュードは、コ
ピー枚数5万枚定着後で約30℃まで、さらに7万枚定
着後で約10℃にまで低下した。
【0126】一方、比較例2の場合には、初期的に定着
ラチチュードが約30℃と上記比較例1に比べ狭くなっ
ている。しかしながら、フッ素樹脂の場合には離型性の
劣化がほとんどないため、10万枚定着後においても定
着ラチチュードの変化はほとんどみられない。しかし、
この画像形成装置では、記録シートを定着ローラから剥
離するために剥離補助装置が必要となり、この剥離補助
装置の設置位置の変動などにより画像を傷付けることが
あった。このため、設計公差が狭く、設計上及び装置の
製作における難点が多い。
【0127】本実施例の場合には、初期的に定着ラチチ
ュードが約50℃と上記比較例1に比べほぼ同等の広い
ラチチュードがある。さらに、フッ素樹脂の場合には離
型性の劣化がほとんどないため、10万枚定着後におい
ても定着ラチチュードの変化はほとんどみられない。し
かも、比較例1のようなオイル供給や、比較例2のよう
な剥離補助装置は不要である。
【0128】<離型層の厚さと画質に関する確認>上述
のように、定着ローラ20の離型層20cに厚さ20μ
mのPFAチューブを用いることにより、オイルレスに
おいても十分なトナーの離型性能が得られることが分か
った。次にそのPFAチューブの膜厚によって、画質が
どのように影響を受けるかに就いて確認した結果につい
て説明する。
【0129】上記本実施例の離型層20cのPFAのチ
ューブ厚を変えて、定着後のトナーの画質を調べた。評
価は、トナー量0.65mg/cm2 のベタ画像を形成
し、微妙なグロス(光沢)の変化を官能評価することに
より行った。その結果を表1に示す。なお、評価基準は
以下の通りであり、個人差による評価ムラをなくすた
め、10人の評価により決定した。 ◎:ほぼ均一(Acolor620の画質相当)。 ○:Acolor620の画質より劣るが、許容範囲
内。 ×:光沢ムラ大(白黒複写機並み)。
【表1】
【0130】一般にハードローラを用いた場合には光沢
ムラが顕著に現れるが、弾性体層の上にフッ素樹脂層を
設けた場合にも、膜厚が40μm以上になると光沢ムラ
が発生する。フッ素樹脂層の厚さが30μm以下の場合
に優れた画質が得られ、20μm以下の厚さで特に優れ
た画質が得られた。
【0131】<定着ローラの歪み量と定着ラチチュード
に関する確認>定着装置における定着ローラと加圧部材
とを押圧する総荷重を変えることにより、定着ローラ2
0の歪み量を変えて定着ラチチュードを測定した。その
結果を図9に示す。「○のプロットに実線」が本実施例
(図3)の場合であり、「△のプロットに破線」が、比
較例としてローラ対を有する定着装置を用いた場合であ
る。ともに歪み量を大きくすれば定着ラチチュードが広
がることが分かる。また、本実施例とローラ対方式を比
較した場合、同じ歪み量では本実施例の方が広い定着ラ
チチュードが得られることが分かる。逆に、同じ定着ラ
チチュードを得るためには、本実施例の方が小さな歪み
量で十分であることがわかる。
【0132】以下、この理由について考察する。離型効
果に寄与する歪みは、ニップ部の出口付近における定着
ローラの歪みであると考えられる。つまり、トナー像が
定着された記録シートがニップ部から排出される際に、
定着ローラの歪み(つまり変形)が元に戻ろうとして、
定着されたトナー像の表面と定着ローラ表面との界面に
微視的なスリップが生じ、トナー像と定着ローラとの間
の付着力が低減されると考えられる。従って、歪みが大
きいほど回復する際の変形速度が早くなり、スリップも
起こりやすく、離型性も向上すると推察される。
【0133】図5に上記従来のローラ対方式の定着装置
と本実施例の定着装置の、ニップ領域における圧力分布
の推移が示されているが、歪み量の分布はこれと同じ分
布を示す。従来のローラ対方式の定着装置では、ニップ
幅を確保するためにニップ全域にわたって定着ローラを
変形させている。つまり離型に関与しない領域において
も大きな歪みを生じさせている。
【0134】これに対して、本実施例の定着装置ではニ
ップ幅を確保するために、フレキシブルなベルトを用い
てニップ部を形成し、ニップ部の出口付近の離型性に関
与する領域においてのみ定着ローラにある程度大きな歪
みを与えているので、全体として小さな歪み量で高い離
型性が得られることになると結論づけることができる。
本実施例の場合には、歪み量が0.1%で離型効果が現
れ、0.3%では優れた離型性が得られ、定着ラチチュ
ードが広いものとなる。従って、歪み量は0.1%以上
好ましく、より好ましくは0.3%以上であることが確
認された。なお、従来のローラ対方式の定着装置では、
歪み量は1%以上が望ましい。
【0135】<離型層の膜厚と歪み量、シワとの関係>
次に、定着ローラ20の離型層20cの膜厚と歪み量と
の関係について確認した。本実施例の画像形成装置にお
ける定着装置の加圧パッド22に与える押圧力を総荷重
50kg、30kgおよび20kgとし、さらに離型層
20cの膜厚を5μm〜40μmの範囲で適宜条件を変
えて、そのときの定着ローラ20の歪み量を測定した。
その結果を図10に示す。
【0136】押圧力の総荷重が増えれば歪み量が大きく
なり、総荷重が一定の場合には、離型層20cの膜厚が
薄くなるほど歪みが起こりやすくなることが図10から
読み取れる。しかしながら、離型層20cの膜厚が薄く
なり、定着ローラ20の歪み量が大きくなると、定着ロ
ーラ20の信頼性が低くなる。とくに薄い離型層20c
(フッ素樹脂層)が歪みによって伸ばされることにより
塑性変形し、該フッ素樹脂層にシワが生じてしまう。定
着装置の離型層20cの膜厚(3μm〜50μm)と定
着ローラ20の歪み量(0.5%〜7%)との条件を適
宜に変えて、離型層20cのシワの発生の有無を調べ
た。その結果を表2に示す。
【表2】
【0137】表2に示す通り、定着ローラ20の歪み量
0.5%では、離型層20cの膜厚が5μmであっても
シワが発生しない。しかし、定着ローラ20の歪み量を
5%以上にすると離型層20cの膜厚が50μmであっ
てもシワが発生してしまう。この結果より、歪み量は4
%以下でなければならないことがわかる。上記実施例で
確認した通り、歪み量は0.1%あれば離型効果が現れ
ることより、歪み量の好ましい範囲としては0.1〜4
%であることが確認された。
【0138】このように、定着ローラの離型層としてフ
ッ素樹脂を用いた場合には、大きな歪み量を与えること
ができないため、離型性のために大きな歪み量を必要と
する従来のローラ対方式の定着装置では、シワの発生を
抑えつつ十分な離型性を得ることができない。従って、
フッ素樹脂を離型層として用いる場合には、本実施例の
ように、ニップ出口付近で局所的に歪みを与える構成が
特に有効であると言える。
【0139】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明に係る画
像形成装置では、従来のフルカラー定着装置において多
量に消費されていた離型剤(オイル)を大幅に低減する
か、あるいは全く使用しない状態でもトナー剥離性に優
れ、しかも高画質が得られる。特に定着ローラの離型層
に劣化のほとんどないフッ素樹脂を使用した場合、長期
的に安定した定着装置が具現化される。また、オイルを
全く使用しない場合には、オイル補給のメンテナンスも
不要となる。さらに薄肉の弾体性層が使用でき、かつ、
定着ローラの小径化および薄肉化が図れるため、立ち上
がり時間が短くインスタントスタート性も高い、省エネ
ルギーの観点からも優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の第1の実施形態である画像形成装置
を示す概略構成図である。
【図2】図1に示す画像形成装置で用いられる定着装置
を示す概略断面図である。
【図3】本願発明の第2の実施形態である画像形成装置
で用いられる定着装置の概略断面図である。
【図4】本願発明の第3の実施形態である画像形成装置
で用いられる定着装置の概略断面図である。
【図5】定着装置におけるニップ部の圧力分布を示す図
である。
【図6】画像形成装置の電源を投入したときの立ち上が
り時間を、本願発明の実施例である装置と従来の装置と
を対比して示す図である。
【図7】トナーに添加した無機微粒子の量と定着ラチチ
ュードとの関係を示す図である。
【図8】画像の形成を繰り返し行ったときの定着ラチチ
ュードの変化を示す図である。
【図9】定着ローラの歪み量と定着ラチチュードのとの
関係を、本願発明の実施例である装置と従来の装置とを
対比して示す図である。
【図10】定着ローラの表面に形成された耐熱性樹脂層
の膜厚と定着ローラとの歪み量との関係を示す図であ
る。
【図11】従来から知られている定着装置の一例を示す
概略断面図である。
【図12】従来から知られている定着装置の他の例を示
す概略断面図である。
【図13】定着ローラに圧接されるトナー像の拡大断面
図である。
【図14】トナー像を定着した後の記録材のカール量と
加圧部材の曲率半径との関係を示す図である。
【符号の説明】 10,20,30 定着ローラ 10a,20a,30a 円筒状芯金 10b,20b,30b 耐熱性弾性体層 10c,20c,30c 耐熱性樹脂層(離型層) 11,21,31 エンドレスベルト 12 加圧パッド 12a 弾性部材 12b 低摩擦層 12c ホルダー 13,23 ベルト走行ガイド 14,24 ハロゲンランプ 15 温度センサ 22 加圧パッド 22a プレニップ部材 22b 低摩擦層 22c ホルダー 22d 剥離ニップ部材 32 加圧ローラ 33 張架ローラ 51 感光体ドラム 52 帯電装置 53 光走査装置 54 回転式現像装置 55 中間転写体 56 転写帯電器 57 転写ローラ 58 定着装置 59,60 クリーニング装置 61 除電露光装置 62,63,64 中間転写体を張架するローラ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16C 13/00 F16C 13/00 E G03G 9/08 G03G 9/08 365 365 368 368 374 374 375 375 (72)発明者 李 廷原 神奈川県南足柄市竹松1600番地 富士ゼロ ックス株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA06 AA08 CA14 CB07 CB13 EA03 EA07 2H033 AA02 AA09 AA10 AA11 AA20 AA23 AA30 AA32 BA02 BA11 BA21 BB02 BB03 BB05 BB12 BB33 BB34 BB38 BB39 3J103 AA02 AA15 AA24 AA33 AA41 AA51 BA03 BA31 BA41 FA18 FA20 FA30 GA02 GA57 GA58 GA60 GA66 HA03 HA04 HA12 HA13 HA43 HA53 HA54

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静電電位の差による潜像が表面上に形
    成される像担持体と、 該像担持体上の静電潜像にトナ
    ーを転移させることによって可視化する現像手段と、
    前記像担持体上に形成されたトナー像を記録シートに、
    又は中間転写体を介して記録シートに転写する転写手段
    と、 転写された記録シート上のトナー像を定着する定
    着装置とを有する画像形成装置において、 前記トナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤と
    を含み、さらに前記結着樹脂は無機微粒子を含むもので
    あり、 前記定着装置は、円筒状芯金の周面上に耐熱性弾性体層
    が形成され、さらにその表面に耐熱性樹脂層が形成され
    た定着ローラと、該定着ローラの周面に押圧される加圧
    手段とを具備するものであり、 前記加圧手段を押圧することにより、前記定着ローラと
    の間にニップ部を形成するとともに、該定着ローラの耐
    熱性弾性体層に1% 〜4% の歪みが付与されていること
    を特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 静電電位の差による潜像が表面上に形
    成される像担持体と、 該像担持体上の静電潜像にトナ
    ーを転移させることによって可視化する現像手段と、
    前記像担持体上に形成されたトナー像を記録シートに、
    又は中間転写体を介して記録シートに転写する転写手段
    と、 転写された記録シート上のトナー像を定着する定
    着装置とを有する画像形成装置において、 前記トナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、離型剤と
    を含み、さらに前記結着樹脂は無機微粒子を含むもので
    あり、 前記定着装置は、円筒状芯金の周面上に耐熱性弾性体層
    が形成され、さらにその表面に耐熱性樹脂層が形成され
    た定着ローラと、該定着ローラに当接されるエンドレス
    ベルトと、該エンドレスベルトを前記定着ローラの周面
    に押圧する加圧部材とを具備するものであり、 前記定着ローラと前記エンドレスベルトとの間に形成さ
    れたニップ部の圧力がニップ部入口側よりもニップ部出
    口側で高くなっていることを特徴とする画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記無機微粒子は、トナーに対して2
    〜10重量%含まれていることを特徴とする請求項1又
    は請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記無機微粒子が、酸化ケイ素である
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形
    成装置。
  5. 【請求項5】 前記トナーは、温度が130℃〜19
    0℃の範囲で、角速度が100rad/sの変形を与え
    たときの力学正接損失tanδ(複素弾性率Gを、G=
    G‘+iG“としたときにtanδ=G“/G‘で示さ
    れる)が2.2以下であることを特徴とする請求項1又
    は請求項2に記載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記定着装置の加圧部材が非回転状態
    で配置された加圧パッドであることを特徴とする請求項
    2に記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記定着装置のエンドレスベルトが複
    数の支持ローラに張架された状態で、前記定着ローラの
    周面の一部に巻き付けるように配置されており、前記支
    持ローラのうちの1つが、加圧部材としてニップ部出口
    側で前記定着ローラに押圧されていることを特徴とする
    請求項2に記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記定着装置のニップ部入口側の圧力
    が0.5〜1.5kg/cm2 であり、ニップ部出口側
    の圧力が2.0〜4.0kg/cm2 であることを特徴
    とする請求項2に記載の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記定着装置のニップ部出口側の圧力
    は、前記定着ローラの軸線方向における端部が、軸線方
    向の中央部よりも大きくなっていることを特徴とする請
    求項2に記載の画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記定着装置のニップ部出口側の圧
    力は、前記定着ローラの軸線方向における端部が、軸線
    方向の中央部の110〜150%となっていることを特
    徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
  11. 【請求項11】 前記定着装置の加圧部材は、前記定
    着ローラへの押圧面の曲率半径が、10 mm以上もしく
    は平面になっていることを特徴とする請求項2に記載の
    画像形成装置。
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