JP2002106551A - 半割スラスト軸受 - Google Patents

半割スラスト軸受

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JP2002106551A
JP2002106551A JP2001259578A JP2001259578A JP2002106551A JP 2002106551 A JP2002106551 A JP 2002106551A JP 2001259578 A JP2001259578 A JP 2001259578A JP 2001259578 A JP2001259578 A JP 2001259578A JP 2002106551 A JP2002106551 A JP 2002106551A
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thrust
thrust bearing
strength
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JP2001259578A
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Akira Ono
晃 小野
Koichi Yamamoto
康一 山本
Takayuki Shibayama
隆之 柴山
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Daido Metal Co Ltd
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Daido Metal Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半割スラスト軸受の突合せ端の塑性変形や割
れを防止する。 【解決手段】 半割スラスト軸受19,20の突合せ端
19a,20bの強度を他の部位よりも高くする。する
と、シリンダブロック12と軸受キャップ13との間に
段差が生じていた場合、クランク軸の回転に伴って半割
スラスト軸受19,20が周方向に動いて段差に当たっ
ても、突合せ端19a,20bが塑性変形したり、割れ
たりするおそれがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半割スラスト軸受に
関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】例えばエンジンのクラ
ンク軸のスラスト荷重を受けるスラスト軸受は、2個の
半割スラスト軸受により構成され、一方の半割スラスト
軸受はシリンダブロックに取り付けられ、他方の半割ス
ラスト軸受は軸受キャップに取り付けられる。
【0003】この半割スラスト軸受では、軸受そのもの
の加工精度、或いはシリンダブロックと軸受キャップの
組付精度や両者の熱膨張の違いなどにより、図11に示
すように、2個の半割スラスト軸受1,2の軸受面間に
段差Gが生ずることがある。すると、クランク軸のスラ
ストカラーが半割スラスト軸受1,2の突合せ端に局部
的に強く当たり、軸受合金が早期に疲労したり,軸受合
金が剥離したりする。これを防止するために、従来の半
割スラスト軸受1,2では、軸受面の周方向両側に突合
せ端に向って下降傾斜するスラストリリーフ4を設けた
り、軸受面の突合せ端に面取りを施したりして局部当り
を緩和するようにしていた。
【0004】局部当りによる焼付きや早期疲労などを防
止するには、スラストリリーフ4や面取りを大きくする
ことが好ましいが、これでは、受圧面積を減少させるこ
ととなって本来のスラスト荷重の負担能力を低下させて
しまう。この受圧面積の減少分を補うには、半割スラス
ト軸受の内径を小さくし、或いは、外径を大きくする必
要がある。
【0005】しかしながら、半割スラスト軸受の内径を
小さくするには、クランク軸の径を小さくしたり、ジャ
ーナル部とスラストカラー部との隅Rを小さくする必要
があり、クランク軸の強度上の問題を生じる。また、外
径を大きくするには、クランク軸のスラストカラーも大
きくしなければならないため、エンジン全体としての重
量が増加する上、半割スラスト軸受とスラストカラーと
の摩擦も大きくなってエンジン効率の低下をもたらす。
このようにスラストリリーフ4や面取りを大きくし、且
つそれに伴う受圧面積の減少分を補うことは、種々の問
題を派生し現実的ではない。
【0006】また、半割スラスト軸受では、一方の半割
スラスト軸受2がシリンダブロック5或いは軸受キャッ
プ6に回止めされるが、他方の半割スラスト軸受1はそ
のような回止めがなされていないため、クランク軸の回
転に伴って周方向に動く。このとき、図11に示されて
いるように、シリンダブロック5と軸受キャップ6との
間に段差が生じていると、その段差に半割スラスト軸受
1の突合せ端が衝突して塑性変形し、この塑性変形で生
じた凹み7により半割スラスト軸受1のがたが一層大き
くなって異音が生じ、或は更に変形が進んで割れに発展
するおそれがある。
【0007】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
で、第1の目的は、スラストリリーフを大きくすること
なく、局部的な早期疲労を極力防止することができる半
割スラスト軸受を提供することにあり、第2の目的は、
面取りを大きくすることなく、局部的な焼付きや早期疲
労を極力防止することができる半割スラスト軸受を提供
することにあり、第3の目的は、突合せ端が塑性変形す
ることを極力防止できる半割スラスト軸受を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の半割スラスト軸受は、突合せ端の強度を
の他の部分よりも高くしたことを特徴とするものであ
る。この手段によれば、半割スラスト軸受を保持する側
に段差が生じていた場合であっても、突合せ端が塑性変
形を起こしたりすることを極力防止できる。
【0009】また、本発明の半割スラスト軸受では、外
周部に、軸受ハウジング側に形成された係合溝に嵌合さ
れる回止め用の突起を設け、この突起の周方向に沿う端
面の強度を他の部分よりも高くする構成を採用できる。
この手段によれば、突起の端面の塑性変形や割れなどを
極力防止することができる。
【0010】また、本発明の半割スラスト軸受では、軸
受ハウジング側に突設された回止め用のピンに嵌合され
る小孔を形成し、この小孔の前記ピンに当たる部分の強
度を他の部分よりも高くする構成を採用できる。この手
段によれば、小孔の内面が塑性変形したり、割れたりす
ることを極力防止できる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1実施例を図1
〜図5を参照しながら説明する。図5には、クランク軸
11の軸受構造が示されている。同図において、シリン
ダブロック12の下部に軸受キャップ13を取り付けて
構成された軸受ハウジング14には、軸受孔15と両端
面の円形凹部により構成される受け座16とが形成され
ている。そして、軸受孔15には、クランク軸11を受
ける主軸受17が嵌着され、また、受け座16には、ク
ランク軸11のスラストカラー11aを受けるスラスト
軸受18が配設されている。
【0012】図4に示すように、上記スラスト軸受18
は、半円状をなす2個の半割スラスト軸受19,20か
ら構成されている。そのうち、例えば下側の半割スラス
ト軸受20の外周部には、突起20aが突設されてお
り、この突起20aは受け座16に連続して形成された
係合溝16aに嵌合されてスラスト軸受18全体の回り
止めをなしている。この場合、上下の半割スラスト軸受
19,20は、受け座16に若干の余裕をもって嵌合さ
れており、上側の半割スラスト軸受19は、円周方向に
若干動き得るようになっている。
【0013】この半割スラスト軸受19,20の軸受面
(スラストカラー11aに摺接する面)の複数箇所に
は、油溝21が設けられていると共に、両端部分には軸
受面から突合せ端19a,20bに向って下降傾斜する
スラストリリーフ22が形成されている。
【0014】さて、上記半割スラスト軸受19,20
は、例えば、鋼板などの裏金23に銅系合金、錫系合
金、鉛系合金またはアルミニウム系合金などの軸受合金
24をライニングしてなるバイメタルをプレスにより半
円形に打ち抜くことによって形成される。この打ち抜き
の際、バイメタルの歩留まりを向上させるために、半割
スラスト軸受19,20の両端部を若干重ねて打ち抜く
ようにしており、この結果、半割スラスト軸受19,2
0の両端部の内周側には、円弧状の切欠19b,20c
が生ずる。
【0015】板材から半割スラスト軸受19,20を打
ち抜いた後、その半割スラスト軸受19,20の周方向
両側は、軸受面側からプレスにより一種の冷間鍛造加工
されて傾斜面状のスラストリリーフ22に成形される。
このとき、スラストリリーフ22は、図3に示すよう
に、突合せ端19a,20b側では円弧凹面状になるよ
うに成形され、軸受面側では円弧凸面状になるように成
形される。
【0016】このように半割スラスト軸受19,20の
周方向両側に冷間鍛造によってスラストリリーフ22を
形成した結果、そのスラストカラー11aに接する軸受
面において、スラストリリーフ22の近傍部分では、そ
の強度が高くなる。図2(a)および(b)は、アルミ
ニウム−12錫−3シリコン系合金(試料1)および銅
−10錫−10鉛系合金(試料2)をそれぞれ軸受合金
24として用いたバイメタルから半割スラスト軸受1
9,20を打ち抜き、そして、上記のようにしてスラス
トリリーフ22を形成した後、図1に×印で示した10
箇所(#1〜#10の符号を付す)の硬度を測定した結
果を示す。なお、図1では一方の半割スラスト軸受19
のみを示した。
【0017】この図2によれば、スラストリリーフ22
をプレス加工により形成した結果、軸受面におけるスラ
ストリリーフ22の近傍箇所(#1,5,6,10)の
硬度が他の箇所の硬度よりも高くなっていることが理解
される。そして、通常、硬度と強度とは相関関係を有し
ており、硬度が高い程、強度も高いといえる。ちなみ
に、スラストリリーフ22の表面部分もプレス加工の結
果、その強度(硬度)は高くなっていることはもちろん
である。
【0018】このようなスラストリリーフ22近傍の軸
受面の強度が高い半割スラスト軸受19,20を用いた
場合には、半割スラスト軸受19,20そのものの加工
精度、或いは、シリンダブロック12と軸受キャップ1
3との熱膨張差により両半割スラスト軸受19,20の
軸受面間に段差が生じ、スラストカラー11aが半割ス
ラスト軸受19,20のスラストリリーフ22近傍で局
部的に当るという現象が生じたとしても、その部分の強
度は高いので、疲労、軸受合金の剥離が早期に発生する
おそれはない。
【0019】本発明者の実験によれば、上記の試料1お
よび試料2を用いた本発明品とスラストリリーフを切削
加工により形成した従来品とを用いて耐久試験を実施し
たところ、いずれも本発明品には問題がなかった。詳細
には、試料1については、排気量1.7リットルのディ
ーゼルエンジンを用いて定格回転、全負荷で200時間
の耐久試験を実施した。また、試料2については、排気
量5リットルのディーゼルエンジンを用いて定格回転、
全負荷で800時間の耐久試験を実施した。この結果、
従来品では、いずれもスラストリリーフ22の近傍で疲
労、軸受合金の脱落が発生したが、本発明品ではそのよ
うな事態は生ぜず、全く問題がなかった。
【0020】このように本実施例によれば、特に、スラ
ストリリーフ22を大きくして局部当りを緩和しなくと
も、疲労、軸受合金の脱落などの問題を生ずるおそれが
ない。このため、スラストリリーフ22を大きくするこ
とによる半割スラスト軸受19,20の受圧面積(軸受
面の面積)の狭少化を招くおそれがなく、従って、半割
スラスト軸受19,20の内径を小さくしたり(クラン
ク軸11の径を小さく)、外径を大きくしたり(スラス
トカラー11の径を大きく)して半割スラスト軸受1
9,20の受圧面積を広げるなどの必要もない。しか
も、全体の強度を高くするのではなく、スラストリリー
フ22の近傍の強度を局部的に高めて局部的な早期疲労
を防止する構成であるので、なじみ性、埋収性など軸受
としての機能を低下させることがない。
【0021】図6は本発明の第2実施例を示す。この実
施例は、スラストリリーフ22をプレスにより成形加工
すると、同図に二点鎖線で示すように全体がうねりを生
ずるように若干変形することがあるので、半割スラスト
軸受19,20の表裏両面を研削して平坦度を高めたも
のである。
【0022】図7は本発明の第3実施例を示す。この実
施例は、軸受面のなじみ性を高めるために、半割スラス
ト軸受19,20の軸受面である軸受合金24層の表面
に2〜30μm程度のオーバレイ層25を設けたもので
ある。この場合、オーバレイ層25はPb、Pb合金、
Sn、Sn合金などのめっき層、或いは樹脂コーティン
グ層により構成される。このオーバレイ層25は半割ス
ラスト軸受19,20のスラストリリーフ22をプレス
により成形してその強度を高めた後、上記第3実施例の
ようにうねりをなくすために表裏両面を研削する場合は
その研削後に行われる。
【0023】図8は本発明の第4実施例を示すもので、
上述した第1実施例との相違は、スラストリリーフ26
を切削により形成し、その切削後、軸受面のスラストリ
リーフ26近傍部分を熱処理して強度(硬度)を高める
ようにしたところにある。この実施例において、スラス
トリリーフ26近傍部分を局部的に熱処理するには、当
該部分を例えばレーザビームにより局部的に加熱し、そ
の後、冷却すれば良い。
【0024】図9は本発明の第5実施例を示すもので、
上述した第1実施例との相違は、半割スラスト軸受1
9,20の軸受面側の両端の角部を面取りしたところに
ある。この場合、面取部27は、上記の第1実施例と同
様にプレスによる一種の冷間鍛造により成形したもの
で、この結果、軸受面の面取部27の近傍部分の強度を
他の部分よりも高くすることができ、上記第1実施例と
同様の効果を得ることができる。
【0025】図10は本発明の第6実施例を示す。この
実施例は半割スラスト軸受19,20の突合せ端19
a,20bの端面の強度を他の部分よりも高くしたとこ
ろにある。突合せ端19a,20bの端面の強度を高く
する手段としては、例えば突合せ端19a,20bにレ
ーザビームを照射して加熱し急冷する、という一種の焼
き入れによって硬度を高めたり、或いは、プレスによる
圧縮により硬度を高めたりすることによって強度を高く
することが可能である。
【0026】このように半割スラスト軸受19,20の
突合せ端19a,20bの強度を高くすれば、半割スラ
スト軸受19,20が受け座16内でクランク軸11の
回転に伴って周方向に動き、シリンダブロック13およ
び軸受キャップ14間の段差に当っても、突合せ端19
a,20bが塑性変形したり、割れたりするおそれがな
くなる。
【0027】なお、本発明は上記し且つ図面に示す実施
例に限定されるものではなく、次のような変更または拡
張が可能である。半割スラスト軸受20の突起20aの
端面の強度を高くしても良く、このようにすれば突起2
0aの塑性変形、割れなどを防止できる。半割スラスト
軸受19に回止め用ピンに嵌合する小孔を形成し、この
小孔の近傍の強度を高くするようにしても良い。半割ス
ラスト軸受19,20は、バイメタルではなく、全体が
軸受合金で構成されたものであっても良い。
【0028】半割軸受19,20の周方向両側のうち、
一方側にはスラストリリーフ22を形成してその近傍の
強度を高くし、他方側の端部には面取部27を形成して
その近傍の強度を高くするようにしても良い。スラスト
リリーフ22或いは面取部27を形成してその近傍の強
度を高くすることと、突合せ端19a,20bの強度を
高くすることとは、1個の半割スラスト軸受19,20
に同時に実施しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すもので、硬度測定部
分を示す半割スラスト軸受の正面図
【図2】硬度測定結果図
【図3】スラストリリーフ部分の拡大断面図
【図4】クランク軸のスラスト軸受の正面図
【図5】クランク軸の軸受ハウジングの断面図
【図6】本発明の第2実施例を示す図3相当図
【図7】本発明の第3実施例を示す図3相当図
【図8】本発明の第4実施例を示す図3相当図
【図9】本発明の第5実施例を示す面取部の断面図
【図10】本発明の第6実施例を示すスラスト軸受の周
方向に沿う断面図
【図11】従来例を示す図10相当図
【符号の説明】
図中、11はクランク軸、14は軸受ハウジング、17
は主軸受、18はスラスト軸受、19,20は半割スラ
スト軸受、19a,20bは突合せ端、22はスラスト
リリーフ、25はオーバレイ層、26はスラストリリー
フ、27は面取部である。
【手続補正書】
【提出日】平成13年9月3日(2001.9.3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 半割スラスト軸受
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半割スラスト軸受に
関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】例えばエンジンのクラ
ンク軸のスラスト荷重を受けるスラスト軸受は、図5に
示すように、2個の半割スラスト軸受1,2により構成
され、一方の半割スラスト軸受はシリンダブロック
に取り付けられ、他方の半割スラスト軸受は軸受キャ
ップに取り付けられる。このスラスト軸受では、シ
ンダブロックと軸受キャップの組付精度や両者の熱
膨張の違いなどにより、シリンダブロック3と軸受キャ
ップ4との間に段差Gが生ずることがある。
【0003】ところで、上記のスラスト軸受では、一方
の半割スラスト軸受2は軸受キャップ6に対して回止め
されているが、他方の半割スラスト軸受1はそのような
回止めがなされていないため、クランク軸の回転に伴っ
て周方向に動く。このとき、図5に示されているよう
に、シリンダブロックと軸受キャップとの間に段差
が生じていると、その段差に半割スラスト軸受1の
突合せ端が衝突して塑性変形し、この塑性変形で生じた
凹み5により半割スラスト軸受1のがたが一層大きくな
って異音が生じ、或は更に変形が進んで割れに発展する
おそれがある。
【0004】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
で、その目的は、突合せ端が塑性変形することを極力防
止できる半割スラスト軸受を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の半割スラスト軸受は、突合せ端の強度を
の他の部分よりも高くしたことを特徴とするものであ
る。この手段によれば、半割スラスト軸受を保持する側
に段差が生じていた場合であっても、突合せ端が塑性変
形を起こしたりすることを極力防止できる。
【0006】また、本発明の半割スラスト軸受では、外
周部に、軸受ハウジング側に形成された係合溝に嵌合さ
れる回止め用の突起を設け、この突起の周方向に沿う端
面の強度を他の部分よりも高くする構成を採用できる。
この手段によれば、突起の端面の塑性変形や割れなどを
極力防止することができる。
【0007】また、本発明の半割スラスト軸受では、軸
受ハウジング側に突設された回止め用のピンに嵌合され
る小孔を形成し、この小孔の前記ピンに当たる部分の強
度を他の部分よりも高くする構成を採用できる。この手
段によれば、小孔の内面が塑性変形したり、割れたりす
ることを極力防止できる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面
参照しながら説明する。図には、クランク軸11の軸
受構造が示されている。同図において、シリンダブロッ
ク12の下部に軸受キャップ13を取り付けて構成され
た軸受ハウジング14には、軸受孔15と両端面の円形
凹部により構成される受け座16とが形成されている。
そして、軸受孔15には、クランク軸11を受ける主軸
受17が嵌着され、また、受け座16には、クランク軸
11のスラストカラー11aを受けるスラスト軸受18
が配設されている。
【0009】図に示すように、上記スラスト軸受18
は、半円状をなす2個の半割スラスト軸受19,20か
ら構成されている。そのうち、例えば下側の半割スラス
ト軸受20の外周部には、突起20aが突設されてお
り、この突起20aは受け座16に連続して形成された
係合溝16aに嵌合されてスラスト軸受18全体の回止
めをなしている。この場合、上下の半割スラスト軸受1
9,20は、受け座16に若干の余裕をもって嵌合され
ており、上側の半割スラスト軸受19は、円周方向に若
干動き得るようになっている。
【0010】この半割スラスト軸受19,20の軸受面
(スラストカラー11aに摺接する面)の複数箇所に
は、油溝21が設けられていると共に、両端部分には軸
受面から突合せ端19a,20bに向って下降傾斜する
スラストリリーフ22が形成されている。
【0011】さて、上記半割スラスト軸受19,20
は、例えば、鋼板などの裏金23に銅系合金、錫系合
金、鉛系合金またはアルミニウム系合金などの軸受合金
24をライニングしてなるバイメタルをプレスにより半
円形に打ち抜くことによって形成される。この打ち抜き
の際、バイメタルの歩留まりを向上させるために、半割
スラスト軸受19,20の両端部を若干重ねて打ち抜く
ようにしており、この結果、半割スラスト軸受19,2
0の両端部の内周側には、円弧状の切欠19b,20c
が生ずる。
【0012】板材から半割スラスト軸受19,20を打
ち抜いた後、その半割スラスト軸受19,20の周方向
両側は、軸受面側からプレスにより一種の冷間鍛造加工
されて傾斜面状のスラストリリーフ22に成形される。
このとき、スラストリリーフ22は、図3に示すよう
に、突合せ端19a,20b側では円弧凹面状になるよ
うに成形され、軸受面側では円弧凸面状になるように成
形される。
【0013】て、この実施例では、半割スラスト軸受
19,20の突合せ端19a,20bの端面の強度を他
の部分よりも高くしている。突合せ端19a,20bの
端面の強度を高くする手段としては、例えば突合せ端1
9a,20bにレーザビームを照射して加熱し急冷す
る、という一種の焼き入れによって硬度を高めたり、或
いは、プレスによる圧縮により硬度を高めたりすること
によって強度を高くすることが可能である。
【0014】このように半割スラスト軸受19,20の
突合せ端19a,20bの強度を高くすれば、半割スラ
スト軸受19,20が受け座16内でクランク軸11の
回転に伴って周方向に動き、図1に示すように、シリン
ダブロック1および軸受キャップ1段差Gが生
じていた場合に、その段差Gに突合せ端19a,20b
当っても、当該突合せ端19a,20bが塑性変形し
たり、割れたりするおそれがなくなる。
【0015】なお、本発明は上記し且つ図面に示す実施
例に限定されるものではなく、次のような変更または拡
張が可能である。半割スラスト軸受20の突起20aの
両側の端面の強度を高くしても良く、このようにすれば
突起20aの塑性変形、割れなどを防止できる。半割ス
ラスト軸受19に軸受ハウジング14側に設けた回止め
用ピンに嵌合する小孔を形成し、この小孔の近傍の強度
を高くするようにしても良い。割スラスト軸受19,
20は、バイメタルではなく、全体が軸受合金で構成さ
れたものであっても良い。半割スラスト軸受1,2の表
面にオーバレイ層を設けても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すもので、スラスト軸受
の周方向に沿う断面図
【図2】クランク軸の軸受ハウジングの断面図
【図3】クランク軸のスラスト軸受の正面図
【図4】スラストリリーフ部分の拡大断面図
【図5】従来例を示す図1相当図
【符号の説明】 図中、11はクランク軸、14は軸受ハウジング、16
aは係合溝、17は主軸受、18はスラスト軸受、1
9,20は半割スラスト軸受、19aは突合せ端、20
aは突起、20bは突合せ端、22はスラストリリーフ
である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図2】
【図1】
【図3】
【図4】
【図5】
フロントページの続き (72)発明者 柴山 隆之 名古屋市北区猿投町2番地 大同メタル工 業株式会社内 Fターム(参考) 3J011 BA09 BA13 CA04 CA06 KA03 MA02 NA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半円状の半割スラスト軸受において、 突合せ端の強度をの他の部分よりも高くしたことを特徴
    とする半割スラスト軸受。
  2. 【請求項2】 半円状の半割スラスト軸受において、 外周部に、軸受ハウジング側に形成された係合溝に嵌合
    される回止め用の突起を有し、この突起の周方向に沿う
    端面の強度を他の部分よりも高くしたことを特徴とする
    半割スラスト軸受。
  3. 【請求項3】 半円状の半割スラスト軸受において、 軸受ハウジング側に突設された回止め用のピンに嵌合さ
    れる小孔を形成し、この小孔の前記ピンに当たる部分の
    強度を他の部分よりも高くしたことを特徴とする半割ス
    ラスト軸受。
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