JP4712900B2 - 定着装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷等における静電荷像を定着するための現像剤に使用されるトナを使用する定着装置、画像形成装置に関するものである。さらに詳しくは、直接又は間接電子写真現像方式を用いた複写機、ファクシミリ、レザプリンタ等の静電複写プロセスによる画像形成に用いられる電子写真用トナ、電子写真用定着装置、電子写真用画像形成装置に関するものであり、さらに、直接又は間接電子写真多色現像方式を用いたフルカラ複写機、フルカラファクシミリ、フルカラザプリンタに用いられる電子写真用定着装置に関するものである。
電子写真方式における画像形成では、加熱ロラによる圧着加熱方式は、トナに対し離型性を有する加熱ーラの表面と記録媒体のトナ像面を加圧下で接触しながら記録媒体を通過せしめることによりトナ像の定着を行うものである。この方式は、加熱ラの表面と記録媒体上のトナ像とが加圧下で接触するため、トナ像を記録媒体上に融着する際の熱効率が極めて良好であり、迅速に定着を行うことができる。
しかし、加熱ロラ表面とトナ像とが溶融状態、加圧下で接触するために、トナ像の一部が定着ロラ表面に付着・転移し、次の記録媒体にこれが再転移し、記録媒体を汚す、いわゆるオフセット現象が生ずる。このオフセット現象は、定着速度、定着温度の影響を強く受ける。
一般に、定着速度が遅い場合は、加熱ロラの表面温度は比較的高く設定される。これは、トナを定着させるために加熱ロラからトナに与える熱量を、定着速度に依らずほぼ一定にするためである。
この電子写真方式の画像形成、特にカラー画像形成では、記録媒体上のトナは複数のトナが重なり合ったトナ層を形成しているために、特に定着速度が速く、加熱ロラの表面温度が高い場合には、加熱ロラに接触するトナ層と記録媒体に接触している最下層のトナ層との温度差が大きくなる。この場合、最上層のトナに対して高い温度の加熱ロラが接触するために、ホットオフセット現象を起こしやすい。逆に、このホットオフセット現象を防止するために、加熱ロラの温度を低く設定すると、最下層のトナが十分に溶融しないために、記録媒体にトナが定着しないまま加熱ロラに付着するコルドオフセットという現象が生ずる。
これらの不具合を解消するために、定着速度が速い場合は、定着時の圧力を上げ、記録媒体へトナのアンカ効果を利用することが行われている。この場合、加熱ロラの温度をある程度下げることができ、最上層のトナのホットオフセットを防止することができる。しかし、トナに係るせん力が非常に大きくなるために、記録媒体が定着ロラに巻き付くことで、記録媒体の巻き付きジャムが発生したり、定着ロラから記録媒体を分離するための分離爪の分離跡が定着画像上に出現することがある。さらに、圧力が高いために、定着時に細線のある画像が押しつぶされたり、トナが飛び散ったりして定着画像の画像品位を低下させるという問題がある。
また、トナに関しても、定着速度が速い場合には、定着速度が遅い場合に比較して、定着温度付近における溶融粘度の低いトナが用いられる。しかし、加熱ロラの表面温度を下げ、定着圧力を下げることにより、ホットオフセットと巻き付きジャムを防止しつつトナ像を定着させているが、このような溶融粘度の低いトナを定着速度の低い定着装置、画像形成装置に用いると、ホットオフセットが発生しやすくなるという問題がある。
ところが、近年、定着速度が早い場合から遅い場合まで適用できる定着温度領域の広く、かつ、耐オフセット性に優れたトナが要望されている。
一方、近年、細線の再現性が優れた高品位の画像が要望されている。この要望に対して、トナの小粒径化が進められ、画像の解像度及び鮮鋭度を上げているが、その一方で、小粒径トナで形成したハフトン部の定着性が低下しており、特に、定着速度の速い場合に顕著である。これは、ハフトン部のトナの付着量が少なく、記録媒体の凹部に転写されたトナは、加熱ロラから与えられる熱量が少なく、さらに、定着圧力も記録媒体の凸部によって凹部の圧力が抑制されるために低くなっている。また、ハフトン部で記録媒体の凸部に転写されたトナは、トナ層が薄いために、トナ1個当たりにかかるせん力は、トナ層厚の高いベタ黒部に比べて大きくなり、オフセットが発生しやすくなり、低画質の定着画像になりやすい。
トナの定着性、耐オフセット性を両立させるために、トナとして今日まで結着樹脂を中心に検討されてきた。特許文献1では、トナ用樹脂のゲルパミュションクロマトグラフィ(GPC)により測定されたクロマトグラフで、分子量10〜7×10の領域、10〜2×10の領域にそれぞれ少なくとも1つ以上の極大値を持つような樹脂、の分子量分布が開示されている。
また、特許文献2及び3では、ビニル系共重合体の分子量を規定しながら、ポリエチレン等の離型剤を入れ込んで定着性、耐オフセット性の両立を図ることが開示されている。また、特許文献4では、低粘度樹脂と高粘度樹脂の組み合わせで低温定着とホットオフセットを改善した技術が開示されている。
その他に、特許文献5ないし8では、結着樹脂の分子量分布を広げ、相反する保存性と定着性とホットオフセットのバランスを図る技術が開示されている。
一方、従来、電子写真方式の画像形成装置では、内部に熱源を有する加熱ロラ等の加熱ロラに加圧ロラ等の加圧ロラを押し当て、それらの間に画像転写後の記載媒体を通してその記録媒体を搬送しながら、その記録媒体上のトナ画像を定着する定着装置を備えるものが主である。
この種の定着装置では、記録媒体上のトナが加熱ロラに付着する、いわゆるオフセットと呼ばれる現象を生ずることがある。このようなオフセットを生ずると、オフセットしたトナが加圧ロラにも付着し、それら加熱ロラおよび加圧ロラから記録媒体に逆転写して記録媒体を汚すことが知られている。このようなオフセットを防止すべく、従来の定着装置では、例えば加熱ロラの表面にフッ素コトなどを施していた。しかし、環境条件や記録媒体の種類などによって、オフセットを完全に防止することは難しく、やはり逆転写を生ずる問題があった。
そこで、従来の定着装置では、加熱ロラや加圧ロラに接触してクリニングロラ等のクリニング部材を設け、加熱ロラや加圧ロラに付着したトナを除去するものがある。すなわち、表面離型性を向上した加熱ロラや加圧ロラに対して無垢の金属材料でつくったクリニング部材を押し当てることにより、表面離型性の差からトナを除去するものがあった。
ところで、近年、画像形成装置では、エネルギの無駄な消費を防止すべく、待機時には熱源への通電を停止し、画像形成の開始に合わせてはじめて熱源へと通電して加熱ロラを定着温度まで昇温するようになってきている。このため、加熱ロラは、温度応答性を向上する必要があり、例えば加熱ロラであれば、肉厚を1mm以下にして定着温度までの昇温時間を10秒程度まで短縮している。
このような画像形成装置にあっては、加熱ロラの熱容量が小さいため、定着時における記録媒体への熱移動、加熱ロラに接触する部材への熱移動、加熱ロラまわりの風の流れなどの影響を受けやすく、加熱ロラの温度分布が幅方向で不均一となりやすい問題があった。そして、加熱ロラの全領域にわたり温度分布を均一にすることは、スペス的およびコスト的に不可能であった。
加熱ロラの温度分布が幅方向で不均一となると、定着性能が不安定となるとともに、オフセットが発生しやすく、また熱劣化により加熱ロラの寿命が短くなりやすいなどの問題を生ずる。特に、特許文献9及び特許文献11では、重合法により製造した重合トナを用いる場合には、クリニング部材に付着堆積したトナ塊が再溶融して記録媒体に逆転写するという問題があった。これは、粉砕法により製造した粉砕トナを用いる場合には、貯蔵弾性率が高い溶けにくいトナがクリニング部材に付着するが、重合法により製造した重合トナを用いる場合には、貯蔵弾性率が低い普通のトナがクリニング部材に付着するからである。
この問題は、通紙可能な最大サイズに比較して、小サイズの記録媒体を通紙する場合に特に顕著に生じた。なぜなら、小サイズの場合は、通紙領域が狭く加熱ロラに接する面積が小さいから、その狭い領域でのみ温度が下がり、その部分に対応した温度検知手段が熱源の点灯を支持することから、非通紙領域の温度まで不必要に上昇し、その非通紙領域に対応するクリニング部材上のトナが溶融して逆転写するからである。
したがって、例えば、特許文献12では、このような逆転写の問題を解決すべく、従来の定着装置の中には、加熱ロラの温度分布を幅方向で均一とするため、風を当てて加熱ロラの非通紙領域の温度の上がり過ぎを防止するものが開示されている。
また、例えば、特許文献13に記載されるように、クリニングロラに沿って通風孔を設けてクリニングロラの回転とともに定着装置内の空気を循環し、クリニングロラの温度上昇を防ぐものがある。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その課題は、定着装置からのトナの溶け出しを防止して画像の汚れの発生を防止する定着装置、これを用いる画像形成装置及びこれに用いられるトナーを提供することである。
さらに、本発明は、定着効率を下げることなく、クリニング部材に付着したトナが逆転写することがない定着装置、画像形成装置及びこれに用いられるトナーを提供することを課題とする。
さらに、本発明は、高濃度、かつ、高精細の画像が得られる定着装置、画像形成装置及びこれに用いられるトナーを提供することを課題とする。
上記課題を解決する手段である本発明の特徴を以下に挙げる。
1.本発明の定着装置は、定着手段、加圧手段、該定着手段若しくは該加圧手段をクリーニングするクリーニング手段、又は、定着手段、加圧手段、該定着手段をクリーニングするクリーニング手段、該加圧手段をクリーニングするクリーニング手段、を有し、少なくとも結着樹脂と着色剤とを有するトナーを、熱及び/又は圧力で記録媒体上に定着させる定着装置であって、該クリーニング手段はクリーニング部材を有し、該クリーニング部材は、芯金、第一コーティング層及び第二コーティング層を有し、該芯金に、該第一コーティング層、該第二コーティング層の順で積層され、該第一コーティング層は反応性物質のみからなり、該第二コーティング層は反応性物質と少なくともコーティング用樹脂からなり、該芯金の表面の十点表面粗さが3〜50μmであり、該反応性物質は、結着樹脂を架橋又は伸長反応で分子量を大きくする物質であることを特徴とする。
2.また、本発明の定着装置は、さらに、前記コーティング用樹脂が低分子量ポリエステルであることを特徴とする。
3.また、本発明の定着装置は、さらに、前記トナーが該着色剤とバインダー樹脂により複合化されたマスターバッチを含有し、該バインダー樹脂が低分子量ポリエステルであることを特徴とする。
4.また、本発明の定着装置は、さらに、前記結着樹脂が変性ポリエステル樹脂であることを特徴とする。
5.また、本発明の定着装置は、さらに、前記反応性物質が下記構造骨格を有することを特徴とする。
Figure 0004712900
本発明は、上記解決するための手段によって、本発明の定着装置と画像形成装置では、定着装置でオフセットしたトナーをクリーニングローラで回収し、再溶融による溶け出しを防止することができる。
また、本発明のトナーでは、現像性・転写性に優れ、高品位の画像が得ることができる。
本発明の定着装置の一実施形態として加熱・加圧ローラを備える構成を示す概略図である。 本発明の定着装置の一実施形態として定着ベルトを備える構成を示す概略図である。 クリーニングローラの層構成を示す断面図である。 形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナの形状を模式的に表した図である。 本発明に係るトナの形状を模式的に示す図である。 本発明に係る画像形成装置の一実施形態の構成を示す概略図である。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。なお、いわゆる当業者は特許請求の範囲内における本発明を変更・修正をして他の実施形態をなすことは容易であり、これらの変更・修正はこの特許請求の範囲に含まれるものであり、以下の説明はこの発明における最良の形態の例であって、この特許請求の範囲を限定するものではない。
図1は、本発明の定着装置の一実施形態として定着手段、加圧手段を備える構成を示す概略図である。
本発明の定着装置25は、図1に示すように、定着手段の一つである定着ローラ251は、ステンレス、アルミニウム等の金属製の芯金の外周に、加圧手段の一つである加圧ローラ252とニップを形成するために、例えば発泡シリコーンゴムや液状シリコーンゴム等の耐熱弾性材料で環状に成型加工された弾性層を備える。弾性層の表層には、記録紙及びトナーの離型性を良くするために離型層を設ける。離型層には、耐熱性があり表面エネルギーの小さい材料が使用され、例えばシリコーン樹脂、フッ素樹脂、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などの高分子樹脂、からなる耐熱性チューブとして使用される。定着ローラ251の芯金中には定着ローラ251の温度上昇を加速させるためのハロゲンヒータ等の熱源が配設される。
加圧ローラ252は、ステンレス、アルミニウム等の金属製の芯金の外周にフッ素系ゴム、シリコーンゴム等の耐熱弾性材料からなる弾性層を適度な厚みで備え、定着ローラ251と同様に、表層にフッ素系樹脂等からなる離型層を備える。また、加圧ローラ252は、定着ローラ251に向けて図示しないバネ等の加圧部材により押圧されており、弾性層を弾性変形させることにより定着ローラ251との間で、一定時間トナーを加圧・加熱できるニップ部を形成する。
定着ローラ251にトナーとの離型性を良くしてオフセットの発生を防止するために、離型性を向上させるシリコーンオイル等のオイルを塗布する塗布ローラ255、定着ローラ251に付着したトナー、紙粉をクリーニングするクリーニングローラ256を設ける。また、加圧ローラ252にも紙粉と記録しないときに接する定着ローラ251からトナーが付着することから、加圧ローラ252にクリーニングローラ257を設ける。さらに、定着ローラ251、加圧ローラ252等の定着装置25における部材のヒータを制御するために、各部材の温度を検知するためにサーミスタ等の温度センサ258を設ける。
また、図2は、本発明の定着装置の一実施形態として定着ベルトを備える構成を示す概略図である。この定着ベルトを有する定着装置26は、定着手段に圧接する加圧手段である加圧ローラ262と、加熱ローラ263と定着ローラ261との間に掛け渡された回転する定着手段である定着ベルト264とからなっている。
定着ローラ261、加圧ローラ262は、図2に示す定着装置26の定着ローラ261、加圧ローラ262とほぼ同様にして、金属製の芯金の外周に、耐熱弾性材料からなる弾性層を備える。弾性層の厚みは適宜調整される。また、弾性層の表層には、記録紙及びトナーの離型性を良くするために、フッ素系樹脂、等からなる離型層を設ける。芯金内部には、それぞれハロゲンヒータが配置されている。また、加圧ローラ263は、定着ベルト264を挟んで定着ローラ261に向けて図示しないバネ等の加圧部材により押圧されており、弾性層を変形させることにより定着ローラ261との間で、一定時間トナーを加圧・加熱できるニップ部を形成する。
定着ベルト264は、基体には、耐熱性樹脂や、金属から形成された無端状のベルト状基体が用いられる。耐熱性樹脂の材質としては、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられ、金属ベルトの材質としては、ニッケル、アルミニウム、ステンレス等が挙げられる。樹脂と重層を形成しても良く、特に、ポリイミド樹脂にニッケルを電鋳したベルトが強度と弾性を有し、耐久性があるので好ましい。厚さは100μm以下の薄肉のものが望ましい。定着ベルト264は、記録紙、トナーと加圧接触するため、高離型性シリコーンゴム等からなる弾性層と摩擦係数が小さいフッ素系樹脂とで耐熱離型層を有する構成になっている。
加熱ローラ263は、掛け回されている定着ベルト264を張架して、さらに、加熱するための部材である。このため、加熱ローラ263の内部に、ハロゲンランプ、ニクロム線等の熱源が設けられている。また、加熱ローラ263は、アルミ、炭素鋼、ステンレス鋼等の中空金属円筒の薄肉ローラであるが、熱伝導性が良好な厚さ1〜4mmのアルミニウム製円筒を用いることで、軸方向での温度分布を小さくすることができる。さらに、加熱ローラ263の表面には、定着ベルト264との摩耗を防止するために、アルマイト処理の表面処理が施されている。
定着ベルト264を挟んで加熱ローラ263の外周面には、熱電対、サーミスタ等からなり、定着ベルト264外周面の温度を検知する温度センサ265が配置されている。温度センサからの検知信号に応じて図示しない温度制御装置により加熱ローラ263等の内部におけるヒータの動作を制御する。
図1に示すように、本発明の定着装置25では、記録紙上のトナーは、定着装置25における定着ローラ251と加圧ローラ252のニップ内で熱と圧力を受ける。このときに、熱によりトナーは溶融状態になり、粘度及び弾性が低下する。また、同時に、圧力を受けることで記録紙上に広がるとともに記録紙の繊維中に入り込む。次に、記録紙がニップ内から抜け出して両方のローラ251、252から離れてゆく。トナーに含有されている粘度が小さい低分子量成分は溶融し、記録紙の繊維間に浸み込やすい。また、同時に、弾性が低いことで分離しやすく定着ローラ251に付着しやすい。また、高分子量成分は、粘弾性ともに大きいが、溶融して、粘性が大きくなって定着ローラ251に対する付着力が弾性より大きくなると、記録紙から定着ローラ251へ移行する。この移行したトナーは、定着ローラ251が回転して記録紙に再度接触すると、この残留したトナーが記録紙に付着して画像を汚すことがある。しかし、この画像を汚すことのないように定着ローラ251にはクリーニングローラ257等が設けられたり、または、定着ローラ251にはシリコーンオイルを塗布したり、トナー中に離型剤を含有させることでトナーが残留するのを防止する。しかし、一部が残留するのを完全に防止することは困難である。
また、トナーの一部は、定着ローラ251から温度の低い加圧ローラ252に移行するものがある。この加圧ローラ252に移行したトナーは、加圧ローラ252が回転して記録紙に再度接触すると、この残留したトナーが記録紙の裏面に付着して画像を汚すことがある。これを防止するために、加圧ローラ252に加圧ローラ用クリーニングローラ(以下、単に「クリーニングローラ」と記す。)257が設けられる。このクリーニングローラ257には、定着ローラ251から移行したトナーが回収される。しかし、このクリーニングローラ257に回収されたトナーが、定着装置25の作動時に熱を受けて再溶融し、クリーニングローラ257からのトナーの溶け出しで加圧ローラ252に移行し、ニップ部で記録紙の裏面を汚すことがある。とくに、トナーの結着樹脂中の高分子量成分よりは低分子量成分が加熱により容易に粘弾性がかわるために、オフセットが生じやすく、また、再溶融して溶け出しやすい。
加圧ローラ252に付着したトナは、加圧ローラ252とクリーニングローラ257とのニップ部でクリーニングローラ257に回収される。このような流れで定着ローラ251に付着したトナは、クリーニングローラ257に回収されて、15万プリントでクリーニングローラ257に数g程度のトナが回収される。従来のトナでは、Tgとして比較的高く約60℃付近の樹脂、を用いていたので、クリーニングローラ257に付着するトナの粘度は高かったために、プリント枚数に応じて定着装置25、そのクリーニングローラ257の温度が高くなっても、トナが溶け出しにくかった。しかし、比較的低い温度で溶ける低分子量樹脂を用いると、定着設定温度より低い温度で溶ける。このために、クリーニングローラ257に付着したトナは、記録紙を通過させないで、温度制御された定着装置25を回転させると、クリーニングローラ257に回収したトナが溶け出して加圧ローラ252又は定着ローラ251に再付着する。この状態で、画像出力を行って記録紙を通過させると、溶け出したトナーが溶け出して記録紙を汚すということになる。
本発明の定着装置25では、このクリーニングローラ257が、トナーの結着樹脂の粘弾性を大きくする反応性物質を含有するコーティング層を有する。図3は、クリーニングローラの層構成を示す断面図である。本発明の定着装置25では、コーティング層257bは反応性物質のみからなる場合と反応性物質と少なくとも結着樹脂とからなる場合がある。反応性物質のみからなる前者の場合は反応性物質だけでは機械的ストレスに対して、脆く使用初期の段階で芯金からの剥がれが生じる場合がある。そこで、反応性物質の層において、初期の剥がれを防止するために少なくとも結着樹脂を含む状態で溶剤等に溶解して、コーティングすることでバインダー効果を持たせることができ、上記の課題を解決するために後者が好ましい。
本発明の定着装置では、このために、コーティング層257b’は、クリーニングローラ257を形成する芯金に接触している部分の反応性物質とコーティング用樹脂との比率Dcore(反応性物質/コーティング用樹脂)とクリーニングローラ257の表面部分の反応性物質とコーティング用樹脂との比率Dsurface(反応性物質/コーティング用樹脂)とが、比率Dcore>比率Dsurface の関係を満足する。これによって、回収したトナーが架橋等の反応で硬化しても、反応性物質が比率Dcoreの芯金257a表面から拡散して、新たな反応の機会を供給することができる。そのために、拡散させるのに比率Dcore>比率Dsurface の関係を満足することが必要である。
また、本発明の定着装置25では、コーティング層257b’が複数の層、ここでは、2層で説明するが、第一コーティング層257bは、クリーニングローラ257に回収されたトナーが第2コーティング層257cとして、蓄積され、反応性物質の単位体積当たり含有率が異なる複数の層または反応性物質が拡散され、反応性物質の濃度がなだらかに変化する層257b’が形成される。これは、クリーニングローラ257に回収されたトナーと反応性物質とが反応して、クリーニングローラ257からのトナーの溶け出しを防止するものであり、このときに、反応性物質によって回収された結着樹脂が架橋等の反応により弾性率が高くなり、クリーニングローラ257からの溶け出しを防止する。さらに、複数の層、ここでは、クリーニングローラ257の芯金257aに接する第1コーティング層257bは反応性物質の含有量が高く、回収されたトナーが蓄積されることで形成される第2コーティング層257cは次第に反応性物質の含有量が減少する。さらに、回収トナー量が増えて第2コーティング層257cが過剰になり反応性物質の濃度が低下すると反応の効果がなくなり、ついには溶け出しが発生する。
また、この複数の層を有するクリーニングローラ257では、第1コーティング層257bの反応性物質の単位体積当たり含有率(α)と第2コーティング層257cより反応性物質の単位体積当たり含有率(β)との比(α/β)が、1ないし200の範囲にする。比(α/β)が1未満では、第2コーティング層257cの反応性物質の拡散速度が第1コーティング層257bより小さくなるために、回収されたトナーと反応する機会が少なくなり、トナーの溶け出しを防止することが困難になる。比(α/β)が200を越えると、第2コーティング層257c表面に回収されたトナーへ供給される反応性物質が少なくなり、同様に、反応する機会が少なくなり、トナーの溶け出しを防止することが困難になる。
さらに、この第2コーティング層257c表面には、回収されたトナーが付着して、この第2コーティング層257cと一体化して次第に大きくなっていく。したがって、第2コーティング層257cは反応性物質の含有量が一定でなくともよく、比(α/β)の1ないし200の範囲内で傾斜していてもよい。とくに、トナーの結着樹脂と第2コーティング層257cの樹脂の境界は、長い間の使用によって、次第に不明確になり、一体化する。したがって、この第2コーティング層257cは大きくなっていく層であり、この付着したトナーの樹脂にも反応性物質は拡散してゆき、さらに、回収されたトナーに反応性物質が供給され弾性率が大きくなってゆき、トナーの溶け出しを防止する。しかし、比(α/β)が200を越えると、回収されたトナーへの反応性物質の供給する速度・量が少なくなり、溶け出しを防止することができなくなる。また、この第2コーティング層257cが大きくなっても、コーティング層全体で、反応性物質の含有率が2wt%以上で使用する。2wt%未満では回収されたトナーを架橋して弾性率を大きくすることができなくなり、トナーの溶け出しを防止することが困難になる。
このときに、第1コーティング層257bは、0.05〜1.0gの範囲にする。さらに、好ましくは、0.1〜0.3gの範囲にする。また、第1コーティング層257bが0.05g未満では反応性物質の量が少なくなり、第2コーティング層257cに供給する反応性物質の量が少なく、粘弾性を大きくすることができないし、使用期間が短くなる。第1コーティング層257bが1.0gを越えると、反応性物質の量が多くなるのでコーティング層を形成するための膜厚が大きくなって、クリーニングローラ257に回収できるトナーの総量が少なくなり、また、第1コーティング層257bが硬くなり、割れが生ずる。
また、第2コーティング層257cは、10g以内にする。第2コーティング層257cが10gを越えると、第2コーティング層257cの層厚が大きくなり、第1コーティング層257bからの反応性物質の拡散に時間が必要になり、トナーの溶け出しを防止することができない。
このように、省スペースも考慮して小型の画像形成装置においては、最適なコーティング量がある。
粘弾性を大きくする反応性物質としては、結着樹脂と架橋又は伸長反応で分子量を大きくする物質がある。結着樹脂中の極性を有する官能基と反応して架橋させることで粘弾性を大きくする物質が好ましい。ここで、架橋させる物質とは、溶媒中における単量体の架橋又は伸長に用いるアミン類、ケトン類等とは異なるものである。この粘弾性を大きくする物質には、金属化合物が挙げられ、具体的には、ナフテン酸又は高級脂肪酸の金属塩、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩又は亜鉛、クロム、鉄、ジルコニウム等の金属錯体、その他に、シリコン、ジルコニウム、アルミニウムから選ばれるキレト化合物又はこれらの金属アルコレート等を挙げることができる。これらをクリーニングローラ257にコーティングすることで、クリーニングローラ257に転移して回収されたトナーを架橋して粘弾性を大きくすることで、クリーニングローラ257からの再溶融を防止して、記録紙等を汚すのを防ぐことができる。
また、コーティング用樹脂としては特に限定を受けないが、例えばポリエステル樹脂、スチレン−アクリル酸アルキル系樹脂、スチレン−メタアクリル酸アルキル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、スチレン−アクリロニトリル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアミド樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂等が挙げられる。特に、樹脂の末端に反応性物質と反応する官能基に有することが好ましい。反応及び相互作用する官能基としては、カルボニル基、ウレタン基、ウレア基、スルホン酸基等のヘテロ原子を含む極性基を挙げることができる。とくに、この中で、ポリエステル樹脂を形成するカルボン酸であることが好ましい。カルボン酸は水素結合しやすいため、反応性物質との相互作用が起こりやすく、また適度に弱い結合のため、他の官能基との交換も比較的自由であり、反応性物資の拡散性に優れる。
また、これに用いる溶媒としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ポリ(メタ)アクリレートの場合はメチルエチルケトン、アルコール類等が挙げられ、具体例としてメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノール、メトキシエタノール、エトキシエタノール、ブトキシエタノール等のアルコール類、アセトニトリル等のニトリル類、ジオキサン等が挙げられる。好ましくはアルコール類が挙げられる。
これらの反応性物質、コーティング用樹脂を溶媒中で混合して溶解させて、コーティング層を形成する。コーティング方法としては、ローラ、へら、ブラシで直接塗布する方法、または、エアースプレー等で吹き付けて塗布する方法があるが、特に、塗布方法には限定されない。
このときに、第1コーティング層257bは、反応性物質とコーティング用樹脂とが、反応性物質:コーティング用樹脂=30〜70:70〜30(wt%)の範囲にある。さらに、好ましくは、反応性物質:コーティング用樹脂=40〜60:60〜40(wt%)の範囲にある。
反応性物質が30wt%未満、コーティング用樹脂が70wt%を越えると、反応性物質の量が少なくクリーニングローラ257に回収されたトナーと反応する量が少なくなり、粘弾性を大きくすることが困難である。反応する量をコーティング層257b’の膜厚を厚くして補うこともできるが、その分クリーニングローラ257が回収できるトナーの量が少なくなるために画像形成装置の小型化には不利である。また、反応性物質が70wt%を越えると、コーティング用樹脂が30wt%未満では、反応する反応性物質の量が増え、コーティング用樹脂の割合が少なくなることから、コーティング層257b’の結着力が弱くなり、外力に対してもろくなり、割れが生じやすくなる。
また、本発明の定着装置25では、クリーニングローラ257は、SUS、黄銅などの銅、アルミニウム等の金属で構成され、直径が5〜20mmのローラ形状を用いる。また、そのクリーニングローラ257の表面が、十点平均粗さRz(以下、単に「粗さRz」と記す。)で3〜50μmの範囲にある。この表面の粗さRzは、ショットブラスト、サンドブラスト、液体ホーニング等のブラスト処理で形成することができ、とくに、加工が容易なサンドブラスト処理が好ましい。これは、ローラ形状にした方が周方向分を含めて広い面積で利用できることから、クリーニング部材の使用期間を延ばすことができる。また、直径としては、定着装置に装着可能な大きさにしなければならないために小型化の要請に対してできるだけ小さくする事が好ましい。このクリーニングローラ257が大きすぎると定着装置25の立ち上がりが遅くなり好ましくない。しかし、このクリーニングローラ257が大きいとその分表面積が大きくなり、クリーニングローラ257に回収できるトナー量が多くなる。また、さらに、クリーニングローラ257の単位回収量当たりのクリーニングローラ257に巻き付くトナーの厚みが薄くなり、プリント枚数によるトナー厚み量の変化が少なく、加圧ローラ252に対する機械的な圧力及び熱的な変化量が小さく、定着装置の安定性に優れている。逆に、クリーニングローラ257の直径が小さいと、プリント枚数による巻き付くトナーの厚み量が急激に変化するために、加圧ローラ252に対する機械的な圧力及び熱的な変化量が大きく、逆に溶け出すことがある。また、クリーニングローラ257の表面に所定の粗さRzにすることで、反応性物質の塗布性を均一にすることができる。粗さRzが小さいと塗布後に液だれが生じ、また、大きいと反応性物質の存在状態に粗密ができ、いずれも好ましくない。なお、ここで、クリーニングローラ257は、単数で説明したが、加圧ローラ252に複数設けてもよい。また、定着ローラ251に併せて又は単独でクリーニングローラ257を設けても良い。
また、本発明の定着装置は、クリーニング部材257を加圧ローラ252、定着ローラ251等に押圧する押圧部材を備える。クリーニングローラ257に接する押圧部はローラ形状でも、板状でもあってもよく、押圧部材はバネ材を用いる。これによって、クリーニングローラ257を加圧ローラ252等に押圧して接触領域を広くして、加圧ローラ252等に付着しているトナーをより効率的に回収することができる。
また、この押圧部材を可動にして、クリーニングローラ257に回収されるトナー量を多くなって、クリーニングローラ257の直径が大きくなっても、一定の圧力でクリーニングローラ257を加圧ローラ252等に押圧させることができる。
本発明の定着装置に用いるトナーは、粉砕法、重合法(懸濁重合、乳化重合分散重合、乳化凝集、乳化会合等)等の製造方法があるが、これらの製造方法に限るものではない。粉砕法の一例としては、まず、前述した樹脂、着色剤としての顔料または染料、電荷制御剤、離型剤、その他の添加剤等をヘンシェルミキサーの如き混合機により充分に混合した後、バッチ式の2本ロール、バンバリーミキサーや連続式の2軸押出し機、連続式の1軸混練機等の熱混練機を用いて構成材料をよく混練し、圧延冷却後、切断を行なう。切断後のトナー混練物は破砕を行ない、ハンマーミル等を用いて粗粉砕し、更にジェット気流を用いた微粉砕機や機械式粉砕機により微粉砕し、旋回気流を用いた分級機やコアンダ効果を用いた分級機により所定の粒度に分級する。その後、混合機により無機微粒子を外添して、混合しトナーとする。また、重合法の一例を示す。少なくとも、活性水素基を有する重合体、ポリエステル、着色剤、離型剤を含むトナー組成物を水系媒体中で樹脂微粒子の存在下で架橋及び/又は伸長反応させるトナーを用いることが好ましい。
また、本発明の定着装置25に用いるトナは、離型剤としてワックスを含有する。トナ中でのワックス存在状態が定着時におけるトナの離型性に大きく影響することが明らかになり、ワックスがトナ中で微分散し、かつ、トナの内部にあって表面近傍に多く存在することで、良好な定着離型性が得られる。特に、ワックスは長径で1μm以下に分散されている状態が好ましい。このように離型剤はトナーに含有させることで、定着ローラ251にオフセットするトナーを減少させることができ、加圧ローラ252のクリーニングローラ257に回収されるトナーを少なくすることができる。
ワックスとしては、公知のものが使用でき、ポリオレフィンワッックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワッックス、サゾルワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロルプロパントリベヘネト、ペンタエリスリトルテトラベヘネト、ペンタエリスリトルジアセテトジベヘネト、グリセリントリベヘネト、1,18−オクタデカンジオルジステアレトなど);ポリアルカノルエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエトなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。本発明のワックスの融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点が40℃未満のワックスは耐熱保存性に悪影響を与え、160℃を超えるワックスは低温での定着時にコルドオフセットを起こしやすい。また、ワックスの溶融粘度は、融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、さらに好ましくは10〜100cpsである。1000cpsを超えるワックスは、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果に乏しい。トナ中のワックスの含有量は通常0〜40重量%であり、好ましくは3〜30重量%である。
また、本発明の定着装置25に用いるトナーは、荷電制御剤を含有する。特に、帯電制御物質をトナーの表面に固着させることで、高い帯電量を付与することが可能となる。すなわち、トナーの表面に固着させることで、トナー表面での存在量や存在状態が安定し、帯電量を安定化することができる。特に、本発明の構成からなるトナーにおいては帯電量の安定性が高まる。
荷電制御剤としては、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及びサリチル酸誘導体の金属塩等である。
帯電制御剤の使用量は、バインダー樹脂の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に限定されるものではないが、好ましくはバインダー樹脂100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲で用いられる。好ましくは、0.2〜5重量部の範囲がよい。10重量部を越える場合にはトナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。また、これらの帯電制御剤、離型剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練することもできるし、もちろん有機溶剤に溶解、分散する際に加えても良い
また、本発明の定着装置25に用いられるトナーは、平均円形度が0.94以上である。トナの平均円形度は、0.94以上であることがドット再現性に優れ、転写性も良好なことから高画質を得られる。平均円形度が0.94未満でトナが球形から離れた形状である場合は、十分な転写性又はチリのない高品位の画像が得られにくい。トナの円形度は、光学的に粒子を検知して、投影面積の等しい相当円の周囲長で除した値である。具体的には、フロ式粒子像分析装置(FPIA−2000;シスメックス社製)を用いて測定を行う。所定の容器に、予め不純固形物を除去した水100〜150mLを入れ、分散剤として界面活性剤0.1〜0.5mLを加え、さらに、測定試料0.1〜9.5g程度を加える。試料を分散した懸濁液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、分散液濃度を3,000〜10,000個/μLにしてトナの形状及び分布を測定する。
また、トナは、体積平均粒径が3.0〜8.0μmで、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)が1.00〜1.40の範囲にある。このような粒径及び粒径分布を有するトナとすることにより、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れ、とりわけフルカラ画像形成装置に用いた場合に画像の優れた光沢性が得られる。一般的には、トナの粒径は小さければ小さい程、高解像で高画質の画像を得る為に有利であると言われているが、逆に転写性やクリニング性に対しては不利である。また、上記の範囲よりも体積平均粒径が小さい場合、二成分現像剤では現像装置における長期の攪拌において磁性キャリアの表面にトナが融着し、磁性キャリアの帯電能力を低下させ、一成分現像剤として用いた場合には、現像ロラへのトナのフィルミングや、トナを薄層化する為のブレド等の部材へのトナの融着を発生させやすくなる。逆に、トナの体積平均粒径が上記の範囲よりも大きい場合には、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナの収支が行われた場合にトナの粒径の変動が大きくなる場合が多い。
また、Dv/Dnが1.40を超えると、帯電量分布が広くなり、解像力も低下するため好ましくない。トナの平均粒径及び粒度分布は、コルタカウンタTA−II、コルタマルチサイザII(いずれもコルタ社製)を用いて測定することができる。本発明においてはコルタカウンタTA−II型を用い個数分布、体積分布を出力するインタフェイス(日科技研製)及びPC9801パソナルコンピュ(NEC製)に接続し、測定した。
また、トナは、形状係数SF−1が100〜180の範囲にあり、形状係数SF−2が100〜180の範囲にある。
図4は、形状係数SF−1、形状係数SF−2を説明するためにトナの形状を模式的に表した図である。
形状係数SF−1は、トナ形状の丸さの割合を示すものであり、下記式(1)で表される。トナを2次元平面に投影してできる形状の最大長MXLNGの二乗を図形面積AREAで除して、100π/4を乗じた値である。
SF−1={(MXLNG)/AREA}×(100π/4)・・・式(1)
トナの形状係数SF−1が100に近い値であれば、トナの形状は球形に近くなり、トナとトナ、あるいはトナと感光体との接触が点接触になるため、トナ同士の付着力は弱くなり従って流動性が高くなり、また、トナと感光体との付着力も弱くなって、転写率は高くなる。一方、形状係数SF−1の値が180より大きくなると、不定形になるため、現像性、転写性が低下するので好ましくない。
形状係数SF−2は、トナの形状の凹凸の割合を示すものであり、下記式(2)で表される。トナを2次元平面に投影してできる図形の周長PERIの二乗を図形面積AREAで除して、100/4πを乗じた値である。
SF−2={(PERI)/AREA}×(100/4π)・・・式(2)
SF−2の値が100に近いほどトナ表面の凹凸は少なく滑らかになる。クリニング性の向上のためには、表面に適度に凹凸を有することがよいが、形状係数SF−2が180より大きくなると、凹凸が顕著になるため、画像上にトナが散るなどして画像品位を低下させるので好ましくない。
なお、形状係数の測定は、具体的には、走査型電子顕微鏡(S−800:日立製作所製)でトナの写真を撮り、これを画像解析装置(LUSEX3:ニレコ社製)に導入して解析して計算した。
また、本発明の定着装置25に用いるトナの形状は略球形状であり、以下の形状規定によって表すことができる。図5は、本発明に係るトナの形状を模式的に示す図である。(a)において、略球形状のトナを長軸r1、短軸r2、厚さr3(但し、r1≧r2≧r3とする。)で規定するとき、本発明のトナは、長軸と短軸との比(r2/r1)((b)参照)が0.5〜1.0で、厚さと短軸との比(r3/r2)((c)参照)が0.7〜1.0の範囲にあることが好ましい。長軸と短軸との比(r2/r1)が0.5未満では、真球形状から離れるためにドット再現性及び転写効率が劣り、高品位な画質が得られなくなる。また、厚さと短軸との比(r3/r2)が0.7未満では、扁平形状に近くなり、球形トナのような高転写率は得られなくなる。特に、厚さと短軸との比(r3/r2)が1.0では、長軸を回転軸とする回転体となり、トナの流動性を向上させることができ、高転写率で、画像に忠実な転写であることから高品位な画像を得ることができる。また、磁性キャリアとの混合性がよいことで、帯電量分布を狭くすることができ、高精度の画像再現が可能である。なお、r1、r2、r3は、走査型電子顕微鏡(SEM)で、視野の角度を変えて写真を撮り、観察しながら測定した。
また、本発明の定着装置25に用いられるトナーは、少なくとも、活性水素基を有する化合物と反応可能な部位を有する重合体、ポリエステル、着色剤とを有機溶媒中に分散させたトナ組成物を、水系媒体中に分散させて伸長及び/又は架橋反応させるものが好ましい。以下に、そのトナの構成材料及び製造方法について説明する。ここでは、湿式重合方法によるトナの構成材料と製造例とについて説明するが、本発明のトナは乾式溶融混錬方法であっても良い。
(変性ポリエステル)
ポリエステル樹脂中に酸、アルコルのモノマユニットに含まれる官能基とエステル結合以外の結合基が存在したり、またポリエステル樹脂中に構成の異なる樹脂成分が共有結合、イオン結合などで結合した状態をさす。
例えば、ポリエステル末端をエステル結合以外のもので反応させたもの。具体的には末端に酸基、水酸基と反応するイソシアネト基などの官能基を導入し、活性水素化合物とさらに反応させ末端を変性したり伸長反応させたものも含まれる。さらに、活性水素基が複数存在する化合物であればポリエステル末端同士を結合させたものも含まれる(ウレア変性ポリエステル、ウレタン変性ポリエステルなど)。また、ポリエステル主鎖中に二重結合などの反応性基を導入し、そこからラジカル重合を起こして側鎖に炭素−炭素結合のグラフト成分を導入したり二重結合同士を橋かけしたものも含まれる(スチレン変性、アクリル変性ポリエステルなど)。
また、ポリエステルの主鎖中に構成の異なる樹脂成分を共重合させたり末端のカルボキシル基や水酸基と反応させたもの。例えば末端がカルボキシル基、水酸基、エポキシ基、メルカプト基によって変性されたシリコン樹脂と共重合させたものも含まれる(シリコン変性ポリエステルなど)以下具体的に説明する。
(変性ポリエステルの合成例)
冷却管、攪拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノルAエチレンオキサイド2モル付加物724部、イソフタル酸200部およびフマル酸70部、ジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、160℃まで冷却して、これに32部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてスチレン200部、過酸化ベンゾイル1部、ジメチルアニリン0.5部を加えと2時間反応を行い、酢酸エチルを蒸留除去し、重量平均分子量92000のポリスチレングラフト変性ポリエステル(1)を得た。
ウレア変性されたポリエステル(i)としては、例えばイソシアネト基を有するポリエステルプレポリマ(A)とアミン類(B)との反応物などが挙げられる。イソシアネト基を有するポリエステルプレポリマ(A)としては、ポリオル(1)とポリカルボン酸(2)の重縮合物でかつ活性水素基を有するポリエステルをさらにポリイソシアネト(3)と反応させた物などが挙げられる。上記ポリエステルの有する活性水素基としては、水酸基(アルコル性水酸基およびフェノル性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられ、これらのうち好ましいものはアルコル性水酸基である。
ポリオル(1)としては、ジオル(1−1)および3価以上のポリオル(1−2)が挙げられ、(1−1)単独、または(1−1)と少量の(1−2)の混合物が好ましい。ジオル(1−1)としては、アルキレングリコル(エチレングリコル、1,2−プロピレングリコル、1,3−プロピレングリコル、1,4−ブタンジオル、1,6−ヘキサンジオルなど);アルキレンエテルグリコル(ジエチレングリコル、トリエチレングリコル、ジプロピレングリコル、ポリエチレングリコル、ポリプロピレングリコル、ポリテトラメチレンエテルグリコルなど);脂環式ジオル(1,4−シクロヘキサンジメタノル、水素添加ビスフェノルAなど);ビスフェノル類(ビスフェノルA、ビスフェノルF、ビスフェノルSなど);上記脂環式ジオルのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物;上記ビスフェノル類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなど)付加物などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコルおよびビスフェノル類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に好ましいものはビスフェノル類のアルキレンオキサイド付加物、およびこれと炭素数2〜12のアルキレングリコルとの併用である。3価以上のポリオル(1−2)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコル(グリセリン、トリメチロルエタン、トリメチロルプロパン、ペンタエリスリトル、ソルビトルなど);3価以上のフェノル類(トリスフェノルPA、フェノルノボラック、クレゾルノボラックなど);上記3価以上のポリフェノル類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。
ポリカルボン酸(2)としては、ジカルボン酸(2−1)および3価以上のポリカルボン酸(2−2)が挙げられ、(2−1)単独、および(2−1)と少量の(2−2)の混合物が好ましい。ジカルボン酸(2−1)としては、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸など);アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸など);芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいものは、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸および炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸である。3価以上のポリカルボン酸(2−2)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸など)などが挙げられる。なお、ポリカルボン酸(2)としては、上述のものの酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステルなど)を用いてポリオル(1)と反応させてもよい。
ポリオル(1)とポリカルボン酸(2)の比率は、水酸基[OH]とカルボキシル基[COOH]の当量比[OH]/[COOH]として、通常2/1〜1/1、好ましくは1.5/1〜1/1、さらに好ましくは1.3/1〜1.02/1である。
ポリイソシアネト(3)としては、脂肪族ポリイソシアネト(テトラメチレンジイソシアネト、ヘキサメチレンジイソシアネト、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエトなど);脂環式ポリイソシアネト(イソホロンジイソシアネト、シクロヘキシルメタンジイソシアネトなど);芳香族ジイソシアネト(トリレンジイソシアネト、ジフェニルメタンジイソシアネトなど);芳香脂肪族ジイソシアネト(α,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネトなど);イソシアヌレト類;前記ポリイソシアネトをフェノル誘導体、オキシム、カプロラクタムなどでブロックしたもの;およびこれら2種以上の併用が挙げられる。
ポリイソシアネト(3)の比率は、イソシアネト基[NCO]と、水酸基を有するポリエステルの水酸基[OH]の当量比[NCO]/[OH]として、通常5/1〜1/1、好ましくは4/1〜1.2/1、さらに好ましくは2.5/1〜1.5/1である。[NCO]/[OH]が5を超えると低温定着性が悪化する。[NCO]のモル比が1未満では、変性ポリエステル中のウレア含量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。末端にイソシアネト基を有するプレポリマ(A)中のポリイソシアネト(3)構成成分の含有量は、通常0.5〜40重量%、好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは2〜20重量%である。0.5重量%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。また、40重量%を超えると低温定着性が悪化する。
イソシアネト基を有するプレポリマ(A)中の1分子当たりに含有するイソシアネト基は、通常1個以上、好ましくは、平均1.5〜3個、さらに好ましくは、平均1.8〜2.5個である。1分子当たり1個未満では、変性ポリエステルの分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
アミン類(B)としては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコル(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、およびB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)などが挙げられる。ジアミン(B1)としては、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタンなど);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミンなど);および脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなど)などが挙げられる。3価以上のポリアミン(B2)としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。アミノアルコル(B3)としては、エタノルアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなど)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。これらアミン類(B)のうち好ましいものは、B1およびB1と少量のB2の混合物である。
さらに、必要により伸長停止剤を用いて変性ポリエステルの分子量を調整することができる。伸長停止剤としては、モノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミンなど)、およびそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)などが挙げられる。
アミン類(B)の比率は、イソシアネト基を有するプレポリマ(A)中のイソシアネト基[NCO]と、アミン類(B)中のアミノ基[NHx]の当量比[NCO]/[NHx]として、通常1/2〜2/1、好ましくは1.5/1〜1/1.5、さらに好ましくは1.2/1〜1/1.2である。[NCO]/[NHx]が2を超えたり1/2未満では、ウレア変性ポリエステル(i)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。本発明においては、変性されたポリエステル(i)中に、ウレア結合と共にウレタン結合を含有していてもよい。ウレア結合含有量とウレタン結合含有量のモル比は、通常100/0〜10/90であり、好ましくは80/20〜20/80、さらに好ましくは、60/40〜30/70である。ウレア結合のモル比が10%未満では、耐ホットオフセット性が悪化する。
本発明の変性ポリエステルのメインピク分子量は、通常1000〜10000、好ましくは2000〜8000である。分子量1000未満成分の量が増えると耐熱保存性が悪化傾向となり、分子量10000以上成分が増えると単純には低温定着性が低下傾向になるがバランスコントロルで低下を極力押さえることも可能である。また、分子量30000以上のような高分子の成分の含有量は1%〜10%で、トナ材料により異なるが好ましくは3〜6%である。1%未満では充分な耐ホットオフセット性が得られず、10%以上では光沢性、透明性が悪化するケスも発生する。
また、THF不溶分を1〜25%含むポリエステル樹脂を使用することでホットオフセット向上につながる。また、一成分現像装置内部で長期間の攪拌により、現像ロラとトナ供給ロラ、層厚規制ブレドや摩擦帯電ブレドなどとによる接触ストレスによりさらにトナが粉砕され、極微粒子が発生したり、流動化剤がトナ表面に埋め込まれるために画像品質が低下といった問題に対して効果をもたらす。また、THF不溶分はカラトナにおいてはホットオフセットには効果があるものの光沢性やOHPの透明性については確実にマイナスであるが離型幅を広げるなどには1〜10%内で効果を発揮するケスもある。
(未変性ポリエステル)
本発明においては、前記変性されたポリエステル(i)単独使用だけでなく、この(i)と共に、変性されていないポリエステル(ii)をトナバインダ成分として含有させることもできる。(ii)を併用することで、低温定着性およびフルカラ装置に用いた場合の光沢性が向上し、単独使用より好ましい。(ii)としては、前記(i)のポリエステル成分と同様なポリオル(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものも(i)と同様である。また、(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、例えばウレア結合やウレタン結合で変性されていてもよい。(i)と(ii)は少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、(i)のポリエステル成分と(ii)は類似の組成が好ましい。(ii)を含有させる場合の(i)と(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。(i)の重量比が5%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
(ii)のピク分子量は、通常1000〜20000、好ましくは1500〜10000、さらに好ましくは2000〜8000である。1000未満では耐熱保存性が悪化し、10000を超えると低温定着性が悪化する。(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。(ii)の酸価は好ましくは10〜30である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすく、さらに定着性が良好になる傾向がある。但し、酸価が30を超えると特に高温高湿環境下で使用の場合には、トナの帯電量が低下し、画像上での地汚れなどの問題が発生する場合がある。
本発明において、(ii)のガラス転移点(Tg)は35〜55℃、好ましくは40〜55℃である。35℃未満ではトナの耐熱保存性が悪化し、55℃を超えると低温定着性が不十分となる。変性ポリエステル樹脂の共存により、本発明の乾式トナにおいては、公知のポリエステル系トナと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。トナバインダの貯蔵弾性率としては、測定周波数20Hzにおいて10000dyne/cm となる温度(TG’)が、通常100℃以上、好ましくは110〜200℃である。100℃未満では耐ホットオフセット性が悪化する。トナバインダの粘性としては、測定周波数20Hzにおいて1000ポイズとなる温度(Tη)が、通常180℃以下、好ましくは90〜160℃である。180℃を超えると低温定着性が悪化する。すなわち、低温定着性と耐ホットオフセット性の両立の観点から、TG’はTηより高いことが好ましい。言い換えるとTG’とTηの差(TG’−Tη)は0℃以上が好ましい。さらに好ましくは10℃以上であり、特に好ましくは20℃以上である。差の上限は特に限定されない。また、耐熱保存性と低温定着性の両立の観点から、TηとTgの差は0〜100℃が好ましい。さらに好ましくは10〜90℃であり、特に好ましくは20〜80℃である。
ここで、離型剤、荷電制御剤を用いるが、これらに関しては上述した公知のものを適宜選択して使用することができる。
(外添剤)
外添剤としては、無機微粒子を好ましく用いることができる。この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特に5mμ〜500mμであることが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%であることが好ましい。無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この他、高分子系微粒子、例えばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
このような外添剤は表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止することができる。例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
また、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためのクリーニング性向上剤としては、例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウムなど脂肪酸金属塩、例えばポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子などのソープフリー乳化重合などによって製造された、ポリマー微粒子などを挙げることかできる。ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01から1μmのものが好ましい。
(着色剤)
本発明の着色剤としては公知の染料及び顔料が全て使用でき、例えば、カボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトルイエロS、ハンザイエロ(10G、5G、G)、カドミュウムイエロ、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロ、オイルイエロ、ハンザイエロ(GR、A、RN、R)、ピグメントイエロL、ベンジジンイエロ(G、GR)、パマネントイエロ(NCG)、バルカンファストイエロ(5G、R)、タトラジンレキ、キノリンイエロキ、アンスラザンイエロBGL、イソインドリノンイエロ、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマキュリレッド、アンチモン朱、パマネントレッド4R、パラレッド、ファイセレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソルファストスカレットG、ブリリアントファストスカレット、ブリリアントカンミンBS、パマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカレットG、リソルルビンGX、パマネントレッドF5R、ブリリアントカミン6B、ポグメントスカレット3B、ボルド5B、トルイジンマルン、パマネントボルドF2K、ヘリオボルドBL、ボルド10B、ボンマルンライト、ボンマルンメジアム、エオシンレキ、ロダミンレキB、ロダミンレキY、アリザリンレキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロムバミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブル、セルリアンブル、アルカリブルキ、ピコックブルキ、ビクトリアブルキ、無金属フタロシアニンブル、フタロシアニンブル、ファストスカイブル、インダンスレンブル(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブル、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリン、ジンクグリン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリン、ピグメントグリンB、ナフトルグリンB、グリンゴルド、アシッドグリンレキ、マラカイトグリンレキ、フタロシアニングリン、アントラキノングリン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン及びそれらの混合物が使用できる。着色剤の含有量はトナに対して通常1〜15重量%、好ましくは3〜10重量%である。
本発明で用いる着色剤は樹脂と複合化されたマスタバッチとして用いることもできる。マスタバッチの製造またはマスタバッチとともに混練されるバインダ樹脂としては、先にあげた変性、未変性ポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレト、ポリブチルメタクリレト、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラル、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
本マスタバッチはマスタバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合、混練してマスタバッチを得る事ができる。この際着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いる事ができる。またいわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケキをそのまま用いる事ができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロルミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
本発明の乾式トナは以下の方法で製造することができるが勿論これらに限定されることはない。
(水系媒体中でのトナの製造法)
本発明に用いる水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用することもできる。混和可能な溶剤としては、アルコル(メタノル、イソプロパノル、エチレングリコルなど)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブなど)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトンなど)などが挙げられる。
水系媒体中でプレポリマ(A)、及び未変性ポリエステル(ii)からなる分散体を安定して形成させる方法としては、水系媒体中にプレポリマ(A)、及び未変性ポリエステル(ii)からなるトナ原料の組成物を加えて、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。プレポリマ(A)、及び未変性ポリエステル(ii)と他のトナ組成物である(以下トナ原料と呼ぶ)着色剤、着色剤マスタバッチ、離型剤、荷電制御剤などは、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合してもよいが、あらかじめトナ原料を混合した後、水系媒体中にその混合物を加えて分散させたほうがより好ましい。また、本発明においては、着色剤、離型剤、荷電制御剤などの他のトナ原料は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。たとえば、着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
分散の方法としては特に限定されるものではないが、低速せん断式、高速せん断式、摩擦式、高圧ジェット式、超音波などの公知の設備が適用できる。分散体の粒径を2〜20μmにするために高速せん断式が好ましい。高速せん断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1000〜30000rpm、好ましくは5000〜20000rpmである。分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。高温なほうが、変性ポリエステル(i)やプレポリマ(A)からなる分散体の粘度が低く、分散が容易な点で好ましい。
プレポリマ(A)、及び未変性ポリエステル(ii)を含むトナ組成物100部に対する水系媒体の使用量は、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部である。50重量部未満ではトナ組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナ粒子が得られない。20000重量部を超えると経済的でない。また、必要に応じて、樹脂微粒子と共に分散剤を用いることもできる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャプになるとともに分散が安定である点で好ましい。
プレポリマ(A)からウレア変性ポリエステルを合成する工程は水系媒体中でトナ組成物を分散する前にアミン類(B)を加えて反応させても良いし、水系媒体中に分散した後にアミン類(B)を加えて粒子界面から反応を起こしても良い。この場合製造されるトナ表面に優先的にウレア変性ポリエステルが生成し、粒子内部で濃度勾配を設けることもできる。
トナ組成物が分散された油性相を水が含まれる液体に乳化、分散するための分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性荊、アルキルアミン塩、アミノアルコル脂肪酸誘導体、ポリアミン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アルキルトリメチルアンモニム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、ピリジニウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコル誘導体などの非イオン界面活性剤、例えばアラニン、ドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチルアミノエチル)グリシンやN−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムベタインなどの両性界面活性剤が挙げられる。
また、フルオロアルキル基を有する界面活性剤を用いることにより、非常に少量でその効果をあげることができる。好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及その金属塩、パフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3[オメガ−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ〕−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(C6〜C8)N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及金属塩、パフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)及びその金属塩、パフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及その金属塩、パフルオロオクタンスルホン酸ジエタノルアミド、N−プロピル−N(2ヒドロキシエチル)パフルオロオクタンスルホンアミド、パフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
商品名としては、サフロンS−111、S−112、S−113(旭硝子社製)、フロラドFC−93、FC−95、FC−98、FC−l29(住友3M社製)、ユニダインDS101、DS−l02、(タイキン工莱社製)、メガファックF−ll0、F−l20、F113、F−191、F−812、F−833(大日本インキ社製)、エクトップEF102、l03、104、105、112、123A、123B、306A、501、201、204、(トケムプロダクツ社製)、フタジェントF−100、F150(ネオス社製)などが挙げられる。
また、カチオン界面活性剤としては、フルオロアルキル基をする脂肪族一級、二級もしくは二級アミン酸、パフルオロアルキル(C6C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩などの脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩、商品名としてはサフロンS−l21(旭硝子社製)、フロラドFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業杜製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−l32(トケムプロダクツ社製)、フタジェントF300(ネオス社製)などが挙げられる。
また、水に難溶の無機化合物分散剤としてリン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイトなども用いる事が出来る。
また高分子系保護コロイドにより分散液滴を安定化させることが特に好ましい。例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸または無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸βヒドロキシエチル、メタクリル酸βヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸βヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコルモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコルモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロルアクリルアミド、N−メチロルメタクリルアミドなど、ビニルアルコルまたはビニルアルコルとのエテル類、例えばビニルメチルエテル、ビニルエチルエテル、ビニルプロピルエテルなど、またはビニルアルコルとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ニル、プロピオン酸ニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこれらのメチロル化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾル、エチレンイミンなどの窒素原子、またはその複素環を有するものなどのホモポリマまたは共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフニルエテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロス、ヒドロキシエチルセルロス、ヒドロキシプロピルセルロスなどのセルロス類などが使用できる。
なお、分散安定剤としてリン酸カルシウム塩などの酸、アルカリに溶解可能な物を用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去する。その他酵素による分解などの操作によっても除去できる。
分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナ粒子表面に残存したままとすることもできるが、伸長及び/又は架橋反応後、洗浄除去するほうがトナの帯電面から好ましい。
さらに、トナ組成物の粘度を低くするために、プレポリマ(A)、及び未変性ポリエステル(ii)が可溶の溶剤を使用することもできる。溶剤を用いたほうが粒度分布がシャプになる点で好ましい。該溶剤は沸点が100℃未満の揮発性であることが除去が容易である点から好ましい。該溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒および塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。プレポリマ(A)100部に対する溶剤の使用量は、通常0〜300部、好ましくは0〜100部、さらに好ましくは25〜70部である。溶剤を使用した場合は、伸長及び/又は架橋反応後、常圧または減圧下にて加温し除去する。
伸長及び/又は架橋反応時間は、プレポリマ(A)の有するイソシアネト基構造とアミン類(B)の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは5〜50℃である。また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレト、ジオクチルチンラウレトなどが挙げられる。
得られた乳化分散体から有機溶媒を除去するためには、系全体を徐々に昇温し、液滴中の有機溶媒を完全に蒸発除去する方法を採用することができる。あるいはまた、乳化分散体を乾燥雰囲気中に噴霧して、液滴中の非水溶性有機溶媒を完全に除去してトナ微粒子を形成し、合せて水系分散剤を蒸発除去することも可能である。乳化分散体が噴霧される乾燥雰囲気としては、空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体、特に使用される最高沸点溶媒の沸点以上の温度に加熱された各種気流が一般に用いられる。スプレイドライア、ベルトドライア、ロタリキルンなどの短時間の処理で十分目的とする品質が得られる。
乳化分散時の粒度分布が広く、その粒度分布を保って洗浄、乾燥処理が行われた場合、所望の粒度分布に分級して粒度分布を整えることができる。
分級操作は液中でサイクロン、デカンタ、遠心分離等により、微粒子部分を取り除くことができる。もちろん乾燥後に粉体として取得した後に分級操作を行っても良いが、液体中で行うことが効率の面で好ましい。
用いた分散剤は得られた分散液からできるだけ取り除くことが好ましいが、先に述べた分級操作と同時に行うのが好ましい。
得られた乾燥後のトナの粉体と離型剤微粒子、帯電制御性微粒子、流動化剤微粒子、着色剤微粒子などの異種粒子とともに混合したり、混合粉体に機械的衝撃力を与えることによって表面で固定化、融合化させ、得られる複合体粒子の表面からの異種粒子の脱離を防止することができる。
具体的手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などがある。装置としては、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニュマチック社製)を改造して、粉砕エア圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢などがあげられる。
トナーは、磁性キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。また、被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。またポリビニル及びポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂及びスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂及びポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、及びシリコーン樹脂等が使用できる。また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
また、本発明のトナーはキャリアを使用しない一成分系の磁性トナー或いは、非磁性トナーとしても用いることができる。
また、現像剤を調製する際には、現像剤の流動性や保存性、現像性、転写性を高めるために、以上のようにして製造された現像剤にさらに先に挙げた疎水性シリカ微粉末等の無機微粒子を添加混合してもよい。外添剤の混合は一般の粉体の混合機が用いられるがジャケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。外添剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中又は漸次外添剤を加えていけばよい。もちろん混合機の回転数、転動速度、時間、温度などを変化させてもよい。はじめに強い負荷を、次に比較的弱い負荷を与えても良いし、その逆でも良い。使用できる混合設備の例としては、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。
本発明のトナーを現像剤として用いる画像形成装置について説明する。
図6は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態の構成を示す概略図である。図中符号100は複写装置本体、200はそれを載せる給紙テーブル、300は複写装置本体100上に取り付けるスキャナ、400はさらにその上に取り付ける原稿自動搬送装置(ADF)である。
複写装置本体100には、潜像担持体としての感光体40の周囲に帯電、現像、クリーニング等の電子写真プロセスを実行する各手段を備えた画像形成手段18を、4つ並列にしたタンデム型画像形成装置20が備えられている。タンデム型画像形成装置20の上部には、画像情報に基づいて感光体40をレーザー光により露光し潜像を形成する露光装置21が設けられている。また、タンデム型画像形成装置20の各感光体40と対向する位置には、無端状のベルト部材からなる中間転写ベルト10が設けられている。中間転写ベルト10を介して感光体40と相対する位置には、感光体40上に形成された各色のトナー像を中間転写ベルト10に転写する一次転写手段62が配置されている。
また、中間転写ベルト10の下方には、中間転写ベルト10上に重ね合わされたトナー像を、給紙テーブル200より搬送されてくる記録紙に一括転写する二次転写装置22が配置されている。二次転写装置22は、2つのローラ23間に、無端ベルトである二次転写ベルト24を掛け渡して構成され、中間転写ベルト10を介して支持ローラ16に押し当てて配置し、中間転写ベルト10上のトナー像を記録紙に転写する。二次転写装置22の脇には、記録紙上の画像を定着する定着装置25が設けられている。定着装置25は、無端ベルトである定着ベルト254に加圧ローラ252を押し当てて構成する。
上述した二次転写装置22は、画像転写後の記録紙をこの定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えている。もちろん、二次転写装置22として、転写ローラや非接触のチャージャを配置してもよく、そのような場合は、このシート搬送機能を併せて備えることは難しくなる。
なお、図示例では、二次転写装置22および定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成装置20と平行に、記録紙の両面に画像を記録すべく記録紙を反転する反転装置28を備える。
画像形成手段18の現像装置4には、上記のトナーを含んだ現像剤を用いる。現像装置4は、現像剤担持体が現像剤を担持、搬送して、感光体40との対向位置において交互電界を印加して感光体40上の潜像を現像する。交互電界を印加することで現像剤を活性化させ、トナーの帯電量分布をより狭くすることができ、現像性を向上させることができる。
また、感光体40と現像装置、共に一体に支持され、画像形成装置本体に対し着脱自在に形成されるプロセスカートリッジとすることができる。このプロセスカートリッジは、この他に帯電手段、クリーニング手段を含んで構成してもよい。
上記の画像形成装置の動作は以下の通りである。
初めに、原稿自動搬送装置400の原稿台30上に原稿をセットする、または、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じてそれで押さえる。
そして、不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス32上へと移動して後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ300を駆動し、第一走行体33および第二走行体34を走行する。そして、第一走行体33で光源から光を発射するとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第二走行体34に向け、第二走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読み取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動モータで支持ローラ14、15、16の1つを回転駆動して他の2つの支持ローラを従動回転し、中間転写ベルト10を回転搬送する。同時に、個々の画像形成手段18でその感光体40を回転して各感光体40上にそれぞれ、ブラック・イエロー・マゼンタ・シアンの単色画像を形成する。そして、中間転写ベルト10の搬送とともに、それらの単色画像を順次転写して中間転写ベルト10上に合成カラー画像を形成する。
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル200の給紙ローラ42の1つを選択回転し、ペーパーバンク43に多段に備える給紙カセット44の1つからシートを繰り出し、分離ローラ45で1枚ずつ分離して給紙路46に入れ、搬送ローラ47で搬送して複写機本体100内の給紙路48に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。
または、給紙ローラ50を回転して手差しトレイ51上のシートを繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に入れ、同じくレジストローラ49に突き当てて止める。
そして、中間転写ベルト10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転し、中間転写ベルト10と二次転写装置22との間にシートを送り込み、二次転写装置22で転写してシート上にカラー画像を記録する。
画像転写後のシートは、二次転写装置22で搬送して定着装置25へと送り込み、定着装置25で熱と圧力とを加えて転写画像を定着して後、切換爪55で切り換えて排出ローラ56で排出し、排紙トレイ57上にスタックする。または、切換爪55で切り換えてシート反転装置28に入れ、そこで反転して再び転写位置へと導き、裏面にも画像を記録して後、排出ローラ56で排紙トレイ57上に排出する。
一方、画像転写後の中間転写ベルト10は、中間転写ベルトクリーニング装置17で、画像転写後に中間転写ベルト10上に残留する残留トナーを除去し、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備える。
以下実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、以下において特に表記するもの以外、「部」及び「%」は重量基準で示すものとする。
製造例1
[変性ポリエステル系樹脂(A−1)の合成]
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物358部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物381部、イソフタル酸200部、テレフタル酸127部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応させ、更に10〜15mmHgの減圧で脱水しながら5時間反応させて水酸基価25、酸価0.9のポリエステルプレポリマーを得た。更に80℃まで冷却し、酢酸エチル364部とイソホロンジイソシアネート98部を加えて110℃で2時間反応を行いMw12,000、NCO含量1.29%の変性ポリエステル系樹脂(A−1)の酢酸エチル溶液(固形分濃度75%)を得た。
製造例2
[アミンのブロック化物(B)の合成]
撹拌棒及び温度計のついた反応槽中にイソホロンジアミン30部とメチルエチルケトン70部を仕込み、50℃で5時間反応を行いアミンのブロック化物(B)を得た。
製造例3
[低分子量ポリエステルの合成]
冷却管、攪拌機及び窒素導入官についた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529部、テレフタル酸208部、アジピン酸46部及びジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧下、230℃で8時間反応し、さらに、10〜15mmHgの減圧下で5時間反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44部入れ、180℃、常圧下で1.8時間反応し、[低分子量ポリエステル1]をえた。[低分子量ポリエステル1]は、Mn2,500、Mw6,700、ピーク分子量は5,000、Tg43℃、酸価25であった。
製造例4
[カーボンブラックマスターバッチ樹脂の合成]
水1,200部、カーボンブラック(Printex35 デクサ製)540部〔DBP吸油量=42ml/100mg、pH=9.5〕、製造例3で得た低分子量ポリエステル樹脂1,200部を加え、加圧ニーダーで混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分混練後、圧延冷却しパルペライザーで粉砕、カーボンブラックマスターバッチ樹脂を得た。
[トナー母体粒子(1)の合成]
ビーカー内にカーボンブラックマスターバッチ樹脂100部と、ビーズミルで平均粒経が0.5μmになるまで湿式分散したカルナバワックスの酢酸エチル溶液(ワックス濃度10%)50部、および酢酸エチル70部を加え均一に分散するまで攪拌した。さらに、変性ポリエステル系樹脂(A−1)の酢酸エチル溶液20部、アミンのブロック化物(B)1.2部を混合して、固形分濃度50%の樹脂と着色剤の調(1)を得た。このビーカーに水560部、ポリメタクリル酸メチル微粒子分散水溶液(花王社製:PB−200H)を固形分換算で3.6部、及びドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウム塩3部を添加した後、TKホモミキサー(特殊機化製)を使用し、回転数12,000rpmで25℃で1分間混合し、乳化分散液(X)を得た。
この乳化分散液(X)100部をヘリカルリボン型3段攪拌翼付きのステンレス製コルベンに移し、回転数60rpmで攪拌しながら、減圧下(10kPa)で25℃、6時間の条件で乳化液中の濃度が8%となるまで酢酸エチルを脱溶剤して乳化分散液(Y−1)を得た。
この乳化分散液(Y−1)に、カルボキシメチルセルロース(セロゲンHH、第一工業製薬社製)1.9部を添加し増粘したのち(増粘を開始する時間は乳化分散液調後10時間)、回転数300rpmで攪拌してシェアを与えながら、減圧下(10kPa)で乳化液中の酢酸エチル濃度が3%となるまで酢酸エチルを脱溶剤し、さらに回転数を60rpmに落として、引き続き酢酸エチル濃度が1%となるまで脱溶剤した。増粘後の乳化液の粘度は6,000mPa・sであった。
この乳化液100部を遠心分離し、回収したケーキに更に水60部を加えて遠心分離して固液分離する工程を5回繰り返した後、35℃で48時間乾燥してトナー母体粒子(1)を得た。
次に、得られた着色粉体のトナー母体粒子100部に対し、帯電制御剤(オリエント化学社製 ボントロン X−11)0.4部をQ型ミキサー(三井鉱山社製)に仕込み、タービン型羽根の周速を50m/secに設定し、2分間運転、1分間休止を5サイクル行い、合計の処理時間を10分間とした。
さらに、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、周速を15m/secとして30秒混合、1分間休止を5サイクル行い、ブラックトナーを得た。
[キャリア製造例]
シリコーン樹脂(オルガノストレートシリコーン) 100部

トルエン 100部
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン 5部
カーボンブラック 10部
上記混合物をホモミキサーで20分間分散し、コート層形成液を調した。このコート層形成液を流動床型コーティング装置を用いて、粒径50μmの球状マグネタイト1,000部の表面にコーティングして磁性キャリアAを得た。
上記トナー4部と、磁性キャリア96部とをボールミルで混合し、二成分現像剤1を作製した。
<実施例1>
定着ローラとして(株)リコー製複写機imagio NEO451を用いて、これにリコー製のマイリサイクル100W紙をセットし複写テストを行った。クリーニングローラは、アルミニウム製で直径10mm、粗さRzは10μmである。このクリーニングローラ表面には、粘弾性を大きくする反応物質として、反応性物質(オリエント社製 ボントロン X−11)をトルエンに溶解した後、長手方向に約300mmのクリーニングローラ1本当たり、乾燥重量分として0.07gとなるように、ブラシで塗布し、乾燥したものである。
<実施例2>
実施例1において、反応性物質(オリエント社製 ボントロン X−11)とコーティング用樹脂として、製造例3の[低分子量ポリエステル1]をトルエンに溶解した後、長手方向に約300mmのクリーニングローラ1本当たり、反応性物質の乾燥重量分として0.07g、コーティング用樹脂の乾燥重量分として0.02gとなるように、ブラシで塗布し、乾燥したものである。
<実施例3>
実施例1において、反応性物質(オリエント社製 ボントロン X−11)とコーティング用樹脂として、製造例3の[低分子量ポリエステル1]をトルエンに溶解した後、長手方向に約300mmのクリーニングローラ1本当たり、反応性物質の乾燥重量分として0.07g、コーティング用樹脂の乾燥重量分として0.07gとなるように、ブラシで塗布し、乾燥したものである。
(ホットオフセット評価)
この画像形成装置で、定着画像へクリーニングローラからの溶融トナーの逆転移による溶け出しホットオフセットの有無を目視評価した。専用チャート(6%面積率)のA4を両面印刷して連続ランニングした。溶け出しホットオフセットが観察されなかったものを「○」、確認されたものを「△」、紙が巻き付きジャムしたものを「×」として評価した。
(初期剥がれ評価)
この画像形成装置で、クリーニングローラ芯金から、反応性物質が初期に剥がれるかの有無を目視評価した。目視により剥がれが発生しても、定着画像に汚れが発生しないうちはランニングを継続した。
<比較例1>
クリーニングローラに粘弾性を大きくする反応性物質を塗布しなかった以外は、実施例1と同様にした。
実施例1、実施例2、実施例3、比較例1の結果を表1に示す。
Figure 0004712900

この結果、実施例1では、両面換算で40,000枚まで問題がなく「○」で、140,000枚で「△」であった。比較例1では、両面換算で40,000枚までで「△」で、65,000枚で巻き付きジャムが発生し「×」であった。
また、実施例1及び2では、剥がれが生じたが定着画像に汚れは生じなかった。実施例3では、剥がれが生じなかった。比較例1では、反応性物質塗布しなかったので評価しなかった。
4 現像装置
10 中間転写ベルト(中間転写体)
18 画像形成手段
21 露光装置
25 定着装置
251 定着ローラ
252 加圧ローラ
255 塗布ローラ
256 定着ローラクリーニングローラ
257 加圧ローラクリーニングローラ
257a 芯金
257b 第1コーティング層
257c 第2コーティング層
257b’ コーティング層
258 温度センサ
259 供給ローラ
260 成形体
26 (定着ベルトを有する)定着装置
261 定着ローラ
262 加圧ローラ
263 加熱ローラ
264 定着ベルト
265 塗布ローラ
266 定着ローラクリーニングローラ
267 加圧ローラクリーニングローラ
268 温度センサ
269 供給ローラ
270 成形体
40 感光体(潜像担持体)
22 二次転写装置
62 一次転写手段
100 複写装置本体
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置
特開平5−107803号公報 特開平5−289399号公報 特開平5−313413号公報 特開平5−297630号公報 特開平5−053372号公報 特開平6−027733号公報 特開平6−074426号公報 特開平6−118702号公報 特開平11−33665号公報 特開平11−149180号公報 特開2000−292981号公報 特開平9−325550号公報 特開2002−123119号公報

Claims (5)

  1. 定着手段、加圧手段、該定着手段若しくは該加圧手段をクリーニングするクリーニング手段、又は、 定着手段、加圧手段、該定着手段をクリーニングするクリーニング手段、該加圧手段をクリーニングするクリーニング手段、を有し、 少なくとも結着樹脂と着色剤とを有するトナーを、熱及び/又は圧力で記録媒体上に定着させる定着装置であって、 該クリーニング手段はクリーニング部材を有し、 該クリーニング部材は、芯金、第一コーティング層及び第二コーティング層を有し、 該芯金に、該第一コーティング層、該第二コーティング層の順で積層され、 該第一コーティング層は反応性物質のみからなり、 該第二コーティング層は反応性物質と少なくともコーティング用樹脂からなり、 該芯金の表面の十点表面粗さが3〜50μmであり、 該反応性物質は、結着樹脂を架橋又は伸長反応で分子量を大きくする物質である
    ことを特徴とする定着装置。
  2. 前記コーティング用樹脂が低分子量ポリエステルである
    ことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  3. 前記トナーが該着色剤とバインダー樹脂により複合化されたマスターバッチを含有し、
    該バインダー樹脂が低分子量ポリエステルである
    ことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  4. 前記結着樹脂が変性ポリエステル樹脂である
    ことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  5. 前記反応性物質が下記構造骨格を有する
    Figure 0004712900
    ことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
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