JP2002120347A - 化粧材 - Google Patents

化粧材

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JP2002120347A
JP2002120347A JP2000317482A JP2000317482A JP2002120347A JP 2002120347 A JP2002120347 A JP 2002120347A JP 2000317482 A JP2000317482 A JP 2000317482A JP 2000317482 A JP2000317482 A JP 2000317482A JP 2002120347 A JP2002120347 A JP 2002120347A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】木質感、切削や釘打ち等の加工性の良い木質樹
脂成形体と、意匠性に優れた化粧シートとの積層構成に
よる化粧材であって、木質樹脂成形体と化粧シートとの
分離の必要なく容易にリサイクル可能であり、しかも、
木質樹脂成形体と化粧シートとの接着性にも優れた化粧
材を提供する。 【解決手段】熱可塑性樹脂3と木質系充填剤4を含有
し、且つ発泡(内部に気泡5が存在)している木質樹脂
発泡成形体2の表面に、前記木質樹脂発泡成形体2に含
有される熱可塑性樹脂3と同系の熱可塑性樹脂を主体と
する化粧シート1が積層されてなる化粧材である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、床材、壁材、天井
材等の建築内装材、建具、家電品の表面材等に用いられ
る化粧材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、上記各種用途の化粧材としては、
合板やファイバーボード等の木質基材に、天然突き板
や、紙または合成樹脂シートに印刷にて意匠を施した化
粧紙または化粧シートなどを貼り合わせたものが多く使
われている。しかし、これらの化粧材は、木質基材の吸
放湿に由来する反りや、虫食い、腐食といった物性上の
問題があるほか、リサイクルが困難であるために、それ
らの端材や廃材のほとんどが、埋め立てや焼却によって
処分されている。
【0003】また、木質以外の基材を用いた化粧材とし
ては、異形押出等による合成樹脂製の基材の表面に化粧
シートを貼り合わせたものも使用されており、これらの
化粧材には木質基材の使用に起因する上記の様な欠点は
なく、しかも、木目意匠の化粧シートの貼付により、見
た目は木のようではある。しかし、比重や剛性等の点か
ら木質感がなく、また切削や釘打ちなどの各種加工が困
難であるなどの問題があり、限られた部位にしか使用す
ることができない欠点がある。
【0004】また、近年、建築内装材、床材、建具、家
電品の表面材等の用途に、熱可塑性樹脂と木質系充填剤
とを含有する木質樹脂成形体を供する試みが数多くなさ
れている。しかしこれらの木質樹脂成形体は、単体では
リサイクル性や切削、釘打ちなどの加工性、木質感など
に優れているもの、その表面は木質系充填剤によって着
色された単調な色彩のものであるから、意匠性に劣ると
いう欠点がある。
【0005】そこで、上記した木質樹脂成形体の表面
に、天然突き板や化粧紙、化粧シート等の表面材を貼り
合わせることで、所望の優れた意匠性を付与することも
考えられる。しかし、この様にして木質樹脂成形体の表
面に各種の表面材を貼り合わせた化粧材は、廃棄された
端材や廃材の本体である木質樹脂成形体からの表面材の
分離が、技術的にも経済的にも困難であるために、折角
の木質樹脂成形体のリサイクル性が十分に活かされない
という問題が発生する懸念がある。
【0006】これらに対して本発明者らは、熱可塑性樹
脂と木質系充填剤を含有する木質樹脂成形体の表面に、
前記木質樹脂成形体に含有される熱可塑性樹脂と同系の
熱可塑性樹脂を主体とする化粧シートを積層した化粧材
を既に提案した(特願2000−178362号)。こ
の化粧材は、木質感、切削や釘打ち等の加工性が良く、
且つ、優れた意匠とリサイクル性とを併せ持つという優
れた利点を有するものである。
【0007】しかしながら上記化粧材は、その基材であ
る木質樹脂成形体が、合板やファイバーボード等の通常
の木質基材と比較して接着性に劣っており、特に、通常
木材用に広く用いられている、水性エマルジョン型接着
剤や溶剤型接着剤等、固形分100%ではない揮発成分
を含む接着剤を使用して化粧シートを貼着した場合に、
接着剤中の揮発成分が通気性のない木質樹脂成形体と化
粧シートとに挟まれてなかなか抜けていかずに、長時間
に亘り接着剤中に滞留するために、接着後に長い養生期
間を必要としたり、養生中に皺や位置ずれ、脹れ等の接
着不良を発生したりし易く、木質樹脂成形体と化粧シー
トとの接着が困難であるという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の技術
における上記したような問題点を解決するためになされ
たものであって、その課題とするところは、木質感、切
削や釘打ち等の加工性の良い木質樹脂成形体と、意匠性
に優れた化粧シートとの積層構成による化粧材であっ
て、木質樹脂成形体と化粧シートとの分離の必要なく容
易にリサイクル可能であり、しかも、木質樹脂成形体と
化粧シートとの接着性にも優れた化粧材を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の化粧材は、熱可
塑性樹脂と木質系充填剤を含有し、且つ発泡している木
質樹脂発泡成形体の表面に、前記木質樹脂発泡成形体に
含有される熱可塑性樹脂と同系の熱可塑性樹脂を主体と
する化粧シートが積層されてなることを特徴とする化粧
材である。
【0010】特に、上記化粧材において、前記木質樹脂
発泡成形体は、木質系充填剤を含有する部分を少なくと
も一部に有するか、若しくは全体に木質系充填剤を含有
することを特徴とする化粧材である。
【0011】また特に、上記化粧材において、前記木質
系充填剤の平均粒径が1〜200μmであることを特徴
とする化粧材である。
【0012】また特に、上記化粧材において、前記木質
系充填剤を含有する部分における前記木質系充填剤の配
合比率が、前記熱可塑性樹脂100重量部に対して10
〜500重量部であることを特徴とする化粧材である。
【0013】また特に、上記化粧材において、前記木質
樹脂発泡成形体は、発泡している部分を一部に有する
か、もしくは全体が発泡していることを特徴とする化粧
材である。
【0014】また特に、上記化粧材において、前記木質
樹脂発泡成形体の発泡倍率が1.1〜10.0倍である
ことを特徴とする化粧材である。
【0015】また特に、上記化粧材において、前記熱可
塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂であることを特徴とす
る化粧材である。
【0016】また特に、上記化粧材において、前記化粧
シートが木目意匠を有することを特徴とする化粧材であ
る。
【0017】また特に、上記化粧材において、前記化粧
シートが透明性を有することを特徴とする化粧材であ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の化粧材は、図1に示す様
に、熱可塑性樹脂3と木質系充填剤4を含有し、且つ発
泡(内部に気泡5が存在)している木質樹脂発泡成形体
2の表面に、前記木質樹脂発泡成形体2に含有される熱
可塑性樹脂3と同系の熱可塑性樹脂を主体とする化粧シ
ート1が積層されてなることを特徴とする化粧材であ
る。
【0019】上記の様に、本発明の化粧材は、化粧シー
ト1と木質樹脂発泡成形体2とが、同系の熱可塑性樹脂
を主体としているため、化粧材のリサイクル時には、化
粧シート1と木質樹脂発泡成形体2とを分離することな
く、再度木質樹脂発泡成形体2の材料として利用するこ
とが可能であり、リサイクル時の成形時には成形不良を
発生することがなく、リサイクル品も木質感を損ったり
強度が低下していたりすることがない。
【0020】しかも、木質樹脂発泡成形体2は、発泡に
より内部に気泡5を含む多孔質となっているので、化粧
シート1と木質樹脂発泡成形体2との接着を、水性エマ
ルジョン型接着剤や溶剤型接着剤等の、木材用として汎
用の揮発成分を含む接着剤を使用しても、接着剤中の揮
発成分が木質樹脂発泡成形体2の内部の気泡5を通じて
拡散することにより、接着剤が速やかに乾燥固化するこ
とができるので、接着後の養生に長期間を要したり、養
生中に皺や位置ずれ、脹れ等を発生したりすることな
く、能率的且つ安定的に製造することができることや、
接着後には接着剤が木質樹脂発泡成形体2の接着面近傍
の気泡の内部に入り込んでいることにより投錨効果によ
り接着力が向上することなどの利点がある。
【0021】なお、木質樹脂発泡成形体2の発泡には上
記の他、断熱性が高まることにより冷たい感触や結露な
どが防止されることや、適度の弾性(クッション性)が
付与されることにより衝突時の安全性や床材としての歩
行感などが向上すること、軽量化により施工性や経済性
が向上することなどの利点もある。
【0022】また、特に化粧シート1が木目意匠を有す
るものであると、木質樹脂発泡成形体2が木質系充填剤
4を含有しているために、切削や溝切りなどで見える木
口にも木質感があるので、表面の木目意匠との違和感が
ないことに加え、化粧シート1への木目意匠の付与のた
めの印刷インキ等は、木質材と同系色であるので、当該
印刷インキ等がリサイクルにより木質樹脂発泡成形体1
中に混入しても、色彩上の違和感がないことなどの利点
がある。
【0023】本発明において使用する木質系充填剤4の
素材としては、基本的には天然の木材を主原料として製
造された粉状、粒状ないし短繊維状の充填剤であれば特
に制限されるものではなく、従来公知のものから任意に
選択が可能であるが、一般的には、木材をカッターミル
などによって破断し、これをボールミルやインペラーミ
ルなどにより粉砕して微粉状にしたもの(木粉)などを
好適に用いることができる。
【0024】なお、木質系充填剤4の配合量を熱可塑性
樹脂100重量部に対して100重量部を超えるような
高配合とする場合にあっては、特に樹脂中の分散性が重
要であり、その観点から、比較的繊毛の少ない粒状の木
質系充填剤4を使用することが好ましい。係る繊毛の少
ない木質系充填剤4として具体的には、主にパーティク
ルボードなどを研磨して得る研磨粉などが好ましく用い
られる。
【0025】木質系充填剤4の平均粒径は特に制限され
るものではないが、一般的には1〜200μm、より好
ましくは5〜100μmであることが望ましい。平均粒
径が1μm未満のものは取り扱いが困難である上に、特
に木質系充填剤4の配合量が多い場合には、樹脂中への
分散状態が悪いと機械強度の低下の原因となる場合があ
る。また一方、200μmより大きいと、成形品の均質
性、平面性、機械的強度が低下する原因となりやすいか
らである。
【0026】木質系充填剤4の配合量については、本発
明において特に制限されるものではないが、一般的には
熱可塑性樹脂3の100重量部に対して10重量部から
500重量部程度の範囲内で適宜選択が可能であるが、
最適な配合量は化粧材の用途により異なるので、用途に
合わせて適宜設計することが望ましい。
【0027】具体的には、例えば熱可塑性樹脂3として
ポリオレフィン系樹脂を使用した場合、平板状に圧縮成
形法等によって成形したのち、切削加工やVカット加工
などを行う用途については、切削性等の後加工性に優れ
たものを得るために、木質系充填剤4の配合量は、熱可
塑性樹脂3の100重量部に対して50〜500重量
部、より好ましくは100〜500重量部とすることが
望ましい。これに対し、例えば異形押出法や射出成形法
などによって成形される用途については、成形性や均質
性を高めるために、木質系充填剤4は熱可塑性樹脂3の
100重量部に対して10〜200重量部、より好まし
くは15〜150重量部とすることが望ましい。
【0028】本発明において木質樹脂発泡成形体2に使
用する熱可塑性樹脂3としては、例えばポリオレフィン
系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、
ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリビニルア
ルコール系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル樹
脂、繊維素誘導体等、従来公知の各種の熱可塑性樹脂か
ら適宜選択が可能であるが、焼却時の塩化水素ガスやダ
イオキシン等の有害物質の発生や、埋め立て時等の環境
ホルモンの流出等の問題に鑑みると、非ハロゲン系樹脂
を使用することが望ましく、中でも、部材としての耐候
性や耐熱性、薬品や溶剤に対する耐性等の性能を満たす
ためには、ポリオレフィン系樹脂を使用することが最も
望ましい。
【0029】ここで用いられるポリオレフィン系樹脂と
しては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、
ポリイソプレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−αオレフィン共
重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体、エチレン
−エチルアクリレート共重合体やこれらの酸変性物(接
着性向上の目的で不飽和カルボン酸又はその無水物をグ
ラフト重合したもの)、アイオノマー(オレフィン−不
飽和カルボン酸共重合体の金属水和物)等から適宜選択
が可能であり、単一でも複数種の混合でもかまわない。
【0030】ただし、複数種の混合の場合には、リサイ
クル後にも化粧材用基材として十分な物性を維持するこ
とのできる木質樹脂発泡成形体2を得るために、出来る
だけ互いに相溶性の良いものを選択して組み合わせるこ
とが望ましい。若しくは、相溶性の劣る樹脂の混合の場
合には相溶化剤の配合も有効であり、たとえばポリエチ
レンとポリプロピレンの混合又は積層等、非相溶系の樹
脂が混在する場合は、これらを相溶させるたとえばエチ
レン−プロピレン共重合体などを配合することがより望
ましい。また特に、樹脂間の接着性を高め、内部強度を
高めるために、酸変性した樹脂の配合比を高め(樹脂全
体の20〜50重量%程度)、樹脂自体に極性を持たせ
ると共に、木質系充填剤4との接着性を高めることが望
ましい。
【0031】また、木質樹脂発泡成形体2の発泡成形に
あたり、発泡性を良くするためには、これに含まれる熱
可塑性樹脂3の溶融張力が高いことが望ましいので、特
にポリプロピレン等の様に溶融張力が比較的に低い種類
の樹脂を使用する場合は、電子線架橋により長鎖分岐を
導入した樹脂の利用や、分子量分布の調整、若しくは溶
融張力を上昇させる添加剤の添加など、公知の方法で必
要に応じて溶融張力を高めに調整した樹脂を使用するこ
とが望ましい。
【0032】本発明において、木質樹脂発泡成形体2の
発泡の手法については特に制限されるものではなく、従
来公知の各種の樹脂発泡手法がいずれも任意に利用でき
る。具体的には、例えば、溶融状態の熱可塑性樹脂3を
空気中で激しく攪拌することによって機械的に気泡5を
導入する機械発泡法などもあるが、より簡便に安定した
発泡状態が得られる方法として、熱可塑性樹脂3への添
加剤としての発泡剤を利用した発泡手法が用いられる場
合が多い。係る発泡剤を利用した発泡手法は一般的に
は、熱分解や化学反応によってガスを発生する性質を有
する化学発泡剤を使用する化学発泡法と、樹脂中に導入
した発泡剤としての低沸点の液体に熱をかけて気化させ
る物理発泡法とに分類される。
【0033】上記化学発泡剤としては、例えば重炭酸ナ
トリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、亜
硝酸アンモニウム、ホウ化水素ナトリウム、軽金属、ア
ジド化合物等の無機発泡剤や、例えばアゾ系、ニトロソ
系、ヒドラジド系等の有機発泡剤等があり、これらは任
意の組み合わせで使用できる。また、特に2倍を超える
高発泡倍率での発泡には主に物理発泡が用いられ、発泡
剤としては炭酸ガスや脂肪族炭化水素が主に用いられ
る。また、物理発泡に際しても発泡体のセル形状を整え
るため化学発泡剤を併用する場合が多い。
【0034】木質樹脂発泡成形体2の発泡倍率は、低過
ぎると発泡による各種効果に乏しく、一方逆に高過ぎて
も、機械的強度が低下して化粧材に掛かる荷重や応力に
耐えられなくなったり、表面強度が低下する結果化粧シ
ートとの接着力が低下したりする場合があるので、用途
にもよるが一般に概ね1.1〜10.0倍、より好まし
くは1.3〜8.0倍の範囲内とすることが望ましい。
【0035】木質樹脂発泡成形体2には上記した木質系
充填剤4及び発泡剤の他、必要に応じて熱安定剤、酸中
和剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料又は染料等の着色
剤、木質系以外の有機系又は無機系の充填剤、帯電防止
剤、滑剤、造核剤、難燃剤、ブロッキング防止剤、半透
明化のための光散乱剤、艶調整剤等の各種の添加剤から
選ばれる1種以上を添加することもできる。
【0036】これらの添加剤のうち、熱安定剤としては
ヒンダードフェノール系、硫黄系、リン系等、酸中和剤
としてはステアリン酸金属塩、ハイドロタルサイト等、
紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール系、ベンゾエ
ート系、ベンゾフェノン系、トリアジン系等、光安定剤
としてはヒンダードアミン系等、難燃剤としてはハロゲ
ン系難燃剤、リン系難燃剤、塩素系難燃剤等、充填剤と
しては炭酸カルシウム、シリカ、酸化チタン、硫酸バリ
ウム、酸化亜鉛、アルミナ、タルク、マイカ、珪酸マグ
ネシウム、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、水酸
化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化鉄、カーボ
ンブラック、金属粉等、滑剤としては炭化水素系滑剤、
脂肪酸、高級アルコール系、脂肪酸アマイド系、金属石
鹸系、エステル系等、造核剤としてはカルボン酸金属塩
系、ソルビトール系、リン酸エステル金属塩系等、顔料
としては縮合アゾ、不溶性アゾ、キナクリドン、イソイ
ンドリノン、アンスラキノン、イミダゾロン、フタロシ
アニン等の有機顔料や、カーボンブラック、コバルトブ
ルー、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄等の無機顔料、酸
化チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス等のパール顔料等
があり、これらの添加剤を任意の組み合わせで用いるこ
とができる。
【0037】本発明において、木質樹脂発泡成形体2
は、木質系充填剤4を全体に含有していてもよいし、本
発明の目的であるリサイクル性、木質感、切削性や釘打
ち性、接着性などの加工性を損なわないならば、たとえ
ば木質系充填剤4を含有する部分に含有される熱可塑性
樹脂3と同系の熱可塑性樹脂によるスキン層(表面の薄
層)など、木質系充填剤4を含まない層が存在していて
もかまわない。
【0038】また、本発明において、木質樹脂発泡成形
体2は、その全体が発泡していてもよいし、本発明の目
的であるリサイクル性、木質感、切削性や釘打ち性、接
着性などの加工性を損なわないならば、たとえばその発
泡している部分に含有される熱可塑性樹脂3と同系の熱
可塑性樹脂によるスキン層(表面の薄層)など、発泡し
ていない層が存在していてもかまわない。
【0039】上記のような木質系充填剤4を含まないか
又は発泡していないスキン層の存在は、木質系準点在4
や発泡による気泡5が木質樹脂発泡成形体2の表面に露
出することを防止し、表面を滑らかに仕上げると共に、
特に化粧シート1が貼り合わされない箇所における耐汚
染性や耐水性を向上する効果をも有する。但し、前述し
た本発明の目的に鑑み、本発明においては、少なくとも
化粧シート1が貼り合わされる部分における木質樹脂発
泡成形体2の表面部分は、発泡している部分とされるこ
とが望ましい。
【0040】木質系充填剤4を含まない部分や発泡して
いない部分の存在の態様としては、上述したスキン層に
限定されるものではなく、木質樹脂発泡成形体2の内部
において例えば海島状や筋状、網目状、層状等の任意の
構造を採ることができる。また、木質系充填剤4を含む
部分や発泡している部分においても、その全体に木質系
充填剤4が均一に配合されていたり全体が均一に発泡し
ていたりする必要は必ずしもなく、木質系充填剤4の配
合比率や発泡倍率の異なる複数種類の部分が例えば海島
状や筋状、網目状、層状等に構成されたものであっても
良い。
【0041】木質樹脂発泡成形体2は、熱可塑性樹脂3
に木質系充填剤4や発泡剤を添加混練した木質樹脂発泡
性組成物を、適宜の成形法で適宜の形状に成形し発泡さ
せることで得ることができる。木質系充填剤4と熱可塑
性樹脂3との混練はとくに方法を問わないが、バンバリ
ーミキサーによって混練し、ペレタイザーでペレット化
する方法や、2軸押出混練機によって混合、ペレット化
する方法などが一般的である。また、熱可塑性樹脂3の
成形と同時に木質系充填剤4を熱可塑性樹脂3と混練し
てもかまわない。なお、発泡剤は、ペレット化時に混練
することも可能ではあるが、成形前の予期せぬ発泡の事
故を防止するため、発泡剤は成形時に投入することが望
ましい。
【0042】また、本発明の化粧材をリサイクルする際
には、その破砕物に必要に応じて木質系充填剤4、熱可
塑性樹脂3、その他各種添加剤などを加えて再度ペレッ
ト化する。この場合も特に方法は問わない。
【0043】木質樹脂発泡成形体2の製造方法も特に限
定されず、例えば圧縮成形法、押出成形法、異形押出成
形法、射出成形法、射出圧縮成形法、トランスファー成
形法等、公知の各種の成形方法から、成形物の形状や寸
法に合わせて適宜選択すればよい。その形状も、例えば
平板状、立体形状、中空形状、リブ形状など自由に選択
が可能である。なお、異形押出成形法においては、セル
カ法を採用すると特に表面性の向上などに効果がある。
また、ガス発泡で高発泡倍率成形する平板状のものは、
発泡状態の均一性を高めるために、サーキュラーダイで
押出後切り開き板状にする手法が特に有効である。
【0044】本発明の化粧材は、上記した木質樹脂発泡
成形体2の表面に、所望の適宜の意匠の付与のための化
粧シート1を積層して構成されるものであるが、本発明
において肝要なのは、当該化粧シート1を、前記木質樹
脂発泡成形体2に含有される熱可塑性樹脂3と同系の熱
可塑性樹脂を主体として構成することであり、これによ
って本発明の化粧材のリサイクル性が確保されるのであ
る。
【0045】なお、本発明において同系の熱可塑性樹脂
とは、互いに混合しても大きな物性変化を伴わずにリサ
イクルが可能であることが重要であり、その限りにおい
て、化粧シート1を主体として構成する熱可塑性樹脂と
しては、前掲した木質樹脂発泡成形体2に含有される熱
可塑性樹脂3の例として列挙したものと同様の各種の熱
可塑性樹脂の中から、同系のものを選択して使用するこ
とができる。
【0046】具体的には、例えばポリオレフィン系樹脂
であれば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテ
ン、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン共重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−αオレフィ
ン共重合体、プロピレン−αオレフィン共重合体、エチ
レン−エチルアクリレート共重合体やそれらの酸変性物
(接着性向上の目的で不飽和カルボン酸又はその無水物
をグラフト重合したもの)、アイオノマー(オレフィン
−不飽和カルボン酸共重合体の金属水和物)等から適宜
選択が可能であり、これらの中から選ばれる同種又は異
種の樹脂を、木質樹脂発泡成形体2用及び化粧シート1
用として使用することができる。
【0047】異種の樹脂を組み合わせる場合には、互い
によく相溶するか若しくは互いによく接着する樹脂の組
み合わせであることが望ましいが、そうでない場合であ
っても、両者を相溶及び/又は接着させるための相溶化
剤及び/又は接着剤の添加により混合後の物性が維持で
きれば使用可能である。但しその場合には、リサイクル
時に相溶化剤及び/又は接着剤を別途添加する必要がな
いように、相溶化剤及び/又は接着剤は、木質樹脂発泡
成形体2及び化粧シート1の一方又は両方を構成する樹
脂組成物に予め添加しておくことが望ましい。
【0048】化粧シート1を構成する熱可塑性樹脂にも
必要に応じて、前述した木質樹脂発泡成形体2を構成す
る熱可塑性樹脂3の場合と同様の各種の添加剤から選ば
れる1種以上を添加することができる。
【0049】化粧シート1の具体的構成については特に
制限されるものではなく、例えば透明又は着色シートの
表面に絵柄の印刷を施した単層化粧シート、着色シート
の表面に絵柄の印刷を施し該印刷面にクリアーシートを
例えばドライラミネート法、エクストルージョンラミネ
ート法、熱ラミネート法等によって貼り合わせた複層化
粧シート、透明シートの裏面に絵柄の印刷を施したバッ
ク刷り単層化粧シート等から、用途に応じて適宜選択が
可能である。なお、複層化粧シートの場合には、その各
層を構成する熱可塑性樹脂として同種又は同系の異種の
ものを使用すべきことは改めて言うまでもない。
【0050】化粧シート1に施される印刷絵柄の意匠の
種類は特に制限されるものではなく、例えば木目柄、石
目柄、布目柄、抽象柄等から任意に選択可能である。特
に木目意匠の化粧シートを採用すると、化粧材の切断・
切削加工により露出する木口の木質樹脂発泡成形体1と
の違和感がなく、また印刷インキが木質材と同系色であ
ることから、リサイクル時に木質樹脂発泡成形体2中に
混入しても色調変化の問題がないので、本発明の目的に
は最も望ましいものと言える。
【0051】このとき、着色シートの採用及び/又は隠
蔽ベタ印刷層の形成などにより、化粧シート1に十分な
隠蔽性がある場合には、安定した意匠の再現が達成され
る利点があるが、一方逆に、化粧シート1が透明性を有
する場合には、化粧シート1を透して木質系充填剤4を
含む木質樹脂発泡成形体2の表面が見えることから、木
質樹脂発泡成形体2の木質感を活かした意匠表現が可能
になる利点がある。
【0052】上記化粧シート1への意匠絵柄の印刷に用
いる印刷インキのバインダーとしては、例えば硝化綿、
セルロース、塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体、ポリビ
ニルブチラール、ポリウレタン、アクリル、ポリエステ
ル系等の単独もしくは各変性物の中から適宜選定すれば
よい。これらは水性、溶剤系、エマルジョンタイプのい
ずれでも問題なく、また1液タイプでも硬化剤を使用し
た2液タイプでも任意に選定可能である。さらに紫外線
や電子線等の照射によりインキを硬化させることも可能
である。中でも最も一般的なものはポリオールプレポリ
マーを主剤としイソシアネート化合物からなる硬化剤で
硬化させる2液硬化型ウレタン樹脂系の印刷インキであ
り、特にポリオレフィン系樹脂への接着性に優れてい
る。
【0053】これらバインダー以外には通常のインキに
含まれている顔料、染料等の着色剤、体質顔料、溶剤、
各種添加剤が添加されている。特によく用いられる顔料
には縮合アゾ、不溶性アゾ、キナクリドン、イソインド
リノン、アンスラキノン、イミダゾロン、フタロシアニ
ン等の有機顔料や、カーボンブラック、コバルトブル
ー、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄等の無機顔料、酸化
チタン被覆雲母、酸化塩化ビスマス等のパール顔料等が
ある。
【0054】意匠絵柄の印刷方法としては例えばグラビ
ア印刷法、オフセット印刷法、グラビアオフセット印刷
法、ドライオフセット印刷法、スクリーン印刷法、フレ
キソ印刷法、凸版印刷法、インクジェット印刷法、静電
印刷法、転写印刷法等の従来公知の適宜の印刷法を用い
ることができる。また、隠蔽ベタ印刷層等のようなベタ
印刷層を併用する場合には、例えばグラビアコート法、
マイクログラビアコート法、ロールコート法、ナイフコ
ート法、エアーナイフコート法、キスコート法、ロッド
コート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコー
ト法、フローコート法、ディップコート法等の塗工方法
を用いることもできる。
【0055】また、意匠絵柄の印刷の前に必要に応じ
て、被印刷シートの印刷面に例えばコロナ放電処理、プ
ラズマ処理、オゾン処理、火炎処理、酸処理、アルカリ
処理、プライマー又はアンカー処理等の表面処理を施し
て、印刷インキとの接着性を向上させておくこともでき
る。
【0056】また、いずれの化粧シート1においても、
木質樹脂発泡成形体2への貼り合わせのためのプライマ
ーコートが裏面に施されていたり、表面保護や艶調整の
ためのトップコートや、エンボス法、ワイピング法、グ
ロスマット法等による導管表現等が表面に施されていて
もかまわない。
【0057】本発明の化粧材において、木質樹脂発泡成
形体2の表面への化粧シート1の積層方法についてはと
くに限定されることはなく、木質樹脂発泡成形体2の寸
法や形状によって適当な積層方法を選択することができ
る。たとえば平板状であれば、平板状の木質樹脂発泡成
形体2の表面及び/又は化粧シート1の裏面に接着剤を
塗布し、ロールで貼り合わせるロールラミネート法な
ど、異形押出成形法などの長手方向に同じ形状をとる成
形体であればラッピング加工法など、複雑な三次元面を
有する成形体であれば真空プレスラミネート法などが利
用できる。
【0058】また、異形押出成形同時ラミネート法、射
出成形同時ラミネート法などにより成形と同時に化粧シ
ートを貼り合わせる同時絵付けも可能である。また、ポ
リオレフィン系樹脂など接着しにくい熱可塑性樹脂から
なる木質樹脂発泡成形体2や化粧シート1を使用する場
合には、必要に応じてあらかじめコロナ放電処理、オゾ
ン処理、プラズマ放電処理、フレーム処理、酸処理、ア
ルカリ処理などの表面処理やプライマーコート又はアン
カーコートなどを行うことにより接着性を向上させてお
くことが望ましい。
【0059】本発明の化粧材をリサイクルする場合に
は、木質樹脂発泡成形体2と化粧シート1とを剥離して
分離する必要はなく、全体をそのまま粉砕して再度ペレ
ット化、若しくはそのまま加熱溶融し、再度成形するこ
とにより、リサイクルされた木質樹脂発泡成形体2を得
ることができる。ここで、ペレット化や成形の方法は、
当初の木質樹脂発泡成形体2(バージン品)における方
法として前述した方法と全く同様である。なお、リサイ
クルの際には、本発明の化粧材の破砕物又はその加熱溶
融物に、必要に応じて木質系充填剤4、熱可塑性樹脂
3、発泡剤、その他の各種添加剤等を適宜添加してもよ
い。
【0060】リサイクル方法としては上記の他、熱可塑
性樹脂3と木質系充填剤4とを分離して回収する方法も
あるが、その場合にあっても、化粧シート1は木質樹脂
発泡成形体2から分離する必要はなく、木質樹脂発泡成
形体2に含有される熱可塑性樹脂3と一緒に回収するこ
とができる。
【0061】本発明の化粧材の利用の態様によっては、
例えば他の樹脂系の部品との複合化などにより、リサイ
クル利用に適さない場合もある。また、上記したリサイ
クル利用を多数回繰り返した結果、混入した異物の蓄積
や樹脂の自然劣化等によりリサイクル利用に適さなくな
ってしまう場合もある。このような場合には、本発明の
化粧材において、木質樹脂発泡成形体2に含有される熱
可塑性樹脂3及び化粧シート1を主体として構成する熱
可塑性樹脂として、ポリオレフィン系樹脂等の非ハロゲ
ン系の樹脂を使用すれば、燃焼時の塩化水素ガスやダイ
オキシン等の有害物質の発生の心配なく、焼却処分に付
することができる。該焼却処分の際に、廃熱を発電や給
湯、冷暖房等に再利用するサーマルリサイクルに処すれ
ば更に地球環境に優しい利用形態となることは言うまで
もない。
【0062】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例及び比較例を
示し、本発明をさらに詳細に説明する。
【0063】<実施例1>電子線架橋により長鎖分岐を
持つ高溶融張力ポリプロピレン樹脂70重量部、マレイ
ン酸変性したホモポリプロピレン樹脂30重量部、及び
木材をカッターミルで破断し、これをボールミルにより
粉砕して微粉状にした平均粒径20μmの木質系充填剤
400重量部を2軸押出混練機によって混合、ペレット
化して、木質樹脂組成物を作成した。この木質樹脂組成
物をブタンガスによる物理発泡法にて4倍に発泡させつ
つサーキュラーダイより押し出した後切り開き、断面が
5mm×300mmの長方形である直方体形状に成形
し、さらに表面にコロナ放電処理をしてバージン品のポ
リオレフィン系木質樹脂発泡成形体を作成した。
【0064】一方、ランダムポリプロピレン樹脂に酸化
鉄、酸化チタン等の顔料を配合して製膜した厚さ100
μmの着色ポリプロピレン樹脂シートにウレタン系イン
キで木目印刷を施し、該印刷面にエクストルージョンラ
ミネート法にてホモポリプロピレン樹脂を100μmの
厚みでエンボス同時ラミネートし、その裏面にプライマ
ーコート、表面にトップコートを施してポリオレフィン
系樹脂製の化粧シートを作製した。
【0065】しかる後、前記ポリオレフィン系木質樹脂
発泡成形体の表面にラッピング加工法にて前記ポリオレ
フィン系樹脂製化粧シートを貼り合わせて、バージン品
の本発明の化粧材を作成した。
【0066】また、上記バージン品の化粧材の木質樹脂
発泡成形体と化粧シートとを分離せずにそのまま全体を
破砕した後、1軸押出機によって再ペレット化し、これ
を再度ブタンガスによる物理発泡法にてサーキュラーダ
イより4倍程度に発泡させて押し出した後切り開き、断
面が5mm×300mmの長方形である直方体形状に成
形し、さらに表面にコロナ放電処理をして、リサイクル
品のポリオレフィン系木質樹脂発泡成形体を作製した。
【0067】しかる後、上記リサイクル品のポリオレフ
ィン系木質樹脂発泡成形体の表面にラッピング加工法に
て、上記バージン品に使用したものと同一のポリオレフ
ィン系樹脂製化粧シートを貼り合わせて、リサイクル品
の本発明の化粧材を作製した。
【0068】<比較例1>前記実施例1において、前記
木質樹脂組成物にブタンガスによる物理発泡を施すこと
なく、異形押出成形法にて断面が5mm×300mmの
長方形である直方体形状に押出成形して、非発泡のポリ
オレフィン系木質樹脂成形体を得、その他は前記実施例
1と全く同一の要領にて(但し、リサイクル品の非発泡
のポリオレフィン系木質樹脂成形体の製造条件は、上記
バージン品に準ずる)、バージン品及びリサイクル品の
化粧材を作製した。
【0069】<比較例2>前記実施例1において、ポリ
オレフィン系樹脂製化粧シートに代えて、酸化鉄、酸化
チタン等の顔料を配合して製膜した厚さ100μmの着
色ポリ塩化ビニル樹脂シートにウレタン系インキで木目
印刷を施し、該印刷面に熱ラミネート法にて厚さ100
μmのポリ塩化ビニル樹脂クリアシートをエンボス同時
ラミネートし、裏面にプライマーコート、表面にトップ
コートを施して作製したポリ塩化ビニル樹脂製化粧シー
トを使用し、その他は前記実施例1と全く同一の要領に
てバージン品及びリサイクル品の化粧材を作製した。
【0070】<比較例3>前記実施例1において、木質
系充填剤400重量部に代えてタルク30重量部を使用
し、その他は前記実施例1と全く同一の要領にてバージ
ン品及びリサイクル品の化粧材を作製した。
【0071】<性能評価>上記実施例1及び比較例1〜
3のそれぞれバージン品及びリサイクル品の化粧材につ
いて、成形性、鋸切削性、釘打ち性、木材用の酢酸ビニ
ル系水性エマルジョン型接着剤による接着性、意匠性・
木質感(目視及び触感による)について評価した。その
評価結果を表1に示す。
【0072】
【表1】
【0073】上記表1の評価結果より、熱可塑性樹脂と
木質系充填剤とを含有し、且つ発泡している木質樹脂発
泡成形体の表面に、前記木質樹脂発泡成形体に含有され
る熱可塑性樹脂と同系の熱可塑性樹脂を主体とする化粧
シートが積層されてなる本発明の化粧材は、木質感があ
り、切削性や釘打ち性、汎用接着剤による接着性等の加
工性が良く、且つ、優れた意匠性とリサイクル性とを併
せ持つ化粧材であることが確認された。
【0074】
【発明の効果】以上詳細に説明した様に、本発明の化粧
材は、熱可塑性樹脂と木質系充填剤を含有し、且つ発泡
している木質樹脂発泡成形体の表面に、前記木質樹脂発
泡成形体に含有される熱可塑性樹脂と同系の熱可塑性樹
脂を主体とする化粧シートが積層されてなるので、切削
や釘打ち等の加工性に優れており、化粧シートによる高
意匠と木質樹脂発泡成形体による視覚的及び触覚的な木
質感とを有し、木質樹脂発泡成形体と化粧シートとの分
離の必要なく容易にリサイクル可能であり、しかも木質
樹脂発泡成形体は発泡していることから、揮発成分を含
む水性エマルジョン型や溶剤型等の木材用の汎用の接着
剤により容易且つ強固に化粧シートの接着が可能である
ほか、発泡構造に由来する弾性や断熱性により、天然木
材に似た暖かく柔軟な触感や衝撃に対する緩衝性を有し
ている。
【0075】この様にして、本発明の化粧材は、化粧シ
ートによる高意匠性を活かして、これまでの意匠性に劣
る木質樹脂成形体では使用しにくかった建築内装材、建
具、家電品の表面材などの用途にも十分に使用できるも
のとなった。しかも、従来より木質系の化粧材について
行われて来た各種の後加工の応用が可能であり、特に本
発明によって接着作業において汎用の木材用接着剤の使
用が可能となり、従来の合板や中密度繊維板(MDF)
等の汎用の木質材料と同等の使い易さが実現したので、
従来の木質材料に代わる腐蝕しにくくリサイクル容易な
材料として、産業の発展及び地球環境の保護に貢献する
ところ頗る大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の化粧材の実施の形態を模式的に示す断
面図である。
【符号の説明】
1 化粧シート 2 木質樹脂発泡成形体 3 熱可塑性樹脂 4 木質系充填剤 5 気泡
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101/00 C08L 101/00 E04F 13/18 E04F 13/18 A Fターム(参考) 2E110 AA42 AA57 AB04 AB23 BA02 BA12 BB32 GA24X GA32W GA33X GA43X GB43W GB43X GB62X 4F100 AA20H AA23H AK01A AK01B AK03A AK03B AK07 AK51 AL04 AL05A AL07 AP00A BA02 BA44 CA23 DE01A DJ01A EC03 EC032 EH17 EH171 EJ02 EJ021 EJ40 EJ402 EJ55 EJ552 GB08 HB00B HB01B JB16A JB16B JL01 JL16 YY00A 4J002 AB01W AH00X BB00W BC02W BD04W BE02W BG00W CF00W CG00W CL00W GL01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂と木質系充填剤を含有し、且
    つ発泡している木質樹脂発泡成形体の表面に、前記木質
    樹脂発泡成形体に含有される熱可塑性樹脂と同系の熱可
    塑性樹脂を主体とする化粧シートが積層されてなること
    を特徴とする化粧材。
  2. 【請求項2】前記木質樹脂発泡成形体は、木質系充填剤
    を含有する部分を少なくとも一部に有するか、若しくは
    全体に木質系充填剤を含有することを特徴とする請求項
    1に記載の化粧材。
  3. 【請求項3】前記木質系充填剤の平均粒径が1〜200
    μmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の化
    粧材。
  4. 【請求項4】前記木質系充填剤を含有する部分における
    前記木質系充填剤の配合比率が、前記熱可塑性樹脂10
    0重量部に対して10〜500重量部であることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれかに記載の化粧材。
  5. 【請求項5】前記木質樹脂発泡成形体は、発泡している
    部分を一部に有するか、もしくは全体が発泡しているこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の化粧
    材。
  6. 【請求項6】前記木質樹脂発泡成形体の発泡倍率が1.
    1〜10.0倍であることを特徴とする請求項1〜5の
    いずれかに記載の化粧材。
  7. 【請求項7】前記熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂
    であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載
    の化粧材。
  8. 【請求項8】前記化粧シートが木目意匠を有することを
    特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の化粧材。
  9. 【請求項9】前記化粧シートが透明性を有することを特
    徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の化粧材。
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