JP2002106565A - 複合スライドプレート - Google Patents

複合スライドプレート

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JP2002106565A
JP2002106565A JP2000303848A JP2000303848A JP2002106565A JP 2002106565 A JP2002106565 A JP 2002106565A JP 2000303848 A JP2000303848 A JP 2000303848A JP 2000303848 A JP2000303848 A JP 2000303848A JP 2002106565 A JP2002106565 A JP 2002106565A
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Shinya Kawakami
真也 川上
Kazuo Osawa
和夫 大沢
Yatsuka Itakura
八束 板倉
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Taiho Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Taiho Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】剛性、摩擦摩耗特性や寿命などのスライドプレ
ートの本来必要な機能と材料構成をもち、摺動発熱での
熱膨張による相手構造物とのクリアランスの増加を有効
に押さえることのできるスライドプレートを提供する。
更に耐摩耗性や耐焼付性の高いスライドプレートを提供
する。 【解決手段】少なくとも一方の面がすべり案内面を有す
るスライドプレートとバックアッププレートとを接合せ
しめた複合スライドプレートのすべり案内面の凹部に固
体潤滑材料17を含浸または埋めこんだ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレス用スライド
プレートや金型用スライドプレート、その他自動車、船
舶等の輸送機械、一般産業機械等に使用されるすべり案
内面を有するスライドプレートに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車エンジン等に用いられるスライド
プレートは、一般に鋼製裏金(鋼製支持体)に銅合金等
のライニング層を接合させたバイメタルを円筒状ブシ
ュ、半割状軸受等に加工して製造されている。このライ
ニング層には、そのなじみ性や耐疲労性、耐摩耗性を向
上させるために、必要に応じてメッキ法やスパッタ法に
より更に滑り層(オーバーレイ層)が設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来公
知のスライドプレートは、軸受合金単体の材料で構成さ
れており、線膨張係数が大きいため、摺動摩擦熱により
膨張し、相手構造物が鉄などの場合、相手構造物とのク
リアランスが変化しやすく、摩擦特性が安定せず、極端
な場合焼付に至るという問題があった。また、軸受合金
単体の材料であるため、全体の剛性が高く、油溝等を形
成する場合には、切削加工が必要であり、またインデン
トなどの窪みはほとんど製作できない。そのため、摺動
表面に適正な潤滑設計が施せないという問題があった。
更に、剛性、摩擦摩耗特性、寿命などの品質面から本当
に必要な厚みとしてではなく、取り付けに必要な厚みと
して、スライドプレートの厚みが規定されているため、
軸受合金という高価な材料をスライドプレート全体に使
用しなければならなかった。
【0004】従って、本発明の目的は、剛性、摩擦摩耗
特性や寿命などのスライドプレートの本来必要な機能と
材料構成をもつスライドプレートを提供することにあ
る。本発明の更なる目的は、摺動発熱での熱膨張による
相手構造物とのクリアランスの増加を有効に押さえるこ
とのできるスライドプレートを提供することにある。本
発明の更なる目的は、耐摩耗性や耐焼付性の高いスライ
ドプレートを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、従
来公知のすべり軸受を、厚さ調整または強度向上のため
のバックアッププレートと接合せしめた複合スライドプ
レートとすることにより解決されることが見出された。
すなわち、本発明の上記目的は、下記の(1)〜(9)
の構成により達成される。
【0006】(1)少なくとも一方の面がすべり案内面
を有するスライドプレートとバックアッププレートとを
接合せしめたことを特徴とする複合スライドプレート。 (2)スライドプレートのすべり案内面に、単独又は複
合の凹部形状を有する潤滑設計を施したことを特徴とす
る上記(1)記載の複合スライドプレート。
【0007】(3)潤滑設計を施したスライドプレート
のすべり案内面の凹部に固体潤滑材料を含浸または埋め
込んだことを特徴とする上記(2)に記載の複合スライ
ドプレート (4)潤滑設計を施したスライドプレートのすべり案内
面の凹部として、貫通孔を設け、さらにその孔内へ固体
潤滑材料を含浸または埋め込んだことを特徴とする上記
(2)に記載の複合スライドプレート。
【0008】(5)潤滑設計を施したスライドプレート
のすべり案内面の凹部を断面逆テーパ形状としたことを
特徴とする上記(3)または(4)に記載の複合スライ
ドプレート。 (6)潤滑設計を施したスライドプレートのすべり案内
面の凹部の摺動表面側が面取りされていることを特徴と
する上記(2)〜(5)のいずれかに記載の複合スライ
ドプレート。
【0009】(7)スライドプレートのすべり案内面に
施された潤滑設計において、固体潤滑材料を使用した部
分と使用しない部分を併用することを特徴とする上記
(2)〜(6)のいずれかに記載の複合スライドプレー
ト。
【0010】(8)固体潤滑材料が、二硫化モリブデ
ン、二硫化タングステン、グラファイト、PTFE及び
ボロンナイトライドから選択される少なくとも1種の化
合物を含有することを特徴とする上記(3)〜(7)の
いずれかに記載の複合スライドプレート。 (9)固体潤滑材料が、更に結合樹脂を複合化したもの
である上記(8)に記載の複合スライドプレート。
【0011】以下、本明細書において、バックアッププ
レート5と接合せしめる「すべり案内面を有するスライ
ドプレート」3を、バックアッププレートを接合せしめ
て得た複合スライドプレート10と区別するために、単
に「摺動材」3と称することもある。本発明の摺動材3
は、従来公知の滑り軸受材料に相当し、通常、図1に示
すとおり、裏金材2上にライニング層等の摺動表面1を
有するものである。本発明に従い、摺動材3を、厚さ調
整または強度向上のためのバックアッププレート5と接
合せしめることにより、剛性が高く厚みに制限のない複
合スライドプレート10を形成することができる。
【0012】更に、本発明では、摺動表面の材質に関係
なく、摺動材の裏金材2の材質やバックアッププレート
5の材質を、すべる相手の構造物と同種材質に選定でき
るため、摺動発熱での熱膨張によるクリアランスの増加
を抑えることも可能である。また、厚さ又は剛性調整の
ためのバックアッププレート5を別途設けるため、摺動
材3を、従来のスライドプレート(摺動材)に比して、
薄く又は剛性を低くできるため、摺動表面に溝やインデ
ント等の凹部を有する潤滑設計を容易に設けることがで
きる。特にその潤滑形状を自由に設定できるという利点
を有し、耐摩耗性や耐焼付性の高いスライドプレート
(複合スライドプレート)を得ることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明を更に詳述する。本発
明の摺動材(少なくとも一方の面がすべり案内面を有す
るスライドプレート)3は、基本的に裏金材2と摺動表
面1とからなる。裏金材2としては、従来滑り軸受にお
ける裏金材として公知の素材を適宜用いることができ
る。例えば、鉄系基材、ステンレス、銅合金、アルミニ
ウム合金、プラスチック、セラミック等が挙げられる。
【0014】裏金材2上に設けられる摺動表面1は、す
べり案内面を形成するものであり、例えば、銅合金(青
銅、鉛青銅、りん青銅、固体潤滑材入り銅合金等)、ア
ルミニウム合金(Al−Sn系、Al−Sn−Si系、
Al−Zn系等)、ホワイト合金系(Pb基ホワイト合
金、Sn基ホワイト合金等)、樹脂系複合材料(多孔質
銅合金にPTFE、POM等の樹脂を主成分とする材料
を含浸又は被覆した複合材、自己潤滑性のあるプラスチ
ック等)、鉄系摺動材料(鉄焼結材等)、潤滑性を有す
る被膜(軟質めっき、樹脂系めっき、複合めっき、樹脂
系コーティング等)等が挙げられる。これらの摺動材料
はそれぞれ固体潤滑剤を含有していてもよい。また、こ
れらの摺動材料を2種以上組み合わせて用いてもよい。
また、上記摺動材料表面上に更にオーバーレイ層を形成
してもよい。特に、摺動材料が、銅合金、アルミニウム
合金、鉄系摺動材料等のように比較的剛性や高度の高い
材料の場合に有効である。
【0015】裏金材2上へ摺動表面1を形成する方法
は、従来公知の方法と同様であり、焼結法、圧着法、接
着法、含浸法等を挙げることができる。
【0016】バックアッププレート(BP)5として
は、上記裏金材2と同様のものを挙げることができ、特
に、裏金材2と主成分がほぼ同一の元素から構成される
ものの合金または材料から選択するのが好ましい。線膨
張係数が似通っているため、接合後の不具合も少なく、
スライドプレート全体の線膨張係数を同程度のものとす
ることができ、接合し易さの点から有利である。
【0017】摺動材3の摺動表面1や裏金材2、更にバ
ックアッププレート5の各材質は、すべり合う相手の構
造部材の材質等によって、適切な材質、剛性、厚み等を
適宜設定することができる。例えば、相手の構造部材が
鉄の場合には、摺動表面1が銅合金であり、裏金材2が
鉄であり、バックアッププレート5が鉄である組み合わ
せが好ましい。
【0018】バックアッププレート5と摺動材3との接
合方法としては、溶接法、摩擦溶接法、ろう付け法、振
動溶着法、圧入法、かしめ法、はめ込み法、圧着法等を
挙げることができる。これらの接合方法を併用してもよ
い。
【0019】本発明では、更に上記摺動材3の摺動表面
側に、単数または複数の、油溝、油穴、インデント、マ
イクログループ等の凹部形状を有する潤滑設計を施すこ
とが好ましい。ここで、潤滑設計とは、潤滑油やグリー
ス等の潤滑剤を案内面に適正に供給するための、油穴、
油溝、窪み等の凹部形状の1種または2種以上の組み合
わせや配置などの適切な設計をいう。これにより、グリ
ースや油たまりとなり、摩擦摩耗特性や耐焼付性が向上
する。
【0020】本発明においては、上記凹部形状の形成
は、摺動材3をバックアッププレート5に接合する前で
あっても、接合した後であってもいずれでもよい。接合
前に潤滑設計を施す場合には、比較的薄くあるいは剛性
を低く設定できる摺動材3に上記凹部形状を形成し、そ
の後、厚さや剛性を調整するためのバックアッププレー
ト5と接合することができるため、凹部形状を自由に設
定でき、耐摩耗性や耐焼付性の優れた複合スライドプレ
ートを得るという更なる効果を有する。
【0021】本発明の上記摺動表面に設けられる上記凹
部形状の形、大きさ、深さ等は特に限定的ではない。凹
部の平面形状については、図2の平面図に示すように、
ボールインデント15等の点状、多角形、星形等の対称
形又は等異形の穴状であっても、油溝16等の一定の長
さを有する溝状であってもよい。凹部の断面形状につい
ても、円筒状、球状、半球状、テーパー状、逆テーパー
状等いずれであってもよい。さらにこれらの単独形状で
あっても、数種の凹部形状の組み合わせ(複合形状)で
あってもよい。また、凹部形状の深さも特に限定的でな
く、図3の断面図に示すように、摺動材(摺動表面及び
裏金材)を貫通する凹部形状11a(貫通孔)であって
もよいし、摺動材を貫通しない凹部形状11bであって
もよい。すなわち、本発明において、潤滑設計における
穴とは、スライドプレートの厚み方向に貫通孔または窪
みを有するものであって、潤滑剤を滑り面に供給した
り、潤滑を助けるものであり、潤滑設計における溝と
は、スライドプレートの表面方向に一定の長さをもち、
潤滑剤を滑り面に供給したり、潤滑を助けるものであ
る。
【0022】更に、潤滑設計における上記凹部形状の一
部又は全部に、又は上記潤滑設計用の凹部形状とは別途
設けた凹部に、固体潤滑材料を含浸又は埋め込むことに
よって、自己潤滑性に優れた複合スライドプレートを得
ることができる。特に、オイルやグリース等の潤滑剤が
きれやすいすべり案内面に適用されるスライドプレート
に最適である。
【0023】本発明においては、固体潤滑材料を上記凹
部形状に含浸または埋め込むことが好ましい。固体潤滑
材料を適用する凹部の形状及び深さも上記と同様、特に
限定的ではなく、摺動材3を貫通孔であっても、貫通し
ない穴又は溝構造であってもよい。また、溝構造の一部
に固体潤滑材料を適用することもできる。このように本
発明では、潤滑設計の自由度が広い。なお、固体潤滑材
料を適用しない場合は、オイルやグリース等の潤滑剤を
供給する油穴として、別途バックアッププレートまで貫
通する穴を設けることが望ましい。
【0024】また、上記潤滑設計における凹部の断面形
状については、例えば図4に示す如き凹部断面形状13
a〜13dが挙げられる。固体潤滑材料を含浸または埋
め込む場合には、逆テーパー状13c>円筒状13b>
テーパー状13aの順で固体潤滑材料の保持性が良好と
なる。また摺動表面側に向かって開いている形状(面取
りされた形状)13dの場合には、固体潤滑材料が摺動
表面に流動しやすく、摩擦摩耗特性が向上する。また、
凹部形状を貫通孔とすることにより、固体潤滑材料の含
浸や埋め込みの際に孔に入っている空気を追い出しやす
く、内部の気泡などを少なくできるため、安定した固体
潤滑材料の含浸や埋め込みが達成できる。
【0025】本発明に用いることができる固体潤滑材料
は、固体潤滑剤を少なくとも含有する。固体潤滑剤とし
ては、二硫化モリブデン(MoS2)、二硫化タングス
テン(WS2)、グラファイト、ボロンナイトライド、
フッ素系樹脂(PTFE等)等を挙げることができる。
グラファイトは天然、人造グラファイトのいずれでもよ
いが、人造グラファイトが耐摩耗性の観点から好まし
い。これらの固体潤滑剤は、摩擦係数を低く且つ安定に
する作用とともに、焼付を防止する作用を有する。ま
た、これらの固体潤滑剤の内部の気孔に、潤滑油を含有
させたり、塗布してもよい。
【0026】更に、凹部に適用できる固体潤滑材料は、
上記固体潤滑剤と共に、結合樹脂を含有する固体潤滑複
合材であってもよい。結合樹脂としては、例えば、ポリ
イミド系樹脂(PI)、ポリアミドイミド系樹脂(PA
I)、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等、ポリアミド
(ナイロン)、フッ素樹脂(PTFE,FEP等)、エ
ラストマー等が挙げられる。具体的には、芳香族ポリイ
ミド、ポリエーテルイミド、ポリエステルイミド又は芳
香族ポリアミドイミド、あるいはこれらのジイソシアネ
ート変性、BPDA変性、スルホン変性樹脂のワニスな
どの熱硬化性樹脂が好ましく用いられる。これらの複合
材の内部に気孔を形成し、その中に潤滑油を含有しても
よい。
【0027】固体潤滑材料が、固体潤滑剤のみで形成さ
れる場合には、摺動材3に形成した凹部形状に、固体潤
滑剤を埋め込むか、接着剤で接合する方法が好ましい。
固体潤滑材料が結合樹脂を含有する複合材である場合に
は、摺動材3に形成した凹部形状に、固体潤滑複合材を
含浸させるか、または埋め込んで、乾燥、焼成して固体
潤滑材料を適用するすることが好ましい。また、本発明
では、複合スライドプレート形成後、固体潤滑材料層
に、潤滑油、作動油等のオイルを含浸して、更に潤滑特
性を高めることができる。これにより、より自己潤滑性
の高いスライドプレートとなるため、潤滑油を連続的に
供給しなくてもある程度の潤滑特性を維持することがで
きる。
【0028】本発明の複合スライドプレート10は、平
板状で用いても、円筒状、円弧状等で用いてもよい。平
板状の場合は、プレス、工作機械や金型等の平面スライ
ド面や案内面などで、相手面が往復運動部位に用いるこ
とができる。円筒状、円弧状の場合は、円筒軸を支える
軸受としてプレス、工作機械や金型等の軸が回転、揺
動、往復運動する部位に用いることができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0030】実施例1 図5に示す通りの、厚さ3.4mmの裏金(材質SPC
C)2上に、厚さ0.6mmの鉛青銅(JIS LBC3相当)
を焼結し摺動表面1とした裏金付き摺動材3(板厚4m
m)を、バックアッププレート5として厚さ4mmの一
般構造用圧延鋼材(SS400)に電気溶接し、複合ス
ライドプレートを製造した。摺動表面1には、直径4m
mで深さ0.3mmのボールインデント(球状窪み)1
5aを形成した。ボールインデント15aは、球状の凸
部のついたロールを用いて、裏金付き摺動材3に形成し
たものである。これに、幅5mm、深さ0.4mmの油
溝16aを図5に示すように切削加工にて形成した。更
に、潤滑油の供給のためにバックアッププレートまで貫
通した直径4mmの油穴18を油溝16aの底部に形成
し、油溝16aにより摺動表面に潤滑油を供給した。
【0031】上記の通りにして得られた試験プレート
と、LBC(上記JIS LBC3相当材をバックアッププレー
トなしの形態で作成したもの。きさげ加工有りと無しの
2種を用意)とを用いて、図6に示す試験方法及び試験
条件により、初期摩擦係数、定常摩擦係数及び摩耗深さ
を測定した。これらの結果を併せて図6に示す。
【0032】ボールインデント15aは、潤滑油の表面
への保持性を高めて、摺動表面の摩擦摩耗特性を向上さ
せることができた。また、摺動表面の相手構造物との接
触面積を減らすことができ、見かけの面圧が増加して摺
動時の接触による当たりがうまく形成されるため、スラ
イド部などで従来行われていた、当たり改善のための
「きさげ」加工をなくすことができる。
【0033】実施例2 実施例1と同様にして、裏金材2付きの摺動材3を形成
し、摺動表面1には、直径4mmで深さ0.3mmのボ
ールインデント15aを形成した。その後、図7に示す
ような直径6mmの貫通孔19を、パンチにて摺動材3
に形成した。含浸ロールにて上記摺動材3を挟み込ん
で、エポキシ樹脂の中にグラファイトと二硫化モリブデ
ンを含有する樹脂組成物を、上記貫通孔19に含浸さ
せ、100℃で乾燥後、180℃にて焼結して、固体潤
滑材料層17aを含浸した摺動材3を製造した。この摺
動材3に、バックアッププレート5として厚さ4mmの
一般構造用圧延鋼材(SS400)を電気溶接し、複合
スライドプレートを形成した。
【0034】実施例1と同様の試験方法で、更に図8に
示す試験条件A及び図9に示す試験条件Bにより、初期
摩擦係数、定常摩擦係数及び摩耗深さをそれぞれ測定し
た。これらの結果を併せて図8及び図9に示す。複合ス
ライドプレート形成後、固体潤滑材料層17aに潤滑
油、作動油などのオイルを含浸して、更に潤滑特性を高
めることができた。その結果、オイルやグリース等を塗
布して摺動させるが、自己潤滑性の高いスライドプレー
トとなっているため、潤滑油を連続的に供給せずともあ
る程度の潤滑特性を維持できた。また、ボールインデン
ト15aは、潤滑油の表面への保持性を高めて、摺動表
面の摩擦摩耗特性を向上させることができた。また、摺
動表面の相手構造物との接触面積を減らすことができ、
見かけの面圧が増加して摺動時の接触による当たりがう
まく形成されるため、スライド部などで従来行われてい
た、当たり改善のための「きさげ」加工をなくすことが
できる。
【0035】
【発明の効果】本発明の複合スライドプレートは、剛性
や厚みの調整や、材料の選択が容易である。これによ
り、例えば相手構造物との材質を同種にすることによ
り、摺動発熱等での熱膨張による相手構造物とのクリア
ランスの増加を抑えることができる。また、摺動表面に
種々の形状の潤滑設計を行うことができ、耐摩耗性や耐
焼付き性の高いスライドプレートを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の複合スライドプレートを示す断面図
である。
【図2】 摺動材に凹部形状を有する複合スライドプレ
ートの例を示す平面図である。
【図3】 摺動材に凹部形状を有する複合スライドプレ
ートの例を示す断面図である。
【図4】 摺動材の凹部形状断面の例を示す図である。
【図5】 実施例1で製造した複合スライドプレートの
断面図及び平面図である。
【図6】 実施例1で製造した複合スライドプレート及
び従来例を用いての試験方法、試験条件及び試験結果を
示す図である。
【図7】 実施例2で製造した複合スライドプレートの
断面図及び平面図である。
【図8】 実施例2で製造した複合スライドプレート及
び従来例を用いての試験条件A及び試験結果を示す図で
ある。
【図9】 実施例2で製造した複合スライドプレート及
び従来例を用いての試験条件B及び試験結果を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 摺動表面 2 裏金材 3 スライドプレート(摺動材) 5 バックアッププレート 10 複合スライドプレート 11a、b 凹部形状 13a〜d 凹部形状 15 ボールインデント(球状の窪み) 16 油溝 17 固体潤滑材料 18 油穴(バックアッププレートまでの貫通孔) 19 固体潤滑材料
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 板倉 八束 愛知県豊田市大林町11丁目11番地2 板倉 工業株式会社内 Fターム(参考) 3J011 AA06 JA01 JA02 KA07 LA04 MA03 3J104 AA44 AA67 BA52 BA53 BA55 CA02 CA05 CA06 CA07 CA20 CA22 DA05 DA06 DA13 EA03 EA04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方の面がすべり案内面を有
    するスライドプレートとバックアッププレートとを接合
    せしめたことを特徴とする複合スライドプレート。
  2. 【請求項2】 スライドプレートのすべり案内面に、単
    独又は複合の凹部形状を有する潤滑設計を施したことを
    特徴とする請求項1記載の複合スライドプレート。
  3. 【請求項3】 潤滑設計を施したスライドプレートのす
    べり案内面の凹部に固体潤滑材料を含浸または埋め込ん
    だことを特徴とする請求項2記載の複合スライドプレー
  4. 【請求項4】 潤滑設計を施したスライドプレートのす
    べり案内面の凹部として、貫通孔を設け、さらにその孔
    内へ固体潤滑材料を含浸または埋め込んだことを特徴と
    する請求項2記載の複合スライドプレート。
  5. 【請求項5】 潤滑設計を施したスライドプレートのす
    べり案内面の凹部を断面逆テーパ形状としたことを特徴
    とする請求項3または4に記載の複合スライドプレー
    ト。
  6. 【請求項6】 潤滑設計を施したスライドプレートのす
    べり案内面の凹部の摺動表面側が面取りされていること
    を特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の複合スラ
    イドプレート。
  7. 【請求項7】 スライドプレートのすべり案内面に施さ
    れた潤滑設計において、固体潤滑材料を使用した部分と
    使用しない部分を併用することを特徴とする請求項2〜
    6のいずれかに記載の複合スライドプレート。
  8. 【請求項8】 固体潤滑材料が、二硫化モリブデン、二
    硫化タングステン、グラファイト、PTFE及びボロン
    ナイトライドから選択される少なくとも1種の化合物を
    含有することを特徴とする請求項3〜7のいずれかに記
    載の複合スライドプレート。
  9. 【請求項9】 固体潤滑材料が、更に結合樹脂を複合化
    したものである請求項8に記載の複合スライドプレー
    ト。
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