JP2002144951A - 自動車用前照灯 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 取付けのための別部品および工具を必要とせ
ず、組付け作業も容易にした自動車用前照灯を提供す
る。 【解決手段】 樹脂製のラジコアサポート１に灯具ハウ
ジング４が取付けられている自動車用前照灯であって、
ラジコアサポート１には円形孔２ａに折曲形成されたガ
イド溝２ｂが連接された鍵孔形状の取付孔で構成された
係合手段２が設けられ、灯具ハウジング４の裏面には取
付部材５が突設され、該取付部材５を係合手段２に係合
固定する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用前照灯に
関し、詳しくは、ラジコアサポートへの灯具ハウジング
の取付構造を改良した自動車用前照灯に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】図１１は、従来の自動車用前照灯を示し
ている。弾性のある樹脂材で成形加工されたラジコアサ
ポート１の灯具取付け位置の４箇所に取付孔４０が形成
されている。灯具ハウジング４の後面には４箇所にイン
サートボルト４１が設けられている。灯具ハウジング４
を取付けるには、インサートボルト４１を取付孔４０に
挿入し、ラジコアサポート１の裏面からナット（図示せ
ず）をインサートボルト４１にねじ込むことにより固定
している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の自
動車用前照灯は、ナット等の部品で固定するため、締め
つけ工具が必要となり、片方の手でナットを持ち、もう
片方の手で締めつけ工具を持つと、灯具ハウジング４を
保持する手が足りないため、作業者が２名必要となる。
また、ラジコアサポート１の裏面側には多数の車体部品
がレイアウトされているため、ナット締めつけ工具が入
りにくく、作業が困難である。このようにナット等の別
部品が必要であると共に、作業効率もよくないため、コ
スト高になるという問題がある。

【０００４】本発明は、上述の点に着目してなされたも
ので、取付けのための別部品および工具を必要とせず、
組付け作業も容易にした自動車用前照灯を提供すること
を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項１記載の発明は、樹脂製のラジコアサポート
に灯具ハウジングが取付けられている自動車用前照灯で
あって、前記ラジコアサポートにはガイド溝を有する係
合手段が設けられ、前記灯具ハウジングの裏面には取付
部材が突設され、該取付部材を前記係合手段に係合固定
することにより前記灯具ハウジングを取り付けたことを
特徴とするものである。

【０００６】このため、請求項１記載の発明では、ボル
ト、ナット等の別部品を必要とせず、また、締めつけ用
の工具等も使用することなく係合操作のみで灯具ハウジ
ングの組付けが可能となる。

【０００７】また、請求項２記載の発明は、樹脂製のラ
ジコアサポートに灯具ハウジングが取付けられている自
動車用前照灯であって、前記ラジコアサポートには取付
孔が形成され、前記灯具ハウジングの裏面にはハウジン
グの内部に連通する筒部が形成され、該筒部にパッキン
を挿入して筒部を前記取付孔に合致させると共に、前記
ラジコアサポートの裏側から前記筒部に係合する係合部
材により前記パッキンを締め付けるようにして前記灯具
ハウジングを取り付けたことを特徴とするものである。

【０００８】このため、請求項２記載の発明では、ボル
ト、ナット等の別部品や締めつけ用の工具等を使用する
ことなく灯具ハウジングの組付けが可能となると共に、
パッキンの締め付けにより、灯具ハウジングとラジコア
サポート間の水密性が図れる。

【０００９】また、請求項３記載の発明は、請求項１記
載の自動車用前照灯であって、前記係合手段は、円形孔
に折曲形成されたガイド溝が連接された鍵孔形状の取付
孔で構成され、前記取付部材は、軸部に所定の間隔を置
いて円柱が形成された構成であり、この円柱の間隔の部
分を前記ガイド溝に嵌め込むようにしたことを特徴とす
るものである。

【００１０】このため、請求項３記載の発明では、取付
部材を取付孔に挿入してガイド溝に嵌め込むことにより
灯具ハウジングの取付けができる。

【００１１】また、請求項４記載の発明は、請求項１記
載の自動車用前照灯であって、前記係合手段は、前記ラ
ジコアサポートからの突出板にＵ字状のガイド溝が形成
され、このガイド溝に突出するように弾性クリップ片が
前記突出板に形成され、前記クリップ片に前記取付部材
を係合させるように構成されていることを特徴とするも
のである。

【００１２】このため、請求項４記載の発明では、弾性
クリップ片を撓ませて取付部材をガイド溝に嵌め込むと
共に、弾性クリップ片の復帰で取付部材の抜けを防止す
ることにより灯具ハウジングの取付けができる。

【００１３】また、請求項５記載の発明は、請求項２記
載の自動車用前照灯であって、前記筒部は、ソケットア
ッシイが挿入されるランプ挿入部で構成されており、前
記係合部材は、前記ソケットアッシイに係合突起を設け
て構成されていることを特徴とするものである。

【００１４】このため、請求項５記載の発明では、ラン
プ交換時のソケットアッシイの着脱操作で灯具ハウジン
グの着脱を行うことができる。

【００１５】また、請求項６記載の発明は、請求項２記
載の自動車用前照灯であって、前記筒部は、ソケットア
ッシイが挿入されるランプ挿入部でその外周部にねじ部
を刻設して構成されており、前記係合部材は、前記取付
孔から前記ラジコアサポートの裏側へ突出する前記ラン
プ挿入部に螺合するキャップであることを特徴とするも
のである。

【００１６】このため、請求項６記載の発明では、ラン
プ交換時のキャップ着脱操作で灯具ハウジングの着脱を
行うことができる。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。なお、図１１と同一部材または同
一機能のものは同一符号で示している。

【００１８】図１および図２は、本発明の第１実施の形
態を示している。弾性のある樹脂材で成形加工されたラ
ジコアサポート１の灯具取付け位置の４箇所に取付孔２
が形成されている。図２（ａ）に示すように、この取付
孔２は、上部の円形孔２ａの下部に略直角状のガイド溝
２ｂが連接された構成の鍵孔形状のものである。このガ
イド溝２ｂの円形孔２ａと反対側の端部付近の上下に
は、突起３が形成されている。

【００１９】灯具ハウジング４の後面には、４箇所に取
付部材５が一体成形されている。この取付部材５は、図
２（ｂ）に示すように、軸部６に所定の間隔ｔ（ラジコ
アサポート１の厚みに対応）を置いて３個の円柱７が形
成されたものである。

【００２０】灯具ハウジング４を取付けるには、取付部
材５を取付孔２の円形孔２ａに挿入し、間隔ｔの部分を
ラジコアサポート１に合致させた状態でガイド溝２ｂに
沿って移動させる。この移動は、４個の取付部材５につ
いて同時に行う。これにより、ラジコアサポート１に間
隔ｔの部分がガイド溝２ｂの上下に嵌め込まれると共
に、突起３、３の間を圧入通過させて軸部６をガイド溝
２ｂの端部に固定される。このとき、円柱７を複数設け
ることにより、どの間隔ｔを使用するかによって灯具ハ
ウジング４の奥行き方向の取付位置を変更することがで
きる。

【００２１】以上のように、本実施の形態では、取付孔
２に灯具ハウジング４の取付部材１０を係合させてラジ
コアサポート１に取付けるようにしたので、ボルト、ナ
ット等の別部品を必要とせず、また、締めつけ用の工具
等も使用することなく係合操作のみで灯具ハウジング４
の組付けが可能となる。

【００２２】図３乃至図５は、本発明の第２実施の形態
を示している。ラジコアサポート１の灯具取付け位置の
４箇所にクリップ状係合部２４が形成されている。この
クリップ状係合部２４は、ラジコアサポート１からの突
出板２５にＵ字状のガイド溝２６が形成され、このガイ
ド溝２６に突出するように弾性クリップ片２７が突出板
２５の上に一体に形成された構成である。

【００２３】灯具ハウジング４の後部の上下には、取付
部材２８が設けられている。この取付部材２８は、軸部
３０の途中にフランジ３１が形成されたものである。

【００２４】灯具ハウジング４を取付けるには、取付部
材２８の軸部３０をガイド溝２６に挿入して押し込むこ
とにより、軸部３０で弾性クリップ片２７を撓ませなが
ら移動し、軸部３０が弾性クリップ片２７でガイド溝２
６の底部に押しつけられて抜け止めされることによって
固定される。このとき、軸部３０の使用部分をフランジ
３１より上の部分か下の部分かにより上下方向の取付け
位置の調整が可能となる。

【００２５】図６乃至図８は、本発明の第３実施の形態
を示している。ラジコアサポート１の灯具取付け位置の
４箇所にクリップ状係合部３４が形成されている。この
クリップ状係合部３４は、ラジコアサポート１からの突
出板２５にガイド溝２６が形成され、このガイド溝２６
に沿うように弾性クリップ片３７が突出板２５と一体に
形成されている。このクリップ片３７の内面には複数の
Ｖ状の凹凸部３７ａが形成されている。

【００２６】灯具ハウジング４の後部の上下には取付部
材２８が設けられている。この取付部材２８は、凹凸部
３７ａに係止する山形のリブ３０ａが側部に形成された
軸部３０の途中にフランジ３１が形成されたものであ
る。

【００２７】灯具ハウジング４を取付けるには、取付部
材２８の軸部３０をガイド溝２６に挿入して押し込むこ
とにより、軸部３０で弾性クリップ片３７を撓ませなが
ら移動し、複数の凹凸部３７ａのいずれかの位置に軸部
３０のリブ３０ａが係合して固定される。この係合位置
により灯具ハウジング４の奥行きの取付け位置の調整が
でき、また、軸部３０の使用部分をフランジ３１より上
の部分か下の部分かにより上下方向の取付け位置の調整
が可能となる。

【００２８】以上のように、第２及び第３の実施の形態
では、クリップ状係合部２４、３４に灯具ハウジング４
の取付部材２８を係合させてラジコアサポート１に取付
けるようにしたので、ボルト、ナット等の別部品を必要
とせず、また、締めつけ用の工具等も使用することなく
係合手段のみで灯具ハウジング４の組付けが可能とな
る。

【００２９】図９は、本発明の第４実施の形態を示して
いる。ラジコアサポート１の灯具取付け位置の３箇所に
取付孔８が形成されている。灯具ハウジング４の後面に
は、３箇所に筒部としてのランプ挿入部１０が一体成形
されている。フロントランプのソケットアッシイ１１
は、ソケット１２とバルブ１３とからなる。ソケット１
２は、バルブ取付部１４の後部にフランジ１５が形成さ
れ、バルブ取付部１４の外周には突起１６が形成され
て、ランプ挿入部１０に係合する係合部材を構成してい
る。

【００３０】灯具ハウジング４を取付けるには、ランプ
挿入部１０にパッキン１７を挿入した状態で取付孔８に
合致させ、しかる後ラジコアサポート１の後方よりソケ
ットアッシイ１１を回転させながらランプ挿入部１０に
圧入することにより、突起１６がランプ挿入部１０に食
い込んで固定される。これにより、パッキン１７とソケ
ットアッシイ１１のフランジ１５とでラジコアサポート
１を挟み込み、パッキン１７の撓みの反力で灯具ハウジ
ング４とラジコアサポート１との間の水密性が図れる。
このとき、取付孔８の内径をランプ挿入部１０の外径よ
り大きくしておくことにより、灯具ハウジング４の取付
け位置の微調整が可能となる。

【００３１】以上のように、本実施の形態では、ランプ
挿入部１０とソケットアッシイ１１を利用して灯具ハウ
ジング４をラジコアサポート１に取付けるようにしたの
で、ボルト、ナット等の別部品を必要とせず、また、締
めつけ用の工具等も使用することなく灯具ハウジング４
の組付けが可能となる。

【００３２】図１０は、本発明の第５実施の形態を示し
ている。ラジコアサポート１の灯具取付け位置に１個の
取付孔１８が形成されている。灯具ハウジング４の後面
には、１個の筒部が突出形成されている。この筒部は、
ソケットアッシイが挿入されるランプ挿入部１０でその
外周部にねじ部２０を刻設して構成されている。このね
じ部２０は、バルブ交換時にキャップの着脱操作を行う
ために設けられている。

【００３３】灯具ハウジング４を取付けるには、ねじ部
２０にパッキン２１を挿入した状態で取付孔１８にセッ
トし、ラジコアサポート１の後方より雌ねじ２１が形成
されたキャップ２２をねじ部２０にねじ込むことによ
り、パッキン２１とキャップ２２とでラジコアサポート
１を挟み込み、パッキン２１の撓みの反力で灯具ハウジ
ング４とラジコアサポート１との間の水密性が図れる。
なお、取付孔１８の孔径をねじ部２０の外径より大きく
しておくことにより、灯具ハウジング４の取付け位置の
微調整が可能となる。

【００３４】以上のように、本実施の形態では、ランプ
交換用のねじ部２０とキャップ２２を利用して灯具ハウ
ジング４をラジコアサポート１に取付けるようにしたの
で、ボルト、ナット等の別部品を必要とせず、また、締
めつけ用の工具等も使用することなく灯具ハウジング４
の組付けが可能となる。

【００３５】

【発明の効果】以上、詳述したように、請求項１記載の
発明によれば、灯具ハウジングの裏面の取付部材をラジ
コアサポートの係合手段に係合固定するようにしたの
で、ボルト、ナット等の別部品を必要とせず、また、締
めつけ用の工具等も使用することなく係合操作のみで灯
具ハウジングの組付けが可能となる。

【００３６】また、請求項２記載の発明によれば、灯具
ハウジングの裏面に形成した筒部に、ラジコアサポート
の裏側から係合する係合部材により、パッキンを締め付
けるようにして灯具ハウジングを取り付けるようにした
ので、ボルト、ナット等の別部品や締めつけ用の工具等
を使用することなく灯具ハウジングの組付けが可能とな
ると共に、灯具ハウジングとラジコアサポート間の水密
性が図れる。

【００３７】また、請求項３記載の発明によれば、円形
孔にガイド溝が連接された鍵孔形状の取付孔に灯具ハウ
ジングの取付部材嵌め込むようにしたので、取付部材を
取付孔に挿入してガイド溝に移動させるだけで灯具ハウ
ジングを取付けできる。

【００３８】また、請求項４記載の発明によれば、ラジ
コアサポートからの突出板にＵ字状のガイド溝を形成
し、このガイド溝に突出するように弾性クリップ片を形
成し、このクリップ片に取付部材を係合させるようにし
たので、取付部材をガイド溝に嵌め込むだけで灯具ハウ
ジングを取付けできる。

【００３９】また、請求項５記載の発明によれば、ラン
プ挿入部である突出部に、係合突起を設けたソケットア
ッシイを嵌め込むようにしたので、ランプ交換時のソケ
ットアッシイの着脱操作だけで灯具ハウジングを取付け
できる。

【００４０】また、請求項６記載の発明によれば、ソケ
ットアッシイが挿入されるランプ挿入部のねじ部に、キ
ャップをねじ込むようにしたので、ランプ交換時のキャ
ップ着脱操作だけで灯具ハウジングを取付けできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の自動車用前照灯の第１実施の形態を示
す分解斜視図である。

【図２】図１の要部を示し、（ａ）は取付孔の拡大正面
図、（ｂ）は取付部材の拡大斜視図である。

【図３】本発明の自動車用前照灯の第２実施の形態を示
す分解斜視図である。

【図４】図３の要部の詳細を示す斜視図である。

【図５】図３の要部の作動を示す平面図である。

【図６】本発明の自動車用前照灯の第３実施の形態を示
す分解斜視図である。

【図７】図６の要部の詳細を示す斜視図である。

【図８】図６の要部の作動を示す平面図である。

【図９】本発明の自動車用前照灯の第４実施の形態を示
す分解斜視図である。

【図１０】本発明の自動車用前照灯の第５実施の形態を
示す分解斜視図である。

【図１１】従来の自動車用前照灯の分解斜視図である。

【符号の説明】

１ ラジコアサポート ２ 取付孔（係合手段） ２ａ 円形孔 ２ｂ ガイド溝 ４ 灯具ハウジング ５ 取付部材 ７ 円柱 ８、１８ 取付孔 １０ ランプ挿入部（筒部） １７ パッキン ２０ ねじ部 １１ ソケットアッシイ（係合部材） ２２ キャップ（係合部材） ２５ 突出板 ２６ ガイド溝 ２７ 弾性クリップ片

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 樹脂製のラジコアサポートに灯具ハウジ
   ングが取付けられている自動車用前照灯であって、 前記ラジコアサポートにはガイド溝を有する係合手段が
   設けられ、前記灯具ハウジングの裏面には取付部材が突
   設され、該取付部材を前記係合手段に係合固定すること
   により前記灯具ハウジングを取り付けたことを特徴とす
   る自動車用前照灯。
2. 【請求項２】 樹脂製のラジコアサポートに灯具ハウジ
   ングが取付けられている自動車用前照灯であって、 前記ラジコアサポートには取付孔が形成され、前記灯具
   ハウジングの裏面にはハウジングの内部に連通する筒部
   が形成され、該筒部にパッキンを挿入して筒部を前記取
   付孔に合致させると共に、前記ラジコアサポートの裏側
   から前記筒部に係合する係合部材により前記パッキンを
   締め付けるようにして前記灯具ハウジングを取り付けた
   ことを特徴とする自動車用前照灯。
3. 【請求項３】 前記係合手段は、円形孔に折曲形成され
   たガイド溝が連接された鍵孔形状の取付孔で構成され、
   前記取付部材は、軸部に所定の間隔を置いて円柱が形成
   された構成であり、この円柱の間隔の部分を前記ガイド
   溝に嵌め込むようにしたことを特徴とする請求項１記載
   の自動車用前照灯。
4. 【請求項４】 前記係合手段は、前記ラジコアサポート
   からの突出板にＵ字状のガイド溝が形成され、このガイ
   ド溝に突出するように弾性クリップ片が前記突出板に形
   成され、前記クリップ片に前記取付部材を係合させるよ
   うに構成されていることを特徴とする請求項１記載の自
   動車用前照灯。
5. 【請求項５】 前記筒部は、ソケットアッシイが挿入さ
   れるランプ挿入部で構成されており、前記係合部材は、
   前記ソケットアッシイに係合突起を設けて構成されてい
   ることを特徴とする請求項２記載の自動車用前照灯。
6. 【請求項６】 前記筒部は、ソケットアッシイが挿入さ
   れるランプ挿入部でその外周部にねじ部を刻設して構成
   されており、前記係合部材は、前記取付孔から前記ラジ
   コアサポートの裏側へ突出する前記ランプ挿入部に螺合
   するキャップであることを特徴とする請求項２記載の自
   動車用前照灯。