JP2002088942A - 鋼製耐火壁構造 - Google Patents

鋼製耐火壁構造

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JP2002088942A
JP2002088942A JP2000276673A JP2000276673A JP2002088942A JP 2002088942 A JP2002088942 A JP 2002088942A JP 2000276673 A JP2000276673 A JP 2000276673A JP 2000276673 A JP2000276673 A JP 2000276673A JP 2002088942 A JP2002088942 A JP 2002088942A
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heat
steel
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metal plate
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JP2000276673A
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Kenji Otsuka
健二 大塚
Masaki Tono
正樹 戸野
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 厚みが薄く、軽量で耐火性に優れる鋼製耐火
壁構造の提供。 【解決手段】 不燃性面材または準不燃性面材の少なく
とも片面に、加熱によって膨張して耐火断熱層を形成
し、50kW/m2の加熱条件下で30分加熱した後の
体積膨張倍率が3〜30倍であって、厚みが0.1〜4
mmの熱膨張性耐火材を設けた積層体の両面に金属板が
取り付けられてなることを特徴とする鋼製耐火壁構造。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼製耐火壁構造に
関し、特に熱膨張性耐火材を用いた積層体の両面に金属
板を取り付けた鋼製耐火壁構造に関する。
【0002】
【従来の技術】建築物の高層化等に伴い、建築物の構成
材料には軽量化が要望されている。さらに、建築物の種
類、立地条件等に応じて、建設省告示第2999号やJ
ISA 1304に定められた耐火性能基準を満たすこ
とが義務づけられている。鋼製の耐火壁の分野では、上
記耐火性能基準を満足するために、内部にケイ酸カルシ
ウム板やロックウール板を内部に入れて耐火性をもたせ
てきたが、厚みが厚くなると同時に、非常に重い部材と
なっていた。このため、輸送、施工性、建物の空間占有
率等の見地から大きな問題点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑み、厚みが薄く、軽量で耐火性に優れる鋼製耐火壁
構造を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究をすすめた結果、特定の厚さで特
定の体積膨張倍率を有する熱膨張性耐火材を不燃性面材
又は準不燃性面材に積層した積層体の外側に金属板を取
り付けることにより、耐火性能に優れかつ軽量で厚みが
薄く施工性に優れ、さらに生産性に優れた鋼製耐火壁構
造が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0005】すなわち、本発明の第1(請求項1の発
明)は、不燃性面材または準不燃性面材の少なくとも片
面に、加熱によって膨張して耐火断熱層を形成し、50
kW/m2の加熱条件下で30分加熱した後の体積膨張
倍率が3〜30倍であって、厚みが0.1〜4mmの熱
膨張性耐火材を設けた積層体の両面に金属板が取り付け
られてなることを特徴とする鋼製耐火壁構造である。
【0006】また、本発明の第2(請求項2の発明)
は、金属板の両面に、不燃性面材または準不燃性面材と
加熱によって膨張して耐火断熱層を形成し50kW/m
2の加熱条件下で30分加熱した後の体積膨張倍率が3
〜30倍であって厚みが0.1〜4mmの熱膨張性耐火
材が順次積層され、さらに、その両面に金属板が取り付
けられてなることを特徴とする鋼製耐火壁構造である。
【0007】また、本発明の第3(請求項3の発明)
は、上記金属板が、鋼製下地材を介して取り付けられて
なることを特徴とする第1又は2の発明に記載の鋼製耐
火壁構造である。
【0008】また、本発明の第4(請求項4の発明)
は、上記熱膨張性耐火材が、熱可塑性樹脂又はエポキシ
樹脂100重量部に対し、無機充填剤を50〜400重
量部含有し、そのうち少なくとも加熱時に膨張する層状
無機物を20〜150重量部含有することを特徴とする
第1乃至3のいずれかの発明に記載の鋼製耐火壁構造で
ある。
【0009】また、本発明の第5(請求項5の発明)
は、第1乃至4のいずれかの発明に記載の耐火壁構造と
金属板間に断熱材が充填されてなることを特徴とする鋼
製耐火壁構造である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の鋼製耐火壁構造は、不燃
性面材又は準不燃性面材の少なくとも片面に熱膨張性耐
火材を設けた積層体の両面に金属板を取り付けたもので
あり、さらに金属板の両面に不燃性面材又は準不燃性面
材と熱膨張性耐火材が順次積層され、さらに、その両面
に金属板が取り付けられてなるものである。その構成に
ついて以下に詳細に説明する。
【0011】(1)不燃性面材または準不燃性面材 本発明で用いる不燃性面材または準不燃性面材として
は、例えば、石膏ボード、スレート板、パーライト板、
ALC板、PC板、セラミック板、コンクリート板、各
種セメント板、ケイ酸カルシウム板、含水無機物含有ボ
ード、ロックウール板、木片セメント板(S耐火シート
を併用してもよい)、およびこれらの複合面材およびこ
れらに表面化粧(塗装、壁紙貼付等)が施された面材が
挙げられる。これらの内、石膏ボードは、安価で、しか
も容易に入手できるため好ましい。
【0012】上記石膏ボードとしては、例えば、JIS
A 6901に規定された普通石膏ボード(GB−
R)、JIS A 6911に規定された化粧石膏ボー
ド(GB−D)、JIS A 6912に規定された防
水石膏ボード(GB−S)、JIS A 6913に規
定された強化石膏ボード(GB−F)、JIS A 6
301に規定された吸音石膏ボード(GB−P)等が挙
げられる。
【0013】上記不燃性面材又は準不燃性面材の表面に
は、必要に応じて、化粧紙、壁紙、塗装等の意匠性を付
与するための表面化粧が施されてもよい。
【0014】上記不燃性面材又は準不燃性面材の厚み
は、5〜30mm、好ましくは5〜15mmである。厚
みが5mm未満では、補助断熱効果及び補強効果が不足
し、30mmを超えると、本発明の目的とする軽量化、
薄肉化が実現されなくなる。
【0015】(2)熱膨張性耐火材 本発明で用いる熱膨張性耐火材は、加熱によって膨張
し、耐火断熱層を形成しうるものであり、50kW/m
2の加熱条件下で30分加熱した後の体積膨張率が3〜
30倍であるものであれば、どのようなものであっても
よいが、次のような熱可塑性樹脂又はエポキシ樹脂に無
機充填剤及び熱膨張性無機化合物である層状無機物を配
合した樹脂組成物からなるものが好ましい。
【0016】熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリプロ
ピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ(1−)ブテン樹
脂、ポリペンテン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリ
スチレン系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチ
レン(ABS)系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリ
フェニレンエーテル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミ
ド系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、フェノール系樹脂、
ポリウレタン系樹脂、ポリブテン、ポリイソブチレン、
天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、1,2−
ポリブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロ
ロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、塩素化ブチ
ルゴム、エチレン−プロピレンゴム、クロロスルホン化
ポリエチレン、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴ
ム、多加硫ゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタ
ンゴム等が挙げられる。
【0017】エポキシ樹脂としては、特に限定されない
が、基本的にはエポキシ基を持つモノマーと硬化剤を反
応させて得られる樹脂である。
【0018】エポキシ基をもつモノマーとしては、例え
ば、2官能のグリシジルエーテル型として、ポリエチレ
ングリコール型、ポリプロピレングリコール型、ネオペ
ンチルグリコール型、1,6−ヘキサンジオール型、ト
リメチロールプロパン型、プロピレンオキサイド−ビス
フェノールA型、水添ビスフェノールA型等が挙げら
れ、グリシジルエステル型として、ヘキサヒドロ無水フ
タル酸型、テトラヒドロ無水フタル酸型、ダイマー酸
型、p−オキシ安息香酸型等が挙げられ、多官能のグリ
シジルエーテル型として、フェノールノボラック型、オ
ルトクレゾール型、DPPノボラック型、ジシクロペン
タジエン・フェノール型等が挙げられる。これらは単独
でも、2種類以上混合して用いてもよい。
【0019】また、硬化剤としては、重付加型として、
ポリアミン、酸無水物、ポリフェノール、ポリメルカプ
タン等が、触媒型として、3級アミン、イミダゾール
類、ルイス酸錯体等が挙げられる。これらエポキシ樹脂
の硬化方法は、特に限定されず、公知の方法により行う
ことができる。
【0020】エポキシ樹脂と熱膨張性無機化合物を含有
する樹脂組成物からなる熱膨張性耐火材は、膨張後の熱
膨張性耐火材が補強構造をとるようになるため、形状保
持性に優れており、材料の厚みを薄くすることができ、
好適に用いることができる。
【0021】無機充填剤としては、特に限定されず、例
えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタ
ン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化
錫、酸化アンチモン、フェライト類、水酸化カルシウ
ム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性
炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウ
ム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロ
タルサイト、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、石膏繊
維、ケイ酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、モン
モリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライ
ト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガラスビ
ーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化ホウ
素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭
素繊維、炭素バルン、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸
カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジルコン酸鉛、
アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、
ステンレス繊維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊
維、フライアッシュ、無機系リン化合物等が挙げられ
る。これらは、単独でも、2種以上をさらに混合して用
いてもよい。
【0022】これらの中でも、特に、骨材的役割を果た
す炭酸カルシウム、炭酸亜鉛で代表される金属炭酸塩、
骨材的役割の他に加熱時に吸熱効果も付与する水酸化ア
ルミニウム、水酸化マグネシウムで代表される含水無機
物が好ましい。
【0023】また、上記無機系リン化合物は、難燃性を
向上させるために好適に用いられ、無機系リン化合物と
しては、特に限定されず、例えば、赤リン;リン酸ナト
リウム、リン酸カリウム、リン酸マグネシウム等のリン
酸金属塩;ポリリン酸アンモニウム類等が挙げられる。
なかでも性能、安全性、費用等の点においてポリリン酸
アンモニウム類がより好ましい。
【0024】加熱時に膨張する熱膨張性無機化合物であ
る層状無機物としては、特に限定はないが、例えば、バ
ーミキュライト、カオリン、マイカ、熱膨張性黒鉛等が
挙げられる。これらの中でも、発泡開始温度が低いこと
から熱膨張性黒鉛が好ましい。
【0025】熱膨張性黒鉛とは、従来公知の物質であ
り、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッ
シュグラファイト等の粉末を濃硫酸、硝酸、セレン酸等
の無機酸と、濃硝酸、過塩素酸、過塩素酸塩、過マンガ
ン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とで処
理してグラファイト層間化合物を生成させたもので、炭
素の層状構造を維持したままの結晶化合物である。
【0026】上記のように酸処理して得られた熱膨張性
黒鉛は、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ
金属化合物、アルカリ土類金属化合物等で中和したもの
を使用するのが好ましい。
【0027】上記脂肪族低級アミンとしては、例えば、
モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミ
ン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン等が
挙げられる。上記アルカリ金属化合物及びアルカリ土類
金属化合物としては、例えば、カリウム、ナトリウム、
カルシウム、バリウム、マグネシウム等の水酸化物、酸
化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げられる。
【0028】熱膨張性黒鉛の粒度は、20〜200メッ
シュが好ましい。粒度が200メッシュより小さくなる
と、黒鉛の膨張度が小さく、十分な耐火断熱層が得られ
ず、また、粒度が20メッシュより大きくなると、黒鉛
の膨張度が大きいという利点はあるが、熱可塑性樹脂又
はエポキシ樹脂と混練する際に分散性が悪くなり、物性
の低下が避けられない。
【0029】上記中和処理された熱膨張性黒鉛の市販品
としては、例えば、UCAR CARBON社製「GR
AFGUARD」、東ソー社製「GREP−EG」等が
挙げられる。
【0030】樹脂組成物中の無機充填剤及び層状無機物
の配合量は、上記熱可塑性樹脂又はエポキシ樹脂100
重量部に対し、無機充填剤が50〜400重量部であ
り、そのうち少なくとも加熱時に膨張する層状無機物が
20〜150重量部である。
【0031】無機充填剤の量が50重量部未満である
と、燃焼後の残渣量が減少するため、十分な耐火断熱層
が得られない。また、可燃物の比率が増加するため、難
燃性が低下する。一方、無機充填剤の量が400重量部
を超えると、樹脂バインダーの配合比率が減少するた
め、粘着力が不足する。
【0032】層状無機物の量が20重量部未満である
と、膨張倍率が不足し、十分な耐火、防火性能が得られ
ない。一方、層状無機物の量が150重量部を超える
と、凝集力が不足するため、成形品としての強度が得ら
れない。
【0033】上記樹脂組成物には、その物性を損なわな
い範囲で必要に応じて、フェノール系、アミン系、イオ
ウ系等の酸化防止剤の他、金属害防止剤、帯電防止剤、
安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料等の添加剤、ポリ
ブテン、石油樹脂等の粘着付与剤等を添加することがで
きる。
【0034】本発明で用いることのできる樹脂組成物
は、上記各成分をバンバリーミキサー、ニーダーミキサ
ー、二本ロール等の公知の混練装置を用いて混練するこ
とにより、得ることができる。熱膨張性耐火材は、上記
樹脂組成物を用い、熱プレス成形、押出成形、カレンダ
ー成形等の従来公知の成形方法によりシート状等に成形
することができる。また、本発明の耐火性材は、塗料状
としても用いることができ、その際は公知の混練、攪拌
装置を用いて、混練、攪拌を行い、塗料状にして用いる
ことができる。
【0035】本発明で用いる熱膨張性耐火材は、該耐火
材に50kW/m2の熱量を30分間照射したときの厚
み変化(照射後の厚みD1/照射前の厚みD0)が、3
〜30倍であることが好ましい。厚み変化が3倍未満で
は、耐火性能が不十分であり、30倍を超えると加熱に
より膨張して形成された耐火断熱層の強度が低下し、崩
れやすくなる。
【0036】このような熱膨張性耐火材としては、例え
ば、住友スリーエム社のファイアバリア(クロロプレン
ゴムとバーキュライトを含有する樹脂組成物からなるシ
ート材料、膨張率:3倍、熱伝導率:0.20kcal
/m・h・℃)、三井金属塗料社のメジヒカット(ポリ
ウレタン樹脂と熱膨張性黒鉛を含有する樹脂組成物から
なるシート材料、膨張率:4倍、熱伝導率:0.21k
cal/m・h・℃)等の熱膨張性シート等も挙げられ
る。
【0037】(3)金属板 本発明で用いる金属板としては、鉄板、ステンレス板、
亜鉛メッキ鋼板、アルミ亜鉛合金メッキ鋼板、アルミニ
ウム板等が挙げられる。また、金属板の表面には、必要
に応じて、塗装や装飾が加えられていてもよい。
【0038】金属板の厚みとしては、0.1〜3mmが
好ましい。厚みが、0.1mm未満では、強度が不足
し、3mmを超えると重量が重くなり施工がやりにくく
なる。
【0039】(4)鋼製耐火壁構造 本発明の耐火壁構造は、上記の不燃性面材または準不燃
性面材の少なくとも片面に、0.1〜4mmの厚みの上
記の熱膨張性耐火材を積層した積層体の両面に上記の金
属板をとりつけたものである。熱膨張性耐火材の厚みが
0.1mm未満であると熱膨張によって十分な厚みの耐
熱断熱層が形成されないため、耐火性能が不十分とな
り、4mmを超えると重量が重くなると共に、燃焼時に
形成される耐火断熱層の厚みが必要以上に厚くなり過ぎ
て過剰品質となる。
【0040】上記不燃性面材または準不燃性面材と熱膨
張性耐火材との積層方法は、特に限定されないが、熱膨
張性耐火材が粘着性を有する場合は、その粘着力を利用
して積層固定してもよい。熱膨張性耐火材に粘着力がな
い場合は、接着剤を使用して接着することができる。熱
膨張性耐火材の樹脂成分として、エポキシ樹脂を用いる
場合は、エポキシ樹脂の硬化前に不燃性面材または準不
燃性面材と積層すれば硬化時に接着することができる。
【0041】不燃性面材または準不燃性面材は、加熱に
よって収縮、亀裂が発生することがあるが、少なくとも
片面に貼り付けた熱膨張性材耐火材の膨張によって形成
された上記耐火断熱層がこの隙間を充填するため、耐火
性能を低下させることがない。また、施工時に生じた、
目地の隙間部分も上記耐火断熱層がこの隙間を充填する
ため、耐火性能を低下させることがなく、優れた耐火性
能を発揮する。
【0042】本発明の鋼製耐火壁構造は、上記不燃性面
材または準不燃性面材に熱膨張性耐火材を積層した積層
体に金属板を取り付けたものである。金属板の積層体へ
の取り付け方法としては、該積層体の全周を金属板で覆
うようにする方法と鋼製下地材を介して取り付ける方法
等が挙げられる。
【0043】上記鋼製下地材としては、H形鋼、I形
鋼、溝型鋼、C型鋼、角柱、丸柱、他の多角柱等の鋼材
が挙げられる。
【0044】上記金属板と不燃性面材又は準不燃性面材
との間には、耐火時の補助断熱性の観点からロックウー
ル、ガラスウール、セラミックブランケット、ガラスマ
ット等の断熱材を充填してもよい。
【0045】本発明の鋼製耐火壁構造の形態としては、
例えば、図1〜4に示す形態がある。図1は、不燃性面
材または準不燃性面材2の両面に熱膨張性耐火材1を積
層し、鋼製下地材4を介して金属板3が取り付けられた
鋼製耐火構造を示す。図2は、金属板3の両面に不燃性
面材または準不燃性面材2を積層し、さらにその上に熱
膨張性耐火材1を積層し、鋼製下地材4を介して金属板
3が取り付けられた鋼製耐火構造を示す。図3は、不燃
性面材または準不燃性面材2の両面に熱膨張性耐火材1
を積層し、鋼製下地材4を介して金属板3が取り付けら
れ、熱膨張性耐火材1と金属板3のあいだの空間に断熱
材5を充填した鋼製耐火構造を示す。図4(a)は、不
燃性面材または準不燃性面材2の両面に熱膨張性耐火材
1を積層し、全周を金属板3で覆った水平断面図であ
り、(b)はその垂直断面図である。
【0046】図4に示すような積層体への金属板の取り
付けを鋼製下地材を介さないで行う方法としては、例え
ば、図5(a)に示すように、不燃性面材または準不燃
性面材2の両面に熱膨張性耐火材1を積層した積層体を
鋼製ランナー6に差し込み、その両側に金属板3を取り
付けることにより、図5(b)の鋼製耐火壁構造が得ら
れる。
【0047】本発明の鋼製耐火壁構造の表面には、必要
に応じて、化粧紙、壁紙、塗装等の意匠性を付与するた
めの表面化粧が施されてもよい。
【0048】本発明の鋼製耐火壁構造は、熱膨張性耐火
材を使用することで、火災等の加熱によって膨張し、燃
焼残渣が耐火断熱層を形成し、この断熱層によって壁内
側の裏面温度の温度上昇を抑制することができ、さらに
遮音性能も向上する。
【0049】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明は、実施例に限定されるものではな
い。なお、使用した材料及び評価方法は、次の通りであ
る。
【0050】1.材料 (1)熱膨張性耐火材の調製 ブチルゴム(エクソン化学社製「ブチルゴム#06
5」)50重量部、ポリブテン(出光石油化学社製「ポ
リブテン100R」)42重量部、水添石油樹脂(トー
ネックス社製「エスコレッツ5320」)8重量部、熱
膨張性黒鉛(東ソー社製「GREP−EG」)30重量
部、水酸化アルミニウム(昭和電工社製「ハイジライト
H−31」)50重量部、炭酸カルシウム(備北粉化社
製「ホワイトンBF300」)100重量部及びポリリ
ン酸アンモニウム(クラリアント社製「AP422」)
100重量部からなる樹脂組成物を二本ロールで溶融混
練して、所定の厚みの熱膨張性耐火材Aを調製した。
【0051】(2)不燃性面材または準不燃性面材及び
断熱材 (i)石膏ボード:吉野石膏社製「タイガーボード G
B−R」 (ii)スレート板:浅野スレート社製「浅野パネルボ
ード」 (iii)ロックウール板:ニチアス社製「マイティロ
ール 40K」 (iv)グラスウール:旭ファイバーグラス社製「13
K」
【0052】(3)金属板 (i)金属板として、一般的な鉄板を使用した。
【0053】(4)鋼製下地材 (i)鋼製下地材として、25×10mmの角鋼管を使
用し、303mmのピッチで取り付けた。
【0054】2.評価方法 (1)厚み変化:熱膨張性耐火材に50kW/m2の熱
量を30分間照射したときの厚みを測定し、熱量照射前
後における厚み変化(照射後の厚みD1/照射前の厚み
D0)を算出した。
【0055】(2)耐火性能:耐火壁構造体について、I
SO 834に準拠して耐火試験を行い、各試験時間後
の壁内側の最高温度を熱電対により測定し、温度が(1
80+室温)℃以下のものを合格とした。
【0056】実施例1 表1に示した厚みの熱膨張性耐火材Aと石膏ボード(サ
イズ1000×1000mm)、金属板、鋼製下地材か
らなる耐火壁構造を図1のように作成した。得られた鋼
製耐火壁構造について、耐火性能を測定した。その結果
を表1に示す。
【0057】実施例2 表1に示した厚みの熱膨張性耐火材Aと石膏ボード(サ
イズ1000×1000mm)、金属板、断熱材、鋼製
下地材からなる耐火壁構造を図3のように作成した。得
られた鋼製耐火壁構造について、耐火性能を測定した。
その結果を表1に示す。
【0058】実施例3 表1に示した厚みの熱膨張性耐火材Aと石膏ボード(サ
イズ1000×1000mm)、金属板、鋼製下地材か
らなる耐火壁構造を図2のように作成した。得られた鋼
製耐火壁構造について、耐火性能を測定した。その結果
を表1に示す。
【0059】実施例4 表1に示した厚みの熱膨張性耐火材Aとスレート板(サ
イズ1000×1000mm)、金属板、鋼製下地材か
らなる耐火壁構造を図1のように作成した。得られた鋼
製耐火壁構造について、耐火性能を測定した。その結果
を表1に示す。
【0060】実施例5 表1に示した厚みの熱膨張性耐火材Aとロックウール板
(サイズ1000×1000mm)、金属板、鋼製下地
材からなる耐火壁構造を図1のように作成した。得られ
た鋼製耐火壁構造について、耐火性能を測定した。その
結果を表1に示す。
【0061】実施例6 表1に示した厚みの熱膨張性耐火材Aと石膏ボード(サ
イズ1000×1000mm)、金属板からなる耐火壁
構造を図5のように作成した。得られた鋼製耐火壁構造
について、耐火性能を測定した。その結果を表1に示
す。
【0062】比較例1 熱膨張性耐火材を用いないで、石膏ボードに鋼製下地材
を介して金属板を取り付け図6のよう耐火壁構造を作成
した。得られた鋼製耐火壁構造について、耐火性能を測
定した。その結果を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
【発明の効果】本発明の鋼製耐火壁構造は、上述の構成
であり、耐火性能を満足すると共に、従来の鋼製耐火被
覆構造に比べて総厚みが薄肉化されることによって、軽
量化が図られている。また、施工性が大幅に向上すると
共に生産性も大幅に向上し、工業的に有用な材料で、幅
広い用途に適応可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼製耐火壁構造の一例の図である。
【図2】鋼製耐火壁構造の一例の図である。
【図3】鋼製耐火壁構造の一例の図である。
【図4】鋼製耐火壁構造の一例の図である。
【図5】図4の鋼製耐火壁構造の製造法の一例の図であ
る。
【図6】従来の鋼製耐火壁構造の一例の図である。
【符号の説明】 1 熱膨張性耐火材 2 不燃性面材または準不燃性面材 3 金属板 4 鋼製下地材 5 断熱材 6 ランナー
フロントページの続き Fターム(参考) 2E001 DE01 DE04 GA06 GA42 GA52 GA62 GA63 HA02 HA03 HA04 HA07 HA21 HB02 HB03 HB04 HF18 JA06 JA12 JA13 JA21 JA22 JA25 JA28 JA29 JC09 JD02 JD08 LA04 2E002 FA02 FB05 FB08 FB14 MA37 MA38

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不燃性面材または準不燃性面材の少なく
    とも片面に、加熱によって膨張して耐火断熱層を形成
    し、50kW/m2の加熱条件下で30分加熱した後の
    体積膨張倍率が3〜30倍であって、厚みが0.1〜4
    mmの熱膨張性耐火材を設けた積層体の両面に金属板が
    取り付けられてなることを特徴とする鋼製耐火壁構造。
  2. 【請求項2】 金属板の両面に、不燃性面材または準不
    燃性面材と加熱によって膨張して耐火断熱層を形成し5
    0kW/m2の加熱条件下で30分加熱した後の体積膨
    張倍率が3〜30倍であって厚みが0.1〜4mmの熱
    膨張性耐火材が順次積層され、さらに、その両面に金属
    板が取り付けられてなることを特徴とする鋼製耐火壁構
    造。
  3. 【請求項3】 上記金属板が、鋼製下地材を介して取り
    付けられてなることを特徴とする請求項1又は2に記載
    の鋼製耐火壁構造。
  4. 【請求項4】 上記熱膨張性耐火材が、熱可塑性樹脂又
    はエポキシ樹脂100重量部に対し、無機充填剤を50
    〜400重量部含有し、そのうち少なくとも加熱時に膨
    張する層状無機物を20〜150重量部含有することを
    特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の鋼製耐火
    壁構造。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれかに記載の鋼製
    耐火壁構造において、熱膨張性耐火材と金属板間に断熱
    材が充填されてなることを特徴とする鋼製耐火壁構造。
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