JP2002144056A - レーザトリミングステージ - Google Patents

レーザトリミングステージ

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JP2002144056A
JP2002144056A JP2000337633A JP2000337633A JP2002144056A JP 2002144056 A JP2002144056 A JP 2002144056A JP 2000337633 A JP2000337633 A JP 2000337633A JP 2000337633 A JP2000337633 A JP 2000337633A JP 2002144056 A JP2002144056 A JP 2002144056A
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Japan
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ceramic substrate
heating element
stage
resistance heating
laser trimming
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JP2000337633A
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English (en)
Inventor
Satoru Kariya
悟 刈谷
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Ibiden Co Ltd
Original Assignee
Ibiden Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性を低下させず、セラミック基板を傷つ
けることなく、容易に短時間でセラミック基板を載置、
固定することができるレーザトリミングステージを提供
する。 【解決手段】 レーザトリミングにより、セラミック基
板上に抵抗発熱体を形成するか、または、前記セラミッ
ク基板上に形成された抵抗発熱体の抵抗値を調整する
際、前記セラミック基板を載置、固定するレーザトリミ
ングステージであって、前記セラミック基板に設けられ
た貫通孔に嵌合する突起、および、前記セラミック基板
の側面に当接する突起が設けられていることを特徴とす
るレーザトリミングステージ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザトリミング
によりセラミック基板上に抵抗発熱体を形成等する際、
セラミック基板を載置、固定するレーザトリミングステ
ージに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エッチング装置や化学的気相成長
装置等を含む半導体製造・検査装置等として、ステンレ
ス鋼やアルミニウム合金などの金属製基材を用いたヒー
タやウエハプローバ等が用いられてきた。
【0003】しかし、金属製のヒータは、ヒータ板が厚
いため、ヒータの重量が重く、嵩張る等の問題があり、
さらに、これらに起因して温度追従性にも問題があっ
た。
【0004】そこで、特開平11−40330号公報等
には、基板として、熱伝導率が高く、強度も大きい窒化
物セラミックや炭化物セラミックを使用し、これらのセ
ラミックからなる板状体(セラミック基板)の表面に、
金属粒子を焼結して形成した抵抗発熱体を設けてなるセ
ラミックヒータが開示されている。
【0005】このようなセラミックヒータを製造する際
に、抵抗発熱体を形成する方法としては、以下のような
方法が挙げられる。まず初めに、所定形状のセラミック
基板を製造するが、この後、塗布法で抵抗発熱体を形成
する場合には、続いて、このセラミック基板の表面に、
スクリーン印刷等の方法を用いて発熱体パターンの導体
ペースト層を形成し、加熱、焼成を行うことにより抵抗
発熱体を形成する。
【0006】また、スパッタリング等の物理的蒸着法や
めっき法を用いて抵抗発熱体を形成する場合には、セラ
ミック基板の所定領域に、これらの方法により金属層を
形成しておき、その後、発熱体パターンの部分を覆うよ
うにエッチングレジストを形成した後、エッチング処理
を施すことにより、所定パターンの抵抗発熱体を形成す
る。
【0007】初めに、発熱体パターン以外の部分を樹脂
等を被覆しておき、この後、上記処理を施すことによ
り、一度の処理でセラミック基板の表面に所定パターン
の抵抗発熱体を形成することもできる。
【0008】このようなスクリーン印刷等方法を用いて
抵抗発熱体を形成するが、印刷等により形成された抵抗
発熱体には厚さや幅のばらつきが生じやすく、このため
抵抗値にもばらつきが発生してしまうことが多い。
【0009】このような抵抗発熱体の抵抗値のばらつき
を解消するため、レーザトリミングにより抵抗発熱体に
溝または切欠を形成して抵抗値の調整を図る方法が行わ
れている。また、セラミック基板上に幅の広い帯状の導
体層を形成した後、この導体層の一部をレーザトリミン
グで削除することにより、所定パターンの抵抗発熱体を
形成する方法も行われている。
【0010】このようなレーザトリミングを行う際に
は、セラミック基板をレーザトリミングステージに載
置、固定した状態でレーザ光を照射する。
【0011】従来、セラミック基板をレーザトリミング
ステージに載置、固定する方法としては、例えば、レー
ザトリミングステージ上にセラミック基板の外周に当接
するよう円筒状の固定用枠を設け、セラミック基板をこ
の固定用枠の内側に載置して固定する方法、セラミック
基板をレーザトリミングステージに載置し、数カ所をク
ランプ等で挟むことにより固定する方法等が用いられて
いた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、固定用
枠を用いる方法では、セラミック基板を固定用枠に入れ
ることにより容易にセラミック基板を固定することがで
きるものの、セラミック基板の外周と固定用枠の内側と
の間に、隙間が生じてしまう場合が多く、これによりセ
ラミック基板が完全に固定されず、レーザトリミングを
行う際にずれが生じるという問題があった。
【0013】また、固定用枠が円筒状であるため、セラ
ミック基板の直径を変更する度に、新たに固定用枠およ
び/またはレーザトリミングステージを製造しなければ
ならないため、製造コストが高くつくという問題があっ
た。
【0014】一方、クランプ等を用いる方法では、セラ
ミック基板とレーザトリミングステージとを強固に固定
することができるものの、セラミック基板に比較的強い
力が加わってしまうため、セラミック基板に傷が付いた
り、破損が発生するという問題があった。
【0015】また、クランプ等を用いる方法では、セラ
ミック基板を所定の位置に正確に載置してようとすると
時間がかかってしまい、生産性が低下するという問題も
あった。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
問題点に鑑み、生産性を低下させず、セラミック基板を
傷つけることなく、容易に短時間で、セラミック基板を
一定位置に載置、固定することができるレーザトリミン
グステージを得ることを目的に鋭意研究を行った結果、
セラミック基板に設けられた貫通孔を利用し、さらに側
面の一部に当接する簡単な形状の固定用部材を設けるこ
とにより、上記目的に合致するレーザトリミングステー
ジを作製することができることを見出し、本発明を完成
するに至った。
【0017】すなわち、本発明は、レーザトリミングに
より、セラミック基板上に抵抗発熱体を形成するか、ま
たは、上記セラミック基板上に形成された抵抗発熱体の
抵抗値を調整する際、上記セラミック基板を載置、固定
するレーザトリミングステージであって、上記セラミッ
ク基板に設けられた貫通孔に嵌合する突起、および、上
記セラミック基板の側面に当接する突起が設けられてい
ることを特徴とするレーザトリミングステージである。
【0018】本発明では、レーザトリミングステージに
設けられた、セラミック基板の貫通孔に嵌合する突起
(以下、嵌合用突起という)、および、上記セラミック
基板の側面に当接する突起(以下、固定用突起という)
により、セラミック基板を載置、固定するので、セラミ
ック基板は嵌合用突起で貫通孔を軸に固定されるととも
に、固定用突起で側面も固定され、これによりセラミッ
ク基板は所定の位置に完全に固定され、ずれ等が生ずる
ことはない。従って、レーザトリミングを行う際、トリ
ミングの位置ずれが生じることがない。
【0019】また、セラミック基板を固定する際には、
セラミック基板の側面と固定用突起とが当接するよう
に、嵌合用突起をセラミック基板の貫通孔にはめ込むだ
けで固定操作が完了するので、クランプ等により固定す
る方法と比較して、極めて容易に、かつ、短時間で固定
を行うことができる。
【0020】セラミック基板は嵌合用突起と固定用突起
とにより固定されており、クランプ等を用いる手段と異
なり、セラミック基板に強い力が加わることがないの
で、セラミック基板に傷が付いたり、破損が発生するこ
とがない。
【0021】また、リフターピンを挿通する目的で形成
された貫通孔を利用して固定しているため、セラミック
基板に、新たにセラミック基板を載置、固定する手段等
を設ける必要が無く、コスト的に有利である。
【0022】さらに、レーザトリミングステージに固定
用突起を嵌合させるための複数の窪みを設けたり、一部
にネジが形成された嵌合用突起をネジ込むためのネジ孔
を複数形成することにより、上記固定用突起や嵌合用突
起の位置を変更することが可能となり、これにより、直
径の異なるセラミック基板をそれぞれ固定することが可
能となる。
【0023】その結果、セラミック基板の直径を変更す
る度に、新たに固定用枠および/またはレーザトリミン
グステージを製造する必要がなく、製造コストを抑える
ことができる。
【0024】なお、本発明のレーザトリミングステージ
には、セラミック基板の中心を軸として上記レーザトリ
ミングステージを回転させるための回転手段が設けられ
ていることが望ましい。円板状のセラミック基板に、円
弧または同心円を基本パターンとする抵抗発熱体を設け
た場合、この円弧または同心円は、中心からの距離rと
回転角度θにより表されるため、セラミック基板を回転
軸を中心として回転させることにより、容易にトリミン
グを行うことができるからである。
【0025】さらに、本発明のレーザトリミングステー
ジには、上記レーザトリミングステージをx−y方向に
移動させるための移動手段が設けられていることが望ま
しい。トリミングを行う際、セラミック基板をx−y方
向に移動させることにより、より容易にトリミングを行
うことができる場合もあるからである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態に則して
本発明を説明するが、本発明は、この実施形態に限定さ
れることなく、本発明の効果を損なわない範囲で改変で
きることはいうまでもない。
【0027】本発明のレーザトリミングステージは、レ
ーザトリミングにより、セラミック基板上に抵抗発熱体
を形成するか、または、上記セラミック基板上に形成さ
れた抵抗発熱体の抵抗値を調整する際、上記セラミック
基板を載置、固定するレーザトリミングステージであっ
て、上記セラミック基板に設けられた貫通孔に嵌合する
突起、および、上記セラミック基板の側面に当接する突
起が設けられていることを特徴とするレーザトリミング
ステージである。
【0028】図1は、本発明のレーザトリミングステー
ジ10の一部を模式的に示す斜視図である。このレーザ
トリミングステージ10では、ステージ上面10cの中
央寄りの部分にセラミック基板11の貫通孔14に嵌合
する円柱状の嵌合用突起10aが設けられており、外周
部付近には、セラミック基板11の側面に当接する固定
用突起10bが設けられている。
【0029】この嵌合用突起10aの下部にはネジ溝
(図示せず)が形成されており、ステージ10c上に形
成されたネジ穴100aに固定することができる。嵌合
用突起10aの直径は、セラミック基板11の貫通孔1
4に嵌合することができるよう、セラミック基板11の
貫通孔14とほぼ同じ直径となっている。嵌合用突起1
0aの高さは特に限定されないが、確実に固定するため
2mm以上あることが望ましい。
【0030】また、嵌合用突起10aを設置するネジ穴
100aは、ステージ10c上に複数個形成されている
ことが望ましい。嵌合用突起10aを設置する位置を変
更することができるため、セラミック基板の直径の変更
する場合、容易に対処することができるからである。な
お、嵌合用突起10aは、1つとは限らず、セラミック
基板11に設けられた貫通孔14の個数以下であれば、
複数個設置することも可能である。
【0031】嵌合用突起10aを構成する材料としては
特に限定されず、例えば、SUS等の金属、ポリアミ
ド、ポリスルホン等のエンジニアリングプラスチック、
ポリアセタール、フッ素樹脂、窒化アルミニウム、炭化
珪素、アルミナ等のセラミック等が挙げられる。その中
では、比較的耐熱性に優れ、セラミック基板が傷つきに
くい点から、エンジニアリングプラスチックが好まし
い。
【0032】また、嵌合用突起10aを固定する手段
は、ネジに限らず、セラミック基板11に窪みを設けて
嵌合用突起10aを嵌め込み固定してもよい。
【0033】固定用突起10bは、図1に示すように、
セラミック基板11の側面に当接するように、肉厚円筒
の一部をなす形状により構成されており、ステージ10
cに形成された窪み100bに嵌め込むことにより、固
定する。また、突起10bは、単に平板でもよい。セラ
ミック基板11の半径が大きい場合には、平板であって
も充分に固定が可能である。
【0034】固定用突起10bを構成する材料としては
特に限定されず、例えば、SUS等の金属、ポリアミ
ド、ポリスルホン等のエンジニアリングプラスチック、
ポリアセタール、フッ素樹脂、窒化アルミニウム、炭化
珪素、アルミナ等のセラミック等が挙げられる。その中
では、比較的耐熱性に優れ、セラミック基板が傷つきに
くい点から、エンジニアリングプラスチックが好まし
い。
【0035】固定用突起10bの長さをLとすると、L
は、1〜10cmが望ましい。Lが1cm未満である
と、レーザトリミングステージ10にセラミック基板1
1を確実に固定することができず、セラミック基板11
が固定用突起10bから外れてしまう可能性があり、L
が10cmを超えても、固定の効果は変わらず、嵩張っ
てしまうため、コスト的に不利になる。
【0036】固定用突起10bの厚さは特に限定されな
いが、1〜10mmが望ましい。1mm未満であれば、
セラミック基板11を載置、固定した際、レーザトリミ
ング等の作業中の振動等により、固定用突起10bが変
形や破損が発生する可能性があり、10mmを超える
と、嵩張ってしまい、レーザトリミングステージ10の
重量が重くなるからである。
【0037】固定用突起10bのステージ10c上から
突出する高さは特に限定されないが、2mm以上が望ま
しい。2mm未満であると、レーザトリミング等の作業
中の振動により等により、セラミック基板11から固定
用突起10bが外れてしまう可能性があるからである。
【0038】窪み100bの深さは、2mm以上が望ま
しく、10mm以上がより望ましい。2mm未満である
と、セラミック基板11を載置、固定した際、レーザト
リミング等の作業中の振動等により、固定用突起10b
が窪み100bから外れてしまう可能性がある。
【0039】固定用突起10bは、1つとは限らず、複
数個設けることも可能である。また、図1では、固定用
突起は、肉厚円筒の一部をなす形状により構成されてい
るが、上記固定用突起は、セラミック基板の側面に当接
する部分が該側面と同じ形状であれば、特にその形状は
特定されない。
【0040】ステージ10cの大きさは、嵌合用突起1
0aおよび固定用突起10bを設け、セラミック基板を
載置、固定することができる大きさであればよい。
【0041】ステージ10cを構成する材料としては特
に限定されず、例えば、SUS等の金属、ポリアミド、
ポリスルホン等のエンジニアリングプラスチック、ポリ
アセタール、フッ素樹脂、窒化アルミニウム、炭化珪
素、アルミナ等のセラミック等が挙げられる。その中で
は、耐熱性および機械的特性に優れる点から、金属また
はセラミックが好ましい。
【0042】ステージ10cの厚さは、セラミック基板
を載置した際に、破損等が発生しない程度の厚さであれ
ばよく、特に限定されない。
【0043】ステージ10cの形状は、例えば、図1に
示す円板状、図3に示す直方体形状(板状体形状)等が
挙げられる。ただし、ステージ10cの形状は、これら
に限定されず、嵌合用突起10aおよび固定用突起10
bを設け、セラミック基板を載置、固定することができ
る形状であればよい。なお、このステージ10c、30
cには、吸引用貫通孔110、310が複数個形成され
ていることが望ましい。セラミック基板11がステージ
10c、30cに載置された際、この吸引用貫通孔11
0、310から空気を吸引することにより、セラミック
基板11をより確実に固定するためである。
【0044】上記レーザトリミングステージには、セラ
ミック基板の中心を軸として上記レーザトリミングステ
ージを回転させるための回転手段が設けられていること
が望ましい。円板状のセラミック基板に、円弧または同
心円を基本パターンとする抵抗発熱体を設けた場合、こ
の円弧または同心円は、中心からの距離rと回転角度θ
により表されるため、セラミック基板を回転軸を中心と
して回転させることにより、容易にトリミングを行うこ
とができるからである。
【0045】また、上記レーザトリミングステージに
は、上記レーザトリミングステージをx−y方向に移動
させるための移動手段が設けられていることが望まし
い。トリミングを行う際、セラミック基板をx−y方向
に移動させることにより、より容易にトリミングを行う
ことができる場合もあるからである。これらの回転手段
や移動手段は、モータ等を構成部材とすることにより、
作製することができる。例えば、ベルトとモータを組み
合わせることにより、セラミック基板を回転させたり、
x−y方向に移動させることができる。
【0046】本発明のレーザトリミングステージでは、
セラミック基板を該レーザトリミングステージ上に固定
する際、嵌合用突起をセラミック基板の貫通孔に嵌め込
むことことにより、セラミック基板を貫通孔を軸に固定
し、さらに、固定用突起でセラミック基板の側面を固定
することにより、セラミック基板を所定の位置に完全に
固定することができる。従って、レーザトリミングの際
に、セラミック基板にずれ等が生ずることはない。
【0047】また、セラミック基板を固定する際、セラ
ミック基板の側面と固定用突起とが当接するように、嵌
合用突起をセラミック基板の貫通孔にはめ込むだけで固
定操作が完了するので、極めて容易に、かつ、短時間で
固定を行うことができる。
【0048】また、固定の際、セラミック基板に強い力
が加わることがないので、セラミック基板に傷が付いた
り、破損が発生することがない。また、リフターピン挿
通用の貫通孔を利用しているため、セラミック基板に、
新たにセラミック基板を載置、固定する手段等を設ける
必要が無く、コスト的に有利である。
【0049】さらに、レーザトリミングステージに固定
用突起を嵌合させるための複数の窪みを設けたり、一部
にネジが形成された嵌合用突起をネジ込むためのネジ孔
を複数形成することにより、上記固定用突起や嵌合用突
起の位置を変更することが可能となり、これにより、直
径の異なるセラミック基板をそれぞれ固定することが可
能となる。
【0050】次に、上記レーザトリミングステージを含
むレーザトリミング装置について説明する。図2は、図
1に示したレーザトリミングステージ10を含むレーザ
トリミング装置の概要を示すブロック図である。
【0051】図2に示すように、レーザトリミング装置
は、レーザトリミングステージ10、レーザ光22を照
射するレーザ照射装置25、導体層12mを撮影するカ
メラ21、抵抗発熱体パターンおよび/またはトリミン
グのデータを記憶する記憶部18、レーザ光22を偏向
するガルバノミラー15、上記データを入力する入力部
20、上記データを演算する演算部19およびガルバノ
ミラー15を制御する制御部17から構成されており、
このレーザトリミング装置を用いてレーザトリミングを
行うことにより、セラミック基板11上に抵抗発熱体1
2を形成するか、または、セラミック基板11上に形成
された抵抗発熱体12の抵抗値を調整することができ
る。
【0052】このステージ10cの上方には、ガルバノ
ミラー15が設けられているが、このガルバノミラー1
5は、モータ16によりx方向を軸としてy方向に角度
を変更することができるようになっており、同じくステ
ージ10cの上方に配置されたレーザ照射装置25から
照射されたレーザ光22が、このガルバノミラー15に
当たって、反射し、セラミック基板11を照射するよう
に構成されている。
【0053】また、モータ16およびレーザ照射装置2
5は、制御部17に接続されており、制御部17からの
信号でモータ16、レーザ照射装置25を駆動させるこ
とで、ガルバノミラー15をx方向を軸として所定の角
度回転させることができる。また、制御部17からの信
号でステージ10cに設けられた回転手段(図示せず)
を駆動させることにより、ステージ10cをθ方向へ回
転させることができる。
【0054】このようなガルバノミラー15のx方向を
軸とした回転、および、ステージ10cのθ方向につい
ての回転により、セラミック基板11上のレーザ照射位
置を自由に設定することができるようになっている。な
お、ステージ10cは、θ方向についての回転だけでは
なく、x−y方向への移動も可能である。
【0055】このように、セラミック基板11を載置し
たステージ10cおよび/またはガルバノミラー15を
動かすことにより、セラミック基板11上の任意の位置
にレーザ光22を照射することができる。
【0056】一方、ステージ10cの上方には、カメラ
21も設置されており、これにより、セラミック基板1
1の位置(x、yまたはr、θ)を認識することができ
るようになっている。このカメラ21は、記憶部18に
接続され、これによりセラミック基板11の導体層12
mの位置(x、yまたはr、θ)等を認識し、その位置
にレーザ光22を照射する。
【0057】また、入力部20は、記憶部18に接続さ
れるとともに、端末としてキーボード等(図示せず)を
有しており、記憶部18やキーボード等を介して、所定
の指示等が入力されるようになっている。
【0058】さらに、このレーザトリミング装置は、演
算部19を備えており、カメラ21により認識されたセ
ラミック基板11の位置や厚さ等のデータに基づいて、
レーザ光22の照射位置、照射速度、レーザ光の強度等
を制御するための演算を行い、この演算結果に基づいて
制御部17からモータ16、レーザ照射装置25等に指
示を出し、ガルバノミラー15を回転させるか、また
は、ステージ10cを移動または回転させながらレーザ
光22を照射し、導体層12mの不要部分のトリミング
を行い、抵抗発熱体を形成する。
【0059】また、このレーザトリミング装置は、必要
に応じて抵抗測定部23を有していても良い。抵抗測定
部23は、複数のテスターピン24を備えており、抵抗
発熱体12を複数の区画に区分し、各区画毎にテスター
ピン24を接触させて、形成された抵抗発熱体パターン
の抵抗値を測定し、レーザ光22を該当する区画に照射
して溝や切欠を形成することにより、抵抗発熱体12の
厚みと幅の調整などを行い、所望の抵抗値を有する抵抗
発熱体12を得ることができる。
【0060】次に、このようなレーザトリミング装置を
用いたトリミング方法について具体的に説明する。本発
明では、このレーザトリミング装置を用いてレーザトリ
ミングを行うことにより、セラミック基板11上に抵抗
発熱体12を形成するか、または、セラミック基板11
上に形成された抵抗発熱体12の抵抗値を調整する。
【0061】従って、最初にレーザトリミングの対象と
なる幅広い帯状の導体層を有するセラミック基板、また
は、抵抗値のばらつきのある抵抗発熱体を有するセラミ
ック基板を製造する。以下では、幅広い帯状の導体層の
不要部分を削除して、抵抗発熱体を形成する方法につい
て、主に説明する。
【0062】まず、セラミック粉末と樹脂とからなる生
成形体を作製する。この生成形体の作製方法としては、
セラミック粉末と樹脂とを含む顆粒を製造した後、これ
を金型等に投入してプレス圧をかけることにより作製す
る方法と、グリーンシートを積層圧着することにより作
製する方法とがあり、内部に静電電極等の他の導体層を
形成するか否か等により、より適切な方法を選択する。
この後、生成形体の脱脂、焼成を行うことにより、セラ
ミック基板11を製造する。この後、必要により、セラ
ミック基板にリフターピンを挿通するための貫通孔14
の形成、測温素子を埋設するための有底孔13の形成等
を行う。なお、上記方法により製造されるセラミック基
板11の材料やその特性等については、後で詳しく説明
する。
【0063】次に、このセラミック基板11上に、抵抗
発熱体12となる部分を含む広い領域に、スクリーン印
刷等により図2に示した円環状(帯状)の導体ペースト
層を形成し、焼成することにより導体層12mとする。
めっき法やスパッタリング等の物理蒸着法を用いて導体
層12mを形成してもよい。めっきの場合には、めっき
レジストを形成することにより、スパッタリング等の場
合には、選択的なエッチングを行うことにより、所定領
域に導体層12mを形成することができる。また、導体
層12mは、その一部が抵抗発熱体パターンとして形成
されていてもよい。
【0064】図1に示すように、ステージ10cには、
リフターピンを挿入する貫通孔14に嵌合する嵌合用突
起10aとセラミック基板11の側面と当接する固定用
突起10bとがあり、これらの突起を用いて、セラミッ
ク基板11をステージ10c上に固定する。
【0065】あらかじめ、抵抗発熱体パターンのデータ
を入力部20から入力し、記憶部19に格納する。すな
わち、トリミングにより形成しようとする抵抗発熱体パ
ターンのデータを記憶しておくのである。抵抗発熱体パ
ターンデータとは、面状(いわゆるベタ状または円環
状)に印刷された導体層12mをトリミングして抵抗発
熱体パターンを形成するために使用されるデータであ
る。
【0066】次に、固定されたセラミック基板11をカ
メラ21で撮影することにより、導体層12mの形成位
置が記憶部18に記憶される。この導体層12mの位置
のデータに基づいて、演算部19で演算が行われ、その
結果が制御データとして記憶部18に記憶される。
【0067】そして、この演算結果に基づいて、制御部
17から制御信号を発生させ、ガルバノミラー15のモ
ータ16、および/または、ステージ10cの回転手段
および/または移動手段を駆動させながら、レーザ光2
2を照射することにより、導体層12mの不必要な部分
をトリミングし、抵抗発熱体12を形成する。
【0068】このようにして導体層等の不要部分を除去
する際に、レーザ光照射により導体層等のトリミングす
べき部分はトリミングするものの、その下に存在するセ
ラミック基板には、レーザ光照射により大きな影響を与
えないことが重要になる。
【0069】従って、レーザ光は、導体層等を構成する
金属粒子等には良好に吸収され、一方、セラミック基板
に吸収されにくいものを選定する必要がある。このよう
なレーザの種類としては、例えば、YAGレーザ、炭酸
ガスレーザ、エキシマ(KrF)レーザ、UV(紫外
線)レーザ等が挙げられる。これらのなかでは、YAG
レーザ、エキシマ(KrF)レーザが最適である。
【0070】YAGレーザとしては、日本電気社製のS
L432H、SL436G、SL432GT、SL41
1Bなどを採用することができる。レーザはパルス光で
あることが望ましい。極めて短い時間に大きなエネルギ
ーを抵抗発熱体に照射することができ、セラミック基板
に対するダメージを小さくすることができるからであ
る。パルスは、1kHz以下が望ましい。1kHzを超
えると、レーザのファーストパルスのエネルギーが高く
なり、過剰にトリミングされてしまうからである。
【0071】また、加工スピードは、100mm/秒以
下が望ましい。100mm/秒を超えると、周波数を高
くしないかぎり、溝を形成することができないからであ
る。前述のように、周波数は1kHz以下を上限とする
ため、100mm/秒以下が望ましい。
【0072】なお、レーザの出力は0.3W以上が望ま
しい。0.3W未満であれば、抵抗発熱体のパターンを
形成するために除去すべき導体層を完全にトリミングで
きない可能性があるからである。
【0073】トリミングは、上述したように、抵抗発熱
体ペーストを印刷した後焼成して導体層を形成し、その
後に実施することが望ましい。焼成により抵抗値が変動
したり、ペーストがレーザ光の照射に起因して剥離する
ことがあるからである。また、導体ペーストを円環状
(いわゆるベタ状)に印刷し、トリミングによりパター
ン化する方法をとることで、均一な厚さの発熱体パター
ンを得ることができる。最初から発熱体パターン状に印
刷しようとすると、印刷方向により厚さのばらつきが発
生するため、均一な厚さの抵抗発熱体を形成することが
困難になる。
【0074】上記説明では、レーザ光の照射により抵抗
発熱体を形成する方法について説明したが、セラミック
基板上に所定パターンの抵抗発熱体を形成した後、トリ
ミングにより抵抗発熱体の抵抗値を調整するために本装
置を使用してもよい。この場合には、抵抗発熱体の電流
が流れる方向に概ね平行に溝を形成し、その抵抗値を調
整する。抵抗発熱体の電流が流れる方向に、ほぼ垂直に
切欠を形成して抵抗を調整してもよい。この場合には、
上述したテスターピンを用い、抵抗発熱体の多数の領域
に分割してその抵抗値を測定し、抵抗値が平均より低い
ものについて、トリミングによりその抵抗値を調整す
る。
【0075】次に、上記レーザトリミング装置によるト
リミングの対象となるセラミック基板11について説明
する。図4は、レーザトリミングにより抵抗発熱体12
が形成されたセラミック基板11を模式的に示す底面図
である。円板状に形成されたセラミック基板11の加熱
面の反対側である底面に、円弧を基本にしたパターンお
よび同心円を基本にしたパターンからなる抵抗発熱体1
2が形成されている。
【0076】また、抵抗発熱体12の非形成領域となる
位置に貫通孔14が設けられている。この貫通孔14
は、セラミック基板11をセラミックヒータとして用い
ている際、リフターピン(図示せず)を挿通し、リフタ
ーピンでシリコンウエハ等の被加熱物を保持することに
より、セラミック基板11より一定の距離離間させた状
態で被加熱物を加熱することに利用することができる。
また、この貫通孔14に挿通したリフターピンを上下さ
せることにより、搬送機からシリコンウエハ等の被加熱
物を受け取ったり、被加熱物をセラミック基板11上に
載置したり、被加熱物を支持したまま加熱したりするこ
とができる。
【0077】また、レーザトリミングにより抵抗発熱体
12を形成したり、抵抗値を調整する際には、嵌合用突
起10aをセラミック基板11の貫通孔14に嵌め込
み、セラミック基板11をステージ10cに載置、固定
させることができる。
【0078】セラミック基板11の底面の発熱体が形成
されない領域には、有底孔13が形成されており、この
有底孔13には、熱電対等の測温素子(図示せず)が挿
入され、セラミック基板11の加熱面に近い部分の温度
を測定することができるようになっている。
【0079】このセラミック基板に抵抗発熱体のみが形
成されている場合には、このセラミック基板は、セラミ
ックヒータとして機能する。また、セラミック基板内部
の半導体ウエハを載置等する面に近い場所に静電電極が
形成されている場合には、このセラミック基板は静電チ
ャックとして機能する。さらに、半導体ウエハを載置等
する面にチャックトップ導体層が形成され、セラミック
基板の内部にガード電極およびグランド電極が形成され
た場合には、このセラミック基板は、ウエハプローバ用
のチャックトップ板として機能する。このように、上記
セラミック基板は、セラミックヒータ、静電チャック、
ウエハプローバ等、半導体製造・検査装置用のセラミッ
ク基板として用いることができる。
【0080】セラミック基板11は、円板状であること
が望ましい。セラミックヒータ等として使用する際、加
熱面の温度が均一になりやすい形状であるからである。
また、セラミック基板11の直径は、200mm以上が
望ましい。半導体ウエハの大型化に対処することができ
るからである。なお、セラミック基板11の直径は、3
00mm以上であることが、さらに望ましい。次世代の
半導体ウエハに対処するためである。
【0081】セラミック基板11の厚さは、25mm以
下であることが望ましい。セラミック基板11の厚さが
25mmを超えると、セラミックヒータ等として使用す
る際、温度追従性が低下するからである。また、その厚
さは、1.5mmを超え5mm以下であることがより望
ましい。5mmより厚くなると、熱が伝搬しにくくな
り、加熱の効率が低下する傾向が生じ、一方、1.5m
m以下であると、セラミック基板11中を伝搬する熱が
充分に拡散しないため加熱面に温度ばらつきが発生する
ことがあり、また、セラミック基板11の強度が低下し
て破損する場合があるからである。
【0082】セラミック基板11の材料として、例え
ば、窒化物セラミック、炭化物セラミックおよび酸化物
セラミック等を挙げることができる。これらのなかで
は、窒化物セラミックや炭化物セラミックが好ましい。
熱伝導特性に優れるからである。
【0083】上記窒化物セラミックとしては、例えば、
窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化チタ
ン等が挙げられる。また、上記炭化物セラミックとして
は、炭化珪素、炭化チタン、炭化硼素等が挙げられる。
さらに、上記酸化物セラミックとしては、アルミナ、コ
ージェライト、ムライト、シリカ、ベリリア等が挙げら
れる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用
してもよい。これらのなかでは、窒化アルミニウムが最
も好ましい。熱伝導率が180W/m・Kと最も高いか
らである。
【0084】ただし、セラミック基板11は、レーザ光
が吸収されにくい材質のものが好ましく、例えば、窒化
アルミニウム基板の場合には、炭素含有量が5000p
pm以下の炭素含有量が少ないものが好ましい。また、
表面を研磨して表面の面粗度をJIS B 0601
Raで20μm以下にすることが望ましい。面粗度が大
きい場合は、レーザ光を吸収してしまうからである。ま
た必要に応じて、抵抗発熱体とセラミック基板の間に絶
縁層を設けてもよい。例えば、非酸化物系セラミックの
場合は、表面に酸化物セラミックからなる絶縁層を形成
しておいてもよい。
【0085】このようなセラミック基板上に形成される
抵抗発熱体12のパターンは、図4に示すように、円弧
および/または同心円を基本としたパターンから構成さ
れていることが望ましい。
【0086】このようなパターンの大部分はセラミック
基板11の中心からの距離rと回転角θとで表すことが
でき、レーザによりトリミングを行う際には、回転手段
であるサーボモータ(図示せず)等を用い、セラミック
基板11をセラミック基板11の中心Aを軸として回転
させることにより行うことができる。その結果、レーザ
の照射位置と照射距離を、中心からの距離rと回転距離
(回転角θ)とで、容易に設定することが可能となる。
【0087】従って、位置設定のためのシステムおよび
プログラムを単純化することが可能となり、容易にかつ
正確に求められる抵抗発熱体のパターンを形成すること
ができるとともに、抵抗発熱体の抵抗値の調整を行うこ
とができる。
【0088】ただし、全ての抵抗発熱体が、このような
パターンから構成されている必要はない。屈曲線の繰り
返しにより形成されるパターン、または、渦巻き状のパ
ターンであってもよく、それらのパターンを併用しても
よい。
【0089】抵抗発熱体12の厚さは、1〜30μmが
好ましく、1〜10μmがより好ましい。また、抵抗発
熱体12の幅は、0.1〜20mmが好ましく、0.1
〜5mmがより好ましい。抵抗発熱体12は、その幅や
厚さにより抵抗値に変化を持たせることができるが、上
記した範囲が最も実用的である。
【0090】抵抗発熱体12は、断面形状が矩形であっ
ても楕円であってもよいが、偏平であることが望まし
い。偏平の方が加熱面に向かって放熱しやすいため、加
熱面の温度分布ができにくいからである。断面のアスペ
クト比(抵抗発熱体の幅/抵抗発熱体の厚さ)は、10
〜5000であることが望ましい。この範囲に調整する
ことにより、抵抗発熱体12の抵抗値を大きくすること
ができるとともに、加熱面の温度の均一性を確保するこ
とができるからである。
【0091】抵抗発熱体12の厚さを一定とした場合、
アスペクト比が上記範囲より小さいと、セラミック基板
11の加熱面方向への熱の伝搬量が小さくなり、抵抗発
熱体12のパターンに近似した熱分布が加熱面に発生し
てしまい、逆にアスペクト比が大きすぎると抵抗発熱体
12の中央の直上部分が高温となってしまい、結局、抵
抗発熱体12のパターンに近似した熱分布が加熱面に発
生してしまう。従って、温度分布を考慮すると、断面の
アスペクト比は、10〜5000であることが好ましい
のである。
【0092】抵抗発熱体12の抵抗値のばらつきに関
し、平均抵抗値に対する抵抗値のばらつきは5%以下が
望ましく、1%がより望ましい。抵抗発熱体の分割数を
減らすことができ温度を制御しやすくすることができる
からである。さらに、昇温の過渡時の加熱面の温度を均
一にすることが可能となる。
【0093】上記導体ペーストとしては特に限定されな
いが、導電性を確保するための金属粒子または導電性セ
ラミックが含有されているほか、樹脂、溶剤、増粘剤な
どを含むものが好ましい。
【0094】上記金属粒子としては、例えば、貴金属
(金、銀、白金、パラジウム)、鉛、タングステン、モ
リブデン、ニッケルなどが好ましい。これらは、単独で
用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらの金
属は、比較的酸化しにくく、発熱するに充分な抵抗値を
有するからである。上記導電性セラミックとしては、例
えば、タングステン、モリブデンの炭化物などが挙げら
れる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用
してもよい。
【0095】これら金属粒子または導電性セラミック粒
子の粒径は、0.1〜100μmが好ましい。0.1μ
m未満と微細すぎると、酸化されやすく、一方、100
μmを超えると、焼結しにくくなり、抵抗値が大きくな
るからである。
【0096】上記金属粒子の形状は、球状であっても、
リン片状であってもよい。これらの金属粒子を用いる場
合、上記球状物と上記リン片状物との混合物であってよ
い。上記金属粒子がリン片状物、または、球状物とリン
片状物との混合物の場合は、金属粒子間の金属酸化物を
保持しやすくなり、抵抗発熱体と窒化物セラミック等と
の密着性を確実にし、かつ、抵抗値を大きくすることが
できるため有利である。
【0097】導体ペーストに使用される樹脂としては、
例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられ
る。また、溶剤としては、例えば、イソプロピルアルコ
ールなどが挙げられる。増粘剤としては、セルロースな
どが挙げられる。
【0098】導体ペーストには、金属粒子に金属酸化物
を添加し、抵抗発熱体と金属粒子および金属酸化物とを
焼結させたものとすることが望ましい。このように、金
属酸化物を金属粒子とともに焼結させることにより、セ
ラミック基板である窒化物セラミック等と金属粒子とを
より密着させることができる。
【0099】金属酸化物を混合することにより、窒化物
セラミック等との密着性が改善される理由は明確ではな
いが、金属粒子表面や窒化物セラミック等の表面は、わ
ずかに酸化されて酸化膜が形成されており、この酸化膜
同士が金属酸化物を介して焼結して一体化し、金属粒子
と窒化物セラミック等とが密着するのではないかと考え
られる。また、セラミック基板を構成するセラミックが
酸化物セラミックの場合は、当然に表面が酸化物からな
るので、密着性に優れた導体層が形成される。
【0100】上記金属酸化物としては、例えば、酸化
鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ素(B 23 )、アル
ミナ、イットリアおよびチタニアからなる群から選ばれ
る少なくとも1種が好ましい。これらの酸化物は、抵抗
発熱体12の抵抗値を大きくすることなく、金属粒子と
窒化物セラミック等との密着性を改善することができる
からである。
【0101】上記酸化鉛、酸化亜鉛、シリカ、酸化ホウ
素(B23 )、アルミナ、イットリア、チタニアの割
合は、金属酸化物の全量を100重量部とした場合、重
量比で、酸化鉛が1〜10、シリカが1〜30、酸化ホ
ウ素が5〜50、酸化亜鉛が20〜70、アルミナが1
〜10、イットリアが1〜50、チタニアが1〜50で
あって、その合計が100重量部を超えない範囲で調整
されていることが望ましい。これらの範囲で、これらの
酸化物の量を調整することにより、特に窒化物セラミッ
ク等との密着性を改善することができる。
【0102】上記金属酸化物の金属粒子に対する添加量
は、0.1重量%以上10重量%未満が好ましい。ま
た、このような構成の導体ペーストを使用して抵抗発熱
体12を形成した際の面積抵抗率は、1〜45mΩ/□
が好ましい。
【0103】面積抵抗率が45mΩ/□を超えると、印
加電圧量に対して発熱量は大きくなりすぎて、セラミッ
ク基板の表面に抵抗発熱体12を設けたセラミック基板
11では、その発熱量を制御しにくいからである。な
お、金属酸化物の添加量が10重量%以上であると、面
積抵抗率が50mΩ/□を超えてしまい、発熱量が大き
くなりすぎて温度制御が難しくなり、温度分布の均一性
が低下する。また、必要に応じて面積抵抗率を50mΩ
/□〜10Ω/□にすることができる。面積抵抗率を大
きくすると、パターンを幅を広くすることができるた
め、断線の問題がない。
【0104】また、抵抗発熱体11の表面部分には、金
属被覆層(図示せず)が形成されていることが望まし
い。内部の金属焼結体が酸化されて抵抗値が変化するの
を防止するためである。形成する金属被覆層の厚さは、
0.1〜10μmが好ましい。
【0105】金属被覆層を形成する際に使用される金属
は、非酸化性の金属であれば特に限定されないが、具体
的には、例えば、金、銀、パラジウム、白金、ニッケル
等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種
以上を併用してもよい。これらのなかでは、ニッケルが
好ましい。
【0106】抵抗発熱体12には、電源と接続するため
の端子が必要であり、この端子は、半田を介して抵抗発
熱体に取り付けるが、ニッケルは、半田の熱拡散を防止
するからである。接続端子としては、例えば、コバール
製のものが挙げられる。
【0107】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0108】(実施例1)本実施例では、図4に示す抵
抗発熱体パターンを有するセラミックヒータを製造し
た。 (1) まず、窒化アルミニウム粉末(平均粒径:1.1μ
m)100重量部、イットリア(平均粒径:0.4μ
m)4重量部、アクリルバインダ12重量部およびアル
コールからなる組成物のスプレードライを行い、顆粒状
の粉末を作製した。
【0109】(2) 次に、この顆粒状の粉末を金型に入
れ、平板状に成形して生成形体(グリーン)を得た。 (3) 次に、この生成形体を1800℃、圧力:20MP
aでホットプレスし、厚さがほぼ3mmの窒化アルミニ
ウム板状体を得た。次に、この板状体から直径210m
mの円板体を切り出し、セラミック製の板状体(セラミ
ック基板11)とした。このセラミック基板にドリル加
工を施し、半導体ウエハのリフターピン(図示せず)を
挿入する貫通孔14、熱電対を埋め込むための有底孔1
3(直径:1.1mm、深さ:2mm)を形成した。
【0110】(4) 上記(3) で得たセラミック基板11
に、スクリーン印刷にて導体ペースト層を形成した。印
刷パターンは、図4の抵抗発熱体12の各回路を含むよ
うに面状に塗布された所定幅を有する同心円形状(円環
形状)のパターンであった。上記導体ペーストとして
は、プリント配線板のスルーホール形成に使用されてい
る徳力化学研究所製のソルベストPS603Dを使用し
た。この導体ペーストは、銀−鉛ペーストであり、銀1
00重量部に対して、酸化鉛(5重量%)、酸化亜鉛
(55重量%)、シリカ(10重量%)、酸化ホウ素
(25重量%)およびアルミナ(5重量%)からなる金
属酸化物を7.5重量部含むものであった。また、銀粒
子は、平均粒径が4.5μmで、リン片状のものであっ
た。 (5) さらに、発熱体パターンの導体ペースト層を形成し
た後、セラミック基板11を780℃で加熱、焼成し
て、導体ペースト中の銀、鉛を焼結させるとともにセラ
ミック基板11に焼き付けた。
【0111】(6) 次に、セラミック基板11をレーザト
リミングステージ10に載置、固定し、波長が1060
nmのYAGレーザ(日本電気社製 S143AL 出
力5W、パルス周波数 0.1〜40kHz)を用いて
トリミングを行った。この装置は、レーザトリミングス
テージ10、ガルバノミラー、CCDカメラ、Nd:Y
AGレーザを備え、また、レーザトリミングステージ1
0とガルバノミラーを制御するコントローラを内蔵して
いる。このコントローラは、コンピュータ(日本電気社
製 FC−9821)に接続されている。また、上記コ
ンピュータは、演算部と記憶部を兼ねるCPUを有して
いるとともに、記憶部と入力部を兼ねるハードディスク
と3.5インチFDドライブを有している。
【0112】そして、レーザトリミングステージ10
は、固定されたセラミック基板11の中心軸Aを中心と
して任意の角度θだけ回転する回転手段、および、x−
y方向に移動する移動手段を設け、嵌合用突起10aを
1個、および、固定用突起10bを1個を円板状のステ
ージ10cに設けて構成した。
【0113】嵌合用突起10a、固定用突起10b、ス
テージ10cは、ポリアセタールを下記の形状に加工す
ることにより作製した。嵌合用突起10aは、直径5m
m、高さ8mmの円柱状とし下部にネジ溝を形成した。
固定用突起10bは、厚さ8mm、ステージ上に突出す
る高さ3mm、固定用突起10bの長さLが30mmで
ある肉厚円筒の一部となるよう形成した。また、ステー
ジ10cは、直径300mmの円板状とした。なお、ス
テージ10cには、ネジ穴100aを設けて嵌合用突起
10aを固定し、また、深さ10mmの窪み100bを
設けて固定用突起10bを嵌め込み固定した。
【0114】次に、上記コンピュータにFDドライブか
ら発熱体パターンデータを入力し、さらに、導体層の位
置を読み取って(読み取りは、導体層の特定箇所または
セラミック基板に形成されたマーカを基準にする)、必
要な制御データを演算し、セラミック基板11を回転さ
せながら、導体ペースト層の発熱体パターン形成予定領
域以外の部分にレーザ光を照射し、その部分の導体ペー
スト層を除去し、図4に示す抵抗発熱体12を形成し
た。銀−鉛の抵抗発熱体は、厚さが5μm、幅2.4m
m、面積抵抗率が7.7mΩ/□であった。
【0115】(7) 硫酸ニッケル80g/l、次亜リン酸
ナトリウム24g/l、酢酸ナトリウム12g/l、ほ
う酸8g/l、塩化アンモニウム6g/lの濃度の水溶
液からなる無電解ニッケルめっき浴に上記(6) で作製し
たセラミック基板11を浸漬し、銀−鉛の抵抗発熱体1
2の表面に厚さ1μmの金属被覆層(ニッケル層)を析
出させた。
【0116】(8) 電源との接続を確保するための外部端
子(図示せず)を取り付ける部分に、スクリーン印刷に
より、銀−鉛半田ペースト(田中貴金属社製)を印刷し
て半田層(図示せず)を形成した。次いで、半田層の上
にコバール製の外部端子を載置して、420℃で加熱リ
フローし、外部端子を抵抗発熱体12の表面に取り付け
た。
【0117】(9) 温度制御のための熱電対をポリイミド
で封止し、セラミックヒータの製造を終了した。
【0118】(1) 〜(9) の製造工程において、レーザト
リミングにより抵抗発熱体を形成する際、容易に短時間
でセラミック基板をレーザトリミングステージに載置、
固定することができた。また、(1) 〜(9) の製造工程を
経て得られたセラミックヒータには、傷や欠けがなく、
通電を行っても短絡は発生しなかった。
【0119】短絡が発生しなかったのは、レーザトリミ
ングにより抵抗発熱体を形成する際、レーザトリミング
ステージに載置、固定したセラミック基板に、ずれが生
じなかったためであると考えられる。
【0120】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明のレーザ
トリミングステージは、嵌合用突起および固定用突起の
みでセラミック基板を固定するため、セラミック基板の
位置合わせを容易に、短時間で行うことができる。ま
た、本発明のレーザトリミングステージにより、セラミ
ック基板を載置、固定すると、ずれが生じることがない
ので、レーザトリミングにより、正確なパターンの抵抗
発熱体を形成することができ、また、抵抗発熱体を断線
等させることなく、抵抗値の調整を行うことができる。
さらに、セラミック基板の固定や取り外しの際、強い力
が加わることがないので、セラミック基板を傷つけるこ
となく、トリミング処理を行うことができる。また、本
発明のレーザトリミングステージは、嵌合用突起および
/または固定用突起の位置を変更することにより、異な
る大きさのセラミック基板も容易に固定することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザトリミングステージの一例を模
式的に示す斜視図である。
【図2】本発明のセラミックヒータの製造に用いるレー
ザトリミング装置の概要を示すブロック図である。
【図3】本発明のレーザトリミングステージの一例を模
式的に示す斜視図である。
【図4】本発明のレーザトリミングステージに、セラミ
ック基板を載置、固定し、レーザトリミングを行い製造
した、セラミックヒータを底面側から見た平面図であ
る。
【符号の説明】
10、30 レーザトリミングステージ 10a、30a 嵌合用突起 100a、300a ネジ穴 10b、30b 固定用突起 100b、300b 窪み 10c、30c ステージ 11 セラミック基板 12 抵抗発熱体 12m 導体層 13 有底孔 14 貫通孔 15 ガルバノミラー 16 モータ 17 制御部 18 記憶部 19 演算部 20 入力部 21 カメラ 22 レーザ光 23 抵抗測定部 24 テスターピン 25 レーザ照射装置

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザトリミングにより、セラミック基
    板上に抵抗発熱体を形成するか、または、前記セラミッ
    ク基板上に形成された抵抗発熱体の抵抗値を調整する
    際、前記セラミック基板を載置、固定するレーザトリミ
    ングステージであって、前記セラミック基板に設けられ
    た貫通孔に嵌合する突起、および、前記セラミック基板
    の側面に当接する突起が設けられていることを特徴とす
    るレーザトリミングステージ。
  2. 【請求項2】 前記レーザトリミングステージには、前
    記セラミック基板の中心を軸として回転させるための回
    転手段が設けられてなる請求項1に記載のレーザトリミ
    ングステージ。
  3. 【請求項3】 前記レーザトリミングステージには、x
    −y方向に移動させるための移動手段が設けられてなる
    請求項1または2に記載のレーザトリミングステージ。
JP2000337633A 2000-11-06 2000-11-06 レーザトリミングステージ Pending JP2002144056A (ja)

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JP2000337633A JP2002144056A (ja) 2000-11-06 2000-11-06 レーザトリミングステージ

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006508551A (ja) * 2002-11-21 2006-03-09 サンマイナ エスシーアイ コーポレイション レジスタのレーザトリミング
JP2011054976A (ja) * 2002-11-21 2011-03-17 Hadco Santa Clara Inc レジスタのレーザトリミング
JP2015144192A (ja) * 2014-01-31 2015-08-06 株式会社ディスコ リフトオフ方法

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