JP2002104823A - 抗菌・防黴剤 - Google Patents

抗菌・防黴剤

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JP2002104823A
JP2002104823A JP2000297125A JP2000297125A JP2002104823A JP 2002104823 A JP2002104823 A JP 2002104823A JP 2000297125 A JP2000297125 A JP 2000297125A JP 2000297125 A JP2000297125 A JP 2000297125A JP 2002104823 A JP2002104823 A JP 2002104823A
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Takao Tanaka
隆夫 田中
Toku Toda
徳 戸田
Tatsuhiko Ikeda
達彦 池田
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Hakusui Tech Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種の素材に対してよく分散し、且
つ、抗菌・防黴活性に優れた無機系の抗菌・防黴剤を提
供する。 【解決手段】 100kg/cm2 の加圧状態で測定
される体積抵抗率が105 Ω・cm以下である導電性の
付与された酸化亜鉛微粒子から実質的になる抗菌・防黴
剤を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の素材に対し
て優れた分散性を示し、且つ、抗菌・防黴活性に優れた
無機系の抗菌・防黴剤に関する。
【0002】本発明の抗菌・防黴剤は、天然繊維、合成
繊維、天然皮革、合成皮革、紙、フィルム、樹脂、塗料
等の各種工業材料や工業製品に対して抗菌性や防黴性
(以下、本明細書では抗菌性で代表させ単に抗菌剤とし
て説明することがある。)を付加する為の添加剤として
好適に利用することができる。
【0003】
【従来の技術】近年、健康問題に対する国民の意識の高
まりや安全志向・清潔志向とともに、抗菌剤が大きく注
目されるようになり、抗菌機能を付加した、食器、繊維
製品、文房具、家電製品などの多種多様の所謂抗菌グッ
ズが消費者に広く受け入れられるようになってきてい
る。
【0004】従来抗菌剤は、主として、有機系と無機系
に大別される。有機系の抗菌剤は、基本的には、外皮用
殺菌消毒剤、創傷保護剤、医薬部外品等として使用され
ている医薬品であって、例えば、3−(トリメトキシシ
リル)プロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロ
ライド、塩化ベンザルコニウム、塩化ヘキシジン、三塩
化カルバニド、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒド
ロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、ジンクピ
リチオン、クロルキシレノール、2−(4−チアゾリ
ル)−ベンズイミダゾール、N−(トリクロロロメチル
チオ)−4−シクロヘキシン、N−(フルオロジクロロ
メチルチオ)−フタルイミド、2,4,5,6−テトラ
クロロイソフタロニトリル等を主成分とするものが知ら
れている。
【0005】また無機系の抗菌剤としては、銀イオン、
銅イオン、亜鉛イオン等の抗菌成分が、細菌や黴等に対
して優れた抗菌性を示すことが古くから知られており、
これらは当該抗菌成分又は抗菌成分の組合せ及び当該成
分を担持させるための担体により特徴付けられる。
【0006】例えば無機系多孔質体であるゼオライト或
いは無定形のアルミノケイ酸塩を担体とし、上記抗菌成
分である金属イオンを担持させた抗菌剤が知られてお
り、更には、特開平3−275627号公報や同4−3
6220号公報には、メタケイ酸アルミン酸塩などの金
属イオンを抗菌性の金属イオンでイオン交換することに
よって抗菌剤を得る方法も開示されている。更に特開平
6−100403号公報には、酸化亜鉛微粒子に銀若し
くは銅を無電解メッキ法によって付着させてなる抗菌・
防黴活性に優れた抗菌・防黴剤も提案されている。
【0007】しかしながら、これら従来知られている抗
菌剤は、抗菌力や抗菌効果の持続性において必ずしも満
足し得るものではない。
【0008】例えば有機系抗菌剤は、熱に対する安定性
が悪かったり揮発性を有していたりするため、製造工程
・保存工程において精密な管理が行われていない場合、
製造工程や保存工程で抗菌力や抗菌効果を失いやすく、
品質管理上の困難性が大きい。すなわち、有機系抗菌剤
は、基本的に速効性がある反面、有効期間が比較的短
く、耐熱性が劣るため樹脂等の成形加工温度に耐えられ
ないという問題がある。
【0009】一方無機系抗菌剤のうち上記抗菌成分であ
る金属イオンを与える銀粉や銅粉などは、比重が高いた
め、特にプラスチック等の有機質素材に添加分散せしめ
て使用する場合、素材に対する分散性が悪く、混合装置
を使用した場合、素材中に均一に分散させるためにはき
わめて長時間を要するという問題がある。しかもこれら
銀粉等は、保管時に再びプラスチック中で沈降等を起こ
す等非常に分離・偏析し易いものであるため、折角銀粉
等をプラスチック等に配合した場合でも、実質的に安定
した抗菌力が発揮されにくいという大きな問題が指摘さ
れている。
【0010】またアルミノケイ酸塩に抗菌性金属イオン
を担持させたもの、或いはメタケイ酸アルミン酸塩など
にイオン交換法で抗菌性金属を導入したものについて
は、銀や銅を担体中に均一に担持若しくは導入すること
が難しく、このため当初に期待される様な高い抗菌活性
を得ることは実際には困難である。また、酸化亜鉛微粒
子に銀や銅を無電解メッキ法によって付着させてなる抗
菌・防黴剤では、当該銀や銅を無電解メッキするため製
造コストが高くなるという問題がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のごと
き従来の抗菌剤の問題点に着目してなされたものであっ
て、その目的は、有機質素材を初めとする様々の素材に
対して分散性がよく、かつ、優れた抗菌活性及び活性持
続性を示すばかりでなく、耐熱性や耐薬品性にも優れた
安価な抗菌剤を提供しようとするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記観点
から鋭意検討した結果、酸化亜鉛に着目した。すなわ
ち、酸化亜鉛は、従来より光触媒作用を持ち、若干の抗
菌性を持つことが知られていたものではあるが、これに
導電性を付与することにより、その抗菌作用が格段に強
化され、強力な抗菌・防黴剤として作用することを見出
し、本発明に到達した。
【0013】すなわち本発明に従えば、以下の発明が提
供される。 (1) 100kg/cm2 の加圧状態で測定される体積
抵抗率が105 Ω・cm以下である導電性の付与された
酸化亜鉛微粒子から実質的になることを特徴とする抗菌
・防黴剤。
【0014】(2) IIIB族金属元素及びIVB 族金属元素
から成る群から選択される少なくとも1種の金属元素と
亜鉛とを金属元素とし、亜鉛の含有量が全金属元素のう
ち原子比で50〜99.9%であり、X線回折において
酸化亜鉛を示すピークが主成分である (1) に記載の抗
菌・防黴剤。
【0015】(3) IIIB族金属元素とIVB 族金属元素か
ら成る群から選択される金属元素がアルミニウム及び/
又はインジウムである (2) に記載の抗菌・防黴剤。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0017】本発明においては、100kg/cm
2 (10MPa)の加圧状態で測定される体積抵抗率が
105 Ω・cm以下である導電性の付与された酸化亜鉛
の微粒子を抗菌・防黴剤として使用する。
【0018】使用する酸化亜鉛の体積抵抗率が105 Ω
・cm以下の高い導電性を有する場合は、当該酸化亜鉛
微粒子は、充分な抗菌・防黴性を奏することができる
が、この値が105 Ω・cmを超える低い導電性の場合
は、通常の非導電性の酸化亜鉛と大差ない抗菌・防黴性
を示すにすぎない。
【0019】なお、本発明で言う体積抵抗率(Ω・c
m)とは、酸化亜鉛試料粉末10gを、内面にテトラフ
ルオロエチレン樹脂コーティング加工を施した内径25
mmの内筒へ装入して100kg/cm2 に加圧し、YO
KOGAWA 7562 DIGITAL MULTIMETER測定機により抵抗値を
測定し、測定された抵抗値に当該内筒の断面積を乗じ、
試料の厚みで除す事により求めた値である。
【0020】本発明で使用する酸化亜鉛は、必ずしも純
粋な酸化亜鉛である必要はなく、実質的に酸化亜鉛微粒
子であればよい。実質的に酸化亜鉛であるとは、粒子を
構成する金属元素のうちの亜鉛の量が原子比で50〜9
9.9%、好ましくは70〜99.9%を含み、X線回
折において酸化亜鉛を示すピークが主成分であることを
意味する。すなわち、この酸化亜鉛の中に、硝酸根や硫
酸根、アルカリ金属、アルカリ土類金属等を含んでいて
もかまわない。酸化亜鉛の量が原子比で50%未満であ
る場合は、実質的に酸化亜鉛とは言い難く、抗菌活性も
十分ではなくなる。なお、酸化亜鉛粒子の表面を有機物
や無機物で処理(例えば、シリコーン処理)して樹脂等
への分散性をより改良することも可能である。
【0021】本発明の酸化亜鉛は、亜鉛とともに、IIIB
族金属元素及びIVB 族金属元素から成る群から選択され
る少なくとも1種の金属元素を含有することを特徴とす
る。IIIB族の金属元素としては、好ましくはアルミニウ
ム、ガリウム及びインジウムがあげられ、IVB 族金属元
素としては、ケイ素、ゲルマニウム、テルル及びスズが
あげられる。このうち、アルミニウム及び/又はインジ
ウムが、作業性、効率、製造コスト等の点でもっとも好
ましい。これら特定の金属を酸化亜鉛微粒子内部まで浸
透させることにより酸化亜鉛に導電性が付与されるので
ある。
【0022】本発明で使用する導電性酸化亜鉛は、例え
ば特公昭62−41171号に記載されている方法によ
り酸化亜鉛粒子に上記金属を添加浸透させることにより
製造することができる。
【0023】すなわち、原料酸化亜鉛微粒子と、ア
ルミニウム、インジウム、スズ等の酸化物、又は高温で
これら酸化物を形成しうるこれらの塩、例えば硝酸アル
ミニウム、酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸
アルミニウム、硝酸インジウム、硫酸インジウム、塩化
第一スズ、塩化第二スズ、硝酸第一スズ、硝酸第二ス
ズ、硫酸第一スズ、硫酸第二スズ等とを、炭酸アンモ
ニウム、重炭酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸
アンモニウム等の存在下に、水系で接触・処理し、次い
で濾過・遠心分離等の固液分離手段により脱水処理し、
得られた生成物(ケーキ)を水素等の還元性雰囲気中で
焼成するものである。
【0024】なお、上記硝酸アルミニウム等は、上記ア
ルミニウム等の酸化亜鉛に導電性を付与するドーパント
となる金属を供給する成分であり、炭酸アンモニウムや
塩化アンモニウムは、酸化亜鉛結晶を浸食し、当該ドー
パントが結晶中に侵入し易くする浸食剤として作用する
と考えられる。
【0025】この場合、酸化亜鉛微粒子100質量部に
対して、アルミニウム等の金属は0.5〜20質量部、
炭酸アンモニウム等の浸食剤は5〜100質量部使用す
る。また、水系での処理温度は、常温〜100℃程度、
処理時間は、20〜120分程度である。
【0026】ここで原料として用いられる酸化亜鉛とし
ては、所謂酸化亜鉛であればどのようなものであっても
よく、例えば、亜鉛を溶融・蒸発させ気相で酸化するフ
ランス法、亜鉛鉱石を仮焼・コークス還元・酸化するア
メリカ法、亜鉛塩溶液にソーダ灰を加えて塩基性炭酸亜
鉛を沈殿させ、乾燥・焼成する湿式法(加熱分解法)等
のいずれで製造したものでもよい。
【0027】この原料酸化亜鉛粒子を懸濁させてスラリ
ーとする水としては、特に限定するものではなく、酸化
亜鉛の要求純度に応じて鉄錆等の不純物粒子を除いた上
水道水、イオン交換した純水、又は蒸留水の何れを用い
てもかまわない。
【0028】本発明における導電性酸化亜鉛を製造する
ための装置としては、特に限定するものではないが、例
えば撹拌手段、加熱手段、原料酸化亜鉛粒子を沈殿させ
ることなく浮遊させてスラリー状態に保持し、所定の温
度において硝酸アルミニウムや炭酸アンモニウムを溶解
した溶液と接触・処理しうる形式の撹拌槽型の反応装置
が好ましい。撹拌手段としては、通常の撹拌機、例えば
櫂型撹拌機、プロペラ型撹拌機、タービン型撹拌機等の
いずれもが好適に使用される。
【0029】撹拌槽中の原料酸化亜鉛のスラリー濃度
は、通常0.1〜25質量%程度である。
【0030】本発明における酸化亜鉛粒子の水系での処
理操作は、種々の方式によって実施することができる
が、例えば、撹拌槽にまず酸化亜鉛スラリーを仕込んで
おき、撹拌下に、当該スラリー中に硝酸アルミニウム及
び炭酸アンモニウム等を溶解した溶液を滴下又は一括投
入して、加熱下に接触させることができる。
【0031】又は、別々に調製した酸化亜鉛スラリー
と、硝酸アルミニウム/炭酸アンモニウム等の水溶液の
両者を連続的に撹拌槽に供給・混合して加熱下に接触さ
せ、当該処理された酸化亜鉛スラリー等を連続的に反応
槽から溢流させる等して抜き出す方法を採用してもよ
い。
【0032】なお、浸食剤として作用する炭酸アンモニ
ウム等は、先ず酸化亜鉛粒子をアンモニア水溶液に分散
させてスラリーとし、当該スラリーに炭酸ガスを吹き込
むことにより、系内で生成させるようにしてもよい。
【0033】水系での処理終了後、処理された酸化亜鉛
スラリーを水分が5〜40質量%、より好ましくは5〜
10質量%程度になるように濾過・水洗して得た酸化亜
鉛を主体とするケーキを乾燥して粉末を得る。
【0034】得られた生成物(ケーキ)の水素等の還元
雰囲気下における焼成温度は、250〜1000℃、好
ましくは300〜800℃の温度が望ましい。これより
あまり温度が低いと、焼成が不十分になって導電性が低
下し、またこれよりあまり温度が高すぎると、凝集や焼
結により粒子が成長しすぎることなり、分散性が悪くな
るため好ましくない。焼成時間は、ケーキの処理量、加
熱温度、加熱炉の型等によっても異なりうるが通常10
分〜10時間、好ましくは30分〜5時間程度である。
【0035】上記焼成は、水素等の還元性雰囲気下で、
酸化亜鉛粒子を上記温度に加熱しうる加熱炉において行
われる。加熱方式としては、内熱式又は外熱式のいずれ
であってもかまわない。また、酸化亜鉛粒子を固定層と
して装入し加熱する方式でもよいが、ロータリーキルン
等のごとき回転式の加熱炉であってもよい。
【0036】なお、ロータリーキルンを使用する場合
は、ボール又はロッド等の粉砕媒体ともに酸化亜鉛を装
入することが好ましい。装入された酸化亜鉛粒子は、キ
ルン内を粉砕媒体と共に移動しながら粉砕操作を受ける
とともに、強熱されて加熱・分解され、粒子のよく分散
した酸化亜鉛となり、下方排出口から排出される。
【0037】加熱焼成後の導電性の亜鉛粒微粒子は、分
散性に優れており、そのまま好適に抗菌・防黴剤として
使用することができる。なお、所望により、ボールミ
ル、ロッドミル、サンドミル、ハンマーミル、エッジラ
ンナーミル、コロイドミル、コニカルミル、アトリショ
ンミル、ジェットミル、マイクロナイザー、ミクロンミ
ル等の微粉砕機により、更に粉砕処理してから使用する
こともできる。
【0038】このようにして得られた導電性酸化亜鉛微
粒子は、BET法で測定した比表面積から求めた平均粒
径が0.01〜5μm、0.1〜1μm程度であり、分
散性がよく媒体中で沈降しにくいという特徴を有する。
【0039】
【作用】本発明の抗菌・防黴剤は、導電性を付与した酸
化亜鉛微粒子を抗菌成分とするものであって、それ自身
抗菌活性を有する酸化亜鉛微粒子に導電性を持たせるこ
とによりその抗菌性を格段に向上せしめ卓越した抗菌活
性を示すものである。
【0040】また、本発明の抗菌・防黴剤は、無機粉末
からなるものであるから、耐熱性や耐薬品性においても
非常に優れたものである。
【0041】さらに本発明における導電性酸化亜鉛微粒
子は、微粒子化されており、様々の樹脂中に均一に分散
混合し得るばかりでなく、適当なバインダーや定着剤と
併用することによって様々の繊維質材料にも容易に定着
させることができ、後述する如く幅広い対象物の抗菌・
防黴用途に有効に活用することができる。
【0042】本発明の抗菌剤は、耐熱性や耐薬品性の良
好な微粒子状であって、例えばポリエステル系樹脂、ポ
リアミド系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリウレタン
系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリビニリデン系樹
脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリカーボネート系
樹脂、ポリスチレン系樹脂、ABS系樹脂、(メタ)ア
クリル系脂、ノルボルネン系樹脂若しくはポリビニルブ
チラール系樹脂などを始めとする様々の樹脂に対して優
れた分散性を有しているので、これらの樹脂に当該微粒
子を混練して、抗菌剤を含有するペレット(マスターバ
ッチ)を作製し、押出成形やカレンダー成形等によりシ
ート状やフィルム状に形成することによって、抗菌活性
を有するシート状物若しくはフィルム状物を得ることが
可能である。また、射出成形によりパソコンや携帯電話
等の筐体を形成することもできる。
【0043】また、本発明の抗菌剤は、塗料やコーキン
グ剤等にも容易に混入させることができ、それによって
防黴性の塗料やコーキング剤、シーリング剤等として活
用することもできる。
【0044】さらに、本発明の抗菌剤を混練した状態で
繊維状に加工することも可能であり、それにより繊維に
抗菌活性を付与することもできる。また、不織布表面に
当該抗菌剤を含有させた塗料をグラビア印刷することも
可能である。そしてこの様にして抗菌性の付与された繊
維は、優れた防菌・防黴作用を発揮するので、靴下、ハ
ンカチ、タオル等の布製装身具;各種肌着、パンスト、
タイツ、トレパン、ポロシャツ、カッター、スーツ等の
衣料製品;シーツ、カバー類、毛布、ふとん地座布団、
タオルケット、コタツカバー等の寝装品;カーテン、カ
ーペット、マット類、椅子張り等のインテリア用品;帽
子、手袋、スリッパ、運動靴、インソール、更には内装
用の壁紙や壁布、或はその他の各種繊維製品、エアフィ
ルター、掃除用フィルター等として幅広く活用すること
ができる。
【0045】更に本発明の抗菌剤は、上記の様に樹脂中
に混練して抗菌性を発揮させることができるほか、製紙
工程で紙内に鋤き込んだり、或は繊維製品に適当なバイ
ンダーや定着剤を介して付着・定着させて抗菌活性を発
揮させることもできるので、例えば繊維製の靴敷き等に
事後的に付着・定着させて抗菌性を与えるといった使用
も可能である。
【0046】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明の技術的範囲は、下記実施例によっ
て制限を受けるものではない。また、抗菌・防黴剤の抗
菌・防黴活性は、以下の試験法1、2によって評価し
た。
【0047】〔試験法1〕 試験に供する抗菌・防黴剤
を、所定の濃度となる様に下記の測定培地に懸濁させ、
シャーレに蒔いて平板状の試験培地とした。これに下記
の菌体を1白金耳づつ塗抹した後、37℃で48時間培
養して菌の発育の有無を調べ、発育が抑えられた最少濃
度(MIC)を求めた。
【0048】(測定培地) ペプトン:1%酵母エキス:0.2%硫酸マグネシウム
(5水和物):0.1%寒天:1.5%
【0049】(菌体) Escherichia coliIFO.3301(大腸菌) Staphylococcus aureus IFO.3060(ブドウ球
菌) Bacillus subtilis IFO.3007(枯草菌)
【0050】〔試験法2〕 試験に供する抗菌・防黴剤
を、所定の濃度となる様に下記測定培地に懸濁させ、シ
ャーレに蒔いて平版状の試験培地とした。一方、下記の
菌体をPDA培地に25℃で7日間培養し、スルホコハ
ク酸ジオクチルナトリウム(0.005%)水溶液で1
0ml分注し、これを濾過し滅菌水を加えたものを胞子
懸濁液とした。これを1mlづつ上記の試験培地に均等
に蒔き、25℃で14日間培養して菌の発育の有無を調
べ、発育が抑えられた最小濃度(MIC)を求めた。
【0051】(測定培地) ポテトデキストロース(PDA培地)
【0052】(菌体) Aspergillus niger IFO.4407(黒麹黴) Cladosporium cladosporioidesIFO.6348(黒
黴)
【0053】〔実施例〕 (1) 50mlの水に硝酸アルミニウム5gを溶解した
溶液を炭酸アンモニウム30gを水500mlに溶解し
た液に投入し、硝酸アルミニウムと炭酸アンモニウムを
含む溶液中を調製した。この溶液を、別にフランス法亜
鉛華100gを200ccの水に分散して作った分散液
中に入れ、60℃に加温し、攪拌し、1時間後濾過水洗
し、濾過ケーキを得た。このケーキを乾燥後、水素雰囲
気中で800℃で60分焼成還元して導電性酸化亜鉛を
製造した。この導電性酸化亜鉛の体積抵抗値は300Ω
・cmであった。当該導電性酸化亜鉛のBET法により
測定した平均粒径は0.54μmであった。
【0054】(2) 同様にして、焼成還元温度を変化さ
せ1.3〜90KΩ・cmの導電性酸化亜鉛を得た。こ
れらの導電性酸化亜鉛を試料とし試験法1、試験法2を
用いて抗菌・防黴活性を調べた結果を表1(試験法1の
結果)及び表2(試験法2の結果)に示す。また比較の
ため、非導電性の酸化亜鉛を単独で使用した場合の結果
も併記した。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】表1,2からも明らかなごとく、本発明の
抗菌・防黴剤は、特にブドウ球菌に対して優れた抗菌活
性を有しており、また添加量によっては大腸菌に対して
も抗菌活性を発揮する。また、黒麹黴や黒黴に対しても
防黴活性を有していることが分かる。
【0058】
【発明の効果】本発明においては、以上のごとく、微粒
子状の酸化亜鉛に導電性を持たせることによって、抗菌
・防黴活性に優れた微粒子状の抗菌・防黴剤としたもの
であって、様々の樹脂や繊維等に対して均一に混入もし
くは付着させることができ、前記した様な幅広い用途に
高い抗菌・防黴性を与えるものとして好適に使用するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 達彦 福岡県飯塚市大字横田669番地 ハクスイ テック株式会社内 Fターム(参考) 4G047 AA04 AB02 AC03 AD03 4H011 AA02 BA01 BB18 BB20 BC18 DA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 100kg/cm2 の加圧状態で測定さ
    れる体積抵抗率が105 Ω・cm以下である導電性の付
    与された酸化亜鉛微粒子から実質的になることを特徴と
    する抗菌・防黴剤。
  2. 【請求項2】 IIIB族金属元素及びIVB 族金属元素から
    成る群から選択される少なくとも1種の金属元素と亜鉛
    とを金属元素とし、亜鉛の含有量が全金属元素のうち原
    子比で50〜99.9%であり、X線回折において酸化
    亜鉛を示すピークが主成分である請求項1に記載の抗菌
    ・防黴剤。
  3. 【請求項3】 IIIB族金属元素とIVB 族金属元素から成
    る群から選択される金属元素がアルミニウム及び/又は
    インジウムである請求項2に記載の抗菌・防黴剤。
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Cited By (5)

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