JP2002127337A - 多層延伸ポリアミドフィルム - Google Patents
多層延伸ポリアミドフィルムInfo
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Abstract
スバリヤー性、寸法安定性を有し、耐レトルト性に優れ
た包装用途に好適な多層延伸ポリアミドフィルムを、経
済的な価格で提供する。 【解決手段】 少なくとも1層に、主としてキシリレン
ジアミン成分と炭素数が4〜12の脂肪族ジカルボン酸
成分とから形成されたポリアミド(A)が99〜75質
量%と、ポリブチレンテレフタレートまたはこれを主体
とするポリエステルが1〜25質量%の割合からなる樹
脂層(X)を有する多層延伸ポリアミドフィルム。
Description
張強度、層間剥離強力、耐ピンホール性、ガスバリヤー
性、寸法安定性を有すると共に、耐レトルト性(熱水処
理耐性)に優れた包装用途に好適な多層延伸ポリアミド
フィルムに関するものである。
プラスチックフィルム製の包装袋が大量に使用されてお
り、通常、二軸延伸プラスチックフィルムをベースフィ
ルムとし、ヒートシール可能なシーラントフィルム(た
とえば無配向フィルム)をラミネートした積層フィルム
が用いられる。ベースフィルムとしては、透明性、耐ピ
ンホール性、ガスバリヤー性、寸法安定性、引張強度な
どの性質が優れていることが求められ、また、シーラン
トフィルムとの間の層間剥離強力が優れていることが必
要である。しかし、最近の包装内容物の長期保存性の要
求から、高度なガスバリヤー性を付与するために、二軸
延伸ポリアミドフィルムの表面に塩化ビニリデン系重合
体ラテックスをコートしたフィルムが幅広く用いられて
いるが、熱水処理により白濁するという欠点があり、ま
た、環境上の問題がある。
ンとから合成されるポリメタキシリレンアジパミド(以
下、MXD6という)を原料として用いたフィルムはガ
スバリヤー性に優れているが、耐ピンホール性が劣るた
め、他のポリアミド樹脂と混合したり、ポリアミド、ポ
リエステル、ポリオレフィンなどの樹脂層と共押出した
り、あるいは、ラミネートした多層フィルムが提案され
ている。
の混合物から形成された二軸延伸フィルム(特開昭48
−54176号公報)、MXD6と脂肪族ポリアミドを
チューブラ法により積層した二軸延伸フィルム(特開昭
57−51427号公報)、MXD6と脂肪族ポリアミ
ドとの混合物よりなる表面層と、主としてMXD6より
なる中間層を有する3層フィルム(特開昭56−155
762号公報)、少なくとも一層がMXD6及び/又は
脂肪族ポリアミドと非晶性ポリアミドとの混合物よりな
る多層フィルム(特開平4−59244号公報)などが
提案されている。
ドを単に混合した原料を用いて製造した二軸延伸フィル
ムでは、ガスバリヤー性と耐ピンホール性を兼備させる
ことは困難であり、また、脂肪族ポリアミドとMXD6
を積層した場合には、層間剥離し易い欠点があった。ま
た、上記の特開昭56−155762号公報に開示され
た構成にした場合でも、耐ピンホール性が不十分であ
り、層間剥離現象の問題があった。また、特開平4−5
9244号公報に開示された方法によれば、層間剥離現
象の問題は改善されるものの、幅広い用途に適用する場
合には耐ピンホール性などの性能は不十分であった。
な欠点が解消され、優れた透明性、引張強度、層間剥離
強力、ガスバリヤー性、寸法安定性を有し、耐レトルト
性に優れた包装用途に好適な多層延伸ポリアミドフィル
ムを経済的な価格で提供しようとするものである。すな
わち、具体的には、脂肪族系ポリアミド樹脂層とMXD
6樹脂層の間で層間剥離現象が生じることがなく、脂肪
族系ポリアミド樹脂層の優れた機械的性質、耐ピンホー
ル性、透明性に加え、MXD6樹脂層の耐熱性、ガスバ
リヤー性を兼ね備えた包装用材料として好適な多層延伸
ポリアミドフィルムを提供しようとするものである。
題を解決するために鋭意検討した結果、特定の成分から
なる組成物を用いて積層した多層延伸フィルムがこれら
の課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
る。 (1)少なくとも1層に、主としてキシリレンジアミン
成分と炭素数が4〜12の脂肪族ジカルボン酸成分とか
ら形成されたポリアミド(A)が99〜75質量%と、
ポリブチレンテレフタレートまたはこれを主体とするポ
リエステルが1〜25質量%の割合からなる樹脂層
(X)を有する多層延伸ポリアミドフィルム。 (2)樹脂層(X)と、脂肪族ポリアミド(B)からな
る樹脂層(Y)の少なくとも2層を有する上記(1)記
載の多層延伸ポリアミドフィルム。 (3)樹脂層(X)と樹脂層(Y)の中間に、ポリアミ
ド(A)および/または非晶性ポリアミド(C)が50
〜80質量%と、ポリアミド(B)が50〜20質量%
の割合からなるポリアミド樹脂層(Z)を有する、少な
くとも3層からなる上記(1)または(2)記載の多層
延伸ポリアミドフィルム。 (4)ポリエステルが、ジオール成分としてポリテトラ
メチレングリコールを共重合した変性ポリブチレンテレ
フタレートである上記(1)〜(3)のいずれかに記載
の多層延伸ポリアミドフィルム。 (5)樹脂層(X)にタルクを0.01〜0.5質量%
含有する上記(1)〜(4)のいずれかに記載の多層延
伸ポリアミドフィルム。 (6)多層延伸フィルムが、Y/Z/X/Z/Yの5層
からなる上記(1)〜(5)のいずれかに記載の多層延
伸ポリアミドフィルム。 (7)酸素透過率が100ml/(m2・d・MPa)
以下である上記(1)〜(6)のいずれかに記載の多層
延伸ポリアミドフィルム。
する。
その構成層の少なくとも1層に、主としてキシリレンジ
アミン成分と炭素数が4〜12の脂肪族ジカルボン酸成
分とから形成されたポリアミド(A)とポリブチレンテ
レフタレート(PBT)またはこれを主体とするポリエ
ステルを99〜75/1〜25(質量%)、好ましくは
97〜80/3〜20(質量%)の割合からなる樹脂層
(X)を有する。樹脂層(X)中のPBT又はこれを主
体とするポリエステルの配合量が1質量%未満の場合に
はフィルムの耐ピンホール性の改良効果が不十分であ
り、25質量%を超える場合にはフィルムの酸素透過率
が低下し、またヘーズが上昇するため好ましくない。
ジアミン成分と炭素数が4〜12の脂肪族ジカルボン酸
成分の重縮合反応によって得られたポリアミドであり、
特に、メタキシリレンとアジピン酸とから合成されるポ
リメタキシリレンアジパミド(MXD6)が好適であ
る。
フタル酸成分と1,4−ブタンジオール成分とを主成分
として、溶融重縮合反応、あるいは引き続いて固相重合
されたものである。
範囲で、適宜他の成分を共重合してもよい。共重合成分
としての酸成分としては、イソフタル酸、(無水)フタ
ル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、シュウ
酸、(無水)コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼ
ライン酸、ドデカンジカルボン酸、炭素数20〜60の
ダイマー酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、(無水)
イタコン酸、(無水)シトラコン酸、メサコン酸等の脂
肪族ジカルボン酸、(無水)ヘキサヒドロフタル酸、ヘ
キサヒドロテレフタル酸等の脂環族ジカルボン酸、p−
ヒドロキシ安息香酸、乳酸、β−ヒドロキシ酪酸、ε−
カプロラクトン等のヒドロキシカルボン酸や、(無水)
トリメリット酸、トリメシン酸、(無水)ピロメリット
酸等の多官能カルボン酸を挙げることができる。また、
共重合成分としてのアルコール成分としては、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパン
ジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレング
リコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチ
レングリコール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘ
キサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジエタノ
ール等の脂環族ジオール、ビスフェノールAやビスフェ
ノールSのエチレンオキシドあるいはプロピレンオキシ
ド付加物等の芳香族ジオール、トリメチロールプロパ
ン、グリセリン、ペンタエリスリトール等の多官能アル
コール等を挙げることができる。特に、アルコール成分
としてポリテトラメチレングリコール(PTMG)を1
〜30質量%、より好ましくは5〜20質量%共重合し
た変性PBTは、本発明の目的を達成するために特に好
ましい。
の製法としては、公知の方法を適用することができる。
たとえば、ジメチルテレフタレートと1,4−ブタンジ
オール、及び必要に応じて他の共重合成分をエステル交
換反応槽に仕込み、温度230℃程度で数時間程度反応
させて、エステル交換反応率95%付近のエステル化物
を得る。次いで、これを重合缶に移送し、テトラ−n−
ブチルチタネート等の触媒の存在下に、必要に応じて他
の共重合成分を加え、1.3hPa以下の減圧下で、か
つ温度210〜250℃で、所望の粘度のポリエステル
が得られるまで溶融重縮合反応を進めればよい。また、
さらに固相重合反応を実施してもよい。
ムはその構成層の少なくとも1層に上記の樹脂層(X)
を有するものであり、実用的な構成としては、たとえ
ば、樹脂層(X)と脂肪族ポリアミド(B)からなる樹
脂層(Y)の少なくとも2層を有する構成、樹脂層
(X)とポリアミド(A)と脂肪族ポリアミド(B)の
混合物からなる樹脂層(W)の少なくとも2層を有する
構成、さらに実用的な構成としては、樹脂層(X)と樹
脂層(Y)の中間に、ポリアミド(A)および/または
非晶性ポリアミド(C)とポリアミド(B)を混合した
樹脂層(Z)を有するX/Z/Yからなる少なくとも3
層を有する構成である。これらの層構成の中でも、層間
剥離強力に優れ、強度、ガスバリヤー性、寸法安定性、
耐レトルト性等の性能が優れた最も実用的な層構成とし
ては、たとえば、Y/Z/X/Z/Yの5層構成が挙げ
られる。
ルムの樹脂層(Y)に用いられる脂肪族ポリアミド
(B)としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン
46、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン1
2、ナイロン11、及びこれらの共重合ポリアミド、混
合ポリアミド樹脂を挙げることができ、特に、ナイロン
6が好ましい。樹脂層(Y)には、本発明の多層延伸ポ
リアミドフィルムの特性を損なわない範囲において、リ
サイクル品等を混合することによりポリアミド(A)等
の他のポリアミドを少量混合してもよい。
ルムの樹脂層(Z)に用いられる非晶性ポリアミド
(C)とは、結晶性がないものか、結晶性の乏しいもの
を総称しており特に制限はないが、一般には、結晶化を
阻害するような構造、すなわち側鎖や環構造を有するモ
ノマー成分を含有する重合体である。このような重合体
としては、テレフタル酸、イソフタル酸などのジカルボ
ン酸と、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノ
−3,3’−ジメチル−ジシクロヘキシレンメタン、
4,4’−ジアミノ−ジシクロヘキシレンプロパン、イ
ソフォロンジアミンなどのジアミンとの反応により得ら
れるポリアミド、あるいは、上記成分にさらにラクタム
成分や4,4’−ジフェニルメタン−ジイソシアネート
などのイソシアネート成分を共重合したポリアミドなど
が挙げられる。
ドフィルムの樹脂層(Z)に用いられるポリアミド
(A)および/または非晶性ポリアミド(C)とポリア
ミド(B)の混合比は、ポリアミド(A)および/また
は非晶性ポリアミド(C)が50〜80質量%に対し
て、ポリアミド(B)が50〜20質量%の割合が層間
剥離強力を高める上で好ましい。ポリアミド(A)と非
晶性ポリアミド(C)を混合する場合、任意の混合比率
で十分な層間剥離強力が得られる。また、樹脂層(Z)
として、予めポリアミド(A)および/または(C)と
(B)を溶融混合した樹脂を用いて多層共押出すること
により、各樹脂層間の層間剥離強力がさらに向上する。
ポリアミド(A)および/または(C)と(B)を溶融
混合する条件としては、二軸押出機を用いて、温度25
0〜300℃の範囲で押し出すことが好ましい。温度が
250℃未満の場合には、層間剥離強力を向上させる効
果が不十分であり、また、300℃を超える場合には、
樹脂の押出機への食い込みが悪くなる。
0.5質量%添加することにより、得られる多層延伸ポ
リアミドフィルムの強度を向上させることができる。配
合するタルクの量が 0.01質量%未満では強度の改
良効果が発現せず、0.5質量%を超えて添加しても強
度の改良効果が飽和し、むしろフィルムのヘーズが悪く
なるため好ましくない。
引張強度200〜350MPa、引張伸度80〜130
%(MDとTDの平均値)、ピンホール発生個数5以
下、熱水収縮率0.5〜4%、ヘーズ8%以下、20
℃、85%RH環境下での酸素透過率100ml/(m
2・d・MPa)以下、層間剥離強力3N/15mm以上
の各物性を有している。なお、引張強度及び熱水収縮率
は、共にフィルムの機械方向(MD)とその直角方向
(TD)の平均値である。
袋としたときの強度が不足し、350MPaを超えても
過剰品質となるばかりか、かえってフィルム製造時の操
業性を悪化させ、経済的に好ましくない。ピンホール発
生個数が5個を超えると包装袋としたときの強度が不足
し、好ましくない。熱水収縮率が4%を超えると包装袋
を製造する工程でのカールなどの問題が発生し、0.5
%未満としても過剰品質となるばかりか、かえってフィ
ルム製造時の操業性が低下するので好ましくない。ヘー
ズが8%を超えると包装袋としたときの商品価値が低下
し好ましくなく、酸素透過率が100ml/(m2・d
・MPa)より大きいと内容物を長期保存する場合に要
求される性能が不十分となる。
るためには、層間剥離強力は高いほど好ましいが、本発
明の多層延伸ポリアミドフィルムでは3N/15mm以
上であり、優れた実用性能を有する。
製造方法としては、公知の任意の方法を採用することが
できる。すなわち、各層を構成する各々の樹脂を別々の
押出機を用いて溶融し、フィードブロック法により重ね
合わせた後ダイスより押し出す方法、溶融した数種の樹
脂をマルチマニホールドダイス中で重ね合わせて押し出
す方法、各樹脂層をラミネートにより貼り合わせる方
法、及びこれらを組み合わせた方法などをとることがで
きる。
フラット式逐次二軸延伸法、フラット式同時二軸延伸
法、チューブラ法などの方法を用いることができるが、
多層フィルムの厚みの均一性や、縦及び横方向の物性の
均一性を得るためにはフラット式同時二軸延伸法が最も
好ましい。
法を説明する。たとえば、まず、3種5層共押出Tダイ
を用いて、押出機(イ)よりナイロン6を、押出機
(ロ)よりMXD6とPBT又はこれを主体とするポリ
エステル及び必要によりタルクからなる組成物を、押出
機(ハ)よりナイロン6とMXD6からなる組成物をそ
れぞれ230〜280℃の温度範囲で、多層未延伸シー
トを押し出し、室温以下に温度調節した冷却ドラム上に
密着させて急冷する。
調された湯浴中に通過させ、水分率を3〜7%に調整し
た後、140〜210℃に予熱し、次いで160〜22
0℃で縦横それぞれ2〜4倍の延伸倍率で同時二軸延伸
した後、横方向に1〜5%弛緩処理した後、150〜2
20℃で数秒間熱処理を施し、所望の厚みの多層延伸フ
ィルムを得ることができる。
層シートを一定の水分率とするために要する含浸時間が
長くなり経済的でなく、70℃より高いと、含浸中にシ
ートが変形する。また、水分率が3%よりも低くても、
7%より高くても延伸性が低下する。また、予熱温度及
び延伸温度が上記の範囲を外れると、延伸斑が発生した
り、延伸時にフィルムが破断したりするので好ましくな
い。
用として使用する場合には、通常、ヒートシール性が付
与され、また、用途によりガスバリアー性や機械的強度
をさらに高めるために、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエステルなど
のプラスチックフィルム、紙、アルミニウムなどの金属
箔と積層して用いられる。
特に制限はないが、フレキシブルな包材として使用する
場合、300μm以下、通常、5〜50μmの厚みのも
のが用いられる。
常、シリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウムなど
の無機滑剤やエチレンビスステアリルアミドなどの有機
滑剤を添加してフィルム表面のスリップ性を向上させる
ことができる。
説明する。なお、実施例及び比較例の評価に用いた原料
及び測定法は、次のとおりである。
RF (2) MXD6;三菱瓦斯化学社製 MXナイロン600
7(相対粘度2.64) (3) PBT−1;ジメチルテレフタレート194部、
1,4−ブタンジオール108部、及びテトラブチルチ
タネート80ppm(ポリマーに対するチタン金属の重
量に換算した数値)を加え、150〜210℃で2.5
時間エステル交換反応を行った。得られたエステル交換
反応生成物を重合缶に移送して減圧を開始し、最終的に
4hPaの減圧下、温度210〜245℃で2時間溶融
重合してPBT−1を得た。 (4) PBT−2;ジメチルテレフタレート194部、
1,4−ブタンジオール108部、及びテトラブチルチ
タネート80ppm(ポリマーに対するチタン金属の重
量に換算した数値)を加え、150〜210℃で2.5
時間エステル交換反応を行った。得られたエステル交換
反応生成物を重合缶に移送し、テトラブチルチタネート
を40ppm添加した後、分子量1100のポリテトラ
メチレングリコール(PTMG)を15質量%添加して
減圧を開始し、最終的に4hPaの減圧下、温度210
〜245℃で2時間溶融重合してPBT−2を得た。 (5) タルク(TL);林化成社製 UPNHS−T0.
5 (6) 非晶性ポリアミド(AN);EMS社製グリボリー
G21(ヘキサメチレンジアミンと、テレフタル酸およ
びイソフタル酸との共重合体)
882に準じて測定した。 (2)熱水収縮率 幅10mm、長さ10cmの試料を沸騰水に30分間浸
漬し、処理前後の寸法変化を測定し、元の長さに対する
百分率を求めた。 (3)ヘーズ 東京電色社製全自動ヘーズメータ(TC−H3DPK)
を用いて、JIS K−6714に準拠し測定した。 ヘーズ(%)=〔Td(拡散透過率%)/Tt(全光線
透過率%)〕×100 (4)耐ピンホール性 MIL−B 131Fに示されるFed.Test M
ethod Std.101C のMethod201
7に従い、12インチ×8インチのサンプルを直径3.
5インチの円筒状とし、両端を把持し、初期把持間隔7
インチ、最大屈曲時の把持間隔を1インチとし、40回
/分の速さで、いわゆるゲルボテスター(理学工業社
製)により、5℃で1000回屈曲を加えた後に生じた
ピンホール個数を数えた。 (5)酸素透過率 Modern Control社製のOX−TRAN1
0−50Aを使用し、20℃、85%RHの条件で測定
した。(単位:ml/(m2・d・MPa)) (6)層間剥離強力 幅15mmの多層フィルム端部を界面で剥離した後、2
0℃、65%RH雰囲気中で、島津製作所社製オートグ
ラフを用い、Tピール法にて剥離速度300mm/分の
条件で剥離強力を測定した。 (7)水分率 湯浴に含浸した未延伸多層シートから約20gを秤量瓶
に採取精秤する。次に120±2℃の定温乾燥機中で2
時間乾燥した後、塩化カルシウムデシケータ中で室温ま
で徐冷した後の重量を精秤し、減量率(%)を求めた。 (8)熱水処理耐性 多層延伸フィルムに、ドライラミネート法により未延伸
ポリプロピレン(東レ社製トレファンZK−93K、6
0μm )をラミネートした後、3方ヒートシールを行
い、縦14cm×横12cmの長方形の充填袋を製作し
た。次に、この袋に水50mlを充填し、残る一方をヒ
ートシールした後、120℃×30分の熱水処理を施し
た後の袋の外観を目視により観察し、下記の基準により
A〜Cの3段階で評価した。 A:良好 B:ごく一部(充填袋の表面積の5%以下)に外観不良
が見られる。 C:部分的(充填袋の表面積の5%以上)、又は、全面
に外観不良が見られる。
量部と、MXD6を70質量部とを混合したものを、押
出温度300℃にて溶融押出した後、ペレット化し、得
られたペレットを140℃で約2時間乾燥し結晶化し
た。3種5層共押出Tダイを用いて、押出機(イ)より
N6を温度250℃で(Y層)、押出機(ロ)よりMX
D6とPBT−1を、MXD6/PBT−1=95/5
(質量%)の割合で混合した樹脂にタルク0.2質量%
を混合したものを温度265℃で(X層)、押出機
(ハ)よりN6とMXD6をN6/MXD6=30/7
0(質量%)の割合で混合した樹脂を温度280℃で
(Z層)、それぞれ溶融押出し、Y/Z/X/Z/Yの
順に積層したシートをダイスより押し出し、表面温度1
8℃に温調した冷却ドラム上に密着させて急冷し、各層
の厚みがY/Z/X/Z/Y=45/5/50/5/4
5(μm)で、合計厚み150μmの未延伸多層シート
を得た。得られたシートを60℃に温調した温水槽に送
り、1.5分間の浸水処理を施し、水分率を4.7%に
調整した。このシートの端部をテンター式同時二軸延伸
機のクリップで把持し、175℃で予熱した後、延伸温
度190℃、延伸倍率を縦3.0倍、横3.3倍として
同時二軸延伸した後、横方向の弛緩率を5%として、2
10℃で4秒間の熱処理を施した後、フィルムを冷却し
て巻取り、各層の厚みがそれぞれ、Y/Z/X/Z/Y
=4.5/0.5/5.0/0.5/4.5(μm)の
厚み15μmの多層延伸フィルムを得た。次いで、得ら
れた原反ロールをスリットし、各種のフィルム性能を評
価した結果を表1に示した。表1に示したように、ピン
ホール発生数が少なく、かつ、透明性、酸素バリア性も
良好であり、包装用フィルムとして良好な適性を有して
いた。
るポリアミド(A)、(B)、(C)の配合量を表1に
示したように変更した以外は、実施例1と同様にして多
層延伸フィルムを製造した。各種のフィルム性能を測定
した結果を表1に示した。
は、優れた透明性、引張強度、層間剥離強力、ガスバリ
ヤー性、寸法安定性を有し、耐レトルト性に優れた包装
用途に好適なフィルムが提供され、産業上の利用価値は
極めて高い。
Claims (7)
- 【請求項1】 少なくとも1層に、主としてキシリレン
ジアミン成分と炭素数が4〜12の脂肪族ジカルボン酸
成分とから形成されたポリアミド(A)が99〜75質
量%と、ポリブチレンテレフタレートまたはこれを主体
とするポリエステルが1〜25質量%の割合からなる樹
脂層(X)を有する多層延伸ポリアミドフィルム。 - 【請求項2】 樹脂層(X)と、脂肪族ポリアミド
(B)からなる樹脂層(Y)の少なくとも2層を有する
請求項1記載の多層延伸ポリアミドフィルム。 - 【請求項3】 樹脂層(X)と樹脂層(Y)の中間に、
ポリアミド(A)および/または非晶性ポリアミド
(C)が50〜80質量%と、ポリアミド(B)が50
〜20質量%の割合からなるポリアミド樹脂層(Z)を
有する、少なくとも3層からなる請求項1または2記載
の多層延伸ポリアミドフィルム。 - 【請求項4】 ポリエステルが、ジオール成分としてポ
リテトラメチレングリコールを共重合した変性ポリブチ
レンテレフタレートである請求項1〜3のいずれかに記
載の多層延伸ポリアミドフィルム。 - 【請求項5】 樹脂層(X)にタルクを0.01〜0.
5質量%含有する請求項1〜4のいずれかに記載の多層
延伸ポリアミドフィルム。 - 【請求項6】 多層延伸フィルムが、Y/Z/X/Z/
Yの5層からなる請求項1〜5のいずれかに記載の多層
延伸ポリアミドフィルム。 - 【請求項7】 酸素透過率が100ml/(m2・d・
MPa)以下である請求項1〜6のいずれかに記載の多
層延伸ポリアミドフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000324071A JP3499206B2 (ja) | 2000-10-24 | 2000-10-24 | 多層延伸ポリアミドフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
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