JP2002103601A - インクジェット式プリントヘッド及びインクジェット式プリンタ - Google Patents

インクジェット式プリントヘッド及びインクジェット式プリンタ

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JP2002103601A
JP2002103601A JP2000297088A JP2000297088A JP2002103601A JP 2002103601 A JP2002103601 A JP 2002103601A JP 2000297088 A JP2000297088 A JP 2000297088A JP 2000297088 A JP2000297088 A JP 2000297088A JP 2002103601 A JP2002103601 A JP 2002103601A
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ink jet
piezoelectric element
print head
wiring
ink
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JP2000297088A
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Yutaka Furuhata
豊 古畑
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電素子とその駆動回路との電気的な接続を
行っている配線同士の接触を防止することができるイン
クジェット式プリントヘッド及びインクジェット式プリ
ンタを提供すること。 【解決手段】 並設される圧電素子20とその駆動回路
60との間に配置される基板40に、前記圧電素子の配
置面側から前記駆動回路の配置面側に貫通しており、前
記圧電素子と前記駆動回路とを電気的に接続する複数の
配線62が通る貫通溝44を形成する。そして、前記貫
通溝の少なくとも前記駆動回路側の縁部を凹凸状に形成
する。これにより、ワイヤボンディング工程において各
配線が貫通溝の縁部に形成された各凹部にそれぞれ入り
込むようになるので、樹脂封止工程においてワイヤボン
ディングされた配線が樹脂に押されても撓むようなこと
はなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電素子の駆動変
位によりインク滴を吐出させるインクジェット式プリン
トヘッド及びそのヘッドを用いて情報を記録媒体に印刷
するインクジェット式プリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、インクジェット式プリントヘッ
ドは、ノズル開口と、このノズル開口に連通されてお
り、一部が振動板で構成されている圧力発生室と、この
圧力発生室の振動板に連接されている圧電素子を備えて
いる。このような構成において、圧電素子を駆動,変位
させて振動板を変形させ、圧力発生室内のインクを加圧
してノズル開口からインク滴を吐出させることにより、
情報を記録媒体に印刷するようになっている。
【0003】上記インクジェット式プリントヘッドとし
ては、軸方向に伸長・収縮する縦振動モードの圧電素子
を使用した方式のものが実用化されている。この方式の
インクジェット式プリントヘッドによれば、圧電素子の
端面を振動板に接触させることにより圧力発生室の容積
を変化させることができるので、高密度印刷に適したも
のとすることができる。ところが、圧電素子を振動板に
配設する製造工程において、圧電素子をノズル開口の配
列ピッチに一致させて櫛歯状に切り分け、切り分けた圧
電素子を圧力発生室に位置決めして固定するという複雑
かつ困難な作業が必要になるという問題がある。
【0004】一方、他の方式のインクジェット式プリン
トヘッドとしては、たわみ振動モードの圧電素子を使用
した方式のものが実用化されている。この方式のインク
ジェット式プリントヘッドによれば、圧電材料でなるグ
リーンシートを圧力発生室の形状に合わせて貼付し焼成
するのみという比較的簡単な作業で圧電素子を振動板に
配設することができるので、上記問題を解消することが
できる。ところが、たわみ振動を利用しているため、圧
電素子の面積がある程度必要であり、高密度配列が困難
であるという問題がある。
【0005】そこで、この問題を解消すべく成膜技術を
利用したインクジェット式プリントヘッドが提案されて
いる。すなわち、振動板の表面全面にわたって圧電材料
層を均一に成膜し、この圧電材料層をリソグラフィ法に
より圧力発生室に対応する形状に切り分けて圧電素子を
各圧力発生室毎に独立するように形成する。これによれ
ば、リソグラフィ法という精密で簡便な手法により圧電
素子を振動板に配設することができるので、圧電素子を
振動板に貼付する作業が不要となり、さらに圧電素子の
厚みが薄くなって高速駆動が可能になるという利点があ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した成
膜技術を利用したインクジェット式プリントヘッドで
は、圧電素子とその駆動回路との電気的な接続はワイヤ
ボンディングにより行われている。ところが、このワイ
ヤボンディング工程の後で行われる樹脂封止工程におい
て、ワイヤボンディングされた複数の配線が樹脂に押さ
れて撓み、配線同士が接触するおそれがあった。そし
て、この配線同士の接触が発生した場合には、樹脂が硬
化する前に針等を用いて配線の撓みを修正しなければな
らず、非常に手間が掛かるという問題があった。
【0007】本発明は、上記のような種々の課題に鑑み
なされたものであり、その目的は、圧電素子とその駆動
回路との電気的な接続を行っている配線同士の接触を防
止することができるインクジェット式プリントヘッド及
びインクジェット式プリンタを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のため、本
発明の請求項1に係るインクジェット式プリントヘッド
では、並設される圧電素子とその駆動回路との間に配置
される基板であって、前記圧電素子の配置面側から前記
駆動回路の配置面側に貫通しており、前記圧電素子と前
記駆動回路とを電気的に接続する複数の配線が通る貫通
溝が形成されている基板を備え、前記貫通溝の少なくと
も前記駆動回路側の縁部を凹凸状に形成するようにして
いる。
【0009】これにより、ワイヤボンディング工程にお
いて各配線が貫通溝の縁部に形成された各凹部にそれぞ
れ入り込むようになるので、樹脂封止工程においてワイ
ヤボンディングされた配線が樹脂に押されても撓むよう
なことはなく、配線同士の接触を防止することができ、
従来のような樹脂硬化前の配線の撓み修正工程を省略す
ることができる。従って、配線同士の接触を完全に無く
すことができると共に、製造コストを低減させることが
できる。
【0010】請求項2に係る発明では、前記縁部に形成
されている凹部は、その形成ピッチが前記配線の配置ピ
ッチとほぼ同一となるように形成されていることを特徴
としている。これにより、凹部の形成ピッチと配線の配
置ピッチがほぼ一致しているので、ワイヤボンディング
時に配線を凹部に確実に入り込ませることができる。
【0011】請求項3に係る発明では、前記縁部に形成
されている凹部は、その形成ピッチ方向の幅が前記配線
の配置ピッチ以下となるように形成されていることを特
徴としている。これにより、凹部の形成ピッチ方向の幅
を配線の配置ピッチと同一か狭くなるようにしているの
で、1つの凹部には隣り合う配線が入り込むことはな
く、常に対応する1本の配線のみを入り込ませることが
できる。
【0012】請求項4に係る発明では、前記基板が、面
方位(110)のシリコン単結晶基板で成ることを特徴
としている。面方位が(110)のシリコン単結晶基板
を用いることにより、エッチングにより貫通溝を形成す
る際に貫通溝の少なくとも縁部を容易に凹凸状に形成す
ることができる。
【0013】請求項5に係る発明では、少なくとも前記
縁部に絶縁膜が形成されていることを特徴としている。
また、請求項6に係る発明では、前記配線が絶縁膜で被
覆されていることを特徴としている。これにより、配線
からのリークを確実に防止することができる。
【0014】請求項7に係る発明では、請求項1〜6の
何れか一項に記載のインクジェット式プリントヘッドを
備え、そのヘッドを用いて情報を記録媒体に印刷するこ
とを特徴としている。上述した各作用により、導通不良
の無い良好で安価なプリンタを提供することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明の実
施の形態について詳細に説明する。
【0016】図1は、本発明の実施の形態に係るインク
ジェット式プリンタの構成例を示す斜視図である。この
インクジェット式プリンタは、本体101内にインクジ
ェット式プリントヘッド100、ヘッド駆動機構10
2、オートシートフィーダ(自動連続給紙機構)103
が配設され、本体101上部後方にトレイ104が配設
されている。
【0017】インクジェット式プリントヘッド100
は、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの計
4色のインクカートリッジ105を備えており、フルカ
ラー印刷が可能なように構成されている。そして、イン
クジェット式プリントヘッド100のインク吐出タイミ
ング及びヘッド駆動機構102の走査が、本体101に
内蔵されている専用コントローラボード等により制御さ
れ、高精度なインクドット制御、ハーフトーン処理等が
実行されるようになっている。
【0018】また、トレイ104に給紙されている記録
用紙106は、オートシートフィーダ103により自動
的に送り出され、本体101正面に設けられている排紙
口107から排出されるようになっている。この記録用
紙106としては、普通紙、専用紙、推奨OHPシー
ト、光沢紙、光沢フィルム、ラベルシート、官製葉書等
が利用できる。
【0019】図2は、図1のインクジェット式プリント
へッド100の概略構成例を示す分解斜視図である。な
お、この図では便宜上、1色分のヘッドのみを示してい
る。このインクジェット式プリントへッド100は、ノ
ズルプレート10の上に圧電素子20が形成された流路
形成基板30が接合され、流路形成基板30の上にリザ
ーバ形成基板40が接合され、リザーバ形成基板40の
上に封止板50及び圧電素子20の駆動回路(ドライバ
IC)60が接合され、これらがケースヘッド70で覆
われた構成となっている。
【0020】図3は、図2のインクジェット式プリント
へッド100を組み立てたときの詳細を示す断面図であ
る。なお、この図でも便宜上、1色分のヘッドのみを示
している。ノズルプレート10は、厚さが例えば0.1
mm〜1mm、線膨張係数が例えば300゜C以下で
2.5〜4.5(×10-6/゜C)であるガラスセラミ
ックスや不錆鋼等で作製されている。このノズルプレー
ト10には、図3に示すように、2列に並んだ複数のノ
ズル開口11が穿孔されている。
【0021】流路形成基板30は、厚さが例えば150
μm〜300μm、面方位が(110)のシリコン単結
晶基板で作製されている。図3に示すように、この流路
形成基板30の一方の面は開口面として形成され、他方
の面には予め熱酸化により形成した二酸化シリコンから
成る厚さ1μm〜2μmの図示しない弾性膜が形成さ
れ、図2にも示すように、さらに圧電素子20が形成さ
れている。
【0022】流路形成基板30の開口面には、図3に示
すように、複数の隔壁で区画された圧力発生室31が異
方性エッチングにより幅方向に並設され、その長手方向
外側には、図2及び図3に示すように、後述するリザー
バ形成基板40のリザーバ部41に連通して各圧力発生
室31の共通のインク室となるリザーバ80の一部を構
成する連通部32が異方性エッチングにより形成され、
各圧力発生室31の長手方向一端部とそれぞれインク供
給路33を介して連通されている。なお、このインク供
給路33も圧力発生室31と同様に隔壁によって区画さ
れている。
【0023】そして、この流路形成基板30の開口面側
には、図3に示すように、各圧力発生室31のインク供
給路33とは反対側で連通するノズル開口11が穿設さ
れたノズルプレート10が接着剤や熱溶着フイルム等を
介して固着されている。このため、ノズルプレート10
は、一方の面で流路形成基板30の一面を全面的に覆っ
て衝撃や外力から保護する補強板の役目も果たすことに
なる。なお、ノズルプレート10を流路形成基板30と
熱膨張係数が略同一の材料で形成してもよく、この場合
はノズルプレート10と流路形成基板30との熱による
変形が略同一となるため、熱硬化性の接着剤等を用いて
容易かつ確実に接合することが可能となる。
【0024】一方、流路形成基板30の開口面とは反対
側の弾性膜の上には、図2及び図3に示すように、厚さ
が例えば約0.2μmの下電極膜と、厚さが例えば約1
μmの圧電体層と、厚さが例えば約0.1μmの上電極
膜とで成る圧電素子20が、薄膜形成プロセスで積層形
成されている。一般的には、圧電素子20の何れか一方
の電極を共通電極とし、他方の電極及び圧電体層を各圧
力発生室31毎にパターニングして構成する。そして、
圧電素子20の上電極膜の長手方向一端部近傍からリー
ド電極21が圧力発生室31の周壁に対向する領域に延
設されている。
【0025】リザーバ形成基板40は、厚さが例えば1
50μm〜300μm、面方位が(110)のシリコン
単結晶基板で作製されている。これにより、上述のノズ
ルプレート10の場合と同様に、流路形成基板30とリ
ザーバ形成基板40とを熱硬化性の接着剤等を用いて容
易かつ確実に接着することが可能となる。
【0026】このリザーバ形成基板40には、図2及び
図3に示すように、上述した流路形成基板30の各圧力
発生室31の共通のインク室となるリザーバ80の一部
を構成する連通部32に連通したリザーバ部41が異方
性エッチングにより幅方向に並設され、図3に示すよう
に、さらに後述する封止板50のインク導入ロ51に連
通するインク導入路42が異方性エッチングにより形成
されている。
【0027】また、リザーバ形成基板40の圧電素子2
0に対応する領域には、図3に示すように、圧電素子2
0の運動を阻害しない程度の密封可能な空間43が異方
性エッチングにより形成され、さらにこの空間43と外
部とを連通する図示しない連通孔が異方性エッチングに
より設けられている。また、この空間43の形成面とは
反対側の面には、図2及び図3に示すように、圧電素子
20の駆動回路60及び配線パターン61が配設されて
いる。
【0028】上記空間43内には例えば不活性ガス等の
乾燥流体が連通孔を介して充填され封止されている。こ
の空間43内は大気よりも低い気圧で密封されており、
これにより圧電素子20は乾燥流体雰囲気中に確実に密
封されて外部環境と遮断される。なお、乾燥流体として
は、不活性ガスの他、還元性ガスを用いることもできる
が、逆に、酸化性ガスを含有させることにより、圧電体
層の劣化を防止する環境を形成することができる。ま
た、このような不活性ガスを用いる場合には、その中の
水の蒸気圧(分圧)をできるだけ低くするのが望まし
い。
【0029】そして、リザーバ形成基板40のリザーバ
部41と空間43の形成部との間には、図2及び図3に
示すように、圧電素子20の配置面側から駆動回路60
の配置面側に貫通しており、圧電素子20のリード電極
21と駆動回路60とを電気的に接続する複数の配線6
2が通る貫通溝44が異方性エッチングにより形成され
ている。そして、詳細は後述するが、貫通溝44におけ
る空間43側の内壁面、少なくとも貫通溝44における
駆動回路60側の縁部(角部)が、本発明の特徴的な部
分である凹凸状に形成されている。
【0030】封止板50は、例えばPPSフィルムとス
テンレス鋼板の積層板で作製されている。この封止板5
0はリザーバ80を封止する役目を有している。また、
図3に示すように、封止板50には上述したようにリザ
ーバ形成基板40のインク導入路42に連通するインク
導入ロ51が形成されている。ケースヘッド70は、上
記各部を覆って保護し、また図3に示すように、駆動回
路60と配線62の封止樹脂71の注入空間部を形成す
る役目を有している。
【0031】図4は、リザーバ形成基板40の外形を示
す斜視図であり、図5は、図4のA部、すなわち貫通溝
44における空間43側の内壁面の拡大図である。図5
に示す貫通溝44における空間43側の内壁面は、全面
が長手方向に延びる波状に形成されている。
【0032】この例での凹部44aは、その形成ピッチ
P1が配線62の配置ピッチP11(図6参照)とほぼ
同一となるように形成されている。このように凹部44
aの形成ピッチP1と配線62の配置ピッチP11をほ
ぼ一致させているので、図6(A)、(B)に示すよう
に、配線62をワイヤボンディングする際に各配線62
を各凹部44aに確実に入り込ませることができる。
【0033】また、上記凹部44aは、その形成ピッチ
P1方向の幅w1が配線62の配置ピッチP11以下と
なるように形成されている。このように凹部44aの形
成ピッチP1方向の幅w1を配線62の配置ピッチP1
1と同一か狭くなるようにしているので、図6(A)、
(B)に示すように、配線62をワイヤボンディングす
る際に1つの凹部44aには隣り合う配線62が入り込
むことはなく、常に対応する1本の配線62のみを入り
込ませることができる。
【0034】以上により、圧電素子20のリード電極2
1と駆動回路60とを電気的に接続する配線62のワイ
ヤボンディング工程において、各配線62が貫通溝44
の各凹部44aにそれぞれ入り込むようになるので、封
止樹脂71の封止工程においてワイヤボンディングされ
た配線62が封止樹脂71に押されても撓むようなこと
はなくなる。よって、配線62同士の接触を防止するこ
とができ、従来のような樹脂硬化前の配線の撓み修正工
程を省略することができる。従って、配線同士の接触を
完全に無くすことができると共に、製造コストを低減さ
せることができる。
【0035】なお、上記凹部44aは貫通溝44におけ
る空間43側の内壁面の全面に形成するようにしたが、
配線62を保持できればよく、少なくとも貫通溝44に
おける駆動回路60側の縁部(角部)に形成すればよ
い。また、形状もサイン波に限られるものではなく、例
えばパルス波、鋸波、三角波形状等でもよい。
【0036】図7(A)は、リザーバ形成基板40に上
記凹部44aを異方性エッチングにより形成するための
マスクの一例を示す平面図である。このマスク1は斜線
部分がマスキング部分であり、白抜き部分が貫通溝44
を形成する部分である。凹部44aを形成したい部分が
斜めに突出した部分1aを有する鋸歯1bの形状に形成
されている。
【0037】ここで、異方性エッチングは、シリコン単
結晶基板をKOH等のアルカリ溶液に浸漬すると、徐々
に侵食されて(110)面に垂直な第1の(111)面
と、この第1の(111)面と約70゜の角度をなし、
かつ上記(110)面と約35゜の角度をなす第2の
(111)面とが出現するが、このときの(110)面
のエッチングレートは(111)面のエッチングレート
と比較して約1/180となるという性質を利用して行
われるものである。
【0038】かかる異方性エッチングにより、2つの第
lの(111)面と斜めの2つの第2の(111)面と
で形成される平行四辺形状の深さ加工を基本として精密
加工を行うことができる。なお、貫通していない溝等を
形成するときは、シリコン単結晶基板を厚さ方向に途中
までエッチング(ハーフエッチング)すればよく、この
制御はエッチング時間の調整により行われる。
【0039】このような異方性エッチングを行うと、図
7(B)に示すように、シリコン単結晶基板は、先ずマ
スク1の斜めに突出した部分1aで覆われている部分の
先端側から次第にエッチングされ(図7(B)のa〜
b)、斜めに突出した部分1aで覆われている部分が無
くなると(図7(B)のc)、次に鋸歯1bで覆われて
いる部分の先端側から次第にエッチングされ(図7
(B)のd)、最終的に貫通溝44における空間43側
の内壁面の全面に凹部44aを容易に形成することがで
きる(図7(B)のe)。
【0040】図8は、図4のA部、すなわち貫通溝44
における空間43側の内壁面の別の例の拡大図である。
図8に示す貫通溝44における駆動回路60側の縁部
(角部)は、等間隔の角柱溝状に形成されている。
【0041】この例での凹部44bも、その形成ピッチ
P2が配線62の配置ピッチP12(図9参照)とほぼ
同一となるように形成されている。このように凹部44
bの形成ピッチP2と配線62の配置ピッチP12をほ
ぼ一致させているので、図9(A)、(B)に示すよう
に、配線62をワイヤボンディングする際に各配線62
を各凹部44bに確実に入り込ませることができる。
【0042】また、上記凹部44bも、その形成ピッチ
P2方向の幅w2が配線62の配置ピッチP12以下と
なるように形成されている。このように凹部44bの形
成ピッチP2方向の幅w2を配線62の配置ピッチP1
2と同一か狭くなるようにしているので、図9(A)、
(B)に示すように、配線62をワイヤボンディングす
る際に1つの凹部44bには隣り合う配線62が入り込
むことはなく、常に対応する1本の配線62のみを入り
込ませることができる。
【0043】以上により、圧電素子20のリード電極2
1と駆動回路60とを電気的に接続する配線62のワイ
ヤボンディング工程において、各配線62が貫通溝44
の各凹部44bにそれぞれ入り込むようになるので、封
止樹脂71の封止工程においてワイヤボンディングされ
た配線62が封止樹脂71に押されても撓むようなこと
はなくなる。よって、配線62同士の接触を防止するこ
とができ、従来のような樹脂硬化前の配線の撓み修正工
程を省略することができる。従って、配線同士の接触を
完全に無くすことができると共に、製造コストを低減さ
せることができる。
【0044】なお、上記凹部44bの形状は角柱溝状に
形成するようにしたが、配線62を保持できればよく、
例えば角錐、半球、スリット等でもよい。
【0045】ここで、配線62からのリークを確実に防
止するために、リザーバ形成基板40の駆動回路60側
の表面、および貫通溝44における駆動回路60側の内
壁面、あるいは少なくとも上記縁部、すなわち配線62
と接触する部分に絶縁膜を形成するか、または配線62
に絶縁膜を被覆するようにしてもよい。
【0046】以上、本発明を種々の実施形態に関して述
べたが、本発明は以上の実施形態に限られるものではな
く、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、他の
実施形態についても適用されるのは勿論である。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るイン
クジェット式プリントヘッド及びインクジェット式プリ
ンタによれば、プリントヘッドの駆動回路部分の樹脂封
止工程においてワイヤボンディングされた配線が樹脂に
押されても撓むようなことはなくなるので、配線同士の
接触を防止することができる。このため、従来のような
樹脂硬化前の配線の撓み修正工程を省略することができ
る。従って、導通不良を完全に無くすことができると共
に、製造コストを低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るインクジェット式プ
リンタの構成例を示す斜視図である。
【図2】図1のインクジェット式プリントへッドの概略
構成例を示す分解斜視図である。
【図3】図2のインクジェット式プリントへッドを組み
立てたときの詳細を示す断面図である。
【図4】図2のインクジェット式プリントへッドのリザ
ーバ形成基板の外形を示す斜視図である。
【図5】図4のリザーバ形成基板のA部、すなわち貫通
溝における空間側の内壁面の拡大図である。
【図6】図5のリザーバ形成基板の貫通溝に配線をワイ
ヤボンディングする際に各配線と各凹部との関係を示す
斜視図及び断面図である。
【図7】図5のリザーバ形成基板に凹部を異方性エッチ
ングにより形成するためのマスクの一例を示す平面図及
びエッチング経過を示す図である。
【図8】図4のリザーバ形成基板のA部、すなわち貫通
溝における空間側の内壁面の別の拡大図である。
【図9】図8のリザーバ形成基板の貫通溝に配線をワイ
ヤボンディングする際に各配線と各凹部との関係を示す
斜視図及び断面図である。
【符号の説明】 1 マスク 10 ノズルプレート 11 ノズル開口 20 圧電素子 30 流路形成基板 31 圧力発生室 32 連通部 33 インク供給路 40 リザーバ形成基板 41 リザーバ部 42 インク導入路 43 空間 44 貫通溝 44a 凹部 44b 凹部 50 封止板 51 インク導入ロ 60 駆動回路(ドライバIC) 70 ケースヘッド 71 封止樹脂 80 リザーバ 100 インクジェット式プリントヘッド 101 本体 102 ヘッド駆動機構 103 オートシートフィーダ(自動連続給紙機
構) 104 トレイ 105 インクカートリッジ 106 記録用紙 107 排紙口

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電素子の駆動変位によりインク滴を吐
    出させるインクジェット式プリントヘッドにおいて、 並設される前記圧電素子とその駆動回路との間に配置さ
    れる基板であって、前記圧電素子の配置面側から前記駆
    動回路の配置面側に貫通しており、前記圧電素子と前記
    駆動回路とを電気的に接続する複数の配線が通る貫通溝
    が形成されている基板を備え、前記貫通溝の少なくとも
    前記駆動回路側の縁部が凹凸状に形成されていることを
    特徴とするインクジェット式プリントヘッド。
  2. 【請求項2】 前記縁部に形成されている凹部は、その
    形成ピッチが前記配線の配置ピッチとほぼ同一となるよ
    うに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の
    インクジェット式プリントヘッド。
  3. 【請求項3】 前記縁部に形成されている凹部は、その
    形成ピッチ方向の幅が前記配線の配置ピッチ以下となる
    ように形成されていることを特徴とする請求項1または
    2に記載のインクジェット式プリントヘッド。
  4. 【請求項4】 前記基板が、面方位(110)のシリコ
    ン単結晶基板で成ることを特徴とする請求項1〜3の何
    れか一項に記載のインクジェット式プリントヘッド。
  5. 【請求項5】 少なくとも前記縁部に絶縁膜が形成され
    ていることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記
    載のインクジェット式プリントヘッド。
  6. 【請求項6】 前記配線が絶縁膜で被覆されていること
    を特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載のインク
    ジェット式プリントヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れか一項に記載のイン
    クジェット式プリントヘッドを備え、そのヘッドを用い
    て情報を記録媒体に印刷することを特徴とするインクジ
    ェット式プリンタ。
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