JP2002090097A - イニシエータ組立体及びこれを用いたガス発生器 - Google Patents

イニシエータ組立体及びこれを用いたガス発生器

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JP2002090097A
JP2002090097A JP2001132460A JP2001132460A JP2002090097A JP 2002090097 A JP2002090097 A JP 2002090097A JP 2001132460 A JP2001132460 A JP 2001132460A JP 2001132460 A JP2001132460 A JP 2001132460A JP 2002090097 A JP2002090097 A JP 2002090097A
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Satoshi Kubotsuka
聡 窪塚
Shingo Oda
慎吾 小田
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】構成部品点数を減じると共に、当該構成部品自
体の製造容易性を向上させることのでき、また長年の使
用によっても初期性能を維持することができ、更に高温
中に曝された場合であっても、導電性ピンを確実に保持
することのできるイニシエータ組立体とする。 【解決手段】電気式イニシエータと、これを保持する金
属製カラーとを含んで構成され、電気式イニシエータの
導電性ピン同士は、その頭部同士を電気的に絶縁して一
体化してなり、当該頭部同士は全体として円盤状に形成
されているイニシエータ組立体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衝突時に電気的信
号によって作動する電気イニシエータを含んで構成され
たイニシエータ組立体に関するものであり、特に自動車
両の安全システムであるエアバッグ用ガス発生器及びシ
ートベルトプリテンショナー用ガス発生器に使用され
て、推進剤(即ち、ガス発生手段)を燃焼及び又は膨張
させるためのイニシエータ組立体、及びこれを用いたガ
ス発生器に関する。
【0002】
【従来の技術】エアバッグ装置及びシートベルトプリテ
ンショナーは衝突による死亡又は傷害を減少させる上で
重要な役割を果たす。イニシエータ組立体は、衝突検出
システムからの電気信号によって作動する電気式イニシ
エータを含んで構成されており、金属製のカラーを介し
てこれら安全装置に固定され、作動を開始させる為の機
能を有している。
【0003】かかる従前のイニシエータ組立体に於ける
電気式イニシエータとしては、数多くの構成部品を含む
ものとして知られており、大凡のものは、結合されてキ
ャビティを形成する成形部材及び筒状部材を有してい
る。イニシエータはまた、成形部材及び筒状部材の外側
からキャビティへの導電経路となる1つ以上の導電性の
ピンを有している。キャビティ内部には、ブリッジワイ
ヤーと呼ばれる電気抵抗部材が配置され、これには導電
性のピンが接続されている。ブリッジワイヤーの近傍に
は、プライマと称される温度に対する感度が非常に高い
化合物が配置されている。またキャビティー内には、こ
のプライマに近接して、点火薬(又は出力チャージ)と
呼ばれる別の化合物も収容されている。
【0004】このような構造を有するイニシエータ組立
体は、導電ピンに電気信号が伝わることにより動作を開
始する。即ち、ブリッジワイヤーは、信号における電気
エネルギを熱エネルギに変換することができ、その熱エ
ネルギが抵抗体の温度を上昇させて、プライマの発火反
応が開始される。プライマの発火反応が、点火薬の発火
反応を引き起こし、これらの反応により生じる圧力及び
熱の上昇が筒状部材の破裂をもたらし、熱いガス及び粒
子を外に放出することとなる。
【0005】この様にしてイニシエータ組立体から放出
された熱いガス及び粒子は、エアバッグ用ガス発生器に
於いては、固体のガス発生剤に点火してガスを生じさせ
てエアバッグを膨張させ、またシートベルトプリテンシ
ョナーでは、ピストンを動かして、シートベルトの引き
込み作動を行うこととなる。従って、これら安全装置を
確実に作動させるためには、イニシエータ組立体が確実
に作動することが重要となる。
【0006】そこで従前では、信頼性の高い低コストの
イニシエータ組立体(電気イニシエータ)を提供すべく
種々のものが提案されている。例えば、特表平9-504599
号に開示されている電気イニシエータでは、前記課題の
解決を目的として、ピンの構造、成形部材へのピンの装
着、カップへの成形部材の装着、ピンへの抵抗体の装
着、抵抗体の構造ならびに出力チャージ及びプライマを
選択することによりイニシエータの信頼性の向上を企図
している。
【0007】しかしながら、これまで提案されたイニシ
エータ組立体(電気式イニシエータ)では、十分な作動
信頼性を確保し、更に製造容易性をも考慮した場合に
は、未だ改良の余地を有している。
【0008】また従来のニシエータ組立体(電気式イニ
シエータ)では、多くの部品を組み合わせて形成されて
いることから、必然的に製造工程が増大して製造コスト
が増大し、また多くの製造工程を要する関係上、不良品
の発生する可能性も高いものとなっている。
【0009】更に従来のイニシエータ組立体における成
形部材は、樹脂材料を用いて形成されたものが知られて
おり、当該樹脂材料としてはナイロン6が使用されてい
るが、かかるナイロン6を用いて形成されたヘッダで
は、水分の透過により点火薬(火薬)が吸湿・劣化し、
使用環境によっては、長年の使用によりイニシエータの
初期性能が得られないことも考えられる。
【0010】そして、従来のイニシエータ組立体では、
電気式イニシエータを構成する導電性ピンは、樹脂材料
からなる成形部材で保持されていることから、当該イニ
シエータ組立体が高温中に曝され、当該樹脂部分が溶融
した場合には、確実に導電性ピンを保持しきれない事も
考えられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このような状況下、本
発明は、イニシエータ組立体を構成する部品点数を減じ
ると共に、当該構成部品自体の製造容易性を向上させる
ことのできるイニシエータ組立体を提供するものであ
る。而してその様なイニシエータ組立体はイニシエータ
組立体の製造コストの増大を来すものであってはならな
いし、作動確実性も担保されなければならならない。
【0012】また本発明は、水分の透過により点火薬
(火薬)が吸湿・劣化することなく、長年の使用によっ
ても初期性能を維持されるイニシエータ組立体を提供す
るものである。
【0013】そして本発明は高温中に曝された場合であ
っても、導電性ピンを確実に保持することのできるイニ
シエータ組立体を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題は、以下に示す
特徴をそなえた本発明のイニシエータ組立体により解決
される。
【0015】即ち、電気式イニシエータと、これを保持
する金属製カラーとを含んで構成されたイニシエータ組
立体であって、前記電気式イニシエータは、絶縁材料を
用いて形成された成形部材と、当該成形部材を貫通して
配置された一対の導電性ピンとを含んで構成され、当該
一対の導電性ピン同士は、その軸方向一端側に存在する
頭部を成形部材から露出すると共に、その軸方向他端側
を成形部材から突起して配置されて、該頭部同士を電気
的に絶縁して一体化してなり、前記金属製カラーは、電
気式イニシエータの成形部材を保持する内向きフランジ
状のフランジ部を備えて形成され、一体化された導電性
ピンの頭部同士は全体として円盤状であることを特徴と
するイニシエータ組立体である。
【0016】上記本発明のイニシエータ組立体におい
て、電気式イニシエータは、温度80℃、湿度95%の
環境下で、ブリッジワイヤに50mAの電流を流した状
態で1000時間放置した後に於ける、前記一対の導線
性ピン同士間の導通抵抗の変化量が、当該放置前の±
0.2Ω以内、好ましくは±0.1Ω以内、より好まし
くは±0.05Ω以内とする。更に、この場合に於ける
点火薬の着火開始時間を、該電気式イニシエータの作動
を開始させるための着火電流を印加した後、2msec
以下とする。この着火電流は、0.8A若しくは1.2
A又は0.8〜1.2Aの範囲から選択される電流であ
る。
【0017】本発明では、成形部分を形成する絶縁材料
として好ましくは樹脂材料が用いられるが、ガラス材料
又はセラミックス材料を用いることもできる。
【0018】絶縁材料として例えば樹脂材料を用いて形
成した成形部分では、該成形部分に生じる気泡の導電ピ
ンと絶縁材料との最大半径方向距離が0.10mm以下
であることが望ましい。即ち、この該成形部分の内、各
導電性ピンとの接触面に生じる気泡は、成形部分の半径
方向に於ける大きさが、各導電性ピンから0.10mm
以下、好ましくは0.05mm以下とすることが望まし
い。また、絶縁材料を用いて形成された成形部分は、各
導電ピンとの接触面に生じる気泡が、該成形部分の軸方
向に沿って貫通していないことが望ましい。
【0019】そして、本発明のイニシエータ組立体にお
いて、電気式イニシエータは、導電性ピンと成形部分と
の間に防湿手段を設けることもできる。かかる防湿手段
は、該導電性ピンの成形部分内に存在する部分の周面
に、周方向に沿って形成した凹凸等により実施すること
ができる。
【0020】点火薬を収容するキャビティの端面を閉塞
する成形部分は、ブリッジワイヤーに電気エネルギーを
伝える導電性ピンを保持している。
【0021】上記イニシエータ組立体の電気式イニシエ
ータは、例えば成形部分に2つの導電性ピンを貫通さ
せ、これら2つの導電性ピンの端部を成形部分の端面に
露出させて形成することができる。そして導電性ピンの
端部同士を通電可能なようにブリッジワイヤで接続し、
このブリッジワイヤと接触するように点火薬を圧填す
る。
【0022】このブリッジワイヤーは、電気的抵抗体を
用いて形成する他、電気回路基板と同様にプリント配線
により設けることもできる。依って、本明細書に於ける
ブリッジワイヤーとは、電気抵抗線の他プリント回路を
含み、また連架とは、2つ以上の部材を繋げることを意
味する。
【0023】点火薬を収容するためのキャビティーを形
成する有蓋筒体形状のキャップ部材が、筒状のチャージ
ホルダーと、該チャージホルダーの先端を閉塞する円形
のカバー部材とで構成されている場合、点火薬の圧填
は、成形部分にチャージホルダーを取り付けて、その内
部空間(キャビティ内)に点火薬を圧填し、このチャー
ジホルダーの開口端にカバー部材を接続して、点火薬が
収容されているキャビティを閉塞する事によって行うこ
とができる。導電性ピンが電気信号を受け取ることによ
り、ブリッジワイヤが発熱して点火薬を着火・燃焼さ
せ、その火炎は点火薬を収容するキャビティを形成する
容器を破って周囲に放出される。
【0024】上記電気式イニシエータにおいて、導電性
ピンを保持すると共に点火薬を収容するキャビティの端
面を閉塞する成形部分を形成する樹脂材料としては、熱
可塑性樹脂だけでなく熱硬化性樹脂を用いることができ
るが、23℃で24時間浸水後に於ける吸水率が0.0
05〜1.0%であって、引張強度が100〜250M
Paの樹脂材料を用いることが望ましい。この成形部分
を形成する樹脂材料の吸水率(23℃で24時間浸水
後)は、より好ましくは0.01〜0.5%であり、更
に好ましくは0.01〜0.1%である。また、この樹
脂材料の引張強度に関しても、より好ましくは160〜
250MPaであり、更に好ましくは170〜230M
Paである。
【0025】また成形部分を形成する絶縁材料は、線膨
張率が8×10-5/℃以下、引張強度が100MPa以
上、絶縁破壊電圧が10MV/m以上のものを使用する
ことが望ましい。かかる絶縁材料の引張強度は、特に1
70MPa以上であることが望ましく、また250MP
a以下であることが好ましい。依って、この引張強度
は、100MPa以上250MPa以下であることが好
ましく、特に好ましくは170MPa以上250MPa
以下である。また絶縁材料として樹脂材料を用いる場合
は、更に、23℃で24時間浸水後に於ける吸水率が
0.005〜3.0%のものが好適に使用される。
【0026】上記のような樹脂材料としては、熱可塑性
樹脂または熱硬化性樹脂が好ましく、さらにガラス繊
維、その他の無機充填材料を含有するものが好ましい。
【0027】熱可塑性樹脂としては、ポリブチレンテレ
フタレート(PBT)やポリフェニレンサルファイド
(PPS)又はミネラル等の無機充填物を含有する液晶
ポリマー(LCP)を使用することができる。これら樹
脂材料を使用するに際しては、ポリブチレンテレフタレ
ート(PBT)に於いては20〜80重量%のガラス繊
維を含み、ポリフェニレンサルファイド(PPS)に於
いては20〜80重量%のガラス繊維を含み、また液晶
ポリマー(LCP)においては20〜80重量%のミネ
ラルを含むものが好ましい。特に、ガラス繊維を含有す
るガラス強化樹脂を用いて形成する場合、そのガラス繊
維の配向は、該成形部分に差し込まれる導電性ピンの延
伸方向に沿うように調整されることが望ましい。また、
各樹脂材料に於ける無機充填材料の含有率は、より好ま
しくは30〜50重量%である。
【0028】熱硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステ
ルが好ましい。
【0029】絶縁材料として樹脂材料を用いて形成した
電気式イニシエータは、金属を用いて形成した場合と比
べると、製造容易であって更に製造コストを抑えること
ができる。また、上記の樹脂材料を用いて成形部分を形
成すれば、水分が成形部分内に侵入して点火薬まで至る
ことにより、点火薬が吸湿して劣化する事態を極力回避
することができる。つまりこのような成形部分を使用す
れば、自動車内等での使用環境下に於いて長期間放置さ
れた場合でも、初期のイニシエータ性能を発揮すること
ができる。特に、絶縁材料として、充填材入りポリフェ
ニレンサルファイド(PPS)や液晶ポリマー(LC
P)を用いた場合には、射出成形が可能で、高生産性・
低コストとすることができるから望ましい。
【0030】前記イニシエータ組立体において、これが
高温に曝された場合でも導電性ピンを確実に保持可能な
イニシエータ組立体は、前記金属製カラーに、フランジ
部の中央開口に於ける、前記一体化された導電性ピン頭
部の通過を阻止する支持部を設けることにより実現する
ことができる。また、当該円盤状に一体化された導電性
ピンの頭部同士を、0.5〜2mmの厚さに形成すれ
ば、製造を容易し、またその破損を阻止することができ
る。
【0031】而して、本発明では以下のイニシエータ組
立体とすることができる。
【0032】即ち、電気式イニシエータと、これを保持
する金属製カラーとを含んで構成されたイニシエータ組
立体であって、前記電気式イニシエータは、絶縁材料を
用いて形成された成形部材と、当該成形部材を貫通して
配置された一対の導電性ピンとを含んで構成され、当該
一対の導電性ピン同士は、その軸方向一端側に存在する
頭部を成形部材から露出すると共に、その軸方向他端側
を成形部材から突起して配置されて、該頭部同士を電気
的に絶縁して一体化してなり、前記金属製カラーは、電
気式イニシエータの成形部材を保持する内向きフランジ
状のフランジ部と、該フランジ部の中央開口に於ける、
前記一体化された導電性ピン頭部の前記アイレットの通
過を阻止する支持部とを備えて形成され、一体化された
導電性ピンの頭部同士は全体として円盤状であって、該
円盤状の頭部は0.5〜2mmの厚さで形成されている
ことを特徴とするイニシエータ組立体である。
【0033】上記イニシエータ組立体では、何れか一の
導電性ピンの一端側に存在する頭部を円盤状に形成し、
当該円盤状に形成された頭部に厚さ方向に貫通する貫通
孔を設けると共に、他の導電性ピンを、当該貫通孔内に
配置して、当該貫通孔に配置された他の導電性ピンと一
の導電性ピンの頭部との間に、ガラスなどの絶縁材料を
充填することができる。この場合、当該一の導電性ピン
の頭部を別体として形成することもでき、この別体とし
て形成された頭部はガラスなどの絶縁材料との組み合わ
せによりアイレットとして理解することもできる。
【0034】而して上記課題は以下の発明によっても解
決することができる。
【0035】即ち、電気式イニシエータと、これを保持
する金属製カラーとを含んで構成されたイニシエータ組
立体であって、前記電気式イニシエータは、絶縁材料を
用いて形成された成形部材と、当該成形部材を貫通して
配置された一対の導電性ピンと、両導電性ピン同士を電
気的に絶縁して一体化するアイレットとを含んで構成さ
れており、前記金属製カラーは、電気式イニシエータの
成形部材を保持する内向きフランジ状のフランジ部を備
えて形成され、電気式イニシエータのアイレットは、円
盤状の金属部分を含んで形成されていることを特徴とす
るイニシエータ組立体である。
【0036】このイニシエータ組立体でも、これが高温
に曝された場合でも導電性ピンを確実に保持可能なイニ
シエータ組立体は、前記金属製カラーに、フランジ部の
中央開口に於ける、前記一体化された導電性ピン頭部の
通過を阻止する支持部を設けることにより実現すること
ができる。また、アイレットの金属部分を0.5〜2m
mの厚さに形成すれば、その製造を容易し、また破損を
阻止することができる。 本発明に於いて、成形部材を
形成する絶縁材料として樹脂材料が使用される場合、当
該樹脂材料は、導電性ピン同士間に於ける他の電気的絶
縁手段が講じられない限り、電気的な絶縁性を有する樹
脂材料が使用される。即ち、電気的絶縁性を有する樹脂
材料を用いて成形部材を形成した場合には、何等の措置
も講じることなく導電性ピンを保持することができる
が、電気的導電性を有する樹脂材料を用いて成形部材を
形成した場合には、当該成形部材を介して導電性ピン同
士、或いは導電性ピンと金属製カラーとが電気的に繋が
ることのないように、絶縁材料を介在させるなどの公知
の絶縁手段を講じる必要がある。依って、当該成形部材
が樹脂材料を用いてなる場合、当該樹脂材料としては、
望ましくは電気的な絶縁性を有する樹脂材料が使用され
る。そしてこの樹脂材料としては、ガラス繊維、その他
の無機充填材料を含有するポリフェニレンサルファイド
(PPS)又はミネラル等の無機充填物を含有する液晶
ポリマー(LCP)等の樹脂材料を使用することができ
る。
【0037】上記アイレットは、導電体として機能する
一対の導電性ピン同士を電気的に絶縁して一体化する。
この一対の導電性ピン同士を電気的に絶縁するには、例
えば導電性ピン同士の通電経路をガラスなどの絶縁材料
で電気的に遮断することによっても行うことができる。
而して、当該アイレットと導電性ピンとの組み合わせ
は、例えば、導電性を有する金属から成る円盤状の金属
部分に、一の導電性ピンを電気的に接続すると共に、当
該金属部分の厚さ方向に貫通する貫通孔内に他の導電性
ピンを配置し、該貫通孔内にはガラスなどの絶縁材料を
充填して当該他の導電性ピンを保持することができる。
これにより一の導電性ピンと他の導電性ピンとはアイレ
ットで一体化されると共に、両導電性ピン同士は、貫通
孔内の絶縁材料により電気的に絶縁されることとなる。
この場合、アイレットは金属部分と該金属部分の貫通孔
に充填される絶縁材料とで構成される。また、アイレッ
トの金属部分は、当該一の導電性ピンの頭部として理解
することもできる。
【0038】そしてアイレット(或いは導電性ピンの頭
部。以下同様)は、その金属部分を0.5〜2mmの厚
さ、好ましくは0.8〜1.7mmの厚さに形成する。
金属部分の厚さを2mm以下とすることにより、当該金
属部分をプレス成形によっても形成することができ、そ
の結果、当該金属部分、惹いてはアイレットは製造容易
性が向上すると共に、製造コストを削減することもでき
る。この金属部分を0.5mm以上とする事により、当
該金属部分をプレス成形した場合であっても、その後の
研磨を確実に行うことができる。またこの金属部分を
0.5mm以上にすれば、仮に絶縁材料としてガラスを
用いて導電性ピン同士を絶縁したとしても、当該ガラス
も0.5mm以上の厚さに形成することができることか
ら、十分な強度を担保することができる。即ち、斯かる
ガラス部分を含んで構成されたアイレットに於いては、
ガラス部分と金属部分との界面が最も弱い部分であり、
金属部分を0.5mm以上の厚さに形成すれば、ガラス
部分も0.5mm以上の厚さに形成できることとなり、
その結果250kg/cm2の圧力まで耐え得るアイレ
ットとすることができる。従って、アイレットの金属部
分を0.5mm以上にすれば、例えば成形部分が溶融し
た状態で点火薬が燃焼したとしても、このアイレットの
破損を阻止し、破損したアイレット、惹いては導電性ピ
ンが抜け出るような事態を阻止することができる。
【0039】金属製カラーは、電気式イニシエータを保
持すると共に、これをガス発生器などに固定する為のも
のである。本イニシエータ組立体に於ける金属製カラー
は、少なくとも内向きフランジ状のフランジ部と、該フ
ランジ部の中央開口に於ける前記アイレットの通過を阻
止する支持部とを備えて形成されており、当該フランジ
部で電気式イニシエータの成形部材を保持することで、
金属製カラーと電気式イニシエータとの結合を成してい
る。
【0040】そしてこの金属製カラーに設けられる支持
部は、成形部材を構成する樹脂が熱で溶融してアイレッ
トが移動した場合においても、当該アイレットがフラン
ジ部の中央開口を通過することがないように、これを支
持することもできる。即ち、このように支持部を有する
イニシエータ組立体では、絶縁材料として熱可塑性樹脂
を用いて成形部材を形成し、これが高温中に曝された場
合であっても、当該突起部が成形部材及びこれに固定さ
れる導電性ピンが抜け出るのを防ぐことから、より安全
性を高めたイニシエータ組立体とすることができる。
【0041】斯かる支持部は、例えば、フランジ部の中
央開口の内径を、当該アイレットの外径よりも小さく形
成することによっても具体化することができる。この場
合、当該フランジ部中央開口の内径は、少なくとも何れ
か一部において当該アイレットの外径よりも小さく形成
されていれば良く、例えば、当該中央開口に、半径方向
内側に突起する突起部を形成する他、当該中央開口を楕
円状、矩形または各種多角形やこれらに類する形状で形
成することができる。このように形成した支持部は、当
該中央開口の内径を狭めた部分(支持部)でアイレット
を支持し、これが当該フランジ部の中央開口を通過する
事態を阻止できる。
【0042】従ってこの支持部は、フランジ部の内周面
に当該フランジ部の半径方向内側に突起する突起部を形
成し、この突起部を支持部とすることもできる。例えば
フランジ部内周面に、周方向に沿う凸状の突起を連続状
又は非連続状に形成して、これを突起部とする他、当該
フランジ部の厚さ方向の両端面側から、フランジ部の半
径方向内側に向かって内径を窄めることにより突起部を
形成することができる。後者の場合、フランジ部内周面
は、半径方向内側に向かって徐々に傾斜しながら突起
し、その全体を突起部とすることができる。
【0043】そしてフランジ部内周面に上記突起部を設
ければ、簡易な構造によって、前記成形部材が金属製カ
ラーから抜け出るのを防ぐこともできる。即ち、この成
形部材を射出成形によって形成する場合、フランジ部間
に射出された樹脂は当該突起部と相補的に合致する形状
で硬化し、この樹脂の硬化によって、突起部を受容する
形状部分を備えた成形部材が形成される。その結果、当
該成形部材は突起部によっても支持され、フランジ部間
から抜け出る事態を無くすことができる。依って、予め
フランジ部の内周面に突起部を形成し、射出成形により
成形部材を形成すれば、更に他の加工を必要とすること
なく、当該金属製カラーから電気式イニシエータが抜け
出る事態を阻止し、両者の結合を確実なものとすること
ができる。
【0044】依って、本発明に於いてフランジ部内周面
に突起部を形成し、これを支持部とすれば、前記アイレ
ットの通過阻止機能と成形部材の支持機能とを併せ持つ
ことができ、望ましい態様となる。
【0045】上記イニシエータ組立体に関連し、構成部
品を減じると共に、当該構成部品自体の製造容易性を向
上させることのできるイニシエータ組立体は、以下の構
成により実現できる。
【0046】即ち、電気式イニシエータと、これを保持
する金属製カラーとを含んで構成されたイニシエータ組
立体であって、前記電気式イニシエータは、絶縁材料を
用いて形成された成形部材を含んで構成されると共に、
前記金属製カラーは、当該電気式イニシエータの成形部
材を保持する内向きフランジ状のフランジ部を備えて形
成されており、前記フランジ部の内周面には、当該フラ
ンジ部の半径方向内側に突起する突起部が形成され、前
記成形部材は当該突起部を受容することを特徴とするイ
ニシエータ組立体である。成形部材を形成する絶縁材料
としては、熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を用いることが
できる。
【0047】上記イニシエータ組立体に於いてフランジ
部の内周面に突起部を形成することによる効果は既述の
とおりである為ここでは省略する。
【0048】そして、当該イニシエータ組立体に於い
て、金属製カラー中、フランジ部の外周に一体状に繋が
る筒状部の内周側は、絶縁材料で覆うことなく該金属カ
ラーが露出するものとして形成することが望ましい。こ
れにより、当該筒状部内周面に受容されるコネクター
が、イニシエータ組立体が作動した時の反動ではずれる
事態を阻止することができる。
【0049】また、このイニシエータ組立体では、成形
部材はフランジ部の内周面で固定され、且つ突起部によ
りその抜け落ちが阻止されることから、フランジ部下端
面、即ちコネクターが受容される側の面は、樹脂で覆う
ことなく形成することができる。この点、従来のイニシ
エータ組立体では、成形部材の抜け落ちを阻止する等の
理由からフランジ部下端面をも樹脂で覆っていたことか
らすれば、本発明のイニシエータ組立体では、絶縁材料
を減じることができ、またコネクターのはずれを阻止す
ることもできることから、製造コスト削減上及び作動確
実性を担保する上で望ましいものとなる。
【0050】更に、上記イニシエータ組立体の成形部材
と、点火薬を収容するためのキャビティーを形成するチ
ャージホルダーとの組み合わせ構造により、製造コスト
を削減した上で、点火薬の保持を確実に行うことができ
るイニシエータ組立体が実現する。
【0051】即ち、電気式イニシエータと、これを保持
する金属製カラーとを含んで構成されたイニシエータ組
立体であって、該電気式イニシエータは、絶縁材料を用
いて形成された成形部材と、当該成形部材と結合してキ
ャビティーを形成するチャージホルダーと、該キャビテ
ィー内に圧填される点火薬とを含んで構成されており、
前記キャビティーの成形部材とチャージホルダーとの結
合部には、半径方向外側に広がる溝部が形成されてお
り、当該溝部は成形部材とチャージホルダーとの間に設
けられることを特徴とするイニシエータ組立体である。
【0052】前記溝は、例えばチャージホルダーを環状
に形成して、その一端開口側の内周面を段欠き状に切り
欠いた段欠き部を設けると共に、この段欠き部に成形部
材に設けられた円形部を嵌入させ、当該段欠き部底面と
円形部端面との間に設けられる隙間として形成すること
もできる。つまり、当該隙間を溝とすることができる。
このように溝を形成すれば、特にチャージホルダーの内
周面に溝を穿設する必要がないことから、製造工程を簡
略化し、製造容易性及びコスト削減を実現することがで
きる。特に当該チャージホルダーを樹脂によって形成す
れば、段欠き部の製造を容易に行うことができる。この
溝は、キャビティー内に圧填された点火薬がブリッジワ
イヤーから離れることに起因した点火不良の発生を阻止
する。即ち、点火薬はキャビティー内全体にわたって圧
填されているとは限らず、出力などとの関係から点火薬
の充填量が調整され、内部に空間を形成する場合もあ
る。かかる場合、点火薬が圧填されていると雖も、その
空間に向けて点火薬が移動してブリッジワイヤーとの接
触がなくなり、点火不良を起こすことも危惧される。そ
こで点火薬が圧填される範囲内に溝を形成しておけば、
圧填された点火薬はこの溝内まで入り込み、当該キャビ
ティー内における点火薬の移動を阻止し、確実な点火が
保証される。
【0053】また、このイニシエータ組立体で、成形部
材を形成する絶縁材料としては、熱硬化性樹脂や熱可塑
性樹脂を用いることができるが、製造上の利点を考慮す
れば、特に熱可塑性樹脂を用いること望ましい。これ
は、成形部材とチャージホルダーとを熱可塑性樹脂を用
いて形成すれば、両者を超音波溶接により接合すること
ができ、その結果、溶接に関する時間を短くすることが
できる上、溶剤、熱源、接着剤などが一切不要で火災や
中毒の心配がなく、また安価な設備により実施すること
ができる為である。
【0054】上記イニシエータ組立体は、その作動によ
って燃焼及び/又は膨張して作動ガスを生じさせるガス
発生手段等と共に、ガス排出口を有するハウジング内に
収容することによりエアバッグ用ガス発生器を形成する
ことができる。更にこのエアバッグ用ガス発生器は、該
ガス発生器で発生するガスを導入して膨張するエアバッ
グ(袋体)と共にモジュールケース内に収容され、エア
バッグ装置とすることができる。このエアバッグ装置
は、衝撃センサが衝撃を感知することに連動してガス発
生器が作動し、ハウジングのガス排出口から燃焼ガスを
排出する。この燃焼ガスはエアバッグ内に流入し、これ
によりエアバッグはモジュールカバーを破って膨出し、
車両中の硬い構造物と乗員との間に衝撃を吸収するクッ
ションを形成する。
【0055】
【発明の実施の形態】以下、図面に示す実施の形態に基
づき、本発明のエアバッグ用ガス発生器を説明する。
【0056】図1は、本発明に関するイニシエータ組立
体の好ましい実施の形態を示す縦断面図である。
【0057】この図1に示すイニシエータ組立体は、フ
ランジ部408を備えた金属製カラー401と、この金属製カ
ラーに保持される電気式イニシエータとで構成されてお
り、当該電気式イニシエータは、絶縁材料として樹脂材
料を用いてなる成形部材403と、当該成形部材の端部に
露出するアイレット414と、当該アイレットにより電気
的に絶縁して一体化されて当該成形部材で保持される一
対の導電性ピン402とを含んで構成されている。
【0058】特に本実施の形態に於いては、成形部を形
成する樹脂材料として、ガラス繊維、その他の無機充填
材料を含有するポリフェニレンサルファイド(PPS)
又はミネラル等の無機充填物を含有する液晶ポリマー
(LCP)等の樹脂材料が使用されている。ガラス繊維
を40重量%含有するポリフェニレンサルファイド(P
PS)は、12MV/mの絶縁破壊電圧を有し、ミネラ
ルを50重量%含有する液晶ポリマー(LCP)は、6
6MV/mの絶縁破壊電圧を有する。またガラス繊維を
40重量%含有するポリフェニレンサルファイドは、2
3℃で24時間浸水後の吸水率が0.015%、引張強
度が196MPaであり、ミネラルを50重量%含有す
る液晶ポリマーは、23℃で24時間浸水後での吸水率
が0.04%、引張強度が171MPaである。
【0059】このイニシエータ組立体の製造に際して
は、金属製カラー401のフランジ部408内に、アイレット
414で一体化された導電性ピン402を配置し、両者408-40
2間に成形部材403となる樹脂材料を射出成形して、金属
製カラー401と、アイレット414で一体化された導電性ピ
ン402とを一体化する。依って、この金属製カラー401、
アイレット414に一体化された導電性ピン402、及び成形
部材403により、本イニシエータ組立体の基部404が形成
される。
【0060】而して、本実施の形態に示すイニシエータ
組立体は、点火薬406を配置する為にチャージホルダー4
10を使用し、また有蓋筒体形状の蓋部材405には、開口
縁にフランジ409を形成してこれを基部404(より具体的
には金属製カラー401のフランジ部408)に接続してなる
イニシエータ組立体となっている。
【0061】本実施の形態に於いて、アイレット414
は、導電性金属からなる円盤状の金属部分417を含んで
構成され、この金属部分417には、その厚さ方向に貫通
する1つの貫通孔415が形成されている。そして、何れ
か一の導電性ピン402aは当該アイレット414に導電可能
な状態で一体化されており、他の導電性ピン402bは、貫
通孔415を貫通して配置されて、当該貫通孔内に充填さ
れた絶縁材料(ガラス)416により該貫通孔415内に保持
されている。依って、両導電性ピン同士402a,402bは、
絶縁材料(ガラス)416によって電気的に絶縁されてい
る。この場合、アイレット414の金属部分417は、当該一
の導電性ピン402aの頭部とみることもでき、導電性ピン
同士402a,402bは、その頭部を電気的に絶縁して一体化
したものと捉えることもできる。そして、この導電性ピ
ンの頭部同士の間には絶縁材料(ガラス)が設けられて
いる。この導電性ピンの頭部は、点火薬が圧填される軸
方向一端側に形成され、当該導電性ピンの軸方向他端側
は、成形部材403から突起させて設けられ、当該他端部
には作動信号を伝えるためのコネクタが接続される。
【0062】このアイレット(或いは導電性ピンの頭
部。以下同様)414の金属部分417は、0.5〜2mm、
好ましくは0.8〜1.7mmの厚さに形成されてい
る。これにより、当該アイレット414をプレス成形によ
って形成することができる上、更にガラス部分(416)
と金属部分417との十分な強度を担保することができ
る。
【0063】またアイレット414は、当該基部404(より
具体的には成形部材403)から端面を露出しており、貫
通孔415内の導電性ピン402bと金属部分417との間にはブ
リッジワイヤー407が連架されている。このブリッジワ
イヤー407は電気的抵抗体を用いて形成されており、導
電性ピン402が受け取った電気的エネルギー(作動信
号)を熱エネルギーに変換する役目を果たす。
【0064】樹脂材料を射出成型して形成される成形部
材403には、金属製カラー401のフランジ部408よりも軸
方向外側に突起させた筒状部411が形成されており、且
つこの筒状部411の先端には、円形に突起する円形部412
が形成されている。この円形部412は、樹脂材料を用い
て形成された略円筒状のチャージホルダー410内に嵌入
し、当該円形部412とチャージホルダー410とでキャビテ
ィーを形成している。そしてこのキャビティー内には点
火薬406が圧填されている。
【0065】成形部材403とチャージホルダー410との組
み合わせに際しては、図2のイニシエータ組立体の縦断
面図及び図3の要部断面図に示すように、チャージホル
ダー410を円筒状に形成すると共に、一端開口の内周
に、段欠き状に切り欠いた段欠き部419を形成し、この
段欠き部419に成形部材の円形部412を嵌入することもで
きる。この場合、当該段欠き部の底面420と、円形部412
の端面との間には、チャージホルダー410の内周面に沿
う溝421 が形成される。このように形成されたキャビ
ティー内に点火薬406を圧填すれば、当該点火薬は溝421
内にも充填されて押し固められて当該溝421内で支持さ
れることから、当該キャビティー内に空間が存在したと
しても、当該点火薬406の脱落や移動を阻止することが
できる。その結果、この点火薬406の着火性が向上す
る。またこのように形成すれば、当該溝421を簡易に設
けることができるため、製造上及びコスト上のメリット
となる。
【0066】そして、点火薬406が圧填されたキャビテ
ィーは、有蓋筒体の蓋部材405で覆われると共に、蓋部
材405を基部404に接続している。なお、成形部材403の
円形部418内にはアイレット414が配置されている。
【0067】本実施の形態に於いて、チャージホルダー
410と成形部材403とは樹脂を用いて形成されており、両
者の溶接は超音波溶接により接合されている。超音波溶
接によって両者410,403を溶接することにより、導電性
ピンに溶融した成形部材403(樹脂)が接触することが
なく、導電性ピン同士402a,402b間に連架して設けられ
るブリッジワイヤー407の破断を阻止することができ
る。依って、両者410,403を超音波溶接で接合する上で
は、このチャージホルダー410と成形部材403とを熱可塑
性樹脂を用いて形成することが望ましい。
【0068】一体形成された基部404に於いて、金属製
カラー401と成形部材403との接合部には、成形部材403
の脱落及び/又は脱離を阻止するための脱落防止手段が
形成されている。本実施の形態では、かかる脱落防止手
段として、金属製カラー401のフランジ部408の内周面に
突起部413を形成すると共に、この突起部413に対応させ
て樹脂材料を充填し、当該突起部413を受容する成形部
材403を形成することで具体化されている。本実施の形
態で突起部413は、フランジ部408の内周面を、当該フラ
ンジ部の厚さ方向の両端面側から、フランジ部の半径方
向内側に向かって内径を窄めて形成されている。
【0069】そして樹脂材料は、上記に様に形成された
フランジ部の中央開口に射出成形されることから、当該
成形部材403は、フランジ部408の内周面と相補的に係合
するものとして形成され、当該成形部材がフランジ部内
周面の突起部413を受容することで、金属製カラー401か
ら成形部材403が脱落及び/又は脱離する事態を阻止で
きる。
【0070】特に本実施の形態に於いて、金属製カラー
401のフランジ部408の内周面に形成される突起部413
は、フランジ部408の下方寄りに頂部が形成されてい
る。これにより、成形部材403は、金属製カラー401の頂
部よりも上方(即ち、点火薬406が配置される側)は、
十分な軸方向長さを確保して形成され、その軸方向に沿
う剪断強度が十分に確保される。これにより点火薬406
が着火・燃焼した後に於いても、成形部材403は確実に
金属製カラー401に保持されることとなる。つまり、成
形部材403の最小半径部は、剪断強度を確保するため、
その下方寄りに形成されている。
【0071】また、この突起部413は、前記アイレット4
14の通過を阻止する大きさに形成されている。具体的に
は、本実施の形態に於いては、この突起部413の内径
は、アイレット414の外径よりも小さく形成されてい
る。その結果、仮に成形部材403が熱などで溶融し、こ
のアイレット414が移動した場合に於いても、これは当
該突起部413によって支持されることから、イニシエー
タ組立体中から抜け出ることはない。
【0072】なお、突起部の形成に際しては、フランジ
部内周面から円形に突起するものとして形成する他、図
4に示すような各種楕円形に突起するものとして形成す
る事ができる。この場合、導電性ピン同士402a,402b
は、楕円形に突起する突起部413の間を貫通して配置さ
れる。
【0073】また、図1に示すイニシエータ組立体で
も、前記図2に示したイニシエータ組立体の如く、導電
性ピン402a,402bの内、成形部材403中に存在する範囲に
は、その周面にローレットを形成することができる。ロ
ーレットとしては、導電性ピン402の周方向に形成した
凹凸、畝または瘤として形成することができ、これは導
電性ピン402成形部材403間の湿気の侵入を阻止し、両者
の組み付けを確実なものとすることができる。つまり、
導電性ピン402a,402bの成形部材に存在する範囲に凹
凸、畝または瘤を形成し、これを用いて導電性ピン402
a,402b−金属製カラー401間に樹脂材料を充填すること
により、該樹脂材料は凹凸、畝または瘤に対応して成型
され、両者は確実に継合することとなる。但し、製造容
易性などを考慮し、図1に示す如くこのローレットは省
略することもできる。
【0074】上記のように、キャビティー中に圧填され
た点火薬406は、その周囲が有蓋筒体形状の蓋部材405で
包囲されて外気と区画されている。多くの場合、この蓋
部材405は金属材料を用いて形成されており、その厚さ
は、点火薬406の燃焼によって破裂する様に調整されて
いる。依ってこの蓋部材405は、容易且つ確実に破裂す
ることができるように、その円形端部(蓋となる部分)
にはノッチを設けることが好ましい。かかるノッチは、
ステンレス鋼(SUS305)を用いて蓋部材405を形成した
場合、約0.10〜0.25ミリの溝として放射状に形
成することができる。
【0075】この態様に示すイニシエータ組立体では、
この蓋部材405の開口側底縁にフランジ409を形成して、
このフランジ409を、基部404を構成する金属製カラー40
1(フランジ部408)に接合している。蓋部材405と金属
製カラー401とは、両者の接合時に於ける点火薬406の着
火の可能性をなくすために、抵抗溶接やレーザー溶接な
ど、入熱量の少ない溶接方法によって接合されている。
【0076】上記のイニシエータ組立体は、図5に示す
ような工程で製造することができる。即ち、図5(a)
に示すように2本の導電性ピン402を金属製カラー401の
フランジ部408の開口部から通して、フランジ部408の開
口部と導電性ピン402 a,402bとの間に樹脂材料を充填
し、基部404を形成する。この基部404の形成に際して
は、該樹脂材料は、それから形成される成形部材403
が、金属製カラー401のフランジ部408から軸方向外側に
突起(411)する形状に射出成型されており、またこの突
起した部分から更に円形に突起する円形部412の端面に
は、アイレット414の端面が露出するように形成されて
いる。そしてこの基部404を研磨した後、成形部材403の
端面から頭部を露出しているアイレット414の金属部分4
17と、貫通孔内の導電性ピン402との間にブリッジワイ
ヤー407を連架して溶接し(図5(b))、また金属製
カラー401のフランジ部408から軸方向外側に突起する成
形部材403の円形部418には、チャージホルダー410を組
み付け、両者を超音波溶接で接合している(図5
(c))。
【0077】その後、この円形部418とチャージホルダ
ー410とで形成されるキャビティー(点火薬収容空間)
内に点火薬406を圧填し(図5(d))、チャージホル
ダー410の外側を有蓋筒体形状の蓋部材405で覆って、点
火薬406が収容されたキャビティー内を閉塞する(図5
(e))。この蓋部材405の開口側底縁は外向きフラン
ジ状に形成されていることから、この部分409を基部404
(金属製カラー401)のフランジ部408に溶接している
(図5(f))。蓋部材405のフランジ部409と金属製カ
ラー401のフランジ部408との接続は、抵抗溶接やレーザ
ー溶接など、入熱量の少ない溶接方法によって行う事が
望ましい。
【0078】この実施の形態に示すイニシエータ組立体
は、金属製カラー401と、アイレット414で一体化された
導電性ピン402とを、樹脂材料で一体化して基部404を形
成し、これを用いて形成していることから、安価な部品
で構成することができ、且つ製造工程を少なくすること
ができるため、より製造コストを抑えたイニシエータ組
立体が実現する。またこのイニシエータ組立体は、製造
が容易であることから、歩留まりを向上させることがで
きる。 『実施の形態2』図6及び7は、上記イニシエータ組立
体を用いて形成したエアバッグ用ガス発生器の実施の形
態を示す。
【0079】このガス発生器は、ガス排出口104を形成
したディフューザシェル101と、該ディフューザシェル
を閉塞するクロージャシェル102とを組み合わせてハウ
ジング103を形成し、このハウジング103内に、前記イニ
シエータ組立体100を含んで構成された点火手段と、該
点火手段の作動によって着火・燃焼され、エアバッグ
(袋体)を膨張させるための作動ガスを発生させるガス
発生手段105と、そして該ガス発生手段105の燃焼により
発生した作動ガスを浄化及び/又は冷却するフィルター
手段106とを含んで収容して形成されている。
【0080】この内、図6に示すガス発生器では、ハウ
ジング内の中心に、周壁に複数の伝火孔107を設けた内
筒部材108が配置されており、この内筒部材108の内側に
は、前記点火手段を収容する空間109が形成され、また
その半径方向外側には前記ガス発生手段105を収容する
燃焼室110が形成されている。
【0081】この図6に示すガス発生器の点火手段は、
前記実施の形態に示すイニシエータ組立体100と、該イ
ニシエータ組立体の作動によって着火・燃焼し、ガス発
生手段を着火するための火炎を伝火孔107から噴出する
伝火薬111とで構成されている。この内、イニシエータ
組立体100は、内筒部材108の下方に固定されている。内
筒部材108と、イニシエータ組立体100との組み合わせ
は、内筒部材108の開口側端部112をかしめて、イニシエ
ータ組立体100のカラー部材113を固定するなどによって
行うことができる。そしてこの内筒部材108は、イニシ
エータ組立体100が収容された側の開口端部112が、クロ
ージャシェル102に対して溶接などによって接続されて
いる。
【0082】前記燃焼室内110にはガス発生手段105が収
容され、その外側にはガス発生手段105の燃焼によって
発生した作動ガスを浄化及び/又は冷却するためのフィ
ルター手段106が配置されている。このフィルター手段1
06は、積層金網等を用いて筒状に形成されており、その
外周面はハウジング103内周面と対向状に配置される。
望ましくは、フィルター手段106の外周面とハウジング1
03の内周面との間にはガス流路となる間隙が形成され、
これによりフィルター手段106の全面利用が実現する。
このフィルター手段106の外周面は多孔円筒状のパンチ
ングプレート114で支持され、半径方向外側への膨出が
抑止される。
【0083】上記のガス発生器に於いて、イニシエータ
組立体100が作動すると、その近傍に配置された伝火薬1
11が着火・燃焼し、その火炎を内筒部材108に形成され
た伝火孔107から燃焼室110内に噴出する。この火炎によ
り燃焼室110内のガス発生手段105は着火・燃焼し、作動
ガスを発生させる。この作動ガスはフィルター手段106
を通過する間に浄化及び/又は冷却され、ガス排出口10
4を閉塞するシールテープ115を破って、該ガス排出口10
4から排出される。なお、図6中、符号116は略リング状
に形成されたアンダープレートを示しており、これは燃
焼室110内に於いてガス発生手段105を支持する役割を果
たす。
【0084】また、前記イニシエータ組立体は、図7に
示すようなガス発生器にも使用することができる。この
図に示すガス発生器は、図6に示すガス発生器と異な
り、ハウジング内には内筒部材(図4中の108)を配置
していない。此により、特に点火手段の構成、及びその
配置方法に特徴を有する。
【0085】即ちこの図に示すガス発生器では、イニシ
エータ組立体100をクロージャシェル102に直接取り付
け、その周囲にガス発生手段105を配置している。従っ
て、この図に示すガス発生器では、伝火薬(図6中の11
1)は使用されず、イニシエータ組立体100が作動する
と、その火炎は直接ガス発生手段105を着火・燃焼させ
ることとなる。これにより、エアバッグを膨張させるた
めの作動ガスを発生することができる。
【0086】特にこの図に示す態様に於いては、ハウジ
ングを形成するクロージャシェルには、その略中央に、
内側に曲折する周壁部120を設けた中央開口121を形成し
ており、イニシエータ組立体100は、この中央開口121に
収容され、また中央開口121周壁部120の端面と、イニシ
エータ組立体100のカラー部材113とが接続されている。
両者の接続は溶接等によって行う等、適宜手段によりイ
ニシエータ組立体のカラー部材を固定することができ
る。この図に示すようにイニシエータ組立体100のカラ
ー部材に段欠き部122を形成し、これを中央開口121の周
壁部端面に当接する事で、イニシエータ組立体を確実に
固定し、作動時に於いて抜け出てしまう虞を無くしてい
る。図7中、図6に示したものと同一部材については、
同一符号を付して、その説明を省略する。
【0087】更に、上記イニシエータ組立体に関連する
イニシエータ組立体は、その後、シートベルト用プリテ
ンショナーに使用されるガス発生器を製造する為の構成
部品として使用することができる。
【0088】このイニシエータ組立体は、図8に示すよ
うに、金属製カラー13に於いて爪状に形成された端部
14で電気式イニシエータを保持しており、電気式イニ
シエータは、樹脂材料を用いて形成された成形部材1内
に、アイレット8で一体化された一対の導電性ピン2を
配置している。この導電性ピン2同士はブリッジワイヤ
ー3で電気的に放電可能なものとして設けられている。
そして成形部材1のアイレット8側には、円形に突起さ
せた円形部9が形成されており、この円形部9はチャー
ジホルダー4の段欠き部10に嵌入されている。そして
円形部9と当該チャージホルダーはキャビティー5を形
成すると共に、このキャビティー5内には点火薬7が圧
填されている。またこのキャビティー5の円形部側には
溝11が形成され、この溝11により点火薬は保持され
る。またキャビティー5は蓋部材6によって閉塞されて
いる。
【0089】そして、このイニシエータ組立体を用いた
プリテンショナー用ガス発生器は、例えば図8に示す構
造とすることができる。
【0090】即ち、有底筒体であって、開口端23をフ
ランジ状に曲折したカップ部材20には、イニシエータ
の作動により、より具体的には点火薬の燃焼によるガス
・火炎・ミスト等により着火・燃焼するガス発生剤22
を充填している。このガス発生剤22が充填された空間
は燃焼室24として、当該カップ部材により外部環境か
ら区画されている。そして金属製カラー13に設けられ
た円形溝内15にはシーラント(密封材又は防水剤)を
注入し、この円形溝内にカップ部材20のフランジ部2
3を嵌入している。そして、イニシエータ組立体とカッ
プ部材20とは、該円形溝15の周壁をかしめることに
より結合されている。そしてカップ状部材内にはイニシ
エータアッシのチャージホルダー4側が圧入される。特
に図8に示す態様では、更にこのガス発生器に作動信号
を伝える為のコネクタ(図示せず)の接続を容易且つ確
実とするために、リテーナ30を配置している。このリ
テーナ30としては、導電性ピン2と継合するコネクタ
の位置決め機能を有し、また該コネクタの保持・固定機
能を有する公知のものを使用することができる。
【0091】この様に形成されたプリテンショナー用ガ
ス発生器は、導電性ピン2に着火電流が伝わることによ
りイニシエータが作動し、点火薬7の燃焼による火炎・
ガス・ミストなどを発生させる。これら火炎などはカッ
プ部材20の内側の室(燃焼室24)内に収容されたガ
ス発生剤22を着火・燃焼させ、作動用ガスを発生させ
る。この作動用ガスはその後カップ部材20を破裂し、
外に放出される。
【0092】
【発明の効果】本発明によれば、イニシエータ組立体の
製造コストの増大を来すことなく、作動確実性も担保し
た上で、イニシエータ組立体を構成する部品点数を減じ
ると共に、当該構成部品自体の製造容易性を向上させる
ことができる。そして、本発明に係る前記絶縁材料によ
り成形部材を形成すれば、水分の透過により点火薬(火
薬)が吸湿・劣化することなく、長年の使用によっても
初期性能を維持できるイニシエータ組立体が実現する。
【0093】また、本発明のイニシエータ組立体によれ
ば、これが高温中に曝された場合であっても、導電性ピ
ンを確実に保持することのできるイニシエータ組立体と
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るイニシエータ組立体を示す縦断面
図。
【図2】他の態様に於けるイニシエータ組立体を示す縦
断面図。
【図3】図2に示すイニシエータ組立体の要部拡大図。
【図4】他の態様に於ける突起部形状を示す水平断面
図。
【図5】図1のイニシエータ組立体の製造工程図。
【図6】本発明のエアバッグ用ガス発生器を示す縦断面
図。
【図7】本発明の他のエアバッグ用ガス発生器を示す縦
断面図。
【図8】本発明の更に他のエアバッグ用ガス発生器を示
す縦断面図。
【符号の説明】
1,403 成形部材 2,402 導電性ピン 3,407 ブリッジワイヤー 7,406 点火薬 8,414 アイレット 11,421 溝 13,401 金属製カラー 20 カップ部材 22 ガス発生剤 100 イニシエータ組立体 103 ハウジング 404 基部 408 フランジ部 413 突起部 415 貫通孔

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気式イニシエータと、これを保持する金
    属製カラーとを含んで構成されたイニシエータ組立体で
    あって、 前記電気式イニシエータは、絶縁材料を用いて形成され
    た成形部材と、当該成形部材を貫通して配置された一対
    の導電性ピンとを含んで構成され、当該一対の導電性ピ
    ン同士は、その軸方向一端側に存在する頭部を成形部材
    から露出すると共に、その軸方向他端側を成形部材から
    突起して配置されて、該頭部同士を電気的に絶縁して一
    体化してなり、 前記金属製カラーは、電気式イニシエータの成形部材を
    保持する内向きフランジ状のフランジ部を備えて形成さ
    れ、 一体化された導電性ピンの頭部同士は全体として円盤状
    であることを特徴とするイニシエータ組立体。
  2. 【請求項2】前記金属製カラーは、フランジ部の中央開
    口に於ける、前記一体化された導電性ピン頭部の通過を
    阻止する支持部を有する請求項1記載のイニシエータ組
    立体。
  3. 【請求項3】電気的に絶縁して一体化して円盤状に形成
    された導電性ピンの頭部同士は、0.5〜2mmの厚さ
    で形成されている請求項1又は2記載のイニシエータ組
    立体。
  4. 【請求項4】前記電気式イニシエータは、円盤状の金属
    部分を含んで形成されたアイレットを含んで構成され、
    該金属部分は何れか一の導電性ピンと導電可能に接続さ
    れて、当該一の導電性ピンの頭部をなしている請求項1
    〜3の何れか一項記載のイニシエータ組立体。
  5. 【請求項5】電気式イニシエータと、これを保持する金
    属製カラーとを含んで構成されたイニシエータ組立体で
    あって、 前記電気式イニシエータは、絶縁材料を用いて形成され
    た成形部材と、当該成形部材を貫通して配置された一対
    の導電性ピンと、両導電性ピン同士を電気的に絶縁して
    一体化するアイレットとを含んで構成されており、 前記金属製カラーは、電気式イニシエータの成形部材を
    保持する内向きフランジ状のフランジ部を備えて形成さ
    れ、 電気式イニシエータのアイレットは、円盤状の金属部分
    を含んで形成されていることを特徴とするイニシエータ
    組立体。
  6. 【請求項6】前記金属製カラーは、フランジ部の中央開
    口に於ける前記アイレットの通過を阻止する支持部を備
    えて形成される請求項5記載のイニシエータ組立体。
  7. 【請求項7】前記アイレットの金属部分は0.5〜2m
    mの厚さに形成されている請求項5又は6記載のイニシ
    エータ組立体。
  8. 【請求項8】前記アイレットは、その厚さ方向に貫通す
    る少なくとも1つの貫通孔を有しており、当該貫通孔に
    は何れか一の導電性ピンが貫通し、当該導電性ピンは当
    該貫通孔内に充填された絶縁材料によって、他の導電性
    ピンとは電気的に絶縁されている請求項5〜7の何れか
    一項記載のイニシエータ組立体。
  9. 【請求項9】前記フランジ部の内周面には、当該フラン
    ジ部の半径方向内側に突起する突起部が形成されてお
    り、当該突起部が前記支持部となる請求項1〜8の何れ
    か一項記載のイニシエータ組立体。
  10. 【請求項10】前記成形部材は当該突起部を受容する形
    状部分を有する請求項9記載のイニシエータ組立体。
  11. 【請求項11】電気式イニシエータと、これを保持する
    金属製カラーとを含んで構成されたイニシエータ組立体
    であって、 前記電気式イニシエータは、絶縁材料を用いて形成され
    た成形部材を含んで構成されると共に、前記金属製カラ
    ーは、当該電気式イニシエータの成形部材を保持する内
    向きフランジ状のフランジ部を備えて形成されており、 前記フランジ部の内周面には、当該フランジ部の半径方
    向内側に突起する突起部が形成され、前記成形部材は当
    該突起部を受容することを特徴とするイニシエータ組立
    体。
  12. 【請求項12】前記突起部は、フランジ部内周面を、当
    該フランジ部の厚さ方向の両端面側から、フランジ部の
    半径方向内側に向かって内径を窄めることで形成されて
    いる請求項9〜11の何れか一項記載のイニシエータ組
    立体。
  13. 【請求項13】前記金属製カラーは、内向きフランジ状
    に形成されたフランジ部と、当該フランジ部の外周に一
    体状に繋がった筒状部とから成り、当該筒状部の内周側
    は、絶縁材料に覆われることなく該金属カラーが露出し
    ている請求項1〜12の何れか一項記載のイニシエータ
    組立体。
  14. 【請求項14】電気式イニシエータと、これを保持する
    金属製カラーとを含んで構成されたイニシエータ組立体
    であって、 該電気式イニシエータは、絶縁材料を用いて形成された
    成形部材と、当該成形部材と結合してキャビティーを形
    成するチャージホルダーと、該キャビティ内に圧填され
    る点火薬とを含んで構成されており、 前記キャビティーに於ける成形部材とチャージホルダー
    との結合部には、半径方向外側に広がる溝部が形成され
    ており、当該溝部は成形部材とチャージホルダーとの間
    に設けられることを特徴とするイニシエータ組立体。
  15. 【請求項15】前記チャージホルダーは環状に形成され
    て一端開口側の内周面を段欠き状に切り欠いた段欠き部
    を備え、前記成形部材は当該チャージホルダーの段欠き
    部に嵌入する円形部を備えており、 前記溝部は、当該段欠き部底面と円形部端面との間に設
    けられる請求項14記載のイニシエータ組立体。
  16. 【請求項16】前記電気式イニシエータは、一対の導電
    性ピンを電気的に絶縁して一体化するアイレットを含ん
    で構成されており、該アイレットは成形部材の円形部に
    嵌入すると共に、その端面をキャビティー側に露出して
    いる請求項14又は15記載のイニシエータ組立体。
  17. 【請求項17】外殻容器を形成するハウジングと、該ハ
    ウジング内に配置されるイニシエータ組立体と、該イニ
    シエータ組立体の作動によって着火・燃焼するガス発生
    剤とを含んで構成されるガス発生器であって、当該イニ
    シエータ組立体が請求項1〜16の何れか一項記載のイ
    ニシエータ組立体であることを特徴とするガス発生器。
  18. 【請求項18】前記電気式イニシエータは、温度80
    ℃、湿度95%の環境下で、ブリッジワイヤに50mA
    の電流を流した状態で1000時間放置した後に於け
    る、前記一対の導線性ピン同士間の導通抵抗の変化量
    が、当該放置前の±0.2Ω以内である請求項1〜17
    の何れか一項記載のイニシエータ組立体。
  19. 【請求項19】前記電気式イニシエータは、温度80
    ℃、湿度95%の環境下で、一対の導電ピン同士間に5
    0mAの電流を流した状態で1000時間放置した後に
    於ける点火薬の着火開始時間が、該電気式イニシエータ
    の作動を開始させるための着火電流を印加した後、2m
    sec以下である請求項1〜18の何れか一項記載のイ
    ニシエータ組立体。
  20. 【請求項20】前記成形部材を形成する絶縁材料が、樹
    脂材料、ガラス材料又はセラミックス材料である請求項
    1〜19の何れか一項記載のイニシエータ組立体。
  21. 【請求項21】前記成形部材を形成する絶縁材料が、樹
    脂材料である請求項1〜20の何れか一項記載のイニシ
    エータ組立体。
  22. 【請求項22】前記成形部材は樹脂材料を用いて形成さ
    れており、該成形部材材の内、各導電ピンとの接触面に
    生じる気泡の導電ピンと樹脂との最大半径方向距離が
    0.10mm以下である請求項1〜21の何れか一項記
    載のイニシエータ組立体。
  23. 【請求項23】前記成形部材は樹脂材料を用いて形成さ
    れており、該成形部材の内、各導電ピンとの接触面に生
    じる気泡は、該成形部材の軸方向に沿って貫通していな
    い請求項1〜22の何れか一項記載のイニシエータ組立
    体。
  24. 【請求項24】前記導電性ピンと成形部材との間には、
    防湿手段が設けられている請求項1〜23の何れか一項
    記載のイニシエータ組立体。
  25. 【請求項25】前記防湿手段は、該導電性ピンの成形部
    材内に存在する部分の周面に、周方向に沿って形成され
    た凹凸である請求項24記載のイニシエータ組立体。
  26. 【請求項26】前記成形部材は、一対の導電性ピンを含
    んで、樹脂材料を射出成形することによって形成されて
    いる請求項1〜25の何れか一項記載のイニシエータ組
    立体。
  27. 【請求項27】前記成形部材は樹脂材料を用いて形成さ
    れており、該樹脂材料は、23℃で24時間浸水後に於
    ける吸水率が0.005〜3.0%であって、引張強度
    が100〜250MPaである請求項1〜26の何れか
    一項記載のイニシエータ組立体。
  28. 【請求項28】前記成形部材は絶縁材料を用いて形成さ
    れており、該絶縁材料は、引張強度が100MPa以上
    で、絶縁破壊電圧が10MV/m以上である請求項1〜
    27の何れか一項記載のイニシエータ組立体。
  29. 【請求項29】前記成形部材は絶縁材料を用いて形成さ
    れており、該絶縁材料は、線膨張率が8×10-5/℃以
    下で、引張強度が100MPa以上で、絶縁破壊電圧が
    10MV/m以上である請求項1〜28の何れか一項記
    載のイニシエータ組立体。
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