JP2002144350A - 摩擦材の製造方法、及びシート状物 - Google Patents
摩擦材の製造方法、及びシート状物Info
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Abstract
形状の摩擦材を簡易に製造することができる摩擦材の製
造方法を提供する課題とし、特に、非平面状の摩擦材の
製造に好適な製造方法を提供する。 【解決手段】 摩擦部品1の被取着面1aに取り付けら
れて使用される摩擦材の製造方法であって、摩擦材組成
物を、可撓性を有するシート状に成形し、このシート状
物2を摩擦部品又は摩擦部品模型の被取着面1aに沿わ
せて添着し、前記被取着面1aに添着された摩擦材組成
物を完全に硬化させる摩擦材の製造方法を解決手段とす
る。
Description
に関し、特に、湾曲状などの非平面状の摩擦材を簡易に
製造することができる摩擦材の製造方法、及びこれに用
いるシート状物に関する。
各種機械類の摩擦制動に用いられる、例えば、産業機械
用ブレーキやクラッチ板等の摩擦材(摩擦用ライニング
材)は、成形金型によるプレス成形によって製造されて
おり、かかる摩擦材をブレーキディスクなどの被取着面
に接着することにより摩擦部品が製造されている。例え
ば、いわゆるレジンモールド法による摩擦材の製造方法
では、熱硬化性樹脂と摩擦調整材などを混合した摩擦材
組成物を、所望形状の素押成形金型に入れて予備的に成
形し、さらに、この予備成形体を、最終的な製品形状に
するため、焼成金型に入れて加熱加圧しながら硬化させ
ることによって所望形状の摩擦材を製造するものであ
る。
(焼成)金型が必要となり、しかも、金型は摩擦材の寸
法形状に対応して必要となるので、コスト削減に限界が
あるという問題点を有する。特に、ディスク形ブレーキ
などに用いられる平面状の摩擦材に比して、ドラム形ブ
レーキなどに用いられる非平面状(例えば、湾曲状な
ど)の摩擦材を製造する際には、これが取り付けられる
ブレーキシューなどの摩擦部品の形状毎に異なる金型を
必ず作製しなければならず、例えば、船の碇を上下させ
る巻取装置に用いられるドラム形ブレーキのように一品
製作的な摩擦材を製造する場合には、上記問題がより顕
著である。
は、ある程度の成形を行っているものの比較的脆弱であ
り、取り扱いに注意を要するという作業上の問題点も有
する。
みなされたもので、成形用の金型を用いなくても所望形
状の摩擦材を簡易に製造することができる摩擦材の製造
方法を提供する課題とし、特に、非平面状の摩擦材の製
造に好適な製造方法を提供することを課題とするもので
ある。また、本発明は、成型用の金型を用いなくても簡
易に摩擦材を製造できる摩擦材製造用のシート状物を提
供することを課題とする。
鋭意検討した結果、下記の手段により上記課題を解決す
ることができることを見い出し本発明を完成した。即
ち、本発明は、摩擦材組成物を、可撓性を有するシート
状に成形し、このシート状物に応力を与えて湾曲させ、
この状態で前記摩擦材組成物を完全に硬化させる摩擦材
の製造方法に係る。さらに、本発明は、摩擦部品の被取
着面に取り付けられて使用される摩擦材の製造方法であ
って、摩擦材組成物を、可撓性を有するシート状に成形
し、このシート状物を摩擦部品又は摩擦部品模型の被取
着面に沿わせて添着し、前記被取着面に添着された摩擦
材組成物を完全に硬化させる摩擦材の製造方法に係る。
のシート状物に成形したものを用いるので、これに応力
を加え又はこれを被取着面に添着することにより該シー
ト状物を所定形状に変形保持することができ、これを完
全に硬化させることによって、所定形状の摩擦材を製造
することができる。従って、摩擦材の製造用としての成
形金型が不要となる。製造する摩擦材の形状は任意であ
るが、特に、本発明の製法は、従来金型なしでは製造が
困難であった湾曲状などの非平面状の摩擦材を製造する
のに好適であり、例えば、前記被取着面として非平面状
のものを用いると、該被取着面の形状がほぼそのまま摩
擦材の形状に反映されるので、極めて簡易に且つ確実に
摩擦部品の被取着面の形状に適合した摩擦材を製造でき
る。
記摩擦材組成物は、熱硬化性樹脂、繊維状補強材、摩擦
調整材及びエラストマーを含む組成物を用いれば、強度
的にも優れ、取り扱いも簡便である。更に好ましい態様
としては、前記熱硬化性樹脂、繊維状補強材、摩擦調整
材及びエラストマーが均一に混合されている組成物であ
り、また、この摩擦材組成物は、実質的に無溶剤にする
ことも好ましい態様である。
脂、繊維状補強材、摩擦調整材及びエラストマーが均一
に混合された組成物からなり、JIS K6911に準
じて測定される撓み率が100%以上のシート状に成形
されたシート状物であって、所定条件下で加熱処理を行
うことにより、撓み率90%以下に硬化しうるシート状
物に係る。かかるシート状物は、それ自体強度的に優れ
且つ人力でも湾曲可能であり、加熱処理後に摩擦材とし
て使用可能な程度まで硬化するため、上記製法に用いる
シート状物として好適である。
れる摩擦材組成物は、完全に硬化しない段階(1次硬化
段階)に於いて、所定厚のシート状に成形(常温静置状
態で流動性を示さず)でき、且つ可撓性(力を加えるこ
とにより変形可能)を有するものが用いられ、更に好ま
しくは、シート状に成形した際に壊れ難いものが用いら
れる。このような摩擦材組成物としては、熱硬化性樹
脂、繊維状補強材、摩擦調整材及びエラストマーが少な
くとも混練された組成物が好適である。更に、この組成
物には、実質的に溶剤を含有しない(実質的に無溶媒)
ものが、摩擦材成形時に溶剤の揮発による製品のばらつ
きを防止できるので最適である。
は、特に限定されるものではなく、粒状、紛状、塊状、
液状等のフェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹
脂、アクリル樹脂、ユリア樹脂等が例示される。繊維状
補強材としては、ワラストナイト、チタン酸カリウム繊
維、ロックウール、エトリンガイト、炭素繊維、ガラス
繊維、石コウ繊維、アラミド繊維等を例示できるが、ア
ブレーシブ性の点からモース硬度5以下の繊維状補強材
が好ましい。例えば、ワラストナイト、チタン酸カリウ
ム繊維、エトリンガイト、石コウ繊維などが好適であ
る。
ファイト、カーボンブラック、ホワイトカーボン、炭酸
カルシウム、クレー、マイカ、タルク、珪藻土、アンチ
ゴライト、セピオライト、モンモリロナイト、ゼオライ
ト等の無機質の粒状体又は粉体、鉄、銅、黄銅、青銅、
亜鉛、アルミニウム等の金属又は合金の粒状体又は粉
体、カシューダスト、アクリル樹脂、木粉等の有機質の
粒状体又は粉体などが例示される。これらの繊維状補強
材や摩擦調整材は、アミノシラン系カップリング剤、エ
ポキシシラン系カップリング剤、アルコキシシラン系カ
ップリング剤等のシラン系カップリング剤、チタネート
系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤、シ
リコーン系カップリング剤等の各種の表面処理剤で表面
処理されたものを用いてもよい。
成ゴム及び熱可塑性エラストマーを使用できるが、特に
好ましいものとしてはNR(天然ゴム)、NBR(ニト
リルゴム)、BR(ブタジエンゴム)、SBR(スチレ
ン・ブタジエンゴム)、CR(クロロプレンゴム)、I
R(ポリイソプレンゴム)、ACM(アクリルゴム)、
ハイスチレンゴム、EPDM(スチレン−プロピレン−
ジエン共重合体)などが例示される。
擦調整材、エラストマー及び必要に応じて配合すること
ができる他の配合剤成分を混練することにより未硬化の
摩擦材組成物を調製することができる。これらの配合比
率は特に限定されるものではないが、熱硬化性樹脂10
〜30重量部、繊維状補強材20〜70重量部、摩擦調
整材10〜50重量部、エラストマー10〜45重量部
の配合比率が好ましい。
重量部配合することにより、完全に硬化させた後の機械
的強度を確保したまま摩擦摩耗特性を向上させることが
できる。繊維状補強材を20重量部以上配合することに
より、摩擦摩耗特性及び機械的強度を向上させることが
できる。また、繊維状補強材の配合量を70重量部以下
とすることにより、他成分を必要量配合することができ
る。摩擦調整材を10重量部以上配合することで所望の
摩擦摩耗特性を発現させることができる。また摩擦調整
材の配合量を50重量部以下とすることで、他成分を必
要量配合することができる。エラストマーを10重量部
以上配合することで、適度な押出性(押し出し成形可能
な可塑性)を有する摩擦材組成物に調製することができ
る。またエラストマーの配合量を45重量部以下とする
ことで耐熱性及び機械的強度を向上させることができ
る。
説明する。 <摩擦材組成物調整工程>上記摩擦材組成物を構成する
各成分を、公知のニーダー、ミキサー、ロール、押出し
等によって混練し、ロールなどで板状のブロックに形
成、又は押出してストランドを切断してペレットなどに
形成する。尚、混練は、摩擦材組成物が十分に均一化さ
れるまで行う。
のブロック又はペレットなどをプレス成形機などに導入
し、摩擦材組成物が完全に硬化しない程度の温度及び時
間で加熱処理を行い、シート状に成形して、所定厚(製
造しようとする摩擦材の厚みと実質的に同厚)のシート
状物を製造する。完全に硬化しない程度の温度条件は、
使用される樹脂などの種類によって異なるが、例えば、
熱硬化性樹脂がフェノール樹脂の場合、120〜200
℃、エポキシ樹脂の場合120〜150℃、メラミン樹
脂の場合、120〜130℃、ユリア樹脂の場合120
〜180℃が例示され、その処理時間としては、概ね得
ようとするシート状物の厚み1mm当たり1〜2分程度
が例示される。上記のように本発明に係る摩擦材組成物
を完全に硬化しない程度に成形する(1次硬化成形)こ
とにより、常温静置状態で流動性を示さず且つ可撓性を
有するシート状物に成形されることとなる。得られたシ
ート状物は、摩擦材組成物を構成する上記各成分が均一
に混合されており、少なくとも摩擦材組成物を構成する
上記各成分だけで(例えば芯材などを有しなくても)、
常温静置状態で流動性を示さず且つ可撓性を有するもの
となる。
ず且つ可撓性を有するシート状物は、例えば、JIS
K6911に準じて測定される撓み率が、100〜20
00%、好ましくは100〜1000%であるシート成
形物が該当する。また、シート状物の大きさは特に限定
されないが、余りに大きすぎると後述する摩擦材成形工
程で摩擦材を成型する際に端材が生じるので歩留まりが
悪く、一方、余りに小さすぎると、被取着面に添着する
際に複数のシート状物を並べて添着しなければならない
ので、得ようとする摩擦材の大きさと略同一に形成する
ことが好ましい。また、シート状物の厚みは特に限定さ
れず、適宜設計されるものであるが、概ね50mm以
下、好ましくは25mm以下であり、その下限は1mm
以上が例示される。尚、必要に応じて、上記シート状物
は、アラミドやガラスなどの繊維などからなる芯材が埋
設されてもよい。
は、下記に示す幾つかの実施態様が挙げられる。但し、
本発明は、下記例示の各態様に限定されるものではな
い。 [第1実施態様]本実施態様は、並設された複数の支持
板の間に、シート状物を挟持した状態でこれを加熱硬化
させて摩擦材を成形するものである。具体的には、図1
に示すように、摩擦部品1を構成する支持板1の被取着
面1a(又は該支持板そのものではないが、それと同じ
形状の模型(摩擦部品模型)を用いてもよい)に、上記
シート状物2の一面2aを沿わせてながら添着する。こ
の支持板1は、被取着面1aとその反対面1bが略同一
の曲率面に形成されているものである。また、これら摩
擦部品1(又は摩擦部品模型)は、少なくともその被取
着面が摩擦材組成物(シート状物2)の完結時に変形し
にくいようなものが用いられ、例えば、鉄、銅、銀、ニ
ッケル、スズ、アルミ、これらの合金等の金属製や高耐
熱性樹脂などが例示される。尚、かかるシート状物2を
添着する際、1枚のシート状物2で被取着面1aの全面
をカバーできないときは、1枚目のシート状物2を添着
後、その端部に沿わせながら(隙間なく)他のシート状
物2を添着して被取着面1aをシート状物2で覆うよう
にする。また、1枚のシート状物2が被取着面1aより
も大きい場合には、そのシート状物2を適宜切断して被
取着面1aに添着する。
支持板1の反対面1bを当接させ、この2つ目の支持板
1の被取着面1aにシート状物2の一面2aを沿わせて
ながら添着する。これを繰り返し、支持板1とシート状
物2を交互に積層する。この積層体の各要素が密着する
ように緊結し(例えば、図1の一点鎖線に示すように、
支持板1の孔にボルトを挿通して互いに緊結する)、隣
接する支持板1でシート状物2を挟み込んで押圧する。
そして、この複数の支持板1とシート状物2が束ねられ
た集束体を加熱して、シート状物2に残る未反応物を反
応させ、これを完全に硬化させる。
使用される樹脂などの種類によって異なるが、例えば、
熱硬化性樹脂がフェノール樹脂の場合、160〜250
℃、エポキシ樹脂の場合、120〜250℃、メラミン
樹脂の場合、120〜200℃、ユリア樹脂の場合、1
20〜250℃が例示され、その処理時間としては、概
ね5〜20時間程度が例示される。得られた摩擦材は、
例えば、JIS K6911に準じて測定される撓み率
が、90%以下、曲げ強度が10Mpa以上、曲げ弾性
率が0.5Gpa以上のものとなる。また、特に好まし
くは、JIS K6911に準じて測定される撓み率
が、70%以下、曲げ強度が40Mpa以上、曲げ弾性
率が1.5Gpa以上のものとなる。
擦部品1の被取着面1a(摩擦部品模型の被取着面)か
ら硬化物を取り外すことにより、所定形状(湾曲状)に
成形された摩擦材が製造される。この湾曲状の摩擦材
は、概ねシート状物2の撓み率の限界を限度として湾曲
状に形成することができる。得られた摩擦材は、必要に
応じて、研磨等の後加工を施してもよい。尚、本発明の
製法は、上記のようなドラム形などの非平面状(例えば
湾曲状)の摩擦材を製造する際に最も効果的であるが、
ディスク形のような平面状の摩擦材を製造することもで
きる。
れた摩擦部品の被取着面に、接着剤による接着、又はネ
ジ、リベットなどの締結具などを介して固着することに
より、摩擦部品の完成品が製造されることとなる。ま
た、(摩擦部品模型ではなく)摩擦部品の被取着面にシ
ート状物を添着して完結させる場合には、完全に硬化し
た後にこれを取り外さず、そのまま或いは締結具を介し
て固着することによって完成品としてもよい。
材を製作できるだけなく、各支持板1によってシート状
物2を押圧するので、特に加圧などをしなくても、成形
される摩擦材は型くずれを起こすおそれがない。
態様とは異なり、摩擦部品1の被取着面1aにシート状
物を添着して1枚の摩擦材を製造するものである。第1
実施形態と異なる部分を説明し、特に説明しない箇所は
第1実施態様と同様である。具体的には、図2(a)に
示すように、湾曲状の被取着面1aを有する摩擦部品1
の該被取着面1a(又は摩擦部品模型の被取着面)に、
上記シート状物2を沿わせてながら添着し、その後、摩
擦材組成物が完全に硬化する条件の下で処理することに
より、非平面状の摩擦材が製造される。また、図2
(b)には、平面状の被取着面1aを有する摩擦部品1
の該被取着面1aに、上記シート状物2を沿わせてなが
ら添着し、その後、摩擦材組成物が完全に硬化する条件
の下で処理することにより、平面状の摩擦材が製造され
る。
そのまま或いは固着して摩擦部品の完成品としたり、こ
れを取り外して接着又は固着して摩擦部品の完成品とす
ることができる。
施態様の付加変更例であり、シート状物2を被取着面1
aに添着する際に、被取着面又は/及びシート状物2に
予め接着剤を塗布しておくものである。以下、付加変更
部分のみ説明する。上記各実施態様に於いて、摩擦部品
1の被取着面1aに、熱硬化性接着剤などの接着剤を塗
布し、この上からシート状物2の一面2aを添着する。
従って、摩擦部品1の被取着面1aとシート状物2の間
には、シート状物2の完結前に予め接着剤が介在されて
いる。これを加熱硬化することにより、摩擦材が完結す
ると共に、摩擦材と被取着面1aは接着することとな
る。本態様によれば、シート状物2の完結後、得られる
摩擦材は摩擦部品1(例えば支持板など)の被取着面1
aに接着されているので、接着又は固着作業を省略でき
る。
物2を完全に硬化させて所定形状の摩擦材を製造する際
に、摩擦部品又は摩擦部品模型を用いない変更例であ
る。すなわち、シート状物を湾曲させた状態で完全に硬
化させて摩擦材を成形するものである。以下、変更部分
のみ説明する。具体的には、図3(a)に示すように、
得ようとする摩擦材の大きさに合わせてシート状物2を
所定の大きさに形成し、このシート状物2の両端部を把
持して該シート状物2の中央部に応力がかかるように且
つ得ようとする摩擦材の曲率になるように湾曲させ、そ
の状態でこれを完全に硬化させる。また、図3(b)に
示すように、所定間隔を置いて離間させた台5,5にシ
ート状物2を架け渡して載置し、このシート状物2の中
央部に錘6などによって荷重(応力)を加えて湾曲さ
せ、その状態でこれを完全に硬化させる。得られた摩擦
材は、第1実施形態と同様に、摩擦部品1の被取着面1
aに接着又は固着して摩擦部品の完成品とすることがで
きる。
明の摩擦材の製造方法によれば、成形用の金型を用いな
くても所望形状の摩擦材を簡易に製造することができ
る。特に、ドラム形のような非平面状の摩擦材の製造す
る際には、従来、その種類毎に必ず成形用金型を作製し
なければならないが、本発明の製造方法によれば、摩擦
部品そのものを型として摩擦材を製造できるので、製造
コストの低減を図ることができ、一品製作的な摩擦材を
製造するのに特に効果的である。
組成物を用いることにより、可撓性を有するシート状物
に成形できるだけでなく、シート状物を被取着面に添着
し、或いは湾曲させて完結する際に壊れ難く、従って、
簡便に取り扱うことができる。
る。摩擦材組成物の調製 フェノール樹脂(商品名「PR−12687」、住友デ
ュレス(株)製)、繊維状補強材としてチタン酸カリウ
ム繊維(商品名「TISMO-D」、大塚化学(株)製)、エ
ラストマーとしてニトリルゴム(NBR)(商品名「Ni
pol 1001」、日本エオン(株)製)、摩擦調整材
としてアンチゴライト(商品名「RF−80」、ユタカ
産業(株)製)・硫酸バリウム(商品名「C−30
0」、竹原化学工業(株)製)、硫黄、亜鉛華、その
他、加硫促進剤、可塑剤、加工助剤を夫々下記配合割合
で加圧型ニーダーに投入し、90〜100℃の温度を維
持しつつ、十分混練し、これをロールに通して板状のブ
ロックを調製した。
入し、180℃で約6分間加熱し、JIS 6911試
験片形状のシート状物を成形した。同様にして合計5つ
のシート状物を得た。
JIS K 6911に規定される試験法に準じて(支
点間距離60mm、荷重速度3mm/分)曲げ試験を行
った。その結果、5つのシート状物で、ほぼ同じ数値を
示した。その平均値を表1に示す。さらに、各シート状
物について、JIS K 6911に規定される試験法
に準じてシャルピー衝撃試験を行った。その平均値を表
1に示す。次に、上記各シート状物を180℃で8時間
加熱し、未反応物を反応させて完全に硬化させ、このも
のを上記と同じ手順で曲げ試験を行った。その平均値を
表1に合わせて示す。
投入し、180℃で10分間加熱し、厚み10mm、幅
100mm、長さ300mmのシート状物を得た。この
シート状物は、人力によって撓ませることができ、1m
程度の高さから落下させても破損しないものであった。
系接着剤が塗布されたブレーキシューの被取着面(幅1
00mm、長さ300mm、曲率200R)に添着し、
シート状物の表面をコテで押さえながら180℃で8時
間加熱することにより摩擦材組成物を完全に硬化させ
た。
11に準じて摩擦性能評価を行ったところ、250℃ま
でほぼ0.5の安定した動摩擦係数を示し、実用上何ら
支障がないことが確認された。
造方法によれば、本成型用の金型を用いなくても所望形
状の摩擦材を簡易に製造することができる。従って、摩
擦材の種類別に金型を作製する必要がないので、製造コ
ストの低減を図ることができる。また、本発明に係るシ
ート状物は、人力で容易に湾曲させることができ、しか
も壊れにくいので、簡便に取り扱うことができ、加熱処
理後に硬化するので、上記製法に好適である。
(a)は、非平面状の摩擦部品にシート状物を添着した
状態を示す斜視図、(b)は、平面状の摩擦部品にシー
ト状物を添着した状態を示す斜視図。(a)、(b)共
に、完成後の摩擦材を取り外した状態を二点鎖線で示
す。
の実施態様を示す側面図。
状物
Claims (5)
- 【請求項1】 摩擦材組成物を、可撓性を有するシート
状に成形し、このシート状物に応力を与えて湾曲させ、
この状態で前記摩擦材組成物を完全に硬化させることを
特徴とする摩擦材の製造方法。 - 【請求項2】 摩擦部品の被取着面に取り付けられて使
用される摩擦材の製造方法であって、摩擦材組成物を、
可撓性を有するシート状に成形し、このシート状物を摩
擦部品又は摩擦部品模型の被取着面に沿わせて添着し、
前記被取着面に添着された摩擦材組成物を完全に硬化さ
せることを特徴とする摩擦材の製造方法。 - 【請求項3】 前記摩擦材組成物が、熱硬化性樹脂、繊
維状補強材、摩擦調整材及びエラストマーを含む組成物
である請求項1又は2記載の摩擦材の製造方法。 - 【請求項4】 前記被取着面が、非平面状である請求項
2又は3記載の摩擦材の製造方法。 - 【請求項5】 少なくとも熱硬化性樹脂、繊維状補強
材、摩擦調整材及びエラストマーが均一に混合された組
成物からなり、JIS K6911に準じて測定される
撓み率が100%以上のシート状に成形されたシート状
物であって、所定条件下で加熱処理を行うことにより、
撓み率90%以下に硬化しうることを特徴とするシート
状物。
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