JP2002129129A - 高周波加熱を利用した接着方法 - Google Patents

高周波加熱を利用した接着方法

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JP2002129129A JP2000321243A JP2000321243A JP2002129129A JP 2002129129 A JP2002129129 A JP 2002129129A JP 2000321243 A JP2000321243 A JP 2000321243A JP 2000321243 A JP2000321243 A JP 2000321243A JP 2002129129 A JP2002129129 A JP 2002129129A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高周波加熱によって、短時間で接着可能な接
着方法を提供する。 【解決手段】 少なくともいずれか一方が炭酸ガス透過
性である被着材料Aと被着材料Bとを準備する。被着材
料A及びBの少なくともいずれか一方は、水分を含有す
る材料であるのが好ましい。そして、分子鎖にポリオキ
シエチレン基を有する高分子化合物を含む湿気硬化型ポ
リウレタン樹脂系接着剤を介して、被着材料A及びBを
密着させる。使用する高分子化合物の具体例としては、
ポリオキシプロピレンポリオキシエチレントリオールと
トリイソシアネート類とを反応させて得られるものが挙
げられる。そして、密着状態で且つ水分の存在下で、高
周波加熱を施す。高周波加熱により、湿気硬化型ポリウ
レタン樹脂系接着剤が加熱され、速やかに硬化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、任意の複数の材料
を接着する方法に関し、接着する際の接着剤として、高
周波加熱によって硬化乃至は接着しやすい特別な接着剤
を用いたことを特徴とする接着方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】古くから、ある材料と他の材料とを接着
するのに、種々の接着剤が用いられている。接着剤の種
類は非常に沢山あるが、例えば、多種多様な材料に対し
て、良好な接着力を発現する接着剤として、二液型エポ
キシ樹脂系接着剤が従来広く用いられていた。近年、こ
の二液型エポキシ樹脂系接着剤に代えて、建設材料や家
庭用品等の接着に、湿気硬化型ポリウレタン樹脂系接着
剤が使用されることも多くなっている。湿気硬化型ポリ
ウレタン樹脂系接着剤は、多種多様な材料に対して、二
液型エポキシ樹脂系接着剤と同等の良好な接着性を示す
ことから、注目されてきている。
【0003】湿気硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤とし
ては、溶剤型と無溶剤型とがある。溶剤型の接着剤は、
一般的に初期粘着性が高いため、接着剤を介して両被着
材料を密着させた場合、両被着材料間の密着性が低下し
にくい。従って、両被着材料を密着させた後、硬化(湿
気による硬化)に長時間を要しても、両被着材料間に強
固な接着を実現することができる。しかしながら、溶剤
型の接着剤を用いると、接着工程において溶剤が揮発す
るため、作業環境乃至は安全性の観点から、問題があっ
た。また、接着後の製品等に溶剤が残存していることが
あり、消費者にも異臭を与えたり、不快感を与えるとい
う問題があった。
【0004】このため、溶剤型の接着剤に代えて、無溶
剤型の湿気硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤を用いるこ
とが提案されている。無溶剤型の接着剤は、一般的に初
期粘着性が低いため、この接着剤を介して両被着材料を
密着させても、接着剤が硬化する前に、浮きが生じ、両
被着材料間の密着が不十分になるということがあった。
従って、接着剤が硬化する間、例えば少なくとも数十分
は、両被着材料の密着が不十分とならないように、圧着
(圧締)しておかなければならず、接着作業が合理的に
行えないという憾みがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者は、
無溶剤型の湿気硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤を介し
て、両被着材料を密着させた後、直ちに水分の存在下で
高周波加熱を施すことによって、接着剤を硬化させるこ
とを試みた。水分の存在と高周波加熱によって、湿気硬
化型の接着剤が瞬時に加熱され、短時間で硬化されるの
ではないかと考えたためである。しかしながら、このよ
うな方法によっても、満足のゆく程度の短時間で接着剤
を硬化させることは困難であった。
【0006】更に、本発明者は、無溶剤型の湿気硬化型
ポリウレタン樹脂系接着剤の種類を種々変更して、上記
の高周波加熱を適用したところ、分子鎖にポリオキシエ
チレン基を有する高分子化合物を含む湿気硬化型ポリウ
レタン樹脂系接着剤が、極めて短時間で硬化することを
見出した。本発明は、このような発見に基づくものであ
る。なお、上記した高分子化合物を含む湿気硬化型ポリ
ウレタン樹脂系接着剤の硬化が短時間になる理由は定か
ではないが、ポリオキシエチレン基と水分との親和性に
よるものではないかと、本発明者等は推定している。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、少なく
ともいずれか一方が炭酸ガス透過性である被着材料Aと
被着材料Bとを、分子鎖にポリオキシエチレン基を有す
る高分子化合物を含む湿気硬化型ポリウレタン樹脂系接
着剤を介して、密着させた後、水分の存在下で高周波加
熱を施すことにより、該湿気硬化型ポリウレタン樹脂系
接着剤を硬化させ、該被着材料Aと該被着材料Bとを接
着させることを特徴とする高周波加熱を利用した接着方
法に関するものである。
【0008】まず、本発明においては、被着材料Aと被
着材料Bとを準備する。被着材料A及びBの少なくとも
いずれか一方は、炭酸ガス透過性の材料を用いる。この
理由は、湿気硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤が硬化す
る際に発生する炭酸ガスを、被着材料A又はBを通し
て、外部へ放出させるためである。例えば、被着材料A
及びBが共に炭酸ガス不透過性であると、被着材料A及
びB間に存在する、湿気硬化型ポリウレタン樹脂系接着
剤層が炭酸ガスによる気泡を内包したまま硬化し、接着
剤層が膨張してしまうからである。膨張した接着剤層
は、この層で破壊されやすくなり、結局、被着材料A及
びB間を強固に接着しえなくなるのである。炭酸ガス透
過性の被着材料としては、炭酸ガスを透過しうる間隙を
有しているものであれば、どのようなものでも用いるこ
とができる。例えば、繊維石膏板,珪酸カルシウム板,
磁器タイル,軽量発泡コンクリート,木質セメント板,
複合不燃板,各種無機質板等のいずれも微細孔を持つ材
料を挙げることができる。
【0009】また、被着材料A及びBの少なくともいず
れか一方は、水分を含有している材料であるのが好まし
い。この理由は、被着材料自体が水分を含有していれ
ば、高周波加熱を施す際に、湿気硬化型ポリウレタン樹
脂系接着剤に水分を付与する必要がなくなるからであ
る。即ち、高周波を施して高温加熱するためには、水分
の存在が必須であるが、被着材料自体が水分を含有して
いれば、あらためて水分の付与が不必要となり、接着工
程が合理化されるのである。上記した繊維石膏板等は、
いずれも微細孔に水分を保持していたり、或いは材料自
体が水分を保持しているものであり、本発明において、
好ましい被着材料である。被着材料の含水率は、どの程
度であっても良いが、一般的に3〜70質量%が好まし
く、特に5〜20質量%が好ましく、更に5〜15質量
%が最も好ましい。
【0010】本発明においては、被着材料A及びB間を
接着させるための接着剤として、分子鎖にポリオキシエ
チレン基を有する高分子化合物を含む湿気硬化型ポリウ
レタン樹脂系接着剤が用いられる。そして、本発明は、
この高分子化合物を含む湿気硬化型ポリウレタン樹脂系
接着剤を用いて、高周波加熱することを最大の特徴とす
るものである。分子鎖にポリオキシエチレン基を有する
高分子化合物としては従来公知の各種化化合物を用いる
ことができるが、以下に示すものが適当である。即ち、
(i)エチレングリコール、ジエチレングリコール、プ
ロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のポリ
プロピレングリコール、3個の活性水素を持つ化合物に
プロピレンオキサイドを複数モル付加させたポリオキシ
プロピレントリオール、グリセリン、トリメチロールプ
ロパン、グルコース、ソルビトール、シュークローズ等
の多価アルコールの1種又は2種以上にエチレンオキサ
イドを付加又はポリエチレングリコールを重縮合して得
られるポリエーテルポリオールと、ジイソシアネート類
等のポリジイソシアネート類とを反応させて得られる高
分子化合物、(ii)グルタル酸、アジピン酸、ピメリン
酸、スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸等のジカルボン酸
と、ポリオキシエチレングリコールとの重縮合物である
ポリエステルポリオールと、ジイソシアネート類等のポ
リイソシアネート類とを反応させて得られた高分子化合
物等が用いられる。特に、代表的には、グリセリンにプ
ロピレンオキサイドを複数モル付加させてなるポリオキ
シプロピレントリオールに、エチレンオキサイドを10
〜90モル付加させたポリオキシプロピレンポリオキシ
エチレントリオールとポリイソシアネート類とを反応さ
せて得られる高分子化合物や、ポリオキシプロピレンポ
リオキシエチレングリコールとポリイソシアネート類と
を反応させて得られる高分子化合物であって、末端基に
NCO基を有するものを用いるのが好ましい。最も好ま
しくは、ポリオキシプロピレントリオールの各末端にエ
チレンオキサイドを10〜90モル付加した(又はポリ
エチレングリコールをグラフト重合した)ポリオキシプ
ロピレンポリオキシエチレントリオールとトリイソシア
ネート類とを反応させて得られる高分子化合物であっ
て、末端基にNCO基を有するものが良い。この理由
は、その作用は定かではないが、高分子化合物の各末端
部分がポリオキシエチレン基になっていると、比較的短
時間で硬化するためである。なお、高分子化合物中にお
ける末端部分のポリオキシエチレン基の含有率は、5質
量%以上が好ましく、特に30質量%以上がより好まし
い。
【0011】本発明で使用する湿気硬化型ポリウレタン
樹脂系接着剤は、上記した高分子化合物単独であっても
良いし、上記した高分子化合物と他の化合物との混合で
あっても良い。他の化合物としては、従来公知の湿気硬
化型ポリウレタン樹脂系接着剤として用いられている化
合物を用いることができる。例えば、ポリオキシエチレ
ン基を有しないポリエーテルポリオールやポリエステル
ポリオールと、ポリイソシアネート類とを反応させて得
られる化合物が用いられる。特に、分子鎖にポリオキシ
プロピレン基を有する化合物が用いられる。具体的に
は、(i)エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、グリセリン、トリメチロールプロパン、グルコー
ス、ソルビトール、シュークローズ等の多価アルコール
の1種又は2種以上にプロピレンオキサイドを付加して
得られるポリエーテルポリオールと、ジイソシアネート
類等のポリジイソシアネート類とを反応させて得られる
化合物、(ii)グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、
スベリン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル
酸、ダイマー酸、水添ダイマー酸等のジカルボン酸と、
ポリオキシプロピレングリコールとの重縮合物であるポ
リエステルポリオールと、ジイソシアネート類等のポリ
イソシアネート類とを反応させて得られた化合物等が用
いられる。代表的には、ポリオキシプロピレントリオー
ルとポリイソシアネート類とを反応させて得られる化合
物であって、末端基にNCO基を有するものを用いるの
が好ましい。
【0012】なお、上記したポリイソシアネート類とし
ては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,
6−トリレンジイソシアネート、4,4' −ジフェニル
メタンジイソシアネート、2,4' −ジフェニルメタン
ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、
ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネートなどの
芳香族ポリイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシア
ネートなどの脂肪族ポリイソシアネート;3−イソシア
ナートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシル
イソシアネート、4,4' −ジシクロヘキシルメタンジ
イソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネート;キシ
リレンジイソシアネートなどのアリール脂肪族ポリイソ
シアネート;およびこれらのカルボジイミド変性または
イソシアヌレート変性ポリイソシアネートなどが挙げら
れ、これらは単独または2種以上を組合せて用いること
ができる。これらの中でも、特に4,4' −ジフェニル
メタンジイソシアネートやトリメチレントリフェニレン
トリイソシアネートを用いるのが好ましい。
【0013】以上のように、被着材料A、被着材料B及
び分子鎖にポリオキシエチレン基を有する高分子化合物
を含む湿気硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤を準備した
後、この接着剤を介して、被着材料A及びBを密着させ
る。具体的には、被着材料A又はBのいずれか一方の表
面に、全体に又は部分的に接着剤を塗布した後、もう一
方の被着材料B又はAを接着剤塗布面に圧着させればよ
い。被着材料A及びBのいずれか一方が、水分を含有し
ている材料であれば、密着後に直ちに高周波加熱を施せ
ばよい。高周波で接着剤を加熱させる場合、水分が存在
しないと加熱されないが、被着材料が水分を含有してい
れば、この水分によって接着剤が加熱される。従って、
被着材料A及びBのいずれもが、水分を含有していない
材料であれば、密着前又は密着後に、接着剤又は被着材
料A又はBに適宜の方法で水分を付与する。水分付与の
方法としては、例えば予め被着材料A及び/又はBに水
分を含有させておく方法、接着剤を被着材料A又はBに
塗布した後、接着剤に水分を付与する方法、被着材料A
と被着材料Bとを接着剤で密着させた後、高周波加熱前
に、水分を全体に付与する方法等の適宜の方法を採用す
れば良い。なお、接着剤を被着材料A又はBに塗布する
際の塗布量は、全体に均一に塗布する場合でも、全体に
部分的に塗布する場合であっても、100〜300g/
2程度が好ましい。また、被着材料等に水分を付与す
る場合、水分の付与量は、接着剤質量に対して、1/1
0〜1/2程度が好ましい。また、高周波加熱は、従来
周知の誘電加熱方式を採用すればよく、使用する周波数
も従来周知の範囲で良い。
【0014】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を説明する
が、本発明は実施例に限定されるものではない。本発明
は、分子鎖にポリオキシエチレン基を有する高分子化合
物を含む湿気硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤に高周波
加熱を適用すれば、硬化が速やかに進行するとの発見に
基づくものとして解釈されるべきである。
【0015】まず、以下の湿気硬化型ポリウレタン樹脂
系接着剤A〜Dを準備した。 〔湿気硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤A〕アデカポリ
エーテルG−4000(旭電化工業社製のポリオキシプ
ロピレントリオール、平均分子量=4000、官能基数
=3)100質量部に、J−243(住友バイエルウレ
タン社製のポリメリックMDI、イソシアネート基含有
率32.5%)186質量部を、窒素気流中で、90℃
で3時間反応させて、末端イソシアネート含有率が20
%の高分子化合物A(ウレタンプレポリマー)を得た。
この高分子化合物400質量部と、水分含有率1000
ppm以下に乾燥させた炭酸カルシウム(日東粉化工業
社製、NS♯100)600質量部と、シリカ系粉末
(日本アエロジル社製、アエロジル200)10質量部
と、単官能イソシアネート(住友バイエルウレタン社製
アディティブTI)5質量部と、ジブチル錫ジラウレー
ト(三共有機合成社製、スタンBL)4質量部とを、プ
ラネタリーミキサーに仕込み減圧下で1時間混合して、
1液湿気硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤Aを得た。
【0016】〔湿気硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤
B〕アデカポリエーテルG−3000B(旭電化工業社
製のポリオキシプロピレントリオール、平均分子量=3
000、官能基数=3)100質量部に、J−243
(住友バイエルウレタン社製のポリメリックMDI、イ
ソシアネート基含有率32.5%)194質量部を、窒
素気流中で、90℃で3時間反応させて、末端イソシア
ネート含有率が20%の高分子化合物B(ウレタンプレ
ポリマー)を得た。高分子化合物Aに代えて、この高分
子化合物Bを用いる他は、1液湿気硬化型ポリウレタン
樹脂系接着剤Aと同様の方法で、1液湿気硬化型ポリウ
レタン樹脂系接着剤Bを得た。
【0017】〔湿気硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤
C〕アデカポリエーテルGR−3308〔旭電化工業社
製のポリオキシプロピレンポリオキシエチレントリオー
ル、平均分子量=3000、官能基数=3、ポリオキシ
プロピレン基:ポリオキシエチレン基=2:8(質量
比)〕100質量部に、J−243(住友バイエルウレ
タン社製のポリメリックMDI、イソシアネート基含有
率32.5%)189質量部を、窒素気流中で、90℃
で3時間反応させて、末端イソシアネート含有率が20
%の高分子化合物C(ウレタンプレポリマー)を得た。
高分子化合物Aに代えて、この高分子化合物Cを用いる
他は、1液湿気硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤Aと同
様の方法で、1液湿気硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤
Cを得た。
【0018】〔湿気硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤
D〕アデカポリエーテルGR−2505〔旭電化工業社
製のポリオキシプロピレンポリオキシエチレントリオー
ル、平均分子量=2500、官能基数=3、ポリオキシ
プロピレン基:ポリオキシエチレン基=2:8(質量
比)〕100質量部に、J−243(住友バイエルウレ
タン社製のポリメリックMDI、イソシアネート基含有
率32.5%)201質量部を、窒素気流中で、90℃
で3時間反応させて、末端イソシアネート含有率が20
%の高分子化合物D(ウレタンプレポリマー)を得た。
高分子化合物Aに代えて、この高分子化合物Dを用いる
他は、1液湿気硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤Aと同
様の方法で、1液湿気硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤
Dを得た。
【0019】〔湿気硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤A
〜Dの貯蔵安定性〕製造直後の湿気硬化型ポリウレタン
樹脂系接着剤A〜Dの粘度、50℃で30日間放置後の
湿気硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤A〜Dの粘度、及
び50℃で60日間放置後の湿気硬化型ポリウレタン樹
脂系接着剤A〜Dの粘度を測定し、その結果を表1に示
した。なお、粘度の測定方法は、JIS K 6833
記載の粘度測定方法に準じ、BH型粘度計20回転/分
にて測定し、単位はPa・sで示した。
【0020】
【表1】 表1の結果から明らかなように、湿気硬化型ポリウレタ
ン樹脂系接着剤A〜Dは、いずれも貯蔵安定性の良好な
ものであった。
【0021】比較例1 含水率を8〜9%に調整した厚さ5mm、幅100m
m、長さ300mmのフレキシブルボードを二枚準備し
た。そして、一方のフレキシブルボードAの片面中央部
に、湿気硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤Aを線状に4
g(圧締後に全面に広がって、単位平米当たりの塗布量
は120g/m2となる)塗布した後、他方のフレキシ
ブルボードBを塗布面に重合圧締し、フレキシブルボー
ドA及びBを密着させて、下記の条件で高周波加熱を施
し、フレキシブルボードA及びBを接着させた。なお、
ここで用いるフレキシブルボードは、建築材料として用
いられるものであり、可撓性の多孔質無機質板で、炭酸
ガス透過性のものである。 〔高周波加熱条件〕 高周波装置:集成材用全体加熱型高周波接着機PM−5
H型(山本ビニター社製) 発振周波数:13.56MHz 陽極電流:0.5A(高周波出力5KW) 圧締圧:1mPa 高周波加熱時間:30秒 そして、高周波加熱30秒後、表2に示す時間で圧締し
たまま養生させ、高周波加熱装置から、接着させたフレ
キシブルボードA及びBを取り出した。その後、直ちに
フレキシブルボードA及びB間を剥離させたとき、フレ
キシブルボードA又はBが材破するか否かを確認し、そ
の結果を表2に示した。材破した場合は「○」で示し、
材破せずに接着剤層で剥離した場合は「×」で示した。
材破した場合は、接着剤が十分に硬化しているというこ
とである。
【0022】比較例2 湿気硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤Aに代えて、湿気
硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤Bを用いる他は、比較
例1と同様の方法でフレキシブルボードA及びBを接着
させ、材破の有無を確認し、その結果を表2に示した。
【0023】実施例1 湿気硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤Aに代えて、湿気
硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤Cを用いる他は、比較
例1と同様の方法でフレキシブルボードA及びBを接着
させ、材破の有無を確認し、その結果を表2に示した。
【0024】実施例2 湿気硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤Aに代えて、湿気
硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤Dを用いる他は、比較
例1と同様の方法でフレキシブルボードA及びBを接着
させ、材破の有無を確認し、その結果を表2に示した。
【0025】
【表2】 表2の結果から明らかなように、湿気硬化型ポリウレタ
ン樹脂系接着剤C及びDを用いた場合は、接着剤A及び
Bを用いた場合に比べて、接着剤の硬化時間が短くなっ
ていることが分かる。
【0026】比較例3 フレキシブルボードに代えて、含水率を5質量%に調整
した厚さ5mm、幅100mm、長さ300mmの合板
(普通合板であり、炭酸ガス透過性のものである。)を
用いる他は、比較例1と同様にして、合板A及びBを接
着させた。そして、高周波加熱30秒後、圧締したまま
養生させた。合板A及びB間を剥離させたとき、合板A
又はBが材破する程度に、湿気硬化型ポリウレタン樹脂
系接着剤Aが硬化するのに要する養生時間を測定した。
この結果、600秒の養生時間でも、合板A又はBが材
破する程度に接着剤Aが硬化しなかった。
【0027】比較例4 含水率5質量%の合板に代えて、含水率10質量%の合
板を用いる他は、比較例3と同様にして、養生時間を測
定した。養生時間は300秒であった。
【0028】比較例5 含水率5質量%の合板に代えて、含水率15質量%の合
板を用いる他は、比較例3と同様にして、養生時間を測
定した。養生時間は270秒であった。
【0029】比較例6 湿気硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤Aに代えて、湿気
硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤Bを用いる他は、比較
例3と同様にして、養生時間を測定した。その結果、6
00秒の養生時間でも、合板A又はBが材破する程度に
接着剤Bが硬化しなかった。
【0030】比較例7 湿気硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤Aに代えて、湿気
硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤Bを用いる他は、比較
例4と同様にして、養生時間を測定した。その結果、養
生時間は240秒であった。
【0031】比較例8 湿気硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤Aに代えて、湿気
硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤Bを用いる他は、比較
例5と同様にして、養生時間を測定した。その結果、養
生時間は210秒であった。
【0032】実施例3 湿気硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤Aに代えて、湿気
硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤Cを用いる他は、比較
例3と同様にして、養生時間を測定した。その結果、養
生時間は40秒であった。
【0033】実施例4 湿気硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤Aに代えて、湿気
硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤Cを用いる他は、比較
例4と同様にして、養生時間を測定した。その結果、養
生時間は30秒であった。
【0034】実施例5 湿気硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤Aに代えて、湿気
硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤Cを用いる他は、比較
例5と同様にして、養生時間を測定した。その結果、養
生時間は30秒であった。
【0035】実施例6 湿気硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤Aに代えて、湿気
硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤Dを用いる他は、比較
例3と同様にして、養生時間を測定した。その結果、養
生時間は90秒であった。
【0036】実施例7 湿気硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤Aに代えて、湿気
硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤Dを用いる他は、比較
例4と同様にして、養生時間を測定した。その結果、養
生時間は60秒であった。
【0037】実施例8 湿気硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤Aに代えて、湿気
硬化型ポリウレタン樹脂系接着剤Dを用いる他は、比較
例5と同様にして、養生時間を測定した。その結果、養
生時間は60秒であった。
【0038】比較例3〜8及び実施例3〜8の結果から
明らかなように、湿気硬化型ポリウレタン系樹脂接着剤
C及びDを用いた場合は、接着剤A及びBを用いた場合
に比べて、接着剤が短時間で硬化することが分かる。ま
た、合板の含水率が多くなれば、接着剤の硬化時間は短
くなるが、一定量を超えると(例えば、含水率10質量
%程度)、もはや硬化時間はあまり短縮化されないこと
も分かる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、分子鎖にポリオキ
シエチレン基を有する高分子化合物を含む湿気硬化型ポ
リウレタン樹脂系接着剤を介して、少なくともいずれか
一方が炭酸ガス透過性である被着材料Aと被着材料Bと
を密着させた後、水分の存在下で高周波加熱を施すと、
接着剤が速やかに硬化する。従って、被着材料Aと被着
材料Bとを速やかに接着することができ、被着材料A及
びBの密着を維持するため、長時間に亙って圧着(圧
締)しておく必要がなくなる。依って、被着材料A及び
Bの接着を短時間で行うことができるという効果を奏す
る。
【0040】また、被着材料として炭酸ガス透過性のも
のを採用したので、湿気硬化型ポリウレタン樹脂系接着
剤が硬化する際に生じる炭酸ガスを、接着剤中に内包さ
せずに、外部へ放出することができる。従って、接着剤
中に気泡が生じて膨張することを防止でき、接着強さの
低下を起こさないという効果も奏する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともいずれか一方が炭酸ガス透過
    性である被着材料Aと被着材料Bとを、分子鎖にポリオ
    キシエチレン基を有する高分子化合物を含む湿気硬化型
    ポリウレタン樹脂系接着剤を介して、密着させた後、水
    分の存在下で高周波加熱を施すことにより、該湿気硬化
    型ポリウレタン樹脂系接着剤を硬化させ、該被着材料A
    と該被着材料Bとを接着させることを特徴とする高周波
    加熱を利用した接着方法。
  2. 【請求項2】 被着材料A及び被着材料Bの少なくとも
    いずれか一方は、水分を含有している材料である請求項
    1記載の高周波加熱を利用した接着方法。
  3. 【請求項3】 分子鎖にポリオキシエチレン基を有し、
    且つ、末端にNCO基を有する高分子化合物を用いる請
    求項1又は2記載の高周波加熱を利用した接着方法。
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