JP2002147964A - 誘導加熱溶解炉およびその底部出湯機構 - Google Patents

誘導加熱溶解炉およびその底部出湯機構

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JP2002147964A JP2000339829A JP2000339829A JP2002147964A JP 2002147964 A JP2002147964 A JP 2002147964A JP 2000339829 A JP2000339829 A JP 2000339829A JP 2000339829 A JP2000339829 A JP 2000339829A JP 2002147964 A JP2002147964 A JP 2002147964A
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正徳 津田
Yasuhiro Nakai
泰弘 中井
Yoshito Nakajima
賢人 中嶋
Atsushi Okuno
敦 奥野
Masahiro Tadokoro
昌宏 田所
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 簡単且つ短時間で被溶解金属20の除去作業
を完了する。 【解決手段】 複数の導電性セグメント8を円周方向に
相互に絶縁して配列することにより鉛直方向に形成され
た側面壁を有し、被溶解金属20を冷却可能に収容する
炉本体1と、側面壁の外周側に配置され、炉本体1に収
容された被溶解金属20を誘導加熱する誘導加熱コイル
11と、を有し、炉本体1と誘電加熱コイル11との間
にスタンプ部材31を有し、導電セグメントには、流路
を2以上に区分する仕切り壁が設けられ、炉本体1が強
度の高い銅合金で形成されている、誘導加熱溶解炉。炉
本体1の底面壁に設けられた底部出湯機構21であって
出湯ノズル25の周囲に配設された誘導加熱コイル24
に高周波交流電力および直流電力を供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘導加熱により金
属を溶解する誘導加熱溶解炉およびその底部出湯機構に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の誘導加熱溶解炉は、互いに電気的
に絶縁された縦割り状の導電性セグメントを円周方向に
配列することにより形成された容器状の炉本体と、炉本
体の周囲に配置された誘導加熱コイルとを備えている。
そして、炉本体は、冷却水により効率良く冷却されるよ
うに、導電性セグメントの内部に冷却水路が形成されて
いると共に大きな熱伝導率の純銅により形成されてい
る。また、機種によっては、炉本体を傾倒させることな
く溶湯を出湯口から取り出すことができるように、出湯
口が炉本体の底部に形成されている。
【0003】上記のように構成された誘導加熱溶解炉に
より例えば所望の金属を製造する場合には、先ず、炉本
体に対して被溶解金属を投入した後、誘導加熱コイルに
交流電力を供給して交番磁場を発生させる。そして、被
溶解金属を誘導加熱し、ほぼ全量が溶解して溶湯となっ
たことを確認した後、出湯口を開栓し、溶湯を自重によ
り出湯口から排出して容器に払い出す。この後、1ロッ
ト分の製造が終了すると、余った溶湯を出湯口から排出
させて回収することにより炉本体を空状態にする。そし
て、次ロット分の金属を炉本体に投入し、同様の動作に
より溶解して所望の金属を製造する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の構成では、出湯口の出口付近に凝固物が付着した
り、余った溶湯を出湯口から排出したときに、炉本体の
コーナー部に溶湯の一部や未溶解のスカルが残留するこ
とがある。従って、例えば引き続き、溶解および出湯を
しようとしても、出湯口の出口付近の凝固物が溶解せず
に開栓されたままとなって出湯できない。このため、出
湯口先端部の清掃や取替えが必要となる。また、被溶解
金属の種類を切り換える場合には、残留した前回の金属
が不純物として作用しないように、炉本体を清掃等して
完全に被溶解金属を除去することが必要になる。この結
果、従来は、ロットの切替え時等に要する被溶解金属の
除去作業が生産性を低下させると共にオペレータの負担
にもなっているため、除去作業を簡単且つ短時間で行え
ることが望まれている。
【0005】また、上記従来の構成では、溶湯を容器に
払い出すときに、出湯時に溶湯に発生したコリオリの作
用によって回転流が生じて、溶湯が出湯口から周方向に
拡散しながら排出されるため、拡散の程度によっては溶
湯の一部が容器に収容されない場合がある。従って、歩
留りを向上させるため、溶湯の全量を容器に確実に収容
できることが望まれている。さらに、生産性の観点から
払い出しを短時間で行えることも望まれている。
【0006】従って、本発明は、簡単且つ短時間で被溶
解金属の除去作業を完了することができる誘導加熱溶解
炉を提供し、払い出し時に出湯口から溶湯を確実に容器
に収容させることができる誘導加熱溶解炉を提供するも
のである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1の発明の誘導加熱溶解炉は、複数の導電性
セグメントを円周方向に相互に絶縁して配列することに
より鉛直方向に形成された側面壁を有し、被溶解金属を
冷却可能に収容する炉本体と、前記側面壁の外周側に配
置され、前記炉本体に収容された被溶解金属を誘導加熱
する誘導加熱コイルと、前記炉本体と誘導加熱コイルと
の間に設けられ、耐熱性を有すると共に、絶縁性および
非磁性の少なくとも一方を有した材料により前記炉本体
の側面壁の変形を防止するように形成されたスタンプ部
材とを有することを特徴としている。
【0008】上記の構成によれば、スタンプ部材が側面
壁の外周方向への変形を防止するため、側面壁を構成す
るセグメント間の隙間やセグメントと炉本体の底面壁と
の隙間が拡大することがない。この結果、被溶解金属が
誘導加熱されて溶湯となっても、この溶湯がセグメント
間の隙間等に差し込むことを十分に防止することができ
る。これにより、被溶解金属が凝固したときに、セグメ
ントが外側に膨れて被溶解金属が炉本体に引っ掛かった
状態にならないため、被溶解金属を炉本体から引き上げ
て実施する除去作業を容易且つ短時間で行うことができ
る。
【0009】請求項2の発明は、誘導加熱溶解炉であっ
て、複数の導電性セグメントを円周方向に相互に絶縁し
て配列することにより鉛直方向に形成された側面壁を有
し、被溶解金属を冷却可能に収容する炉本体と、前記側
面壁の外周側に配置され、前記炉本体に収容された被溶
解金属を誘導加熱する誘導加熱コイルとを有し、前記炉
本体の導電性セグメントには、冷却水を流通させる冷却
水路が形成されており、該冷却水路中には、流路を2以
上に区分する仕切り壁が設けられていることを特徴とし
ている。上記の構成によれば、冷却水路全体としては流
動抵抗を増大させることなく、導電性セグメントを仕切
り壁により補強して変形し難いものとすることができ
る。
【0010】請求項3の発明は、誘導加熱溶解炉であっ
て、複数の導電性セグメントを円周方向に相互に絶縁し
て配列することにより鉛直方向に形成された側面壁を有
し、被溶解金属を冷却可能に収容する炉本体と、前記側
面壁の外周側に配置され、前記炉本体に収容された被溶
解金属を誘導加熱する誘導加熱コイルとを有し、前記炉
本体が純銅よりも強度の高い銅合金で形成されているこ
とを特徴としている。上記の構成によれば、炉本体が純
銅よりも強度の高い銅合金で形成されることにより変形
し難いものとなるため、側面壁の変形を防止することが
できる。
【0011】請求項4の発明の誘導加熱溶解炉は、複数
の導電性セグメントを円周方向に相互に絶縁して配列す
ることにより鉛直方向に形成された側面壁を有し、被溶
解金属を冷却可能に収容する炉本体と、前記側面壁の外
周側に配置され、前記炉本体に収容された被溶解金属を
誘導加熱する誘導加熱コイルと、前記炉本体の上方に設
けられた接合部材と、前記接合部材を昇降可能に支持
し、溶融状態の被溶解金属に前記接合部材を浸漬させる
ように下降させ、前記被溶解金属が凝固したときに接合
部材を上昇させることにより被溶解金属を炉本体から引
き上げる昇降装置とを有することを特徴としている。上
記の構成によれば、接合部材を昇降させるという簡単な
動作により被溶解金属を炉本体から引き上げて回収する
ことができる。
【0012】請求項5の発明は、被溶解金属の溶解され
た溶湯を収容する炉本体の底面壁に設けられた底部出湯
機構であって、前記底面壁に逆円錐形状に形成された開
口部と、前記開口部の下方に設けられ、上下方向に連通
された出湯穴を有するように、縦割り状の複数の導電性
セグメントを円周方向に相互に絶縁して配列することに
より形成された出湯構造体と、前記出湯構造体の周囲に
配設された誘導加熱コイルと、前記誘導加熱コイルに交
流電力および直流電力を選択的に供給可能な出湯用電源
と、出湯開始時に高周波数の交流電力を供給し、出湯中
に直流電力を供給するように前記出湯用電源に対して制
御する電源制御装置とを有することを特徴としている。
上記の構成によれば、出湯構造体内における溶湯の流動
方向に沿った直流磁場を生成することができるため、溶
湯が旋回する等の乱れを抑制して容器内に溶湯を確実に
収容させることができる。
【0013】請求項6の発明は、被溶解金属の溶解され
た溶湯を収容する炉本体の底面壁に設けられた底部出湯
機構であって、前記底面壁に逆円錐形状に形成された開
口部と、前記開口部の下方に設けられ、上下方向に連通
された出湯穴を有するように、縦割り状の複数の導電性
セグメントを円周方向に相互に絶縁して配列することに
より形成された出湯構造体と、前記出湯構造体の周囲に
配設された誘導加熱コイルと、前記誘導加熱コイルに交
流電力を供給する出湯用電源と、前記出湯構造体の両側
に設けられ、溶湯の流動方向に対して直交方向に直流磁
場を生成する直流磁場生成部材とを有することを特徴と
している。上記の構成によれば、炉本体の溶湯内に出湯
構造体内における溶湯のコリオリにより発生した旋回を
直流磁場により抑制することができるため、排出時の拡
散を防止して容器内に溶湯を確実に収容させることがで
きる。
【0014】請求項7の発明は、被溶解金属の溶解され
た溶湯を収容する炉本体の底面壁に設けられた底部出湯
機構であって、前記底面壁に逆円錐形状に形成された開
口部と、前記開口部の下方に設けられ、上下方向に連通
された出湯穴を有するように、縦割り状の複数の導電性
セグメントを円周方向に相互に絶縁して配列することに
より形成された出湯構造体と、前記出湯構造体の出湯穴
から垂下されたカーボン製の出湯ノズルと、前記出湯構
造体および出湯ノズルの周囲に配設された誘導加熱コイ
ルと、前記誘導加熱コイルに高周波数の交流電力を供給
可能な出湯用電源と、前記誘導加熱コイルに前記高周波
数の交流電力を供給するように前記出湯用電源を制御す
る電源制御装置とを有することを特徴としている。
【0015】上記の構成によれば、溶湯を炉本体から払
い出すときに、出湯ノズルにより溶湯の流動方向を規制
して排出時の拡散を防止することができるため、底部出
湯機構の下方に設けられた容器内に溶湯を確実に収容さ
せることができる。そして、誘導加熱コイルに交流電力
を供給することによって、出湯ノズルに残留した溶湯の
付着物や凝固物等の残留物を誘導加熱して溶解させ、出
湯ノズルから完全に除去することができる。これによ
り、出湯ノズルが残留物で詰まることによって、次ロッ
ト分の溶湯の払い出しが困難や不可能になる等の不具合
を防止することができる。
【0016】請求項8の発明は、被溶解金属の溶解され
た溶湯を収容する炉本体の底面壁に設けられた底部出湯
機構であって、前記底面壁に逆円錐形状に形成された開
口部と、前記開口部の下方に設けられ、上下方向に連通
された出湯穴を有するように、縦割り状の複数の導電性
セグメントを円周方向に相互に絶縁して配列することに
より形成された出湯構造体と、前記出湯構造体の周囲に
配設された誘導加熱コイルと、前記誘導加熱コイルに高
周波数の交流電力を供給可能な出湯用電源と、前記出湯
構造体の表面温度を検出する温度検出装置とを有するこ
とを特徴としている。上記の構成によれば、温度検出装
置により検出された出湯構造体の表面温度に基づいて被
溶解金属の出湯開始時期を推定することができる。
【0017】請求項9の発明の誘導加熱溶解炉は、複数
の導電性セグメントを円周方向に相互に絶縁して配列す
ることにより鉛直方向に形成された側面壁を有し、被溶
解金属を冷却可能に収容する炉本体と、前記炉本体の底
面壁に設けられ、前記被溶解金属を誘導加熱して溶解さ
れた溶湯を出湯可能な底部出湯機構と、前記炉本体が配
置された上側空間部と、前記底部出湯機構が配置された
下側空間部とを独立して有した真空容器と、前記上側空
間部と下側空間部との圧力差を変更することによって、
前記底部出湯機構における出湯流速を制御する出湯制御
手段とを有することを特徴としている。上記の構成によ
れば、出湯時に上側空間部が下側空間部よりも高い圧力
となるように両空間部の圧力差を変更することによっ
て、この圧力差と溶湯の自重とで出湯の速度を大きくす
ることができるため、短時間で溶湯の払い出しを完了す
ることができる。また、出湯終了時に上側空間部が下側
空間部よりも低い圧力となるように両空間部の圧力差を
変更することによって、この圧力差で出湯の速度を制御
でき、また、出湯速度を小さくして溶湯の凝固を促進す
ることができるため、短時間で出湯を停止することがで
きる。
【0018】請求項10の発明の誘導加熱溶解炉は、複
数の導電性セグメントを円周方向に相互に絶縁して配列
することにより鉛直方向に形成された側面壁を有し、被
溶解金属を冷却可能に収容する炉本体と、前記側面壁の
外周側に配置され、前記炉本体に収容された被溶解金属
を誘導加熱する誘導加熱コイルとを備えた誘導加熱溶解
炉であって、前記炉本体の導電性セグメントには、冷却
水を流通させる冷却水路が形成されており、該冷却水路
は、冷却能力を高めたい部分の流路断面積が縮小されて
いることを特徴としている。
【0019】上記の構成によれば、冷却水路の流路断面
積が部分的に縮小されているため、冷却水路全体として
は流動抵抗を増大させることなく、流路断面積の縮小に
より冷却水の流動速度を増大させることによって、この
流路断面積の縮小された部分における冷却能力を高める
ことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1ないし
図7に基づいて以下に説明する。本実施の形態に係る誘
導加熱溶解炉は、図1に示すように、被溶解金属20を
収容する炉本体1を有している。炉本体1は、純銅の熱
伝導率(389W/m・k)よりも小さな熱伝導率(3
22W/m・k)のクロム銅により形成されており、炉
本体1の機械的強度を高めていると共に、被溶解金属2
0の単位時間当たりの抜熱量を純銅の場合よりも低減し
ている。尚、炉本体1は、クロム銅の他、純銅の熱伝導
率よりも小さな熱伝導率のジルコニウム銅やベリリウム
銅、クロムジルコニウム銅、テルル銅等の金属材料を用
いることができる。また、被溶解金属20としては、純
銅や銅合金の他、金や銀、アルミニウム、これら各金属
の合金等の大きな熱伝導率を有した金属を挙げることが
できると共に、鉄やコバルト、チタン、ニッケル、ジル
コニウム、ハフニウム、クロム、ニオブ、タンタル、モ
リブデン、ウラン、希土類金属、トリウム、これらの合
金等を挙げることができる。
【0021】上記の炉本体1は、炉本体1の底面壁を構
成するように形成されたベース体2と、炉本体1の側面
壁を構成するように、ベース体2上に円周方向に配設さ
れた複数の導電性セグメント8とを有している。ベース
体2は、導電性セグメント8で囲まれた円筒部3と、円
筒部3の下縁部から外周方向に突設されたフランジ部4
とを有している。フランジ部4には、上下方向に貫設さ
れた複数の締結穴4aが導電性セグメント8の配列位置
に対応して形成されていると共に冷却水路4bが形成さ
れている。
【0022】上記の各締結穴4aには、ボルト部材6が
挿通されている。ボルト部材6は、ナット部材7とで導
電性セグメント8をフランジ部4に固定している。導電
性セグメント8は、鉛直方向に立設され、内側面が円筒
部3の側周面に当接された側壁部9と、側壁部9の下端
部から外周方向に曲折され、下面がフランジ部4の上面
に当接された取付部10とを有している。取付部10に
は、締結穴10aが形成されており、締結穴10aは、
フランジ部4の締結穴4aに対応するように配置され、
ボルト部材6が挿通されている。
【0023】上記の導電性セグメント8は、隣接するセ
グメント8・8同士が互いに電気的に絶縁状態にされて
いる。また、図3にも示すように、各導電性セグメント
8における幅方向の中心部には、上端部を残して縦方向
にスリット8aと、スリット8aよりも広幅の切欠部9
aとが内周側から外周側にかけてこの順に形成されてい
る。スリット8aおよび切欠部9aは、導電性セグメン
ト8を縦方向に二分割しており、導電性セグメント8の
側壁部9と取付部10とは、スリット8aを介して互い
に電気的に絶縁状態にされている。さらに、切欠部9a
は、側壁部9の誘導加熱による損失を減少させるよう
に、所定の強度を維持できる範囲内で側壁部9の横断面
積を減少させている。
【0024】また、各導電性セグメント8の内部には、
冷却水路8bと連通路8cとが形成されている。冷却水
路8bは、スリット8aで二分割された一方の側壁部9
と他方の側壁部9とにそれぞれ形成されている。また、
連通路8cは、導電性セグメント8の上端部に形成され
ており、両側壁部9・9における冷却水路8b・8bの
上端部同士を連通している。また、各冷却水路8bの下
端は、上述のフランジ部4の冷却水路4bに連通されて
いる。これらの冷却水路8b・4bは、冷却水を流通さ
せることによって、導電性セグメント8を含む炉本体1
の全体を所定の温度(被溶解金属20との反応温度)以
下に冷却している。
【0025】また、冷却水路8bの複数箇所には、図4
(a)・(b)に示すように、冷却水路8bの流路を2
つに区分する平板状の仕切り壁30が設けられている。
仕切り壁30は、左右の両端部が冷却水路8bに接合さ
れており、両壁面30aが冷却水の流動方向に対して平
行となるように配置されている。また、仕切り壁30の
上端部および下端部は、冷却水の流動抵抗を減少させる
ように縦断面が砲弾形状に形成されている。そして、こ
の仕切り壁30は、冷却水路8bの流路断面積を減少さ
せ、この部分における冷却水の流動速度を増大させるこ
とによって、冷却水路8b全体としては流動抵抗を増大
させることなく、導電性セグメント8に対する冷却効率
を高めると共に、導電性セグメント8を補強するように
機能している。尚、仕切り壁30は、冷却水路8bを3
つ以上に区分するものであっても良い。また、仕切り壁
30は、溶湯20bやスカル20aが導電性セグメント
8に接触し易い部分に設けられていることが望ましい。
【0026】図2に示すように、上記のように構成され
た炉本体1の外周側には、炉本体1の内側に交番磁場を
発生させる誘導加熱コイル11が巻回されている。ま
た、炉本体1の側面壁と誘導加熱コイル11との間に
は、円筒形状のスタンプ部材31が設けられている。ス
タンプ部材31は、砂やセメント、ケイ砂等の耐熱性を
有すると共に、絶縁性および非磁性の少なくとも一方を
有した材料により一体的に形成されており、少なくとも
炉本体1の側面壁全体に当接または接合されている。そ
して、スタンプ部材31は、炉本体1における側面壁の
外周方向への変形を防止している。
【0027】一方、炉本体1の底面壁は、上述のベース
体2の円筒部3により形成されている。円筒部3は、炉
本体1の底面壁となるように平板状に形成された上面壁
3aを有している。上面壁3aの中心部には、溶湯20
bを出湯する底部出湯機構21が設けられている。底部
出湯機構21は、上面壁3aに形成された開口部3b
と、開口部3bの下方に位置するように上面壁3aの下
面に設けられた出湯構造体22と、出湯構造体22の両
側に配設された永久磁石23と、出湯構造体22から垂
下するように取付けられた出湯ノズル25と、出湯構造
体22および出湯ノズル25の周囲に配設された誘導加
熱コイル24とを有している。
【0028】上記の開口部3bは、上面壁3aの上面位
置から下面位置にかけて開口面積を減少させるように逆
円錐状に形成されている。開口部3bの下方には、上述
の出湯構造体22が設けられている。出湯構造体22
は、上下方向に連通された出湯穴22aを有している。
出湯穴22aは、開口部3b側の上端位置から中間位置
までの開口面積が開口部3bと同様の割合で減少する逆
円錐形状に形成された後、中間位置から下端位置にまで
の開口面積が同一となる円柱形状に形成されることによ
って、全体として漏斗状に形成されている。出湯構造体
22は、縦割り状の複数の導電性セグメント22bを円
周方向に相互に絶縁して配列することにより形成されて
いる。尚、導電性セグメント22bは、上述の炉本体1
と同様に、クロム銅により形成することができると共
に、純銅や電気抵抗率の低い金や銀等を用いることがで
きる。
【0029】上記の出湯構造体22における円柱形状の
出湯穴22aには、溶湯20bの払い出し時における流
動方向を下方向に規制する出湯ノズル25が設けられて
いる。出湯ノズル25は、熱衝撃に強いカーボンにより
形成されている。
【0030】また、出湯構造体22の両側には、永久磁
石23が設けられている。永久磁石23は、N極および
S極が出湯構造体22を挟んで両側に対向配置されてい
る。そして、永久磁石23は、溶湯20bの流動方向に
対して垂直方向に直流磁界を生成することによって、溶
湯20b内に生じている回転流を減少または消滅させる
ようになっている。
【0031】上記の永久磁石23の下方には、出湯構造
体22および出湯ノズル25の周囲に巻回され、溶湯2
0bの流動方向に沿って磁界を生成する誘導加熱コイル
24が設けられている。誘導加熱コイル24には、図1
に示すように、出湯用電源15が接続されている。出湯
用電源15は、被溶解金属20を凝固させる程度の第2
周波数の交流電力を出力可能な凝固用電源部と、被溶解
金属20を溶解させる程度の第1周波数の交流電力を出
力可能な溶解用電源部と、直流電源部とを有している。
【0032】尚、溶解用電源部の第1周波数は、凝固用
電源部の第2周波数よりも高周波数に設定されている。
具体的には、溶解用電源部の第1周波数が4kHz程度
の高周波数に設定されており、凝固用電源部の第2周波
数が例えば商用電源程度の周波数(50〜100Hz程
度の低周波数)に設定されている。そして、これらの電
源部を備えた出湯用電源15は、電源制御装置18に接
続されており、電源制御装置18は、2段階の周波数の
交流電力と直流電力とを選択的に出湯用電源15から出
力させるように、凝固用電源部と溶解用電源部と直流電
源部との作動を切替え可能になっている。
【0033】また、電源制御装置18には、出湯構造体
22の表面温度を検出する温度検出装置が接続されてい
る。温度検出装置は、温度測定器19と図示しない熱電
対からなる温度センサとを備えている。尚、温度センサ
は、非接触式の赤外線センサであっても良い。熱電対か
らなる温度センサは、出湯構造体22に接合されてお
り、出湯構造体22の表面温度に対応した電流値や電圧
値を検出信号として温度測定器19に出力する。また、
温度測定器19は、検出信号に基づいて出湯構造体22
内を流動する溶湯20bの温度である出湯温度を求めた
後、この出湯温度をデジタル値やアナログ値の出湯温度
信号として電源制御装置18に出力する。そして、電源
制御装置18は、出力温度信号に基づいて出湯開始時期
を推定する。
【0034】さらに、電源制御装置18は、溶解用電源
16にも接続されている。溶解用電源16は、上述の炉
本体1の周囲を取り囲むように設けられた誘導加熱コイ
ル11に接続されている。溶解用電源16は、交流電力
を誘導加熱コイル11に供給して炉本体1の内壁面に沿
った交番磁場を生成させ、この交番磁場を炉本体1に収
容された被溶解金属20に浸透させて誘導加熱する。
【0035】また、炉本体1は、真空容器32内に設け
られている。真空容器32は、炉本体1を収容し、上面
開口部33aを有した収容体33と、収容体33の上面
開口部33aに対して着脱可能に設けられた蓋体34と
を備えている。収容体33の内壁面には、ベース体2の
フランジ部4が気密状態に接合されている。フランジ部
4は、真空容器32の内部を二分割することによって、
炉本体1により被溶解金属20を溶解する上側空間部3
5と、炉本体1から被溶解金属20を払い出す下側空間
部36とに区分している。
【0036】上記の収容体33の側面壁には、上側排気
穴33aが上側空間部35に対応して形成されていると
共に、下側排気穴33bが下側空間部36に対応して形
成されている。上側排気穴33aは、電磁バルブ37a
および圧力調整器37bからなる第1圧力調整機構37
(出湯制御手段)を介して真空ポンプ39に接続されて
いる。また、下側排気穴33bは、電磁バルブ38aお
よび圧力調整器38bからなる第2圧力調整機構38
(出湯制御手段)を介して真空ポンプ39に接続されて
いる。さらに、上側排気穴33aおよび下側排気穴33
bには、バルブ37c・38cを介して不活性ガスがそ
れぞれ導入可能にされており、バルブ37c・38c
は、上部空間部35および下部空間部36に圧力差を生
じさせることを可能にしている。そして、例えばこれら
の圧力調整機構37・38は、炉本体1から被溶解金属
20を払い出すときに被溶解金属20の排出を補助する
ように、下側空間部36の圧力を上側空間部35の圧力
よりも低くするように調整する。
【0037】一方、蓋体34の上面壁には、引上機構4
0が設けられている。引上機構40は、炉本体1に残留
した被溶解金属20と接合される接合部材41と、接合
部材41を昇降させる昇降シリンダ42(昇降装置)
と、接合部材41と昇降シリンダ42とを着脱可能に連
結する連結部材43とを有している。そして、このよう
に構成された引上機構40は、接合部材41を溶融状態
の被溶解金属20に浸漬し、被溶解金属20が凝固した
ときに、この被溶解金属20を接合部材41と共に引き
上げることにより炉本体1から抜き取って外部に搬出す
る。
【0038】上記の構成において、誘導加熱溶解炉の動
作を説明する。先ず、真空容器32の蓋体34が図示二
点鎖線等の待機位置に移動され、収容体33の上面開口
部33aが開口されることによって、上面開口部33a
の上方から塊状や粉状の被溶解金属20が炉本体1に投
入される。そして、1バッチ分の被溶解金属20が投入
された後、収容体33の上面開口部33aが蓋体34に
より密封される。
【0039】次に、真空容器32内の上側空間部35お
よび下側空間部36の減圧が開始されると共に、側壁部
9の冷却水路8bに冷却水が供給されることにより炉本
体1が冷却される。この際、図3および図4(a)・
(b)に示すように、冷却水路8bの流路断面積が仕切
り壁30により縮小されているため、仕切り壁30によ
り分割された各流路を冷却水が他の部分よりも高速で流
動する。従って、仕切り壁30が設けられた部分が他の
部分よりも高い冷却能力でもって冷却されながら導電性
セグメント8の冷却が行われる。尚、仕切り壁30が冷
却水路8b中に部分的に配置されているため、仕切り壁
30の存在によっては冷却水路8bの流動抵抗が殆ど増
大することがない。この結果、導電性セグメント8を含
む炉本体1が冷却水により効率良く冷却されることにな
る。
【0040】この後、各空間部35・36の圧力が圧力
調整機構37・38により例えば4.0×104 Pa等
の所定圧力にまで減圧されたときに、電源制御装置18
からの指令により溶解用電源16から誘導加熱コイル1
1に対して交流電力が供給される。誘導加熱コイル11
に交流電力が供給されると、誘導加熱コイル11の周囲
に交番磁場が生成されることになり、誘導加熱コイル1
1の内周側における交番磁場は、縦方向に分割された導
電性セグメント8および隔壁部材12を介して炉本体1
の内側に透過し、被溶解金属20を誘導加熱する。
【0041】これにより、図2に示すように、被溶解金
属20は、溶融温度に昇温した表面側から溶解を開始し
て溶湯20bとなり、炉本体1の底面壁に向かって流れ
落ちる。そして、溶湯20bが炉本体1の底面壁に到達
したときに、炉本体1により冷却されて凝固し、皿状の
スカル20aを形成する。そして、スカル20aが所定
以上の厚みとなって炉本体1による冷却能力よりも誘導
加熱による加熱能力が上回ると、スカル20a上に溶湯
20bとして滞留していくことになる。そして、溶湯2
0bの滞留量が増加すると、溶湯20bが交番磁場と誘
導電流との相互作用および重力の作用を受けることによ
って、周辺部から中央部にかけて盛り上がったドーム形
状の外形を呈しながら撹拌されることになる。また、こ
のような溶湯20bの形成時において、被溶解金属20
のスカル20aと接触する内面側が反応温度以下に冷却
されているため、炉本体1の不純物がスカル20aを介
して溶湯20bに移行することもない。
【0042】次に、図1に示すように、電源制御装置1
8において、被溶解金属20の溶解が開始されてからの
経過時間と、温度測定器19により計測された出湯構造
体22の表面温度とに基づいて溶湯20bの出湯開始時
期が推定される。即ち、図5(a)に示すように、被溶
解金属20の溶解が進行することによって、出湯構造体
22の上方に位置するスカル20aの層厚が薄くなって
いくと、これに伴って出湯構造体22の表面温度が上昇
する。そして、スカル20aの層厚が十分に薄くなった
ときの表面温度となったときに、上述の経過時間も加味
されながら出湯開始時期であると推定される。尚、この
経過時間と表面温度とに基づく推定は、オペレータによ
り行われても良い。
【0043】溶湯20bの出湯開始時期であると推定さ
れた場合には、図1に示すように、第2圧力調整機構3
8の設定圧力が例えば1.3Pa等のように変更される
ことによって、下側空間部36の圧力が上側空間部35
の圧力よりも低くなるように減圧される。また、電源制
御装置18から出湯用電源15に対して溶解用電源部を
作動させるように指令されることによって、図2に示す
ように、出湯用電源15から高周波数の交流電力が誘導
加熱コイル24に供給され、誘導加熱コイル24の周辺
に高周波数の交番磁場が生成される。
【0044】高周波数の交番磁場は、図5(a)に示す
ように、出湯構造体22および開口部3bの内面の薄い
凝固層(浸透深さ)にのみ渦電流を流す。これにより、
図5(b)に示すように、この薄い凝固層での電流密度
が高いため、出湯構造体22および開口部3bの内表面
に凝固しているスカル20aが凝固界面側から溶解して
薄くなることによって、最終的には溶湯20bの自重に
よる圧力および空間部35・36の圧力差により短時間
で出湯し始めることになる。
【0045】尚、図5(c)に示すように、出湯構造体
22の表面温度に基づいて溶湯20bの出湯開始時期が
推定されずに、出湯構造体22の上方に位置するスカル
20aの層厚が厚い状態でこのスカル20aに対して誘
導加熱が行われた場合には、図5(d)に示すように、
スカル20aの凝固界面側からの溶解だけではスカル2
0aの層厚を出湯可能な程度にまで薄くすることができ
ないため、溶湯20bを出湯させることはできない。
【0046】出湯が開始されると、図2に示すように、
出湯用電源15の直流電源部が作動するように切り換え
られ、出湯構造体22および出湯ノズル25の内部に溶
湯20bの流動方向に沿った直流磁場が生成される。ま
た、出湯時においては、溶湯20bが出湯構造体22の
深部へ進行するのに従って溶湯20b内の角運動量保存
則により高速に旋回する作用を受けることになるが、永
久磁石23の直流磁界が回転流を減少させるため、溶湯
20bの旋回が抑制される。また、上述の出湯用電源1
5の直流電源部による溶湯20bの流動方向に沿った直
流磁場によって、溶湯20bの旋回や乱れがさらに抑制
される。この結果、溶湯20bが出湯ノズル25から排
出されたときに、高速の旋回により極端に拡散すること
がない。さらに、出湯構造体22から垂下された出湯ノ
ズル25が溶湯20bの流動方向を一方向に規制してい
る。これにより、溶湯20bは、出湯ノズル25からほ
ぼ直線的に排出され、排出方向に配置された容器44内
に確実に収容されることになる。
【0047】上記の払い出しにより炉本体1における溶
湯20bが少なくなると、溶湯20bの自重によっては
単位時間当たりの排出量が減少することになるが、空間
部35・36の圧力差により排出量の減少が最小限に抑
制される。この結果、払い出しが短時間で完了すること
になる。そして、払い出しが完了すると、下側空間部3
6の圧力が上側空間部35の圧力と同等の状態に復帰さ
れ、出湯が停止される。尚、払い出しを完了した後の出
湯終了時においては、下側空間部36の圧力が上側空間
部35の圧力よりも高くなるように圧力調整されても良
い。この場合には、両空間部36・35の圧力差により
溶湯20bの出湯流速を低下させることができるため、
出湯を短時間で停止させることができる。
【0048】出湯が終了すると、電源制御装置18によ
り指令を受けた出湯用電源15が誘導加熱コイル24に
高周波数の交流電力を供給する。これにより、出湯ノズ
ル25内に残留した溶湯20bやスカル20aの付着物
や凝固物からなる残留物が誘導加熱され、溶融状態とな
って滴下することによって、出湯ノズル25から完全に
除去される。この結果、出湯ノズル25が残留物で詰ま
ることによって、次ロット分の溶湯20bの払い出しが
困難や不可能になる等の不具合が防止される。
【0049】次に、例えば被溶解金属20の種類を切り
換える場合には、炉本体1内の不要な被溶解金属20が
引上機構40を用いて除去される。即ち、図1に示すよ
うに、誘導加熱コイル11への電力供給が停止されるこ
とによって、被溶解金属20に対する誘導加熱が停止さ
れる。そして、被溶解金属20が溶湯20bの状態を維
持している間に、接合部材41が下降されて溶湯20b
に浸漬される。被溶解金属20が凝固したときに、接合
部材41が上昇されることによって、全ての被溶解金属
20が引き上げられて炉本体1から一気に抜脱される。
尚、本実施形態においては、昇降シリンダ42により溶
解金属20を引き上げているが、より大きな炉では、接
合部材41に例えばネジ構造の連結部を設けておき、工
場内のクレーン装置により連結部にワイヤ等を連結して
吊り上げるようになっていても良い。
【0050】この際、被溶解金属20の溶解時において
は、炉本体1における側面壁が外周方向に変形し易いと
いう性質を有しているが、この側面壁をスタンプ部材3
1および図2の仕切り壁30が補強していると共に、炉
本体1が純銅よりも大きな強度のクロム銅により形成さ
れているため、炉本体1の側面壁が外周方向に太鼓状に
変形することはない。従って、引っ掛かった状態になら
ないため、引上機構40による被溶解金属20の引き上
げが極めて簡単に完了することになる。
【0051】上記のようにして被溶解金属20の除去作
業を完了し、空間部35・36が大気圧になると、引上
機構40を搭載した蓋体34が図示二点鎖線の待機位置
に移動される。そして、この蓋体34の待機位置におい
て、連結部材43が切り離されることによって、被溶解
金属20が回収される。
【0052】尚、本実施形態においては、スタンプ部材
31により炉本体1の側面壁の変形を防止することによ
って、被溶解金属20の引き上げを簡単化しているが、
これに限定されるものではない。即ち、図5に示すよう
に、導電性セグメント8の締結穴10aを半径方向に長
径方向が一致した長穴形状とする。そして、被溶解金属
20の溶解時においては、導電性セグメント8を図示実
線の位置に前進させておき、溶解が完了して被溶解金属
20が凝固したときに、導電性セグメント8を図示二点
鎖線の位置に後退させることによって、導電性セグメン
ト8の側壁部9と円筒部3との隙間を拡大させた後、被
溶解金属20を引き上げるようになっていても良い。そ
して、この場合には、円筒部3と側壁部9との間に差し
込んだ部分を側壁部9から引き離すことができるため、
被溶解金属20を容易に引き上げることができる。
【0053】また、本実施形態においては、図2に示す
ように、出湯ノズル25を介して出湯する場合について
説明しているが、これに限定されるものでもない。図7
に示すように、誘導加熱コイル24と永久磁石23とを
備えていれば、出湯ノズル25を用いなくても溶湯20
bの拡散を十分に防止しながら出湯することができる。
【0054】
【発明の効果】請求項1の発明の誘導加熱溶解炉は、複
数の導電性セグメントを円周方向に相互に絶縁して配列
することにより鉛直方向に形成された側面壁を有し、被
溶解金属を冷却可能に収容する炉本体と、前記側面壁の
外周側に配置され、前記炉本体に収容された被溶解金属
を誘導加熱する誘導加熱コイルと、前記炉本体と誘導加
熱コイルとの間に設けられ、耐熱性を有すると共に、絶
縁性および非磁性の少なくとも一方を有した材料により
前記炉本体の側面壁の変形を防止するように形成された
スタンプ部材とを有する構成である。
【0055】上記の構成によれば、スタンプ部材が側面
壁の外周方向への変形を防止するため、側面壁を構成す
るセグメント間の隙間やセグメントと炉本体の底面壁と
の隙間が拡大することがない。この結果、被溶解金属が
誘導加熱されて溶湯となっても、この溶湯がセグメント
間の隙間等に差し込むことを十分に防止することができ
る。これにより、被溶解金属が凝固したときに、セグメ
ントが外側に膨れて被溶解金属が炉本体に引っ掛かった
状態にならないため、被溶解金属を炉本体から引き上げ
て実施する除去作業を容易且つ短時間で行うことができ
るという効果を奏する。
【0056】請求項2の発明は、誘導加熱溶解炉であっ
て、複数の導電性セグメントを円周方向に相互に絶縁し
て配列することにより鉛直方向に形成された側面壁を有
し、被溶解金属を冷却可能に収容する炉本体と、前記側
面壁の外周側に配置され、前記炉本体に収容された被溶
解金属を誘導加熱する誘導加熱コイルとを有し、前記炉
本体の導電性セグメントには、冷却水を流通させる冷却
水路が形成されており、該冷却水路中には、流路を2以
上に区分する仕切り壁が設けられている構成である。上
記の構成によれば、冷却水路全体としては流動抵抗を増
大させることなく、導電性セグメントを仕切り壁により
補強して変形し難いものとすることができるという効果
を奏する。
【0057】請求項3の発明は、誘導加熱溶解炉であっ
て、複数の導電性セグメントを円周方向に相互に絶縁し
て配列することにより鉛直方向に形成された側面壁を有
し、被溶解金属を冷却可能に収容する炉本体と、前記側
面壁の外周側に配置され、前記炉本体に収容された被溶
解金属を誘導加熱する誘導加熱コイルとを有し、前記炉
本体が純銅よりも強度の高い銅合金で形成されている構
成である。上記の構成によれば、炉本体が純銅よりも強
度の高い銅合金で形成されることにより変形し難いもの
となるため、側面壁の変形を防止することができるとい
う効果を奏する。
【0058】請求項4の発明の誘導加熱溶解炉は、複数
の導電性セグメントを円周方向に相互に絶縁して配列す
ることにより鉛直方向に形成された側面壁を有し、被溶
解金属を冷却可能に収容する炉本体と、前記側面壁の外
周側に配置され、前記炉本体に収容された被溶解金属を
誘導加熱する誘導加熱コイルと、前記炉本体の上方に設
けられた接合部材と、前記接合部材を昇降可能に支持
し、溶融状態の被溶解金属に前記接合部材を浸漬させる
ように下降させ、前記被溶解金属が凝固したときに接合
部材を上昇させることにより被溶解金属を炉本体から引
き上げる昇降装置とを有する構成である。上記の構成に
よれば、接合部材を昇降させるという簡単な動作により
被溶解金属を炉本体から引き上げて回収することができ
るという効果を奏する。
【0059】請求項5の発明は、被溶解金属の溶解され
た溶湯を収容する炉本体の底面壁に設けられた底部出湯
機構であって、前記底面壁に逆円錐形状に形成された開
口部と、前記開口部の下方に設けられ、上下方向に連通
された出湯穴を有するように、縦割り状の複数の導電性
セグメントを円周方向に相互に絶縁して配列することに
より形成された出湯構造体と、前記出湯構造体の周囲に
配設された誘導加熱コイルと、前記誘導加熱コイルに交
流電力および直流電力を選択的に供給可能な出湯用電源
と、出湯開始時に高周波数の交流電力を供給し、出湯中
に直流電力を供給するように前記出湯用電源に対して制
御する電源制御装置とを有する構成である。上記の構成
によれば、出湯構造体内における溶湯の流動方向に沿っ
た直流磁場を生成することができるため、溶湯が旋回す
る等の乱れを抑制して容器内に溶湯を確実に収容させる
ことができるという効果を奏する。
【0060】請求項6の発明は、被溶解金属の溶解され
た溶湯を収容する炉本体の底面壁に設けられた底部出湯
機構であって、前記底面壁に逆円錐形状に形成された開
口部と、前記開口部の下方に設けられ、上下方向に連通
された出湯穴を有するように、縦割り状の複数の導電性
セグメントを円周方向に相互に絶縁して配列することに
より形成された出湯構造体と、前記出湯構造体の周囲に
配設された誘導加熱コイルと、前記誘導加熱コイルに交
流電力を供給する出湯用電源と、前記出湯構造体の両側
に設けられ、溶湯の流動方向に対して直交方向に直流磁
場を生成する直流磁場生成部材とを有する構成である。
上記の構成によれば、炉本体の溶湯内に発生した出湯構
造体内における溶湯のコリオリにより発生した旋回を直
流磁場により抑制することができるため、排出時の拡散
を防止して容器内に溶湯を確実に収容させることができ
るという効果を奏する。
【0061】請求項7の発明は、被溶解金属の溶解され
た溶湯を収容する炉本体の底面壁に設けられた底部出湯
機構であって、前記底面壁に逆円錐形状に形成された開
口部と、前記開口部の下方に設けられ、上下方向に連通
された出湯穴を有するように、縦割り状の複数の導電性
セグメントを円周方向に相互に絶縁して配列することに
より形成された出湯構造体と、前記出湯構造体の出湯穴
から垂下されたカーボン製の出湯ノズルと、前記出湯構
造体および出湯ノズルの周囲に配設された誘導加熱コイ
ルと、前記誘導加熱コイルに高周波数の交流電力を供給
可能な出湯用電源と、前記誘導加熱コイルに前記高周波
数の交流電力を供給するように前記出湯用電源を制御す
る電源制御装置とを有する構成である。
【0062】上記の構成によれば、溶湯を炉本体から払
い出すときに、出湯ノズルにより溶湯の流動方向を規制
して排出時の拡散を防止することができるため、底部出
湯機構の下方に設けられた容器内に溶湯を確実に収容さ
せることができる。そして、出湯終了後に誘導加熱コイ
ルに交流電力を供給することによって、出湯ノズルに残
留した溶湯の付着物や凝固物等の残留物を誘導加熱して
溶解させ、出湯ノズルから完全に除去することができ
る。これにより、出湯ノズルが残留物で詰まることによ
って、次ロット分の溶湯の払い出しが困難や不可能にな
る等の不具合を防止することができるという効果を奏す
る。
【0063】請求項8の発明は、被溶解金属の溶解され
た溶湯を収容する炉本体の底面壁に設けられた底部出湯
機構であって、前記底面壁に逆円錐形状に形成された開
口部と、前記開口部の下方に設けられ、上下方向に連通
された出湯穴を有するように、縦割り状の複数の導電性
セグメントを円周方向に相互に絶縁して配列することに
より形成された出湯構造体と、前記出湯構造体の周囲に
配設された誘導加熱コイルと、前記誘導加熱コイルに高
周波数の交流電力を供給可能な出湯用電源と、前記出湯
構造体の表面温度を検出する温度検出装置とを有する構
成である。上記の構成によれば、温度検出装置により検
出された出湯構造体の表面温度に基づいて被溶解金属の
出湯開始時期を推定することができるという効果を奏す
る。
【0064】請求項9の発明の誘導加熱溶解炉は、複数
の導電性セグメントを円周方向に相互に絶縁して配列す
ることにより鉛直方向に形成された側面壁を有し、被溶
解金属を冷却可能に収容する炉本体と、前記炉本体の底
面壁に設けられ、前記被溶解金属を誘導加熱して溶解さ
れた溶湯を出湯可能な底部出湯機構と、前記炉本体が配
置された上側空間部と、前記底部出湯機構が配置された
下側空間部とを独立して有した真空容器と、前記上側空
間部と下側空間部との圧力差を変更することによって、
前記底部出湯機構における出湯流速を制御する出湯制御
手段とを有する構成である。
【0065】上記の構成によれば、出湯時に上側空間部
が下側空間部よりも高い圧力となるように両空間部の圧
力差を変更することによって、この圧力差と溶湯の自重
とで出湯の速度を大きくすることができるため、短時間
で溶湯の払い出しを完了することができる。また、出湯
終了時に上側空間部が下側空間部よりも低い圧力となる
ように両空間部の圧力差を変更することによって、この
圧力差で出湯の速度を制御でき、また、出湯速度を小さ
くして溶湯の凝固を促進することができるため、短時間
で出湯を停止することができるという効果を奏する。
【0066】請求項10の発明の誘導加熱溶解炉は、複
数の導電性セグメントを円周方向に相互に絶縁して配列
することにより鉛直方向に形成された側面壁を有し、被
溶解金属を冷却可能に収容する炉本体と、前記側面壁の
外周側に配置され、前記炉本体に収容された被溶解金属
を誘導加熱する誘導加熱コイルとを備えた誘導加熱溶解
炉であって、前記炉本体の導電性セグメントには、冷却
水を流通させる冷却水路が形成されており、該冷却水路
は、冷却能力を高めたい部分の流路断面積が縮小されて
いる構成である。
【0067】上記の構成によれば、冷却水路の流路断面
積が部分的に縮小されているため、冷却水路全体として
は流動抵抗を増大させることなく、流路断面積の縮小に
より冷却水の流動速度を増大させることによって、この
流路断面積の縮小された部分における冷却能力を高める
ことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】誘導加熱溶解炉の動作状態を示す説明図であ
る。
【図2】炉本体内での溶湯の状態を示す説明図である。
【図3】導電性セグメントの要部斜視図である。
【図4】導電性セグメント内の仕切り壁を示すものであ
り、(a)は正面視した状態、(b)は平面視した状態
の説明図である。
【図5】出湯構造体の上方に位置するスカルの状態を示
したものであり、(a)はスカルの層厚が薄くなってか
ら誘導加熱した状態の説明図、(b)は出湯した状態の
説明図、(c)はスカルの層厚が厚いうちに誘導加熱し
た状態の説明図、(d)は出湯されない状態の説明図で
ある。
【図6】炉本体内での溶湯の状態を示す説明図である。
【図7】炉本体内での溶湯の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 炉本体 2 ベース体 3 柱状部 4 フランジ部 6 ボルト部材 7 ナット部材 8 導電性セグメント 9 側壁部 10 取付部 11 誘導加熱コイル 20 被溶解金属 20a スカル 20b 溶湯 21 底部出湯機構 22 出湯構造体 24 誘導加熱コイル 25 出湯ノズル 30 仕切り壁 31 スタンプ部材 32 真空容器 34 蓋体 35 上側空間部 36 下側空間部 37 第1圧力調整機構 38 第2圧力調整機構 40 引上機構 41 接合部材 42 昇降シリンダ 43 連結部材 44 容器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F27D 11/06 F27D 11/06 A H05B 6/06 301 H05B 6/06 301 6/24 6/24 (72)発明者 中嶋 賢人 三重県伊勢市竹ヶ鼻町100番地 神鋼電機 株式会社伊勢事業所内 (72)発明者 奥野 敦 三重県伊勢市竹ヶ鼻町100番地 神鋼電機 株式会社伊勢事業所内 (72)発明者 田所 昌宏 愛知県豊橋市三弥町字元屋敷150 神鋼電 機株式会社豊橋事業所内 Fターム(参考) 3K059 AB16 AC33 AD03 4K046 AA01 BA03 CC01 CD12 CD16 CD20 CE08 CE09 4K055 JA13 JA17 4K063 AA04 CA06 FA34 FA39 FA43 FA48

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の導電性セグメントを円周方向に相
    互に絶縁して配列することにより鉛直方向に形成された
    側面壁を有し、被溶解金属を冷却可能に収容する炉本体
    と、 前記側面壁の外周側に配置され、前記炉本体に収容され
    た被溶解金属を誘導加熱する誘導加熱コイルと、 前記炉本体と誘導加熱コイルとの間に設けられ、耐熱性
    を有すると共に、絶縁性および非磁性の少なくとも一方
    を有した材料により前記炉本体の側面壁の変形を防止す
    るように形成されたスタンプ部材とを有することを特徴
    とする誘導加熱溶解炉。
  2. 【請求項2】 複数の導電性セグメントを円周方向に相
    互に絶縁して配列することにより鉛直方向に形成された
    側面壁を有し、被溶解金属を冷却可能に収容する炉本体
    と、 前記側面壁の外周側に配置され、前記炉本体に収容され
    た被溶解金属を誘導加熱する誘導加熱コイルとを有し、 前記炉本体の導電性セグメントには、冷却水を流通させ
    る冷却水路が形成されており、該冷却水路中には、流路
    を2以上に区分する仕切り壁が設けられていることを特
    徴とする誘導加熱溶解炉。
  3. 【請求項3】 複数の導電性セグメントを円周方向に相
    互に絶縁して配列することにより鉛直方向に形成された
    側面壁を有し、被溶解金属を冷却可能に収容する炉本体
    と、 前記側面壁の外周側に配置され、前記炉本体に収容され
    た被溶解金属を誘導加熱する誘導加熱コイルとを有し、 前記炉本体が純銅よりも強度の高い銅合金で形成されて
    いることを特徴とする誘導加熱溶解炉。
  4. 【請求項4】 複数の導電性セグメントを円周方向に相
    互に絶縁して配列することにより鉛直方向に形成された
    側面壁を有し、被溶解金属を冷却可能に収容する炉本体
    と、 前記側面壁の外周側に配置され、前記炉本体に収容され
    た被溶解金属を誘導加熱する誘導加熱コイルと、 前記炉本体の上方に設けられた接合部材と、 前記接合部材を昇降可能に支持し、溶融状態の被溶解金
    属に前記接合部材を浸漬させるように下降させ、前記被
    溶解金属が凝固したときに接合部材を上昇させることに
    より被溶解金属を炉本体から引き上げる昇降装置とを有
    することを特徴とする誘導加熱溶解炉。
  5. 【請求項5】 被溶解金属の溶解された溶湯を収容する
    炉本体の底面壁に設けられた底部出湯機構であって、 前記底面壁に逆円錐形状に形成された開口部と、 前記開口部の下方に設けられ、上下方向に連通された出
    湯穴を有するように、縦割り状の複数の導電性セグメン
    トを円周方向に相互に絶縁して配列することにより形成
    された出湯構造体と、 前記出湯構造体の周囲に配設された誘導加熱コイルと、 前記誘導加熱コイルに交流電力および直流電力を選択的
    に供給可能な出湯用電源と、 出湯開始時に高周波数の交流電力を供給し、出湯中に直
    流電力を供給するように前記出湯用電源を制御する電源
    制御装置とを有することを特徴とする誘導加熱溶解炉の
    底部出湯機構。
  6. 【請求項6】 被溶解金属の溶解された溶湯を収容する
    炉本体の底面壁に設けられた底部出湯機構であって、 前記底面壁に逆円錐形状に形成された開口部と、 前記開口部の下方に設けられ、上下方向に連通された出
    湯穴を有するように、縦割り状の複数の導電性セグメン
    トを円周方向に相互に絶縁して配列することにより形成
    された出湯構造体と、 前記出湯構造体の周囲に配設された誘導加熱コイルと、 前記誘導加熱コイルに交流電力を供給する出湯用電源
    と、 前記出湯構造体の両側に設けられ、溶湯の流動方向に対
    して直交方向に直流磁場を生成する直流磁場生成部材と
    を有することを特徴とする誘導加熱溶解炉の底部出湯機
    構。
  7. 【請求項7】 被溶解金属の溶解された溶湯を収容する
    炉本体の底面壁に設けられた底部出湯機構であって、 前記底面壁に逆円錐形状に形成された開口部と、 前記開口部の下方に設けられ、上下方向に連通された出
    湯穴を有するように、縦割り状の複数の導電性セグメン
    トを円周方向に相互に絶縁して配列することにより形成
    された出湯構造体と、 前記出湯構造体の出湯穴から垂下されたカーボン製の出
    湯ノズルと、 前記出湯構造体および出湯ノズルの周囲に配設された誘
    導加熱コイルと、 前記誘導加熱コイルに高周波数の交流電力を供給可能な
    出湯用電源と、 前記誘導加熱コイルに前記高周波数の交流電力を供給す
    るように前記出湯用電源を制御する電源制御装置とを有
    することを特徴とする誘導加熱溶解炉の底部出湯機構。
  8. 【請求項8】 被溶解金属の溶解された溶湯を収容する
    炉本体の底面壁に設けられた底部出湯機構であって、 前記底面壁に逆円錐形状に形成された開口部と、 前記開口部の下方に設けられ、上下方向に連通された出
    湯穴を有するように、縦割り状の複数の導電性セグメン
    トを円周方向に相互に絶縁して配列することにより形成
    された出湯構造体と、 前記出湯構造体の周囲に配設された誘導加熱コイルと、 前記誘導加熱コイルに高周波数の交流電力を供給可能な
    出湯用電源と、 前記出湯構造体の表面温度を検出する温度検出装置とを
    有することを特徴とする誘導加熱溶解炉の底部出湯機
    構。
  9. 【請求項9】 複数の導電性セグメントを円周方向に相
    互に絶縁して配列することにより鉛直方向に形成された
    側面壁を有し、被溶解金属を冷却可能に収容する炉本体
    と、 前記炉本体の底面壁に設けられ、前記被溶解金属を誘導
    加熱して溶解された溶湯を出湯可能な底部出湯機構と、 前記炉本体が配置された上側空間部と、前記底部出湯機
    構が配置された下側空間部とを独立して有した真空容器
    と、 前記上側空間部と下側空間部との圧力差を変更すること
    によって、前記底部出湯機構における出湯流速を制御す
    る出湯制御手段とを有することを特徴とする誘導加熱溶
    解炉。
  10. 【請求項10】 複数の導電性セグメントを円周方向に
    相互に絶縁して配列することにより鉛直方向に形成され
    た側面壁を有し、被溶解金属を冷却可能に収容する炉本
    体と、 前記側面壁の外周側に配置され、前記炉本体に収容され
    た被溶解金属を誘導加熱する誘導加熱コイルとを備えた
    誘導加熱溶解炉であって、 前記炉本体の導電性セグメントには、冷却水を流通させ
    る冷却水路が形成されており、該冷却水路は、冷却能力
    を高めたい部分の流路断面積が縮小されていることを特
    徴とする誘導加熱溶解炉。
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