JP2002138277A - プラズマディスプレイパネルの蛍光体ペースト - Google Patents
プラズマディスプレイパネルの蛍光体ペーストInfo
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Abstract
度化を図ること。 【解決手段】比表面積(BET値)が1m2/g以上
(2m2/g以下を除く)と従来よりも大きいものを用
い、青色蛍光体には、BaMgAl10O17を結晶骨格と
し、付活剤として所定量の酸化ユーロピウムEu2O3が
含有されたBaMgAl10O17:Eu2+を、赤色蛍光体
には、YBO3を結晶骨格とし、付活剤として所定量の
Eu2O3が含有されたYBO3:Eu3+を、緑色蛍光体に
は、Zn2SiO4を結晶骨格とし、付活剤として所定量
の酸化ユーロピウムMn2O3が含有されたZn2Si
O4:Mn2+を用いた。これによって、蛍光体層におけ
る紫外線の吸収率を向上させて、高輝度化を実現した。
Description
に用いるプラズマディスプレイパネルに関するものであ
り、特に、蛍光体の改良に関するものである。
して、まず従来から用いられているCRTが考えられる
わけであるが、CRTは解像度・画質の点でプラズマデ
ィスプレイや液晶に対して優れているものの、奥行きと
重量の点で40インチ以上の大画面にはあまり向いてい
ない。また、液晶は消費電力が少なく、駆動電圧も低い
という優れた性能を有しているが、画面の大きさや視野
角に限界がある。
奥行きや視野角の問題点は存在しないため、大画面ディ
スプレイの実現が可能であり、すでに40インチクラス
の製品が開発されている(例えば、機能材料1996年
2月号Vol.16、No.2、7ページ参照)。この
プラズマディスプレイパネルの従来の構成について図面
を参照しながら説明する。図3は、交流型(AC型)の
プラズマディスプレイパネルの概略を示す断面図であ
る。
レート(前面ガラス基板)であり、この前面ガラス基板
41上に表示電極42が形成されている。さらに、表示
電極42が形成されているフロントカバープレート41
は、誘電体ガラス層43及び酸化マグネシウム(Mg
O)からなる保護層44により覆われている(例えば、
特開平5−342991号公報参照)。
ス基板)であり、この背面ガラス基板45上には、アド
レス電極46および隔壁47、蛍光体層48が設けられ
ており、49が放電ガスを封入する放電空間となってい
る。そして、上記した現行の40〜42インチクラスの
プラズマディスプレイの輝度は、NTSCの画素レベル
(画素数640×480個、セルピッチ0.43mm×
1.29mm、1セルの面積0.55mm2)におい
て、150〜250cd/m2である(例えば、機能材
料1996年2月号Vol.16、No.2、ページ7
参照)。なお、これに対して従来のCRTでは500c
d/m2程度の輝度を得ることが可能と言われている。
ジョンテレビの画素レベルでは、画素数が1920×1
125となり、セルピッチも42インチクラスで、0.
15mm×0.48mmで1セルの面積は0.072m
m2の細かさになる。同じ42インチの大きさでプラズ
マディスプレイパネルのハイビジョンテレビを作製した
時、1画素の面積でNTSCと比較すると、1/7〜1
/8の細かさとなる。
ス圧を使用して42インチのハイビジョンテレビをプラ
ズマディスプレイパネルで作製すると輝度が30〜40
cd/m2と低くなることが予想され、輝度に対する改
善が望まれる。
マディスプレイパネルによってハイビジョンテレビのよ
うな画素の小さなテレビを作製するにあたり、現行のN
TSC並の明るさにしようと思えば、輝度を大幅に向上
させなければならないという課題が存在する。そこで本
願発明は、蛍光体を改良することによって蛍光体輝度の
向上を図り、これにより高輝度化を実現したプラズマデ
ィスプレイパネルを提供することを目的としている。
プレイパネルは、上記した目的を達成するために、一対
の平行に配されたプレートの間に、電極及び複数色の蛍
光体層とが配設され、ガス媒体が封入された放電空間が
形成され、放電に伴って紫外線を発し、前記蛍光体層で
可視光に変換することによって発光するプラズマディス
プレイパネルであって、少なくとも一色の蛍光体層を構
成する蛍光体粒子の比表面積(BET値)は1m2/g
以上であることを特徴とする。
光体は、一般的に、結晶が成長されやすい高温(この焼
成温度は、蛍光体の組成によって変わるが、例えば12
00℃以上であった。)で焼成された、粒子径が大きな
(5〜10μm程度)蛍光体粒子が用いられてきた。こ
のように作製された蛍光体粒子は、比表面積が比較的小
さく以下の実施例でも示すようにBET法による測定値
で1m2/g未満である。
ET値)を1m2/g以上と従来よりも大きく設定する
ことによって、蛍光体層の紫外線吸収量の向上を図り、
パネルの輝度の向上を実現することができる。これは、
波長が143nmや173nmの紫外線は、CRTに用
いられている電子線と異なり、蛍光体のごく表面層しか
進入できず(0.1μm以下)、蛍光体の表面で多重反
射しながら減衰して行くから、蛍光体粒子の比表面積を
大きくすれば、紫外線が蛍光体粒子の表面から吸収され
る量を多くすることができるからである。
比表面積の大きな蛍光体粒子を用いることにより顕著に
得られる。上記のように比表面積の大きな蛍光体粒子を
得る上で、蛍光体を作製するときの焼成を従来よりも、
低い焼成温度で長時間行うことが好ましい。即ち、焼成
温度を低くかつ長時間焼成することにより蛍光体の粒成
長(結晶成長)を抑え、蛍光体粒子を粉砕しなくとも、
粒径を小さく比表面積を大きくし、且つ、十分に結晶成
長させることが可能となるので、良好な蛍光体粒子を得
ることができる。
子径が小さくなり過ぎ、蛍光体粒子が凝集することによ
って、かえって蛍光体輝度が低下することになるので、
実際には、20m2/g以下に設定することが望まし
い。ところで、上記のように比表面積(BET値)が大
きな蛍光体粒子では、吸収する紫外線量に対して十分な
発光点を確保するために、付活剤を多めに添加して作製
することが望ましい。従って、請求項2〜4のように、
付活剤の含有量を規定してある。
の形態に係るプラズマディスプレイパネル及びその製造
方法について図面を参照しながら説明する。図1は、本
発明の一実施の形態における交流面放電型プラズマディ
スプレイパネル(以下、「PDP」という。)の概略を
示す断面図である。
電電極(表示電極,銀電極)12,誘電体ガラス層13
とMgO保護層14が配された前面パネル10と、背面
ガラス基板21上にアドレス電極22,誘電体ガラス層
23,隔壁24,蛍光体層25が配された背面パネル2
0とを張り合わせ、前面パネル10と背面パネル20の
間に形成される放電空間26内に放電ガスが封入された
構成となっており、以下に示すように作製される。な
お、図1では断面で示しているが、放電電極12とアド
レス電極22とは実際には直交して設けられる。また、
蛍光体層は赤色、緑色、青色がそれぞれ隔壁で分離され
ているが、当該図1には、便宜上一色のみ図示してい
る。
基板11上に銀電極用のペーストをスクリーン印刷し、
これを焼成することによって形成する。その上に例え
ば、75重量%の酸化鉛(PbO)、15重量%の酸化
硼素(B2O3)、10重量%の酸化硅素(SiO2)か
ら成る鉛系の誘電体ガラス層13をスクリーン印刷法と
焼成を行う方法によって、例えば20μmの膜厚に形成
する。
ドレス電極22も前記表示電極12と同様にスクリーン
印刷法と焼成によって作製し、誘電体ガラス層23も前
記誘電体ガラス層13と同様にして作製する。次に、前
記誘電体ガラス層13上に酸化マグネシウム(MgO)
をCVD法(化学蒸着法)にて成膜する方法について図
2を参照しながら説明する。図2は、本実施の形態にお
いて、PDPの保護層を形成する際に用いるCVD装置
の概略図を示したものである。
レートあるいはシクロペンタジエニル化合物をCVD装
置内に輸送するためのアルゴン(Ar)ガスボンベ、3
2は、酸化マグネシウム(MgO)の原料となる金属キ
レートを加熱して蒸発させる気化器(バブラー)、33
は、MgOの原料となるシクロペンタジエニル化合物を
加熱して蒸発させる気化器(バブラー)、34は、反応
ガスである酸素ボンベ、35は、CVD装置本体、36
は、基板を加熱するヒータ、37は、誘電体ガラス層1
3が形成された前面ガラス基板11、38は、排気装置
である。
り、MgO保護層を形成する。ヒータ部36の上に、ガ
ラス基板37を誘電体ガラス層13を上にして置き、所
定の温度(350℃〜400℃)に加熱すると共に、反
応容器内を排気装置38で所定圧(数十Torr程度)
に減圧する。そして、気化器32または気化器33で、
ソースとなるマグネシウムのキレートまたはシクロペン
タジエニル化合物を所定の温度(80℃〜125℃)に
加熱しながら、Arガスボンベ31aまたは31bから
Arガスを送り込む。また、これと同時に、酸素ボンベ
34から酸素を流す。
り込まれるマグネシウムのキレート若しくはシクロペン
タジエニル化合物が酸素と反応し、ガラス基板37の誘
電体ガラス層13の表面上にMgOからなる保護層14
が形成される。次に、スクリーン印刷法と焼成によって
例えば、0.15mmのガラス製の隔壁24(隔壁の間
隔が、0.15mm)を作製する。
25を形成する。蛍光体層25は、例えば、各色の蛍光
体と10%のエチルセルローズを含むα−ターピネオー
ルとを用いて、青、赤、緑の3種類それぞれの蛍光体ペ
ーストを作製し、これをスクリーン印刷法にて隔壁内に
それぞれ印刷し、例えば500℃で焼成することで形成
する。
パネル20を、封着用ガラスを用いて前記前面パネル1
0と張り合わせる。そして、放電ガス封入の前に放電空
間部26を例えば、8×10-7Torrの真空度に排気
し、放電空間部内にキセノン(Xe)ガス所定量含有す
るヘリウム(He)ガスを放電ガスとして封入する。な
お、封入圧力は、パネル高輝度化を図るため500To
rr以上とする。
する。本実施の形態で用いる蛍光体は、組成は従来から
用いられている金属酸化物からなるもので、各色蛍光体
の具体的な組成としては、青色蛍光体には、BaMgA
l10O17を結晶骨格とし、付活剤として所定量の酸化ユ
ーロピウムEu2O3が含有されたBaMgAl10O17:
Eu2+を、赤色蛍光体には、YBO3を結晶骨格とし、
付活剤として所定量のEu2O3が含有されたYBO3:
Eu3+を、緑色蛍光体には、Zn2SiO4を結晶骨格と
し、付活剤として所定量のMn2O3が含有されたZn2
SiO4:Mn2+を挙げることができるが、従来よりも
比表面積(BET値)が1m2/g〜20m2/gと大き
く、平均粒子径が0.3μm〜5μmの粉体を用いる。
よって測定した値である(以下において同様である)。
このように比表面積が1m2/g以上の蛍光体を用いる
ことによって、各セルにおいて紫外線の吸収効率が向上
し、パネル輝度の向上を図ることができる。前記蛍光体
は、従来の場合よりも低い温度で焼成することによっ
て、蛍光体粒子の結晶成長を抑え、比較的小さな粒子径
になるよう制御して形成することによって得られる。こ
の比較的低温による形成法は、粒子表面が粗く形成され
るので、比表面積を大きくするには好適な方法である。
低温であっても結晶を形成する原子同士の結合を十分に
形成させることができる。平均粒子径及び比表面積(B
ET値)を上記範囲に限定するのは、平均粒子径が0.
3μm未満の場合や比表面積(BET値)が20m2/
gを越える場合は、粒子が細かすぎるために蛍光体粒子
同志が凝集してしまい、各粒子において紫外線の吸収が
隣接する粒子によって阻害され、吸収量が低下するから
である。また、この程度粒子径が小さいものになると結
晶構造が十分に形成されていないものが多くなるので、
蛍光体輝度が十分に得られない傾向があるからでもあ
る。
体粒子を分散させる溶剤等のマトリックスを工夫するこ
とによってある程度は、蛍光体粒子の凝集を抑制するこ
とは可能と考えられ、その場合には、更に小さな径で比
表面積が大きな蛍光体粒子を用いることができると考え
られる。このように蛍光体粒子の比表面積(BET値)
が大きいぶん、従来よりやや多めに付活剤を含有させる
ことが望ましい。これにより付活剤による発光点をより
多く蛍光体粒子に形成し、蛍光体輝度の更なる向上を図
ることができる。
加されている金属(EuやMn)は、酸化物換算で、青
色蛍光体では、粒子全体に対して8モル%〜15モル
%、赤色蛍光体では、粒子全体に対して6モル%〜15
モル%、又、緑色蛍光体では、粒子全体に対して3モル
%〜8モル%含有させることが望ましい。これらの範囲
外では、輝度向上の効果が小さいからである。
%)は、例えば青色蛍光体BaMgAl10O17:Eu2+
の場合、原子吸光で各金属元素の比率を測定し、蛍光体
成分がBaMgAl10O17とEu2O3とから成るものと
見なし、以下の式1に基づいて算出する。 本実施の形態で用いる各色蛍光体は、以下のようにして
作製される。
ウム(BaCO3),炭酸マグネシウム(MgCO3),
酸化アルミニウム(α−Al2O3)をモル比で1対1対
5に配合する。次に、この混合物に対して、所定量の酸
化ユーロピウム(Eu2O3)を添加する。そして、適量
のフラックス(AlF2,BaCl2)と共にボールミル
で混合し、1000℃〜1200℃で所定時間(例え
ば、5時間)、弱還元性雰囲気(H2,N2中)で焼成
後、これをふるい分けして得る。
ム(Y2O3)と硼酸(H3BO3)とをモル比で0.5対
1に配合する。次に、この混合物に対して、所定量の酸
化ユーロピウム(Eu2O3)を添加し、適量のフラック
スと共にボールミルで混合し、空気中950℃〜120
0℃で所定時間(例えば、5時間)焼成した後、これを
ふるい分けして上記粉体が得る。
O),酸化硅素(SiO2)をモル比で2対1に配合す
る。次に、この混合物に対して所定量の酸化マンガン
(Mn 2O3)を添加し、ボールミルで混合後、空気中9
50℃〜1200℃で所定時間(例えば、5時間)焼成
し、これをふるい分けして得る。なお、上記比表面積
(BET値)は粉体を球と仮定して算出した値であるの
で、球に近い形状の赤色蛍光体では、六角板状の青色,
緑色蛍光体と比べて、平均粒径が同一でもBET値は小
さくなる。従って、赤色蛍光体について、他の蛍光体粒
子と同程度、比表面積(BET値)を大きくするには、
平均粒子径をより小さく設定する必要がある。
(BET値)の大きなものを用いることが望ましいが、
蛍光体の一色だけあるいは2色だけ適用することも可能
である。例えば、青色蛍光体に比表面積(BET値)が
大きいものを用い、従来の赤色、緑色蛍光体と組み合わ
せることによっても、パネル輝度の向上を図ることが可
能である。
青色蛍光体が最も輝度が得られ難い実情から、赤色,緑
色蛍光体層の塗布量を少なくしたり、シリカなどの添加
剤を加えるなどして当該蛍光体層の輝度を低く設定し白
バランスを採っていたため、パネル輝度は、青色蛍光体
の輝度に制約されざるをえなかったが、この青色蛍光体
の輝度の向上が実現されることで、その制約が解除され
るからである。
上を実現した意義は大きいと言える。また、上記蛍光体
層はスクリーン印刷により形成したが、これ以外にも例
えば、インクジェット法によって形成してもよい。イン
クジェット法による蛍光体層の形成については、例え
ば、特開平8−162079号公報に記載されているよ
うに蛍光体インキをノズルから噴出させながら、基板に
蛍光体のパターンを描画する方法である。
を用いるので、特に、従来のように比表面積の小さい、
大きな径の蛍光体粒子は沈降しやすく、均一な蛍光体層
を形成するには、あまり望ましいと言えなかったが、本
実施の形態のように小さい粒子径の蛍光体物質とするこ
とにより、この沈降を抑止することができる。最後に、
蛍光粒子の比表面積を大きくする方法として、上述した
ように従来の焼成温度よりも低温で焼成して、蛍光体粒
子を作製する方法以外に例えば、蛍光体粒子を多孔性の
粒子とする方法なども考えられる。
機械的エネルギーを加え粉砕して小径にするとともに、
比表面積を大きくすることも可能であるが、このように
粉砕すると結晶構造が破壊されてしまうので、本実施の
形態の蛍光体粒子と比べて、蛍光体輝度の点で劣る。ま
た、従来のように比較的高温で短時間焼成して作製した
蛍光体粒子を分級して、小径で比表面積の大きい粒子を
得ることも可能であるが、この方法で得た小径の粒子は
結晶が十分に形成されていないものが多いので、やはり
本実施の形態の蛍光体と比べて蛍光体輝度の点では不十
分である。
形態に基づいて作製した実施例に係るPDPであって、
焼成温度を変えることで比表面積(BET値)及び粒子
径の異なる蛍光体を形成し、加えて付活剤の濃度を種々
の値に設定したものである。試料No.1〜4のPDP
は降順に各蛍光体の焼成温度をより低くして、比表面積
(BET値)を小さく設定してある。
及び比表面積(BET値)は試料No.2に近いが、付
活剤の濃度は、試料No.2のPDPに比べて低めに設
定してある。なお、前記各PDPにおいて誘電体ガラス
層の厚みは20μm、MgO保護層の厚みは1μm、放
電電極の電極間距離は0.08mmに設定した。
るPDPである。試料No.6のPDPは、各蛍光体粒
子を従来の焼成温度1300℃で形成(反応時間;2時
間)することによって比表面積を小さく設定しており、
試料No.7のPDPは、焼成温度を800℃付近と試
料No.1のPDPに用いる蛍光体よりも更に低温にし
て、粒子径をより小さく作製することで比表面積(BE
T値)を20m2/gよりも大きく設定してある。それ
ら特徴的な点以外は、前記試料No.1〜5のPDPと
同様の設定にしてある。
層は、発光時にパネルの白バランスがとれるように規定
してある。このような各PDPNo.1〜7においてM
gO保護膜のX線解析を行なった結果、当該保護膜の結
晶は、(100)面に配向していた。表1の平均粒子径
の値は、レーザ回折法によって測定した値である。
て、パネルの輝度を以下の放電条件下で測定した。この
結果を前記表1に併記する。 放電維持電圧 ; 150V 周波数 ; 30KHz 試料No.1〜4のPDP及び試料No.6のPDPの
結果を比較して明らかなように、比表面積(BET値)
が1m2/g以上(1〜20m2/g)の蛍光体を使用す
ることによって、比表面積が1m2/g未満の蛍光体を
用いる場合に比べて、特に、試料No.1〜4のPDP
は、500cd/m2以上と大幅に輝度が向上してい
る。
料No.7のPDPの結果を比較して明らかなように、
粒子径が0.3μmよりも小さくなると、すなわち、比
表面積が20m2/gが越えると輝度の向上効果は得ら
れないことが分かる。試料No.5のPDPでは、比表
面積(BET値)を1m2/g以上に設定したが、試料
No.6のPDPに対して、パネル輝度の向上は僅かで
はある。
て付活剤の濃度が低くて粒子に発光点が十分に形成され
ていないことを意味する。従って、比表面積(BET
値)を増加させることによる輝度向上の効果を顕著に得
るには、比表面積を大きくしたぶんある程度付活剤を多
めに含有させる必要があると言える。また、このパネル
の輝度向上効果を得るための蛍光体粒子の焼成温度とし
ては、950℃〜1200℃が望ましく、それよりも低
い焼成温度になると、比表面積(BET値)を大きくす
ることはできるが、粒子径が小さくなり過ぎ、輝度の向
上を図れないことが分かる。
来の焼成温度に近い1200℃で焼成して得た小さい粒
子径で、比表面積の大きな蛍光体を用いても、輝度の向
上効果が得られるのは、従来の場合よりも長時間反応し
ているため、小さい粒子径であっても結晶構造が十分に
形成されているからであると考えられる。 〔その他の事項〕 (1) 用いる蛍光体としては、上記金属酸化物以外にも、例え
ば、以下の組成のものを挙げることができる。
ように焼成温度を低く且つ長時間行うことが望ましい。
が、直流型のPDPでも同様に適用可能である。
マディスプレイパネルは、一対の平行に配されたプレー
トの間に、電極及び複数色の蛍光体層とが配設され、ガ
ス媒体が封入された放電空間が形成され、放電に伴って
紫外線を発し、前記蛍光体層で可視光に変換することに
よって発光するプラズマディスプレイパネルであって、
少なくとも一色の蛍光体層を構成する蛍光体粒子の比表
面積(BET値)は1m 2/g以上であることを特徴と
する。
2/g以上と従来よりも大きな蛍光体粒子で蛍光体層を
構成することによって、蛍光体層の紫外線を吸収する効
率の向上を図り、パネルの輝度向上を実現する。ここ
で、前記蛍光体粒子の平均粒子径を0.3μm〜5μm
に規定することで、比表面積が大きく前記効果を招来さ
せるような蛍光体粒子を合理的に得ることができる。
層をインクジェット法によって形成する場合に、粒子の
沈降を抑止でき、均一な蛍光体層を形成することができ
るといった効果も奏する。ここで、青色蛍光体として、
ユーロピウム(Eu)が酸化物換算で8モル%〜15モ
ル%含有されたBaMgAl10O17:Eu2+からなるも
ので、その平均粒径が0.3μm〜5μmで、比表面積
(BET値)が1.2m2/g〜20m2/gのものを用
いることができる。
(Eu)が酸化物換算で6モル%〜15モル%含有され
たYBO3:Eu3+からなるもので、その平均粒径が
0.5μm〜4.5μmで、比表面積(BET値)が1
m2/g〜10m2/gのものを用いることができる。更
に、緑色蛍光体として、マンガン(Mn)が酸化物換算
で3モル%〜8モル%含有されたZn2SiO4:Mn2+
からなるもので、その平均粒径が0.8μm〜4.8μ
mで、比表面積(BET値)が2.3m2/g〜15m2
/gのものを用いることができる。
レイパネルの断面図である。
レイパネルを製造する際に用いるCVD装置の概略図で
ある。
断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】蛍光体粒子の平均粒子径が、0.3μm〜
5μmであり、その比表面積(BET値)が1m2/g
以上(2m2/g以下を除く)であるプラズマディスプ
レイパネルの蛍光体ペースト。 - 【請求項2】ユーロピウム(Eu)が酸化物換算で8モ
ル%〜15モル%含有されたBaMgAl10O17:Eu2+
からなり、その平均粒径が0.3μm〜5μmで、比表
面積(BET値)が1.2m2/g〜20m2/g(2m
2/g以下を除く)であることを特徴とするプラズマデ
ィスプレイパネルの青色蛍光体ペースト。 - 【請求項3】ユーロピウム(Eu)が酸化物換算で6モ
ル%〜15モル%含有されたYBO3:Eu3+からなり、
その平均粒径が0.5μm〜4.5μmで、比表面積
(BET値)が1m2/g〜10m2/g(2m2/g以
下を除く)であることを特徴とするプラズマディスプレ
イパネルの赤色蛍光体ペースト。 - 【請求項4】マンガン(Mn)が酸化物換算で3モル%
〜8モル%含有されたZn2SiO4:Mn2+からなり、
その平均粒径が0.8μm〜4.8μmで、比表面積
(BET値)が2.3m2/g〜15m2/gであること
を特徴とするプラズマディスプレイパネルの緑色蛍光体
ペースト。
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