JP2002091082A - トナー用樹脂及びトナー - Google Patents

トナー用樹脂及びトナー

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JP2002091082A
JP2002091082A JP2000281916A JP2000281916A JP2002091082A JP 2002091082 A JP2002091082 A JP 2002091082A JP 2000281916 A JP2000281916 A JP 2000281916A JP 2000281916 A JP2000281916 A JP 2000281916A JP 2002091082 A JP2002091082 A JP 2002091082A
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JP
Japan
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resin
toner
diol
polyester
block component
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Application number
JP2000281916A
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English (en)
Inventor
Kenichi Matsumura
健一 松村
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温定着性及び保存性のいずれも良好に保持
することができ、且つ、樹脂中に分散させる顔料や染料
の発色を妨げることの少ない、透明性に優れたトナー用
樹脂、及びこの樹脂を用いたトナーを提供すること。 【解決手段】 ジオールとジカルボン酸類とを縮合重合
してなるポリエステル成分(A)、及び、分岐鎖を有す
るジオール(好ましくは脂肪族ジオール又は脂環族ジオ
ール)とジカルボン酸類( 好ましくはテレフタル酸骨格
を持つもの) とを縮合重合してなるポリエステルブロッ
ク成分(B)を構成成分として有するポリエステル樹脂
であって、前記ポリエステルブロック成分(B)の重量
平均分子量が2×102 〜3×104 であり、好ましく
は前記ポリエステルブロック成分(B)が20〜90モ
ル%含有されているるトナー用樹脂、及びこのトナー用
樹脂と着色剤とを含有してなるトナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真、複写
機、プリンター等に使用されるトナー用樹脂、及びこの
樹脂を用いたトナーに関するものであり、詳しくは、静
電荷像を現像する方式のうちのいわゆる乾式現像方式に
使用されるトナー用樹脂及びトナーに関するものであ
る。
【0002】
【従来技術】電子写真等において静電荷像を現像する方
式として、乾式現像方式が多用されている。乾式現像方
式においては、通常、トナーはキャリアーと呼ばれる鉄
粉あるいはガラスビーズ等との摩擦によって帯電し、こ
れが感光体上の静電潜像に電気的引力によって付着し、
次に用紙上に転写され、熱ロール等によって定着されて
永久可視像となる。
【0003】定着の方法としては、トナーに対して離型
性を有する材料で表面を形成した加熱ローラーの表面
に、被定着シートのトナー画像を圧接触させながら通過
せしめることにより行う加熱ローラー法が多用されてい
る。この加熱ローラー法において、消費電力等の経済性
を向上させるため、及び複写速度を上げるため、より低
温で定着可能なトナーが求められている。
【0004】しかしながら、上記低温定着性を改善しよ
うとすると、トナーの一部が熱定着ローラー表面に付着
しそれが紙に再転写するといったオフセット現象が起こ
り易くなったり、保存性が低下してしまうといった問題
がある。
【0005】これらの問題に対応すべく、例えば、3価
以上の多価単量体と芳香族ジカルボン酸と分岐鎖を持つ
脂肪族ジアルコールとを含む単量体組成物を縮重合させ
て得られるポリエステル樹脂からなるトナー用樹脂、及
びこの樹脂と離型剤とを含有してなるトナーが提案され
ている(特許公報第2704282号参照)。
【0006】しかしながら、上記技術では、低温定着性
を損なうことなく保存性を保つことが困難であった。ま
た、芳香族カルボン酸としてテレフタル酸またはイソフ
タル酸が各々単独で用いられており、トナー用樹脂の低
温定着性及び保存性のバランスを保ちながら、透明性を
確保することは非常に困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
トナー用樹脂及びトナーの問題点を改良しようとするも
ので、低温定着性及び保存性のいずれも良好に保持する
ことができ、且つ、樹脂中に分散させる顔料や染料の発
色を妨げることの少ない、透明性に優れたトナー用樹
脂、及びこの樹脂を用いたトナーを提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明のトナー用樹脂は、ジオールと
ジカルボン酸類とを縮合重合してなるポリエステル成分
(A)、及び分岐鎖を有するジオールとジカルボン酸類
とを縮合重合してなるポリエステルブロック成分(B)
を構成成分として有するポリエステル樹脂であって、前
記ポリエステルブロック成分(B)の重量平均分子量が
2×102 〜3×104 であることを特徴とする。
【0009】請求項2記載の発明のトナー用樹脂は、請
求項1において前記ポリエステルブロック成分(B)に
用いられるジカルボン酸類が、テレフタル酸又はテレフ
タル酸の低級アルキルエステルであることを特徴とす
る。
【0010】請求項3記載の発明のトナー用樹脂は、請
求項1又は2において、前記ポリエステルブロック成分
(B)に用いられる分岐鎖を有するジオールが、脂肪族
ジオール又は脂環族ジオールであることを特徴とする。
【0011】請求項4記載の発明のトナー用樹脂は、請
求項3において、前記分岐鎖を有する脂肪族ジオール
が、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル
−1,3−プロパンジオールの内の少なくとも1種類を
含むものであることを特徴とする。
【0012】請求項5記載の発明のトナー用樹脂は、請
求項1又は2において、前記分岐鎖を有する脂肪族ジオ
ールが、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エ
チル−1,3−プロパンジオールの内の少なくとも1種
類を含むものであることを特徴とする。
【0013】請求項6記載の発明のトナー用樹脂は、請
求項1〜5の何れか1項において、前記ポリエステルブ
ロック成分(B)が、分岐鎖を有するジオールとジカル
ボン酸類とを重量を基準として仕込比1:0.5〜1:
2で縮合重合してなるものであることを特徴とする。
【0014】請求項7記載の発明のトナー用樹脂は、請
求項1〜6の何れか1項において、前記ポリエステルブ
ロック成分(B)が、20〜90モル%含有されている
ことを特徴とする。
【0015】請求項8記載の発明のトナー用樹脂は、請
求項1〜7の何れか1項において、前記ジカルボン酸類
が、テレフタル酸骨格を有するものとo−フタル酸骨格
を有するものの二種類を含むものであることを特徴とす
る。
【0016】請求項9記載の発明のトナー用樹脂は、請
求項8において、前記ジカルボン酸類が、テレフタル酸
骨格を有するもの80〜99.9モル%、o−フタル酸
骨格を有するもの20〜0.1モル%からなるものであ
ることを特徴とする。
【0017】請求項10記載の発明のトナー用樹脂は、
請求項1〜9の何れか1項において、可視光線透過率が
95%以上であることを特徴とする。
【0018】請求項11記載の発明のトナーは、請求項
1〜10の何れか1項に記載のトナー用樹脂と着色剤と
を含有してなることを特徴とする。以下、本発明を更に
詳細に説明する。
【0019】本発明において、上記ポリエステル成分
(A)又はポリエステルブロック成分(B)の原料とし
て用いられ得るジカルボン酸類は、2価のカルボン酸の
他に、ジオールと反応してポリエステルを形成し得る2
価のカルボン酸の誘導体の構造を備えたものを意味し、
例えば、2価のカルボン酸の酸無水物、又はその低級ア
ルキルエステルが挙げられ、具体的には、o−フタル
酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジピン
酸、セバシン酸、アゼライン酸、オクチルコハク酸、シ
クロヘキサンジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イ
タコン酸及びこれらの無水物や、これらの、メチル基、
エチル基、プロピル基等の低級アルキル基のエステル等
が挙げられる。
【0020】中でも低温定着性、保存性、透明性及び樹
脂強度のバランスから、o−フタル酸骨格とテレフタル
酸骨格とを有する2種類のジカルボン酸類を併用するこ
とが好ましく、o−フタル酸骨格を有するジカルボン酸
類がポリエステル成分(A)の形成に用いられ、テレフ
タル酸骨格を有するジカルボン酸類がポリエステルブロ
ック成分(B)の形成に用いられるのが、より好まし
い。
【0021】このようなテレフタル酸骨格を有するジカ
ルボン酸類としては、テレフタル酸又はその低級アルキ
ルエステルが好適な例として挙げられる。
【0022】上記o−フタル酸骨格を有するジカルボン
酸類としては、o−フタル酸又はその酸無水物、又はそ
の低級アルキルエステルが好適な例として挙げられる。
【0023】また、上記ポリエステル樹脂において、ジ
カルボン酸類として、テレフタル酸骨格を有するもの8
0〜99.9モル%、o−フタル酸骨格を有するもの2
0〜0.1モル%からなるものを用いることが好まし
い。
【0024】上記ポリエステル樹脂において、テレフタ
ル酸骨格を有するジカルボン酸類に由来する成分が80
モル%未満になると、得られるポリエステル樹脂の低温
定着性、保存性及び樹脂強度のバランスが悪くなり、9
9.9モル%を越えると透明性が不十分となる傾向があ
るからである。
【0025】一方、o−フタル酸骨格を有するジカルボ
ン酸類に由来する成分が20モル%を越えると、得られ
るポリエステル樹脂の低温定着性、保存性及び樹脂強度
のバランスが悪くなり、0.1モル%未満になると透明
性が不十分となる傾向があるからである。
【0026】より好ましい範囲は、テレフタル酸骨格を
有するジカルボン酸類に由来する成分が90〜99.9
モル%、o−フタル酸骨格を有するジカルボン酸類に由
来する成分が10〜0.1モル%である。
【0027】本発明においてポリエステル成分(A)の
形成に用いられるジオールは、特に限定されず、例え
ば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、
1,4−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,
5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジ
プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テト
ラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、
1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネ
オペンチルグリコール(2,2−ジメチルプロパン−
1,3−ジオール)、1,2−ヘキサンジオール、2,
5−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタン
ジオール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2
−エチル−1,3−ヘキサンジオール等の脂肪族ジオー
ル類、または2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキ
シル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロ
ヘキシル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物、
1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール等の脂環族ジオール類等が挙げられ
る。
【0028】中でも低温定着性、保存性、透明性及び樹
脂強度のバランスから、脂肪族ジオール及び脂環族ジオ
ールの各々から少なくとも1種類を選択し、ジオールと
して二種類以上を併用することが好ましい。
【0029】上記ポリエステル成分(A)の原料として
用いられ得るジカルボン酸類としては、2価のカルボン
酸又はその酸無水物、又はその低級アルキルエステルで
あり、特に限定されるものではないが、例えば、o−フ
タル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、コハク酸、アジ
ピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、オクチルコハク
酸、シクロヘキサンジカルボン酸、フマル酸、マレイン
酸、イタコン酸及びこれらの無水物、低級アルキルエス
テル等が挙げられる。中でも、低温定着性、保存性、透
明性及び樹脂強度のバランスから、o−フタル酸骨格や
テレフタル酸骨格を有するジカルボン酸類であることが
好ましい。
【0030】本発明におけるポリエステルブロック成分
(B)は、分岐鎖を有するジオールとジカルボン酸とを
縮合重合してなるものである。ここで分岐鎖とは、2つ
のOH基の間の炭素でつながれた直鎖を主鎖とした時の
それ以外の炭素鎖のことをいう。
【0031】分岐鎖を有するジオールとしては、特に限
定されず、例えば、1,2−プロパンジオール、1,3
−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ネオペン
チルグリコール(別名2,2−ジメチルプロパン−1,
3−ジオール)、1,2−ヘキサンジオール、2,5−
ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオ
ール、3−メチル−1,3−ペンタンジオール、2−エ
チル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エ
チル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジエチル−
1,5−ペンタンジオール等の脂肪族ジオール、または
2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プ
ロパン等の脂環族ジオール及びそのアルキレンオキサイ
ド付加物等が挙げられる。
【0032】中でも、低温定着性、保存性、透明性及び
樹脂強度のバランスから、脂肪族ジオールとして、ネオ
ペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3
−プロパンジオールの内、少なくとも1種類以上が好適
に用いられる。また、同様の理由で、脂環族ジオールと
して、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)
プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシ
ル)プロパンのアルキレンオキサイド付加物の内、少な
くとも1種類以上が好適に用いられる。
【0033】本発明におけるポリエステルブロック成分
(B)は、上述のジカルボン酸類が原料として使用され
得るが、好ましくは、剛直な芳香族もしくは脂環族の骨
格を有するジカルボン酸類が用いられ、分岐鎖を有する
ジオールとテレフタル酸骨格を有するジカルボン酸類か
ら構成される成分であることが、より好ましい。具体的
には、分岐鎖を有するジオールとしてネオペンチルグリ
コールを、テレフタル酸骨格を有するジカルボン酸類と
してテレフタル酸を用いた場合に得られる、式(1)で
表される反復単位を有するポリエステルブロック成分
(B)が特に好ましい一例として挙げられる。
【化1】 ここに、繰り返し数nは、通常3〜20、好ましくは3
〜15とされる。nが3より小さいとブロックとして十
分に機能しないために、低温定着性及び保存性と樹脂強
度のバランスが悪化する傾向にあり、20より大きいと
規則性の高い分子配列が長くなるため、透明性が悪化す
る傾向にある。
【0034】上記ポリエステルブロック成分(B)の調
製法は、特に限定されるものではなく、例えば、常法に
従いポリエステル縮重合反応によって得ることができ
る。また、上記ポリエステル成分(A)とポリエステル
ブロック成分(B)とを構成成分として有する本発明に
おけるポリエステル樹脂の調製法は、特に限定されるも
のではなく、例えば、常法に従い脱水縮重合反応及び脱
ジオール縮重合反応によって得ることができる。
【0035】すなわち、例えば、予めポリエステル成分
(A)の原料として用いられ得るジカルボン酸類とジオ
ールとを用いてエステル交換反応を行った後、縮合重合
に入る直前に、ポリエステルブロック成分(B)の原料
として用いられ得る分岐鎖を有するジカルボン酸類とジ
オールとを添加して縮合重合することが好ましい。この
様にすることによって、ポリエステルブロック成分
(B)の、エステル交換反応による、ランダム化を防止
して、最終的なポリエステル樹脂中にポリエステルブロ
ック成分を確実に存在させることとなる。
【0036】上記ポリエステルブロック成分(B)の重
量平均分子量(Mw)は、2×10 2 〜3×104 に限
定される。2×102 より小さいと、ブロックとして十
分に機能しないため低温定着性及び保存性と樹脂強度の
バランスが悪化し、3×104 より大きいと規則性の高
い分子配列が長くなるため、透明性が悪化する。より好
ましい重量平均分子量は、3×102 〜1×104 であ
る。
【0037】上記ポリエステルブロック成分(B)を調
製する際、分岐鎖を有するジオールとジカルボン酸類の
重量を基準とする仕込比が1:0.5〜1:2であるこ
とが好ましい。分岐鎖を有するジオール1に対してジカ
ルボン酸類の仕込比が0.5未満であると未反応のジオ
ールが多く残留し、また分岐鎖を有するジオール1に対
してジカルボン酸類の仕込比が2を越えると、未反応の
ジカルボン酸類が多く残留してしまい、共に効率よくポ
リエステルブロックを調製できなくなる場合が多い。
【0038】本発明におけるポリエステル樹脂は、ポリ
エステルブロック成分(B)を構成成分として20〜9
0モル%含有することが好ましい。このことにより、ポ
リエステル樹脂の結晶生成を抑制でき、透明性に有効で
あると考えられるからである。ポリエステルブロック成
分(B)が20モル%未満であると、結晶生成の抑制効
果が十分でなくなり、90モル%を越えると、やはり結
晶生成の抑制効果が十分でなくなる。より好ましくは、
25〜70モル%の範囲である。
【0039】本発明におけるポリエステル樹脂は、通
常、GPCにおいて3×103 〜4×104 の範囲に分
子量の極大値を有し、好ましい分子量の極大値は、7×
103〜2.5×104 である。極大値を3×103
上とすることにより耐熱保存性及び粉体流動性が向上
し、4×104 以下とすることにより粉砕性が向上す
る。
【0040】本発明のトナー用樹脂の可視光線透過率
は、後述する着色剤として用いられる顔料又は染料の発
色を良好に保つため、またOHP用透明シート等に印刷
した場合の発色を良好に保つため、95%以上であるこ
とが好ましい。
【0041】本発明のトナー用樹脂のガラス転移温度
(Tg)は、余り低くなると保存性が低下することがあ
るため、Tg50℃以上であることが好ましい。尚、上
記Tgは、JIS K 7121に準拠して測定される
物性であり、該規格(9.3「ガラス転移温度の求め
方」)に記載されている中間点ガラス転移温度を意味す
るものである。
【0042】又、本発明のトナー用樹脂の軟化点は、後
述する着色剤として用いられる顔料又は染料の発色を良
好に保つため、120℃以下であることが好ましい。
尚、上記軟化点は、高化式フローテスター(島津製作所
社製、「CFT−500型」)を用い、表1に示される
フロー軟化点の測定条件に従って測定し、図1に示され
る解析用フローチャートのh/2に相当するフロー曲線
上の点T(フロー軟化点)の温度を意味するものであ
る。
【0043】
【表1】
【0044】本発明のトナー用樹脂は、本発明の目的を
達成し得る範囲内で、スチレン−アクリル樹脂等のビニ
ル系共重合樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等の樹脂
が添加されてもよい。
【0045】又、本発明のトナー用樹脂には、更に、脂
肪族アミド、ビス脂肪族アミド、金属石鹸、パラフィン
等が添加されてもよい。
【0046】本発明のトナーは、本発明のトナー用樹脂
と着色剤とを含有してなるものである。
【0047】本発明のトナーの製造方法は特に限定され
ないが、通常、上記トナー用樹脂中に、離型剤、着色
剤、電荷制御剤、更には必要に応じて、磁性トナー用磁
性粉、流動性改善剤として疎水性シリカ等を分散混合
し、熱溶融混練した後粉砕して製造される。尚、上記離
型剤は、樹脂の重合時に分散させておいても良く、又、
疎水性シリカを、別途、樹脂と他の添加剤とを一体化し
た粉砕物と、最後に添加しても良い。
【0048】上記離型剤としては、例えば、ポリプロピ
レンワックス、ポリエチレンワックス等のオレフィン系
ワックスやパラフィンワックスなどが挙げられる。上記
着色剤の内、例えば、顔料として、カーボンブラック、
ランプブラック等が挙げられ、染料として、フタロシア
ニンブルー、キノリンイエロー、ローダミン−B、キナ
クリドン等が挙げられ、染顔料としてアニリンブラック
が挙げられ、これらは通常、樹脂100重量部に対して
1〜10重量部添加される。
【0049】上記荷電制御剤には、正帯電用と負帯電用
との2種類がある。上記正帯電用電荷制御剤としては、
例えば、ニグロシン染料、アンモニウム塩、ピリジニウ
ム塩、アジン等が挙げられ、負帯電用電荷制御剤として
は、例えば、クロム錯体、鉄錯体等が挙げられる。これ
らの電荷制御剤は、通常、樹脂100重量部に対して、
0.1〜10重量部添加される。
【0050】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0051】(実施例1) [ポリエステルブロック成分(B)の調製]2リットル
4つ口フラスコに、環流冷却器、蒸留塔、水分離装置、
窒素ガス導入管、温度計及び撹拌装置を常法に従い設置
し、表2に示される配合組成で、ジカルボン酸類として
テレフタル酸ジメチル(DMT)、分岐鎖を有するジオ
ールとしてネオペンチルグリコール(NPG)、エステ
ル化縮合触媒としてチタンテトラブトキシド(TTB)
を仕込み、180℃で生成するメタノールを蒸留塔より
流出させながら1時間エステル化反応させた。得られた
ポリエステルブロック成分(B)の重量平均分子量(M
w)は、8.5×102 であった。これ以外の実施例及
び比較例では、表2に示す配合組成で仕込み、反応させ
たこと以外は実施例1と同様にしてポリエステルブロッ
ク成分(B)を得た。
【0052】[トナー用樹脂の製造] (実施例1〜3及び比較例1、2)2リットル4つ口フ
ラスコに、環流冷却器、蒸留塔、水分離装置、窒素ガス
導入管、温度計及び撹拌装置を常法に従い設置し、表2
に示される配合組成で、上記ポリエステルブロック成分
(B)、及び、ジカルボン酸類として、無水フタル酸
(PAN)又はテレフタル酸ジメチル(DMT)、ジオ
ールとして1,4−シクロヘキサンジメタノール(CH
DM)、エチレングリコール(EG)、又はネオペンチ
ルグリコール(NPG)、エステル化縮合触媒としてチ
タンテトラブトキシド(TTB)を仕込み、200℃
で、生成する水及びメタノールを蒸留塔より留出させな
がらエステル化反応を行った。蒸留塔より水及びメタノ
ールが留出しなくなった時点でエステル化反応を終了し
た。
【0053】エステル化反応の終了後、2リットル4つ
口フラスコから蒸留塔を取り外すと共に真空ポンプを取
り付け、系内を5mmHg以下に減圧し、220℃、攪
拌回転数150rpmの条件で、縮合反応で生じた遊離
ジオールを系外へ留出させて、表3に示されるポリエス
テル樹脂を得た。
【0054】[フルカラー用トナーの製造] (実施例1〜3及び比較例1、2)得られたポリエステ
ル樹脂を用い、これを含む下記配合物を混合し、150
℃で溶融混練した後、ジェットミルで粒径約10μmに
粉砕し、更にこれに疎水性シリカ(日本アエロジル社
製、商品名「R972」)0.3重量%を添加混合して
各々トナーを得た。
【0055】
【表2】
【0056】
【表3】
【0057】 ・トナー用樹脂 100重量部 ・荷電制御剤 (保土谷化学社製、商品名「TN−105」)2重量部 ・カーボンブラック(三菱化学社製、商品名「MA−100」) 6重量部 ・ポリプロピレンワックス(三洋化成社製、商品名「ビスコール660P」) 4重量部
【0058】更に、上記カーボンブラックに替えて、イ
エロー用着色剤としてジスアゾイエロー、マゼンタ用着
色剤としてカーミン6B及びシアン用着色剤として銅フ
タロシアニンの各々を用いて上記と同様にフルカラート
ナーを作製した。
【0059】上記実施例1〜3及び比較例1、2で得ら
れたフルカラートナー用樹脂及びこれらを用いたフルカ
ラートナーの性能を評価するため、下記項目について、
下記の方法に従って測定し、得られた結果をそれぞれ表
2及び表3に示した。
【0060】〔評価方法〕 (1)定着性(定着温度) 得られたトナー6.0重量部を粒径約50〜80μmの
鉄粉キャリアー94.0重量部とを混合して現像剤を作
り、電子写真複写機に、該現像剤を用いて未定着画像よ
り複数枚の複写物を作成した。複写に際して、電子写真
複写機の熱定着ロールの設定温度を1℃単位で上昇させ
て、最低定着温度を測定した。上記最低定着温度とは、
定着画像をタイプライター用砂消しゴムによって常法に
従い摺擦して、設定温度を順次高めて行き、定着画像が
実質的にその濃度が変化しなくなる時の設定温度を定着
温度とした。
【0061】尚、電子写真複写機は、富士ゼロックス社
製の「Acolor4040」を試験用に改造したもの
を用いた。
【0062】(2)保存性 得られたトナーの各20gを秤取して200mlの試薬
瓶に封入し、50℃の恒温槽中に48時間保存した後、
ホソカワミクロン社製、「パウダーテスターPT−E
型」を用いて、振幅1mm、10秒間の条件で、篩試験
を行い目開き250μmの篩上の残存量が1g以下であ
ったものを「○」、1gを越えたものを「×」と評価し
た。
【0063】(3)透明性 50μm厚のアルミ箔に両面テープを貼り付け、幅2m
m×長さ10mmに切り取り、スライドガラスの中央部
に約1.5cm間隔で平行に2本貼り付けた。そのスラ
イドガラスをホットプレートで加熱し、トナー用樹脂
0.1mgを溶融させ、その上からカバーガラスを被
せ、シャーレの底部で均等に押しつけ、冷却した。透明
度の測定は、日立製作所社製の分光光度計(「U−40
00」、2°視野)を用い、得られたY値を透過率とし
て求めた。透過率95%以上であれば、染顔料の発色を
損なうことのないトナーが得られるとされる。
【0064】
【発明の効果】本発明のトナー用樹脂は、上述のように
構成されているので、着色剤の染顔料等を強固に結着さ
せると共に、強靱なトナー塗膜を形成し、複写紙に強固
に定着し得るものであり、熱や機械的摩擦によって微粉
化して周囲や複写紙を汚染したり、粘着性によって複写
機を無用に汚染することのないものである。従って、本
発明のトナー用樹脂に着色剤を含有させれば、低温定着
性及び保存性のいずれも良好に保持することができ、且
つ、色再現性が正確なトナーを提供することが出来る。
【0065】本発明のトナーは、上述のトナー用樹脂と
着色剤とを含有してなるものであるため、低温でも良好
な定着性を示すにも拘わらず、保存性にも優れており、
さらに、樹脂の透明性が優れているため着色料の発色を
損なうことがなく、正確な色再現性が得られ、単にこれ
らの諸性能のバランスが良好に保持されているに止まら
ず、いずれの性能も高品質なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナー用樹脂の軟化点解析用のフロー
チャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H005 AA01 CA08 CA17 DA04 EA06 EA07 EA10 4J029 AB01 AC03 AD10 BA02 BA03 BA04 BA05 BA07 BA08 BA09 BA10 BD04A BD07A BD10 BF09 BF10 BF18 BF25 BF26 CA02 CA04 CA06 CA09 CB04A CB05A CB06A CD03 GA13 GA14 GA17 HB01 HB02 HB06 JB131 JF321 KB02

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ジオールとジカルボン酸類とを縮合重合し
    てなるポリエステル成分(A)、及び分岐鎖を有するジ
    オールとジカルボン酸類とを縮合重合してなるポリエス
    テルブロック成分(B)を構成成分として有するポリエ
    ステル樹脂であって、前記ポリエステルブロック成分
    (B)の重量平均分子量が2×102 〜3×104 であ
    ることを特徴とするトナー用樹脂。
  2. 【請求項2】前記ポリエステルブロック成分(B)に用
    いられるジカルボン酸類が、テレフタル酸又はテレフタ
    ル酸の低級アルキルエステルであることを特徴とする請
    求項1記載のトナー用樹脂。
  3. 【請求項3】前記ポリエステルブロック成分(B)に用
    いられる分岐鎖を有するジオールが、脂肪族ジオール又
    は脂環族ジオールであることを特徴とする請求項1又は
    2記載のトナー用樹脂。
  4. 【請求項4】前記分岐鎖を有する脂肪族ジオールが、ネ
    オペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,
    3−プロパンジオールの内の少なくとも1種類を含むも
    のであることを特徴とする請求項3記載のトナー用樹
    脂。
  5. 【請求項5】前記分岐鎖を有する脂環族ジオールが、
    2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパ
    ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プ
    ロパンのアルキレンオキサイド付加物の内の少なくとも
    1種類を含むものであることを特徴とする請求項3記載
    のトナー用樹脂。
  6. 【請求項6】前記ポリエステルブロック成分(B)が、
    分岐鎖を有するジオールとジカルボン酸類とを重量を基
    準として仕込比1:0.5〜1:2で縮合重合してなる
    ものであることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項
    に記載のトナー用樹脂。
  7. 【請求項7】前記ポリエステルブロック成分(B)が、
    20〜90モル%含有されていることを特徴とする請求
    項1〜6の何れか1項に記載のトナー用樹脂。
  8. 【請求項8】前記ジカルボン酸類が、テレフタル酸骨格
    を有するものとo−フタル酸骨格を有するものの二種類
    を含むものであることを特徴とする請求項1〜7の何れ
    か1項に記載のトナー用樹脂。
  9. 【請求項9】前記ジカルボン酸類が、テレフタル酸骨格
    を有するもの80〜99.9モル%、o−フタル酸骨格
    を有するもの20〜0.1モル%からなるものであるこ
    とを特徴とする請求項8記載のトナー用樹脂。
  10. 【請求項10】可視光線透過率が95%以上であること
    を特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載のトナー
    用樹脂。
  11. 【請求項11】請求項1〜10の何れか1項に記載のト
    ナー用樹脂と着色剤とを含有してなることを特徴とする
    トナー。
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