JP2002120243A - 低アレルギー性天然ゴム製手袋及びその製造方法 - Google Patents

低アレルギー性天然ゴム製手袋及びその製造方法

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JP2002120243A JP2000312802A JP2000312802A JP2002120243A JP 2002120243 A JP2002120243 A JP 2002120243A JP 2000312802 A JP2000312802 A JP 2000312802A JP 2000312802 A JP2000312802 A JP 2000312802A JP 2002120243 A JP2002120243 A JP 2002120243A
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gloves
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Shinzo Yamashita
晋三 山下
Masaru Fujii
勝 藤井
Michio Miyazaki
道男 宮崎
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HIRONO KAGAKU KOGYO
HONNY CHEMICAL IND
Honny Chemicals Co Ltd
Hirono Kagaku Kogyo KK
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HIRONO KAGAKU KOGYO
HONNY CHEMICAL IND
Honny Chemicals Co Ltd
Hirono Kagaku Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内面に粘着性がなく且つ適度な滑性を有し、
アレルギーの発症しない天然ゴム製手袋、及びアレルギ
ー誘発性蛋白質の抽出処理工程を省略した低アレルギー
性天然ゴム製手袋の製造方法を提供する。 【解決手段】 天然ゴム製手袋本体の内面全面に滑性樹
脂層を設けてなる天然ゴム製手袋において、該滑性樹脂
層が、1〜8μmの膜厚を有し、アクリル変性ポリブタ
ジエン系ゴム又はブチルゴムを主成分としてなる。この
天然ゴム製手袋は、手型上に常法によりゲル化した天然
ゴムラテックス層を形成した後、アクリル変性ポリブタ
ジエン系ゴム又はブチルゴムラテックスを含む水性分散
液に浸漬し、引き上げて加熱乾燥させ、形成された積層
体を加硫した後、滑性樹脂層が形成された手袋本体を反
転させて脱型することによって製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、天然ゴムからなる
ゴム製手袋及びその製造方法に関し、更に詳しくは、衛
生的でアレルギー誘発性蛋白質の溶出を抑え、且つ、着
脱性に優れた家庭用、検査用、手術用及び作業用の天然
ゴム製手袋、及びそれを安定して連続生産することがで
きる天然ゴム製手袋の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】天然ゴムには数%の水溶性蛋白質が含ま
れており、この蛋白質が手袋を使用する際に、手の表面
に付着することにより皮膚を刺激し、アレルギーを誘発
することがしばしば生じる。そこでアレルギーの誘発を
防止するために、天然ゴム製手袋の製造に際して、加硫
後の最終工程で、温水により十分洗浄して、皮膚を刺激
するアレルギー誘発性蛋白質をゴム手袋から溶出させる
方法が取られている。例えば、FDA(Food and Drug
Administration−USA )では、天然ゴム製手袋では水に
溶出される蛋白質は手袋1g当たり200μg以下にす
る必要があると表明されており、このため天然ゴム製手
袋の製造工程の最終段階で40〜80℃の水中に20分
以上浸漬するなどの方法によって、対応しているのが現
状である(例えば、特開平6−70942号公報)。
【0003】また、天然ゴムから製造されたゴム手袋
は、その内側表面が粘着性を有しているため、滑性に乏
しく、着脱させ難いものである。そこで、従来から、こ
の種の天然ゴム製手袋の内面に、滑性を向上させる目的
で、塩素化処理を施すことが行なわれている。また、塩
素化処理の代わりに滑性樹脂層をコーティングすること
も種々提案されている(例えば、特開平10−9586
7号公報、特開平11−61527公報など)。
【0004】ところで、ゴム製手袋の表面に施す滑性樹
脂層は、表面の粘着性を防止し、滑性を向上する為に設
けるので、一般にその膜厚は非常に薄いものである。し
たがって、天然ゴム製手袋本体の表面に滑性樹脂層を形
成したものは、天然ゴム製手袋本体に含まれるアレルギ
ー誘発性蛋白質が溶出するという問題があった。特許第
2677850号公報には、イオン性ポリウレタンで被
覆することにより、アレルギー誘発性蛋白質の溶出を防
止することが記載されているが、その防止効果は、未だ
不十分であり、上記FDAの要求を満足するものではな
かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、従来の
技術においては、アレルギー誘発性蛋白質の溶出の問題
を解決することが求められており、そして手袋の製造工
程において、アレルギー誘発性蛋白質の抽出処理を短縮
又は省略して、アレルギーを誘発することのないゴム製
手袋を得ることの要求があった。
【0006】したがって、本発明の目的は、内面に粘着
性がなく且つ適度な滑性を有し、アレルギーの発症しな
い天然ゴム製手袋を提供することにある。本発明の他の
目的は、アレルギー誘発性蛋白質の抽出処理工程を短縮
又は省略した低アレルギー性天然ゴム製手袋の製造方法
を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来の技術
における上記の要求を満足すべく、従来の滑性樹脂層
が、天然ゴム製手袋のゴム本体に含まれているアレルギ
ー誘発性蛋白質の溶出を防止する機能をあわせ備えるこ
とができれば、最終工程で温水中に長時間浸漬する工程
が短縮又は省略できるという観点にたって鋭意研究した
結果、天然ゴム製手袋の内面に設ける滑性樹脂層を構成
する合成ゴムの種類によって、アレルギー誘発性蛋白質
の溶出の防止効果が著しく異なるという事実を見出し、
本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち、本発明の低アレルギー性天然ゴ
ム製手袋は、天然ゴム製手袋本体の内面全面に滑性樹脂
層を設けてなるものであって、滑性樹脂層が、1〜8μ
mの膜厚を有し、アクリル変性ポリブタジエン系ゴム又
はブチルゴムを主成分としてなることを特徴とする。
【0009】本発明の上記低アレルギー性天然ゴム製手
袋の製造方法は、手型を凝固剤の水溶液に浸漬し、引き
上げて乾燥させる工程、凝固剤が付着した手型を天然ゴ
ムラテックスに浸漬し、引き上げて手型表面に付着した
天然ゴムラテックスをゲル化させて製膜し、ゴム手袋本
体を形成させる工程、手袋本体が形成された手型を、ラ
テックス状のアクリル変性ポリブタジエン系ゴム又はブ
チルゴム主成分として含む水性分散液に浸漬し、引き上
げて加熱乾燥させる工程、形成された積層体を加硫する
工程、及び、滑性樹脂層が形成された手袋本体を反転さ
せて脱型する工程を有することを特徴とする。本発明に
おいて、上記水性分散液には有機微粒子を含有させるの
が好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の低アレルギー性天然ゴム
製手袋において、滑性樹脂層は、アクリル変性ポリブタ
ジエン系ゴム又はブチルゴムを主成分とし、膜厚は1〜
8μmの範囲に設定される。膜厚が1μmよりも薄い場
合には、アレルギー誘発性蛋白質の溶出防止効果が十分
でなくなり、また8μmより厚くなると、コストの点で
望ましくない。本発明において、アクリル変性ポリブタ
ジエン系ゴムとしては、アクリル化合物、例えば、メチ
ルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリ
レート、エチルメタクリレート、アクリロニトリル等を
コモノマーとしてブタジエンと共重合させたポリブタジ
エン系ゴムがあげられ、例えば、ブタジエン・メチルメ
タクリレート共重合体としては、LACSTAR DM
886(大日本インキ化学工業(株)製)等が好適に使
用される。また、ブチルゴムとしては、BUTYL L
ATEX BL−100(Lord Corporat
ion製)等が好ましく使用される。
【0011】滑性樹脂層には、さらに有機微粒子を含ま
せるのが好ましい。有機微粒子としては、アクリル樹
脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、オレフィン系樹
脂、ホルムアルデヒド系樹脂、塩化ビニール系樹脂、塩
化ビニリデン系樹脂及びそれらの架橋物から選ばれた1
種又はそれ以上の微粉体が使用される。これら有機微粒
子は、良好な滑性を得る為には平均粒子径1〜20μm
の範囲のものであり、好ましくは2〜10μmの範囲で
ある。平均粒子径が1μm未満の場合は滑性が乏しくな
り、他方20μmを越えると、ざらつき感が生じ、使用
感が悪くなる。これら微粒子の含有量は適宜設定できる
が、滑性樹脂層の合成ゴム100重量部に対して5〜1
00重量部の範囲が好ましい。
【0012】滑性樹脂層には、その性能を充分に発揮さ
せる目的で、増粘剤、湿潤剤、pH調整剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、防腐剤、抗菌剤、帯電防止剤、着色
剤等を適宜添加することができる。更に滑性を向上させ
る目的で、シリコンオイルエマルジョンを添加してもよ
い。使用される増粘剤としては、メチルセルロース、ポ
リビニルアルコール、アクリル酸アンモニウム塩等が好
ましく、また、湿潤剤及び増粘剤としては、ノニオン性
のフッ素系界面活性剤およびシリコンオイルエマルジョ
ン等が好ましい。
【0013】上記の滑性樹脂層を設けることによって、
天然ゴム製手袋本体に含まれるアレルギー誘発性蛋白質
が覆い隠され、手袋を使用する際に、掌や甲に付着し、
蕁麻疹などのアレルギー症状を起こすことを防止する能
力を有するものとなる。
【0014】次に、本発明の天然ゴム製手袋の製造方法
を、図面を参照して説明する。図1は、本発明の製造方
法の簡略化されたフローシートである。まず、第一の工
程において、洗浄および水洗された手袋型を、凝固剤槽
1の中のゴム凝固剤の水溶液に浸漬する。凝固剤として
は、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、シクロヘキシル
アミン酢酸塩、塩化亜鉛等が使用でき、例えば硝酸カル
シウムを20%含む水溶液が好ましく使用される。その
後、手袋型を引き上げて乾燥し、手袋型表面に凝固剤を
付着させる。
【0015】凝固剤が付着した手袋型は、次の工程にお
いて、ラテックス槽2に導入し、手袋本体を形成するた
めの天然ゴムを主成分とするゴム配合ラテックス中に浸
漬する。その後、手袋型を引き上げて乾燥し、天然ゴム
ラテックスをゲル化させる。それにより手袋型の上にゲ
ル化天然ゴム層が形成される。次いで、湯洗槽3におい
てリーチング処理を行い、ゴム配合ラテックス中に含ま
れている水溶性成分および凝固剤を抽出除去する。本発
明において、湯洗槽による処理は、20秒程度で十分で
ある。
【0016】次の工程において、手袋本体が形成された
手型の上に滑性樹脂層を形成する。すなわち、手袋本体
が形成された手型を、水性分散液槽4において、アクリ
ル変性ポリブタジエン系ゴム又はブチルゴムラテックス
と、所望によって含有させる有機微粒子を含む水性分散
液に浸漬し、引き上げて加熱乾燥させる。形成される滑
性樹脂層の膜厚の調整は、水性分散液に含まれる水性分
散液中の合成ゴムの固形分濃度を調整することにより容
易に達成することができるが、本発明においては、厚さ
1μm以上であることが必要であり、好ましくは1〜8
μmの範囲に設定される。
【0017】次の工程において熱風槽5を通過させるこ
とによって加熱し積層体を加硫する。それにより、加硫
された天然ゴム層の上に、厚さ1μm以上、好ましくは
1〜8μmの滑性樹脂層が形成される。
【0018】最終の脱型工程6において、滑性樹脂層が
形成された手袋本体を反転させて脱型する。それによっ
て、天然ゴム製手袋本体の内側に滑性樹脂層が積層され
た低アレルギー性の天然ゴム製手袋7が得られる。脱型
後の手袋型は、洗浄および水洗して次の工程のために準
備される。
【0019】なお、本発明において、上記凝固剤の水溶
液に浸漬する代わりに、熱膨脹性マイクロカプセル又は
発泡剤と、ゴム凝固剤と、そのゴム凝固剤に安定なラテ
ックス状合成ゴムとを含む凝固用合成ゴムラテックスを
用い、その中に手型を浸漬して、手型表面に凝固剤含有
合成ゴム皮膜を形成させてもよい。その場合形成される
天然ゴム製手袋は、その外表面に合成ゴム層が積層され
たものとなる。
【0020】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。な
お、「部」及び「%」は、それぞれ重量部及び重量%を
意味する。
【0021】例1 まず、磁器製の手袋型を水洗し、50℃に加温した後、
硝酸カルシウム・4水塩15重量部、湿潤剤としてジア
ルキルコハク酸エステル塩(商品名:ペレックスOT−
P、花王アトラス社製)1重量部及び水84重量部から
なる凝固液に5秒間浸漬して、その手型の表面に凝固剤
を付着させて乾燥させた。この手型を、下記表1に示す
天然ゴムラテックスを主成分とする配合ゴムラテックス
中に10秒間浸漬し、引き上げて、手型の表面に厚さ1
50μmの天然ゴムラテックス層を形成させた。さら
に、そのラテックス層が形成された手型を90℃におい
て2分間予熱乾燥させた後、60℃の温水中に20秒間
浸漬し、これを引き上げて乾燥させることにより、ゴム
手袋本体(第1層)を形成した。
【0022】(配合ゴムラテックス)
【表1】 天然ゴムラテックス:DRC−60、HAタイプ(不揮
発分60%) 老化防止剤:ノックラックNS−6(大内新興化学工業
(株)製、2,2′−メチレンビス(4メチルー6−ブ
チルフェノール)) ZMBT:メルカプトベンゾチアゾール亜鉛 ZDEC:ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛 ZDBC:ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛 湿潤剤:ポリフローKL−243(共栄社化学社製)
【0023】次に、上記第1層が形成された手型を、下
記表2に示す組成の滑性樹脂層形成用の水性分散液に1
0秒間浸漬し、引き上げて第1層の上に水性分散液を付
着させた。その後、120℃で20分間加熱して、加硫
させることにより、天然ゴム層上に塗膜厚が1.0μm
の滑性樹脂層(第2層)を形成した。次に、手型よりゴ
ム製手袋を反転させて、内面に滑性樹脂層が設けられた
天然ゴム製手袋を得た。
【0024】(水性分散液)
【表2】 MBRラッテクス:LACSTAR DM886(大日
本インキ化学工業(株)製) IIRラテックス:BUTYL LATEX BL−1
00(Lord Corporation製) MMA微粒子:メチルメタクリレート微粒子 湿潤剤:ポリフローKL−243(共栄社化学社製) 消泡剤:ノプコDF−122(サンノプコ社製)
【0025】得られた天然ゴム製手袋について、水溶性
蛋白質の溶出量および質量を測定した。すなわち、作製
された天然ゴム製手袋の内部にイオン交換樹脂により精
製した純水を40g注入し、25℃で2時間振とうし、
天然ゴム製手袋の本体より滑性樹脂層を透過して抽出さ
れた蛋白質の量を、ASTM D5712−95に従っ
て測定した。また、この滑性樹脂層の厚さを水性分散液
の付着量から算出した。それらの結果を後記表3に示
す。表3の結果から明らかなように、アレルギー誘発性
蛋白質の溶出量は190μg/gであり、FDAの基準
である200μg/gを満足するものであった。
【0026】例2〜6 例1における水性分散液の主成分である合成ゴムラテッ
クスまたはその配合量を表2に示すものに代えた以外
は、例1と同様にして所定の膜厚を有する滑性樹脂層を
設けた天然ゴム製手袋を作製し、例1と同様に評価し
た。それらの結果を後記表3に示す。表3の結果から明
らかなように、合成ゴムとしてMBRまたはIIRを用
いた場合は、膜厚1μm以上であれば、FDAの基準に
合致するものとなる。
【0027】例7(比較例) 滑性樹脂層の膜厚を変更した以外は、例1と同様にして
ゴム製手袋を作成し、同様に評価を行なった。その結果
を表3に示す。表3の結果から明らかなように、膜厚が
0.5μmの場合は、蛋白質の溶出量が1,300μg
/gと大きかった。したがって、膜厚が1μmに満たな
い滑性樹脂層の場合はアレルギーの誘発を防止すること
ができないことが分かった。
【0028】
【表3】
【0029】例8(実施例および比較例) 種々の厚さの滑性樹脂層を種々の合成ゴムラテックスを
用いて形成して比較した。すなわち、例1と同様にして
膜厚150μmのゴム手袋本体(第1層)を形成した。
次いで、上記第1層が形成された手型を、例1と同様の
方法で滑性樹脂層形成用の水性分散液に10秒間浸漬し
て第1層の上に水性分散液を付着させた。引き上げた
後、120℃で20分間加熱して、加硫させることによ
り、天然ゴム層上に塗膜厚が3μmの滑性樹脂層(第2
層)を形成した。ただし、水性分散液に含ませる合成ゴ
ムラテックスとして、ポリウレタン(PU)、アクリロ
ニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロスルホン化
ポリエチレン(CSM)、クロロプレンゴム(CR)、
ブチルゴム(イソブテン・イソプレン共重合体)(II
R)又はアクリル変性ポリブタジエン系ゴム(MBR)
を使用し、また滑性樹脂層が膜厚1.0、2.0、4.
0又は8.0μmになるように変更して、合成ゴム及び
膜厚の異なる種々の手袋を作製した。その後、これらの
天然ゴム製手袋の内部にイオン交換樹脂により精製した
純水40gを注入し、25℃で2時間振とうして、天然
ゴム製手袋の本体より溶出した蛋白質量をASTM D
5712−95に従って測定した。この結果を下記表4
に示す。
【0030】
【表4】 PU:HYDRAN HW333(大日本化学工業
(株)製) NBR:NIPOL LX550(日本ゼオン(株)
製) CSM:AQUALAST HYP−605(Lord Cor
poration製) CR:NEOPLEN950(昭和ネオプレン(株)
製) IIR:BUTYL LATEX BL−100(Lord
Corporation製) MBR:LACSTAR DM886(大日本インキ化
学工業(株)製)
【0031】表4の結果から明らかなように、合成ゴム
ラテックスとしてIIR及びMBRを用いた場合は、他
の合成ゴムラテックスを用いた場合に比較して、薄い膜
厚で蛋白質の溶出を防止する効果を有すること、そし
て、膜厚1μm以上の場合に、FDAの基準である20
0μg以下の溶出量となることが分かる。
【0032】
【発明の効果】本発明は、上記のように天然ゴム製手袋
の内面に、特定の合成ゴムよりなる滑性樹脂層を設けた
ため、天然ゴム本体に含まれているアレルギー誘発性蛋
白質が滑性樹脂層に阻まれて手袋の内表面に移行し難く
なる。また、この滑性樹脂層は粘着性がなく且つ適度な
滑性を有している。したがって、本発明の天然ゴム製手
袋は、装着性がよいのみならず、低アレルギー性である
ため、使用に際して、アレルギーの発症を防止すること
ができる。
【0033】また、本発明の天然ゴム製手袋の製造方法
は、上記の滑性樹脂層を設けるから、従来のゴム製手袋
の製造方法において、アレルギーの発症防止のために必
要であった、加硫工程後のアレルギー誘発性蛋白質の抽
出処理工程が不必要になり、それを省略することが可能
になる。したがって、本発明の方法によれば、時間が短
縮でき、手間が省けるのみならず、製造コストが低減
し、衛生的で低アレルギー性の天然ゴム製手袋を容易に
製造することが可能になる。更にまた、本発明によれ
ば、従来天然ゴム製手袋の製造工程において滑性付与の
ために必須であった塩素処理工程を省略することがで
き、したがって、工場環境の改善及び塩素処理による天
然ゴム製手袋の欠点すなわち、手袋の臭気、変色、耐久
性の低下などが避けられるという優れた効果も期待する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の天然ゴム製手袋の製造工程のフロー
シートである。
【符号の説明】
1…凝固剤槽、2…ラテックス槽、3…湯洗槽、4…水
性分散液槽、5…熱風槽、6…脱着工程、7…天然ゴム
製手袋。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29K 9:00 B29K 9:00 B29L 9:00 B29L 9:00 31:48 31:48 (72)発明者 宮崎 道男 兵庫県三木市別所町小林244の1 広野化 学工業株式会社内 Fターム(参考) 3B033 AB09 AB19 AC03 BA02 4F205 AA46 AC05 AE10 AG03 AH70 GA08 GB01 GB26 GC01 GF24 GN13 GN21 GN29

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然ゴム製手袋本体の内面全面に滑性樹
    脂層を設けてなる天然ゴム製手袋において、該滑性樹脂
    層が、1〜8μmの膜厚を有し、アクリル変性ポリブタ
    ジエン系ゴム又はブチルゴムを主成分としてなることを
    特徴とする低アレルギー性天然ゴム製手袋。
  2. 【請求項2】 滑性樹脂層が、有機微粒子を含むことを
    特徴とする請求項1記載の低アレルギー性天然ゴム製手
    袋。
  3. 【請求項3】 前記有機微粒子が、アクリル樹脂、ウレ
    タン樹脂、ポリアミド樹脂、オレフィン系樹脂、ホルム
    アルデヒド系樹脂、塩化ビニール系樹脂、塩化ビニリデ
    ン系樹脂及びそれらの架橋物から選ばれた1種又はそれ
    以上の微粉体であることを特徴とする請求項2記載の低
    アレルギー性天然ゴム製手袋。
  4. 【請求項4】 有機微粒子が滑性樹脂層のゴム成分10
    0重量部に対して5〜100重量部である請求項3記載
    の低アレルギー性天然ゴム製手袋。
  5. 【請求項5】 手型を凝固剤の水溶液に浸漬し、引き上
    げて乾燥させる工程、凝固剤が付着した手型を天然ゴム
    ラテックスに浸漬し、引き上げて手型表面に付着した天
    然ゴムラテックスをゲル化させて製膜し、ゴム手袋本体
    を形成させる工程、手袋本体が形成された手型を、ラテ
    ックス状のアクリル変性ポリブタジエン系ゴム又はブチ
    ルゴムを主成分として含む水性分散液に浸漬し、引き上
    げて加熱乾燥させる工程、形成された積層体を加硫する
    工程、及び、滑性樹脂層が形成された手袋本体を反転さ
    せて脱型する工程を有することを特徴とする請求項1記
    載の低アレルギー性天然ゴム製手袋の製造方法。
  6. 【請求項6】 水性分散液に有機微粒子が分散されてい
    ることを特徴とする請求項5記載の低アレルギー性天然
    ゴム製手袋の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2617304A1 (en) * 2012-01-17 2013-07-24 Honeywell International Inc. Butyl rubber conversion to dispersion and butyl rubber dipped glove

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