JP2002115194A - ツインワイヤフォーマ - Google Patents

ツインワイヤフォーマ

Info

Publication number
JP2002115194A
JP2002115194A JP2000307542A JP2000307542A JP2002115194A JP 2002115194 A JP2002115194 A JP 2002115194A JP 2000307542 A JP2000307542 A JP 2000307542A JP 2000307542 A JP2000307542 A JP 2000307542A JP 2002115194 A JP2002115194 A JP 2002115194A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wire
raw material
paper
material liquid
blade
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000307542A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Iwata
弘 岩田
Kazuhiko Masuda
和彦 増田
Masanobu Matsumoto
正信 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2000307542A priority Critical patent/JP2002115194A/ja
Publication of JP2002115194A publication Critical patent/JP2002115194A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ツインワイヤフォーマに関し、原料ジェット
の着地調整を容易にするとともに、原料ジェットの着地
に起因した紙欠陥の発生を抑制する。 【解決手段】 2つのワイヤ3,4により抄紙用隙間が
形成され、抄紙用隙間の上流端にワイヤ4が摺接するリ
ードインブレード21が配設されて、紙原料液2をリー
ドインブレード21近傍のワイヤ3,4の収束部にジェ
ット状に噴射して抄紙用隙間に紙原料液2を挟み込んで
移送しながら脱水するツインワイヤフォーマであって、
リードインブレード21のワイヤ摺接面21bの上流側
部分を、上流端に向けて次第に抄紙用隙間を拡大させる
ように傾斜した曲面状に構成し、ジェット状紙原料液2
のワイヤ4への着地点11を、ワイヤ摺接面21b上に
設定し、ワイヤ摺接面21bにワイヤ4側から脱水され
た水分を流出させる水分流出用開口21aを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2つのワイヤ間に
形成された抄紙用隙間に紙原料液を挟み込んで移送させ
ながら脱水して抄紙を行う、ツインワイヤフォーマに関
する。
【0002】
【従来の技術】抄紙機の紙層形成装置としてツインワイ
ヤフォーマがある。このツインワイヤフォーマは、各々
ループ状に形成された2枚のメッシュ状のワイヤをそな
え、紙原料液がこの2枚のワイヤの相互間に挟み込まれ
て走行する間に、種々の脱水機器によって紙原料液から
水分が除去されていき、これによって徐々に繊維マット
が形成され、これが成長して紙匹が形成されていく。
【0003】例えば図4はこのツインワイヤフォーマの
一例を示す模式的な構成図であり、この図に基づいてツ
インワイヤフォーマについて説明する。図4に示すよう
に、ヘッドボックス1内からの紙原料液2が、第1ワイ
ヤ(♯1ワイヤ)3及び第2ワイヤ(♯2ワイヤ)4の
2枚のメッシュ状のワイヤにより図5に示すように形成
されたギャップ(抄紙用隙間)15に向けてジェット状
に噴射されるようになっている。
【0004】なお、第1ワイヤ3はフォーミングロール
16及びガイドロール18等によってガイドされ、第2
ワイヤ4はブレストロール17及びガイドロール19A
〜19C等によってガイドされており、これらのワイヤ
3,4の相互間に抄紙用隙間15が形成されている。紙
原料液2はこの隙間15内を走行しながら紙層を形成し
ていく。
【0005】つまり、上下のワイヤ3,4は、それぞれ
隙間15内の紙原料液2を所要方向(図4中では、上方
向)に移送するように回動し、紙原料液2はワイヤ3,
4とほぼ等速で隙間15内を移動する。また、隙間15
は、走行方向下流に向かって次第に狭められており、隙
間15の上流部のワイヤ3,4の各ループは曲率R状に
配置されている。そして、このような隙間15の上流部
には、第1脱水機器5,第2脱水機器6,第3脱水機器
7が順に備えられて、これらの下流側には、サクション
クーチロール8等が備えられている。
【0006】第1脱水機器5は、第2ワイヤ4の曲率R
のループ内に設けられている。この第1脱水機器5に
は、図5に示すように、複数の脱水ブレート20a〜2
0e(各ブレードを区別しない場合、符号20で示す)
が互いに間隔をあけて設けられており、ボトムワイヤ4
は各脱水ブレート20の頂面に摺接することで、曲率R
のループ状に走行し、紙原料液2を挟んでトップワイヤ
3も略曲率Rのループ状に走行するようになっている。
【0007】紙原料液2は、この曲率Rに近似した曲線
状の隙間に沿って走行する間に、各脱水ブレード20上
でのトップワイヤ3及びボトムワイヤ4の曲率に沿った
折れ曲がりにより発生する脱水圧力によって、両側(上
下の各ワイヤ3,4側)へ脱水が行なわれ(白水と付す
矢印参照)、隙間15内で徐々に繊維マットが成長す
る。なお、各脱水ブレート20a〜20eは、裏面のキ
ー溝を通じて第1脱水機器5の基部に固定されるが、ワ
イヤの幅方向に抜き差し可能になっており、製紙条件等
に応じて、各脱水ブレート20a〜20e毎に交換でき
るようになっている。
【0008】また、第2脱水機器6は、第1ワイヤ3の
曲率Rのループ内に設けられ、詳細は図示しないが、複
数の脱水抑制ブレードをそなえ、これらの脱水抑制ブレ
ードにより第1ワイヤ3側への脱水が抑制され、第2ワ
イヤ4側へのみ脱水が行なわれ、次第に紙匹が形成され
ていく。第3脱水機器7は、サクションボックスとも呼
ばれ、第2ワイヤ3のループ内に設けられている。この
第3脱水機器7及びサクションクーチロール8では、真
空により脱水が行なわれ、さらに、トランスファーボッ
クス(図示略)を経て、形成された紙匹は、第2ワイヤ
4上に移送されて、図示しないサクションピックアップ
ロールによって次のプレスパートへと移送される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ヘッドボッ
クス1から噴射されるジェット状の紙原料液(以下、原
料ジェットともいう)2は、両ワイヤ3,4の隙間15
に向けられるが、詳細には、図6に示すように、第1脱
水機器5の上流端付近の両ワイヤ3,4が収束する部分
の近傍に着地する。
【0010】つまり、両ワイヤ3,4は、第1脱水機器
5の最も上流側の脱水ブレード(これをリードインブレ
ードという)20aの上流端にて互いの隙間15が所定
の距離になるように収束しており、原料ジェット2はこ
の両ワイヤ3,4が互いに収束する部分を目掛けて噴射
され、この結果、原料ジェット2は例えば第1ワイヤ3
に対しては着地点10で第2ワイヤ4に対しては着地点
11で着地する。
【0011】図6に示すように、第2ワイヤ4上の着地
点11は、リードインブレード20aよりも上流に設け
られている。これは、リードインブレード20aがソリ
ッド(開孔なし)の構造であるため、もしもこのリード
インブレード20aの表面上に、原料ジェット2を着地
させると、原料ジェット2の表面に同伴する空気層を除
くことができず、この空気層が、原料ジェット2を乱し
て、紙層の形成を妨げるため、抄紙することができなか
ったためである。
【0012】したがって、必然的に、第2ワイヤ4上の
着地点11は、リードインブレード20aよりも上流に
設けることになるが、走行するワイヤのうち特に裏面に
ブレード等のガイドのない個所でワイヤ上に原料ジェッ
ト2を着地させる場合、原料ジェット2とワイヤ(ここ
では、第2ワイヤ4)とのなす角度β0を大きくする
と、原料ジェット2の着地反力が大きくなりワイヤに撓
みを生じさせ、これにより原料ジェット2の反対面、即
ち、ワイヤ3側の原料ジェット表面の流れに乱れが生じ
るなどによって、紙層の形成を妨げるため、原料ジェッ
ト2とワイヤとのなす角度β0を大きく取ることはでき
ない。
【0013】したがって、両ワイヤ3,4の収束角を小
さくして、原料ジェット2とワイヤとのなす角度β0
小さくすることが必要になるが、このように、原料ジェ
ット2とワイヤとのなす角度β0を小さくすると、原料
ジェット2の方向を僅かに変えただけで、第2ワイヤ4
上の着地点11の位置が大きく変わることになり、着地
点(特に、第2ワイヤ4上の11)の位置調整(すなわ
ち、着地調整)は非常に困難になる。
【0014】そして、もしも原料ジェット2の着地点1
1がリードインブレード20aの表面上になってしまう
と、上記のように原料ジェット2の表面に同伴する空気
層が原料ジェット2を乱して紙層の形成を妨げるため、
例えば、スポティング(エアの巻き込みによって紙の表
面に繊維のない部分が生じる現象)をはじめとした紙欠
陥を発生しやすく、着地調整に時間や熟練を要し大きな
負担になっている。
【0015】特に、原料ジェット2の着地点10,11
は、製紙速度(ワイヤ3,4の速度),紙原料液2の厚み
(ギャップ15),紙原料液2の脱水特性等によって変
化するので、これらの何れかが変わる度に、着地調整を
行う必要があり、着地調整に要する作業負担はきわめて
大きく、慎重に作業をしても、着地点を適切に調整でき
ないおそれもある。
【0016】また、原料ジェット2と第2ワイヤ4との
なす角度β0を小さくすると、この原料ジェット2と第
2ワイヤ4との間に流体楔効果が発生するため、この流
体楔効果によって、原料ジェット2と第2ワイヤ4との
空間に静圧が立ち、原料ジェット2の表面(原料ジェッ
ト2と空気との界面)の乱れを誘発して、上記のスポテ
ィングをはじめとした紙欠陥を生じやすくなる。
【0017】また、第2ワイヤ4上の着地点11をリー
ドインブレード20aよりも上流に設けた場合にも、第
1ワイヤ3上の着地点10は両ワイヤが収束するリード
インブレード20aの上端部分の近傍に位置することに
なり、第1ワイヤ3上の着地点10と第2ワイヤ4上の
着地点11とは、原料ジェット2の流れ方向に差αだけ
ずれることになり、第2ワイヤ4上の着地点11から第
1ワイヤ3上の着地点10まで(差α0の部分)は同時
脱水することができない。同時脱水ができないと、紙の
両面において、紙層表面の同質性を確保することができ
ず、求められる紙品質を確保しにくくなる。
【0018】本発明は、上述の課題に鑑み創案されたも
ので、原料ジェットの着地調整を容易にできるようにす
るとともに、原料ジェットの着地に起因した紙欠陥の発
生を抑制することができるようにした、ツインワイヤフ
ォーマを提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】このため、本発明のツイ
ンワイヤフォーマは、互いに収束して抄紙用隙間を形成
する2つのワイヤと、該抄紙用隙間の上流端に配設され
上記2つのワイヤのうち一方のワイヤが摺接するリード
インブレードとをそなえ、紙原料液を該リードインブレ
ードの近傍の上記2つのワイヤの収束部にジェット状に
噴射して上記の両ワイヤにより該抄紙用隙間に該紙原料
液を挟み込んで移送させながら脱水するツインワイヤフ
ォーマであって、該リードインブレードのワイヤ摺接面
における該紙原料液の移動方向上流側部分が、上流端に
向けて次第に該抄紙用隙間を拡大させるように傾斜した
曲面状に構成され、上記のジェット状紙原料液の該一方
のワイヤへの着地点が、該ワイヤ摺接面上に設定され
て、該ワイヤ摺接面の少なくとも該着地点及び該着地点
よりも該紙原料液の移動方向下流側に、該一方のワイヤ
側から脱水された水分を流出させる水分流出用開口が形
成されていることを特徴としている。
【0020】また、該ワイヤ摺接面に、該紙原料液の移
動方向に沿うように複数の溝が並設されて、該溝が該水
分流出用開口として機能するように構成することが好ま
しい。上記の各溝は、該ワイヤ摺接面の上流端部を除い
て、該ワイヤ摺接面の上流端側の途中から下流端まで形
成されていることが好ましい。
【0021】さらに、上記の各溝の溝深さは、該紙原料
液の移動方向に向けて漸増されていることが好ましい。
また、上記の各溝は、該紙原料液の移動方向に対して傾
斜していることが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施
の形態について説明する。まず、第1実施形態について
説明すると、図1は本発明の第1実施形態としてのツイ
ンワイヤフォーマを示すもので、(a)はそのジェット
状紙原料液の着地点を示す要部の模式的側面図、(b)
はそのリードインブレードの模式的な側面図、(c)は
そのリードインブレードの模式的な正面図である。
【0023】本実施形態のツインワイヤフォーマは、そ
のリードインブレード及びリードインブレードの周辺に
特徴があり、他の部分は従来例と同様に構成されてい
る。つまり、ツインワイヤフォーマの全体構成は、図4
に示すように、第1ワイヤ(♯1ワイヤ)3及び第2ワ
イヤ(♯2ワイヤ)4の2枚のメッシュ状のワイヤによ
り図5に示すように形成されたギャップ(抄紙用隙間)
15に向けて、ヘッドボックス1内からの紙原料液2が
ジェット状に噴射されるようになっており、紙原料液2
はこの隙間15内を走行しながら紙層を形成していく。
【0024】なお、第1ワイヤ3はフォーミングロール
16及びガイドロール18等によってガイドされ、第2
ワイヤ4はブレストロール17及びガイドロール19A
〜19C等によってガイドされ、それぞれ隙間15内の
紙原料液2を所要方向に移送するように回動し、紙原料
液2はワイヤ3,4とほぼ等速で隙間15内を移動す
る。また、隙間15は、走行方向下流に向かって次第に
狭められている。隙間15の上流部には、第1脱水機器
5,第2脱水機器6,第3脱水機器7が順に備えられ
て、これらの下流側には、サクションクーチロール8等
が備えられる。
【0025】第1脱水機器5は、第2ワイヤ4の曲率R
のループ内に設けられ、複数の脱水ブレート(図5参
照)が互いに間隔をあけて設けられ、ボトムワイヤ4は
これらの脱水ブレートの頂面(摺接面)に摺接すること
で、曲率Rのループ状に走行し、紙原料液2を挟んでト
ップワイヤ3も略曲率Rのループ状に走行するようにな
っている。紙原料液2は、この曲率Rに近似した曲線状
の隙間に沿って走行する間に、各脱水ブレード20上で
のトップワイヤ3及びボトムワイヤ4の曲率に沿った折
れ曲がりにより発生する脱水圧力によって、両ワイヤ
3,4側へ脱水が行なわれ、隙間15内で徐々に繊維マ
ットが成長する。
【0026】また、第2脱水機器6は、第1ワイヤ3の
曲率Rのループ内に設けられ、複数の脱水抑制ブレード
をそなえ、前記のように、これらの脱水抑制ブレードに
より第1ワイヤ3側への脱水を抑制し、第2ワイヤ4側
へのみ脱水が行なわせる。第3脱水機器7は、サクショ
ンボックスとも呼ばれ、第2ワイヤ3のループ内に設け
られており、この第3脱水機器7及びサクションクーチ
ロール8で、真空により脱水を行ない、さらに、トラン
スファーボックス(図示略)を経て、紙匹を形成してい
くようになっている。
【0027】そして、両ワイヤ3,4は、第1脱水機器
5の最も上流側の脱水ブレード(これをリードインブレ
ードという)の上流端近傍にて互いの隙間15が所定の
距離になるように収束しており、原料ジェット2はこの
両ワイヤ3,4が収束する部分に着地するようになって
いる。ここで、本ツインワイヤフォーマにおいて第2ワ
イヤ(♯2ワイヤ)4が摺接するリードインブレードに
ついて図1を参照して説明すると、このリードインブレ
ード21では、図1(a),(b)に示すように、その
頂面であるワイヤ摺接面21bが、ワイヤ4側に向けて
緩やかに凸の曲面状に形成されている。つまり、ワイヤ
摺接面21bにおける原料ジェット2の移動方向上流側
部分に着目すれば、上流端に向けて次第に該抄紙用隙間
を拡大させるように(換言すると、上流端に向けてワイ
ヤ4から次第に離隔するように)傾斜した曲面状に構成
され、ワイヤ摺接面21bにおける原料ジェット2の移
動方向下流側部分に着目すれば、下流端に向けてワイヤ
4から次第に離隔するように傾斜した曲面状に構成され
ている。当然ではあるが、この曲面の曲率は、第1脱水
機器5における第2ワイヤ4の曲率Rよりも小さいもの
である。
【0028】そして、原料ジェット2のワイヤ4への着
地点は、ワイヤ4がかかるワイヤ摺接面21bに摺接す
る部分に設定されている。上述のように、リードインブ
レード21のワイヤ摺接面21bが上流端に向けて次第
に該抄紙用隙間を拡大させるように傾斜した曲面状に構
成されているため、リードインブレード21の上流側
で、2つのワイヤ3,4間の距離を拡大させることがで
きる。このため、ワイヤ4のリードインブレード21の
ワイヤ摺接面21b上に摺接する個所に原料ジェット2
の着地点11をコントロールすることが、無理なくでき
るのである。
【0029】また、原料ジェット2の着地点(♯2ワイ
ヤ側原料着地点)11を、ワイヤ4において裏面をリー
ドインブレード21で支持された部分に設定すると、原
料ジェット2の着地によってワイヤに歪が生じにくいの
で、着地点11付近において原料ジェット2とワイヤ4
とのなす角度βを比較的大きく取ることができ、この点
からも、原料ジェット2の着地点11の位置調整が容易
になる。
【0030】また、このワイヤ摺接面21bには、図1
(c)に示すように、原料ジェット2の移動方向に沿う
ような複数の溝21aが並設されている。これらの溝2
1aは、ワイヤ摺接面21bの上流端部分を除いて、ワ
イヤ摺接面21bの上流端側の途中から下流端までにわ
たって形成されており、ワイヤ4側から脱水された紙原
料液2中の水分(白水)を図1(a)中に矢印で示すよ
うに流出させる水分流出用開口として機能するようにな
っている。
【0031】なお、ワイヤ摺接面21bの上流端部分に
は溝21aが形成されていないが、これは、ワイヤ摺接
面21bによってワイヤ4の走行を確実にガイドしてワ
イヤ4に撓みが生じないようにして、ワイヤ4の撓みに
起因した紙欠陥の発生を抑えようとするものである。ま
た、各溝21aの溝深さは、紙原料液2の移動方向に向
けて漸増されており、溝21aはいわゆるフォイル形状
に構成されている。つまり、各溝21aは、上流側の基
点から下流側に向けて次第に深さを増すように形成され
ている。ただし、この実施形態では、ワイヤ摺接面21
bの下流端部分ではワイヤ4は離隔しており、この部分
では、紙原料液2の移動方向に向けて溝深さが漸増しな
くても、各溝21aの底面がワイヤ4から次第に離隔し
ていれば十分である。
【0032】このように、各溝21aを上流側から下流
側に向けて次第に深さを漸増させるのは、溝21aによ
ってワイヤ4の外側に空間ができるため、ワイヤ4とと
もに紙原料液2が移動するとこの溝21aの部分に負圧
が発生する。この負圧は紙原料液2中の水分を流出させ
るのに好適であるが、負圧が急激に作用すると紙原料液
2の表面(空気との界面)に乱れが生じて却って紙欠陥
の発生を招く。そこで、上流側から下流側に向けて次第
に溝深さを漸増させるようにしているのである。
【0033】また、各溝21aは、紙原料液2から脱水
される水分の流路として機能するが、各溝21aの流通
断面積が該紙原料液の移動方向に向けて漸増することに
なり、下流側にいくにしたがって増量する流出水分の量
に各溝の流通断面積を対応させることができるようにな
る。特に、溝21a内が乾くと溝21a内に汚れが付着
しやすくなるが、各溝21a内を流出水分で常に満水に
すれば、これを防ぐことができる。上記のような溝深さ
の設定は、この点を考慮したものでもある。
【0034】なお、負圧の急変防止の観点からは、溝2
1aの基点(上流側端部)における溝21aの底面とワ
イヤ摺接面21bとのなす角度ξも小さなものに設定す
る必要があり、角度ξは、好ましくは10°以下、より
好ましくは5°以下とする。このように、負圧の急変防
止のみ考えれば角度ξは小さい方がよいが、一方で、流
通断面積を確保する必要があるため、角度ξはこれらを
考慮して設定することになる。
【0035】さらに、本実施形態では、図1(c)に示
すように、各溝21aの方向は、紙原料液2の移動方向
に対して所要の傾きθだけ幅方向に傾斜している。これ
は、紙原料液2の水分流出を幅方向に均一に行うことが
できるようにするものである。ここでは、ワイヤ4がワ
イヤ摺接面21b上に接触しながら走行している間に、
ワイヤ4内の紙原料液2の全幅にわたって各溝21aの
何れかの個所で水分流出が行われるにように、設定され
ている。
【0036】具体的に言えば、本実施形態では、各溝2
1aの幅W1と各溝21a間の幅W2とが略等しい大きさ
(例えば3〜4mm程度)に設定され、傾きθは、この
溝間幅W2とワイヤ4のワイヤ摺接面21b上への摺接
長さL1´とについて、次式(1)のような関係に設定
されている。 tanθ≧W2/L1´・・・・・・(1) 傾きθが大きいと、各溝21aの一方のエッジとこれに
摺接するワイヤ4との摩擦が大きくなるので、この面か
らは傾きθは小さい方がよく、傾きθをより小さくしな
がら、紙原料液2がその全幅にわたって溝21aの長手
方向の何れかの位置で溝21aに接触できるようにする
には、tanθ=W2/L1´とすればよい。
【0037】また、本実施形態では、ワイヤ4は、リー
ドインブレード21の下流端部分では、ワイヤ摺接面2
1bに接触していないが、着地点11からのリードイン
ブレード21の下流端までにわたってワイヤ4がワイヤ
摺接面21bに接触するようにしてもよく、この場合、
ワイヤ4のワイヤ摺接面21b上への摺接長さは図1
(c)に示すようにL1となって、傾きθは、次式
(1)のような関係に設定すればよい。
【0038】 tanθ≧W2/L1 ・・・・・・(2) なお、リードインブレード21の裏面には、従来技術と
同様に、第1脱水機器5の基部に固定するためのキー溝
21cが形成されており、第1脱水機器5の基部に対し
て幅方向に抜き差しして着脱できるようになっている。
もちろん、装着時にはワイヤ4の走行方向に確実に固定
される。
【0039】本発明の第1実施形態としてのツインワイ
ヤフォーマは、上述のように構成されているので、次の
ように機能する。つまり、ワイヤ摺接面21bにおける
原料ジェット2の移動方向上流側部分が、上流端に向け
て次第に該抄紙用隙間を拡大させるように傾斜した曲面
状に構成されているので、リードインブレード21の上
流側で、2つのワイヤ3,4間の距離を拡大させること
ができ、ワイヤ4のリードインブレード21のワイヤ摺
接面21b上に摺接する個所に原料ジェット2の着地点
11を設定することが容易になる。
【0040】そして、原料ジェット2の着地点(♯2ワ
イヤ側原料着地点)11をリードインブレード21上に
設定すると、着地点11と原料ジェット2のワイヤ3へ
の着地点(♯1ワイヤ側原料着地点)10との原料ジェ
ット2の流れ方向への差αを容易に小さくできるように
なり、原料ジェット2を着地点から同時脱水できるよう
になり、紙の両面において、紙層表面の同質性を確保す
ることができ、求められる紙品質を確保しうるようにな
る。
【0041】また、原料ジェット2の着地点11をワイ
ヤ4において裏面をリードインブレード21で支持され
た部分に設定すると、原料ジェット2の着地によってワ
イヤに撓みが生じにくいので、着地点11付近において
原料ジェット2とワイヤ4とのなす角度βを比較的大き
く取ることができ、原料ジェット2の着地点11の位置
調整が容易になる。
【0042】特に、原料ジェット2の着地点10,11
は、製紙速度(ワイヤ3,4の速度),紙原料液2の厚み
(ギャップ15),紙原料液2の脱水特性等によって変
化するが、着地点11の位置調整(着地調整)が容易な
ので、これらの何れかが変わっても、容易に対応するこ
とができ、着地調整に要する作業負担が軽減され、これ
にかかる作業時間も短縮され、その上、着地点を適切に
調整できるようになる。
【0043】しかも、原料ジェット2とワイヤ4とのな
す角度βを比較的大きく取ると、原料ジェット2と第2
ワイヤ4との間に流体楔効果が発生しにくくなり、この
流体楔効果に起因して原料ジェット2と第2ワイヤ4と
の空間に生じる静圧も弱まって、原料ジェット2の表面
(原料ジェット2と空気との界面)の乱れが抑制され、
スポティングをはじめとした紙欠陥が生じにくくなる。
【0044】また、原料ジェット2の着地点11がリー
ドインブレード21のワイヤ摺接面21b上になると、
原料ジェット2の表面に同伴する空気層がワイヤ摺接面
21bとの間で原料ジェット2を乱して紙層の形成を妨
げてしまうが、このワイヤ摺接面21bには、原料ジェ
ット2の移動方向に沿うような複数の溝21aが並設さ
れているので、原料ジェット2の表面に同伴する空気層
は、ワイヤ4側から溝21aを通じて脱水された紙原料
液2中の水分とともに流出していくようになり、原料ジ
ェット2は乱れることなく適切に紙層形成が行われる。
【0045】特に、ワイヤ摺接面21bに溝21aが形
成されると、ワイヤ4はこの溝21aの部分で支持を失
いワイヤ4に撓みを生じ易くなるが、本実施形態では、
ワイヤ摺接面21bの上流端部分には溝21aが形成さ
れていないので、このワイヤ摺接面21bの上流端部分
によって、ワイヤ4が確実に支持されて、ワイヤ4に撓
みが生じないようになり、ワイヤ4の撓みに起因した紙
欠陥の発生を抑えることができる。
【0046】また、各溝21aの溝深さは、紙原料液2
の移動方向に向けて漸増されたフォイル形状になってお
り、溝21aの基点(上流側端部)における溝21aの
底面とワイヤ摺接面21bとのなす角度ξも小さなもの
に設定されているので、ワイヤ4及び紙原料液2の移動
時にこの溝21aの部分に適度な負圧が発生するように
なり、紙原料液2の表面(空気との界面)の急激な圧力
変動が抑制されて、紙原料液2の表面に乱れが生じ内容
にすることができ、紙欠陥の発生を抑制できる。
【0047】また、各溝21aは各溝21aの流通断面
積が該紙原料液の移動方向に向けて漸増することにな
り、下流側にいくにしたがって増量する流出水分の量に
各溝の流通断面積を対応させることができるようにな
り、各溝21a内を流出水分で常に満水にする事が容易
になる。溝21a内が乾くと溝21a内に汚れが付着し
やすくなるが、各溝21a内を流出水分で常に満水にす
ることで、これを防ぐことができる。
【0048】さらに、本実施形態では、各溝21aの方
向が紙原料液2の移動方向に対して所要の傾きθだけ幅
方向に傾斜しているので、紙原料液2の水分流出を幅方
向に均一に行うことができるようになる。特に、傾きθ
を、溝間幅W2とワイヤ4のワイヤ摺接面21b上への
摺接長さL1´に対して、前式(1)のように設定する
ことで、ワイヤ4内の紙原料液2の全幅にわたって各溝
21aの何れかの個所で水分流出が行われるにようにな
り、幅方向により均一に、水分流出を行え紙品質を向上
させることができる。
【0049】なお、本出願人は、本実施形態のリードイ
ンブレード21に似た形状の脱水シュー(脱水ブレー
ド)に関する発明をすでに出願している(特願平3−2
50257号)。この脱水シューの表面には、本実施形
態のリードインブレード21と同様に、紙原料液の進行
方向に対して傾斜した溝が複数並設されているが、これ
らの溝は、マシン幅方向において互いに隣接する部分で
の原料圧力プロファイル差を生じさせて、このマシン幅
方向の圧力の高低によって原料中の繊維にマシン幅方向
への圧力を作用させて、繊維のマシン方向への配向度を
下げようとするものであって、本実施形態のリードイン
ブレード21とは、目的,機能がまったく異なるもので
ある。
【0050】ところで、上記の第1実施形態では、各溝
21aの方向が紙原料液2の移動方向に対して所要の傾
きθだけ幅方向に傾斜しているが、脱水はリードインブ
レード21のさらに下流側の脱水ブレード(図5の符号
20b〜20e参照)でも行われるため、必ずしもリー
ドインブレード21により紙原料液2の幅方向に均一に
脱水しなくてはならないというものではない。求められ
る紙品質によっては、リードインブレード21における
脱水条件が、紙原料液2の幅方向に均一でなくてもよい
場合がある。次の第2実施形態はこのような場合に適用
しうるものである。
【0051】ここで、第2実施形態について説明する
と、図2は本発明の第2実施形態としてのツインワイヤ
フォーマを示すもので、(a)はそのリードインブレー
ドの模式的な側面図、(b)はそのリードインブレード
の模式的な正面図である。図2に示すように、本実施形
態のリードインブレード22も、第1実施形態のリード
インブレード21と同様に、頂面側に形成されたワイヤ
摺接面22b,ワイヤ摺接面22bに形成された複数の
溝22a,裏面側に形成されたキー溝22cを備える
が、複数の溝22aは、紙原料液2の移動方向に対して
平行であり、第1実施形態のようには傾きθを有してい
ない。
【0052】本発明の第2実施形態としてのツインワイ
ヤフォーマは、このような構成によって、リードインブ
レード22における脱水条件が、紙原料液2の幅方向に
均一ではなくなるものの、この点を除けば、リードイン
ブレード22を第1実施形態よりもシンプルで加工しや
すいものにしながら、第1実施形態と同様の作用,効果
を得ることができる。
【0053】また、上記の第1,2実施形態では、各溝
21a,22aをリードインブレード21,22の上流
端部分には形成していないが、ワイヤ4が溝21a,2
2aの部分で撓みを生じにくければ、あるいは、ワイヤ
4が溝21a,22aの部分で撓みを生じても支障がな
い場合には、リードインブレードの上流端から下流端に
わたって溝を設けてもよい。この場合、溝の基端(リー
ドインブレードの上流端)からある程度の溝深さに設定
しても負圧の急変は少なく、以下の第3実施形態のよう
な構成も考えられる。
【0054】ここで、第3実施形態について説明する
と、図3は本発明の第3実施形態としてのツインワイヤ
フォーマを示すもので、(a)はそのジェット状紙原料
液の着地点を示す要部の模式的側面図、(b)はそのリ
ードインブレードの模式的な側面図、(c)はそのリー
ドインブレードの模式的な正面図である。図3に示すよ
うに、本実施形態のリードインブレード23も、第1実
施形態のリードインブレード21と同様に、頂面側に形
成されたワイヤ摺接面23b,ワイヤ摺接面23bに形
成された複数の溝23a,裏面側に形成されたキー溝2
3cを備えるが、複数の溝23aは、リードインブレー
ドの上流端から下流端までの全長にわたって設けられ、
しかも、その深さは全長にわたって略均一になってい
る。また、ここでは、複数の溝23aは、紙原料液2の
移動方向に対して平行であり、第1実施形態のようには
傾きθを有していないが、第1実施形態と同様に傾きθ
を有するように設定してもよい。
【0055】本発明の第3実施形態としてのツインワイ
ヤフォーマは、このように構成されているので、第1,
2実施形態と略同様の効果を得ることができる。つま
り、ワイヤ摺接面23bにおける原料ジェット2の移動
方向上流側部分が、上流端に向けて次第に該抄紙用隙間
を拡大させるように傾斜した曲面状に構成されているの
で、リードインブレード23の上流側で、2つのワイヤ
3,4間の距離を拡大させることができ、原料ジェット
2の着地点11をリードインブレード23上に設定する
ことで、着地点11と原料ジェット2のワイヤ3への着
地点10との原料ジェット2の流れ方向への差αを容易
に小さくできるようになり、原料ジェット2を着地点か
ら同時脱水できるようになり、紙の両面において、紙層
表面の同質性を確保することができ、求められる紙品質
を確保しうるようになる。
【0056】また、原料ジェット2の着地点11をワイ
ヤ4に歪が生じにくいリードインブレード21で支持さ
れた部分に設定することで、着地点11付近において原
料ジェット2とワイヤ4とのなす角度βを比較的大きく
取ることができ、原料ジェット2の着地点11の位置調
整が容易になる。そして、原料ジェット2とワイヤ4と
のなす角度βを比較的大きく取ることで、原料ジェット
2と第2ワイヤ4との間に流体楔効果が発生しにくくな
り、この流体楔効果に起因して原料ジェット2と第2ワ
イヤ4との空間に生じる静圧も弱まって、原料ジェット
2の表面の乱れが抑制され、スポティングをはじめとし
た紙欠陥が生じにくくなる。
【0057】また、このワイヤ摺接面23bには、原料
ジェット2の移動方向に沿うような複数の溝23aが並
設されているので、原料ジェット2の表面に同伴する空
気層は、ワイヤ4側から溝23aを通じて脱水された紙
原料液2中の水分とともに流出していくようになり、原
料ジェット2は乱れることなく適切に紙層形成が行われ
る。
【0058】以上、本発明の実施形態を説明したが、本
発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発
明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施すること
ができる。例えば、各リードインブレード21,22,
23のワイヤ摺接面21b,22b,23bは側面視で
曲面状に構成されるが、この曲率を上流端から下流端ま
で一様にしてもよく、着地点11の設定される上流端側
では曲率を小さくして、2つのワイヤ間の距離を拡大し
やすくして、下流端側では曲率を大きく(下流端部が平
面状でもよい)して、ワイヤ4がワイヤ摺接面21b,
22b,23bのより下流端近傍まで摺接するようにし
てもよい。
【0059】また、各リードインブレード21,22,
23に続く脱水プレート(図5の符号20b〜20e参
照)のワイヤ摺接面の形状を各リードインブレード2
1,22,23のワイヤ摺接面21b,22b,23b
と同様に側面視で曲面状に構成したり、及び/又は、各
ワイヤ摺接面に溝21a,22a,23aのような溝を
設けることで、脱水性が向上し、特に、水分の多い上流
側の脱水プレート(リードインブレードに近い脱水プレ
ート)ほど溝の効果は高いため、かかる構成を適用する
のが好ましい。
【0060】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のツインワ
イヤフォーマによれば、リードインブレードのワイヤ摺
接面における紙原料液の移動方向上流側部分が、上流端
に向けて次第に該抄紙用隙間を拡大させるように傾斜し
た曲面状に構成されているので、リードインブレードの
上流側で、2つのワイヤ間の距離を拡大させることがで
き、一方のワイヤがワイヤ摺接面上に摺接する個所にジ
ェット状紙原料液を着地させることが容易になる。そし
て、このように、ジェット状紙原料液の一方のワイヤへ
の着地点をワイヤ摺接面上に設定することで、ジェット
状紙原料液とワイヤとのなす角度を比較的大きくして
も、何ら支障なく紙層形成を行うことができるようにな
り、ジェット状紙原料液とワイヤとの間における流体楔
効果の発生を抑えることができスポティングをはじめと
した紙欠陥の発生を抑制することができる。
【0061】また、ワイヤ摺接面の少なくとも着地点及
び着地点よりも紙原料液の移動方向下流側には、一方の
ワイヤ側から脱水された水分を流出させる水分流出用開
口が形成されているので、水分流出用開口を通じて水分
を流出させながらジェット状紙原料液の表面に同伴する
空気層を除くことができ、この空気層による紙層形成を
妨げが回避され、スポティング等の紙欠陥の発生が抑制
され、所望の紙品質の抄紙を確実に行うことができるよ
うになる。
【0062】また、該ワイヤ摺接面に、該紙原料液の移
動方向に沿うように複数の溝を並設し、該溝を該水分流
出用開口として機能させることにより、上記の水分の流
出及びジェット状紙原料液の表面への同伴空気層の除去
を円滑に行えるようになり、紙層形成の妨げが回避さ
れ、スポティング等の紙欠陥の発生がより確実に抑制さ
れ、紙品質をより向上させることができるようになる。
【0063】上記の各溝を、該ワイヤ摺接面の上流端部
を除いて、該ワイヤ摺接面の上流端側の途中から下流端
まで形成することにより、該ワイヤ摺接面の上流端部の
溝が形成されない部分で、上記の一方のワイヤを確実に
ガイドしてワイヤの撓みを回避しワイヤの撓みに起因し
た紙欠陥の発生を抑えながら、上記の水分の流出及び同
伴空気層の除去を円滑に行えるようにすることができ
る。
【0064】さらに、上記の各溝の溝深を、該紙原料液
の移動方向に向けて漸増させることによって、溝によっ
て生じる負圧の急変を抑制することができ、紙欠陥の発
生を抑えることができる。また、各溝の流通断面積が該
紙原料液の移動方向に向けて漸増することになり、下流
側にいくにしたがって増量する流出水分の量に各溝の流
通断面積を対応させることができるようになる。このた
め、各溝内を流出水分で常に満水にしやすくなり、各溝
内が乾くことで生じやすい各溝内への汚れの付着を防止
することができ、紙品質をより向上させることができる
ようになる。
【0065】また、上記の各溝を、該紙原料液の移動方
向に対して傾斜させることによって、各溝が互いに協働
して該紙原料液の水分流出を幅方向により均一に行うこ
とができるようになり、紙品質をより一層向上させるこ
とができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態としてのツインワイヤフ
ォーマの要部を示す図であって、(a)はそのジェット
状紙原料液の着地点を示す要部の模式的側面図、(b)
はそのリードインブレードの模式的な側面図、(c)は
そのリードインブレードの模式的な正面図である。
【図2】本発明の第2実施形態としてのツインワイヤフ
ォーマの要部を示す図であって、(a)はそのリードイ
ンブレードの模式的な側面図、(b)はそのリードイン
ブレードの模式的な正面図である。
【図3】本発明の第3実施形態としてのツインワイヤフ
ォーマの要部を示す図であって、(a)はそのジェット
状紙原料液の着地点を示す要部の模式的側面図、(b)
はそのリードインブレードの模式的な側面図、(c)は
そのリードインブレードの模式的な正面図である。
【図4】従来のツインワイヤフォーマの構成を示す模式
的側面図である。
【図5】従来のツインワイヤフォーマにおける第1脱水
機器を示す模式的側面図である。
【図6】従来のツインワイヤフォーマにおけるジェット
状紙原料液の着地点を示す要部の模式的側面図である。
【符号の説明】
1 ヘッドボックス 2 紙原料液(原料ジェット) 3 第1ワイヤ(♯1ワイヤ) 4 第2ワイヤ(♯2ワイヤ) 5 第1脱水機器 6 第2脱水機器 7 第3脱水機器 8 サクションクーチロール 10 着地点(♯1ワイヤ側原料着地点) 11 着地点(♯2ワイヤ側原料着地点) 15 ギャップ(抄紙用隙間) 16 フォーミングロール 17 ブレストロール 18,19A〜19C ガイドロール 20a (脱水ブレート) 20b〜20e 脱水ブレート 21,22,23 リードインブレード 21a,22a,23a 溝 21b,22b,23b ワイヤ摺接面 21c,22c,23c キー溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 正信 広島県三原市糸崎町5007番地 三菱重工業 株式会社紙・印刷機械事業部内 Fターム(参考) 4L055 CD08 CE50 FA09 FA11

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに収束して抄紙用隙間を形成する2
    つのワイヤと、該抄紙用隙間の上流端に配設され上記2
    つのワイヤのうち一方のワイヤが摺接するリードインブ
    レードとをそなえ、紙原料液を該リードインブレードの
    近傍の上記2つのワイヤの収束部にジェット状に噴射し
    て上記の両ワイヤにより該抄紙用隙間に該紙原料液を挟
    み込んで移送させながら脱水するツインワイヤフォーマ
    であって、 該リードインブレードのワイヤ摺接面における該紙原料
    液の移動方向上流側部分が、上流端に向けて次第に該抄
    紙用隙間を拡大させるように傾斜した曲面状に構成さ
    れ、 上記のジェット状紙原料液の該一方のワイヤへの着地点
    が、該ワイヤ摺接面上に設定されて、 該ワイヤ摺接面の少なくとも該着地点及び該着地点より
    も該紙原料液の移動方向下流側に、該一方のワイヤ側か
    ら脱水された水分を流出させる水分流出用開口が形成さ
    れていることを特徴とする、ツインワイヤフォーマ。
  2. 【請求項2】 該ワイヤ摺接面に、該紙原料液の移動方
    向に沿うように複数の溝が並設されて、該溝が該水分流
    出用開口として機能することを特徴とする、請求項1記
    載のツインワイヤフォーマ。
  3. 【請求項3】 上記の各溝は、該ワイヤ摺接面の上流端
    部を除いて、該ワイヤ摺接面の上流端側の途中から下流
    端まで形成されていることを特徴とする、請求項2記載
    のツインワイヤフォーマ。
  4. 【請求項4】 上記の各溝の溝深さは、該紙原料液の移
    動方向に向けて漸増されていることを特徴とする、請求
    項2又は3記載のツインワイヤフォーマ。
  5. 【請求項5】 上記の各溝は、該紙原料液の移動方向に
    対して傾斜していることを特徴とする、請求項2〜4の
    何れかの項に記載のツインワイヤフォーマ。
JP2000307542A 2000-10-06 2000-10-06 ツインワイヤフォーマ Pending JP2002115194A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000307542A JP2002115194A (ja) 2000-10-06 2000-10-06 ツインワイヤフォーマ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000307542A JP2002115194A (ja) 2000-10-06 2000-10-06 ツインワイヤフォーマ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002115194A true JP2002115194A (ja) 2002-04-19

Family

ID=18788041

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000307542A Pending JP2002115194A (ja) 2000-10-06 2000-10-06 ツインワイヤフォーマ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002115194A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010059599A (ja) * 2002-08-23 2010-03-18 Metso Paper Inc ツインワイヤ型形成セクション

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010059599A (ja) * 2002-08-23 2010-03-18 Metso Paper Inc ツインワイヤ型形成セクション

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7364643B2 (en) Forming of a paper or board web in a twin-wire former or in a twin-wire section of a former
US4609435A (en) Process and equipment in the forming of paper web
US2881676A (en) Paper or board machine and method
US20070158042A1 (en) Multi-layer web formation section
KR19990036353A (ko) 제지 기계용 롤 및 블레이드 트윈-와이어 간극 성형장치
US3357880A (en) Apparatus for making fibrous webs
JP3181202B2 (ja) 抄紙機ツインワイヤフォーマの脱水機器
JP3664857B2 (ja) 抄紙機ツインワイヤフォーマの脱水機器
JP2002115194A (ja) ツインワイヤフォーマ
US5248392A (en) Sheet-forming apparatus for a twin wire paper machine with positive pulse shoe blades
JPH04222288A (ja) 抄紙機のツインワイヤフォーマ
JP3244911B2 (ja) 抄紙機のツインワイヤフォーマ
JP2003064593A (ja) 抄紙用フォーマ
JPH10292284A (ja) 抄紙機ツインワイヤフォーマの脱水機器
US8529733B2 (en) Twin fabric forming section with multiple drainage shoes
EP1813721B1 (en) Method and equipment for forming of a paper or board web
JP2003064594A (ja) 抄紙用フォーマ
JP4540477B2 (ja) 抄紙機ないし板紙抄紙機のワイヤーセクションの配置
WO2003023137A1 (fr) Dispositif de formage du papier de machine a fabriquer le papier
KR940010026B1 (ko) 제지기의 시트형성장치
JP2008106402A (ja) 抄紙機のオントップフォーマ
JPH0823117B2 (ja) 多層ウエブの形成装置及び多層ウエブの形成方法
JPH05311590A (ja) フォイルブレード
JP2011074531A (ja) 抄紙機のワイヤーパートの脱水装置
JP2001115385A (ja) ツインワイヤフォーマ

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040217