JP2002128771A - 新規なエポキシ化合物の製造法、およびその方法で製造されたエポキシ化合物を含むエポキシ樹脂組成物 - Google Patents

新規なエポキシ化合物の製造法、およびその方法で製造されたエポキシ化合物を含むエポキシ樹脂組成物

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JP2002128771A
JP2002128771A JP2000326394A JP2000326394A JP2002128771A JP 2002128771 A JP2002128771 A JP 2002128771A JP 2000326394 A JP2000326394 A JP 2000326394A JP 2000326394 A JP2000326394 A JP 2000326394A JP 2002128771 A JP2002128771 A JP 2002128771A
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epoxy compound
epoxy
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metal hydroxide
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Toshio Oda
敏男 小田
Takaaki Tano
敬明 田野
Hideyuki Maruyama
英之 丸山
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Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd
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Sakamoto Yakuhin Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シクロヘキサノール基を含む化合物のグリシジ
ルエーテル化方法であり、従来の製造方法に比べて塩素
成分含有量が少ない上に、着色度が少なく、かつ耐熱
性、接着性、機械的強度、強靭性などが改良され、腐食
や外観が問題となる用途にも用いることができ、かつ製
造時に窒素やイオウ化合物を含むような廃水がほとんど
発生しないようなエポキシ化合物の製造法を提供する。 【解決手段】シクロヘキサノール基を含む化合物に対
し、t−ブタノール等の三級アルコールの存在下、エピ
クロルヒドリンおよびアルカリ金属水酸化物、必要に応
じて相間移動触媒を用いて、この二級アルコール性水酸
基をグリシジルエーテル化する工程を経て、エポキシ化
合物を製造する。並びにシクロヘキサノール基のグリシ
ジルエーテル化が不完全な状態のものを同上の方法を用
いて、より完全なグリシジルエーテル化合物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシクロヘキサノール基を
持つ化合物からのエポキシ化合物の製造法、およびその
方法によって製造されたエポキシ化合物を含むエポキシ
樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、一般式1
【化1】 で表されるシクロヘキサノール基を持つ化合物から、一
般式2
【化2】 で表されるエポキシ化合物を製造するのに際し、t−ブ
タノールなどの三級アルコールの存在下、エピクロルヒ
ドリンおよびアルカリ金属水酸化物、またはアルカリ土
類金属酸化物、必要に応じて相間移動触媒を用いてグリ
シジルエーテル化する工程を含むことを特徴とする製造
方法、および一般式2
【化2】で表されるエポキシ化合物中の未反応の水酸基
を同上の方法で、より完全にグリシジルエーテル化する
製造法、およびその方法で製造されたエポキシ化合物を
含むエポキシ樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂はその優れた機械的強度、
耐熱性、密着性などの特徴により、塗料、接着剤、土木
建築、電気・電子分野などの幅広い分野で用いられてい
る。しかしながら、各分野での性能要求は高まるばかり
である。その中で、耐候性に優れた特殊エポキシ樹脂の
一つとして、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂が
開発されている。この樹脂は芳香環を含まないため、紫
外領域での光の吸収がほとんどなく、一般的なビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂に比べると光が継続的に当たっ
たときの黄変(外観が黄色く着色する現象)がほとんど
ないという特徴を持ち、塗料、コーティング剤などの分
野で有用なものとなっている。
【0003】しかし、従来のこのタイプのエポキシ樹脂
の製造法には一長一短があった。即ち、一般的な製造法
としては、ルイス酸触媒を用いて水素化ビスフェノール
Aの二級アルコール性水酸基(以下単に二級水酸基と略
す)にエピクロルヒドリンを付加させてクロルヒドリン
体を生成させ、その後アルカリ金属水酸化物を用いてエ
ポキシ基を生成させるという方法である。しかし、この
方法では副反応のため、塩素成分の含有量が多くなり、
金属の腐食が問題となる電気・電子分野などでは使用が
困難であった。
【0004】また、過剰のエピクロルヒドリン存在下、
四級アンモニウム塩などの相間移動触媒を用いて、アル
カリ金属水酸化物でグリシジルエーテル化する方法もあ
る。この場合は塩素成分の生成量が少なくて済むが、水
素化ビスフェノールAなどの化合物の場合はシクロヘキ
シル基という疎水性の高い基に結合した二級水酸基であ
るため、反応させることが非常に困難であった。強引に
反応させようとして触媒量、アルカリ金属水酸化物の
量、反応温度、反応時間の条件を厳しくすれば、反応は
進むものの、著しく着色し、元々着色が少ないというこ
の樹脂本来の性能を失わせるため、商品としての利用価
値がなかった。
【0005】また、二級水酸基のグリシジルエーテル化
方法として、ジメチルスルホキシド(DMSOと略す)
を反応溶媒として用いる方法も考案されているが、同様
に反応時の着色が著しく利用価値がなかった。
【0006】このほか非プロトン性の極性溶媒である、
ジメチルホルムアミドやN−メチルピロリドンなどにも
同様にグリシジルエーテル化反応の促進効果があるが、
分子中に含まれる窒素やイオウ原子のため、著しい着色
が起き、利用価値のあるエポキシ樹脂は得られない。さ
らに、これらはいずれも高価な特殊溶媒であり、沸点が
高く、溶剤のリサイクルが容易ではなく、また廃水処理
も極めて困難なものである。
【0007】一方、アルコール、ケトン、エステル系な
どの一般的な溶剤は取り扱いが容易であり、廃水につい
ては焼却あるいは活性汚泥による処理が可能である。し
かし、アルコール系以外の溶媒は極性が低いためにグリ
シジルエーテル化反応を促進する効果はなく、アルカリ
金属水酸化物と反応してしまう場合もあり使用できなか
った。また、一般的なアルコール系の溶媒は、グリシジ
ルエーテル化の際にエピクロルヒドリンと反応するため
使用ができなかった。
【0008】以上のように、水素化ビスフェノールAな
どのシクロヘキサノール基を持つ化合物をほとんど着色
させずに、窒素やイオウ化合物を含むような廃水をほと
んど発生させず、かつ塩素化合物の副生なしに合成する
方法は開発されていなかった。
【0009】
【問題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、シクロヘキサ
ノール基を持つ化合物のグリシジルエーテル化に際し、
t−ブタノール等の三級アルコールを反応溶媒として用
いることにより、塩素化合物の副生なしに、着色度の少
ないエポキシ化合物が得られ、さらに窒素またはイオウ
化合物を含む廃水をほとんど出さない製造法になること
を見出した。
【0010】なお、t−ブタノール等の三級アルコール
はこの反応系ではエピクロルヒドリンや生成したエポキ
シ基とはほとんど反応せず、反応を促進するための溶媒
としてのみ働く。さらに、上記の製造法で得られたエポ
キシ化合物をエポキシ樹脂として硬化したものは耐候
性、耐熱性、密着性、強靱性、耐水性などに優れた性能
を持ち、かつ淡色であり、外観が問題となる塗料、コー
ティング剤などの分野にも有用なものとなることを見出
し、本発明に至った。
【0011】即ち、本発明は、シクロヘキサノール基を
持つ化合物
【化1】及び
【化2】に対し、t−ブタノール等の三級アルコール存
在下、エピクロルヒドリンおよびアルカリ金属水酸化物
またはアルカリ土類金属水酸化物、必要に応じて相間移
動触媒を用いてグリシジルエーテル化する工程を含むエ
ポキシ化合物の製造法、およびその方法で製造されたエ
ポキシ化合物を含むエポキシ樹脂組成物を提供するもの
である。
【0012】
【発明の細部構成と作用】本発明におけるシクロヘキサ
ノール基を持つ化合物の二級水酸基をグリシジルエーテ
ル化する反応条件としては、以下のようである。撹拌
機、温度計、コンデンサー、窒素導入管を備えた反応装
置にシクロヘキサノール基を持つ化合物を仕込み、次
に、エピクロルヒドリンを二級水酸基の当量数の好まし
くは1〜20倍量、更に好ましくは3〜8倍量、三級ア
ルコールをエピクロルヒドリンの重量に対し、好ましく
は0.05〜2倍量、更に好ましくは0.1〜1.0倍
量添加して溶解し、さらに相間移動触媒を前三者の合計
仕込み量に対し、好ましくは0〜2%、更に好ましくは
0.1〜1%添加する。次に内温を好ましくは20〜8
0℃、更に好ましくは30〜60℃に調節したのち、固
形のアルカリ金属水酸化物をエポキシ樹脂中の二級水酸
基の当量数に対し、好ましくは0.5〜5倍、更に好ま
しくは1〜2倍添加し、同温度で好ましくは1〜10時
間、更に好ましくは2〜5時間反応させる。反応後、生
成した食塩、および未反応のアルカリ金属水酸化物を濾
過または水洗によって除去する。もし、この段階で二級
水酸基のグリシジルエーテル化をより完全にする必要が
ある場合は、もう一度触媒及びアルカリ金属水酸化物を
上記と同様な割合で添加して同様な条件で再反応し、同
様に脱塩操作を行えばよい。その後、溶媒置換、アルカ
リ金属水酸化物による二次的な処理、イオン除去のため
のさらなる水洗、脱溶媒等の一般的な精製工程を経るこ
とにより、二級水酸基がグリシジルエーテル化されたエ
ポキシ化合物が得られる。
【0013】本発明に用いられるシクロヘキサノール基
を持つ化合物とは、主としてフェノール性水酸基を持つ
化合物を水素添加により還元して得られる。具体的には
シクロヘキサノール、水素化ビスフェノールA、水素化
ビスフェノールF、水素化ビスフェノールAD、水素化
フェノールノボラック、水素化クレゾールノボラック、
水素化ナフタレンジオール、水素化レゾルシン、水素化
ビフェノール、水素化テトラメチルビフェノール、水素
化トリスフェノールメタンなどである。なお、これらの
化合物中には、一級アルコール性水酸基(以下単に一級
水酸基と略す)を含んでいてもよく、本製造法において
一級水酸基は二級水酸基より先に、あるいは同時にグリ
シジルエーテル化され、いずれもエポキシ樹脂として用
いた場合の有効成分となる。
【0014】本発明におけるアルカリ金属水酸化物とし
ては水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ムなどであり、またアルカリ土類金属水酸化物とは、水
酸化カルシウム、水酸化バリウムなどが例示されるが、
好ましくは上記のアルカリ金属水酸化物であり、特に好
ましくは水酸化ナトリウムである。
【0015】本発明における三級アルコールとはt−ブ
タノール、2−メチル−2−ブタノールなどが挙げら
れ、好ましくはt−ブタノールである。
【0016】本発明における相間移動触媒とは、エポキ
シ樹脂が溶解したエピクロルヒドリン溶液相と固形のア
ルカリ金属水酸化物相との間の反応を促進するためのも
のであり、第四級アンモニウム塩や第四級ホスホニウム
塩やクラウンエーテル類が挙げられる。具体的には、テ
トラメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアン
モニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマ
イド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、ト
リエチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラブチ
ルホスホニウムブロマイド、15−クラウン−5、18
−クラウン−6、ジベンゾ−18−クラウン−5などで
ある。
【0017】本発明において、反応の促進効果は、主と
して三級アルコールの添加によって得られるため、相間
移動触媒の添加は必ずしも必要ではないが、添加するこ
とによって反応時間短縮などの効果が多少あり、併用す
る方がより効果的である。即ち、三級アルコールの添加
量が多いほど反応がスムーズに進む傾向があるが、あま
りにも添加量が多いと溶剤のリサイクル使用上の問題が
発生するため、相間移動触媒を併用することで添加量を
抑えた方が経済的には有利なことが多い。
【0018】なお、本製造法はシクロヘキサノール基の
グリシジルエーテル化が不完全な場合、より完全にグリ
シジルエーテル化するという目的でも適用が可能であ
る。即ち、本製造法または別の製造法によりシクロヘキ
サノール基が部分的にグリシジルエーテル化された化合
物が提供された場合、前述の合成条件でシクロヘキサノ
ール基を持つ化合物の代わりに部分的にグリシジルエー
テル化された化合物を用いることにより、ほぼ同様の操
作で、より完全にグリシジルエーテル化されたものを得
ることができる。
【0019】かしくて得られた本発明のエポキシ化合物
をエポキシ樹脂として硬化させたものは、耐候性、耐熱
性、密着性、耐水性、機械的強度などの諸物性が良好で
あり、様々な分野に利用が可能である。特に、淡色で耐
候性に優れているという特徴を生かして塗料、コーティ
ング剤などの用途や、塩素成分の含有量が少ないという
特徴を生かして、腐食が問題となる電気・電子用の接着
剤や注型剤、封止剤、積層板などの用途にも用いること
が可能である。また、エポキシ樹脂を高温下で硬化させ
る場合があるが、その際に不快な臭気の元となる窒素系
あるいはイオウ系の溶剤を含まないという点でも優れて
いる。
【0020】以下、本発明の詳細を合成例及び実施例に
より具体的に説明する。ただし、本発明はその要旨を越
えない限りにおいて、以下の実施例に制約されるもので
はない。
【0021】
【合成例1】撹拌機、温度計、コンデンサー、窒素導入
管を備えた1Lの四つ口フラスコに、水素化ビスフェノ
ールAを124g(1水酸基当量)を仕込む。次に、エ
ピクロルヒドリンを278g(3mol)、t−ブタノ
ールを93g(エピクロルヒドリンの1/3倍量)添加
する。さらに相間移動触媒としてトリエチルベンジルア
ンモニムクロライドを2g(前三者の合計量の0.4
%)添加する。次に内温を50℃に合わせたのち、固形
水酸化ナトリウム80g(2mol)を添加し、同温度
で5時間反応させた。この段階で、ガスクロマトグラフ
ィー分析により反応率(水酸基がグリシジルエーテル化
されている割合、以下同様)を求めると61%であっ
た。反応後、生成した食塩、および未反応の水酸化ナト
リウム、触媒を水洗によって除去した後、反応液をもう
一度同上のフラスコに仕込み、トリエチルベンジルアン
モニウムクロライドを4g添加する。そして、50℃で
固形水酸化ナトリウム40g(1mol)を添加し、同
温度で3時間反応させた。反応後、水洗による脱塩操作
を行ったのち、エピクロルヒドリンとt−ブタノールの
混合溶媒を減圧下留去した。なお、t−ブタノールは沸
点が低い(bp.=83℃)ため、エピクロルヒドリン
(bp.=118℃)より先行して留出した。その後ト
ルエン200gを添加して生成物を再溶解した後、蒸留
水100gを添加して充分に撹拌し、分液ロートにて水
層を分離した。このような水洗、分液操作を3回繰り返
し、最終の油層からトルエンを減圧留去すると171g
の淡黄色の液状の樹脂が得られた。このもののエポキシ
当量は220g/eq、全塩素は0.6%、ガードナー
色数法により色数を測定するとガードナー1以下であっ
た。また、ガスクロマトグラフィー分析による反応率
(以下単に反応率と略す)は90%であった。
【0022】
【合成例2】合成例1において、t−ブタノールを27
8gとし、相間移動触媒を添加しないという点を除いて
同様に合成すると、173gの淡黄色半固形状の樹脂が
得られた。このもののエポキシ当量は222g/eq、
全塩素は0.5%、ガードナー色数法による色数は1以
下であり、反応率は88%であった。
【0023】
【合成例3】撹拌機、温度計、コンデンサー、窒素導入
管、滴下ロートを備えた1Lの四つ口フラスコに、水素
化ビスフェノールAを124g(1水酸基当量)、トル
エン248g、三フッ化ホウ素エーテル錯塩0.5gを
仕込む。60℃に加熱し、滴下ロートよりエピクロルヒ
ドリン46.3g(0.5mol)を1時間かけて滴下
し、同温度で30分熟成する。その後、同温度で20%
NaOH160gを添加し、2時間反応させる。分液ロ
ートにて水層を分離し、油層側を再度四つ口フラスコに
戻し、60℃で20%NaOH80gを添加し、2時間
反応させる。再度分液ロートで水層を分離し、油層側よ
りトルエンをロータリーエバポレーターで減圧留去する
と粘稠液体が得られた。この段階で反応率を求めると4
2%であった。このものを同上の四つ口フラスコに仕込
みエピクロルヒドリン256g、t−ブタノール51.
0g、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド1.
2gを添加し、50℃に調節した後、固形水酸化ナトリ
ウム60gを添加し、同温度で3時間反応させる。反応
後、水洗による脱塩操作を行ったのち、エピクロルヒド
リンとt−ブタノールの混合溶媒を減圧下留去した。そ
の後トルエン200gを添加し、合成例1と同様な精製
操作を行うと、169gの淡黄色の液状の樹脂が得られ
た。このもののエポキシ当量は224g/eq、全塩素
は0.7%、ガードナー色数法により色数を測定すると
ガードナー1以下であり、反応率は91%であった。
【0024】
【比較合成例1】撹拌機、温度計、コンデンサー、窒素
導入管、滴下ロートを備えた1Lの四つ口フラスコに、
水素化ビスフェノールAを124g(1水酸基当量)、
トルエン248g、三フッ化ホウ素エーテル錯塩0.5
gを仕込む。60℃に加熱し、滴下ロートよりエピクロ
ルヒドリン102g(1.1mol)を1時間かけて滴
下し、同温度で30分熟成する。その後、同温度で20
%NaOH260gを添加し、2時間反応させる。分液
ロートにて水層を分離し、油層側を再度四つ口フラスコ
に戻し、60℃で20%NaOH120gを添加し、2
時間反応させる。再度分液ロートで水層を分離し、さら
に蒸留水100gで2回水洗、分液操作を繰り返し、油
層側よりトルエンをロータリーエバポレーターで減圧留
去すると185gの粘稠液体が得られた。このもののエ
ポキシ当量は225g/eq、全塩素は3.5%、ガー
ドナー色数法により色数を測定するとガードナー1以下
であり、反応率は85%であった。
【0025】
【比較合成例2】撹拌機、温度計、コンデンサー、窒素
導入管を備えた1Lの四つ口フラスコに、水素化ビスフ
ェノールAを124g(1水酸基当量)を仕込む。次
に、エピクロルヒドリンを278g(3mol)、DM
SOを93g(エピクロルヒドリンの1/3倍量)添加
する。次に内温を50℃に合わせたのち、固形水酸化ナ
トリウム80g(2mol)を添加し、同温度で5時間
反応させたが、この時点で反応率は18%と非常に低か
ったため、70℃に昇温し、さらに10時間反応させ
た。反応後濾過および水洗にて生成塩を除去し、ロータ
リーエバポレーターにて、エピクロルヒドリンおよびD
MSOを減圧下留去しようとしたが、真空度5mmH
g、130℃で1時間保持したのにもかかわらず、残渣
即ち粗製樹脂中にDMSOが5%残存していた。その後
トルエン200gを添加し、イオン交換水100gで水
洗分液操作を行ったが、DMSOを完全に除去するため
にはこの操作を5回繰り返す必要があった。最終の油層
からトルエンを減圧留去すると173gの褐色の液状の
樹脂が得られた。このもののエポキシ当量は252g/
eq、全塩素は0.5%、ガードナー色数法により色数
を測定するとガードナー12であり、反応率は73%で
あった。
【0026】
【比較合成例3】撹拌機、温度計、コンデンサー、窒素
導入管を備えた1Lの四つ口フラスコに、水素化ビスフ
ェノールAを124g(1水酸基当量)を仕込む。次
に、エピクロルヒドリンを278g(3mol)、相間
移動触媒としてトリエチルベンジルアンモニウムクロラ
イドを20g添加する。次に内温を50℃に合わせたの
ち、固形水酸化ナトリウム80g(2mol)を添加
し、同温度で5時間反応させたが、この時点で反応率は
11%と非常に低かったため、70℃に昇温し、さらに
13時間反応させた。反応後濾過および水洗にて生成塩
を除去し、ロータリーエバポレーターにて、エピクロル
ヒドリンを留去する。その後トルエン200gを添加
し、イオン交換水100gによる水洗分液操作を3回繰
り返した。最終の油層からトルエンを減圧留去すると1
65gの褐色の液状の樹脂が得られた。このもののエポ
キシ当量は271g/eq、全塩素は0.6%、ガード
ナー色数法により色数を測定するとガードナー12であ
り、反応率は65%であった。
【0027】
【実施例4〜6、比較例4〜6】表1のような割合で、
合成例1〜3、比較合成例1〜3で得られたエポキシ化
合物に硬化剤として新日本理化(株)製のリカシッドMH
−700(メチルヘキサヒドロ無水フタル酸)を配合し
て溶融し、硬化促進剤としてサンアプロ(株)製のU−C
AT SA102(1,8−ジアザ−ビシクロ−(5,
4,0)ウンデセン−7・オクチル酸塩)を添加する。
この配合樹脂を次のような条件で硬化した。100℃×
3時間+150℃×15時間。得られた硬化物から試験
片を取り出し、以下の方法で物性評価を行った。
【0028】曲げ試験:JIS K7203に準じた。 引っ張り試験:JIS K7113に準じた。 アイゾット衝撃試験:JIS K7110に準じた。
(ノッチ付きアイゾット衝撃値) 煮沸吸水率:JIS K7209に準じた。(煮沸3時
間) 硬化物の外観:目視により判定した。○・・・着色少な
い(淡黄色) ×・・・著しい着色(黒褐色)
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】シクロヘキサノール基を含むエポキシ樹
脂に対して、本発明の製造法を用いることにより、従来
に比べて着色度が少なく、窒素化合物やイオウ化合物を
含む廃水がほとんど発生せずに、効率良く、シクロヘキ
サノール基のグリシジルエーテル化が達成できる。この
製造法によって得られたエポキシ樹脂は耐熱性、密着
性、機械的強度、強靭性、耐水性などの諸性能に優れ、
かつ外観が良好なため、塗料、コーティング剤などの分
野にも用いることができる。また、塩素成分の含有量が
少ないため、腐食が問題となる電気・電子用の接着剤や
注型剤、封止剤、積層板などの用途にも用いることがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸山 英之 大阪府泉大津市臨海町1丁目20番 阪本薬 品工業株式会社研究所内 Fターム(参考) 4C048 AA01 BB11 CC02 4H039 CA11 CA61 CD10 CD20 4J036 AB01 AB07 BA01 JA01 JA06 JA07 JA08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式1 【化1】 (Rは水素原子またはC1〜5のアルキル基、a、bは
    1〜4の自然数、Yは1〜10のアルキレン基、アルキ
    リデン基または直接結合を示す。)で表されるシクロヘ
    キサノール基を持つ化合物から、一般式2 【化2】 (nは0〜10、G、Gは水素原子またはグリシジ
    ル基を示す。但し、G、G共に水素原子であること
    はない。)で表されるエポキシ化合物を製造するのに際
    し、三級アルコールの存在下、エピクロルヒドリンおよ
    びアルカリ金属水酸化物、またはアルカリ土類金属水酸
    化物、必要に応じて相間移動触媒を用いてグリシジルエ
    ーテル化する工程を含む製造法。
  2. 【請求項2】一般式2で表される未反応の水酸基を含む
    エポキシ化合物に対し、三級アルコールの存在下、エピ
    クロルヒドリンおよびアルカリ金属水酸化物、またはア
    ルカリ土類金属水酸化物、必要に応じて相間移動触媒を
    用いて、より完全にグリシジルエーテル化する工程を含
    む製造法。
  3. 【請求項3】三級アルコールがt−ブタノールであり、
    アルカリ金属水酸化物を用いることを特徴とする請求項
    1または請求項2に記載されたエポキシ化合物の製造
    法。
  4. 【請求項4】請求項1〜3の何れか一つに記載の方法に
    よって製造されたエポキシ化合物を含むエポキシ樹脂組
    成物
JP2000326394A 2000-10-26 2000-10-26 新規なエポキシ化合物の製造法、およびその方法で製造されたエポキシ化合物を含むエポキシ樹脂組成物 Pending JP2002128771A (ja)

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