JP2002103600A - インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置

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JP2002103600A
JP2002103600A JP2000296420A JP2000296420A JP2002103600A JP 2002103600 A JP2002103600 A JP 2002103600A JP 2000296420 A JP2000296420 A JP 2000296420A JP 2000296420 A JP2000296420 A JP 2000296420A JP 2002103600 A JP2002103600 A JP 2002103600A
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、インクジェットヘッドにFPC等
のプリント基板を接合する際の接合媒体のはみ出しを低
減すると共に、省スペースで接合強度を増大させ、小型
のインクジェットヘッド及びインクジェット記録装置を
実現することを目的とする。 【解決手段】 本発明は、インクを吐出するためのノズ
ルが形成されたノズル基板と、ノズルに連通する液室
と、該液室内部の圧力を増大させてノズルからインクを
吐出するエネルギー発生手段が形成された電極基板と、
エネルギー発生手段に通電するためのプリント基板を有
し、プリント基板と電極基板を電気接続部材によって圧
着接続したインクジェットヘッドであって、プリント基
板と電極基板との接続領域におけるプリント基板上に配
置されている複数の電極(17)間に、圧着接続時プリ
ント基板と電極基板との隙間を保持する支持部材(7
1)を設けている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェットヘッ
ド及びインクジェット記録装置に関し、特にインクジェ
ットヘッドを用いたインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ノンインパクト記録法は、記録時の騒音
発生が無視できる程度に小さい点で、オフィス用等とし
て注目されている。その中で、高速記録可能で、普通紙
に特別の定着処理を要せずに記録できる、いわゆる、イ
ンクジェット記録法は極めて有力な方法であり、従来か
ら種々の方式が提案され、又は既に製品化されて実用さ
れている。このようなインクジェット記録法は、いわゆ
る、インクと称される記録液体の小滴を飛翔させ、被記
録体に付着させて記録を行うもので、記録液体の小滴の
発生法及び小滴の飛翔方向を制御するための制御方法に
より、幾つかの方式に大別される。中でも、近年、シリ
コン基板を用いて高密度、高集積化が可能な方法とし
て、特開平4−52214号公報、およびその製造方法
として、特開平3−293141号公報に記載された技
術がある。これは、基板と振動板の電極間に電圧を印加
し、静電力によって振動板をたわませてインク吐出を行
う静電方式で、そのヘッド形成方法として、シリコン基
板にエッチングによって液室と振動板を形成するもので
あり、シリコン基板を用いて高密度、高集積化が可能な
方法として着目されている。
【0003】このような静電方式に限ったことではない
が、シリコンウェハを用いたヘッドは、半導体プロセス
の応用によって高精度微細加工ができるため、歩留まり
良くヘッドの量産ができ、低コスト小型ヘッドを実現す
る上で優れていると言える。一方、このようなインクジ
ェットヘッドは、通常、FPC等のプリント基板が接続
され、通電によって駆動されるが、ヘッドの小型化に伴
い、このようなプリント基板の接合領域も小面積となる
ため、その接合強度の確保が重要な課題となってきてい
る。また、特に薄型構造のヘッドにおいては、ハンダ、
導電性接着剤等の通電媒体のはみ出しなども問題とな
る。前者の問題を解決するものとして、特開平10−0
44441号公報(以下従来例1と称す)のように、プ
リント基板の接合部周囲を接着剤、シール剤で補強する
方法が提案されている。また、後者の問題点を解決する
ために、プリント基板の導線一本一本のハンダ接合強度
の向上を目的として、導線にスリットを設ける提案が特
開平9−46031号公報(以下従来例2と称す)でな
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
1のような方法は、周囲の補強しかできず、また接着剤
やシール剤のためだけの領域を確保する必要があり、小
型ヘッドを実現する上で好ましくない。また、従来例2
では、プリント基板の導線部以外にも接合媒体が配置さ
れる異方導電性ペーストや異方導電性フィルムを用いた
場合には十分な効果が得られない。
【0005】本発明はこのような課題を鑑みてなされた
ものであり、インクジェットヘッドにFPC等のプリン
ト基板を接合する際の接合媒体のはみ出しを低減すると
共に、省スペースで接合強度を増大させ、小型のインク
ジェットヘッド及びインクジェット記録装置を実現する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記問題点を解決するた
めに、インクを吐出するためのノズルが形成されたノズ
ル基板と、ノズルに連通する液室と、該液室内部の圧力
を増大させてノズルからインクを吐出するエネルギー発
生手段が形成された電極基板と、エネルギー発生手段に
通電するためのプリント基板を有し、プリント基板と電
極基板を電気接続部材によって圧着接続した、本発明に
係るインクジェットヘッドによれば、プリント基板と電
極基板との接続領域におけるプリント基板上に配置され
ている複数の電極間に、圧着接続時プリント基板と電極
基板との隙間を保持する支持部材を設けることに特徴が
ある。よって、プリント基板と電極基板を電気接続部材
によって圧着接続する時に、電気接続部材の周囲へのは
み出しを低減すると共に接合強度を増大できる。
【0007】また、プリント基板上に配置されている電
極の厚みが支持部材の厚みより厚く形成されることによ
り、電機接続部材の周囲へのはみ出しを低減し、接合強
度を増大できると共に接合品質を安定化できる。
【0008】更に、支持部材が複数に分割されて形成さ
れることにより、電気接続部材の周囲へのはみ出しを低
減すると共に接合強度を増大できる。
【0009】また、支持部材の表面を凹凸に形成するこ
とにより、電気接続部材の周囲へのはみ出しを低減する
と共に接合強度を増大できる。
【0010】更に、別の発明としてのインクジェットヘ
ッドは、プリント基板と電極基板との接続領域における
電極間の電極基板上に穴や溝等の凹部を設けることに特
徴がある。よって、電気接続部材の周囲へのはみ出しを
低減すると共に接合強度を増大できる。
【0011】また、本発明に係るインクジェット記録装
置は上記インクジェットヘッドを有することを特徴とす
る。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、インクを吐出するため
のノズルが形成されたノズル基板と、ノズルに連通する
液室と、該液室内部の圧力を増大させてノズルからイン
クを吐出するエネルギー発生手段が形成された電極基板
と、エネルギー発生手段に通電するためのプリント基板
を有し、プリント基板と電極基板を電気接続部材によっ
て圧着接続したインクジェットヘッドであって、プリン
ト基板と電極基板との接続領域におけるプリント基板上
に配置されている複数の電極間に、圧着接続時プリント
基板と電極基板との隙間を保持する支持部材を設けてい
る。
【0013】
【実施例】図1は本発明のインクジェット記録装置の構
成を示す概略断面図である。同図に示すように、インク
ジェット記録装置101は、シアンC、マゼンタM、イ
エローY、ブラックBKの各色のインクをそれぞれ収納
した4個のインクカートリッジ102と、複数のノズル
を有し各カートリッジ102からインクが供給される4
個のインクジェットヘッド103と、インクカートリッ
ジ102とインクジェットヘッド103を搭載したキャ
リッジ104と、記録紙を収納した給紙トレイ105
a,105bや手差しテーブル106から記録紙を印字
部107に搬送する搬送ローラ108と、印字した記録
紙を排紙トレイ109に排出する排出ローラ110を有
する。そして、ホスト装置から送られてくる画像データ
を記録紙に印字するときは、キャリッジ104をキャリ
ッジローラ111に倣って走査しながら、搬送ローラ1
08により印字部107に送られた記録紙にインクジェ
ットヘッド103のノズルから画像データに応じてイン
クを噴射して文字や画像を記録する。
【0014】次に、図1のインクジェット記録装置10
1に使用されるインクジェットヘッド1は、別の発明に
係るインクジェットヘッドの外観図である図2、図2の
A矢視図である図3、更に図2のB−B’線断面図であ
る図4に示すように、液室基板11、振動板基板12、
電極基板13、プリント基板であるフレキシブルプリン
ト配線板(以下FPCと略す)14、1列に複数配列さ
れた2列の千鳥配列のノズル15、FPC14のベース
16、FPC14の電極リード17、FPC14のレジ
スト層18、個別電極19、共通電極を兼ねた振動板2
0、液室21、FPC14の電極リード17と電極基板
13の個別電極19を電気的に接続する、例えばハン
ダ、異方導電性フィルムや異方性導電ペースト等である
導電性接着剤22を含んで構成されている。また、共通
液室23は各液室21に連通し、インクを供給する液室
である。ギャップ24は個別電極19と振動板20との
間のギャップである。流体抵抗25は液室21と共通液
室23の間であって液室基板11と振動板基板12とが
近接することで形成される。また、電極基板13は導体
あるいは半導体からなり、導電性のサブストレート26
と、その上に形成された絶縁層27とから構成されてい
る。また、インク供給口28は、連通する共通液室23
に図示していないインクタンクからのインクを供給する
供給口である。更に、液室21、ノズル15を2列にし
て千鳥配列で設けて、ノズルピッチを2倍にしたことに
より、両者にインク供給する共通のインク供給口28と
して形成できるため、ヘッド面積を有効に利用できる。
なお、説明を簡略するためにインク供給口へのインク供
給手段などは省略している。
【0015】また、液室基板11は、ダイシングなどの
機械加工やエッチング等のエレクトロフォーミングなど
の周知の方法で溝を形成し、振動板基板12と接合する
ことによりノズル15と液室21と共通液室23を形成
することができる。この液室基板11の材料としては、
ステンレスなどの金属、Siなどの半導体、そしてガラ
スなどの絶縁性材料が用いられる。なお、接合方法とし
ては、ドライフィルムを用いても良い。液室基板11の
上に、図示していないノズル基板が接着剤で接合されて
いる。ノズル面の吐出表面には、インクとの撥水性を確
保するため、周知の方法(メッキ、あるいは撥水剤コー
ティングなど)で撥水処理が行われている。
【0016】更に、振動板基板12はステンレスなどの
金属やSiなどの半導体をエッチングすること及びNi
を電鋳することなどの方法により、所望の厚さで、微細
なパターンを精度良く形成することができ、振動板基板
そのものを共通電極としても使用できるため好ましい。
また、ガラスなどの絶縁性材料を用いた場合には、表面
にAl,Cu,Cr,Ni,Auなどの金属を蒸着やス
パッタなどの方法で成膜しておくことにより共通電極が
形成できる。振動板基板12は、部分研磨などの機械加
工や、エッチング等のエレクトロフォーミングなどの周
知の方法で底面に振動板20が形成された凹部を有す
る。また、振動板基板12の一部は、個別電極19側に
延び、プリント基板と接続するための共通電極パッドと
なっている。
【0017】また、電極基板13は、ステンレスなどの
金属やSiなどの半導体をエッチングすることにより、
所望の高さのギャップ24を形成し、更にそのギャップ
24に、樹脂やSiO2などの絶縁性の材料で絶縁層2
7を形成する。その上に個別電極19として、Ni,A
l,Ti/Pt,Cuなどの電極材料を、スパッタ、C
VD、蒸着などの成膜技術で所望の厚さに成膜し、その
後フォトレジストを形成してエッチングすることによ
り、ギャップにのみに個別電極を形成することができ
る。したがって、電極基板13の構成は、導体あるいは
半導体からなり、導電性を有するサブストレート26
と、その上に形成された絶縁層27、さらにその絶縁層
27の上に、振動板20とのギャップ24にあたる凹部
を形成し、その底面に導電性材料で形成された個別電極
19が形成されている。また、電極基板13の表面に
は、個別電極形成部以外の領域に、前述の共通電極の一
部を引き出して固定することで、個別電極と共通電極を
ほぼ同じ面内に形成することができ、後述のプリント基
板(ヘッド駆動用プリント基板)との接続が容易とな
る。なお、振動板基板12、電極基板13は、それらの
材料の種類に応じて、接着、陽極接合や直接接合等によ
り接合される。また、個別電極19の上には、さらに短
絡、放電により電極が破損するのを防止する目的で、プ
リント基板との接続部を除いてSiO2やレジスト材料
などによる絶縁層を形成してもよい。
【0018】一方、個別電極19に接続されるFPC1
4としては、ガラスエポキシ樹脂やフェノール樹脂等か
らなる板状のプリント基板や、ポリイミド樹脂、PET
樹脂等からなるフィルム状のプリント基板(FPC)が
用いられる。FPC14上には、個別電極19に電圧を
印加するための電極リード17が形成されている。FP
C14上の電極リード17と個別電極19、共通電極の
電極パッドを電気的に接続する方法としては、例えば、
ハンダで熱圧着する方法、異方導電性接着剤で熱圧着す
る方法、電極間同士を圧接する方法、ワイヤーボンディ
ング法などがあるが、ワイヤーボンディング法はワイヤ
ーの高さが必要であること、さらにワイヤーの機械的損
傷及びワイヤー同士の接続を防止するためにワイヤー部
を樹脂などで封止する必要があり、そのために封止部が
高くなってしまうという欠点があるため、好ましくな
い。ハンダで熱圧着する方法、異方導電性接着剤で熱圧
着する方法、電極間同士を圧接する方法は、複数の電極
の接続を一度に行えることから、加工が容易で、低コス
トであるという点、さらに接続のための高さが低いとい
う点で優れた方法である。さらに、この中でも、ハンダ
や異方導電性膜で熱圧着する方法は、圧着後に基板同士
が接着されるため、電極基板とプリント基板の電気的な
接続と機械的な接続が同時に行われる。したがって、ヘ
ッドの組立工程や印字動作などで接続部が取れないよう
に、別途補強する必要がないという点で優れた接続方法
である。特に、異方導電性膜は電極材料の選択性におい
てハンダよりも優れており、様々なインクジェットヘッ
ドにプリント基板を接合する材料として使用することが
できる。
【0019】このようなハンダや異方導電性膜で熱圧着
する接続方法は図5に示すような工程で行われる。ここ
では駆動用プリント基板としてFPCを使用し、それと
電極基板との接続に異方導電膜を用いた例である。異方
導電性膜(異方導電性フィルム)22は、熱可塑性、あ
るいは熱硬化性の樹脂の中に、フィラーと呼ばれる導電
性の粒子を分散させたもので、電極の間に挟んで加熱、
加圧することで、異方導電性膜22がつぶれて、フィラ
ーが両電極に接触して、電極間の導通が取れるものであ
る。図5の(a)に示すように、先ずFPCなどのFP
C14の電極部に、FPC端面に位置するように異方導
電性膜22の位置合わせを行った後に仮圧着して、FP
CなどのFPC14と異方導電性膜22を密着させる。
その後、図5の(b)に示すように、異方導電性膜22
の保護フィルムを除去し、電極基板の電極パッド部と、
FPCの電極リードとを位置合わせを行い、図5の
(c)に示すように、加熱した圧着ヘッド51を電極領
域に押し当てて、熱圧着する。その際、全ての接合部が
均一な条件である必要があるため、圧着ヘッドは極力温
度ムラがなく、またヘッドとの接触等による温度変動が
ないものが用いられる。また、圧力も均一にかかること
が重要であるので、圧着ヘッドの圧着面は平面性良く仕
上げられている。しかし、電極パターンピッチが小さく
なり、電極幅が狭くなると圧着ヘッドの平面性だけでは
接合信頼性を確保することが難しいため、圧着ヘッドと
プリント基板の間にシリコーンゴム、テフロン(登録商
標)シートなどのクッション材を介在させて圧着し、接
合信頼性を得ることが行われる。この方法で接合した場
合、接合条件によっては、図6の(a)に示すようにク
ッション材61の弾性変形により異方導電性膜22のエ
スケープ領域であるFPCの電極リード17の間が潰さ
れ、図6の(b)に示すように異方導電性膜22が周囲
に大きくはみ出してしまう。
【0020】そこで、本発明の第1の実施例によれば、
図7の(a),(b)に示すように、電極リード17の
各間にインクジェットヘッドへの駆動信号が印加されな
いダミーの電極リード71を設けて、電極基板13とF
PCのベース16の隙間を保持する。よって、このよう
にダミーの電極リード71を設けることで、クッション
材61によるFPCの変形を防止でき、図7の(b)か
らわかるように異方導電性膜22の周囲へのはみ出しを
減少させることができる。また、異方導電性膜22との
接触面積が増えるので、接着強度が増大する。更に、異
方導電性膜22との接触面積を増やして接着強度を増大
する方法としては、第2の実施例として、図8のように
ダミーの電極リード71を長手方向に分割し、さいの目
状にする方法も有効である。また、第3の実施例とし
て、図9に示すように、ダミーの電極リード71の表面
を凹凸形状にする方法も有効である。図9のような形状
を得るには、ダミーの電極リードの部分に狭い開口のマ
スクパターンを形成してエッチングすればよい。この狭
開口部は広開口部に比べてエッチング効率が著しく落ち
るため、図9に示すような鋸断面形状のパターンを形成
することができる。この場合、ダミーの電極リード71
の高さを、インクジェットヘッドへの駆動信号が印加さ
れるメインの電極リード17の高さよりも若干低くする
ことができる。このようにすることで、FPCの圧着ヘ
ッド51による荷重がメインの電極リード17にかかり
やすくなるので、接合信頼性が向上する。さらに、第4
の実施例として、図10に示すように電極基板13の表
面の個別電極19間等に穴81や溝82等の凹部を形成
することによっても異方導電性膜22のはみ出しを低減
し、接合強度を増すことができる。その方法としては、
例えば前述したように電極基板13にSiやガラスを用
いた場合には、凹部形成領域に所望の凹部を形成するた
めの開口を有するマスキングを施した後、サンドブラス
トやドライエッチングにより精密な加工をすることがで
きる。
【0021】なお、静電方式のインクジェットを例に説
明を行なったが、本発明は圧電方式やバブルジェット
(登録商標)方式等他の印字方式のインクジェットヘッ
ドの小型化にも有効である。
【0022】(具体例1)以下具体例1について図4に
基づいて説明する。電極基板13として厚さ1[mm]の
ホウケイ酸ガラスを用い、振動板基板12として厚さ2
00[μm]のシリコン基板を用いた。振動板基板12
には予めシリコン基板の一面に振動板20の厚みに応じ
たボロン層を形成し、このボロン層をエッチングのスト
ップ層とすることでウェットエッチングにより振動板2
0を形成した。また、電極基板13は、ウェットエッチ
ングによって形成した溝にスパッタによってNi電極を
パターニングし、その電極の上に電極保護膜としてのS
iO2層をスパッタ法で製膜した。次に、これらの基板
の電極位置と振動板20の位置を正確に位置決めして、
両者を陽極接合により接合し、150dpiで振動板2
0が配置された約0.7[μm]のギャップを有する静
電アクチュエータを形成した。さらに、液室21の高さ
を低くして吐出効率を高めるために振動板20の上面を
約100[μm]研磨した。このような構成の静電アク
チュエータにプリント基板としてのFPC14を異方導
電性膜22で接合した。FPC14としては、厚さ1
2.5[μm]のポリイミドフィルムのベース材に厚さ
20[μm]の接着剤を介して厚さ18[μm]のCuが
パターニングされたものを用いた。電極パターン幅は4
0[μm]とした。また、異方導電性膜22としては、
厚さ18[μm]の熱硬化型のものを用いた。この異方導
電性膜22をFPC14の端部に仮圧着した後、電極基
板13の電極パッドと位置決めして本圧着した。本圧着
は加圧力が接合部全体に均一になるように、クッション
材としての厚さ約200[μm]のシリコーンゴムを介し
て行なった。FPC14の接合後、静電アクチュエータ
の容量測定を行なったところ、全チャンネル良好な容量
値を示しており、FPC14の接続不良がないことも確
認できた。次に、FPC14のコンタクト部を覆う形態
のノズル板を接着剤により振動板基板12に接合し、イ
ンクを充填してインクの噴射評価を行なったところ、良
好な噴射が行なえなかった。このヘッドを分解、解析し
たところ、インクが振動板基板12とノズル板の間でリ
ークして電極パッド部を濡らしてしまっていることが判
明した。更に、リークの原因を追求したところ、FPC
端部からはみ出した異方導電性膜22の高さが100
[μm]以上あり、そのためにノズル板が片あたりして良
好に接合できなかったためということがわかった。さら
に異方導電性膜22はみ出しの原因を追求したところ、
図6の(a)のようにFPC14が電極リード17の各
間で陥没しており、その部分でのはみ出しが特に大きい
ことが判明した。そこで、図7に示すように従来の電極
リード17の間の電極基板13との接合領域近傍のみに
幅約30[μm]のダミーの電極リード71を設け、同様
の工程でヘッドを試作し、評価したところ、良好な噴射
特性を得ることができた。また、接合品質評価の一環と
して接合強度測定を行ない、FPC14の変更の影響を
調べたところ、90度剥離試験で変更前は約68.6
[kPa]であったが、変更後は約78.4[kPa]
であり、強度も増加していることが確認された。さら
に、比較実験として、図8のように電極リード17の長
手方向に分割し、ダミーパターンをさいの目状に分割し
たところ、強度が若干であるが向上することが確認でき
た。
【0023】(具体例2)具体例1で説明したものと同
構成の静電アクチュエータを用い、図6、図7で示すF
PC14をクッション材61としてのシリコーンゴムを
介さずに本圧着を行なった。その結果、どちらのサンプ
ルも異方導電性膜22のはみ出し部の高さは100[μ
m]以下であり良好であったが、静電アクチュエータの
容量チェックの結果、どちらも数ビットずつ接続不良が
あることが判明した。そこで、図9に示すように、駆動
に寄与するメインの電極リード17よりも約3[μm]
低く、且つ表面に高さ約2[μm]の凹凸が形成された
形状のダミーの電極リード71を有するFPC14で同
様の条件で接合したところ、接合不良チャンネルが発生
することなく、良好に接合できた。異方導電性膜22の
はみ出しの高さも100[μm]以下であり、接合強度も
88.2[kPa]程度あり、良好であることが確認で
きた。
【0024】(具体例3)具体例1と同構成の静電アク
チュエータを用い、FPC14の接合前に粒径8[μm]
の砥粒を用いたサンドブラストにより、大きさ約25
[μm]、深さ約8[μm]の穴81を図10のように個別
電極19の周囲に多数設けた。このアクチュエータに図
6のFPC14をクッション材61を介して本圧着した
ところ、異方導電性膜22のはみ出し高さが100[μ
m]以下の条件で接合できた。また、接合強度も約8
3.3[kPa]であり、良好な接合状態を得ることが
できた。
【0025】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、特許請求の範囲内の記載であれば多種の変
形や置換可能であることは言うまでもない。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、インクを吐出する
ためのノズルが形成されたノズル基板と、ノズルに連通
する液室と、該液室内部の圧力を増大させてノズルから
インクを吐出するエネルギー発生手段が形成された電極
基板と、エネルギー発生手段に通電するためのプリント
基板を有し、プリント基板と電極基板を電気接続部材に
よって圧着接続した、本発明に係るインクジェットヘッ
ドによれば、プリント基板と電極基板との接続領域にお
けるプリント基板上に配置されている複数の電極間に、
圧着接続時プリント基板と電極基板との隙間を保持する
支持部材を設けることに特徴がある。よって、プリント
基板と電極基板を電気接続部材によって圧着接続する時
に、電気接続部材の周囲へのはみ出しを低減すると共に
接合強度を増大できる。
【0027】また、プリント基板上に配置されている電
極の厚みが支持部材の厚みより厚く形成されることによ
り、電機接続部材の周囲へのはみ出しを低減し、接合強
度を増大できると共に接合品質を安定化できる。
【0028】更に、支持部材が複数に分割されて形成さ
れることにより、電気接続部材の周囲へのはみ出しを低
減すると共に接合強度を増大できる。
【0029】また、支持部材の表面を凹凸に形成するこ
とにより、電気接続部材の周囲へのはみ出しを低減する
と共に接合強度を増大できる。
【0030】更に、別の発明としてのインクジェットヘ
ッドは、プリント基板と電極基板との接続領域における
電極間の電極基板上に穴や溝等の凹部を設けることに特
徴がある。よって、電気接続部材の周囲へのはみ出しを
低減すると共に接合強度を増大できる。
【0031】また、本発明に係るインクジェット記録装
置は上記インクジェットヘッドを有することを特徴とす
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録装置の構成を示す
概略断面図である。
【図2】別の発明に係るインクジェットヘッドの外観図
である。
【図3】図2のA矢視図である。
【図4】図2のB−B’線断面図である。
【図5】個別電極にプリント基板を圧着接続するときの
工程図である。
【図6】従来の圧着接続時の異方導電性膜のはみ出しの
様子を示す図である。
【図7】本発明の第1の実施例の圧着接続時の異方導電
性膜のはみ出しの様子を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施例に係るインクジェットヘ
ッドのFPCの平面図である。
【図9】本発明の第3の実施例に係るインクジェットヘ
ッドのFPCの断面図である。
【図10】本発明の第4の実施例に係るインクジェット
ヘッドの電極基板の平面図である。
【符号の説明】
51;圧着ヘッド、61;クッション材、71;電極リ
ード、81;穴、82;溝。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するためのノズルが形成さ
    れたノズル基板と、前記ノズルに連通する液室と、該液
    室内部の圧力を増大させて前記ノズルからインクを吐出
    するエネルギー発生手段が形成された電極基板と、前記
    エネルギー発生手段に通電するためのプリント基板を有
    し、前記プリント基板と前記電極基板を電気接続部材に
    よって圧着接続したインクジェットヘッドにおいて、 前記プリント基板と前記電極基板との接続領域における
    前記プリント基板上に配置されている複数の電極間に、
    圧着接続時前記プリント基板と前記電極基板との隙間を
    保持する支持部材を設けることを特徴とするインクジェ
    ットヘッド。
  2. 【請求項2】 前記プリント基板上に配置されている前
    記電極の厚みが前記支持部材の厚みより厚く形成される
    請求項1記載のインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 前記支持部材が複数に分割されて形成さ
    れる請求項1又は2に記載のインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 前記支持部材の表面を凹凸に形成する請
    求項1〜3のいずれかに記載のインクジェットヘッド。
  5. 【請求項5】 インクを吐出するためのノズルが形成さ
    れたノズル基板と、前記ノズルに連通する液室と、該液
    室内部の圧力を増大させて前記ノズルからインクを吐出
    するエネルギー発生手段が形成された電極基板と、前記
    エネルギー発生手段に通電するためのプリント基板を有
    し、前記プリント基板と前記電極基板を電気接続部材に
    よって圧着接続したインクジェットヘッドにおいて、 前記プリント基板と前記電極基板との接続領域における
    電極間の前記電極基板上に穴や溝等の凹部を設けること
    を特徴とするインクジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のインク
    ジェットヘッドを有することを特徴とするインクジェッ
    ト記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN112135467A (zh) * 2020-08-27 2020-12-25 广州国显科技有限公司 焊接结构和显示模组

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