JP2002120818A - 樹脂コーティングを施したガラス容器表面の親水化方法及び該方法により製造された親水性表面を有する樹脂コーティングガラス容器 - Google Patents
樹脂コーティングを施したガラス容器表面の親水化方法及び該方法により製造された親水性表面を有する樹脂コーティングガラス容器Info
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Abstract
ィングを施したガラス容器表面を均一に十分親水化して
ぬれ性を改善し、ラベル接着性に優れた樹脂コーティン
グガラス容器、さらには、びん詰め後の検査工程での中
身の視認性に優れたフロスト調(つや消し)樹脂コーテ
ィングガラス容器を製造する方法を提供することを目的
とする。 【解決手段】アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタ
ン系樹脂又はシリコーン系樹脂等を含む樹脂コーティン
グの表面に、オルガノシリケート等を配合した親水化剤
を塗布し、樹脂コーティングを施したガラス容器表面を
親水化する。
Description
を施したガラス容器表面の親水化方法及び該方法により
製造された親水性表面を有する樹脂コーティングガラス
容器に関する。さらに詳しくは、本発明は、親水化剤を
塗布することにより、フロスト調樹脂コーティング容器
表面を親水化してぬれ性を改善し、ラベル接着性に優
れ、かつびん詰め後の検査工程での内容物の視認性に優
れたフロスト調樹脂コーティングガラス容器を製造する
方法に関する。
容器は、ガラス容器表面を弗酸などでケミカルエッチン
グして製造されている。それ故、従来のフロスト調ガラ
ス容器表面の材質はガラスであるため水をはじかず、水
をかけた場合には自然に乾燥するまで表面がぬれた状態
を保つ。従って、乾燥するまではガラス容器表面での光
の散乱が少ない状態が保たれ、つや消しでなくなる。こ
の性質を利用し、内容物充填、閉栓後のガラス容器に水
または温水をかけることで、つや消しガラス容器であっ
ても、中に異物等の混入がないか目視検査をすることが
できていた。
に施すことにより、内容物保護のための紫外線カット機
能を付与したり、さらには、顔料を分散させて着色し意
匠性を付与したり、強度アップによる軽量化を行なった
ガラス容器が採用されてきている。しかし、フロスト調
の樹脂コーティングを施したガラス容器においては、目
視検査工程にライン上のガラス容器が到着するまでに表
面の水がはじかれ、ぬれた状態ではなくなるので、中身
を目視検査することが出来ず、そのために目視検査工程
が省略されることがあった。また、それが許されない場
合には、フロスト調の樹脂コーティングガラス容器を使
用することが出来なかった。さらに、フロスト調でない
通常の樹脂コーティングを施したガラス容器において
は、ラベルの接着に若干の問題を有していた。
グを施したガラス容器は、表面のぬれ性が悪く、水をか
けてもすぐにはじいてしまう。フロスト調(つや消し)
樹脂コーティングガラス容器においては、表面の細かい
凹凸のために表面の平滑な樹脂コーティングに比べる
と、一般的に若干ぬれ性はよくなるが、それでも数秒、
長くとも十数秒後には水をはじいてしまう。ぬれ性を改
善するための技術としては、火炎処理、コロナ放電処
理、グロー放電処理、プラズマ処理などにより樹脂表面
の表面エネルギーを増大させる方法やカルボキシル基等
の親水基を持った樹脂を導入する方法などが知られてい
るが、ぬれが不均一または不十分、加工後数日でぬれ性
が悪化する、あるいは、樹脂コーティング自体の強度等
の物性を変えてしまうなどの問題がある。また、加工設
備に大きな費用を必要とする。
ず、樹脂コーティングを施したガラス容器表面を均一に
十分親水化してぬれ性を改善し、ラベル接着性に優れた
樹脂コーティングガラス容器、さらには、びん詰め後の
検査工程での中身の視認性に優れたフロスト調(つや消
し)樹脂コーティングガラス容器を製造する方法を提供
することを目的とする。
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、大掛かりな設備
を必要とせず、容易にガラス容器の樹脂コーティングの
表面を均一に十分親水化できる方法を見出し、この知見
に基づいて本発明を完成させるに至った。
ングの表面に親水化剤を塗布することを特徴とする樹脂
コーティングを施したガラス容器表面の親水化方法、
(2)樹脂コーティングがフロスト調樹脂コーティング
である(1)記載の親水化方法、(3)樹脂コーティン
グが、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹
脂又はシリコーン系樹脂を含む(1)又は(2)記載の
親水化方法、(4)親水化剤が、オルガノシリケートを
配合した液である(1)乃至(3)のいずれかに記載の
親水化方法、(5)(1)乃至(4)のいずれかに記載
の方法により製造された親水性表面を有する樹脂コーテ
ィングガラス容器、を提供するものである。
びコーティング樹脂)本発明の樹脂コーティングガラス
容器は、ガラス容器に樹脂コーティングを施したもので
あれば、特に制限なく使用することができる。例えば、
各種の飲料を入れるために用いられ、中味を充填した後
にライン上で肉眼等による検査を行う工程を経る用途に
用いられるフロスト調樹脂コーティングガラス容器に、
特に好適である。
器の親水化処理されるコーティングとしては特に制限は
ないが、活性エネルギー線硬化型又は熱硬化型の樹脂を
含むものが用いられる。活性エネルギー線硬化型の樹脂
に特に制限はないが、親水化剤の塗布の観点から例えば
アクリル系樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン化
不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン系樹脂等が挙げら
れる。熱硬化型の樹脂に特に制限はないが、親水化剤の
塗布の観点から、例えばエポキシ系樹脂、ウレタン系樹
脂、シリコーン系樹脂等が挙げられる。
としては、例えば分子中に2個以上のフルオロアクリロ
イル基又は(メタ)アクリロイル基を有する反応性化合
物を1種以上含有する、活性エネルギー線照射により硬
化する反応性組成物から生成したアクリル系樹脂である
ことがより好ましい。
いが、多価アルコールに(メタ)アクリル酸が2個以上
結合した多価(メタ)アクリレートや、分子中に少なく
とも2個のエポキシ基を有するエポキシ化合物のエポキ
シ基に(メタ)アクリル酸が2個以上結合したエポキシ
変性(メタ)アクリレート、多価アルコールにフルオロ
アクリル酸が2個以上結合した多価フルオロアクリレー
トや分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有するエポ
キシ化合物のエポキシ基にフルオロアクリル酸が2個以
上結合したエポキシ変性フルオロアクリレート、多価ア
ルコールと多塩基酸の反応より得られるポリエステルポ
リオールに(メタ)アクリル酸が2個以上結合したポリ
エステルアクリレート、多価イソシアネート化合物に、
ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートを反応させて
得られるポリウレタンアクリレート等を用いることがで
き、耐熱水性、耐アルカリ熱水性を高める上で、該反応
性組成物の酸価が0.01〜100であることが好まし
い。ここで、酸価とは前記反応性組成物1g中に含まれ
る酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を意
味する。
合は、光重合開始剤を除けば100重量%でも良いが、
通常5〜95重量%であり、樹脂コーティングの強靭
さ、硬化性の観点からは10〜90重量%であることが
より好ましい。
剤、シランカップリング剤、レべリング剤、耐光安定
剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、消泡剤、界面活性剤、
光重合開始剤等を含有させることができる。
脂としては、ビニル基、(メタ)アクリル基等の重合性
不飽和基を有するオルガノアルコキシシランとその他の
アルコキシシランとの共縮合物を活性エネルギー線照射
により重合させた樹脂、エポキシ基を有するオルガノア
ルコキシシランやその他のアルコキシシランを光酸発生
剤等を用いて重合させた樹脂等が挙げられる。反応性組
成物中には、溶剤、シランカップリング剤、レべリング
剤、耐光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、消泡剤、
界面活性剤、光重合開始剤、触媒等を含有させることが
できる。
しては、紫外線、電子線、放射線等を用いることができ
る。電子線又は放射線を用いて重合硬化させる場合に
は、特に重合開始剤等の添加は必要としない。
フェノールA系エポキシ化合物、フェノールまたはレゾ
ルシン誘導のエポキシ化合物、芳香族カルボン酸誘導の
エポキシ化合物、ビニルポリマー誘導のエポキシ化合物
などから選ばれたエポキシプレポリマーとアミン系、有
機酸無水物系などの硬化剤を含む組成物から得ることが
できる。
オールとポリカルボン酸との共重合により得られるポリ
エステルポリオール、ヒマシ油又は他の水酸化脂肪酸の
グリセライドエステル、ポリアルキレングリコールなど
から選ばれたポリオールと有機ポリイソシアネートを含
む組成物から得ることができる。
タンを用いる場合には、ウレタンポリマー中にイオンセ
ンターを導入し自己乳化させたもの、乳化状態でアミン
系直鎖延長剤を用いて直鎖延長を行ったもの、水分散型
のブロック剤でブロックしたブロックイソシアネート、
ポリウレタンを乳化剤水溶液に強制的に乳化したもの等
を使用することができる。
々の有機基を有するオルガノアルコキシシランやオルガ
ノクロロシラン等の共縮合物を挙げることができる。
ルギー線硬化型の場合と同様に、溶剤、シランカップリ
ング剤、レベリング剤、耐光安定剤、紫外線吸収剤、顔
料、染料、消泡剤、界面活性剤、硬化剤等を含有させる
ことができる。
た透明ガラス容器の親水化処理されるコーティングにフ
ロスト感を付与する方法としては、樹脂中にシリカ、ア
ルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸
化マグネシウム、タルク、マイカ、アルミノシリケート
等の無機微粒子を分散させる方法等が挙げられる。
ニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、タル
ク、マイカ、アルミノシリケート等の無機微粒子を分散
させることにより、樹脂コーティングの表面に微細な凹
凸を形成することができ、よって光が表面で散乱されフ
ロスト感が発現する。
を考慮し、樹脂や溶媒の種類に応じて表面処理したもの
を用いることが好ましい。分散させる微粒子の平均粒径
は、コーティングの膜厚にもよるが、良好なフロスト調
を発現する観点から、通常0.1〜25μmの範囲であ
ることが好ましく、1〜5μmの範囲であることがより
好ましい。また、分散させる無機微粒子の量は、樹脂1
00重量部に対し5〜50重量部であることが好まし
く、10〜30重量部であることがより好ましい。
耐衝撃性の向上等を目的としてポリマー微粒子を配合す
ることもできる。ポリマー微粒子を上記無機微粒子に変
えて、フロスト調発現剤として用いることもできる。
化剤としては、非イオン系界面活性剤等の界面活性剤、
水溶性ナイロン等の水溶性ポリマー、シロキサン化合物
等のオルガノシリケートを配合した液等が挙げられる
が、視認性が良好なこと、びん詰め・検査工程後の洗浄
が不要であること、耐久性が良いこと等からオルガノシ
リケートを配合した液が好ましい。
原子に酸素原子を介して4個の有機基が結合したオルガ
ノキシシラン、及びケイ素がシロキサン主鎖((Si−
O) n)を形成しているオルガノキシシロキサンが挙げ
られる。
機基は特に限定されず、例えば直鎖状、分岐状あるいは
環状のアルキル基、より具体的にはメチル、エチル、n
−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、
t−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、ネオペンチ
ル、ヘキシル、オクチル基などが挙げられる。
何れであってももよく、例えばメチル基、エチル基、n
−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブ
チル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げら
れ、これらの基の混合物も用いることができる。アルキ
ル基として相異なる二種以上のアルキル基を有していて
も良い。親水化剤としての親水性発現の点から、これら
のアルキル基のうち特に炭素数1〜4のもの、中でもメ
チル基及び/又はエチル基が好ましく、最も好ましいの
はメチル基である。
リル基、ナフチル基なども挙げられる。また、有機基と
して相異なる二種以上の基を有していても良い。
えばテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テ
トラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラ
フェノキシシラン、ジメトキシジエトキシシランなどが
挙げられる。オルガノキシシロキサンとしては、上記の
オルガノキシシランの縮合物が挙げられる。
例としては、例えばテトラメトキシシラン、テトラエト
キシシラン、テトラn−プロポキシシラン、テトライソ
プロポキシシラン、テトラn−ブトキシシラン、テトラ
イソブトキシシラン、テトラsec−ブトキシシラン、
テトラt−ブトキシシラン及び/又はこれらの部分加水
分解縮合物が挙げられる。これらのものは1種もしくは
2種以上組み合わせたものも使用できる。
ラメトキシシラン及び/又はこの部分加水分解縮合物
が、加水分解反応性が高くシラノール基を生成し易いこ
とから均一な液状組成物を調製するのが容易であり親水
性向上効果が優れており、好ましい。市販品として例を
挙げると、テトラメトキシシランの部分加水分解縮合物
であるポリメトキシポリシロキサンとして三菱化学
(株)製ポリメトキシポリシロキサン(商品名「MKC
シリケートMS51」、SiO2換算シリカ濃度51w
t%)が、高品質であり望ましい。
ノシリケートは、特に水と配合し加水分解液として用い
れば、オルガノシリケートの有するSi−OR基(Rは
有機基)がSi−OH基(シラノール基)となることか
ら、ぬれ性向上効果が著しく優れている上、樹脂コーテ
ィングガラス容器への塗布性が優れている点から、望ま
しい。水の配合量は、オルガノシリケート中のSi量を
SiO2に換算して100重量部に対して、100〜5
0000重量部が好適である。特に好ましくは500〜
10000重量部の範囲とする。
るオルガノキシ基を加水分解し得る理論水量(オルガノ
キシ基のモル数に対し1/2倍)よりも大過剰の量の水
を配合することになり、これにより、オルガノシリケー
トの加水分解により生成したシラノール基を多量の水と
共存させ、シラノール基の縮合反応を抑制し、加水分解
液の貯蔵安定性の向上が達成されていると考えられる。
と同時に、多量のシラノール基の生成により、ぬれ性向
上に大きく寄与していると考えられる。
当たっては、必要に応じ、オルガノシリケートの加水分
解作用を有する触媒を添加してもよい。
硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸、酢酸、ベンゼンスル
ホン酸、トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、エ
チルベンゼンスルホン酸、安息香酸、フタル酸、マレイ
ン酸、ギ酸、シュウ酸などの有機酸が挙げられる。
ルスズジオクチエート、ジブチルスズジアセテート等の
有機スズ化合物、アルミニウムトリス(アセチルアセト
ネート)、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス
(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(エ
チルアセトアセテート)、エチルアセトアセテートアル
ミニウムジイソプロピレート等の有機アルミニウム化合
物、チタニウムテトラキス(アセチルアセトネート)、
チタニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネー
ト)、チタニウムテトラn−ブトキシド等の有機チタニ
ウム化合物、ジルコニウムテトラキス(アセチルアセト
ネート)、ジルコニウムビス(ブトキシ)ビス(アセチ
ルアセトネート)及びジルコニウム(イソプロポキシ)
ビス(アセチルアセトネート)、ジルコニウムテトラn
−ブトキシド等の有機ジルコニウム化合物などの、オル
ガノシリケート以外の有機金属化合物又は金属アルコキ
シド化合物が挙げられる。
酸等のホウ素化合物などが挙げられる。さらに、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アン
モニア、有機アミン化合物などのアルカリ触媒が挙げら
れる。
ガノシリケート以外の有機金属化合物又は金属アルコキ
シド、又はホウ素化合物が、好ましい。これらの触媒
は、1種もしくは2種以上組み合わせてもよい。
Si量をSiO2に換算して100重量部に対して、
0.1〜10重量部が好適である。より好ましくは0.
5〜5重量部である。
使用できる。一般には各種の有機溶剤、例えばアルコー
ル類、あるいはグリコール誘導体、炭化水素類、エステ
ル類、ケトン類、エーテル類のうち1種、又は2種以上
を混合して使用できる。
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、イソブタノール等が挙げられる。
ングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレ
ングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコ
ールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチ
ルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチル
エーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチル
エーテルアセテート等が挙げられる。
ルエン、キシレン、ケロシン、n−ヘキサン等が使用で
き、エステル類としては例えば、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、アセト酢酸メチル、ア
セト酢酸エチル、アセト酢酸ブチル等が使用できる。
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ア
セチルアセトン等が使用でき、エーテル類としては、エ
チルエーテル、ブチルエーテル、ジオキサン、フラン、
テトラヒドロフラン等が使用できる。
C1〜C3のメタノール、エタノール、イソプロパノー
ル、グリコール誘導体のプロピレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル
が取扱が容易であり、親水化剤の貯蔵安定性が良く、好
ましい。
Si量をSiO2に換算して100重量部に対して、1
00〜50000重量部とするのが好適である。より好
ましくは500〜10000重量部の範囲である。な
お、上記はオルガノシリケートが加水分解して生成する
アルコールも含めた溶剤の量で示したものである。
ることができるが、親水化剤中のオルガノシリケートの
濃度は、オルガノシリケート中のSi量をSiO2に換
算して、0.05〜15重量%が好ましく、さらに好ま
しくは0.1〜10重量%である。この範囲で特に、塗
布性、ぬれ性向上効果ともに優れている。
リケートにおいては有機基は酸素を介してケイ素に結合
しているが、親水化剤中に、オルガノシリケート以外の
有機ケイ素化合物、例えばケイ素に直接結合した有機基
を有するケイ素化合物を含んでいても良い。
シランカップリング剤等、より具体的には、メチルトリ
メトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルト
リプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラ
ン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシ
ラン、エチルトリプロポキシシラン、エチルトリイソプ
ロポキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピ
ルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブ
チルトリエトキシシラン、ペンチルトリメトキシシラ
ン、ペンチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキ
シシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリ
メトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニ
ルトリプロポキシシラン、フェニルトリイソプロポキシ
シラン、ベンジルトリメトキシシラン、ベンジルトリエ
トキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラ
ン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)エチルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロ
ピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルト
リメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキ
シシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3
−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミ
ノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、
3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、p−〔N−
(2−アミノエチル)アミノメチル〕フェネチルトリメ
トキシシラン等のトリアルコキシシラン化合物、及びこ
れらの部分加水分解縮合物が挙げられる。
チルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジ
エチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラ
ン、ジフェニルジエトキシシラン、3−グリシドキシプ
ロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプ
ロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピ
ルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメ
チルジエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエ
トキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン等のジアルコキシシラ
ン化合物、及びこれらの部分加水分解縮合物が挙げられ
る。
ピル−m−フェニレンジアミン、,N,N−ビス〔3−
(メチルジメトキシシリル)プロピル〕エチレンジアミ
ン、N,N−ビス〔3−(トリメトキシシリル)プロピ
ル〕エチレンジアミン等が挙げられる。
トリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、メチル
ジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ジメチルク
ロロシラン、メチルビニルジクロロシラン、3−クロロ
プロピルメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシ
ラン、メチルフェニルジクロロシラン等のクロロシラン
化合物、及びこれらの部分加水分解縮合物が挙げられ
る。
含んでいても良いが、この場合、オルガノシリケートを
SiO2換算で100重量部に対して25重量部以下、
より好ましくは10重量部以下とする。このようなオル
ガノシリケート以外の有機ケイ素化合物は、オルガノシ
リケートに比較して加水分解可能な官能基量が少なく、
ぬれ性向上に寄与する度合いが著しく低いためである。
もちろん、このような化合物を全く含んでいなくとも良
い。
な官能基、例えば上記のような各種のハロゲン元素等を
有するケイ素化合物を存在させても良いが、加水分解に
より塩酸等の、取り扱い困難な物質を生成することがあ
るため環境上望ましくなく、多くともオルガノシリケー
トをSiO2換算で100重量部に対してハロゲン元素
等を有するケイ素化合物は20重量部以下、より好まし
くは10重量部以下とするのが良い。もちろん、このよ
うな化合物を全く含んでいなくとも良い。
他各種の添加剤を配合することができる。添加量は特に
限定されず一般には本発明の効果に影響しない程度で適
宜選択すれば良い。
剤を塗布する方法としては特に制限はないが、親水化剤
をエアゾール化し、樹脂コーティングガラス容器表面に
噴霧、塗布する方法、刷毛等で塗布する方法、ロールコ
ーティングにより塗布する方法、あるいは樹脂コーティ
ングガラス容器を親水化剤溶液にディッピングする方法
等が挙げられる。親水化剤は塗布後、自然乾燥、加熱、
温風乾燥等により乾燥、硬化することができる。樹脂コ
ーティングガラス容器表面へ塗布する親水化剤の塗布量
は、1〜50g/m2であることが好ましく、3〜30
g/m2であることがより好ましい。
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。
分解縮合物であるポリメトキシポリシロキサン(三菱化
学(株)製:商品名「MKCシリケートMS51」を用
いて、下記の配合割合で室温で20分間混合して、無色
透明液状の加水分解液を調製した。
る。
樹脂コーティングガラス容器を下記の手順で製造した。
水系ポリウレタン(旭電化工業株)製「アデカボンタイ
ターHUX−232」、固形分30wt%)100重量
部に、シリカ微粒子(平均粒径2.0μm)8重量部、
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン0.1重量
部及びメラミン樹脂(旭電化工業株)製「水系メラミン
HUX−W」、固形分74wt%)20重量部をホモデ
ィスパーを用いて均一に分散し、コーティング液を得
た。これにガラス容器を浸漬し、引上げた後100℃で
6分間乾燥し、次いで170℃で20分間熱処理して、
塗膜の硬化を行い、フロスト調ウレタン系樹脂コーティ
ングガラス容器を得た。
剤として圧縮空気を用いてフロスト調ウレタン系樹脂コ
ーティングガラス容器に噴霧塗布した。親水化剤の塗布
量は、約10g/m2であった。この親水化剤を塗布し
たフロスト調ウレタン系樹脂コーティングガラス容器を
室温放置し、表面を親水化した。
ン系樹脂コーティングガラス容器の表面に全面にわたり
水をかけ、ぬれた状態としたところ、水をかけてから6
分経過後も表面の大部分はぬれた状態を保っており、容
器内部を透視することができた。
樹脂コーティングガラス容器を下記の手順で製造した。
活性エネルギー線硬化型アクリル系樹脂(大日本インキ
化学工業(株)製「DEFENSA7033」)100
重量部、シランカップリング剤(信越化学工業(株)製
「KBM5103」)を等重量の純水で加水分解した溶
液2重量部、光重合開始剤(チバスペシャルティーケミ
カルズ(株)製「IRGACURE1800」)4重量
部、メチルエチルケトン(出光石油化学(株)製)15
0重量部、及びメチルハイドロジェンポリシロキサン
(信越化学工業(株)製「信越シリコーンKF99」)
で疎水化処理したシリカ微粒子(平均粒径2.0μm)
25重量部を超音波分散機を用いて均一に分散し、コー
ティング液を得た。これにガラス容器を浸漬し、引上げ
た後90℃で90秒間乾燥を行った。
射位置にそれぞれ160W/cmのメタルハライドラン
プ(岩崎電気(株)製)が設置された硬化炉中を、上記
のコーティング液に浸漬させたガラス容器を回転させな
がら10秒間で通過させて、塗膜の硬化を行い、フロス
ト調アクリル系樹脂コーティングガラス容器を得た。
タノールとイオン交換水とを、重量比1:1:1の割合
で混合し親水化剤とした。これを、フロスト調アクリル
系樹脂コーティングガラス容器の表面にロールコーター
で塗布、乾燥し、表面を親水化した。この時、該ガラス
容器の温度は約50℃とし、被膜形成時間を短縮した。
親水化剤のロールオン塗布量は約15g/m2であっ
た。
クリル系樹脂コーティングガラス容器の表面に全面わた
り水をかけ、ぬれた状態にしたところ、乾燥不透明化は
びんの首部から徐々に進行し、6分間にわたり容器内部
を透視することができた。比較としてケミカルエッチン
グしたフロスト調ガラス容器に水をかけると同様の結果
となった。
て、オルガノシリケートを配合した親水化剤を塗布した
フロスト調樹脂コーティングガラス容器は、樹脂コーテ
ィングされていない通常のケミカルエッチングにより製
造されたフロスト調ガラス容器と同等の親水性が達成さ
れていることがわかる。
は、実施例2と同様に製造したフロスト調アクリル系樹
脂コーティングガラス容器の表面に全面わたり水をか
け、ぬれた状態にしたところ、5秒でガラス容器の全面
におよんで表面の水の膜がはじかれ水滴となり、容器内
部を透視することが出来なくなった。
を配合した親水化剤を塗布することにより、樹脂コーテ
ィング容器表面を、多数のぬれ性に優れたシラノール基
(Si−OH)を有するきわめて薄い膜厚の被膜で覆
い、親水化してぬれ性を改善することができるので、び
ん詰め後の検査工程において表面の水をはじくことな
く、検査するに十分な時間ぬれた状態を保ち、ガラス容
器の内容物の視認性に優れたフロスト調樹脂コーティン
グガラス容器を製造することができる。また、表面に多
数のシラノール基を有するので、ラベル糊の接着性をも
改善することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 樹脂コーティングの表面に親水化剤を塗
布することを特徴とする樹脂コーティングを施したガラ
ス容器表面の親水化方法。 - 【請求項2】 樹脂コーティングがフロスト調樹脂コー
ティングである請求項1記載の親水化方法。 - 【請求項3】 樹脂コーティングが、アクリル系樹脂、
エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂又はシリコーン系樹脂
を含む請求項1又は請求項2記載の親水化方法。 - 【請求項4】 親水化剤が、オルガノシリケートを配合
した液である請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の
親水化方法。 - 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載
の方法により製造された親水性表面を有する樹脂コーテ
ィングガラス容器。
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