JP2002103913A - 補強コード材及びタイヤ - Google Patents

補強コード材及びタイヤ

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JP2002103913A
JP2002103913A JP2000294488A JP2000294488A JP2002103913A JP 2002103913 A JP2002103913 A JP 2002103913A JP 2000294488 A JP2000294488 A JP 2000294488A JP 2000294488 A JP2000294488 A JP 2000294488A JP 2002103913 A JP2002103913 A JP 2002103913A
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reinforcing
cord
layer
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Norio Inada
則夫 稲田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種分野におけるゴム製品等の補強材とし
て、特にタイヤにおけるキャッププライ層(ベルト補強
層)として好適に使用可能であり、剛性等の機械的特
性、熱特性等に優れ、ロスのみを低減させた補強コード
材の提供。 【解決手段】 ポリアミド繊維コードをゴム中に埋設し
てなり、該ポリアミド繊維コードの該ゴム中における1
20℃での力学的損失正接tanδが0.065以下で
あることを特徴とする補強コード材である。前記力学的
損失正接tanδが0.055以下である態様、ポリア
ミド繊維コードが66ナイロン繊維コードである態様、
ポリアミド繊維コードの撚係数Ktが0.2〜0.7で
ある態様、ポリアミド繊維コードの表面にRFL(レゾ
ルシン−ホルマリン樹脂−ラテックス)接着剤が塗布さ
れた態様、タイヤのキャッププライ層に用いられる態
様、などが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、補強材として各種
分野において使用可能であり、特にタイヤのキャッププ
ライ層(ベルト補強層)に好適に使用可能な補強コード
材、及び該補強コード材を用いたタイヤに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、CO2排出量の増加に伴う地球温
暖化等の環境問題や、資源枯渇問題が深刻化してきてい
る。このため、自動車においては、低燃費エンジン・車
両であることが要求され、タイヤにおいては、軽量・低
燃費であることが要求されてきている。従来からタイヤ
に関しては、形状、構造、トレッド等のゴム特性などの
改良・開発が盛んに行われており、ゴムの使用量を低減
させること、タイヤの転がり抵抗を低減すること等によ
り、軽量化、低燃費化が図られてきている。前記転がり
抵抗については、タイヤにおけるゴム部材以外の部材
(繊維補強部材等)ではなく、ゴム部材が大きく関与し
ていることから、該ゴム部材(例えばトレッドゴム、ビ
ードフィラーゴム、ベルトコーティングゴム、ビードフ
ィラーゴム等)自体の低ロス化、該ゴム部材の形状、構
造等の低歪み化、などが検討され、最適化されてきた。
そして、近時では、前記ゴム部材自体の低ロス化の進展
に伴い、前記ゴム部材以外の部材の動的繰返し歪みに起
因するロスの前記転がり抵抗への関与が無視できなくな
ってきている。前記ゴム部材以外の部材としては、カー
カスプライ層、ベルト層、キャッププライ層等がある
が、これらの中でもキャッププライ層は、転動接地時の
歪み変動が大きいことから、該キャッププライ層の低ロ
ス化の技術が望まれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来におけ
る前記諸問題を解決し、前記要望に応え、以下の目的を
達成することを課題とする。即ち、本発明は、各種分野
におけるゴム製品等の補強材として、特にタイヤにおけ
るキャッププライ層(ベルト補強層)として好適に使用
可能であり、剛性等の機械的特性、熱特性等に優れ、ロ
スのみを低減させた補強コード材、及び、タイヤ諸特性
に優れ、転がり抵抗が低く高品質なタイヤを提供するこ
とを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は以下の通りである。即ち、 <1> ポリアミド繊維コードをゴム中に埋設してな
り、該ポリアミド繊維コードの該ゴム中における120
℃での力学的損失正接tanδが0.065以下である
ことを特徴とする補強コード材である。 <2> ポリアミド繊維コードのゴム中における120
℃での力学的損失正接tanδが0.055以下である
前記<1>に記載の補強コード材である。 <3> ポリアミド繊維コードが66ナイロン繊維コー
ドである前記<1>又は<2>に記載の補強コード材で
ある。 <4> ポリアミド繊維コードの下記式で表される撚係
数Ktが0.2〜0.7である前記<1>から<3>の
いずれかに記載の補強コード材である。
【数2】 但し、前記式中、Nは、ポリアミド繊維コードの撚り数
(回/10cm)を表す。Dは、ポリアミド繊維コード
における総表示デシテックス数を表す。ρは、ポリアミ
ド繊維コードの比重を表す。 <5> ポリアミド繊維コードの表面にRFL(レゾル
シン−ホルマリン樹脂−ラテックス)接着剤が塗布され
た前記<1>から<4>のいずれかに記載の補強コード
材である。 <6> タイヤのキャッププライ層に用いられる前記<
1>から<5>のいずれかに記載の補強コード材であ
る。 <7> ベルト層を補強する少なくとも1層のキャップ
プライ層を少なくとも有してなり、該キャッププライ層
が、前記<1>から<6>のいずれかに記載の補強コー
ド材で形成されたことを特徴とするタイヤである。 <8> キャッププライ層の少なくとも1層が、ベルト
層の両側末端部を覆っている前記<7>に記載のタイヤ
である。 <9> 補強コード材のタイヤに占める重量比率が、
0.1重量%超である前記<7>又は<8>に記載のタ
イヤである。 <10> ベルト層がアラミド繊維コードで形成された
前記<7>から<9>のいずれかに記載のタイヤであ
る。
【0005】前記<1>に記載の補強コード材は、ポリ
アミド繊維コードをゴム中に埋設してなり、該ポリアミ
ド繊維コードの該ゴム中における120℃での力学的損
失正接tanδが0.065以下である。該補強コード
材は、ポリアミド繊維コードを有しているので、剛性等
の機械的特性、熱特性等に優れる一方、該ポリアミド繊
維コードの該ゴム中におけるロスを低減させたので、各
種分野におけるゴム製品等の補強材として、特にタイヤ
におけるキャッププライ層(ベルト補強層)として好適
に使用され得る。
【0006】前記<2>に記載の補強コード材は、前記
<1>において、ポリアミド繊維コードのゴム中におけ
る120℃での力学的損失正接tanδが0.055以
下である。このため、該ポリアミド繊維コードの該ゴム
中におけるロスを十分に低減させたので、各種分野にお
ける補強材として、特にタイヤにおけるキャッププライ
層(ベルト補強層)として好適に使用され得る。
【0007】前記<3>に記載の補強コード材は、前記
<1>又は<2>において、ポリアミド繊維コードが6
6ナイロン繊維コードである。このため、該補強コード
材は、耐熱性等をはじめとする諸物性・諸特性に優れ
る。
【0008】前記<4>に記載の補強コード材は、前記
<1>から<3>のいずれかにおいて、ポリアミド繊維
コードの前記式で表される撚係数Ktが0.2〜0.7
である。このため、該ポリアミド繊維コードは、補強材
としての諸特性に優れ、該補強コード材は、各種分野に
おける補強材として、特にタイヤにおけるキャッププラ
イ層(ベルト補強層)として好適に使用され得る。
【0009】前記<5>に記載の補強コード材は、前記
<1>から<4>のいずれかにおいて、ポリアミド繊維
コードの表面にRFL(レゾルシン−ホルマリン樹脂−
ラテックス)接着剤が塗布されている。このため、ゴム
部材との接着性が良好であり、特にタイヤにおけるキャ
ッププライ層(ベルト補強層)として使用すると、トレ
ッドゴム等との接着性が良好である。
【0010】前記<6>に記載の補強コード材は、前記
<1>から<5>のいずれかにおいて、タイヤのキャッ
ププライ層に用いられる。この場合、該補強コード材
は、該キャッププライ層としての機能を十分に発揮する
ので、該補強コード材を用いたタイヤは、転がり抵抗が
十分に低減され、低燃費である。
【0011】前記<7>に記載のタイヤは、ベルト層を
補強する少なくとも1層のキャッププライ層を少なくと
も有してなり、該キャッププライ層が、前記<1>から
<6>のいずれかに記載の補強コード材で形成されてい
る。該補強コード材は、該補強コード材を構成するポリ
アミド繊維コードの該ゴム中におけるロスが低減された
ため、該タイヤは、機械的特性、熱特性等のタイヤ諸特
性に優れ、かつ転がり抵抗が十分に低く、高品質であ
る。
【0012】前記<8>に記載のタイヤは、前記<7>
において、キャッププライ層の少なくとも1層が、ベル
ト層の両側末端部を覆っている。このため、該タイヤに
おいては、トレッド部の周方向の張力剛性が大きくな
り、前記ベルト層のいわゆるタガ効果が高まるため、タ
イヤ走行中時に路面の大小の凹凸の振動をトレッド面で
拾い難く、タイヤサイド部−リム部−ホイールヘと伝達
されて車内に伝わる振動が全体として減少し、ロードノ
イズが効果的に低減される。
【0013】前記<9>に記載のタイヤは、前記<7>
又は<8>において、補強コード材のタイヤに占める重
量比率が、0.1重量%超である。このため、該タイヤ
においては、該補強コード材によるキャッププライ層の
機能が十分に発揮され、転がり抵抗が十分に低減され
る。
【0014】前記<10>に記載のタイヤは、前記<7
>から<9>のいずれかにおいて、ベルト層がアラミド
繊維コードで形成されている。このため、該ベルト層
は、軽量であり、十分な耐久性、強度等を有し、該ベル
ト層を有する該タイヤは、軽量であり、低燃費である。
【0015】
【発明の実施の形態】(補強コード材)本発明の補強コ
ード材は、ポリアミド繊維コードをゴム中に埋設してな
る。
【0016】前記補強コード材としては、前記ポリアミ
ド繊維コードの前記ゴム中における120℃での力学的
損失正接tanδが、0.065以下である必要があ
り、0.055以下であるのが好ましい。前記力学的損
失正接tanδが0.065を超えると、該ポリアミド
繊維コードの該ゴム中におけるロスの低減が十分でない
ため、タイヤにおけるキャッププライ層(ベルト補強
層)として使用しても、該タイヤの転がり抵抗を十分に
低減させることができない。一方、前記力学的損失正接
tanδが0.065以下であると、前記ロスの低減が
十分であり、前記転がり抵抗を十分に低減させることが
でき、0.055以下であるとこの効果が顕著である点
で好ましい。
【0017】本発明において、前記力学的損失正接ta
nδは、例えば、以下のようにして測定することができ
る。即ち、前記補強コード材を5cmの長さに切出し、
温度120℃、測定周波数5Hz、静的張力1.5k
g、動的繰返し歪み200μmの条件下で、レオログラ
フソリッド、レオバイブロン、スペクトロメーター、等
を用いて測定することができる。
【0018】なお、前記力学的損失正接tanδは、前
記ポリアミド繊維コードの種類等、撚り数、該ポリアミ
ド繊維コードの表面に塗布する接着剤に浸漬する際の浸
漬条件、該接着剤の種類、前記ゴムの種類、等を適宜選
択することにより、調整することができる。
【0019】前記ポリアミド繊維コードは、少なくとも
ポリアミド繊維を原糸として、該ポリアミド繊維に下撚
り、上撚りを施すことにより、双撚生コードとして得ら
れ、必要に応じて、その表面に接着剤等が塗布され、熱
処理等されてなる。
【0020】前記ポリアミド繊維としては、特に制限は
なく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、
66ナイロン繊維、46ナイロン繊維、6ナイロン繊
維、などが挙げられる。これらの中でも、耐熱性、総合
的物性バランス等の点で、66ナイロン繊維が好まし
く、前記力学的損失正接tanδを0.065以下に調
整するのが容易な点で、下記製法により得られる改良6
6ナイロン繊維がより好ましい。これらのポリアミド繊
維は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用し
てもよい。
【0021】前記66ナイロン繊維は、ヘキサメチレン
アジパミドとアジピン酸とから重合されるポリヘキサメ
チレンアジパミド繊維であり、他の共重合成分を含んで
いてもよいし、他の高分子化合物との混合物で構成され
ていてもよい。前記改良66ナイロン繊維は、例えば、
通常より高速である引取り速度2000m/分以上、硫
酸相対粘度3.0以上の条件で、溶融させた66ナイロ
ンを紡糸し、その後、200℃以上の熱処理温度下で熱
延伸、リラックス、冷却、等することにより得られる。
【0022】前記原糸としての前記ポリアミド繊維のデ
シテックス数としては、200〜3000デシテックス
程度であり、800〜1600デシテックスが好まし
い。また、前記ポリアミド繊維のフィラメント当たりの
デシテックス数としては、1〜6デシテックス/フィラ
メント程度であり、2〜5デシテックス/フィラメント
が好ましく、2〜4デシテックス/フィラメントがより
好ましい。
【0023】前記ポリアミド繊維コードの下記式で表さ
れる撚係数Ktとしては、0.2〜0.7が好ましく、
0.3〜0.6がより好ましい。前記撚り係数Ktが、
0.20未満であると、耐摩耗性が十分でないことがあ
り、0.70を超えると、コード破断強度が十分でない
ことがある。
【0024】
【数3】
【0025】但し、前記式中、Nは、ポリアミド繊維コ
ードの撚り数(回/10cm)を表す。Dは、ポリアミ
ド繊維コードにおける総表示デシテックス数を表す。ρ
は、ポリアミド繊維コードの比重を表す。
【0026】前記ポリアミド繊維コードにおける総デシ
テックス数Dとしては、400〜6000が好ましく、
800〜4500がより好ましい。前記ポリアミド繊維
コードにおける総デシテックス数Dが、800デシテッ
クス未満であると、細過ぎて剛性が低下することがあ
り、4500デシテックスを超えると、太過ぎて重量が
増してしまったり、ゲージ厚となることがある。
【0027】前記接着剤としては、特に制限はなく、目
的に応じて適宜選択することができるが、前記ポリアミ
ド繊維と前記ゴムとの接着性を良好にすることができる
点で、RFL(レゾルシン−ホルマリン樹脂−ラテック
ス)接着剤が好適に挙げられる。
【0028】前記接着剤の塗布の方法としては、特に制
限はなく、公知の方法を採用することができるが、例え
ば、浸漬法、バーコート法、ニーダーコート法、カーテ
ンコート法、ローラコート法、スピンコート法、などが
挙げられる。
【0029】前記熱処理としては、乾燥処理、熱固定処
理(ヒートセット処理)及びノルマライジング処理が挙
げられ、これらの熱処理をこれらの順に施すのが好まし
い。これらの熱処理は、連続的に行ってもよいし、バッ
チ式で行ってもよいが、製造効率の点で連続的に行うの
が好ましい。前記熱処理を連続的に行う方法としては、
特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ
るが、例えば、前記各処理を行うための加熱炉を連続し
て配置し、該加熱炉の中(ゾーン)をコンベア等を用い
て連続的に通過させる方法などが挙げられる。
【0030】前記乾燥処理、前記熱固定処理及びノルマ
ライジング処理における熱処理条件、張力条件等として
は、得られる前記ポリアミド繊維の中間伸度、熱収縮特
性等が従来のコードと同等になるように適宜選択するこ
とができる。
【0031】前記ゴムとしては、特に制限はなく、天然
ゴムであってもよいし、合成ゴムであってもよいし、あ
るいはこれらのブレンドであってもよく、目的に応じて
公知のゴムの中から適宜選択することができる。前記ゴ
ムは、通常、複数本並列された前記ポリアミド繊維コー
ドの両面に被覆される。
【0032】前記補強コード材においては、前記ゴム中
に前記ポリアミド繊維コードが埋設されている。前記補
強コード材の幅等については、特に制限はなく、用途等
に応じて適宜選択することができる。前記補強コード材
における前記ポリアミド繊維コードの打込み数として
は、周方向の剛性の観点からは、5〜20本/cm程度
であり、8〜14本/cmが好ましい。
【0033】前記補強コード材をタイヤにおけるキャッ
ププライ層に使用する場合には、ベルト層の外面に、所
定の幅、長さ等に切出したシートを貼り付けてその両端
をタイヤ周上で接合(ジョイント)してもよいし、紙幅
のテープ状にして螺旋状にベルト層の外面に周方向に巻
回して整列させてもよい(いわゆるスパイラルキャッ
プ)。
【0034】前記補強コード材は、各種分野におけるゴ
ム製品等の補強材として好適に使用することができ、以
下の本発明のタイヤのキャッププライ層に特に好適に使
用することができる。
【0035】(タイヤ)本発明のタイヤは、ベルト層を
補強する少なくとも1層のキャッププライ層を少なくと
も有してなり、該キャッププライ層が前記本発明の補強
コード材で形成されていること以外は、その形状、構
造、大きさ、材料等について特に制限はなく、公知の構
成を適宜採用することができる。なお、前記キャッププ
ライ層の数としては、特に制限はなく、目的に応じて適
宜選択することができ、1層であってもよいし、2層以
上であってもよい。
【0036】前記タイヤの前記キャッププライ層以外の
構成としては、例えば、1対のビード部、該ビード部に
トロイド状をなして連なるカーカス、該カーカスのクラ
ウン部をたが締めするベルト層、トレッドなどが挙げら
れる。本発明においては、前記ベルト層が、スチールコ
ードで形成されていてもよいが、アラミド繊維コードで
形成されているのが好ましい。この場合、該ベルト層
は、軽量であり、十分な耐久性、強度等を有し、該ベル
ト層を有する該タイヤを、軽量化、低燃費化を図ること
ができる点で有利である。
【0037】前記キャッププライ層(ベルト補強層)と
しての前記本発明の補強コード材の該タイヤに占める重
量比率としては、0.1重量%超が好ましい。前記重量
比率が0.1重量%以下であると、該タイヤにおいて、
該補強コード材によるキャッププライ層の機能が十分に
発揮されず、転がり抵抗が十分に低減されないことがあ
る。
【0038】前記タイヤは、ラジアルタイヤであっても
よいし、バイアスタイヤであってもよいが、前記ラジア
ルタイヤの場合には、前記ベルト層の外周側に、前記キ
ャッププライ層(ベルト補強層)としての前記本発明の
補強コード材が、前記ベルト層の全幅を覆っていてもよ
いし(フルキャップ方式)、該ベルト層の両端部のみを
覆っていてもよいし(エッジレイヤー方式)、あるいは
これらを組合せてもよい。なお、前記タイヤは、内部に
気体を充填して用いることができ、該気体としては、特
に制限はないが、例えば、空気、窒素などが挙げられ
る。
【0039】前記タイヤにおいて、前記キャッププライ
層(ベルト補強層)としての前記本発明の補強コード材
が、前記ベルト層の全幅及び/又は両端部を覆っている
と、トレッド部の周方向の張力剛性が大きくなり、前記
ベルト層のいわゆるタガ効果が高まるため、タイヤ走行
中時に路面の大小の凹凸の振動をトレッド面で拾い難
く、タイヤサイド部−リム部−ホイールヘと伝達されて
車内に伝わる振動が全体として減少し、ロードノイズが
低減される。一方、前記ベルト補強層としての前記本発
明の補強コード材が、前記ベルト層の全幅及び/又は両
端部を覆っていないと、タイヤ周方向にジョイントがで
きてしまうため、周方向の張力が向上するよりも、ジョ
イント部でのジョイント上下層間のズレが発生してしま
い、ユニフォミティーが著しく悪化するため好ましくな
い。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明するが、
本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではな
い。
【0041】(実施例1)実施例1における空気入りタ
イヤ(ラジアルタイヤ)は、図1に示すように、リムフ
ランジに嵌合される1対のビード12と、ビード12の
周りにタイヤ内側から外側に折返して係止されるカーカ
ス14と、ビード12を中心にして折返されたカーカス
14に収容されたビードフィラー11と、カーカス14
のクラウン部に位置するトレッド部10と、ビード12
を埋設したサイドウォール部13と、カーカス14の内
側に配置されたインナーライナー層15と、トレッド部
10の内側に配置されたベルト層16と、ベルト層16
の外周側であってその全幅に配置されたキャッププライ
層17と、ベルト層16の外周側であってその両端部に
配置されたエッジキャッププライ層18と、を備えてな
る。
【0042】実施例1における空気入りタイヤ(ラジア
ルタイヤ)は、155/65R14のチューブレス構造
であり、該空気入りタイヤの製造は、加硫条件170℃
×13分、ポストキュアインフレーション条件内圧2.
5kg/cm2、26分で行った。
【0043】該空気入りタイヤにおける、カーカス14
としては、1100dtex/2(1100デシテック
ス2本撚り)の撚り数(下撚り×上撚り)47×47
(回/10cm)のポリエチレンテレフタレートコード
を使用したものを1枚、打込み数が55.0本/5cm
のものを用いた。カーカス14は、実質的にタイヤ周方
向と直交する方向に配置された。
【0044】該空気入りタイヤにおける、ベルト層16
としては、1×3×0.24mm(素線径0.3mm)
構造のスチールコードベルトを2枚配置し、打込み角度
は、周方向に対して左右それぞれ25°、打込み数が4
0.0本/5cmのものを用いた。ベルト層16は、ス
チール繊維コードがタイヤ周方向(タイヤの赤道面)に
対し25°の傾斜角度で配置されており、少なくとも2
枚、コードが異なる方向に交差するように重ね合わされ
た。
【0045】キャッププライ層(ベルト補強層)17
は、本発明の補強コード材で形成されており、その詳細
は表1に示した通りであり、表1に示したポリアミド繊
維に接着剤を塗布してなるコードをゴム(天然ゴム主体
の配合ゴム)引きしたものであり、タイヤ周方向に実質
的に平行(0°)になるようにラセン状(スパイラル
状)にエンドレスに巻きつけられた。キャッププライ層
(ベルト補強層)17は、ベルト層16の径方向外側の
両端に5mm広く巻きつけられた。
【0046】エッジキャッププライ層(ベルト補強層)
18は、キャッププライ層(ベルト補強層)17と同様
の構成であり、ベルト層16の外周側の両端部に一層、
各30mm幅になるように巻き付けられた。エッジキャ
ッププライ層(ベルト補強層)18は、5〜20mm程
度の狭幅であった。
【0047】なお、キャッププライ層17及びエッジキ
ャッププライ層18に用いた補強コード材におけるポリ
アミド繊維コードは、以下のようにして得たものであ
る。即ち、硫酸相対粘度3.2のポリヘキサメチレンア
ジパミド重合体の溶融物を、通常より高速の引取り速度
である2000m/分以上で紡糸し、その後、235℃
の熱処理温度で適当な熱延伸、リラックス、冷却等を行
うことにより、1400dtex(フィラメントデシテ
ックスは3.0デシテックス/フィラメントとした)の
66ナイロン繊維の原糸を得た。次に、リング撚糸機を
用いて前記原糸に26×26回/10cmの撚り数をか
け、1400dtex/2の双撚生コードを得た。そし
て、この双撚生コードを、RFL(レゾルシン−ホルマ
リン樹脂−ラテックス)水溶液接着剤に浸漬し、乾燥処
理し、熱処理した。前記乾燥処理(乾燥ゾーン)の際の
温度を140℃とし、処理時間を120秒間とした。ま
た、前記熱処理の際の温度を235℃とし、処理時間を
90秒間とした。また、ヒートセットの際のコード張力
を1.0g/dとした。
【0048】実施例1における空気入りタイヤ(ラジア
ルタイヤ)の詳細を表1に示した。また、該空気入りタ
イヤにおけるキャッププライ層に用いた補強コード材つ
いて、コードの粘弾性を以下のようにして測定した。ま
た、該空気入りタイヤの転がり抵抗を以下のようにして
測定した。
【0049】<粘弾性の測定>前記空気入りタイヤか
ら、表面ゴムの付いたままのキャッププライ層(補強コ
ード材)を切出し、表面の余分なゴム片を可能な限り挟
みで削ぎ落として試料長5cmとし、スペクトロメータ
ー((株)東洋精機製作所製)を用いて、温度120
℃、測定周波数5Hz、静的張力1。5kg、動的繰返
し歪み200μmの条件にて力学的損失正接tanを測
定した。結果を表1に示した。
【0050】<転がり抵抗の測定>空気入りタイヤの内
圧を2.0kg/cm2にて、荷重200kg、速度3
0〜180km/時で直進ドラムを惰性走行させ、50
km/時、80km/時の両方の転がり抵抗の平均値を
指数表示した。なお、該平均値が小さい程、良化してい
ることを意味する。結果を表1に示した。
【0051】(比較例1)実施例1において、補強コー
ド材におけるポリアミド繊維コードとして、市販の66
ナイロン繊維コード(1400dtex/2(40×4
0))を用いた以外は、実施例1と同様にした。結果を
表1に示した。
【0052】(実施例2)実施例1において、ベルト層
のコードとして、市販のアラミド繊維コード(1670
dtex/2(撚り数28×28回/10cm))を2
枚交錯させて用いた以外は、実施例1と同様にした(角
度周方向に対し25°)。結果を表1に示した。
【0053】(比較例2)実施例1において、ベルト層
のコードとして、市販のアラミド繊維コード(1670
dtex/2(撚り数28×28回/10cm))を2
枚交錯させて用いた以外は、実施例1と同様にした(角
度周方向に対し25°)。結果を表1に示した。
【0054】(実施例3)実施例2において、キャップ
プライ層を、ベルト層を覆う前記フルキャップ方式とし
た以外は、実施例2と同様にした。結果を表1に示し
た。
【0055】(比較例3)実施例において、キャッププ
ライ層を、ベルト層の両末端部のみを覆う前記エッジレ
イヤー方式とした以外は、実施例1と同様にした。結果
を表1に示した。
【0056】(比較例4)実施例において、キャッププ
ライ層に用いた補強コード材におけるポリアミド繊維コ
ードを、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維コ
ード(1000dtex/2(30×30))に代えた
以外は、実施例1と同様にした。結果は表1に示した。
【0057】
【表1】
【0058】表1の結果から、本発明の補強コード材を
キャッププライ双に用いた本発明のタイヤ(空気入りタ
イヤ)では、比較例と比べて、転がり抵抗が低いことが
明らかである。
【0059】
【発明の効果】本発明によると、従来における前記諸問
題を解決することができ、各種分野におけるゴム製品等
の補強材として、特にタイヤにおけるキャッププライ層
(ベルト補強層)として、好適に使用可能であり、剛性
等の機械的特性、熱特性等に優れ、ロスのみを低減させ
た補強コード材、及び、タイヤ諸特性に優れ、転がり抵
抗が低く高品質なタイヤを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明のタイヤの一部断面概略図であ
る。
【符号の説明】
10 トレッド部 11 ビードフィラー 12 ビード 13 サイドウォール部 14 カーカス 15 インナーライナー層 16 ベルト層 17 キャッププライ層 18 エッジキャッププライ層

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアミド繊維コードをゴム中に埋設し
    てなり、該ポリアミド繊維コードの該ゴム中における1
    20℃での力学的損失正接tanδが0.065以下で
    あることを特徴とする補強コード材。
  2. 【請求項2】 ポリアミド繊維コードのゴム中における
    120℃での力学的損失正接tanδが0.055以下
    である請求項1に記載の補強コード材。
  3. 【請求項3】 ポリアミド繊維コードが66ナイロン繊
    維コードである請求項1又は2に記載の補強コード材。
  4. 【請求項4】 ポリアミド繊維コードの下記式で表され
    る撚係数Ktが0.2〜0.7である請求項1から3の
    いずれかに記載の補強コード材。 【数1】 但し、前記式中、Nは、ポリアミド繊維コードの撚り数
    (回/10cm)を表す。Dは、ポリアミド繊維コード
    における総表示デシテックス数を表す。ρは、ポリアミ
    ド繊維コードの比重を表す。
  5. 【請求項5】 ポリアミド繊維コードの表面にRFL
    (レゾルシン−ホルマリン樹脂−ラテックス)接着剤が
    塗布された請求項1から4のいずれかに記載の補強コー
    ド材。
  6. 【請求項6】 タイヤのキャッププライ層に用いられる
    請求項1から5のいずれかに記載の補強コード材。
  7. 【請求項7】 ベルト層を補強する少なくとも1層のキ
    ャッププライ層を少なくとも有してなり、該キャッププ
    ライ層が、請求項1から6のいずれかに記載の補強コー
    ド材で形成されたことを特徴とするタイヤ。
  8. 【請求項8】 キャッププライ層の少なくとも1層が、
    ベルト層の両側末端部を覆っている請求項7に記載のタ
    イヤ。
  9. 【請求項9】 補強コード材のタイヤに占める重量比率
    が、0.1重量%超である請求項7又は8に記載のタイ
    ヤ。
  10. 【請求項10】 ベルト層がアラミド繊維コードで形成
    された請求項7から9のいずれかに記載のタイヤ。
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