JP2008184896A - 耐火性部材と、その施工方法 - Google Patents

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Kenji Otsuka
健二 大塚
Masaki Tono
正樹 戸野
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】 目地部に防火性、耐火性を付与することができ、しかも施工が容易な
耐火性部材と、その施工方法を提供する。
【解決手段】 耐火性部材10は基材層11と、この基材層に積層した熱膨張性
耐火材層12及び緩衝性材料層13とを備え、熱膨張性耐火材層12は加熱によ
って膨張して耐火断熱層を形成しうる材料で形成される。基材層11は、金属薄
板又は無機繊維不織布からなることが好ましく、その表面又は表面の一部に粘着
剤層14が積層されてなることが好ましい。耐火性部材10を、2つ折り以上に
折り曲げて、あるいは丸めて外壁材の目地部に挿入する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、防火用あるいは耐火用途に用いられる耐火性部材に係り、特に、防
火地区等に建築される建造物の外壁パネル等の目地に容易に挿入でき耐火性能が
安定している耐火性部材と、その施工方法に関する。
近年、一般建築物の内外壁に用いられる部材に対して、防火性能や耐火性能が
要求されるようになってきた。これに伴い、外壁の接続部(目地部分)に対して
も、従来から必要とされた水密性に加えて、防火・耐火性能が要求されている。
外壁の目地部分に要求される防火・耐火性能としては、裏面への炎の貫通がない
こと、火災が通る亀裂等の損傷及び隙間の発生がないこと、目地部分の温度上昇
が初期温度から最高で180℃以下、平均で140℃以下となることが必要であ
る。
一般に外壁の接続部(目地部分)に防火・耐火性能を付与するために、これま
で、目地部分にロックウールや、セラミックブランケットなどの不燃材を充填す
る方法が一般的に用いられている。そして、ロックウールを充填する工法では、
通常、目地部分にバックアップ材(ポリエチレン発泡体)を取付けて、バックア
ップ材の外側にシーラントを塗布した状態で室内側の鉄骨柱、梁の溶接作業を行
い、その後に目地部分の内側からロックウールを充填して目地部分の充填施工を
行っている。
また、従来の防火性シーリング材として、末端に加水分解によってシラノール
基を形成しうるケイ素含有官能基をもつポリアルキレンエーテル100重量部に
対し、マイクロカプセル化ポリリン酸アンモニウム粉末20〜150重量部、炭
酸カルシウム粉末50〜150重量部及びシラノール縮合触媒0.1〜10重量
部を配合した防火性シーリング材がある(例えば、特許文献1参照)。
さらに、外壁目地構造として、外壁パネル間に形成された目地をシールする1
次止水ガスケットをフレームの外壁パネルに平行な平行部分の中央に外側に向か
って突設した中央取付け部に取付け、フレームと外壁パネル内面との間をシール
する一対の2次止水ガスケットをフレームの平行部分に垂設した両側取付け部に
取付けているものがある(例えば、特許文献2参照)。
さらに、加熱時に発泡難燃層を生成するコーティング層を基材の表面に形成し
てなる建築用耐火目地材がある。この耐火目地材の基材は、剛性を有する材料に
より形成されるものや、可撓性材料により形成されるものがある。そして、前記
のコーティング材は可撓性基材に含浸させて形成されるものもある(例えば、特
許文献3参照)。
特開平8−81674号公報(特許請求の範囲) 特開平8−209891号公報(図3) 特開平8−158493号公報(特許請求の範囲、図1)
ところで、ロックウールを充填する工法では、ロックウールの充填作業が繁雑
で、施工のばらつきが大きいことや、施工後、充填したロックウールをいたずら
などにより抜き取られるといった問題があった。また、これらロックウールやセ
ラミックブランケット自体が無機繊維から構成されるため、施工時に無機繊維が
飛散し、施工者の健康を害すると共に環境に負荷を与えるという問題があった。
そして、ロックウールを充填する工法では、ロックウールが充填される前に鉄骨
柱、梁の溶接作業を行う際、その溶接火花などが目地部分に入り、バックアップ
材が燃焼し火災に至ることもあった。
また、特許文献1に記載の防火性シーリング材は、その作業に技術を要し、施
工が不十分であると火災時にシーラントが脱落して炎が貫通する恐れがあり、シ
ーラント自体が非常に高価であるという問題点があった。特許文献2に記載の外
壁目地構造は、ガスケットの取付けは比較的容易に施工できるが、耐火性を有す
るガスケット自体が非常に高価であるという問題点があった。
さらに、特許文献3に記載の建築用耐火目地材は、基材として金属板を用いる
と、目地幅に対する寸法の許容能力が低く、施工が困難であった。このため、弾
性変形させながら目地部に圧入させる方法が挙げられるが、基材が金属板の場合
、長さ方向に対して弾性変形させるためには非常に大きな力が必要なため治具等
を使用しなければ施工ができず、施工性に問題があった。また、金属板の厚さを
調節し施工を容易にした場合、地震等により外壁材が動き目地幅が狭くなった場
合、変形に追従できず隙間ができてしまうという問題がある。一方、基材が可撓
性を有する材料で形成される場合、その断熱性能、遮炎性能を発現させるために
は、コーティング層の熱に対する膨張が緩やかなことと、難燃性に劣るため、耐
火目地材の幅や厚みが小さいと火炎が抜けたり、可撓性を有する基材より発炎し
たりするため、挿入する耐火目地材の幅や厚みを大幅に増加させる必要があり、
コストの上昇を招いていた。そして、この耐火目地材の基材は、緩衝機能を持っ
ていないため、日常の温度変化による目地部の寸法変化や、地震等による寸法変
化、経時的な寸法変化に追従できず、目地部から脱落する恐れもあった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的とすると
ころは、目地部に防火性や耐火性を付与することができ、しかも施工が容易な耐
火性部材を提供することにある。そして、耐火性部材に緩衝機能を持たせること
で、目地部の寸法が変化しても脱落する恐れがなく、特に目地間隔が狭まったと
きに、その緩衝機能により密着状態を安定して維持できる耐火性部材を提供でき
る。また、前記の耐火性部材を目地部に挿入することで、目地部をシールするた
めのバックアップ材として機能し、施工が容易な耐火性部材の施工方法を提供す
ることにある。
前記目的を達成すべく、本発明に係る耐火性部材は、基材層と、該基材層に積
層した熱膨張性耐火材層及び緩衝性材料層とを備え、熱膨張性耐火材層は加熱に
よって膨張して耐火断熱層を形成しうるものであることを特徴とし、平板状に形
成される。すなわち、基材層の一面に熱膨張性耐火材層と、緩衝性材料層とを順
次、積層して構成してもよく、基材層の一面に熱膨張性耐火材層を、他面に緩衝
性材料層を積層してもよいが、基材層が表面に位置することが好ましい。
熱膨張性耐火材層は、火災等の加熱によって膨張して耐火断熱層を形成するも
のであって、加熱された後の体積膨張率が3〜100倍であるものが好ましい。
緩衝性材料層は、緩衝性を有するものであれば特に制限はないが、樹脂発泡体、
不織布又は織布からなるものが好ましい。基材層は紙、織布、不織布、フィルム
、金網、金属薄板、無機繊維不織布等が好適に用いられる。
前記のごとく構成された本発明の耐火性部材は、例えば2つに折り曲げて外壁
パネル間の目地部に挿入できるため施工が容易となり、挿入後は緩衝性材料層が
膨張して目地部を塞ぐのでバックアップ材として機能するため外側からコーキン
グ剤を注入してシールを容易に行え、雨水等の浸入を防止する。火災等が発生し
て目地部が加熱されると、熱膨張性耐火材が熱膨張して緩衝性材料層や基材層が
焼失しても目地部を塞ぐので、目地部から火炎や熱が内部に入り込むのを防止で
きる。
本発明に係る耐火性部材の他の態様としては、緩衝性材料と、該緩衝性材料の
外周に積層され加熱によって膨張して耐火断熱層を形成しうる熱膨張性材層と、
該熱膨張性材層の外周にさらに積層された基材層とを備えることを特徴とし、円
柱状に形成される。すなわち、中心の緩衝性材料の外周に熱膨張性耐火材層及び
基材層が順次積層されて構成されている。熱膨張性耐火材層及び基材層は、緩衝
性材料の全周に積層されずに半周だけ、あるいは部分的に積層するようにしても
よい。
前記のごとく構成された本発明の耐火性部材は、例えば押し潰した状態で外壁
パネル間の目地部に挿入できるため施工が容易で、挿入後は中心の緩衝性材料が
膨張して目地部を塞ぐのでバックアップ材として機能するため外側からコーキン
グ剤を注入してシール施工を容易に行える。火災等が発生して目地部が加熱され
ると、緩衝性材料や基材層が溶融炭化して焼失しても熱膨張性耐火材が熱膨張し
て目地部を塞ぐので、防火、耐火性を発揮できる。
また、本発明に係る耐火性部材の好ましい具体的な態様としては、前記基材層
は、金属薄板又は無機繊維不織布からなることを特徴とし、金属箔やグラスウー
ルが好適である。この構成によれば、基材層を不燃化できるため、耐火性部材の
耐火性能を向上させることができ、無機繊維不織布を用いると熱膨張性耐火材層
との接着性を高めることができる。
さらに、本発明に係る耐火性部材の好ましい具体的な他の態様としては、前記
基材層は、その表面又は表面の一部に粘着剤層が積層されてなることを特徴とし
ている。基材層に粘着剤層を積層すると、耐火性部材を外壁材の目地部に挿入し
たとき、目地部から耐火性部材が脱落するのを防止でき、また2次防水の効果が
期待できるため、防水性がさらに向上する。
そして、前記熱膨張性耐火材層は、その内部に無機系繊維材料を含有している
ことを特徴としている。無機系繊維材料としては、ガラスクロス等が好ましく、
熱膨張性耐火材層に無機系繊維材料を含有させると、加熱時の膨張断熱層の形状
保持性を向上でき、耐火性部材の強度を向上できる。
本発明に係る耐火性部材の施工方法は、前記の耐火性部材を外壁材の目地部に
挿入する施工方法であって、耐火性部材を2つ折り以上に折り曲げて、あるいは
丸めて目地部に挿入することを特徴とする。このように構成された本発明の耐火
性部材の施工方法は、耐火性部材を2つ折り以上に折り曲げて、あるいは丸めて
所望の厚さにして目地部に挿入でき、目地部の間隔が等しくない場合でも折り曲
げて、あるいは丸めて厚さを増すことにより脱落することなく容易に挿入するこ
とができる。そして、コーキング剤の目地部への注入等の施工を容易に行える。
以上の説明から理解できるように、本発明の耐火性部材は、火災時に熱膨張性
耐火材層が膨張して耐火断熱層を形成して目地部が充填されるので、裏面への火
炎の貫通がなく、熱の伝搬が抑制され、裏面の温度上昇を抑制することができる
。また、基材層が存在することにより、施工時の溶接火花などによる火災の防止
ができると共に、通常コーキングを打つ際に必要なバックアップ材として挿入す
ることで、これまで、施工が煩雑であったロックウールなどの充填が不要になり
施工が大幅に容易となる。さらに、施工安定性に優れた材料となっている。そし
て、耐火性部材の緩衝機能により、目地部の間隔の寸法が変化しても脱落を防止
すると共に寸法変化に追従できるため、耐火性能を長期間にわたって発揮するこ
とができる。
以下、本発明に係る耐火性部材の一実施形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る耐火性部材の断面図と、折り曲げた状態あるいは丸め
た状態の断面図、図2は、耐火性部材の他の実施形態の断面図と折り曲げた状態
の断面図、図3は、図1の耐火性部材を外壁パネルの目地部に挿入した状態の要
部断面図、図4は、図3の耐火性部材を反転して目地部に挿入した状態の要部断
面図である。
図1,2において、耐火性部材10は、基材層11と、この基材層に積層した
熱膨張性耐火材層12及び緩衝性材料層13とを備え、熱膨張性耐火材層12は
加熱によって膨張して耐火断熱層を形成しうる材料で形成されている。すなわち
、基材層11の一面に熱膨張性耐火材層12を積層し、この熱膨張性耐火材層1
2の面にさらに緩衝性材料層13を積層した積層体で平板状に構成されている。
耐火性部材10は厚さが3mm程度から30mm程度で、幅は数10mm程度が
好ましく、長さは数10cmから数10mの長尺状に形成され、巻回した状態で
保管あるいは搬送される。
そして、耐火性部材10は長辺方向に沿って折り曲げることが可能であり、短
辺方向に丸めることが可能となっている。図1bは長手方向に沿って2つに折り
曲げた状態、同様に図1cは3つ折りの状態、図1dは4つ折りの状態、図1e
は短辺方向に丸めた状態を示している。このように、折り曲げ数を変更するため
、耐火性部材10の幅は図1aの2点差線のように幅を変更して切断される。
耐火性部材10をバックアップ材として使用し、2次防水機能を期待するとき
は、基材層11が目地部の側面に接触するように耐火性部材10を使用すると2
次防水性に劣る場合があるので、基材層11の表面の防水性を向上させるために
、図2に示すような粘着剤層14を設けてもよい。このような粘着剤層14は、
必ずしも基材層11の表面全体に設ける必要はなく、部分的に長辺方向に沿って
設けられてもよい。粘着剤としては、アクリル系粘着剤;ブチルゴム等に石油樹
脂等の適当な粘着付与剤を添加したものが好適に用いられる。基材層11に設け
られる粘着剤層の厚みは、0.1〜2mmが好ましい。0.1mm未満では十分
な防水性を得ることが困難であり、2mmを超えると耐火性部材自体の難燃性が
低下する。
なお、耐火性部材10の積層される順序は特に制限なく、基材層11の一面に
熱膨張性耐火材層12が積層され、他面に緩衝性材料層13が積層した積層体で
構成してもよい。熱膨張性耐火材層12を構成する熱膨張性耐火材は、内部に後
述する無機系繊維材料を含有することが好ましい。
熱膨張性耐火材層12を構成する熱膨張性耐火材は、加熱によって膨張して耐
火断熱層を形成するものであって、例えば50kW/m2 の加熱条件下で30分
間加熱された後の体積膨張率が3〜100倍であれば、特に制限はない。熱膨張
性耐火材を前記のように加熱したときの体積膨張率が、3倍未満では十分な耐火
性能を発現させるのに分厚い熱膨張性耐火材層を必要とするためコストアップを
招き、100倍を超えると加熱により膨張して形成される耐火断熱層の強度が低
下するため、崩れ易くなる。
熱膨張性耐火材としては、例えば、3M社製「ファイアバリア」(クロロプレ
ンゴムとバーミキュライトを含有する樹脂組成物からなるシート材料、体積膨張
率:3倍、熱伝導率:0.20kcal/m・h・℃)、三井金属塗料社製「メ
ジヒカット」(ポリウレタン樹脂と熱膨張性黒鉛を含有する樹脂組成物からなる
シート材料、体積膨張率:4倍、熱伝導率:0.21kca1/m・h・℃)等
の市販品が使用可能であるが、熱可塑性樹脂又はエポキシ樹脂及び無機充填剤か
らなるものが好ましい。
熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポ
リ(1−)ブテン系樹脂、ポリペンテン樹脂等のポリオレフィン系樹脂;ポリス
チレン系樹脂、ABS系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンエーテ
ル系樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、フェノール
系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリブテン、ポリクロロプレン、ポリブタジエン
、ポリイソブチレン、ニトリルゴム、ブチルゴム、石油樹脂などが挙げられる。
前記樹脂は単独でも2種類以上混合しても良い。
エポキシ樹脂は、特に限定されないが、基本的にはエポキシ基をもつモノマー
と硬化剤とを反応させることにより得られるものを用いる。エポキシ基をもつモ
ノマーとしては、例えば、2官能のグリシジルエーテル型、グリシジルエステル
型、多官能のグリシジルエーテル型等のモノマーが例示される。2官能のグリシ
ジルエーテル型のモノマーとしては、例えば、ポリエチレングリコール型、ポリ
プロピレングリコール型、ネオペンチルグリコール型、1,6−ヘキサンジオー
ル型、トリメチロールプロパン型、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、
プロピレンオキサイド−ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型等のモノ
マーが例示される。
グリシジルエステル型のモノマーとしては、例えば、ヘキサヒドロ無水フタル
酸型、テトラヒドロ無水フタル酸型、ダイマー酸型、p−オキシ安息香酸型等の
モノマーが例示される。多官能のグリシジルエーテル型のモノマーとしては、例
えば、フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、DPPノボラ
ック型、ジシクロペンタジエン・フェノール型等のモノマーが例示される。これ
らのエポキシ基をもつモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用さ
れてもよい。
前記のエポキシ樹脂を構成する硬化剤としては、重付加型又は触媒型のものが
用いられる。重付加型の硬化剤としては、例えば、脂肪族ポリアミン又はその変
性アミン、芳香族ポリアミン、酸無水物、ポリフェノール、ポリメルカプタン等
が例示される。また、前記触媒型の硬化剤としては、例えば、3級アミン、イミ
ダゾール類、ルイス酸錯体等が例示される。エポキシ樹脂の硬化方法は、特に限
定されず、公知の方法によって行うことができる。硬化剤は、単独で用いられて
もよく、2種以上が併用されてもよい。
前記エポキシ基をもつモノマーと硬化剤は、任意の比で配合してもよいが、熱
膨張性材料の力学物性の安定性から、エポキシ基をもつモノマーと硬化剤の当量
が一致する配合比が望ましい。また、エポキシ樹脂には、他の樹脂が添加されて
もよい。他の樹脂の添加量が多くなると、エポキシ樹脂の効果が発現されなくな
るので、エポキシ樹脂1に対して他の樹脂の添加量は5(重量比)以下が好まし
い。エポキシ樹脂には、熱膨張性耐火材料の物性を損なわない範囲で、難燃剤、
酸化防止剤、金属害防止剤、帯電防止剤、安定剤、架橋剤、滑剤、軟化剤、顔料
、粘着付与樹脂等が添加されてもよい。さらに、エポキシ樹脂には、可撓性が付
与されてもよい。
可撓性を付与する方法としては、次の方法が挙げられる。
(1)架橋点間の分子量を大きくする。
(2)架橋密度を小さくする。
(3)軟質分子構造を導入する。
(4)可塑剤を添加する。
(5)相互侵入網目(IPN)構造を導入する。
(6)ゴム状粒子を分散導入する。
(7)ミクロボイドを導入する。
前記(1)の方法は、予め分子鎖の長いエポキシモノマー及び/又は硬化剤を
用いて反応させることで、架橋点の間の距離が長くなり可撓性を発現させる方法
である。硬化剤として、例えばポリプロピレンジアミン等が用いられる。前記(
2)の方法は、官能基の少ないエポキシモノマー及び/又は硬化剤を用いて反応
させることにより、一定領域の架橋密度を小さくして可撓性を発現させる方法で
ある。硬化剤として、例えば、2官能アミン、エポキシモノマーとして、例えば
、1官能エポキシ等が用いられる。
前記(3)の方法は、軟質分子構造をとるエポキシモノマー及び/又は硬化剤
を導入して可撓性を発現させる方法である。硬化剤として、例えば、脂肪族アミ
ン、複素環状ジアミン、エポキシモノマーとして、例えば、アルキレンジグリコ
ールジグリシジルエーテル等が用いられる。前記(4)の方法は、可塑剤として
非反応性の希釈剤、例えば、DOP、タール、石油樹脂等を添加する方法である
。前記(5)の方法は、エポキシ樹脂の架橋構造に別の軟質構造をもつ樹脂を導
入する相互侵入網目(IPN)構造で可撓性を発現させる方法である。
前記(6)の方法は、エポキシ樹脂マトリックスに液状又は粒状のゴム粒子を
配合分散させる方法である。エポキシ樹脂マトリックスとしてポリエステルエー
テル等が用いられる。前記(7)の方法は、1μm以下のミクロボイドをエポキ
シ樹脂マトリックスに導入させることにより、可撓性を発現させる方法である。
エポキシ樹脂マトリックスとして、分子量1000〜5000のポリエーテルが
添加される。エポキシ樹脂の可撓性を調整することによって、柔軟性を有するシ
ートの成形が可能となる。樹脂成分としてエポキシ樹脂を使用すると、膨張後の
熱膨張性耐火材が架橋構造をとるため形状保持性が優れ、熱膨張性耐火材層の厚
みを薄くすることができるので好ましい。
熱膨張性耐火材における無機充填剤の配合量は、樹脂成分(熱可塑性樹脂又は
エポキシ樹脂)100重量部に対して50〜500重量部が好ましい。無機充填
剤の配合量が、50重量部未満になると燃焼後の残渣量が減少するため、十分な
耐火断熱層が形成されず、可燃物の配合比率が増加するため難燃性が低下する。
また、無機充填剤の配合量が、500重量部未満を超えると、樹脂成分の配合比
率が減少するため成型性が低下する。
無機充填剤のうち、層状無機物が20〜400重量部用いられると好適である
。層状無機物の使用量が、20重量部未満になると膨張倍率が不足するため、十
分な防火・耐火性能が得られず、400重量部を超えると凝集力が不足するため
、熱膨張性耐火材に十分な強度が得られなくなる。層状無機物としては、加熱時
に膨張するものであれば特に制限はなく、例えば、バーミキュライト、カオリン
、マイカ、中和処理された熱膨張性黒鉛等が挙げられる。これらの中でも、発泡
開始温度が低い中和処理された熱膨張性黒鉛が好ましい。中和処理された熱膨張
性黒鉛とは、従来公知の物質である熱膨張性黒鉛を中和処理したものである。
熱膨張性黒鉛は、天然鱗状グラファイト、熱分解グラファイト、キッシュグラ
ファイト等の粉末を、濃硫酸、硝酸、セレン酸等の無機酸と濃硝酸、過塩素酸、
過塩素酸塩、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過酸化水素等の強酸化剤とで処理
することにより生成するグラファイト層間化合物であり、炭素の層状構造を維持
したままの結晶化合物である。前記のように酸処理して得られた熱膨張性黒鉛は
、更にアンモニア、脂肪族低級アミン、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属
化合物等で中和することにより、中和処理された熱膨張性黒鉛とする。
前記の脂肪族低級アミンとしては、特に限定されず、例えば、モノメチルアミ
ン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチ
ルアミン等が挙げられる。前記アルカリ金属化合物及びアルカリ土類金属化合物
としては、特に限定されず、例えば、カリウム、ナトリウム、カルシウム、バリ
ウム、マグネシウム等の水酸化物、酸化物、炭酸塩、硫酸塩、有機酸塩等が挙げ
られる。
中和処理された熱膨張性黒鉛の粒度は、20〜200メッシュが好ましい。粒
度が200メッシュより小さくなると、黒鉛の膨張度が小さく、所定の耐火断熱
層が得られず、粒度が20メッシュより大きくなると、黒鉛の膨張度が大きいと
いう利点はあるが、樹脂バインダーと混練する際に分散性が悪くなり、物性の低
下が避けられない。中和処理された熱膨張性黒鉛の市販品としては、例えば、東
ソー社製「GREP−EG」、UCAR CARBON社製「GRAFGUAR
D」等が挙げられる。
層状無機物以外の無機充填剤としては、例えば、シリカ、珪藻土、アルミナ、
酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化錫、
酸化アンチモン、フェライト類、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸
化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム
、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルサイト、硫酸カルシウ
ム、硫酸バリウム、石膏繊維、ケイ酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、モ
ンモリロナイト、ベントナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セリ
サイト、ガラス繊維、ガラスビーズ、シリカ系バルン、窒化アルミニウム、窒化
ホウ素、窒化ケイ素、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、炭素バルン
、木炭粉末、各種金属粉、チタン酸カリウム、硫酸マグネシウム、チタン酸ジル
コン酸鉛、アルミニウムボレート、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス繊
維、ホウ酸亜鉛、各種磁性粉、スラグ繊維、フライアッシュ等が挙げられる。こ
れらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
無機充填剤の中でも、特に骨材的役割を果たす炭酸カルシウム、炭酸亜鉛等の
金属炭酸塩;骨材的役割の他に加熱時に吸熱効果を付与する水酸化アルミニウム
、水酸化マグネシウム等の含水無機物が好ましい。含水無機物及び金属炭酸塩の
併用は、燃焼残渣の強度向上や熱容量増大に大きく寄与すると考えられる。さら
に、含水無機物は、加熱時の脱水反応によって生成した水のために吸熱が起こり
、温度上昇が低減されて高い耐熱性が得られる点、及び、加熱残渣として酸化物
が残存し、これが骨材となって働くことで残渣強度が向上する点で特に好ましい
。中でも、水酸化マグネシウムと水酸化アルミニウムは、脱水効果を発揮する温
度領域が異なるため、併用すると脱水効果を発揮する温度領域が広くなり、より
効果的な温度上昇抑制効果が得られることから、併用することが好ましい。
さらに、熱膨張性耐火材の難燃性を向上させるために、無機充填剤にはリン化
合物を併用してもよい。炭酸カルシウム、炭酸亜鉛等の金属炭酸塩は、リン化合
物との反応で膨張を促すと考えられ、特に、リン化合物として、ポリリン酸アン
モニウムを使用した場合に、高い膨張効果が得られる。また、有効な骨材として
働き、燃焼後に形状保持性の高い残渣を形成する。
無機充填剤の粒径としては、0.5〜100μmが好ましく、より好ましくは
、約1〜50μmである。また、粒径の大きい無機充填剤と粒径の小さい無機充
填剤を組み合わせて使用することがより好ましく、組み合わせて用いることによ
って、熱膨張性耐火材層の力学的性能を維持したまま、高充填化することが可能
となる。
含水無機物の市販品としては、例えば、水酸化アルミニウムとして、粒径1μ
mの「ハイジライトH−42M」(昭和電工社製)、粒径18μmの「ハイジラ
イトH−31」(昭和電工社製)等が挙げられる。また、炭酸カルシウムの市販
品としては、例えば、粒径1.8μmの「ホワイトンSB赤」(白石カルシウム
社製)、粒径8μmの「ホワイトンBF300」(備北粉化社製)等が挙げられ
る。
リン化合物としては、例えば、赤リン;リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、
リン酸マグネシウム等のリン酸金属塩;ポリリン酸アンモニウム、メラミン変性
ポリリン酸アンモニウム等のポリリン酸アンモニウム類が挙げられる。また、ポ
リリン酸アンモニウムの市販品としては、例えば、クラリアント社製「エキソリ
ット422」、「エキソリット462」;住友化学工業社製「スミセーフP」;
チッソ社製「テラージュC60」、「テラージュC70」、「テラージュC80
」等が挙げられる。
前記の熱膨張性材の製造方法としては、エポキシ樹脂組成物の混練物を作製し
た後、成形する段階で不燃性(無機系)繊維状材料からなるネット又はマットと
一体化してもよく、一体化することで、より耐火性能が向上する。エポキシ樹脂
組成物の混練物は、前記の各成分を単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサ
ー、ニーダーミキサー、混練ロール、ライカイ機、遊星式撹拌機等公知の装置を
用いて混練することにより得ることができる。また、エポキシ基をもつモノマー
又は硬化剤の充填剤の混練物を、前記方法により別々に作製しておき、プランジ
ャーポンプ、スネークポンプ、ギアポンプ等でそれぞれの混練物を供給し、スタ
ティックミキサー、ダイナミックミキサー等で混合を行ってもよい。
前記の成形方法としては、例えば、プレス成形、ロール成形、コーター成形等
により、エポキシ樹脂混練物と不燃性繊維材料からなるネット又はマットを、エ
ポキシ樹脂に含浸又は積層させた後、エポキシ樹脂を硬化させる方法が挙げられ
る。プレス成形による方法は、例えば、加圧プレス機を用いて、金型中に不燃性
繊維状材料からなるネット又はマットとエポキシ樹脂組成物を投入して、加圧し
て成形する方法が挙げられる。ロール成形による方法は、例えば、SMCを用い
て、ロール間にエポキシ樹脂と不燃性繊維状材料からなるネット又はマットを同
時に挿入し、成形する方法が挙げられる。
コーター成形による方法は、例えば、ロールコーター又はブレードコーターを
用いて、ロール又はブレードとロール又は台盤の間隙に、エポキシ樹脂と不燃性
繊維状材料からなるネット又はマットを同時に挿入し、成形する方法が挙げられ
る。エポキシ樹脂の硬化方法は、特に限定されず、プレスやロールによる加熱、
または成形ライン中の加熱炉等成形と硬化を連続で行う方法、あるいは成形後加
熱炉に投入する方法等、公知の方法によって行うことができる。
さらに、不燃性繊維状材料からなるネット又はマットと基材層との積層体を、
エポキシ樹脂組成物からなるシート表面に積層してもよい。積層体としては、例
えば、アルミガラスクロスあるいはポリフィルムとガラスクロスの積層体等が挙
げられる。不燃性繊維状材料からなるネット又はマットとしては、無機繊維若し
くは金属繊維状材料からなるものが好ましく、例えば、ガラス繊維の織布(ガラ
スクロス、ロービングクロス、コンティニュアスストランドマット等)若しくは
不織布(チョップドストランドマット等)、セラミック繊維の織布(セラミック
クロス等)若しくは不織布(セラミックマット等)、炭素繊維の織布若しくは不
織布、ラス又は金網から形成されるネット又はマットが好適に用いられる。
これらのネット又はマットのうち、熱膨張性材料を製造する場合の容易さとコ
ストの観点から、ガラス繊維の織布若しくは不織布が好ましく、製造時にガラス
の飛散が少なくないことから、ガラスクロスがより好ましい。さらに、取り扱い
性が向上すること、及びエポキシ樹脂との接着性がよくなることから、ガラスク
ロスをメラミン樹脂やアクリル樹脂等で処理してもよい。不燃性繊維状材料から
なるネット又はマットは、エポキシ樹脂組成物からなるシート中に含浸されてい
ても、表面に積層されていてもよい。不燃性繊維状材料からなるネット又はマッ
トは、熱膨張性材料の膨張後の形状保持性を著しく向上させ、火災の際に膨張層
の脱落や欠損を防止する効果を発揮する。
不燃性繊維状材料からなるネット又はマットの1m2 当たりの重量は、5〜2
000gである。1m2 当たりの重量が5g未満であると、膨張断熱層の形状保
持性を向上させる効果が低下し、2000gを超えるとシートが重くなって施工
が困難になる。より好ましくは、10〜1000gである。不燃性繊維状材料か
らなるネット又はマットの厚みは、0.05〜6mmが好ましい。厚みが0.0
5mm以下であると、熱膨張性材料が膨張する際にその膨張圧に耐えられなくな
る。また、厚さが6mmを超えると、熱膨張性材料を施工する際に、切り欠きや
曲げ等の変形が困難になる。より好ましくは、0.1〜4mmである。
不燃性繊維状材料からなるネットの場合には、その開き目は0.1〜50mm
であることが好ましい。開き目が0.1mm未満であると、熱膨張性材料が膨張
する際にその膨張圧に耐えられなくなる。また、50mmを超えると膨張断熱層
の形状保持性を向上させる効果が低くなる。より好ましくは、0.2〜30mm
である。不燃性繊維状材料からなるネット又はマットをエポキシ樹脂組成物に含
浸させる場合、ネット又はマットの位置は、熱膨張性材料の厚み方向においてい
ずれの位置であってもよいが、膨張層の形状保持性をより高めることから、火災
に曝される表面側であることが好ましい。
基材層11としては、一般に用いられる材料が用いられ、紙、織布、不織布、
フィルム、金網、中でも、金属薄板又は、無機繊維不織布が好適に用いられる。
紙としては、クラフト紙、和紙、Kライナー紙、離型基材等、公知のものを使用
することができる。水酸化アルミニウムや炭酸カルシウムを高充填した不燃紙;
難燃剤を配合したり、難燃剤を表面に塗布した難燃紙;は不燃性を向上させるこ
とができ、より好適に用いることができる。
不織布としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ナイロン、セルロース繊維
等からなる湿式不織布、長繊維不織布等を使用することができる。中でも、無機
繊維不織布は、それ自体の難燃性が高く耐火性能に寄与するので好適に用いられ
る。無機繊維不織布としてはロックウール、セラミックブランケット、セラミッ
クシート、セラミックペーパー、セラミックウール、グラスウール、グラスウー
ルマット、ガラス繊維を用いた無機繊維紙、炭素繊維紙等が好適に用いられる。
フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステ
ル、ナイロン、アクリル等の樹脂フィルム等を使用することができる。金網とし
ては、通常使用されている金網の他に、金属ラス等が使用可能である。また、基
材層11は、これら基材の積層体を用いてもよく、例えば、ポリエチレンフィル
ム積層不織布、ポリプロピレン積層不織布、アルミニウム箔積層紙、アルミガラ
スクロス等が挙げられる。
前記の金属薄板としては、例えば、鉄板、ステンレス板、亜鉛メッキ鋼板、ア
ルミ亜鉛合金メッキ鋼板、アルミニウム板、アルミガラスクロス、アルミクラフ
ト、銅箔、金箔等の金属箔が挙げられる。金属薄板の厚みは、0.003〜1m
mが好ましく用いることができる。厚みが1mm以上となると耐火性部材として
、加工性、施工性が著しく低下する。積層した材料の中でも、アルミ箔と、ガラ
スクロス、ガラスマット、炭素繊維などを積層した材料はアルミの熱反射性に優
れる点から耐火上有利であり、ガラスクロス、ガラスマット、炭素繊維の耐熱性
により、熱膨張性耐火材の保護を行うことができ、特に好適に用いることができ
る。
アルミガラスクロスのアルミ箔の厚みは、取り扱いを考慮すると5μm以上が
好ましい。また、ガラスクロス、ガラスマット、炭素繊維などは単位面積当たり
の重量が5g/m2 が好ましく、5g/m2 をきると熱膨張性耐火材の保護とい
う点で劣る。アルミ箔と、ガラスクロス、ガラスマット、炭素繊維はポリエチレ
ンなどで熱ラミネートするか、従来公知の接着剤を用いて積層される。
熱膨張性耐火材層12は、エポキシ樹脂や熱可塑性樹脂等の樹脂成分と、無機
充填剤等を含有する樹脂組成物を、カレンダー成形、押出成形、プレス成形等で
シート状に成形することにより得ることができる。
緩衝性材料層13を構成する緩衝性材料としては、緩衝性を有するものであれ
ば特に制限はないが、樹脂発泡体、不織布又は織布からなるものが好ましい。樹
脂発泡体としては、例えば、ポリエチレン系発泡体、ポリプロピレン系発泡体等
のポリオレフィン系発泡体、ポリスチレン系発泡体、ポリウレタン系発泡体、フ
ェノール樹脂系発泡体、イソシアヌレート系発泡体等の独立気泡発泡体が好適に
用いられる。発泡倍率は5〜100倍の範囲が好ましい。これら発泡体には難燃
処理が施されていてもよい。また、2種類以上の材料が積層されていてもよい。
不織布としては、例えば、ポリエステル不織布、ポリプロピレン不織布、ポリ
エチレン不織布、アクリル樹脂系不織布等の有機繊維不織布;セラミックブラン
ケット、ロックウール、グラスウール等の無機繊維不織布が好適に用いられる。
無機繊維不織布は、水密弾性材料を有する熱膨張性耐火材との接着性を高めるた
めに、ポリエチレン等の樹脂フィルムで包み込まれたものであってもよい。織布
としては、例えば、ポリエステル織布、ポリプロピレン織布、アクリル織布等の
有機繊維織布や、セラミック繊維、ロックウール繊維、ガラス繊維等からなる無
機繊維織布が挙げられる。
耐火性部材10において、熱膨張性耐火材層12と緩衝性材料層13との積層
方法は、従来公知の方法が用いることができ、例えば、熱膨張性耐火材を緩衝性
材料上に押出被覆して積層する方法、接着剤を用いて積層する方法等が挙げられ
る。また、熱膨張性耐火材層12と基材層11との積層は、熱膨張性耐火材層1
2を基材層11の上に押出し被覆して積層する方法、接着剤を用いて積層する方
法等が挙げられる。中でも、粘着性を有する熱膨張性耐火材を使用すれば、接着
剤を用いることなく積層することができるので特に好適に用いられる。
熱膨張性耐火材層12の厚みは、外壁材の目地部の幅に応じて設定され、目地
部の幅の1〜50%程度が好ましい。目地部の幅の1%未満になると、耐火性部
材10の裏面への火炎の貫通を防止するための耐火性能が低下し、目地部の幅の
50%を超えると、防水性能、耐火性能は良好であるが、コストアップを招く。
緩衝性材料層13の厚みは、目地部の幅に応じて設定され、目地部の幅の10〜
300%程度が好ましい。目地部の幅の10%未満になると、目地部を充填する
際の緩衝機能が低下し、目地部の幅の300%を超えると目地部に充填する際の
施工性が低下する。
前記の如く構成された本実施形態の耐火性部材10の施工方法について、図3
,4を参照して説明する。住宅等の建造物1は、躯体として角型鋼管2を備えて
おり、その外側には外壁材として複数のALC板3が固定され、隣接するALC
板3の間には20mm程度の隙間の目地部4が形成されている。ALC板3は角
型鋼管2に溶接されたLアングル5を介して、イナズマプレート6を用いてボル
ト7で固定されている。本発明の耐火性部材10は外壁材の目地部4に挿入され
るものである。なお、角型鋼管の代わりに、H型鋼や他の形状の鋼材を用いても
よいのは勿論である。目地部4と角型鋼管2との間の符号9は、後述する耐火試
験における温度測定位置である。
耐火性部材10を2枚の隣接するALC板3によって形成された目地部4へ挿
入施工する場合は、基材層11を外側としてU字状に折り曲げて、基材層11が
ALC板3の側面に接するように目地部4へ挿入して充填することにより、優れ
た防水性、耐火性を発現する。基材層11の表面に粘着剤層14が設けられてい
る場合は、予め目地部4を形成する一方のALC板3に耐火性部材10を貼付け
ておくと、施工が一層容易になる。
耐火性部材10を目地部4に挿入するとき、図1a〜dに示すように、耐火性
部材を2つ折り以上に折り曲げて、あるいは図1eに示すように丸めて施工する
。このように折り曲げ、あるいは丸めて施工することにより緩衝性材料層13の
反発力を利用し、施工後もずれなどが発生することもなく、なおかつ、挿入が容
易であると共に耐火性部材自体の製造も容易になりコストダウンにつながる。ま
た、目地部4の幅が一定でなくても、耐火性部材10の厚さを容易に変更できる
ため、目地部4に確実に挿入でき脱落を防止できる。なお、耐火性部材10を目
地部4に挿入して施工するとき、図4に示すように耐火性部材10を反転して挿
入してもよい。目地部4に耐火性部材10を挿入したあと、これをバックアップ
材として、表面側にコーキング剤8を注入して目地部4の施工を完了する。
本実施形態の耐火性部材10は、火災の際に緩衝性材料層13や目地材(シー
リング材、ガスケット等)が熱により収縮し、あるいは焼失して間隙を生じても
、熱膨張性耐火材層12が膨張して耐火断熱層を形成して間隙を充填することに
より、目地部4から火炎や煙が進入するのを防止して優れた防火・耐火性能を発
現する。
本発明の他の実施形態を図5,6に基づき詳細に説明する。図5は本発明に係
る耐火性部材の他の実施形態の断面図、図6は図5の耐火性部材を外壁パネルに
取付け施工した状態の断面図である。なお、この実施形態は前記した実施形態に
対し、耐火性部材は中心の緩衝性材料と、その外周に積層された熱膨張性耐火材
層と、その外周にさらに積層された基材層とを備え、円柱状あるいは丸棒状をし
ていることを特徴とする。そして、他の実質的に同等の構成については同じ符号
を付して詳細な説明は省略する。
図5aにおいて、耐火性部材20は中心の緩衝性材料21と、その外周に積層
された熱膨張性耐火材層22と、その外周にさらに積層された基材層23とを備
え、全体としては丸棒状をしており、緩衝性材料21、熱膨張性耐火材層22、
及び基材層23は前記の実施形態と同様のものが使用される。すなわち、緩衝性
材料21は緩衝性を有するもの、熱膨張性耐火材層22は火災等の加熱によって
3〜100倍程度に膨張して耐火断熱層を形成するもの、基材層23は紙、織布
、不織布、フィルム、金網、金属薄板、無機繊維不織布等が用いられる。
前記のように構成される耐火性部材20は、断面が略円形のポリエチレン発泡
体を押出し成形して中心の緩衝性材料21とし、得られた発泡体の緩衝性材料2
1の周囲に熱膨張性耐火材を押出被覆した熱膨張性耐火材層22を積層した後、
さらに、その表面にアルミガラスクロス等の基材層23を自己粘着性により積層
した三層構造からなる、直径10〜30mm程度の円柱状あるいは丸棒状となっ
ている。
このように、本実施形態の耐火性部材20において、緩衝性材料21と熱膨張
性耐火材層22との積層方法は、例えば、中心の緩衝性材料21と外周の熱膨張
性耐火材層22とを共押出しして、緩衝性材料の表面に熱膨張性耐火材を被覆す
る方法が好適である。また、熱膨張性耐火材層22と基材層23との積層は、熱
膨張性耐火材を基材層上に押出被覆して積層する方法、接着剤を用いて積層する
方法等が挙げられる。この耐火性部材20は、断面形状が筒状の熱膨張性耐火材
層22と基材層23の内部に緩衝性材料21が充填される形状とされることによ
り、製造及び施工共に容易に行うことができる。
また、図5bに示すように、熱膨張性耐火材層22Aと基材層23Aは、緩衝
性材料21の外周全周に積層されず、緩衝性材料の下半分に形成するものでもよ
い。この耐火性部材20Aは、中心の緩衝性材料21に対し、予め熱膨張性耐火
材層22Aと基材層23Aを積層した熱膨張性耐火材をロールフォーミングで圧
着することで得た。なお、ロールフォーミングに限らず、接着で緩衝性材料21
の下半分に熱膨張性耐火材層22Aと基材層23Aを固定して作製してもよい。
また、この方法を用いて、図5aの耐火性部材を得ることもできる。
この実施形態においては、耐火性部材20,20Aは挿入される外壁材である
ALC板3の目地部4の幅に合わせて押し潰して扁平とし目地部4に挿入する。
このように、基材層23,23Aが目地部4の側面に接するように耐火性部材2
0,20Aを充填することにより、優れた防水性を発現する。そして、目地部4
に支持された耐火性部材20,20Aをバックアップ材として、表面側にコーキ
ング剤8を注入して目地部4の施工を完了する。これにより目地部4は防水状態
となり、雨水等の浸入を防止することができる。
温度変化や、地震等によって目地部の間隔が変化し、寸法が大きくなった場合
は緩衝性材料が膨らんで密着状態を確保し、寸法が小さくなった場合は緩衝性材
料が縮んで対応するため、耐火性部材が目地部から脱落することが防止される。
この結果、長期間にわたって耐火性能を維持することができる。火災が発生し、
目地部4が加熱されると可燃性の部分は溶融炭化して焼失するが、熱膨張性耐火
材層22が熱膨張して耐火断熱層を形成するため、目地部4から火炎や熱が進入
するのを防止できる。
(熱膨張性耐火材Aの調整)
ブチルゴム(エクソン社製「ブチル#065」)42重量部、ポリブテン(出
光石油化学社製「ポリブテン#100R」)50重量部、水素添加石油樹脂(ト
ーネックス社製「エスコレッツ#5320」)8重量部、ポリリン酸アンモニウ
ム(クラリアント社製「EXOLIT AP422」)100重量部、中和処理
された熱膨張性黒鉛(東ソー社製「フレームカットGREP−EG」)30重量
部、水酸化アルミニウム(昭和電工社製「ハイジライトH−31」)50重量部
、及び、炭酸カルシウム(備北粉化製「BF300」)100重量部を混練ロー
ルを用いて混練した後、得られた樹脂組成物をプレス成形により1mm厚のシー
ト状の熱膨張性耐火材Aを作製した。
(熱膨張性耐火材Bの調整)
エポキシ樹脂(油化シェル化学社製「E807」)40重量部、ジアミン系硬
化剤(油化シェル化学社製「EKFL052」)60重量部、中和処理された熱
膨張性黒鉛(東ソー社製「フレームカットGREP−EG」)100重量部、炭
酸カルシウム(備北粉化社製「ホワイトンBF300」)100重量部、及び、
ポリリン酸アンモニウム(クラリアント社製「EXOLIT AP422」)1
00重量部からなる樹脂組成物を遊星撹拌機で撹絆した後、ロールコーターにて
塗工し、加熱硬化させることにより、0.7mm厚のシート状に成形した熱膨張
性耐火材Bを得た。
(熱膨張性耐火材Cの調整)
前記熱膨張性耐火材Bに加えて、ガラスクロス繊維(ユニチカグラスファイバ
ー社製、C11A1−68V5)(質量16g/m2 )を含浸させ硬化させ0.
5mm厚のシート状に成形した熱膨張性耐火材を得た。
(熱膨張性耐火材D)
三井金属塗料社製「メジヒカット」(ポリウレタン樹脂と熱膨張性黒鉛を含有
する樹脂組成物からなるシート材料)を使用した。
(熱膨張性耐火材E)
3M社製「ファイアバリア」(クロロプレンゴムとバーミキュライトを含有す
る樹脂組成物からなるシート材料)を使用した。
(体積膨張率の測定)
前記熱膨張性耐火材A、B、C、D及びEのシートを100mm×100mm
のサイズに切断したサンプルに、ATLAS社製コーンカロリメーター「CON
E2」を用いて50kW/m2 の熱量を30分間照射して燃焼、膨張させ、耐火
断熱層を形成した。得られた耐火断熱層の厚みから、下式により厚み方向の膨張
倍率を算出し、図7に示した。厚み方向の膨張倍率(倍)=t/t0、ここでt
は膨張後の厚み、t0は膨張前の厚みをそれぞれ示す。厚み方向の膨張倍率は体
積膨張率と見なされる。尚、厚み方向の膨張倍率が20倍を超える場合は、内寸
が100mm×100mm×高さ30mmの鉄製又はアルミ箔製の箱を作製し、
箱の下にサンプルを配置して測定した。
以下に、実施例1〜10について説明する。
(実施例1)
熱膨張性耐火材A(厚み1mm)を、ポリエチレン発泡体(積水化学工業製)
、ソフトロン(厚み6mm)、アルミガラスクロス(岩尾社製、厚み0.16m
m)にて挟み込むようにしながら積層し、熱膨張性耐火材層12の一面に緩衝性
材料層13としてポリエチレン発泡体を、その他面にアルミガラスクロスの基材
層11を備えた構成とした。得られた積層体を幅40mmにカットし、長尺状の
耐火性部材10を作製した。図1中、13はポリエチレン発泡体(緩衝性材料層
)、12は熱膨張性耐火材層、11はアルミガラスクロス(基材層)を、それぞ
れ示す。
(実施例2)
熱膨張性耐火材A(厚み1mm)を、ポリエチレン発泡体(積水化学工業製)
、ソフトロン(厚み6mm)、ポリエチレンフィルム(厚み0.16mm)にて
挟み込むようにしながら積層し、熱膨張性耐火材層12の一面に緩衝性材料層1
3としてポリエチレン発泡体を、その他面にポリエチレンフィルムの基材層11
を備えた構成とした。得られた積層体を幅80mmにカットし、長尺状の耐火性
部材10を作製した。
(実施例3)
円柱状のポリエチレン発泡体を緩衝性材料として直径20mmで押出成形し、
得られた発泡体の周囲に厚さ0.16mmのアルミガラスクロス(岩尾社製)を
積層して、図5bに示した三層構造からなる、直径約22mmの耐火性部材20
Aを作製した。図5b中、21はポリエチレン発泡体(緩衝性材料)、22Aは
熱膨張性耐火材層、23Aはアルミガラスクロス(基材層)を、それぞれ示す。
(実施例4)
実施例1と同様に、熱膨張性耐火材層12の一面に緩衝性材料層13としてポ
リエチレン発泡体を、その他面にアルミガラスクロスの基材層11を備えた構成
とした耐火性部材10を作製し、図2に示すように長手方向の両側辺に沿ってブ
チルゴムテープの幅6mm程度の粘着剤層14を形成した。
(実施例5)
前記の熱膨張性耐火材層B(厚み0.7mm)を使用した熱膨張性耐火材層1
2の一面に、緩衝性材料層13としてポリエチレン発泡体(厚み6mm)を積層
し、他面に基材層11としてアルミニウム箔(厚み0.07mm)を積層して耐
火性部材10を作製した。
(実施例6)
円柱状のポリエチレン発泡体を緩衝性材料として押出成形し(直径20mm)
、得られた発泡体の周囲に熱膨張性耐火材Cを厚さ0.5mmで押出被覆して積
層した後、さらに、その表面に厚さ0.07mmのポリエチレンフィルムを積層
して、図5aに示した三層構造からなる、直径約22mmの耐火性部材20を作
製した。図5a中、21はポリエチレン発泡体(緩衝性材料)、22は熱膨張性
耐火材層、23はポリエチレンフィルム(基材層)を、それぞれ示す。
(実施例7)
前記の熱膨張性耐火材層D(厚み2mm)を使用した熱膨張性耐火材層12の
一面に、緩衝性材料層13としてポリエチレン発泡体(厚み6mm)を積層し、
他面に基材層11として鉄板(厚み0.2mm)を積層して耐火性部材10を作
製した。
(実施例8)
前記の熱膨張性耐火材層E(厚み2.5mm)を使用した熱膨張性耐火材層1
2の一面に、緩衝性材料層13としてポリエチレン発泡体(厚み6mm)を積層
し、他面に基材層11としてセラミックシート(厚み0.5mm)を積層して耐
火性部材10を作製した。
(実施例9)
前記の熱膨張性耐火材層A(厚み0.7mm)を使用した熱膨張性耐火材層1
2の一面に、緩衝性材料層13としてセラミックブランケット(厚み6mm)を
積層し、他面に基材層11としてアルミガラスクロス(厚み0.16mm)を積
層して耐火性部材10を作製した。
(実施例10)
前記の熱膨張性耐火材層A(厚み1mm)を使用した熱膨張性耐火材層12の
一面に、緩衝性材料層13としてポリエチレン発泡体(厚み6mm)を積層し、
他面に基材層11としてアルミガラスクロス(厚み0.16mm)を積層して耐
火性部材10を作製し、目地部4に2個挿入した。
(比較例1)
前記の熱膨張性耐火材層D(厚み2mm)を使用した熱膨張性耐火材層の一面
に、緩衝性材料層としてポリエチレン発泡体(厚み6mm)を積層し、他面に基
材層の無い耐火性部材を作製した。
(比較例2)
熱膨張性耐火材層を使用せず、セラミックブランケット(厚み6mm)と、基
材層としてアルミガラスクロス(厚み0.16mm)を積層して耐火性部材を作
製した。
図3,4,6に示したように、2枚のALC板3(クリオン社製「クリオンパ
ネル」、サイズ:縦1200mm×横600mm×厚さ75mm)を、角形鋼管
2(サイズ:150mm角、厚さ6mm)に溶接されたLアングル5を介して、
イナズマプレート6を用いて固定し20mm幅の目地部4を設けた。この目地部
4に耐火性部材10の基材層11がALC板3の側面と接するように2つ折りに
して挿入して目地部4を塞いだ後、この目地部4の外側からコーキング剤8(ア
クリル系コーキング剤(コニシ社製))でシールし、耐火性試験体を得た。
(耐火性試験)
前記実施例1〜10、及び比較例1,2の耐火性試験体について、ISO83
4に準拠して1時間加熱した際の裏面温度(図3,4,6の上方から加熱し、図
中、目地部4の下方の測定位置9で温度測定)を測定し、図7に示した試験結果
を得た。図7中、裏面温度の上昇が試験開始温度から最高180℃以下かつ、平
均140℃以下のものを○、以上のものを×でそれぞれ示した。
図7中、実施例1〜10は耐火試験において緩衝性材料部分は溶融又は炭化し
たが、熱膨張性耐火材層12,22が膨張して目地部4が充填されたので、裏面
温度は規定を満たした。これに対して、比較例1では48分後に耐火部材は脱落
して火炎が貫通し、比較例2では20分後にコーキング剤は溶融又は炭化し、耐
火部材は脱落して火炎が貫通し、裏面温度は180℃を大幅に超えた。
以上、本発明の一実施形態について詳述したが、本発明は、前記の実施形態に
限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の精神を逸脱しな
い範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。例えば、耐火性部材
20の中心の緩衝性材料は円柱状のものを使用したが、断面が楕円形の楕円柱状
のもの、あるいは多角柱状のもので形成してもよい。
本発明に係る耐火性部材の一実施形態を示し、(a)は断面図、(b)は2つ折りした状態の断面図、(c)は3つ折りした状態の断面図、(d)は4つ折りした状態の断面図、(e)は丸めた状態の断面図。 本発明に係る耐火性部材の他の実施形態を示し、(a)は断面図、(b)は2つ折りした状態の断面図。 図1,2の耐火性部材を外壁パネルに取付け施工した状態の断面図。 図1,2の耐火性部材を反転して外壁パネルに取付け施工した状態の断面図。 (a)、(b)は、それぞれ本発明に係る耐火性部材の他の実施形態を示す断面図。 図5の耐火性部材を外壁パネルに取付け施工した状態の断面図。 実施例1〜10と比較例1,2を耐火性試験した結果を示す表図。
符号の説明
3…ALC板(外壁材)、 4…目地部、
10,20,20A…耐火性部材、
11,23,23A…基材層、
12,22,22A…熱膨張性耐火材層、
13…緩衝性材料層、 14…粘着剤層
21…緩衝性材料

Claims (4)

  1. ガラスクロス、ガラスマット及び炭素繊維から選択される少なくとも一つ並びにアルミ箔を積層してなる基材層と、該基材層に積層した熱膨張性耐火材層及び緩衝性材料層とを備え、前記熱膨張性耐火材層は加熱によって膨張して耐火断熱層を形成しうる材料で形成される耐火性部材を外壁材の目地部に挿入する施工方法であって、
    前記耐火性部材を相対向する面の相互が接触するように2つ折り以上に折り曲げて前記目地部に挿入する工程と、
    前記耐火性部材をバックアップ材として外壁材の外側からコーキング剤を注入する工程と、
    を有することを特徴とする耐火性部材の施工方法。
  2. 緩衝性材料と、該緩衝性材料の外周に積層され加熱によって膨張して耐火断熱層を形成しうる熱膨張性材層と、該熱膨張性材層の外周にさらに積層された基材層とを備え、該基材層が、ガラスクロス、ガラスマット及び炭素繊維から選択される少なくとも一つ並びにアルミ箔を積層してなる耐火性部材を外壁材の目地部に挿入する施工方法であって、
    前記耐火性部材を相対向する面の相互が接触するように2つ折り以上に折り曲げて前記目地部に挿入する工程と、
    前記耐火性部材をバックアップ材として外壁材の外側からコーキング剤を注入する工程と、
    を有することを特徴とする耐火性部材の施工方法。
  3. 前記基材層は、前記熱膨張性耐火材層を積層した面と反対面又は該反対面の一部に粘着剤層が積層されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の耐火性部材の施工方法。
  4. 前記熱膨張性耐火材層は、その内部に無機系繊維材料を含有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の耐火性部材の施工方法。
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