JP2002109679A - 位置情報提供システム - Google Patents

位置情報提供システム

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JP2002109679A JP2000298132A JP2000298132A JP2002109679A JP 2002109679 A JP2002109679 A JP 2002109679A JP 2000298132 A JP2000298132 A JP 2000298132A JP 2000298132 A JP2000298132 A JP 2000298132A JP 2002109679 A JP2002109679 A JP 2002109679A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 様々な人々に、夫々必要な情報を個別に提供
しうる位置情報提供システムを提供する。 【解決手段】 特定エリアにおける旅行者の通路を、通
路上に設置された物理的手段により通路ネットワークを
構成し、通路ネットワークのノード及びターミナルポイ
ントには無線通信アクセスを可能にする情報通信手段を
具備して旅行者に情報提供することができる情報提供シ
ステムが得られる。更に、通路ネットワークのノードと
ターミナルポイント及び旅行者の各々の情報通信手段は
それぞれ個別番号を有していて、その個別番号に対応す
る個別信号が中央処理装置に伝送され、かつ適切に処理
されて旅行者の位置情報データベースが生成され、その
位置情報データベースを活用した旅行者の位置情報提供
サービスがインターネットを経由して旅行者または第三
者に提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、歩行速度で移動す
る旅行者に情報提供をしたり、目的地へ経路案内をする
情報提供システムの構成法に関する。またそのシステム
を利用して、旅行者以外の他者に対して旅行者の位置情
報を提供するサービスにも関する。
【0002】
【従来の技術】日本では、目下急速に高齢化が進展して
いる。それに伴い、社会生活上必要な活動に対し適応性
を欠いたり、対応に時間を要したり、情報不足からくる
戸惑いや動転をもたらすといった人々が増加している。
また、何らかの障害を持つ社会生活上の弱者と言われる
人々に対するバリアフリー化の要求も高まっている。更
に健常者においても携帯電話型情報通信端末を使用して
屋外から各種情報にアクセスできる状況となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現在、
これら様々な人々に、夫々必要な情報を個別に提供しう
る位置情報提供システムはなかった。
【0004】高度情報通信社会の実現の中で、国家的プ
ロジェクトであるITS( Intelligent Transport Sy
stems 高度道路交通システム )においても重要な開発テ
ーマの1つになっている。「歩行者ITS」と通称され
るこのプロジェクトは、IT(Information Technolog
y 情報技術)を活用して歩行者等が安全かつ安心して
移動できる歩行者のための空間を作り、歩行者の環境条
件を向上させる事によって、歩行者の利便性や快適性の
向上、交通事故の減少等の実現を目指している。
【0005】上記プロジェクトでは「歩行者」という言
葉が使用されている。しかし、「歩行者」は、視覚障害
者(A)、聴覚障害者(B)、発声困難者(C)、車椅
子利用者(D)、歩行に時間がかかる人(E)、健常者
(F)、等と多岐にわたっていると捉えるべきであろ
う。そこで、ここでは「歩行者」の代わりに「旅行者」
と呼ぶことにする。上記の如く区分した場合、各区分に
属する旅行者が各人それぞれ利便性や快適性を享受する
ためには、できうる限り各人にとって最良のサービス方
法を実現したい。即ち、「旅行者一人一人に対応できる
システムの構築が必要である」と考えるべきである。し
かもシステムおよび提供するサービスは経済的に実現さ
れ、かつ運用されなくてはならない。システムの実現に
は多くの知恵を集積する必要があるように思われる。特
に、次の3項目については十分な検討必要となる。
【0006】(1)最適な携帯情報端末に何を使用する
か。情報提供や経路誘導を旅行者一人一人に対応しよう
とすれば、各旅行者は携帯情報端末を必要とする。高価
でかつ使い勝手が複雑な端末は旅行者自身にとって経済
的にも、使用面でも大きな負担となる。またこの負担が
旅行者の加入数に制限をもたらすとすれば、システムの
普及やサービスの運用もおぼつかなくなる。旅行者が使
用する情報通信端末を、小型、軽量、安価にしたい。一
般に、旅行者が歩行中に情報提供を受ける限り、一回当
たりの情報量は多くても役に立たないと思われる。でき
れば最も一般的な情報通信端末として広く普及している
携帯電話型情報通信端末を使用することはできないか。
ここで言う携帯電話型情報通信端末とは、NTTドコモ
が提供しているiモードサービスに対応しているものの
類である。そして、視覚障害者には「音声」、その他の
旅行者には音声または表示、もしくは音声と表示の組合
せで実施できれば見通しがたつ。
【0007】(2)旅行者を目的地へ経路誘導する手段
をどのように実現するか。視覚障害者Aは自身の目を利
用して目的地への経路を見つけ出すことはできない。触
覚、聴覚を有効に活用できる手段を提供する必要があ
る。従来から「点字ブロック」を使用してきているが、
これに置き換わる手段があるか。または、「点字ブロッ
ク」をもっと有効活用する方策はないか。加えて、視覚
障害者用の経路誘導は不可避なのだから、他の旅行者に
もその仕組みを利用できるようにシステムを構築し、シ
ステムの価値を高めることはできないか。例えば車椅子
利用者Dの場合や、歩行に時間がかかる人Eには有効に
適用できるものと思われる。車椅子の利用者Dの場合、
視野の中に目的地が入って方角や距離が推定できたとし
ても、段差のないルートを独自で選択することは困難で
あろう。また歩行に時間のかかる人Eの場合も、階段が
少なくしかもゆっくり安心して通れるルートの経路誘導
は有益に思われる。 聴覚障害者B、発声困難者C、健
常者Fにも有益に活用する方法が見つけられないか。
【0008】(3)最適な情報提供の場所の位置精度や
情報提供の方法は如何にあるべきか。個々の旅行者に個
別の情報提供を実現しようとすれば、各旅行者の「位置
の把握」が不可欠である。この位置の把握法も種々の方
法が存在する。それらは測位許容条件、測位精度、ハー
ドウエアの煩雑さ等でそれぞれ特徴がある。どの方式を
採用するべきかの検討が必要である。
【0009】旅行者への情報提供を考えると、一番厳し
く精度が要求されるケースは視覚障害者Aの場合と考え
られる。視覚障害者の場合、触覚と聴覚が頼りである。
情報提供される内容と実際に取得する感覚との間に乖離
が大きいと旅行者は不安になる。この点を解決するには
位置精度に依存する領域が大きそうに思われる。ある存
在物の場所を情報提供することは簡単そうに思えるが、
実際には結構大変である。それにも拘わらず、旅行者へ
の情報提供の主要な部分は、この「存在物の場所」が占
める。
【0010】場所の案内は通常次のようになされる。ま
ず旅行者の身近な所に基準点を決め、そこを起点にして
そこからの方角と、距離の情報を提供する。一例を挙げ
ると、「次のコーナー(起点)を右折(方角)して10
m(距離)先にトイレがあります」のようになる。これ
から分かるように、起点は旅行者から極く近い場所、方
角は「右」、「左」の使用頻度が高い、そして距離は見
通せる距離以内、が望ましいことがわかる。視覚障害者
の場合は「起点」を確実に把握できるような工夫も必要
である。また方角を示すには、旅行者の進行方向も把握
しないといけない。
【0011】一方、場所に関係しない情報、例えばイベ
ント情報や商品の広告宣伝と言った情報は情報提供エリ
ア内の任意の場所で受信しても構わない。旅行者の進行
方向も無関係と考えて差し支えない。
【0012】このように異なるタイプの情報が混在する
システムが実際には必要である。この場合、システムの
構成条件は、厳しい要求を満足させる条件と合致する。
【0013】上記3項目の解決には、関連する領域の知
識を正しく活用する必要がある。主要なものについて整
理する。1つめは、HMI(Human Machine Interfac
e)についてである。HMIは旅行者の区分によって最
適な方法が異なる。図15を利用して個々の区分の最適
なHMIを整理する。HMIとしては、液晶等の「表
示」によるもの、音声(音を含む)によるもの、および
振動(バイブレータ)によるものの3つが現実的な手段
として広く使用されている。これらのHMIは携帯電話
においても普通に使用されているものであり、コスト面
でも妥当なものである。さて、視覚障害者A場合は、当
然の事であるが、「表示」は適用不可である。音声また
は振動が考えられる。聴覚障害者Bの場合は、情報提供
に「音声」の利用はできない。表示または振動を利用す
ることになる。発声困難者C、車椅子利用者D、および
歩行に時間がかかる人Eにおいては、「表示」、「音
声」、および「振動」のいずれにおいても適用可能であ
る。しかし、留意すべきは手や腕を多用途に使用する場
合が多いことである、手や腕の自由度を制限する方法は
避けることが望ましい。健常者Fについては、3つの手
段のいずれも適用可能である。
【0014】次にHMIの手段としての、「表示」、
「音声」、「振動」について説明する。表示は視覚を利
用できるのでHMIとしては多くの情報量を提供できる
利点がある。しかし、多くの情報量を提供するには表示
面に大きさを必要とすることになり、機器が大きく、重
く、コスト高、使用可能時間が短い、携帯性の低下、等
をもたらす面がある。
【0015】音声の場合は、表示の持つ不都合をほぼ一
掃できると考えて良いが、逆に短時間に提供できる情報
量には限界がでる。
【0016】振動の場合は、図15の6区分すべてに適
用できる。旅行者以外の他人におよぼす影響がないので
貴重なHMIになりうるが、次の弱点を持つ。触覚に頼
る振動はエネルギーの消費が大きく、その割には情報の
伝達量が少ない点である。通常は情報の有無、即ち1又
は0の2値の情報提供として利用されることが多い。
【0017】以上のことから、HMIとしては「音声」
と「表示」が旅行者区分に対応して必ず必要であり、
「振動」についてはそれらの補助手段として役立つこと
がわかる。そしてこれらのHMIは通常の携帯電話型情
報通信端末には一般的に使用されているので、携帯電話
型情報通信端末を利用することは可能である。
【0018】2つめは、経路誘導についてである。視覚
障害者Aにとっては経路誘導の重要性が高い。通常、視
覚障害者は杖を使用し、その杖で進行方向の障害物の検
知、通路状態の変化を予知する。したがい杖の先からの
情報を触覚や聴覚を鋭敏にして、また足裏からの情報に
対して触覚を鋭敏にして、入手する。杖を手に持つ関係
から、杖は軽くなくてはならない。目的地への経路の案
内は、既に従来から次の方法が実現されている。即ち、
通路上に設置された図1および図2に示すような点字ブ
ロックの集合体が歩行ルートのガイドラインを構成する
方法である。即ち、点字ブロックという物理的手段によ
り通路を限定して特定し、かつ目的地までの通路をネッ
トワーク化している。但し、個々の目的地を個別に誘導
できる仕組みは備えていないから、その使用法は限定さ
れたものである。例えば、「駅で切符販売機の所在場所
から改札口へ誘導し、更にプラットホームへ誘導する」
といった、分岐のノードっを含まない、線状の経路誘導
路が実現されている。視覚障害者は、この物理的手段の
ネットワークを杖からの触覚や足裏の触覚により検知し
て、ネットワーク上を誘導されて行く。
【0019】この物理的手段の通路ネットワークは旅行
者をそのネットワーク上に拘束する。したがい、旅行者
に最適な場所で情報提供することを容易にする。これは
この方式が持つメリットである。このネットワークをI
Tで武装化すると高度な経路誘導が実現できる。また物
理的ネットワークは肉眼でも確認できる。応用次第で
は、視覚障害者以外でもこの物理ネットワークを利用で
きる。反対に問題点は、この物理的ネットワークが現在
非常に限定された場所にしか設置されていないことであ
る。
【0020】3つめは「音声」の活用法である。「音
声」の利用はシステムや端末機器が経済的に構成でき
る。また、旅行者が端末機器を手に持ち、「表示部」を
見ながら歩行する必要はない。携帯電話型情報端末機を
容易に活用できる可能性がある。しかもハンズフリーマ
イクロフォンとイヤホンのアクセサリーも一般化されて
使用されている。これを使えば端末機器を手に持ちつつ
使用することもなくなるから、旅行者に手の自由度を増
すメリットを提供できる。これらは「音声」利用の大き
なメリットである。この場合、聴覚障害者Bへの情報提
供はできないが、それ以外の旅行者には適用できる。現
在インターネットにおける情報の取得は文字、画像で得
られるものがほとんどである。しかし、旅行者への情報
提供においては「音声」の利用を推進する意義とその効
用はある。
【0021】4つ目は「表示」の活用法である。視力が
利用できる旅行者には「表示」による情報提供ができ
る。携帯電話型情報通信端末は小さい表示画面を有効活
用して効果的な情報提供をしている。この方法を利用す
るのも1つの方策である。また、旅行者に共通でかつ時
間的に情報が変化しないような表示、例えばトイレット
と言ったもの、については適切な場所にその「案内板」
を設置すればば有効に機能する。この方法は経済性の点
でメリットが生かせる可能性がある。例えば、点字ブロ
ックによる通路ネットワークと案内板を組み合わせる方
法もある。一方、「案内板」に相当するものとして、シ
ステムのインフラ側にCRTやプラズマディスプレイの
ような「電子表示装置」を用意することは可能である。
このような手段を活用すると時々刻々変化して行く情報
提供が可能となる。一般に、「表示」においては画像や
動画を提供してその効果を最大化できるが、そのために
は多くの情報量を必要とする。これを無線回線経由で個
々の旅行者に伝送することは、システムの経済性や周波
数の有効利用の観点から一般には馴染まない。しかし、
上述のようにシステムのインフラ側に直接接続するとこ
の問題は容易に解決ことはできる。ブロードキャスト型
として多くの旅行者に効果的な情報提供も可能である。
【0022】5つ目は、旅行者の位置情報の取得法であ
る。旅行者への情報提供は、旅行者の位置情報がトリガ
ーとなって開始される。即ち、ある旅行者の存在場所が
システム内で検知された場合に、システムはその場所の
その旅行者に対して、あらかじめ決められている情報提
供を行う。位置情報の取得には幾つかの方法がある。例
えば、自動車のカーナビゲーションシステムではGPS
(Global PositioningSystem 全地球位置把握システ
ム)が広く普及しているし、PHSにおいては無線基地
局の位置情報を利用する方法が普及している。 GPS
の測位原理についてはオーム社の移動通信ハンドブック
を始め幾つかの説明資料が発行されているのでここでは
触れないが、位置情報としては、GPS端末機の所在す
る場所の絶対測位情報として、その場所の緯度、経度情
報を得ることができる。したがい、この測位情報を旅行
者の位置情報として使用することは可能である。但し、
GPSには次のような不都合も存在する。
【0023】最も普及しているGPS測位法において、
比較的条件が良い場合の測位精度でも精度は10m程度
の誤差を伴う。条件が悪化すれば誤差は拡大する。DG
PS(Differential GPS)を採用すれば精度や感度を向
上する方法も実現できるが、コストアップ要素が増す。
電波伝搬の関係で建物内や地下街等では測位不可能とな
ることが多い。高さ方向の誤差が一般的に大きいため
に、建物において階数の特定は困難が多い。測位演算処
理は消費電力が多く、携帯端末用としては不向きであ
る。コスト面でも不利である。
【0024】一方、PHSで採用している方法は、アク
セスする無線基地局の位置情報(絶対測位)を流用して
いる。それ故旅行者の位置情報としては、実際には誤差
が存在し、その最大値は通信可能エリアの外周までの距
離となる。したがい、100mオーダーの誤差は許容し
て使用せざるを得ない。複数の無線基地局との間の通信
時間差を利用して、位置精度を上げる方法も実用化され
てはいるが、それでも数10mのオーダーの誤差は許容
せざるを得ない。ところで、PHSと同じく無線基地局
の絶対位置を利用する方法のシステムでは、通信可能エ
リアを小さくすることにより無線基地局と旅行者の絶対
誤差は減少して行く。この方法は、既に旅行者の所在が
点字ブロックのような物理的通路ネットワーク上に決ま
っている条件下では、旅行者への情報提供サービスに上
手く利用できる。例えば秒速2m(時速7.2Km)で
歩行する旅行者を考える。この旅行者は高速移動者と考
えて良い。そして、無線基地局の通信可能エリアは半径
10mとする。この時旅行者は無線基地局より10m手
前から通信が可能となる。そして、無線基地局を超えて
通信エリア外に至る迄10秒間程度の通信可能時間を確
保できることになる。実質の通信時間が仮に50%であ
るとしても、十分旅行者に情報提供は可能である。
【0025】6つ目は、旅行者の進行方向検出の必要性
である。旅行者がある地点を通行しているとする。この
時旅行者に情報提供することを想定する。この地点にお
いて、旅行者の進行方向に関係無く情報提供されたらど
うなるだろうか。例えば、「この先を右折すれば5m先
にトイレがあります」と情報提供されたとする。正しく
情報を受け取れる旅行者は問題ないが、反対方向から近
づいて来る旅行者は、全く異なる方向にトイレの所在を
情報提供されてしまう。視覚を使える旅行者にとっては
状況判断から情報提供の不適切さを認識し、トイレを見
つけることはできる。しかし視覚障害者Aは全く混乱し
てしまうであろう。上の例では文中の「右折」に問題発
生の要因がある。しかし、この言い回しはごく普通に使
用されるものであり、もしこれを簡単な言い回しで、し
かも分かりやすい文にしようとすると、なかなか適切な
文が用意できないのである。
【0026】旅行者の進行方向の検出手法には別の方法
も存在する。例えばシステムがある地点を通過した旅行
者の通過時間履歴を管理しているものとする。この場合
は、過去の履歴を参照することにより旅行者の進行方向
を決定できる。時間軸上で通過地点のサンプリングがな
されているからである。しかしこの場合も、厳密に言え
ば、サンプリングにおける分解能以下の旅行者の挙動が
ある場合は、それに対して何らかの対策が必要になる場
合もある。
【0027】7つ目は、周波数の有効利用の観点からの
見方である。無線通信においては、通信回線を確立する
ためにはインフラ側の無線基地局か旅行者の情報通信端
末機のどちらかから相手の存在を確認する作業が必要と
なる。これは電波の発信者がどちらであろうとも、絶え
間なく電波が発射されることを意味する。電波の発射は
間欠的である場合もあるし、連続的な場合もある。周波
数の有効利用の観点から言えば、電波の発射は必要最小
限で有るべきである。他システムへの電波干渉等を考慮
すれば、極力電波発射は少なくしたい。
【0028】まず、インフラ側の無線基地局が絶え間な
く電波を発射する場合を考える。この時は、システム内
の全ての無線基地局が絶え間なく電波を発射し続けるこ
とになる。たとえシステム内に旅行者が一人も存在しな
い時間帯においてもである。今度は、旅行者の携帯型情
報通信端末が絶え間なく電波を発射し続ける場合を考え
る。この時は、旅行者と無線通信が確立できるインフラ
の無線基地局のみが対応すればよい。しかも旅行者は、
一定時間のうちにシステム外に出てしまう可能性もある
し、システム外では電波発射をしないように制御する方
法も考えられる。この場合の難点は、エネルギー使用制
限の厳しい携帯型情報通信端末にエネルギー消費の負担
を増すことである。
【0029】従って、本発明の目的は、情報通信手段を
所有し歩行速度で移動する旅行者に対し、最適な場所で
的確に情報提供および経路誘導ができる銃砲提供システ
ムを提供することである。
【0030】
【課題を解決するための手段】本発明において、特定エ
リアにおける旅行者の通路を、通路上に設置された物理
的手段により通路ネットワークを構成し、通路ネットワ
ークのノード及びターミナルポイントには無線通信アク
セスを可能にする情報通信手段を具備して旅行者に情報
提供することができる情報提供システムが得られる。本
発明においては、通路ネットワークのノードとターミナ
ルポイント及び旅行者の各々の情報通信手段はそれぞれ
個別番号を有していて、その個別番号に対応する個別信
号が中央処理装置に伝送され、かつ適切に処理されて旅
行者の位置情報データベースが生成され、その位置情報
データベースを活用した旅行者の位置情報提供サービス
がインターネットを経由して旅行者または第三者に提供
できる。
【0031】
【発明の実施の形態】図3は特定された地理的および空
間的エリア内における、本発明の必須構成要件をなす通
路ネットワークを示す。この実施例においては、物理的
な通路ネットワークの構成は、通常使用される点字ブロ
ックを使用した場合について説明される。10〜19は
リンク、20〜23はノード、30〜37はターミナル
ポイント、40はターミナルポイント間結合部である。
これらのリンク、ノードおよびターミナルポイントは図
1、図2に示されるような特定形状の点字ブロックの集
合体で形成される。ブロックの表面は両図に示されるよ
うな図形が凹凸によって作られている。図1に示すブロ
ックは通路がまっすぐ延びている場合に使用される。図
2のブロックは通路に変化が生じる場合、例えばノード
が有る場合とか通路が折れ曲がる場合とか或いは階段が
接続している場合等に於いて、旅行者に状態の変化を知
らせるために使用される。即ち、これらは視覚障害者の
通行支援用として通常用いられているものである。ブロ
ックはタイル製、ゴム製、合成樹脂製等のものが通路面
に設置されることが一般的である。
【0032】図4は本発明の必須構成要件をなす情報通
信手段50を示す。ノードまたはターミナルポイントに
設置されるものである。情報通信手段50は個々の情報
通信手段を識別可能とするために、個別信号発生器51
0を具備している。
【0033】図5は情報通信手段50のアンテナ部55
0の構成例である。この構成例はノードに設置される場
合について示している。
【0034】図6は本発明の必須構成要件をなす旅行者
の情報通信手段60を示す。情報通信手段60は個々の
情報通信手段を識別可能とするために、個別信号発生器
610を具備している。
【0035】図7は情報提供システムの実施例について
示す。この図は情報通信システムについて実施例を記載
するものであり、発明の必須要件である通路ネットワー
クは記載されていない。通路ネットワークは図3によ
る。
【0036】図7中の1はインターネットのネットワー
クを示す。M(M>1)個のユーザ端末2(M)はイン
ターネット1に接続されている。N(N>1)個のデー
タ信号伝送路3(N)は中央処理装置7とノード又はタ
ーミナルポイントの無線通信装置5(N)間の双方向通
信を司るケーブルである。図7では無線通信装置5
(N)と同数のケーブルが使用される場合を記してい
る。図形4は無線通信装置5(N)と旅行者の情報通信
端末6(P)とが双方向無線通信されることを示してい
る。無線通信装置5(N)は情報通信手段50と情報処
理装置55を構成要素に含む。情報処理装置55はデー
タ信号伝送路3(N)を介して中央処理装置7のLAN
71に接続される。旅行者の情報通信端末6(P)は情
報通信手段60、情報処理回路62およびHMI(ヒュ
ーマンマシンインターフェース)部63を構成要素に持
つ。旅行者への情報提供はHMI部63を介して実現さ
れる。
【0037】図8は図3の通路ネットワーク上の一部に
おいて、図7の情報提供システムがサービスされる空間
領域201,202,203,301および311を図
示するものである。リンク10,11および12,ノー
ド20、ターミナルポイント30および31は図3のも
のと同一である。空間領域201,202および203
はノード20に、空間領域301はターミナルポイント
30に、空間領域311はターミナルポイント31にそ
れぞれ属している。
【0038】次に、図1〜図8を使用して本発明の実施
例の動作の説明説明する。図3は駅前広場であるとす
る。また旅行者は「視覚障害者」とする。したがい旅行
者は盲人用杖を使用している。杖は一般に盲人が使用し
ているものであり、特別な装置が加えられてはいないも
のである。また旅行者は図6の情報通信手段60を構成
要素とする、図7に示す情報通信端末6(P)を携帯し
ている。
【0039】旅行者が駅前広場に近づいて来て、図3の
ターミナルポイント30に到達する。ターミナルポイン
ト30に設置された図4の情報通信手段50は特定の方
法により旅行者の近接を感知し、前記旅行者の情報通信
手段60との間に通信路を開設する。ターミナルポイン
ト30は図2に示す点字ブロックの集合体で構成され
る。そして、そこから図1の点字ブロックの集合体で構
成されるリンク10が伸びてノード20に至る。情報通
信手段50の構成例としては、次のものがある。ターミ
ナルポイントの側部にポールが設置され、その上部にア
ンテナ550がターミナルポイント近傍を受信可能エリ
アとするように下方に指向性を有して設置される。その
他の構成要素はアンテナと同じ場所でも良いし、別の場
所でも構わない。前記の旅行者の近接を感知する方法の
一例としては、例えば情報通信手段50が一定の時間間
隔でアンテナから電波を発信し、旅行者の情報通信端末
6(P)からの応答の有無を確認する方法がある。
【0040】情報通信手段50と情報通信手段60との
間で通信路が開設されると、情報通信手段50から情報
通信手段60に向けて情報提供が開始される。提供され
る情報の内容は場所の案内に関するものが主体である
が、その他にも催しものの案内や交通機関の運行状況に
関する情報、緊急案内情報等各種ある。どの情報が旅行
者に提供されるかについては、事前のサービス主体との
契約に依存する。この契約に基づくサービスメニュー
は、例えば、視覚障害者A用、聴覚障害者B用、車椅子
利用者D用、健常者F用といったカテゴリーに分かれて
いる。これは旅行者の必要とする情報の提供の仕方には
自ずから違いがあるからである。一例を紹介すると、視
覚障害者用では、駅前広場におけるトイレの場所、バス
乗り場、駅の改札口、横断歩道の場所、階段の有無の報
知といった場所に関する情報にウエートが高く、これを
音声案内する事が望ましいが、聴覚障害者用では同じ場
所の案内でも地図表示によるものが必要となる。車椅子
利用者の場合は音声でも地図表示でも可能であるが、段
差の少ない通路の案内をしようとすれば、音声案内と表
示方式を用いて経路誘導する方が旅行者にとって具合が
良い。健常者においては、場所の案内等の情報は必要最
小限にして、各種イベント情報等を案内することが適し
ている。
【0041】さて、タ−ミナルポイント30の地点で、
情報通信手段から「ここは駅前広場の西口です。ここか
らは駅の改札口、バス乗り場、国道の横断用地下道、公
衆トイレ、駅前交番に道案内が有ります。通路の点字ブ
ロックに沿ってお進み下さい。」の情報を受信する。こ
の情報提供により、旅行者はこの駅前広場の概要につい
て知ることができる。そして、旅行者は杖を使用してブ
ロックをたどりながらリンク10を進みはじめる。旅行
者はやがてノード20に近づくが、その直前にノード2
0に属する空間領域201が存在し、ここで次の情報提
供がはじまる。情報提供の実行方法はターミナルポイン
ト30の場合と同じである。ここでは、「駅の改札口は
右折して20m先に有ります」が受信される。即ちノー
ド20を右折してリンク11に沿って20m行くとター
ミナルポイント31に到着して、駅の改札口に至る。し
たがい、駅に行きたい旅行者はノード20を右折すれば
良い。ターミナルポイント31では、再度改札口の案内
を提供することも可能であるし、改札口が解りやすい場
合には案内が省略されることもある。
【0042】駅に行かない旅行者はノード20をそのま
ま直進して、さらにリンク12をたどり、やがてノード
21に近づく。ノード21における情報提供の実行方法
はノード20の場合と同じである。ここでは、「左折し
て50m先にバスターミナルがあります。乗り場の案内
はバスターミナルでなされます」の情報提供がなされ
る。ターミナルポイント32はバスターミナルに存在す
る。ターミナルポイント32ではバス乗り場の詳しい案
内が提供される。それ故、バスを利用する場合はノード
21を左折する。バスを利用しない旅行者はノード21
を直進しリンク14に沿って進み、ターミナルポイント
33に近づく。ターミナルポイト33の先は階段40が
ある。ターミナルポイント33では、「この先上り階段
があります。段数は20段です。上りきると片町方面に
行けます。交番、公衆トイレへは階段を上って下さい」
の情報提供がなされる。
【0043】以上の説明から、ターミナルポイントは1
つの空間領域を持ち、ノードは接続されるリンク数分の
空間領域を持つことが理解できる筈である。このような
構成法を必要とする理由は、図1の通路ネットワーク上
を歩く旅行者の進行方向を判定するためにある。これに
ついては後で詳しく説明する。
【0044】このように通路上にブロックの集合体で通
路ネットワークを構成し、そのネットワークのノードや
ターミナルポイントで必要最小限の情報を適切に提供す
ることにより、旅行者を不安にすることなしに所望の場
所に案内したり、効果的に情報提供することができるわ
けである。
【0045】今、図1のようなブロックの集合体による
通路ネットワークが無くて、通信手段による情報提供の
みが駅前広場の幾つかの場所で行われたと想定する。確
かに情報は提供されるから、広場の概要は知ることはで
きる。しかし肝心の行き先へ誘導する手段がないので、
どう行動すべきかが明確にならず、旅行者は不安になる
ことは明白である。以上説明したように、この発明は上
記の不都合を解決し、的確に旅行者に経路誘導をしたり
情報提供をすることができる。
【0046】さて、今まで旅行者は視覚障害者であると
して説明してきた。確かにそれ以外の旅行者は自分の視
力を用いて周辺の状況を判断できる。今まで述べて来た
ような通路ネットワークは絶対必要な設備ではない。し
かし、視覚障害者用に用意されたこの通路ネットワーク
は、その基本的構成法が理解されると他の旅行者にとっ
ても有効である。それは点字ブロックが視力でも確認で
きることによる。例えば視覚が正常な人の場合において
も不慣れな場所においては視野が狭くなりがちである。
仮に100m先が良く見える人であったとしても、10
m先の「トイレ」を瞬時に見つけることは結構難しい。
なぜならば、「トイレ」の表示は一般には小さい見難い
ものであるし、また形状が一見してそれとわかる特徴で
ももっていない限り特定することは難しい。その近くま
で足を運んで確認する必要がでるのである。ましてや夜
のように視界がきかない時は視覚障害者と同様に考える
方が正解である。このような場合、路上の点字ブロック
をたどれば目的地に到達できると言う知識を旅行者が獲
得できれば、この点字ブロックはほとんどの旅行者にと
って優れた経路誘導機能を発揮する。この場合には、視
覚障害者以外の旅行者用として、ターミナルポイントや
ノードに音声案内の代わりに案内板を設置することもで
きる。
【0047】続いて、ここでは前述の実施例に使用され
る、情報通信手段について説明する。図4はノードまた
はターミナルポイントに設置される情報通信手段50で
ある。情報通信手段50は、送信信号入力端子501,
個別信号発生器510,送信信号合成器520,変調器
530、送信出力部540、アンテナ部550、増幅器
560、復調器570、受信信号合成器580、受信信
号出力端子502およびアンテナ切替スイッチ制御信号
入力端子503を主要構成要素としている。送信信号入
力端子501は旅行者に情報提供するための信号の入力
部である。信号は入力端子501に接続している情報処
理装置55から送られてくる。個別信号発生器510
は、この発生器が組み込まれる情報通信手段50に固別
番号を付与するために用意される。個別番号は2進法に
よる特定の数値を選択する方法が採用される。例えば2
進法で10桁の数字が選択できるようにすれば、102
4通りの異なる個別番号をつくることができる。20桁
では実に百万以上の個別番号をつくれることになる。今
仮に特定の個別番号を付与された情報通信手段50が駅
前広場のターミナルポイント30、即ち「駅前広場の西
口」に設置されたとすると、この「駅前広場の西口」と
「個別番号」は一対一の対応を持つことになる。したが
って個別番号に対応している個別信号を管理すれば、容
易に場所を特定することができる。
【0048】送信信号合成器520は入力端子501か
らの入力信号と個別信号発生器510の信号出力を合成
して送信信号を作成する。また、送信信号合成器520
では旅行者の情報通信手段60がこの情報通信手段50
の信号を受信する際に信号同期が取りやすくなるように
プリアンブル信号を付加する機能も有する。送信信号合
成器520の出力信号は変調器530に送られ、送信出
力部540を経由してアンテナ部550から電波として
発射される。この時、情報通信手段50の送信部は一定
周期の間欠送信機能を有していて、同一の情報が繰り返
して送信されている。このための制御信号は55の情報
処理装置でつくられ、入力端子503に入るアンテナ切
替スイッチ制御信号を利用して実施される。
【0049】ところで図8に示すように、ターミナルポ
イント30において情報提供システムがサービスされる
空間領域301は1つである。したがい図4のアンテナ
部は図5の構成より簡略化可能である。即ちアンテナ素
子556の配置箇所は1カ所で良いからアンテナ切替ス
イッチ554は不要であり、アンテナ素子556は接続
用ケーブル555を介して直接アンテナデュープレクサ
553に接続することができる。このようにターミナル
ポイントではアンテナ切替スイッチを不要とできる場合
が多い。但し入力端子503からのアンテナ切替制御信
号は間欠送信の制御も担当するので省くことはできな
い。
【0050】一方旅行者の情報通信手段60は図6に示
されている。信号入力端子601は端末側の情報処理回
路62からの信号入力部である。情報処理回路62から
の信号は、旅行者が中央処理センターに対し何かの情報
をリクエストしたい場合等に発生する。旅行者が単に情
報提供のみを期待している場合には入力端子601への
信号入力はない。個別信号発生器610はこの旅行者の
情報通信手段60に個別番号を付与するためのものであ
る。個別信号発生器610の機能は情報通信手段50に
おける個別信号発生器510と同一である。送信信号6
20,変調器630、送信出力部640、およびアンテ
ナ部650については、それぞれ前述の情報通信手段5
0のものと同一の機能を有しているが、形状寸法、重量
等は携帯性を優先する関係で異なる場合もある。
【0051】さて、図4のアンテナ部550から発射さ
れた電波は図6のアンテナ部650でキャッチされる。
受信波は増幅器660で増幅され、復調器670で復調
される。復調された受信信号は受信信号合成器680で
先の個別信号発生器610の出力と合成され信号出力端
子602を経由して情報処理回路62に送られる。この
時信号出力端子602を経由する信号には、情報通信手
段50の個別信号、情報通信手段60の個別信号、旅行
者への提供情報が含まれている。
【0052】もう一つ必要な機能がある。情報通信手段
60は情報通信手段50からの信号が完全に受信できた
場合に、自己の所有する個別信号を相手側の情報通信手
段50を経由して情報処理装置55に返答する必要があ
る。何故ならば、情報処理装置55はこの個別信号を中
央処理装置7に伝送し、中央処理装置7から提供すべき
情報のメニューの指示や情報提供の有無の指示等を受け
るからである。また、後述の位置情報提供サービスを実
現するためにも、情報通信手段60の個別信号を入手
し、中央処理装置7に伝送する必要がある。
【0053】この情報通信手段60の個別信号は個別信
号発生器610で作られ、送信信号合成器620,変調
器630、送信出力部640を経由してアンテナ部65
0から情報通信手段50に送り返される。アンテナ55
0で受信された情報通信手段60からの電波は増幅器5
60,復調器570を経由して受信信号合成器580に
至る。受信信号合成器では個別信号発生器510の信号
が合成される。かくして信号出力端子502を経由する
出力信号には、情報通信手段60の個別信号、情報通信
手段50の個別信号、および必要に応じて情報通信端末
6から入力された旅行者のサービス要求情報が含まれ
る。そしてそれらは情報処理装置55に伝送される。こ
の一連の信号送出、受信制御は情報通信手段50が主導
権を持って実行する。
【0054】尚ここまでは、システムが正常に機能する
場合について説明してきた。しかし現実には機能の低下
を避けるための対策が必要である。特に次に説明する2
項目を解決しておかなければならない。2項目とも情報
提供システムがサービスされる空間領域において無線通
信方式が使用されることに起因するものであり、システ
ム稼働の高信頼性を確保するためには、対策が必要であ
る。1番目は、空間領域間の相互干渉問題が発生する場
合の対策である。2番目は、情報提供システムがサービ
スされる空間領域に複数の旅行者が存在する場合の対策
である。両者とも、しかるべき技術を採用して解決でき
るが、その説明は本特許に直接関わることではないので
省略する。
【0055】さて、具体的な情報通信システムにおける
通信方式について説明する。このような情報提供システ
ムは社会のインフラとして便利なサービスを提供しうる
ものであるが、旅行者は携帯型の情報通信端末6(P)
を少なくとも必要とする。その際、旅行者は大きく、重
く、操作が複雑な端末を携帯することには抵抗を感じて
しまう。できる限りシンプルな情報通信端末を実現すべ
きである。まず、情報通信手段50および情報通信手段
60について考える。ここには次の3通りの方法が現実
に適用できる。1番目はブルートゥースの採用である。
小型、軽量、安価という面では優れている。2番目はI
TSで使用されるDSRCを活用する方法である。これ
は5.8GHz帯の高周波を使用するので機器を小型化
し易いことに加えて、多くの車載搭載用機器が市場に出
回るので部品の共用化等による経済的な効果を得ること
ができる。3番目はPHSのアドホック通信を活用する
ことである。アドホック通信は通信料を無料とする可能
性があり、かつそのPHS端末を公衆通信用としても併
用できる可能性を有するからである。
【0056】前述の実施例において、旅行者はターミナ
ルポイントやノードにおいて適切な情報提供が受けられ
ると説明した。例えば、ターミナルポイント30におけ
る、「ここは駅前広場の西口です。ここからは駅の改札
口、バス乗り場、国道の横断用地下道、公衆トイレ、駅
前交番に道案内が有ります。通路のブロックに沿ってお
進み下さい。」や、空間領域201における、「駅の改
札口は右折して20m先に有ります」と言った情報提供
である。しかしこれらの情報提供内容は、旅行者がサー
ビス主体と契約するサービスメニューによって異なる。
また「駅の改札口は右折して……」と情報提供するの
は、配信する情報量を少なくしつつ、かつ旅行者が理解
し易い方法として極めて日常的に使用される方法である
が、「旅行者の進行方向」が把握されていなければ実現
できないことは明白である。これらのことから情報提供
サービスは、旅行者に対して、個別対応する仕組みが必
要である。これを可能とするために、情報通信手段50
と情報通信手段60が固有の番号を所有する。その固有
番号を中央処理装置7に伝送するために、それぞれが個
別信号発生器を具備することは既に説明した。またノー
ドに接続されるリンクにそれぞれ空間領域を設置するこ
とも述べた。ここではこの実施例を具体的に説明する。
サービスは図7における中央処理装置7と情報処理装置
55および情報通信手段50の協調によって実現され
る。
【0057】まず中央処理装置7が管理すべきものにつ
いて示す。それらは管理すべきエリア内の各ターミナル
ポイントの固有番号(または個別信号)C1、各ノード
の固有番号(または個別信号)C2、各ノードにおけ
る、情報提供システムがサービスされる空間領域の構成
(またはアンテナの配置)C3、各情報提供システムが
サービスされる空間領域において、隣接する情報提供シ
ステムがサービスされる空間領域C4、旅行者の契約し
ているサービスメニュー区分C5、旅行者の情報通信手
段60が特定の空間領域を通過した時間記録C6、等で
ある。
【0058】次に情報処理装置55が管理するものは、
所属するターミナルポイント又はノードにおいて情報提
供サービスすべきコンテンツJ1、付近の地図表示用デ
ータJ2、等がある。
【0059】実施例について、図8の通路ネットワーク
を利用して説明する。今旅行者がターミナルポイント3
0に左側から近づいてくる。空間領域301に入ると無
線通信装置5(N)の主導で旅行者の情報通信端末6
(P)に対し無線回線確立の手順がなされ、確立後に旅
行者の情報端末6(P)の情報通信手段60からの個別
信号が無線通信装置5(N)を経由して中央処理装置7
に伝達される。中央処理装置7ではサーバ72がデータ
ベース73を参照しながら、情報通信手段60の個別信
号を検索して旅行者を特定する。旅行者が特定できた場
合は、旅行者があらかじめ契約済みのサービスメニュー
にしたがって情報提供するように無線通信装置5(N)
の情報処理装置55に指示を出す。これによって旅行者
は情報提供サービスが受信できる。同時にサーバ72
は、旅行者がタ−ミナルポイント30に到達した時間と
して、個別信号到達時の時間をデータベース化する。一
方、サーバ72が旅行者を特定できない場合もある。そ
の際は、「一定時間無線回線を遮断する」ように情報処
理装置55に指示を出し、情報処理装置55は情報通信
装置50を制御して無線回線を遮断する。説明でわかる
ように、ターミナルポイントやノードに関する固有の情
報コンテンツは情報処理装置55に収容されている。し
かしコンテンツのメンテナンスは作業効率の関係から中
央処理装置7で実施される。
【0060】さて、旅行者はリンク10を経由してノー
ド20に属する空間領域201に達する。ここでも、ノ
ード20の無線通信装置5(N)の主導で無線回線確立
の手順がなされる。ノード20の無線通信装置5(N)
がターミナルポイント30のものと異なるところはアン
テナ部である。ノード20ではリンク毎にアンテナを設
置して、これらのアンテナを時分割で利用しながら回線
の確立を図る。したがい、旅行者が空間領域201にお
いて無線通信確立がなされると、空間領域301の場合
と全く同様のプロセスが実行される。但し、ノードにお
いてはアクセスポイントと異なるプロセスが存在する。
ノード20のどのアンテナで旅行者と無線回線確立をし
たかをデータベース化する必要があるからである。ま
ず、「空間領域201のアンテナを使用して無線回線が
確立されたこと」を中央処理装置7に伝達する。中央処
理装置7はこの情報をデータベース化する。続いて、中
央処理装置7は「直前に無線回線が確立した場所」をデ
ータベースより検索する。この事例ではターミナルポイ
ント30で有ったことがデータベースより判定される。
中央処理装置7はこの2つのデータベースから、「旅行
者はノード20に近づいている」と決定する。この結果
を中央処理装置7は無線通信装置5(N)の情報処理装
置55に伝達し、かつ「情報提供」の指示をだす。かく
して旅行者は空間領域201においてノード20の関連
情報を受信できる。情報提供が完了すると無線回線は自
動的に遮断される。そして一定時間経過後に、また無線
通信装置5(N)の主導のもとに同じプロセスが繰り替
えされる。この「繰り返し」は空間領域を旅行者が通過
する間に2回程度に設定される。そして必要な回数の繰
り返しを完了すれば、情報提供は最早実行されない。こ
の様な判断処理は情報処理装置55が全て担当する。
【0061】やがて旅行者はノード20に到達する。そ
してそこで右折してターミナル31、即ち「駅の改札
口」に向かう。今度は間もなく空間領域202に達す
る。ここでも無線回線確立のプロセスが空間領域201
の場合と全く同様に行われる。無線通信確立のプロセス
が完了すると、旅行者に情報提供が開始される。ここで
は「このルートは駅の改札口へ通じています」と案内さ
れる。旅行者が駅の改札口へ向かっている場合は、旅行
者は安心して進んでいくことができる。
【0062】ところで、旅行者が通路を間違えてしまっ
た場合についてはどうなるだろうか。空間領域202で
受信した情報から、旅行者が通路を間違えたと判断した
と仮定する。この時旅行者は2つの行動パターンをとる
ことが考えられる。1つはそのままターミナルポイント
31まで進んでから間違いを確認して、再度同じルート
を引き返してくるパターンである。この場合は再度空間
領域202に今度は逆方向から進入してくる。この場合
は一度空間領域311を経由しているので、空間領域2
02では「旅行者はノード20に向かって来る」と中央
処理装置は判定する。したがって、それに適した情報提
供をすれば良い。もう1つのパターンは空間領域202
の情報提供内容を聞いて間違いに気づき、すぐに反転し
て来たルートを引き返す場合である。この場合は残念な
がら情報提供による救済処置はない。しかし、一般に空
間領域202はノード20の近傍にあるので通路ネット
ワークを頼りに戻ることになる。そしてノード20にお
いて左右どちらかに進路を選択する。結果として、次に
情報提供を受けることができる場所は空間領域201か
空間領域203になる。
【0063】以上述べたように旅行者が通路ネットワー
ク上の幾つかの空間領域で自動的に情報提供を受けられ
るこのシステムでは、中央処理装置7において、特定の
旅行者が通過した空間領域(ターミナルポイントおよび
ノードに属する)を時系列的にデータベース化すること
ができる。これは旅行者の時系列的歩行履歴を離散的に
提供できることを意味する。
【0064】続いて、旅行者の位置情報提供サービスに
ついて説明する。図7の情報通信手段50および旅行者
の情報通信手段60は前述の如くそれぞれ個別信号発生
器を具備している。しかもそれらの発生器からの個別信
号は前述の如く情報処理装置55を経由して中央処理装
置7のサーバ72に集められる。サーバ72では、旅行
者の情報通信手段60の個別信号がどの時刻に中央処理
装置7に届いたかを管理し、データベースを作成してデ
ータベース73として保管、管理している。勿論データ
ベース記憶容量には限界があるので、一定の時間を経過
したデータについては廃棄する場合もある。またサーバ
72は旅行者の情報提供手段60の個別信号を、登録リ
ストと照合して提供すべきサービスメニューを決定し、
情報処理装置55に通知する。
【0065】位置情報提供サービスは次のように実施さ
れる。今情報取得希望者がユーザ端末2(M)を起動し
て、インターネット1を経由して中央処理装置7にアク
セスする場合を考える。中央処理装置7はセキュリティ
ー対策を十分にしているので誰でも接続できる訳ではな
いが、特別のアクセス許可を得ている者は接続される。
そしてルータ74、LAN71を経由してサーバ72に
アクセスできる。データベース73より旅行者のデータ
ベースを検索し、適切な処理を要求することにより、ユ
ーザ端末2の情報取得希望者は特定の旅行者の旅行履歴
を入手する事ができる。したがい、中央処理装置7を運
営する企業がこれを有料サービスとして事業化すること
ができる。
【0066】さて、実際に位置情報提供サービスを事業
化しようとすればコンテンツの提供の仕方がユーザに許
容されなくてはならない。例えば、地図上に経路履歴を
時系列的に連続表示すると効果的な場合もあるし、単に
現在位置を地図上に表示するだけの方法が良い場合もあ
る。また、地図表示は不要で、位置の緯度経度情報の提
供が期待される場合もある。これらのユーザニーズに対
して、前述のデータベースを使用しながら付加価値の高
いコンテンツを作成して行くためには、中央処理装置7
以外の設備として、更にサーバ群や各種データベースが
必要になる。それらの設備は中央処理装置7のLAN7
1に接続することでシステムを構築することができる。
【0067】本実施例の効果は次の通りである。
【0068】旅行者への情報提供システムとして、的確
な経路誘導システムを構成できる。それは 路上に点字
ブロックによる通路ネットワークを構成して経路誘導を
明確化し、しかもその要所に於いて簡潔かつ的確な情報
提供を可能にするからである。
【0069】通路ネットワークのターミナルポイントや
ノードにおける情報通信手段(50)および旅行者の情
報通信手段(60)がそれぞれ固別番号を所有し、それ
らに対応する個別信号を中央処理装置で適切に処理およ
び管理することによって、旅行者の旅行履歴を把握する
事ができる。これは旅行者以外に対し、旅行者の位置情
報の提供を可能にする。
【0070】システムの構成法は地下街や建物内部にも
容易に適用可能である。それ故旅行者の位置把握に電波
の到来時間を利用して測位をする方法、例えばGPSを
利用する方式や携帯電話システムを利用する方法に比較
して、適用エリアを拡大できる。
【0071】情報通信手段として今後の普及が期待され
ているブルーツースやDSRCを活用できる。また、P
HSの場合はアドホック通信を利用すれば、1台のPH
S端末機で情報提供システムと公衆通信用端末機を兼ね
ることができ、経済的なシステム構築ができるのみなら
ず、旅行者の端末機器携帯の負担を軽減する。
【0072】尚、本発明の重要な部分を占める物理的な
構成の通路ネットワークについて、この実施例では、通
常使用される点字ブロックを使用して説明した。しか
し、点字ブロック以外でも、聴覚、触覚および視覚に作
用する手段を用いて物理的な構成の通路ネットワークが
構成される限り、発明の効果が損なわれるものではな
い。
【0073】他の実施例1:前述の実施例においては、
旅行者の検出法としてターミナルポイントやノードの無
線通信装置5(N)の情報通信手段50が適当な時間間
隔で図8の空間領域内に電波を発射して、旅行者の情報
通信端末6(P)からの応答を検出する方法がとられて
いる。
【0074】ここに示す実施例は、無線通信装置5
(N)が移動物体検出装置56を具備して、これにより
図8の空間領域内に移動物体が存在するか否かを検知す
る。そして移動物体の存在するときのみ電波を発射す
る。即ち、電波の絶え間ない発射を減少させて周波数の
有効利用をはかり、またシステム内外の電波混信等を防
ぐ対策をしている。この部分が前述の実施例に付加され
たところであり、本発明の一端を担っている。またこの
付加された部分は旅行者の進行方向を検知する手段も兼
ねている点も発明に含まれる。
【0075】前述の実施例では、図7の無線通信装置5
(N)の情報通信手段50と旅行者の情報通信端末6
(P)の情報通信手段60との間の無線通信回線確立方
法は単純である。即ち、ターミナルポイントやノードの
空間領域において、情報通信手段51が一定の時間間隔
でアンテナから電波を発信し、その応答の有無を確認す
る方法である。この方法はシステムがシンプルに構築で
きるので、ETC(自動料金収受システム)等にも採用
されている。しかしこの方法は旅行者の有無に関わらず
一定時間間隔で電波を発射するため、旅行者の通過頻度
が低い場合は、貴重な周波数資源を浪費する欠点を持
つ。そこで、この欠点を改善するために、例えば無線通
信装置5(R)が特定の手段によりターミナルポイント
やノードの旅行者を検出する方法を導入する。
【0076】さらに、旅行者に最適な情報をターミナル
ポイントやノードで実施するためには、旅行者の進行方
向を正しく把握することが必要である。前述の実施例で
は情報処理装置55が全て判定処理を担当しているが、
これは情報処理装置55の計算処理負荷を重くする。こ
の負荷を軽減するために、図9の移動物体検出装置56
を導入して、移動物体の検出と、その移動物体の進行方
向を検知する手段を実現するものである。
【0077】この時の情報提供システムの実施例を図9
に示す。図9において無線通信装置5(N)は移動物体
検出装置56を具備している。それ以外のシステム構成
要素は前述の実施例と同一である。
【0078】移動物体検出装置56の構成法は種々の実
現方法が考えられるが、いずれの方法においても重要な
ことは、移動物体の進行方向を特定できる機能を有する
ことである。
【0079】図10に実施例を示す。本図は通路ネット
ワークのリンク10を上部から見下ろした場合のもので
ある。リンク10の空間領域201内に移動物体検出装
置56が設置されている。移動物体検出装置56は遠赤
外線放射デバイス561、遠赤外線感応ダイオード56
4および565、検出回路566、および出力端子56
7を主構成要素にしている。また、遠赤外線感応ダイオ
ードはリンク10にほぼ平行する水平線上に配置されて
いる。遠赤外線放射デバイス561はリンク10をはさ
んで遠赤外線感応ダイオード564および565と対向
して設置される。遠赤外線を利用するのは、太陽光の影
響を受けにくいこと、発光が目に見えないことから周辺
におよぼす影響がないこと、の理由による。このような
配置とすることにより、リンク10に沿って物体が存在
しない場合は、遠赤外線562および563はそれぞれ
遠赤外線感応ダイオード564および565に到達す
る。一方仮りに物体が移動してきて、遠赤外線を遮断し
た場合には遠赤外線感応ダイオードは遠赤外線を感知で
きない。この状態変化をダイオードの電流変化で捉える
ことで遠赤外線遮断物体の有無を検出できる。遠赤外線
感応ダイオードを2個適当な間隔を開けて設置する理由
は次の理由による。今、例えば移動物体がリンク上を左
から接近してくるものとする。この時は左側に設置され
たダイオード564がまず遠赤外線を検出不能となる。
続いてダイオード565が同様な結果となる。その後こ
の領域を移動物体が通過し終わると全てのダイオードは
再び遠赤外線を検出出来るようになり、最初の状態に復
帰する。ところで、今度は反対方向から移動物体が通過
する場合を考えてみる。その時はダイオードは右側のダ
イオード565から遠赤外線の検出が不能となり、つい
でダイオード564が不能となる。これらのダイオード
の時系列的な遠赤外線検出不能結果を検出回路566で
処理をすると、移動物体の有無および移動方向を検出す
る事が出来る。出力端子567はこの検出結果を無線通
信装置5(N)の情報処理装置55に送るために用意さ
れている。以上説明したようにこれは移動物体の検出装
置であり、旅行者だけを検出しているわけではない。し
かし、無線通信装置5(N)が一定周期で電波の放射を
繰り返す場合と比較すれば、その電波放射頻度を軽減で
きるし、また移動物体として検出される中に旅行者が含
まれるので、前述の実施例と同じく旅行者に対し無線回
線を確立できる。
【0080】さらにその時の旅行者の移動方向を検出し
ているために、ノードにおける適切な情報提供が行え
る。一方、移動物体を検出して、無線通信装置5(N)
が無線回線の確立の手順に入ったとしても、もし移動物
体が旅行者でない場合は旅行者側からの無線応答が帰ら
ないので無線回線確立は成功しない。
【0081】しかし、この方式が旅行者の進行方向を完
全に判定することはできない。それは空間領域に旅行者
は存在しているが、移動物体として移動物体検出装置を
動作させたのが旅行者以外で有る場合に発生する。この
時の問題解決法を説明する。この場合2つの状態が存在
する。1つは同一空間領域に存在する旅行者と移動物体
が同じリンク上を同一方向に進む場合であり、他の1つ
は反対方向に進む場合である。まずは同一方向に進む場
合について説明する。この時移動物体検出装置は両者に
対し時系列的に反応する。そして無線通信装置5(N)
に対し移動物体の存在を知らせる。それ故、この時旅行
者の通信端末は無線通信装置5(N)と2回通信をする
事になる。これをそのまま放置しても特に不都合ではな
いが、旅行者は同じ情報を繰り返し受け取ることにな
り、できればこれを避けたい。これを避ける手段を移動
物体検出装置56で実現することは難しい。そこで無線
通信装置5(N)の情報処理装置55の判断を利用する
ことが考えられる。情報処理装置55が旅行者の直近の
履歴を参照して判断する方法がある。即ち同じ空間領域
を同じ個別信号を持つ旅行者の情報通信端末が同一方向
に2回進行すると判断できたら、2回目の情報提供を実
行しなければ良いのである。
【0082】次に、旅行者と移動物体が同一空間領域内
を反対方向に進路を取っている場合について説明する。
この時は旅行者以外の移動物体が旅行者とは反対方向に
進路をとっているために、移動物体検出装置56は、旅
行者が移動物体と同じ方向に進んでいると判定してしま
う。したがい、この判定にも関わらず正しく旅行者に情
報提供しようとすれば、前例と同様、情報処理装置55
が旅行者の直近の履歴を参照して判断する方法が採用さ
れる。そして旅行者の進行方向が正しくないと判定した
場合は情報提供は行わない。この無線通信回線確立はシ
ステムが自動的に行うので、旅行者は何も関与しない状
態で実行される。
【0083】ここまではノードの近傍におけるリンク上
での移動物体の検出について説明した。同様な移動物体
の検出はターミナルポイントにおいても必要である。こ
の場合の実現方法はノードの例から容易に発想できる。
例えば図8におけるターミナルポイント30において説
明する。ターミナルポイントの場合はノードの場合と異
なり分岐するリンクは存在しない。関わり合うリンクは
ただ1つである。したがいそのリンク上で前述の移動物
体検出装置を設置すれば、移動物体の有無およびその進
行方向を検出できるわけである。
【0084】更に別の移動物体検出法の事例を説明す
る。図8に示されているそれぞれの空間領域を動画撮影
装置でモニターして物体を撮影する方法である。そして
撮影された画像に対し、画像処理技術を用いて移動物体
の有無を検出し、移動物体を認知した時には無線通信装
置5(N)を起動して通信路を開設するものである。こ
の時、画像処理において移動物体の進行方向を検出する
こともできる。この機能は前述の赤外線ダイオード利用
の方式と同等である。検出結果を無線通信装置5(N)
に送って送信出力制御を行う事により、前例と同様に電
波発射頻度を減少できる。この時、動画撮影装置は太陽
光の影響を受け難くするためと、また夜間でも利用可能
とする目的で遠赤外線カメラを採用することが効果的で
ある。この方法は空間領域内の移動物体の有無を検出し
ているので、真に情報通信端末6(P)を所有する旅行
者を検出しているわけではない。この点も前例と同じで
ある。
【0085】他の実施例2:次に説明する実施例は、旅
行者の情報通信端末が携帯電話機そのもので構成される
場合であり、旅行者側の情報携帯端末を最もシンプルに
しようとするものである。この場合、携帯電話機はPH
Sが使用される。また携帯電話機の使用においては、H
MIとして音声と文字表示は充分活用可能であるが、画
像の表示に関しては、データ伝送時間の問題や画面サイ
ズから来る画質の限界を伴う。更に毎回携帯電話を手に
取って情報入手することも煩わしいことである。そこ
で、携帯電話は音声提供のみとしてイヤホンで受信し、
文字や画像情報の提供はターミナルポイントやノードに
設置される表示装置を活用するのがこの実施例である。
【0086】システム全体の構成図を図11に示す。図
11において、無線通信装置500(R)は表示装置5
6を具備し、情報通信手段51はPHS送受信機で構成
される。そして、この時の両者間の無線通信はピアトゥ
ピアのアドホック通信が使用される。したがい旅行者の
PHS送受信機は通常はアドホックモードに設定され
る。この通信は無料で実施される。この方式のメリット
は旅行者の情報通信端末機がPHS携帯電話機一台のみ
で済むことである。即ち、システムの小型化、軽量化、
および経済化ができることである。加えて、広く普及し
ている携帯電話機65を旅行者の情報通信端末として有
効に活用できることである。この時、携帯電話機65の
表示装置は大きさの関係でHMI部として画像を表示す
るには適さない場合がある。また携帯電話機65をその
都度手に取って見ることが必要となるので、旅行者の手
の負担を増す。そこでノードやターミナルポイントに設
置される無線通信装置500(R)に表示装置56を設
けて画像提供サービスを行うとこの問題点を解決するこ
とができる。この画像提供サービスの方法は、視覚障害
者を除く他の旅行者には有効である。勿論この時旅行者
は表示装置56を見ることが主となるが、携帯端末機6
5の表示画像を見ることもできる。但し通信容量等の関
係で同等の画質を得ることはできない。
【0087】ターミナルポイントやノードの表示装置5
6は直接無線通信装置5(N)の情報処理装置55によ
って駆動されるので高品質な画像表示は可能であり、ま
た多くの旅行者によって共用されるので投資効果も悪く
はない。さらに携帯情報端末65を所有しない一般の通
過者に対して、緊急時に情報提供をするような活用法も
可能である。
【0088】尚、旅行者が携帯電話機を使用して公衆通
信を行う場合は、旅行者が発呼するための行為を携帯電
話機が自動検知して、自動的に公衆通信モードに切り替
える。これにより旅行者はいつでも公衆通信回線を利用
できる。公衆通信回線の利用終了後は携帯電話機はまた
自動的にアドホック通信モードに戻り待機する。以上の
説明より旅行者は1台の情報通信端末としての携帯電話
機を2つのサービスに利用できる点が特徴である。
【0089】他の実施例2の構成における通路ネットワ
ークは図1に示されるものであり、前述の事例と同じで
ある。図11は情報提供システムの実施例を示す。
【0090】R(R>1)個のデータ信号伝送路300
(R)は中央処理装置7とノード又はターミナルポイン
トの無線通信装置500(R)間の双方向通信を司るケ
ーブルである。図11では無線通信装置500(R)と
同数のケーブルが使用される場合を記している。無線通
信装置500(R)は情報通信手段51、情報処理装置
55、移動物体検出装置56、および表示装置57を構
成要素に含む。情報通信手段51は前述の通りPHS送
受信機であり、構成は図4に示される。表示装置57は
タ−ミナルポイントやノードにおいて、直接利用者に画
像の提供をするものである。これにより情報通信手段5
1と旅行者の携帯電話端末機65間の情報伝送量を軽減
することもできる。情報処理装置55は無線通信装置5
00(R)の前述の構成要素を制御するのみならず、旅
行者に提供するサービスコンテンツの蓄積も担当する。
情報処理装置55は信号伝送路300(R)を介して中
央処理装置7に接続される。図形4の無線通信路はPH
Sのアドホック通信によって構成される。旅行者の携帯
電話機65は図6に示す構成を持つ。さらに、双方向無
線通信回線800(S)を介して携帯電話ネットワーク
900の無線基地局に接続される機能も具備している。
携帯電話ネットワークは回線交換もパケット交換も取り
扱う。携帯電話ネットワーク900はゲートウェイ91
0を介してインターネット1に接続される。インターネ
ット1は中央処理装置7のLAN71にルータ74を介
して接続される。それ以外のシステム構成要素は前述の
事例(3項および4項)と同じである。
【0091】他の実施例2の動作の説明を、図8〜図1
1を使用して説明する。旅行者が情報提供システム内で
行動するパターンは第1の実施例と同じとする。
【0092】図11の無線通信装置500(R)が移動
物体検出装置56を具備していることから、4項の実施
例で説明した如く、図10に示す移動物体検出装置56
により、図8における空間領域内の移動物体の検出とそ
の進行方向の検知は可能である。
【0093】今空間領域201において移動物体が左か
ら右方向へ移動すると仮定する。移動物体検出装置56
はその検出結果を情報処理装置55に伝達する。それを
受けた情報処理装置55は直ちに情報通信手段51に電
波の発射を指示を出す。情報通信手段51は電波の発射
を行い、かつ応答波が有るかどうかを受信する。応答が
無ければ移動物体は旅行者でないと判断し、情報処理装
置55に結果を通知すると共に電波発射を断とする。一
方応答が有った場合は、空間領域内に旅行者が存在する
ことになるので、情報処理装置55に受信した旅行者の
携帯電話機の個別信号、進行方向の情報を伝達する。情
報処理装置55はこの情報を受けて、直ちに中央処理装
置7に受信した携帯電話機の個別信号を伝達し、旅行者
の検索依頼をする。中央処理装置7のサーバ72はデー
タベース73から旅行者を検索し、旅行者に提供するサ
ービスメニューの種類、直近の通過履歴の有無および履
歴内容を情報処理装置55に返送する。情報処理装置5
5はサーバ72からの情報により提供すべき情報を自身
のメモリから選択して、情報通信手段51に送信指示す
ると共に、情報の伝達を行う。これにより、旅行者は正
しく情報提供をうけることができる。情報処理装置55
は規定の回数分の情報サービスを実施の後サービスを停
止し、情報通信手段51の送信を断とする指示を出す。
これで情報提供サービスは完了する。情報処理装置55
は情報提供サービス完了通知を中央処理装置7に伝達す
る。これを受けて、サーバ72は旅行者のデータベース
に最新の情報を追加する。
【0094】さて図11に示す如く、旅行者の携帯電話
機は携帯電話ネットワークを介してインターネットに接
続し、中央処理装置のサーバ72にアクセス可能であ
る。それ故、例えば友人の旅行者が今どこに存在するか
を確認したい場合は、このルートを経由して、位置情報
提供サービスを受けることができる。これは本発明の持
つ効果の1つである。
【0095】インターネットに接続するユーザ端末から
旅行者の位置情報提供サービスが受けられるのは前述の
実施例と変わらない。
【0096】他の実施例2の効果としては、前述の実施
例の効果と同一である。さらに言えば前述のものより旅
行者の携帯情報端末の小型、軽量化に効果が大である。
また携帯電話ネットワークを利用して中央処理装置にア
クセスできるので、他の旅行者の位置情報確認もでき
る。加えて、通常の携帯電話機としても使用できる。
【0097】更に無線通信装置が具備する表示装置によ
り、旅行者に高品質な画像情報を提供することもできる
し、非常事態発生時等には旅行者以外の一般の通過者に
対して情報提供することも可能である。
【0098】次に、他の実施例3について説明する。先
の実施例では、路上に設置される通路ネットワークを点
字ブロックという物理的手段で構成している。この手段
は視覚障害者に便利に使用されてきた。視覚障害者は杖
を介して感じる手の触覚、足裏で感じる触覚、杖の先端
が発する音の変化を感じる聴覚を活用して、視覚の不十
分さを補っている。
【0099】ところが最近車椅子の使用が増えるのに比
例して、点字ブロックの欠点が強く指摘されるようにな
った。点字ブロックの表面の凹凸が車椅子のスムーズな
運行の障害物と見られたり、旅行者が歩行時につまずく
要因として指摘されるようになってきた。旅行者全体の
受容性を高め、しかも視覚障害者の利便性を低減しない
手段の実現が期待される。ここに示す実施例は、点字ブ
ロックに替わる通路ネットワークの構成法である。
【0100】この時の通路ネットワークの実施例を図1
2に示す。図12に記載されている部分は、図3に示し
た通路ネットワークの左半分に示される部分に相当す
る。したがい、図12のターミナルポイント30,3
1,32および33と、ノード20および21は図3の
ものと同一である。
【0101】図12の100,110,120,130
および140はループコイルを示す。ループコイルは通
路に埋設して設置される。ループコイル100は図3の
リンク10に相当し、点字ブロックに替わるものであ
る。同様にループコイル110、130および140は
それぞれ図3の11,13および14に替わるものであ
る。図12の120はノード20および21の間のリン
クを示す。このリンク120はループコイル100およ
び140の一部分を組合わせて構成されている。このよ
うなリンクの構成法も実現可能なことを示している。
【0102】ループコイルおよびループコイル駆動装置
の構成例を図13に示す。ループコイル100は図12
に示すものと同一である。ケーブル101はループコイ
ル100とループコイル駆動装置160を接続する。外
部雑音の重畳を防ぎ、また外部へ不要な信号発射を防止
するために電磁シールドされたケーブルである。102
はケーブル101をループコイル駆動装置160に接続
するためのコネクタである。ループコイル駆動装置16
0は、制御部入力端子161,周波数発生部163,送
信キャリア発生部164、変調部165,電力増幅部1
66,変調信号発生部167,電源部168および制御
部169を主構成要素としている。参考までにこのシス
テムにおける、旅行者側の受信機を図14に示す。二次
コイルとしてのピックアップコイルで入力した信号を復
調して可聴音を発生する。
【0103】図12の通路ネットワークの動作について
説明する。図3の通路ネットワークとの違いは、点字ブ
ロックがループコイルに置き換わったことである。そし
てループコイルは地中に埋められるから目には見えな
い。一番顕著な違いは両者の外観が全く異なることであ
る。即ち点字ブロックで構成された通路ネットワーク
は、どこにターミナルポイント、ノードおよびリンクが
存在するのか、一見して認識できる。これに対してルー
プコイルの場合は視覚で認識はできないから、どうして
もその機能が必要な場合には別の手段を追加することに
なる。例えば、通路の舗装部分を色分けするといった手
段がある。
【0104】次に図13を用いてループコイル駆動装置
160の動作について説明する。装置内では周波数発生
部163の信号をもとに、送信キャリア発生部164で
送信キャリアがつくられる。この送信キャリアは変調部
165に送られ、変調信号発生部167で作られた変調
信号によって変調される。変調部165の出力、即ち変
調された送信キャリアは電力増幅部166に送られ増幅
される。電力増幅部166の出力はケーブル101を経
由してループコイル100を駆動する。電源部168は
電力を必要とする回路に電力を供給する機能を負ってい
る。多くのばあい、太陽電池や発電機と蓄電池を組合わ
せたり、また商用電源と蓄電池を組み合わせたりする。
制御部169は外部からの制御信号を制御部入力端子1
61より入力して、その信号によりループコイル駆動装
置160内の構成要素の動作を制御する。制御の主要な
目的は、必要最小限の時間だけループコイルを駆動する
こと、およびシステムの消費電力をミニマイズすること
である。
【0105】ループコイル100は細長い矩形の形状を
している。短い一辺は1m程度でありほぼ通路の幅程度
である。これは視覚障害者が使用する杖が到達する範囲
内で決められる。長い一辺の長さはループコイルの用途
により決められるが、最長の長さは送信キャリアの周波
数によって制限を受けることになる。これは後で説明す
る。そしてループコイルは、設置工事の容易さを考慮し
て、原則的には1ターンのループを構成する。ループコ
イル100以外の他のループコイルについても同様であ
る。
【0106】今送信キャリア周波数が1MHzであり、
また1kHzの変調信号で変調されているとする。この
送信キャリアがループコイル100を流れている。それ
故このループコイルは線状アンテナの一つであるループ
アンテナを通路のほぼ表面で構成していることになる。
このようなループアンテナはループの周囲長が波長の1
0分の1以下になると電界よりも磁界に感応し易い性質
を持っている。ちなみに周波数1MHzの波長は300
mであるから周囲長が30m以下、即ちループコイルの
長辺が10数m以下のループコイルであれば磁界結合を
利用するアンテナとして機能する。これはループに送信
キャリアが流れると導線の周囲に電流と直角方向に回転
磁界が発生しているからである。そこでこの導線の近傍
に二次コイルを近づけると、二次コイル側に磁気誘導に
より起電力を発生させることができる。この時二次コイ
ルに誘起される起電力の大きさは、変圧器の原理として
良く知られているように、一次コイルと二次コイル間の
相互インダクタンス(M<sub>12</sub>)によって決
定される。その相互インダクタンス(M<sub>12</sub
>)はまた一次コイルであるループコイル100の自己
インダクタンス(L<sub>1</sub>)、二次コイルの自
己インダクタンス(L<sub>2</sub>)および結合係数
(k)との間に、(M<sub>12</sub>)<sup>2</sup>
=kL<sub>1</sub>L<sub>2</sub>の関係があるか
ら、起電力を大きくするには右辺の各要素をそれぞれ大
きくすれば良い。しかし実際には、上述のように一次コ
イルには長さの制限があるためにループコイルの自己イ
ンダクタンス(L<sub>1</sub>)には限界がある。二
次コイルの自己インダクタンス(L<sub>2</sub>)を
大きくしたいが、これも旅行者の負担を軽減するために
は限界がでる。したがって、できるだけ結合係数(k)
を大きくする工夫、即ち杖の先端に二次コイルを装着し
たり、そのコイルの形状を工夫することは必要になる。
一例として、今全長30mのループコイルから実効電力
で3ワット(W)相当の磁界エネルギーが発射されると
すれば、ループコイル1cm当たりのエネルギー密度は
1mWになる。仮に二次コイルの寸法が1cm程度の大
きさであり、しかも伝達効率が1%程度に留まったとし
ても、二次コイルには10マイクロワット程度の起電力
は期待できることになる。
【0107】二次コイルがループコイルの導体の近傍に
ある時は、上に述べた説明が成り立つ。一方遠方からこ
のループコイルを眺めると、丁度平行する2電線に電流
がお互いに反対方向に流れ、平衡電線を構成しているこ
とがわかる。したがい、遠方では発生する磁界はキャン
セルされてしまう。この現象は磁界が周辺に及ぼす影響
を軽減できるので好都合である。
【0108】次にループコイル駆動装置160の中の変
調信号発生部167について説明する。送信キャリアに
変調をかける理由は二つある。一つは、二次コイルでピ
ックアップされた送信キャリアを旅行者側の受信機で復
調して可聴音を発生させることである。これは通路のル
ープコイルの位置を音響の大小から判断できるようにし
て、点字ブロックに替わる経路案内機能即ちリンク機能
を実現するのに使われる。
【0109】他の一つは特定の個別信号を送出するため
である。個別信号はループコイル個々に設定される個別
番号に対応して生成される。この手段により、ある特定
の位置に設置されたループコイルからの個別信号を検出
することで、位置情報を取得することが可能になる。こ
の方法は簡易な方法でかつ測位精度も設計時点で確定で
きるというメリットを生む。電波伝搬条件の影響を無視
できることから、建物内や地下街等にも使用し易い。
【0110】旅行者側の受信機について説明する。図1
4に受信機170の構成図を示す。図13のループコイ
ル100に近接して信号をピックアップする二次コイル
は図14ではピックアップコイル171である。杖の先
端部に設置される。ピックアップコイル171の信号は
能動回路を経由することなくBPF(帯域通過フィル
タ)172に入力される。これはピックアップコイルに
誘起する希望波以外の成分を除去して増幅器の負荷を軽
減し、結果的に低消費電力受信機を実現するためであ
る。BPF172を通過した希望波は増幅器173で増
幅され、検波器173に送られ復調される。
【0111】一番簡単な実用例を紹介する。例えば図1
3の変調部で可聴周波数によりAM変調がされたとす
る。そして図14の増幅器173は固定利得とすると、
検波器174の復調出力はピックアップコイル171の
起電力に比例した可聴周波数の出力を得ることができ
る。この出力を信号処理回路でスピーカを駆動できるレ
ベルに調節すると、ピックアップコイルの起電力に比例
した音量の可聴音をスピーカより出力できる。さらに機
能を高めるとすれば、図14の増幅器173を自動利得
制御増幅器とする方法もある。この時は入力の強度に応
じて利得を加減して出力を一定に保持する機能を増幅器
173は必要とする。これは入力の強度をモニターする
機能を備えていることを意味するから、このモニター信
号に応じて出力部の音量を加減することができる。例え
ば入力強度が大となると、音声出力も比例して大きく出
るようにすることができる。ピックアップコイルへの入
力のダイナミックレンジが大きい場合には、この方式が
前者より優れている。
【0112】他の一つの効果は図13の変調信号発生部
に各ループコイルの個別信号が使用されている場合であ
る。上述のごとくこの個別信号は位置情報として利用で
きる。図14の信号処理回路で復元した個別信号は出力
端子179より取り出せる。この個別信号を旅行者の情
報通信端末に入力すれば、測位情報機能付きの端末が構
成できる。前述の他の事例説明ではシステムのインフラ
側にある無線通信装置5(N)の位置情報に依存してい
るが、このループコイルの個別信号を加えることによ
り、さらにきめ細かい位置情報の取得が可能になる。
【0113】本実施例の効果について以下説明する。視
覚障害者の旅行者が杖を前方で左右に動かしながら歩行
して行くとする。杖がループコイルの近傍に行くと可聴
音が大きくなるから、旅行者はその可聴音の大きさを頼
りにループコイルの所在を判断できる。可聴音が大きく
なる場所は左右2カ所に存在するから、旅行者は通路の
両側を判断できるわけである。しかも可聴音は歩行しな
がら連続的に聴くことができるから、まさに点字ブロッ
クの場合と同様に経路案内が可能になる。触覚を利用す
る代わりに聴覚を有効活用して、点字ブロックと同様な
効果をこの手段で実現できる。
【0114】ループコイルは地中に埋められるから目視
はできない。視覚障害の旅行者以外には不都合な場合が
ある。この時は通路の舗装色でループコイルの存在を知
らしめる方法をとればよい。ナビゲーション用の地図で
ループコイルの存在を表示する方法も有効利用を促進す
る手段として有効と言える。
【0115】この手段によると通路上の表面の凹凸をな
くすことができる。車椅子旅行者やつまずきやすい旅行
者には利便性を増すことができる。
【0116】測位機能を利用すると、旅行者の時間軸上
の個別信号をセンターシステム側に順次送り込み、位置
情報としてデータベス化することを可能にする。これは
旅行者の位置情報提供サービスに活用される。この方法
によると、電波伝搬環境に測位精度が左右されない強み
がある。
【0117】ループコイル使用による効果については上
述の通りであるが、それ以外の発明の効果は最初の実施
例と同じである。
【0118】
【発明の効果】本発明の効果は次の通りである。旅行者
への情報提供システムとして、的確な経路誘導システム
を構成できる。それは 路上に点字ブロックによる通路
ネットワークを構成して経路誘導を明確化し、しかもそ
の要所に於いて簡潔かつ的確な情報提供を可能にするか
らである。
【0119】通路ネットワークのターミナルポイントや
ノードにおける情報通信手段(50)および旅行者の情
報通信手段(60)がそれぞれ固別番号を所有し、それ
らに対応する個別信号を中央処理装置で適切に処理およ
び管理することによって、旅行者の旅行履歴を把握する
事ができる。これは旅行者以外に対し、旅行者の位置情
報の提供を可能にする。
【0120】システムの構成法は地下街や建物内部にも
容易に適用可能である。それ故旅行者の位置把握に電波
の到来時間を利用して測位をする方法、例えばGPSを
利用する方式や携帯電話システムを利用する方法に比較
して、適用エリアを拡大できる。
【0121】情報通信手段として今後の普及が期待され
ているブルーツースやDSRCを活用できる。また、P
HSの場合はアドホック通信を利用すれば、1台のPH
S端末機で情報提供システムと公衆通信用端末機を兼ね
ることができ、経済的なシステム構築ができるのみなら
ず、旅行者の端末機器携帯の負担を軽減する。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、特定形状の点字ブロックの集合体で形
成される、リンク、ノードおよびターミナルポイントを
示し、。通路がまっすぐ延びている場合に使用される例
を示す。
【図2】図2は、特定形状の点字ブロックの集合体で形
成される、リンク、ノードおよびターミナルポイントを
示し、通路に変化が生じる場合に使用される例を示す。
【図3】図3は特定された地理的および空間的エリア内
における本発明の必須構成要件をなす通路ネットワーク
を示す図。
【図4】図4は本発明の必須構成要件をなす情報通信手
段50を示す図。
【図5】図5は情報通信手段50のアンテナ部550の
構成例を示す図で、この構成例はノードに設置される場
合について示している。
【図6】図6は本発明の必須構成要件をなす旅行者の情
報通信手段60を示す図。
【図7】図7は本発明の情報提供システムの構成を示す
図。
【図8】図8は図3の通路ネットワーク上の一部におい
て、図7の情報提供システムがサービスされる空間領域
201,202,203,301および311を示す
図。
【図9】本発明の他の実施例1の情報提供システムの構
成を示す図。
【図10】図9の移動物体検出装置の構成を示す図。
【図11】本発明の他の実施例2の情報提供システムの
構成を示す図。
【図12】本発明の他の実施例3の通路ネットワークを
示す図。
【図13】本発本明に係わるループコイル駆動装置を示
す図。
【図14】本発本明に係わる旅行者の携帯する受信機の
構成を示す図。
【図15】条件の異なる人(旅行者)と様々なヒューマ
ンインターフェイスの関係を示す図。
【符号の説明】
1 インターネット 2 ユーザ端末 5 無線通信装置 6 情報通信端末 7 中央処理装置 10−19 リンク 20−23 ノード 30−37 ターミナルポイント 50 情報通信手段 60 情報通信手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 雨宮 秀樹 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 信岡 勉 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 Fターム(参考) 5H180 AA21 BB04 BB05 CC02 CC04 CC12 CC18 FF22 FF25 FF32

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通路上に通路ネットワークを構成し、通
    路ネットワークのノード及びターミナルポイントには無
    線通信アクセスを可能にする情報通信手段を具備し、移
    動通信端末にも情報通信手段を具備することを特徴とす
    る情報提供システム。
  2. 【請求項2】 通路ネットワークのノードとターミナル
    ポイント及び移動通信端末の情報通信手段はそれぞれ個
    別番号を有し、その個別番号に対応する個別信号が中央
    処理装置に伝送され、かつ適切に処理されて移動端末の
    位置情報データベースが生成され、その位置情報データ
    ベースを活用した位置情報提供サービスがインターネッ
    トを経由して行われることを特徴とする請求項1記載の
    情報提供システム。
  3. 【請求項3】 複数の旅行者と複数の行き先目的地と
    が、特定された地理的及び空間的エリア内に存在し、該
    旅行者は情報端末を有し、該情報通信端末は情報通信手
    段を有し、該情報通信手段は個別信号を送出する機能を
    具備し、前記複数の行き先目的地間は物理的手段により
    通路ネットワークを形成し、該通路ネットワークは複数
    のリンク、複数のノードおよび複数のターミナルポイン
    トを含み、該ノードと該ターミナルポイントはそれぞれ
    無線通信装置を有し、該無線通信装置は情報通信手段を
    有し、該情報通信手段は個別信号を送出する機能を具備
    し、前記旅行者の情報通信手段と、前記ノードまたは前
    記ターミナルポイントの情報通信手段とが対をなして無
    線通信手段を構成し、前記ノードまたは前記ターミナル
    ポイントの各々の情報通信手段はそれぞれ対応する情報
    処理装置に接続され、該情報処理装置は通信ネットワー
    クを経由して中央処理装置に接続され、該中央処理装置
    はインターネットに接続されていることを特徴とする情
    報提供システム。
  4. 【請求項4】 前記通路ネットワークを形成する物理的
    手段が、通路上に設置された点字ブロックの<集合体で
    あることを特徴とする請求項3に記載の情報提供システ
    ム。
  5. 【請求項5】 前記通路ネットワークを形成する物理的
    手段が、通路に埋設されたループコイルの集合体である
    ことを特徴とする請求項3に記載の情報提供システム。
  6. 【請求項6】 前記旅行者の情報通信手段と前記ノード
    またはターミナルポイントの情報通信手段が相互に対向
    する双方向通信手段であることを特徴とする請求項3、
    4又は5に記載の情報提供システム。
  7. 【請求項7】 前記旅行者の情報通信端末は携帯電話機
    であり、該携帯電話機は携帯電話ネットワークに接続さ
    れ、該携帯電話ネットワークはゲートウエイを介してイ
    ンターネットに接続されていることを特徴とする請求項
    3、4、5又は6に記載の情報提供システム。
  8. 【請求項8】 前記ノードまたは前記ターミナルポイン
    トの無線通信装置は、前記リンク上の空間領域内の旅行
    者の有無および旅行者の進行方向を把握するための移動
    物体検出装置を具備することを特徴とする請求項3、
    4、5、6又は7に記載の情報提供システム。
  9. 【請求項9】 前記移動物体検出装置は前記空間領域内
    で遠赤外線放射デバイスおよび遠赤外線感応ダイオード
    2個を具備し、該遠赤外線放射デバイスと該遠赤外線感
    応ダイオード2個は前記リンクをはさんで対置し、前記
    リンクを横切る2本の遠赤外線が移動物体検知用光路を
    構成することを特徴とする請求項8に記載の情報提供シ
    ステム。
  10. 【請求項10】 前記移動物体検出装置は前記空間領域
    内で動画像撮影装置と画像処理機能を具備し、該動画像
    撮影装置は一定間隔で撮影する複数枚の画像情報を画像
    処理装置に伝送し、該画像処理装置は画像処理により移
    動物体の有無、および移動物体の進行方向を検出するこ
    とを特徴とする請求項8に記載の情報提供システム。
  11. 【請求項11】 前記ノードまたは前記ターミナルポイ
    ントの無線通信装置は画像表示装置を具備し、画像情報
    を直接旅行者に提供できることを特徴とする請求項3、
    4、5、6、7又は8に記載の情報提供システム。
  12. 【請求項12】 前記ノードまたは前記ターミナルポイ
    ントの無線通信装置と旅行者の情報通信端末はそれぞれ
    各々の固有の番号を付与され、該固有の番号に対応する
    それぞれの個別信号は前記中央処理装置のサーバに伝送
    され、該サーバは所有する前記旅行者の情報通信端末の
    個別信号と提供すべきサービスメニューとの対照リスト
    を使用してサービスメニューを決定することを特徴とす
    る請求項3、4、5、6、7、8又は11に記載の情報
    提供システム。
  13. 【請求項13】 前記中央処理装置のサーバは前記それ
    ぞれの個別信号にタイムスタンプをしてデータベース化
    し、必要に応じてデータベースに特定の処理を加えて旅
    行者の位置情報履歴を作成し、インターネットを介して
    中央処理装置にアクセスする特定のユーザに対し特定の
    旅行者の位置情報履歴を提供することを特徴とする請求
    項3に記載の位置情報提供システム。
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