JP2002088321A - 加熱剥離型粘着テープ・シート及びその製造方法 - Google Patents

加熱剥離型粘着テープ・シート及びその製造方法

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JP2002088321A JP2000278324A JP2000278324A JP2002088321A JP 2002088321 A JP2002088321 A JP 2002088321A JP 2000278324 A JP2000278324 A JP 2000278324A JP 2000278324 A JP2000278324 A JP 2000278324A JP 2002088321 A JP2002088321 A JP 2002088321A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 初期粘着力や保持力等の粘着基本特性が良好
で、かつ、加熱処理により被着体より簡単に剥離できる
加熱剥離型粘着テープ・シート及びその製造方法を提供
すること。 【解決手段】 基材の片面又は両面に、活性官能基を有
するアクリル系粘着高分子量体と、熱架橋剤と、有機溶
剤と、発泡剤粒子とを主成分とする粘着剤を用いて粘着
剤層を形成した加熱剥離型粘着テープ・シートにおい
て、上記活性官能基を有するアクリル系粘着高分子量体
をラジカル活性種と反応して架橋する官能基を有するア
クリル系粘着高分子量体とし、かつ、上記発泡剤粒子を
加熱により窒素ガスを放出すると同時にラジカル活性種
を発生する化合物とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、貼着後の任意な時
に加熱処理により被着体より簡単に剥離できる加熱剥離
型粘着テープ・シート及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電気・電子分野などの業界では、
製品の高性能化、高機能化、多品種化などに伴い、部品
の接合に使用される接着剤や粘着剤には高耐熱性、高接
着性、高信頼性などの要求が高まりつつある。特に、作
業性の効率向上や作業環境性の向上などの観点から、液
状接着剤に替わってテープ状やシート状の粘着剤を用い
て各種部品を接合することが多くなっている。特に、各
種電子部品を研磨や切断する際に使用される加工用粘着
テープには、使用後に被着体より簡単に剥離できる機能
を兼ね備えていることが強く要求されている。
【0003】従来、このような加工時の仮固定用の用途
には接着剤やワックスが使用されていたが、(1)剥が
す作業に長時間を要する、(2)剥がす際に部品にダメ
ージを与える、(3)部品の洗浄が不可欠である、等の
観点から、粘着テープ・シートを使用することが多くな
っている。これらの粘着テープ・シートは、例えば、半
導体シリコンウェハやシリコンチップ、セラミックコン
デンサ、チップ抵抗、薄膜磁気ヘッド、各種プリント配
線基板やリードフレーム等の固定等に使用される。
【0004】粘着テープは、従来から包装用、梱包用、
養生用といった用途に幅広く使用されている。近年、環
境保護、省資源等の観点から、消耗品等の各種日用品の
リサイクル使用が叫ばれており、粘着テープにも剥離時
に被着体にダメージを与えないで剥離できることが強く
要求されつつある。具体的には、各種表面保護やマスキ
ング用途、ラベルやシール用途、結束用途、輸送や移動
時における物品の固定用途等に使用される粘着テープに
は、優れた初期粘着特性と同時に、貼着後の任意な時に
被着体より簡単に剥離できる特性を兼ね備えることが要
求されている。すなわち、初期粘着力や保持力等の粘着
テープとして基本特性に優れ、かつ、剥がしたい時に簡
単に被着体より剥離できる粘着テープの開発が望まれて
いる。従来、このような易剥離型粘着テープとしては、
発泡剤等を粘着剤に混合したものが知られている。例え
ば、発泡剤を含有する粘着剤層を基材層に一定厚さに塗
工し、加熱により発泡剤を発泡あるいは膨張させて、加
熱発泡処理により被着体より簡単に剥離できるようにし
た粘着テープが特公昭50−13878号公報、特公昭
51−24534号公報、特開昭56−61468号公
報、特開昭56−61469号公報、特開昭60−25
2681号公報に開示されている。
【0005】また、特開平7−61458号公報には、
基材との接着力の強い部分と弱い部分とを分布させた加
熱剥離型粘着テープが開示されている。
【0006】また、特開平6−184504号公報に
は、平均粒径をコントロールした2種以上の熱膨張性粒
子を配合した加熱剥離型粘着テープが開示されている。
【0007】また、特開平7−96964号公報には凹
凸を付けた基材を使用した加熱剥離型粘着テープが開示
されている。
【0008】また、特開平6−306337号公報には
熱膨張性層と接着剤層とを2層に重ねた加熱剥離型粘着
テープが開示されている。
【0009】また、特開昭63−17981号公報に
は、紫外線硬化型粘着剤を使用した加熱剥離型粘着テー
プが開示されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】特公昭50−1387
8号公報、特公昭51−24534号公報、特開昭56
−61468号公報、特開昭56−61469号公報、
特開昭60−252681号公報に記載された加熱剥離
型粘着テープでは、初期の粘着力を十分に発現し難く、
かつ、初期の粘着力を大きくすると、加熱により十分に
粘着力が低下せず、いずれにしても優れた初期粘着性と
加熱後の易剥離性を両立することが困難であった。
【0011】特開平7−61458号公報に記載された
加熱剥離型粘着テープの場合は、粘着テープを簡単に製
造することが難しく、特開平7−61458号公報、特
開平6−184504号公報、特開平7−96964号
公報及び特開平6−306337号公報に記載された加
熱剥離型粘着テープの場合は、粘着テープを量産性良く
製造することが難しかった。
【0012】特開昭63−17981号公報に記載され
た加熱剥離型粘着テープは、優れた初期粘着性と加熱後
の易剥離性を両立することが困難であった。
【0013】特に、加熱発泡により被着体より剥離させ
る粘着テープの場合、被着体に粘着剤残りが認められる
ことが多く、その解決を図る為の材料・プロセスの開発
が強く望まれていた。
【0014】本発明の目的は、上記した従来材料、技術
の有していた課題を解決して、初期粘着力や保持力等の
粘着基本特性が良好で、かつ、貼着後、剥離したい時に
簡単に被着体より剥がすことができる加熱剥離型粘着テ
ープ・シート及びその製造方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、特許請求の範囲に記載した構成とする
ものである。
【0016】すなわち、基材の片面又は両面に、活性官
能基を有するアクリル系粘着高分子量体と、熱架橋剤
と、有機溶剤と、発泡剤粒子とを主成分とする粘着剤を
用いて粘着剤層を形成した加熱剥離型粘着テープ・シー
トにおいて、上記活性官能基を有するアクリル系粘着高
分子量体をラジカル活性種と反応して架橋する官能基を
有するアクリル系粘着高分子量体とし、かつ、上記発泡
剤粒子を加熱により窒素ガスを放出すると同時にラジカ
ル活性種を発生する化合物とする。
【0017】また、上記した加熱剥離型粘着テープ・シ
ートにおいて、活性官能基を有するアクリル系粘着高分
子量体の重量平均分子量を10万〜200万、活性官能
基の含有量を0.01〜2.0ミリ当量/g、かつ、水
酸基価を10〜100mgKOH/gとする。
【0018】また、上記した加熱剥離型粘着テープ・シ
ートにおいて、基材の片面又は両面に、発泡剤粒子を含
まないアクリル系粘着剤を用いて粘着剤下層を形成し、
その上に上記した発泡剤粒子を含む粘着剤を用いて粘着
剤上層を形成し、2層構造の粘着剤層とする。
【0019】加熱剥離型粘着テープ・シートの製造方法
において、基材の片面又は両面に上記した発泡剤粒子を
含む粘着剤を塗工、乾燥し、粘着剤層を5〜500μm
厚に形成する。
【0020】また、加熱剥離型粘着テープ・シートの製
造方法において、基材の片面又は両面に発泡剤粒子を含
まない粘着剤を塗工、乾燥し、粘着剤下層を5〜200
μm厚に形成し、その上に上記した発泡剤粒子を含む粘
着剤を塗工、乾燥し、粘着剤上層を5〜500μm厚に
形成する。
【発明の実施の形態】本発明者らは、上記目的を達成す
る為に、加熱剥離型粘着テープ・シートを製造する為の
材料・プロセスを種々検討した結果、シート基材の片面
又は両面に、活性官能基を有するアクリル系粘着高分子
量体と、熱架橋剤と、有機溶剤と、発泡剤粒子とからな
る粘着剤溶液また分散液を用いて作製した粘着テープ・
シートが、粘着力、保持力等の粘着基本特性が良好で、
かつ、貼着後、剥離したい時に簡単に被着体より剥がす
ことができる加熱剥離型粘着テープ・シートになること
を確認した。
【0021】このような材料・プロセスにより作製する
ことにより、初期粘着特性に優れ、かつ、後加熱により
被着体に粘着剤残りなく、簡単に被着体より剥がすこと
ができる加熱剥離型粘着テープ・シートになることを確
認した。
【0022】特に、本発明で使用される活性官能基を有
するアクリル系粘着高分子量体は、ラジカル反応により
架橋する官能基をポリマー側鎖等に有するものであり、
加熱により剥離する際に、架橋反応を起こすことによ
り、粘着剤の凝集力が上昇し、被着体より剥離する時
に、被着体に粘着剤残りが生じないことを確認した。
【0023】また、本発明で使用される発泡剤粒子とし
ては、加熱時に窒素ガスを発生させると同時に、ラジカ
ル活性種を発生させる化合物が良いことを見出した。こ
れにより、発泡剤粒子より発生したラジカル活性種と粘
着剤中の活性官能基を有するアクリル系粘着高分子量体
が架橋反応を起こし、粘着剤の凝集力が上昇し、被着体
より剥離し易くなるとともに、被着体に粘着剤残りが生
じなくなることを確認した。併せて、加熱により発泡剤
粒子より発生する窒素ガスが粘着テープと被着体界面に
集まることにより剥離できるようになることも確認し
た。
【0024】また、シート基材上に直接発泡剤粒子を含
有する加熱剥離型粘着剤層を塗工しないで、発泡剤粒子
を含まない粘着剤下層を形成し、その上に発泡剤粒子を
含有する粘着剤上層を形成し、粘着剤下層と粘着剤上層
とからなる2層構造とすることも良いことを見出した。
【0025】すなわち、本発明の発泡剤粒子を含む粘着
剤層からなる加熱剥離型粘着テープ・シート、あるい
は、発泡剤粒子を含まない粘着剤下層の上に発泡剤粒子
を含む粘着剤上層を形成した2層構造からなる加熱剥離
型粘着テープ・シートを用いることにより、初期粘着力
や保持力等の粘着基本特性に優れ、かつ、貼着後の任意
な時に加熱処理により被着体より簡単に剥離できる加熱
剥離型粘着テープ・シートを得ることができる。
【0026】本発明の加熱剥離型粘着テープ・シート
は、各種基材への初期粘着性に優れており、各種基板の
加工時の仮固定用などに使用できる。
【0027】以下、本発明の加熱剥離型粘着テープ・シ
ート及びその製造方法について説明する。
【0028】本発明で使用される活性官能基を有するア
クリル系粘着高分子量体は、粘着テープ・シートの加熱
剥離時の易剥離性を付与するために使用されるととも
に、初期粘着特性、及び塗工性などの作業性などを向上
させるためにも使用される。
【0029】本発明で使用される活性官能基を有するア
クリル系粘着高分子量体としては、重量平均分子量が1
0万〜200万であり、活性官能基含有量が0.01〜
2.0ミリ当量/gであり、かつ、水酸基価が10〜1
00mgKOH/gであるものが好ましい。
【0030】上記活性官能基をアクリル系粘着高分子量
体に導入する方法としては、通常、アクリル系高分子量
体の側鎖にあるヒドロキシル基を(メタ)アクリロイル
オキシ基を有するイソシアネート化合物(例えば、2−
メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなど)と反
応させる方法などがある。このようにして、(メタ)ア
クリロイルオキシ基などの活性官能基を有するアクリル
系粘着高分子量体を得ることができる。しかし、その導
入方法は、特に限定されるものではない。このアクリル
系粘着高分子量体は、有機溶剤などに溶解して使用され
る。
【0031】上記活性官能基を有するアクリル系粘着高
分子量体の重量平均分子量が10万より小さい場合に
は、初期粘着特性が十分でなく、重量平均分子量が20
0万より大きい場合には、粘着テープの特性上、特に問
題はないが、アクリル系粘着高分子量体を量産的に製造
することが難しく、いずれの場合も好ましくない。
【0032】また、上記活性官能基を有するアクリル系
粘着高分子量体の活性官能基含有量が0.01ミリ当量
/gより小さい場合には、加熱時のラジカル架橋反応が
十分に起こらず、その結果、易剥離性を付与することが
難しくなり、また、活性官能基含有量が2.0ミリ当量
/gより大きい場合には、アクリル系高分子量体を量産
的に製造することが難しく、好ましくない。
【0033】また、上記活性官能基を有するアクリル系
粘着高分子量体の水酸基価が10mgKOH/gより小
さい場合には、熱架橋剤との反応が十分でない為に、初
期粘着性が十分でなく、また、水酸基価が100mgK
OH/gより大きい場合にも、初期粘着性を十分に発現
することが難しく、いずれの場合にも実用上好ましくな
い。
【0034】なお、上記活性官能基を有するアクリル系
粘着高分子量体の主成分は、通常、(メタ)アクリル酸
アルキルエステル単量体と極性基含有単量体との共重合
体、例えば、アクリル酸2−エチルヘキシルとアクリル
酸との共重合体、アクリル酸イソオクチルとメタクリル
酸2−ヒドロキシエチルとの共重合体、アクリル酸2−
エチルヘキシルとアクリル酸とメタクリル酸2−ヒドロ
キシエチルとの三元共重合体等が使用されるが、特にこ
れらに限定されるものではない。
【0035】上記した(メタ)アクリル酸アルキルエス
テル単量体としては、例えば、エチル基、プロピル基、
ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシ
ル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノ
ニル基、デシル基などで代表される通常、炭素数が20
以下のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸のエステ
ル等が挙げられる。なお、上記した(メタ)アクリル酸
アルキルエステルは、単独もしくは2種以上で使用され
る。
【0036】また、上記した極性基含有単量体として
は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、メタクリ
ル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキ
シプロピル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリル、N−ビニル−2−ピ
ロリドン等で代表される、分子中にカルボキシル基、水
酸基、アミノ基等の極性基を有する重合性不飽和単量体
等が挙げられる。
【0037】上記した活性官能基を有するアクリル系粘
着高分子量体からなる粘着剤を基材上に塗工する際に
は、上記活性官能基を有するアクリル系粘着高分子量体
を酢酸エチル、トルエン等の有機溶剤に溶解させて使用
することが良い。
【0038】本発明で使用される発泡剤粒子としては、
加熱により窒素ガス等を発生させる化合物が好ましく、
特に、窒素ガスと同時にラジカル活性種を発生させる化
合物が好ましく、2,2’−アゾビスイソブチロニトリ
ル等の有機系のアゾ系化合物等が挙げられる。このよう
な発泡剤粒子の例としては、1,1’−アゾビス(1−
アセトキシ−1−フェニルエタン)、アゾジカルボンア
ミド等のアゾ系化合物、トリクロロモノフルオロメタ
ン、ジクロロモノフルオロメタン等のフッ化アルカン化
合物、パラトルエンスルフォニルヒドラジド、ジフェニ
ルスルフォン−3,3’−ジスルフォニルヒドラジド、
アリルビススルフォニルヒドラジド等のヒドラジン系化
合物、o−トルイレンスルフォニルセミカルバジド等の
セミカルバジド系化合物、N,N’−ジニトロソペンタ
メチレンテトラミン等のN−ニトロソ系化合物等が挙げ
られる。
【0039】本発明で使用されるこれらの発泡剤粒子の
粒径は、通常、0.1〜50μmのものが使用され、そ
の添加量は粘着剤100重量部に対して0.5〜10重
量部で使用されることが望ましい。発泡剤粒子の添加量
が0.5重量部より少ない場合には、加熱後の剥離性が
十分ではなく、また、その添加量が10重量部より多い
場合には、初期粘着特性が十分ではなく、いずれの場合
にも実用上好ましくない。
【0040】また、上記活性官能基を有するアクリル系
粘着高分子量体からなる粘着剤に使用される熱架橋剤と
しては、一般にアクリル系粘着剤の架橋剤として使用さ
れるイソシアネート化合物系架橋剤、エポキシ化合物系
架橋剤、アルミキレート化合物系架橋剤等が使用され
る。
【0041】例えば、綜研化学社より販売されているポ
リイソシアネート架橋剤(商品名:L−45など)、エ
ポキシ化合物系架橋剤(商品名:E−AXなど)、アル
ミキレート化合物系架橋剤(商品名:M−5Aなど)等
が使用できるが、ここに挙げたものに限定されるもので
はない。
【0042】これらの熱架橋剤は、上記活性官能基を有
するアクリル系高分子量体100重量部に対して、0.
01〜10重量部の割合で使用されるのが好ましい。そ
の使用量が0.01重量部より少なかったり、10重量
部より多かったりすると、いずれも十分な粘着特性が得
られず、好ましくない。
【0043】本発明の加熱剥離型粘着テープ・シートを
作製する粘着剤に、通常、アクリル樹脂などに使用され
るロジン系樹脂、テルペン系樹脂、石油樹脂等の粘着性
付与剤を添加しても良い。
【0044】更に、本発明の粘着剤には、増粘剤、チキ
ソトロピー剤、充填剤等の通常使用される配合剤を添加
しても良い。上記増粘剤としては、アクリルゴム、エピ
クロルヒドリンゴム等が挙げられ、上記チキソトロピー
剤としては、超微粉シリカ(日本アエロジル社製のアエ
ロジル300など)等が挙げられる。上記充填剤として
は、炭酸カルシウム、二酸化チタン、二酸化ケイ素、α
ーアルミナ、水和アルミナ等の無機粒子、ナイロンビー
ズ、アクリルビーズ、シリコーンビーズ等の有機粒子、
塩化ビニリデンバルーン等の有機中空粒子、ポリエステ
ル、ナイロン、レーヨン、ガラス等の有機又は無機系短
繊維等が挙げられる。これらは、粘着テープ・シートの
応力緩和性などの機械的特性等を改善する為に加えら
れ、光硬化性を阻害しない範囲で使用される。
【0045】本発明の粘着剤は液状であり、ロールコー
ターやダイコーターなどにより不織布、ポリエステルフ
ィルム等のシート基材上に塗工され、加熱乾燥して、5
〜500μm厚に粘着剤層が形成されることが好まし
い。この場合、上記粘着剤層の厚さが、5μmよりも小
さいと、加熱後に十分な粘着力低下が認められず、ま
た、上記粘着剤層の厚さが、500μmよりも大きい
と、特性上、特に問題はないが、粘着テープの作製プロ
セス上、好ましくない。
【0046】本発明の粘着テープに使用される基材に
は、ポリエステルフィルム等のプラスチックフィルム、
織布、不織布、紙、金属箔、発泡シートなどが使用さ
れ、基材の厚さは5〜500μmであることが好まし
い。
【0047】本発明の加熱剥離型粘着テープ・シートを
作製する場合、発泡剤粒子を含む粘着剤を直接上記した
基材の片面あるいは両面に塗工しても良いし、あるい
は、発泡剤粒子を含む粘着剤を上記した基材の片面ある
いは両面に直接塗工するのではなく、まず、上記した基
材上に発泡剤粒子を含まない粘着剤を5〜200μm厚
に塗工して、粘着剤下層を形成し、その上に発泡剤粒子
を含む粘着剤を5〜500μm厚に塗工し、粘着剤上層
を形成して、2層構造の粘着剤層としても差し支えな
い。そうすることにより、上記2層構造の粘着剤層の基
材に対する密着性が向上する。この場合、上記粘着剤下
層の厚さが5μmより小さかったり、200μmよりも
大きかったりすると、特性上、特に問題はないが、粘着
テープの作製プロセス上、好ましくない。
【0048】以下に、本発明の加熱剥離型粘着テープ・
シート及びその製造方法を具体的に説明する。但し、本
発明の加熱剥離型粘着テープ・シートはこの方法によっ
て製造されるものに限定される訳ではない。
【0049】まず、上記活性官能基を有するアクリル系
粘着高分子量体、上記熱架橋剤及び有機溶剤を所定の配
合量で混合し、これに発泡剤粒子を所定量添加し、十分
に攪拌、混合し、粘着剤を得る。
【0050】このように作製した粘着剤をロールコータ
ーやダイコーターなどにより不織布、ポリエステルフィ
ルム等のシート基材上に塗工した後、40〜100℃で
加熱乾燥して、5〜500μm厚の加熱剥離型粘着テー
プ・シートが得ることが好ましい。
【0051】発泡剤粒子を含まない粘着剤下層と発泡剤
粒子を含む粘着剤上層との2層構造からなる加熱剥離型
粘着テープ・シートを得る場合には、まず、基材上に発
泡剤粒子を含まない粘着剤下層を5〜200μm厚に形
成し、その上に発泡剤粒子を含む粘着剤上層を形成し、
上記した方法と同様にして得られる。
【0052】本発明の加熱剥離型粘着テープ・シートは
このようにして得られ、本発明の粘着テープ・シートを
電気・電子部品等の被着体に貼り合わせた場合、優れた
初期粘着性と、加熱時の易剥離性を示す。
【0053】
【実施例】本発明の加熱剥離型粘着テープ・シート及び
その製造方法について、実施例によって具体的に説明す
る。但し、本発明の加熱剥離型粘着テープ・シート及び
その製造方法はこれに限定されるものではない。なお、
実施例及び具体例の記述中における「部」は重量部を表
す。 [実施例1]重量平均分子量が80万、活性官能基含有
量が0.59ミリ当量/g、水酸基価が56mgKOH
/gであるアクリル酸2−エチルヘキシルを主成分とす
るアクリル系粘着高分子量体を酢酸エチルに溶解させた
固形分30重量%の粘着剤100部に、ポリイソシアネ
ート系熱架橋剤L−45(綜研化学社製)0.1部及び
発泡剤粒子1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−
フェニルエタン)1部を添加し、十分に混合し、発泡剤
粒子を含む粘着剤を得た。
【0054】この粘着剤をコロナ剥離処理が施された5
0μm厚のポリエステルフィルム上にコンマコーターに
より50μm厚に塗工して、60℃で10分間で加熱乾
燥し、100μm厚の加熱剥離型粘着テープ・シートを
得た。なお、この加熱剥離型粘着テープ・シートを室温
で1週間放置し、エージングさせた。
【0055】続いて、この加熱剥離型粘着テープ・シー
トのステンレス板に対する初期粘着力(180°ピール
力)を測定したところ、2.7N/10mmであり、ま
た、40℃/24時間放置(荷重:1kg)保持力試験
において、ずれや落下は認められず、良好な粘着特性を
示した。なお、この加熱剥離型粘着テープ・シートのボ
ールタック(角度:30°)は3以下であった。
【0056】この加熱剥離型粘着テープ・シートをステ
ンレス板及びシリコンウェハに貼り合わせた後、上記ス
テンレス板及びシリコンウェハを120℃で60秒間、
熱板で加熱し、上記ステンレス板及びシリコンウェハに
対する上記加熱剥離型粘着テープ・シートの粘着力を測
定したところ、それぞれ、0.2N/25mm、0.1
5N/25mmであり、容易に被着体より剥離すること
ができた。
【0057】また、剥離後の被着体表面をデジタルマイ
クロスコープVH−6200(キーエンス社製)により
観察したところ、被着体面には粘着剤残りが認められ
ず、優れた加熱剥離性を示していることを確認した。
【0058】以上のように、本発明の加熱剥離型粘着テ
ープ・シートは、良好な初期粘着性と加熱後の易剥離性
を兼ね備えており、加熱剥離型粘着テープ・シートとし
ての機能を兼ね備えていることを確認した。 [実施例2]重量平均分子量が80万、活性官能基含有
量が0.59ミリ当量/g、水酸基価が56mgKOH
/gであるアクリル酸2−エチルヘキシルを主成分とす
るアクリル系粘着高分子量体の30重量%の酢酸エチル
溶液100部に、ポリイソシアネート系熱架橋剤L−4
5(綜研化学社製)0.1部及び発泡剤粒子2,2’−
アゾビスイソブチロニトリル1部を添加し、十分に混合
し、発泡剤粒子を含む粘着剤を得た。
【0059】また、同様にして、重量平均分子量が80
万、活性官能基含有量が0.59ミリ当量/g、水酸基
価が56mgKOH/gであるアクリル酸2−エチルヘ
キシルを主成分とするアクリル系粘着高分子量体の30
重量%酢酸エチル溶液100部に、ポリイソシアネート
系熱架橋剤L−45(綜研化学社製)0.1部を添加
し、発泡剤粒子を含まない粘着剤を得た。
【0060】この発泡剤粒子を含まない粘着剤をコロナ
剥離処理が施された50μm厚のポリエステルフィルム
上にコンマコーターにより50μm厚に塗工し、120
℃/3分間で加熱乾燥して、粘着剤下層を形成した。そ
の上に、上記した発泡剤粒子を含む粘着剤をコンマコー
ターにより50μm厚に塗工して、60℃/10分間で
加熱乾燥し、粘着剤上層を形成し、2層構造からなる1
50μm厚の加熱剥離型片面粘着テープ・シートを得
た。なお、この加熱剥離型粘着テープ・シートを室温で
1週間放置し、エージングさせた。
【0061】この加熱剥離型片面粘着テープ・シートの
ステンレス板に対する初期粘着力(180°ピール力)
は、3.5N/10mmであり、40℃/24時間放置
(荷重:1kg)保持力試験において、ずれや落下は認
められず、良好な粘着特性を示した。なお、この加熱剥
離型粘着テープ・シートのボールタック(角度:30
°)は3以下であった。
【0062】この加熱剥離型片面粘着テープ・シートを
ステンレス板及びシリコンウェハに貼り合わせた後、上
記ステンレス板及びシリコンウェハを120℃で60秒
間、熱板で加熱し、上記ステンレス板及びシリコンウェ
ハに対する上記加熱剥離型片面粘着テープ・シートの粘
着力を測定したところ、それぞれ、0.15N/25m
m、0.12N/25mmであり、容易に被着体より剥
離することができた。また、剥離後の被着体表面をデジ
タルマイクロスコープVH−6200(キーエンス社
製)により観察したところ、被着体面には粘着剤残りが
認められず、優れた加熱剥離性を示していることを確認
した。
【0063】以上のように、本発明の加熱剥離型片面粘
着テープ・シートは、良好な初期粘着性と加熱後の易剥
離性を兼ね備えており、加熱剥離型粘着テープ・シート
としての機能を兼ね備えていることを確認した。 [実施例3]重量平均分子量が80万、活性官能基含有
量が0.70ミリ当量/g、水酸基価が100mgKO
H/gであるアクリル酸2−エチルヘキシルを主成分と
するアクリル系粘着高分子量体の40重量%酢酸エチル
溶液100部に、ポリイソシアネート系熱架橋剤0.3
部及び発泡剤粒子1,1’−アゾビス(1−アセトキシ
−1−フェニルエタン)3部を添加し、十分に混合し、
粘着剤を得た。
【0064】この粘着剤を100μm厚の不織布基材上
にコンマコーターにより塗工し、80℃/10分間で加
熱乾燥し、100μm厚の第1の粘着剤層を形成した。
【0065】続いて、上記不織布基材の他方の面に、同
様にして、上記した粘着剤をコンマコーターにより塗工
し、100μm厚の第2の粘着剤層を形成した。このよ
うにして、100μm厚の不織布基材の両側に100μ
m厚の粘着剤層を形成した300μm厚の加熱剥離型両
面粘着テープ・シートを得た。その後、この加熱剥離型
粘着テープ・シートを室温で1週間放置し、エージング
させた。
【0066】この加熱剥離型両面粘着テープ・シートの
ステンレス板に対する初期粘着力(180°ピール力)
は、両面とも3.0N/10mmであり、40℃/24
時間放置(荷重:1kg)保持力試験において、ずれや
落下は認められず、良好な粘着特性を示した。なお、こ
の加熱剥離型粘着テープ・シートのボールタック(角
度:30°)は3以下であった。
【0067】この加熱剥離型両面粘着テープ・シートを
用いて、ステンレス板とガラス板とを貼り合わせた後、
上記ステンレス板とガラス板を120℃で60秒間、熱
板で加熱したところ、上記加熱剥離型両面粘着テープ・
シートを上記ステンレス板とガラス板から容易に剥離す
ることができた。なお、上記熱剥離型両面粘着テープ・
シートのステンレス板とガラス板に対する加熱後の粘着
力は、それぞれ、0.2N/25mm、0.15N/2
5mmであり、初期に比べて1/10以下に低下してい
ることを確認した。
【0068】また、剥離後の被着体表面をデジタルマイ
クロスコープVH−6200(キーエンス社製)により
観察したところ、被着体面には粘着剤残りが認められ
ず、優れた加熱剥離性を示していることを確認した。
【0069】以上のように、本発明の加熱剥離型両面粘
着テープ・シートは、良好な初期粘着特性と加熱後の易
剥離性を兼ね備えており、加熱剥離型粘着テープ・シー
トとしての機能を兼ね備えていることを確認した。 [実施例4]重量平均分子量が80万、活性官能基含有
量が0.20ミリ当量/g、水酸基価が90mgKOH
/gであるアクリル酸2−エチルヘキシルを主成分とす
るアクリル系粘着高分子量体の30重量%酢酸エチル溶
液100部に、ポリイソシアネート系熱架橋剤L−45
(綜研化学社製)0.2部及び発泡剤粒子2,2’−ア
ゾビスイソブチロニトリル3部を添加し、十分に混合
し、発泡剤粒子を含む粘着剤を得た。
【0070】また、発泡剤粒子を含まない粘着剤とし
て、汎用のアクリル系粘着剤であるB500S(綜研化
学社製、固形分45重量%)溶液100部に、エポキシ
系熱架橋剤E−AX(綜研化学社製)0.35部を添加
した粘着剤を作製した。
【0071】この発泡剤粒子を含まない粘着剤を100
μm厚の不織布基材上にコンマコーターにより塗工し、
120℃/3分間で加熱乾燥し、30μm厚の第1の粘
着剤下層を得た。その上に、上記した発泡剤粒子を含む
粘着剤をコンマコーター塗工し、50μm厚の第1の粘
着剤上層を得た。このようにして、2層構造からなる加
熱剥離型粘着テープ・シートを得た。
【0072】続いて、上記不織布基材のもう1つの面
に、同様にして、上記した発泡剤粒子を含まない粘着剤
層を30μm厚に塗工し、第2の粘着剤下層を形成し、
その上に発泡剤粒子を含む粘着剤を50μm厚に塗工
し、第2の粘着剤上層を形成し、2層構造の粘着剤層を
得た。このようにして、100μm厚の不織布基材の両
側に80μm厚の2層構造から成る粘着剤層を形成した
260μm厚の加熱剥離型両面粘着テープ・シートを得
た。なお、この加熱剥離型粘着テープ・シートを室温で
1週間放置し、エージングさせた。
【0073】この加熱剥離型両面粘着テープ・シートの
ステンレス板に対する初期粘着力(180°ピール力)
は、両面とも2.8N/10mmであり、40℃/24
時間放置(荷重:1kg)保持力試験において、ずれや
落下は認められず、良好な粘着特性を示した。なお、こ
の加熱剥離型粘着テープ・シートのボールタック(角
度:30°)は3以下であった。
【0074】この加熱剥離型両面粘着テープ・シートを
用いて、ステンレス製加工盤とガラス板とを貼り合わせ
た。その後、貼り合わせたステンレス製加工盤とガラス
板を120℃で60秒間、熱板で加熱したところ、上記
加熱剥離型両面粘着テープ・シートは、ガラス板及びス
テンレス製加工盤より容易に剥離することができた。な
お、ガラス板及びステンレス製加工盤に対する加熱後の
粘着力は、それぞれ、0.12N/25mm、0.14
N/25mmであり、初期に比べて1/10以下に低下
していることを確認した。
【0075】また、剥離後の被着体表面をデジタルマイ
クロスコープVH−6200(キーエンス社製)により
観察したところ、被着体面には粘着剤残りが認められ
ず、優れた加熱剥離性を示していることを確認した。
【0076】以上のように、本発明の加熱剥離型両面粘
着テープ・シートは、良好な初期粘着特性と加熱後の易
剥離性を兼ね備えており、加熱剥離型粘着テープ・シー
トとしての機能を兼ね備えていることを確認した。 [実施例5〜13]実施例1〜4の場合と同様にして、
表1に示すような組成、作製条件で加熱剥離型粘着テー
プ・シートを作製した。なお、表1において、熱架橋剤
は、すべてL−45(綜研化学社製)0.3部(溶剤を
含まない、活性官能基を有するアクリル系粘着高分子量
体100部に対して)を添加した。また、粘着力等を測
定する前に、この加熱剥離型粘着テープ・シートを室温
で1週間放置し、エージングさせた。
【0077】これらの加熱剥離型粘着テープ・シートの
ステンレス板に対する初期粘着力(180°ピール力)
及び120℃で60秒間、熱板で加熱後の粘着力と被着
体に対する粘着剤残りの観察結果を表2に示す。表から
分かるように、いずれの粘着テープも良好な初期粘着特
性と加熱後の易剥離性を示し、加熱剥離型粘着テープ・
シートとしての機能を兼ね備えていることを確認した。
また、加熱剥離型粘着テープ・シートを作製する際の塗
工性などの量産性も良好であった。
【0078】
【表1】
【0079】
【表2】 [比較例1]重量平均分子量が70万、水酸基価が50m
gKOH/gである、活性官能基を含有しないアクリル
酸2−エチルヘキシルを主成分とするアクリル系粘着高
分子量体の30重量%酢酸エチル溶液100部に、ポリ
イソシアネート系熱架橋剤0.2部及び及び発泡剤粒子
1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエ
タン)2部を添加し、十分に混合し、粘着剤を得た。
【0080】この粘着剤をコロナ剥離処理された50μ
m厚のポリエステルフィルム上に、コンマコーターによ
り塗工し、80℃/10分間で加熱乾燥し、100μm
厚の加熱剥離型粘着テープ・シートを得た。
【0081】この加熱剥離型粘着テープ・シートのステ
ンレス板に対する初期粘着力(180°ピール力)は、
4.0N/10mmであったが、40℃における保持力
試験(荷重:1kg)において、1時間以内に落下し
た。また、120℃で60秒間、熱板で加熱後のステン
レス板に対する粘着力(180°ピール力)は、2.0
N/10mmで、粘着力の低下は大きくなく、また、剥
離後の被着体面に粘着剤残りが認められ、実用に供し得
ないものであることが分かった。
【0082】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明は、活性
官能基を有するアクリル系粘着高分子量体及び熱架橋剤
を主成分とする粘着剤に、発泡剤粒子を分散させた粘着
剤を用いて作製した加熱剥離型粘着テープ・シートにお
いて、上記活性官能基を有するアクリル系粘着高分子量
体がラジカル活性種と反応して架橋する官能基を有する
アクリル系粘着高分子量体であり、かつ、発泡剤粒子が
加熱により窒素ガスを放出すると同時にラジカル活性種
を発生する化合物であるため、粘着力、保持力等の初期
粘着特性が良好で、かつ、加熱後に簡単に被着体より剥
離できる加熱剥離型粘着テープ・シートを得ることがで
きる。
【0083】また、本発明の加熱剥離型粘着テープ・シ
ートは、活性官能基を有するアクリル系粘着高分子量体
の重量平均分子量が10万〜200万であり、活性官能
基の含有量が0.01〜2.0ミリ当量/gであり、か
つ、水酸基価が10〜100mgKOH/gであるた
め、粘着力、保持力等の初期粘着特性が良好で、かつ、
上記加熱剥離型粘着テープ・シートを量産的に製造する
ことが可能である。
【0084】また、本発明の加熱剥離型粘着テープ・シ
ートは、基材の片面又は両面に、発泡剤粒子を含まない
アクリル系粘着剤を用いた粘着剤下層と、上記発泡剤粒
子を含む粘着剤を用いた粘着剤上層とからなる2層構造
の粘着剤層であるため、優れた初期粘着特性と、加熱時
の易剥離性を示す。
【0085】加熱剥離型粘着テープ・シートの製造方法
において、基材の片面又は両面に上記発泡剤粒子を含む
粘着剤を塗工、乾燥し、粘着剤層を5〜500μm厚に
形成するため、粘着力、保持力等の初期粘着特性が良好
で、かつ、加熱後に簡単に被着体より剥離できる加熱剥
離型粘着テープ・シートを量産的に製造することが可能
である。
【0086】加熱剥離型粘着テープ・シートの製造方法
において、基材の片面又は両面に発泡剤粒子を含まない
粘着剤を塗工、乾燥し、粘着剤下層を5〜200μm厚
に形成し、その上に上記発泡剤粒子を含む粘着剤を塗
工、乾燥し、粘着剤上層を5〜500μm厚に形成する
ため、粘着力、保持力等の初期粘着特性が良好で、か
つ、加熱後に簡単に被着体より剥離できる加熱剥離型粘
着テープ・シートを量産的に製造することが可能であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 名手 和男 神奈川県川崎市多摩区登戸3819番地 株式 会社スリオンテック内 Fターム(参考) 4J004 AA10 AA17 AB01 AB05 AC03 CA06 CA08 CB01 CB02 CB04 CE01 FA05 GA01 4J040 EC002 EF181 EF281 FA231 GA05 GA07 GA19 HB05 HC14 HC15 HC17 HC18 HD13 HD41 JA02 JA09 JB09 KA16 KA23 KA37 LA01 LA06 PA42

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材の片面又は両面に、活性官能基を有す
    るアクリル系粘着高分子量体と、熱架橋剤と、有機溶剤
    と、発泡剤粒子とを主成分とする粘着剤を用いて粘着剤
    層を形成した加熱剥離型粘着テープ・シートにおいて、
    上記活性官能基を有するアクリル系粘着高分子量体がラ
    ジカル活性種と反応して架橋する官能基を有するアクリ
    ル系粘着高分子量体であり、かつ、上記発泡剤粒子が加
    熱により窒素ガスを放出すると同時にラジカル活性種を
    発生する化合物であることを特徴とする加熱剥離型粘着
    テープ・シート。
  2. 【請求項2】請求項1記載の加熱剥離型粘着テープ・シ
    ートにおいて、活性官能基を有するアクリル系粘着高分
    子量体の重量平均分子量が10万〜200万であり、活
    性官能基の含有量が0.01〜2.0ミリ当量/gであ
    り、かつ、水酸基価が10〜100mgKOH/gであ
    ることを特徴とする加熱剥離型粘着テープ・シート。
  3. 【請求項3】基材の片面又は両面に、発泡剤粒子を含ま
    ないアクリル系粘着剤を用いて粘着剤下層を形成し、そ
    の上に請求項1記載の発泡剤粒子を含む粘着剤を用いて
    粘着剤上層を形成し、2層構造の粘着剤層としたことを
    特徴とする加熱剥離型粘着テープ・シート。
  4. 【請求項4】基材の片面又は両面に請求項1記載の発泡
    剤粒子を含む粘着剤を塗工、乾燥し、粘着剤層を5〜5
    00μm厚に形成したことを特徴とする加熱剥離型粘着
    テープ・シートの製造方法。
  5. 【請求項5】基材の片面又は両面に発泡剤粒子を含まな
    い粘着剤を塗工、乾燥し、粘着剤下層を5〜200μm
    厚に形成し、その上に請求項1記載の発泡剤粒子を含む
    粘着剤を塗工、乾燥し、粘着剤上層を5〜500μm厚
    に形成したことを特徴とする加熱剥離型粘着テープ・シ
    ートの製造方法。
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