JP2002080305A - 農薬粒子とその製造方法、及び被覆農薬粒剤 - Google Patents

農薬粒子とその製造方法、及び被覆農薬粒剤

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JP2002080305A
JP2002080305A JP2000270048A JP2000270048A JP2002080305A JP 2002080305 A JP2002080305 A JP 2002080305A JP 2000270048 A JP2000270048 A JP 2000270048A JP 2000270048 A JP2000270048 A JP 2000270048A JP 2002080305 A JP2002080305 A JP 2002080305A
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particles according
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JP2000270048A
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Junichi Sato
淳一 佐藤
Shigetoshi Kimoto
成年 木元
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JNC Corp
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Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】粉化や崩壊が発生しにくい農薬粒子、および被
覆操作に起因する放出機能の低下が少ない被覆農薬粒剤
の提供。 【解決手段】農薬成分、高吸水性樹脂、および結合材と
を含有する農薬粒子の下記計算式より求められる円形度
係数を0.7以上とする。該農薬粒子の表面を被膜材料
で被覆する。 円形度係数=(4π×粒子の投影面積)/(粒子投影図の
輪郭の長さ)2

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は農薬粒子とその製造
方法、及び被覆農薬粒剤に関する。
【0002】
【従来の技術】高吸水性樹脂を含有する農薬粒子の造粒
は、通常、原料粉体を容器中または振動面上で転がして
球形粒子の状態に凝集させる転動造粒法、流動している
シード粉末に結合剤溶液を噴霧接触させることで粒子間
に液体架橋による形成凝集を起こさせて造粒乾燥する流
動層造粒法、更には、粉体に水(液)を加えて混練した後
これをスクリュー、ローラーなどにより圧力をかけ、ス
クリーンあるいはダイから押し出す押出し造粒法などに
より行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述の転動造粒法、流
動層造粒のいずれの造粒法も球形造粒に適した造粒法で
はあるが、それらの方法によって得られた農薬粒子の密
度は低く、製造から農家に於ける散布までの間、保管、
輸送、散布の各段階で受ける外力の程度によっては、粒
子の粉化や崩壊が発生する場合があった。
【0004】前述の押出し造粒法であれば密度の高い硬
い農薬粒子が得られるが、該農薬粒子の形状は円筒形な
いし直方体であり、やはり製造から農家に於ける散布ま
での間、保管、輸送、散布の各段階で受ける外力の程度
によっては、粒子の粉化や崩壊が発生する場合があっ
た。また、該農薬粒子に球形化処理を施した場合であっ
ても前述の各段階で受ける外力の程度によっては、該農
薬粒子の粉化や崩壊が発生する場合があった。
【0005】一方、転動、流動、若しくは噴流状態にあ
る農薬粒子の表面に、被膜材料を塗布し被膜を形成させ
ることによって得られる被覆農薬粒剤の被被覆物とし
て、高吸水性樹脂を含有する農薬粒子を用いる場合に
は、被膜形成時該農薬粒子に加わる外力が大きいことか
ら、被覆操作時に該農薬粒子の粉化や崩壊がおこりやす
かった。その際に発生する該農薬粒子の粉化物や崩壊物
の被覆農薬粒剤被膜への混入は、該被覆農薬粒剤の放出
機能低下の原因となる場合があった。
【0006】
【課題を解決するための手段】前述の従来技術の問題点
に鑑み本発明者らは鋭意研究を重ねた。その結果、農薬
成分、高級水性樹脂、および結合材とを含有し、下記計
算式より求められる円形度係数が0.7以上である農薬
粒子であれば、該農薬粒子の粉化や崩壊が発生しにくい
こと、更に本発明の農薬粒子の表面を被膜材料で被覆し
た被覆農薬粒剤であれば、被覆操作に起因する放出機能
の低下が少ないを見出し、この知見に基づいて本発明を
完成させた。 円形度係数=(4π×粒子の投影面積)/(粒子投影図の
輪郭の長さ)2
【0007】本発明は下記の(1)〜(17)で構成さ
れる。 (1)農薬成分、高吸水性樹脂、および結合材とを含有
し、下記計算式より求められる円形度係数が0.7以上
である農薬粒子。 円形度係数=(4π×粒子の投影面積)/(粒子投影図の
輪郭の長さ)2
【0008】(2)高吸水性樹脂が架橋ポリアクリル酸
ソーダ、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体架橋
物、澱粉−アクリル酸グラフト重合体、ポリビニルアル
コール架橋重合体、およびポリアルキレンオキサイド系
ノニオン型吸水性樹脂から選ばれた1種以上である前記
第1項記載の農薬粒子。
【0009】(3)結合材がスターチ、タピオカ、グル
コース、ショ糖、デキストリンおよび糖蜜から選ばれた
1種以上である前記第1項記載の農薬粒子。
【0010】(4)結合材がデキストリンである前記第
1項記載の農薬粒子。
【0011】(5)円形度係数が0.85以上である前
記第1項記載の農薬粒子。
【0012】(6)円形度係数が0.9以上である前記
第1項記載の農薬粒子。
【0013】(7)高吸水性樹脂の含有割合が農薬粒子
に対して1〜10重量%の範囲である前記第1項記載の
農薬粒子。
【0014】(8)さらに微粉末担体を含有する前記第
1項〜第7項の何れか1項記載の農薬粒子。
【0015】(9)微粉末担体がクレー、カオリン、ベ
ントナイトおよびタルクから選ばれた1種以上である前
記第8項記載の農薬粒子。
【0016】(10)前記第1項〜第9項の何れか1項
記載の農薬粒子の表面が被膜材料で被覆された被覆農薬
粒剤。
【0017】(11)下記第1〜第3工程を有する農薬
粒子の製造方法。 第1工程:農薬成分、高吸水性樹脂、結合材を含有する
原料組成物と水とを混合する工程。 第2工程:第1工程で得られた原料組成物の混合物を押
出成形することにより成型粒子を得る造粒工程。 第3工程:第2工程で得られた成型粒子を、下記計算式
より求めた円形度係数が0.7以上となるように球形化
処理を行う工程。 円形度係数=(4π×粒子の投影面積)/(粒子投影図の
輪郭の長さ)2
【0018】(12)高吸水性樹脂が、架橋ポリアクリ
ル酸ソーダ、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体架
橋物、澱粉−アクリル酸グラフト重合体、ポリビニルア
ルコール架橋重合体、ポリアルキレンオキサイド系ノニ
オン型吸水性樹脂から選ばれた1種以上である前記第1
1項記載の農薬粒子の製造方法。
【0019】(13)結合材がスターチ、タピオカ、グ
ルコース、ショ糖、デキストリンおよび糖蜜から選ばれ
た1種以上である前記第11項に記載の農薬粒子の製造
方法。
【0020】(14)円形度係数が0.85以上である
前記第11項記載の農薬粒子の製造方法。
【0021】(15)円形度係数が0.9以上である前
記第11項記載の農薬粒子の製造方法。
【0022】(16)高吸水性樹脂の含有割合が農薬粒
子に対して1〜10重量%の範囲である前記第11項記
載の農薬粒子の製造方法。
【0023】(17)球形化処理が回転板型整粒機を用
いる球形化処理である前記第11項記載の農薬粒子の製
造方法。
【0024】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する本発
明においては農薬成分として、殺虫剤、殺菌剤、除草
剤、植物成長調整剤、殺ダニ剤、殺線虫剤、忌避剤、お
よび誘引剤から選ばれた1種以上を使用することができ
る。また、本発明の農薬粒子に含まれる農薬成分の含有
割合は、該農薬粒子に対し0.5〜30重量%の範囲で
あることが好ましい。
【0025】殺虫剤として具体的には、(E)−N1
〔(6−クロロ−3−ピリジル)メチル〕−N2−シア
ノ−N1−メチルアセトアミジン(一般名:アセタミプ
リド)、1−(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N
−ニトロイミダゾリジン−2−イリデンアミン(一般
名:イミダクロプリド)、O,O−ジエチル−S−2−
(エチルチオ)エチルホスホロジチオエート(一般名:
エチルチオメトン)、2,3−ジヒドロ−2,2−ジメ
チル−7−ベンゾ〔b〕フラニル=N−ジブチルアミノ
チオ−N−メチルカルバマート(一般名:カルボスルフ
ァン)、(E)−N−(6−クロロ−3−ピリジルメチ
ル)−N−エチル−N´−メチル−2−ニトロビニリデ
ンジアミン(一般名:ニテンピラム)、
【0026】(±)−5−アミノ−(2,6−ジクロロ
−α,α,α−トリフルオロ−p−トルイル)−4−ト
リフルオロメチルスルフィニルピラゾール−3−カルボ
ニトリル(一般名:フィプロニル)、ブチル=2,3−
ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イル=
N,N´−ジメチル− N,N´−チオジカルバマート
(一般名:フラチオカルブ)、エチル=N−〔2,3−
ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−7−イルオ
キシカルボニル(メチル)アミノチオ〕−N−イソプロ
ピル−β−アラニナート(一般名:ベンフラカルブ)、
および1−ナフチル−N−メチルカーバメート(一般
名:NAC)などを挙げることができる。
【0027】殺菌剤としては(1RS,3SR)−2,
2−ジクロロ−N−[1−(4−クロロフェニル)エチ
ル]−1−エチル−3−メチルシクロプロパンカルボキ
サミド(一般名:カルプロパミド)、5−メチル−1,
2,4−トリアゾロ〔3,4−b〕ベンゾチアゾール
(一般名:トリシクラゾール)、1,2,5,6−テト
ラヒドロピロロ〔3,2,1−ij〕キノリン−4−オ
ン(一般名:ピロキロン)、(RS)−5−クロロ−N
−(1,3−ジヒドロ−1,1,3−トリメチルイソベ
ンゾフラン−4−イル)−1,3−ジメチルピラゾール
−4−カルボキサミド(一般名:フラメトピル)、およ
び3−アリルオキシ−1,2−ベンゾイソチアゾール−
1,1−ジオキシド(一般名:プロベナゾール)などを
挙げることができる。
【0028】除草剤としては2−クロロ−4−エチルア
ミノ−6−イソプロピルアミノ−s−トリアジン(一般
名:アトラジン)、1−(2−クロロイミダゾ[1,2
−a]ピリジン−3−イルスルホニル)−3−(4,6
−ジメトキシピリミジン−2−イル尿素(一般名:イマ
ゾスルフロン)、S−ベンジル=1,2−ジメチルプロ
ピル(エチル)チオカルバマート(一般名:エスプロカ
ルブ)、エチル=(RS)−2−[4−(6−クロロキ
ノキサリン−2−イルオキシ)フェノキシ]プロピオナ
ート(一般名:キザロホップブチル)、ブチル=(R)
−2−[4−(4−シアノ−2−フルオノフェノキシ)
フェノキシ]プロピオナート(一般名:シハロホップブ
チル)、
【0029】2−メチルチオ−4−エチルアミノ−6−
(1,2−ジメチルプロピルアミノ)−s−トリアジン
(一般名:ジメタメトリン)、2−メチルチオ−4,6
−ビス(エチルアミノ)−s−トリアジン(一般名:シ
メトリン)、1−(α,α−ジメチルベンジル)−3−
(パラトリル)尿素(一般名:ダイムロン)、2−クロ
ロ−N−(3−メトキシ−2−テニル)−2´,6´−
ジメチルアセトアニリド(一般名:テニルクロール)、
α−(2−ナフトキシ)プロピオンアニリド(一般名:
ナプロアニリド)、メチル=3−クロロ−5−(4,6
−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイルスルフ
ァモイル)−1−メチルピラゾール−4−カルボキシラ
ート(一般名:ハロスルフロンメチル)、
【0030】エチル=5−(4,6−ジメトキシピリミ
ジン−2−イルカルバモイルスルファモイル)−1−メ
チルピラゾール−4−カルボキシラート(一般名:ピラ
ゾスルフロンエチル)、S−(4−クロロベンジル)−
N,N−ジエチルチオカーバメート(一般名:ベンチチ
オカーブ)、メチル=α−(4,6−ジメトキシピリミ
ジン−2−イルカルバモイルスルファモイル)−ο−ト
ルアート(一般名:ベンスルフロンメチル)、2−ベン
ゾチアゾール−2−イルオキシ−N−メチルアセトアニ
リド(一般名:メフェナセット)等を挙げることができ
る。
【0031】本発明において高吸水性樹脂とは水を吸収
して膨潤する樹脂のことである。本発明に使用する高吸
水性樹脂の膨潤力は特に限定されるものではないが、8
ml〜30mlの範囲であることが好ましい。本発明に
おいて使用する高吸水性樹脂の膨潤力が前述の範囲であ
れば、該樹脂を含有した被覆農薬粒剤からの農薬活性成
分の放出が制御しやすい。
【0032】本発明に使用する高吸水性樹脂として具体
的には、澱粉−アクリル酸グラフト重合体、澱粉−アク
リルニトリルグラフト重合体加水分解物、澱粉−スチレ
ンスルホン酸グラフト重合体、澱粉−ビニルスルホン酸
グラフト重合体、および澱粉−アクリルアミドグラフト
重合体などが挙げられる。セルロース誘導体としては、
セルロース−アクリロニトリルグラフト重合体、セルロ
ース−スチレンスルホン酸グラフト重合体、カルボキシ
メチルセルロースの架橋体、
【0033】ヒアルロン酸、アガロース、コラーゲン、
ポリビニルアルコール架橋重合体、ポリビニルアルコー
ル吸水ゲル凍結・解凍エラストマー、ポリアクリル酸ナ
トリウム架橋体、アクリル酸ナトリウム−ビニルアルコ
ール共重合体、ポリアクリルニトリル系重合体ケン化
物、ヒドロキシエチルメタクリレートポリマー、無水マ
レイン酸系(共)重合体、ビニルピロリドン系(共)重合
体、ポリエチレングリコール・ジアクリレート架橋重合
体、エステル系ポリマー、アミド系ポリマー、およびポ
リアルキレンオキサイド系のノニオン型高吸水性樹脂な
どを挙げることができる。
【0034】その中でも、架橋ポリアクリル酸ソーダ
(アクアキープ(住友精化製、商品名)など)、イソブ
チレン−無水マレイン酸共重合体架橋物(KIゲル 2
01K(クラレ製、商品名)など)、澱粉−アクリル酸
グラフト重合体(サンフレッシュ100MPS(三洋化
成製)など)、アクアリザーブ GP(日本合成化学
製)などポリビニルアルコール架橋重合体(アクアリザ
ーブ GP(日本合成化学製、商品名)など)、ポリア
ルキレンオキサイド系ノニオン型吸水性樹脂(アクアコ
ーク(住友精化製)など)などは本発明において特に好
ましく用いることができる。
【0035】これらの高吸水性樹脂は、人体や植物に無
害で肥料や農薬に対して安定であるため、土壌の保水性
や透水性を向上させる土壌改良効果が期待できる。また
該樹脂のpHは中性付近であり、pH依存性を有する農
薬に対しても影響を与えることなく薬効を発揮させるこ
とができる。
【0036】本発明の農薬粒子における高吸水性樹脂の
含有割合は、特に限定されるものではないが、農薬粒子
に対して1〜10重量%の範囲であることが好ましい。
該含有割合が10重量%を越える場合には、該農薬粒子
製造時の歩留まりが下がる傾向にあり、該含有割合が1
重量%を下回る場合には、かかる農薬粒子を土壌若しく
は水中に施用した場合に、農薬成分の拡散が不十分とな
る可能性がある。また、該農薬粒子を被覆農薬粒剤の被
被覆物として使用した場合には、被膜を崩壊させるだけ
の膨潤力が得られない場合がある。更に、該含有割合は
2〜8重量%の範囲であることが好ましい。
【0037】本発明においては、母体型結合材(mat
rix type binder)、被膜型結合材(fi
lm type binder)、および化学反応型結合
材(chemical binder)の何れの結合材
であっても使用することができる。母体型結合材として
は、コールタールピッチ、石油アスファルト、ポルトラ
ンドセメント、パラフィン、カルナバワックス、砂糖、
木タール、ギルソナイト、クレーなどが挙げられる。
【0038】被膜型結合材としては、水、ケイ酸ソー
ダ、プラスチックレジン、ゼラチン、スターチ、ガム、
ベントナイト、タピオカ、グルコース、ショ糖、デキス
トリン、リグニンスルホン酸塩、糖蜜、アルギン酸塩な
どが挙げられる。また、化学反応型結合材としては、C
a(OH)2 +CO2、Ca(OH)2 +糖蜜、MgO
+Fe34、MgO+MgCl2、ケイ酸ソーダ+Ca
Cl2、ケイ酸ソーダ+CO 2などが挙げられる。
【0039】上記結合材の中でも、スターチ、タピオ
カ、グルコース、ショ糖、デキストリン、および糖蜜は
本発明において好ましい結合材であり、その中でもデキ
ストリンは特に好ましい結合材である。また、本発明に
おける結合材の含有割合は、農薬粒子に対して0.1〜
10重量%の範囲であることが好ましく、より好ましく
は0.5〜5重量%の範囲である。
【0040】本発明に使用することができる微粉末担体
は、平均粒径が100μm以下、好ましくは30μm以
下のものであれば特に限定されるものではなく、無機物
質担体、有機物質担体のいずれであっても使用すること
ができる。無機物質担体としては、クレー、カオリン、
ベントナイト、セリサイト、タルク、酸性白土、軽石、
珪砂、珪石、炭酸カルシウム、ゼオライト、パーライ
ト、およびバーミキュライト等の鉱物質担体などを挙げ
ることができる。
【0041】有機物質担体としては、モミガラ、オガク
ズ、木質粉、パルプフロック、大豆粉、トウモロコシ
茎、および澱粉等の植物性担体等を挙げることができ
る。本発明においては無機物質担体を用いるのが好まし
い。前述の微粉末担体のうち本発明においては、クレ
ー、カオリン、ベントナイト、タルクが特に好ましく使
用することができる。本発明の農薬粒子における微粉末
担体の含有割合は、該農薬粒子に対して10〜80重量
%の範囲であることが好ましい。
【0042】更に、本発明においては、本発明の効果を
損なわない範囲で、農薬粒子に界面活性剤や安定化剤を
添加してもよい。界面活性剤としては、例えば、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンア
ルキルフェノールホルマリン縮合物、ポリオキシエチレ
ングリセリルモノ脂肪酸エステル、およびポリオキシエ
チレンアルキルアミン等のノニオン界面活性剤、ドデシ
ルアミン塩酸塩などのアルキルアミン塩酸塩、およびド
デシルトリメチルアンモニウム塩等のカチオン性界面活
性剤、
【0043】パルミチン酸ナトリウムなどの脂肪酸ナト
リウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテルカルボン
酸ナトリウムなどのエーテルカルボン酸ナトリウム、高
級アルキルスルホン酸塩、ラウリン酸エステルスルホン
酸塩などの高級脂肪酸エステルスルホン酸塩等のアニオ
ン性界面活性剤、N−ラウリルアラニン、N,N,N―
トリメチルアミノプロピオン酸、N,N,N−トリヒド
ロキシエチルアミノプロピオン酸、およびレシチン等の
両性界面活性剤などが挙げられる。農薬粒子への界面活
性剤の添加割合は、農薬粒子に対して0.1〜50重量
%の範囲であることが好ましく、より好ましくは0.1
〜10重量%の範囲である。
【0044】安定化剤としては、エポキシ化アマニ油、
エポキシ化大豆油などのエポキシ化植物油、リン酸、イ
ソプルピルアシッドホスフェート、およびエチレングリ
コールなどが挙げられる。農薬粒子への安定化剤の添加
割合は、農薬粒子に対して0.01〜30重量%の範囲
であることが好ましく、より好ましくは0.01〜20
重量%の範囲である。
【0045】本発明の農薬粒子および本発明の製造方法
によって得られる農薬粒子は、先に示した計算式により
求めた円形度係数が0.7以上のものであり、好ましく
は0.85以上であり、より好ましくは0.9以上であ
る。円形度係数とは、粒子の円形度合いを知るための尺
度であり、粒子が完全な真円の場合1となる。粒子形状
が真円から崩れるに従って円形度係数が小さくなる。該
円形度係数は、ピアス−IV(PIAS−IV、株式会
社ピアス製)等の市販の測定機器を用いることにより測
定することができる。
【0046】該円形度係数が0.7以上である場合に
は、農薬粒子が粉化や崩壊しにくい。該円形度係数が
0.7以上である農薬粒子を被被覆物として被覆農薬粒
剤に使用した場合には、放出期間の長い被覆農薬粒剤を
得ることが容易であり、特に後述の時限放出型被覆農薬
粒剤に使用した場合には、放出抑制期間における農薬成
分の洩れを良好に抑えることが容易である。
【0047】本発明の農薬粒子および本発明の製造方法
によって得られる農薬粒子の粒径は、篩いを用いること
により任意の粒径を選択することができる。該粒径は特
に限定されるものではないが、好ましくは0.3〜10
mmの範囲であり、より好ましくは0.5〜5mmの範
囲であり、特に好ましくは0.5〜3.0mmの範囲で
ある。本発明の農薬粒子を被被覆物として被覆農薬粒剤
に使用した場合においては、該粒径が0.3mm未満の
場合においては被膜材料を被覆することが困難になる場
合がある。
【0048】本発明の農薬粒子および本発明の製造方法
によって得られる農薬粒子の硬度は、該粒子の粉化や崩
壊を抑えるに十分な硬度であれば特に限定されるもので
はないが、以下に述べる硬度測定法で求めた硬度が3%
未満のものであることが好ましい。 <硬度測定法>ボールミル用磁性ポット(内径100×
内深100mm)に農薬粒子100gおよび磁性玉(直
径30mm、重量35g)を3個入れ、該ポットの蓋を
閉め、1分間に75回転の速度で15分間該ポットを回
転させた後、該ポット内の農薬粒子を取り出し標準篩5
00μmで篩い、通過した微粉生成量(A)を秤る。下
記式によって崩壊率を求め硬度とする。 崩壊率(%)=A(g)/100(g)×100
【0049】本発明の農薬粒子の造粒工程での造粒方法
は特に限定されるものではない。造粒方法として具体的
には、押出し造粒法、コーティング法、流動層造粒法、
噴霧乾燥造粒法、転動造粒法、圧縮造粒法、攪拌造粒法
などの方法挙げることができる。本発明の農薬粒子の造
粒方法は押出し造粒法であることが好ましい。
【0050】一般に押出造粒法は、粉体に液体(水な
ど)を加えて混練した後、これにスクリュー、ローラー
などにより圧力をかけ、スクリーンあるいはダイから押
出して所定長にカットして粒状化する方法であり、ソー
メン状に押し出された原料混練物は、練りこみ式で強い
圧力がかかるため密度が高いことから、該造粒方法は身
のしまった硬い粒の製造に適している。また、粒径もス
クリーンやダイの孔径を任意に選択することで、0.3
mm以上の粒子を得ることができ、粒度分布幅も狭いもの
が得られる。
【0051】本発明の農薬粒子の製造方法は、下記第1
〜第3工程を有する製造方法である。 第1工程:農薬成分、高吸水性樹脂、および結合材を含
有する原料組成物と水とを混合する工程。 第2工程:第1工程で得られた原料組成物の混合物を押
出成形することにより成型粒子を得る造粒工程。 第3工程:第2工程で得られた成型粒子を、下記計算式
より求めた円形度係数が0.7以上となるように球形化
処理を行う工程。 円形度係数=(4π×粒子の投影面積)/(粒子投影図の
輪郭の長さ)2
【0052】第1工程に於ける該原料組成物への水の添
加割合は、該原料組成物に対し10〜30重量%の範囲
であることが好ましく、より好ましくは10〜25重量
%の範囲である。該添加割合が30重量%を越える場合
には、第2工程において押出成形される粒子に過剰の粘
りが生じ、長いソーメン状の成形粒子が得られるため、
第3工程の球形化処理において不都合が生じる場合があ
る。10重量%未満では、第1工程に於ける混合物の粘
り、滑性が不十分となり造粒機械負荷が上がり、生産性
が悪くなる場合がある。なお、該原料組成物に界面活性
剤、および安定化剤などを添加する場合には、それらを
予め水に溶解若しくは分散させた混合液を用いることが
好ましい。該原料組成物への水の添加は、滴下、噴霧な
どの方法で行えばよい。
【0053】第1工程に於ける混合は、何れの方法で行
っても構わない。具体的には、垂直軸回転型混合機、水
平軸回転型混合機、ホイール型混合機などの容器固定型
混合機や容器回転型混合機などを用いて混合することが
好ましい。
【0054】第2工程に於ける押出し成形は、スクリュ
ー前押形、スクリュー横押形、ラム形、バスケット形、
ディスク形、ギヤ形、オシレーティング形などの押出造
粒機を用いて行うことが好ましい。その中でも特に、練
りこみ効果が高く、混練物に高い圧力をかけることがで
きるスクリュー横押出式造粒機、およびスクリュー前押
出式造粒機を用いることが好ましい。
【0055】前述の押出造粒機を用いて成形粒子を得る
際、使用するダイやスクリーンの孔径は、0.3〜30
mmの範囲で任意に選択することができ、本発明におい
ては孔径が0.5〜5.0mmの範囲のものが好ましく
用いられる。このようにスクリーンやダイの孔径をニー
ズに合わせて選択することで、均一な粒径の成形粒子を
得ることができる。
【0056】第3工程に於ける球形化処理とは、第2工
程で得られた成形粒子の円形度係数を0.7以上とする
処理方法であれば特に限定されるものではないが、具体
的には、マルメライザー QJ‐400(不二パウダル
製、商品名)などの回転板型整粒機などの整粒機を用い
た整粒処理を挙げることができる。該整粒機を用いて、
第2工程で得られた円柱状の成形粒子を整粒すれば、該
整粒機の破断、転動作用で、円形度係数が0.7以上の
農薬粒子を容易に得ることができる。該整粒機の回転板
の回転数は、球状化の度合いによって300〜1200
rpmの範囲で任意に選択することができる。該整粒機
の回転板は所望の粒径に応じて任意に選択すればよい。
【0057】更に本発明の農薬粒子の製造方法において
は、得られた農薬粒子に、乾燥、篩別処理を施すことが
好ましい。該乾燥方法としては特に限定されるものでは
ないが、温熱風など通風によるものが最も容易である。
用いられる乾燥機としては、例えば流動乾燥機や静置式
乾燥機などを挙げることができる。篩別処理に使用する
篩別機としては、例えばリプルフロー型スクリーンや円
型振動篩などの振動篩、スケヤーシフターやジャイロト
リーシフターなどの面内運動篩などが挙げられる。
【0058】本発明の被覆農薬粒剤に使用する被膜材料
としては、樹脂を含有するものや硫黄などの無機物質を
含有するものを挙げることができる。樹脂を含有する被
膜材料において、樹脂の含有割合は被膜材料の重量に対
し10〜100重量%の範囲であることが好ましく、よ
り好ましくは、15〜100重量%の範囲である。ま
た、無機物質を含有する被膜材料において、無機物質の
含有割合は被膜材料の重量に対し20〜100重量%の
範囲であることが好ましく、より好ましくは50〜90
重量%の範囲である。
【0059】被膜に使用する樹脂は特に限定されるもの
ではなく、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エマルジョン
等を挙げることができる。熱可塑性樹脂としては具体的
に、オレフィン系重合体、塩化ビニリデン系重合体、ジ
エン系重合体、ワックス類、ポリエステル、石油樹脂、
天然樹脂、油脂およびその変性物、ウレタン樹脂を挙げ
ることができる。
【0060】オレフィン系重合体としては、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、
エチレン−一酸化炭素共重合体、エチレン−ヘキセン共
重合体、エチレン−ブタジエン共重合体、ポリブテン、
ブテン−エチレン共重合体、ポリスチレン、エチレン−
酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−一酸化炭
素共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体等を挙げる
ことができ、塩化ビニリデン系重合体としては、塩化ビ
ニリデン−塩化ビニル共重合体などを挙げることができ
る。
【0061】ジエン系重合体としては、ブタジエン重合
体、イソプレン重合体、クロロプレン重合体、ブタジエ
ン−スチレン共重合体、EPDM重合体、スチレン−イ
ソプレン共重合体などが挙げられる。ワックス類として
は、密ロウ、木ロウ、パラフィン等が例示でき、ポリエ
ステルとしてはポリ乳酸、ポリカプロラクトン等の脂肪
族ポリエステルやポリエチレンテレフタレートなどの芳
香族ポリエステルが例示でき、天然樹脂としては、天然
ゴム、ロジン等が例示でき、油脂及びその変性物として
は、硬化物、固形脂肪酸および金属塩等を挙げることが
できる。
【0062】熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、
フラン樹脂、キシレン・ホルムアルデヒド樹脂、ケトン
ホルムアルデヒド樹脂、アミノ樹脂、アルキド樹脂、不
飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、ケイ素樹脂、ウレタ
ン樹脂、および乾性油などを挙げることができる。
【0063】これらの熱硬化性樹脂は数多くのモノマー
の組み合わせが有るが、本発明においては、モノマーの
種類や組み合わせは限定されるものではない。また、モ
ノマー同士の重合物の他に、2量体あるいはポリマー化
したもの、またはその混合物の重合物であっても良い。
また、種類の異なる複数の樹脂を配合したものであって
も良い。
【0064】フェノール樹脂としては、フェノール、o-
クレゾール、2,4-キシレノールなどのフェノール類から
選ばれた1種以上と、ホルムアルデヒドに代表されるア
ルデヒド類から選ばれた1種以上との縮合反応によって
得られたものを使用することができる。
【0065】フラン樹脂の代表的なものとしてフェノー
ル・フルフラール樹脂、フルフラール・アセトン樹脂、
およびフルフリルアルコール樹脂などを挙げることがで
きる。キシレン・ホルムアルデヒド樹脂は、o-キシレン
およびエチルベンゼンなどのキシレン類から選ばれた1
種以上と、ホルムアルデヒドに代表されるアルデヒド類
から選ばれた1種以上との縮合反応によって得られたも
のを使用することができる。
【0066】ケトンホルムアルデヒド樹脂としては、ア
セトン・ホルムアルデヒド樹脂、シクロヘキサノン・ホ
ルムアルデヒド樹脂、アセトフェノン・ホルムアルデヒ
ド樹脂、および高級脂肪族ケトン・ホルムアルデヒド樹
脂などを挙げることができる。アミノ樹脂としては、尿
素、メラミン、チオ尿素、グアニジン、ジシアンジアミ
ド、グアナミン類、およびアニリンなどのアミノ基含有
モノマーから選ばれた1種以上と、ホルムアルデヒドと
の縮合反応によって得られたものを挙げることができ
る。
【0067】アルキド樹脂は非転化型、転化型のどちら
でもよく、グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、
マンニトール、およびトリメチロールプロパンなどの多
価アルコールから選ばれた1種以上と、無水フタル酸、
イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、クエン酸、酒石
酸、リンゴ酸、またテルペン油、ロジン、不飽和脂肪酸
とマレイン酸の付加物などの多塩基酸から選ばれた1種
以上とを縮合させて得られたものを挙げることができ
る。
【0068】また、アルキド樹脂を変性させる際に使用
する脂肪油または脂肪酸としては、アマニ油、大豆油、
エゴマ油、魚油、桐油、ヒマワリ油、ヒマシ油、脱水ヒ
マシ油、蒸留脂肪酸、綿実油、ヤシ油、およびそれらの
脂肪酸、またはグリセリンとエステル交換したモノグリ
セリドを挙げることができる。このほかロジン、エステ
ルロジン、コーパル、フェノールレジン等の樹脂変成物
も使用することができる。
【0069】不飽和ポリエステルとしては、無水マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸、無水フタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、テトラ
クロル無水フタル酸などの有機酸から選ばれた1種以上
と、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-
プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、水素
化ビスフェノールAなどのポリオールから選ばれた1種
以上とを縮合反応させて得られたものを挙げることがで
きる。
【0070】更に、該不飽和ポリエステルの硬化促進を
目的として、スチレン、ビニルトルエン、ジアリルフタ
レート、メタクリル酸メチルおよびトリアリルリン酸な
どのビニルモノマーから選ばれた1種以上とを縮合時に
加えて得られたものも使用することができる。
【0071】エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA
型、ノボラック型、ビスフェノールF型、テトラビスフ
ェノールA型、およびジフェノール酸型のエポキシ樹脂
を挙げることができる。
【0072】さらに、ポリエステル樹脂をウレタン化し
たものなど、複合化した樹脂を使用することも可能であ
る。ウレタン樹脂としては、トリレンジイソシアナー
ト、3,3'-ビトリレン-4,4'-ジイソシアナート、ジフェ
ニルメタン-4,4'-ジイソシアナート、ポリメチレンポリ
フェニレンポリイソシアナート、3,3'-ジメチル-ジフェ
ニルメタン-4,4'-ジイソシアナート、メタフェニレンジ
イソシアナート、トリフェニルメタントリイソシアナー
トおよびナフタリン-1,5-ジイソシアナートなどのジイ
ソシアナートから選ばれた1種以上と、ポリオキシプロ
ピレンポリオール、ポリオキシエチレンポリオール、ア
クリロニトリル-プロピレンオキシド重合物、スチレン-
プロピレンオキシド重合物、アジピン酸-ブチレングリ
コール、アジピン酸-トリメチロールプロパン、グリセ
リン、ポリカプロラクトンジオール、ポリカーボネート
ジオールおよびポリアクリラートポリオールなどのポリ
オールから選ばれた1種以上とを、ポリ付加重合させる
ことによって得られたものを挙げることができる。
【0073】長期にわたる徐放機能、更には時限放出型
の徐放機能を達成するためには、農薬粒子の表面を透湿
性の低い樹脂を含有する被膜材料で完全に被覆し、水分
の透過を極僅かに抑えることができる被膜を形成させる
ことが必要である。つまり、ピンホールや亀裂の無い被
膜を形成することが重要である。特に、時限放出型の徐
放機能において、長い放出抑制期間が必要な場合には、
農薬粒子の表面に透湿性の小さな被膜を形成させること
が有効である。透湿性の小さい被膜を農薬粒子表面に被
覆することにより、外部に存在する水分を徐々に時間を
かけて生物活性物質を含有する粒子にまで浸透させるこ
とができる。
【0074】本発明で云うところの時限放出型の徐放機
能とは、具体的には施用後から農薬粒子中の農薬活性成
分が10重量%放出するまでの期間を放出抑制期間と
し、10重量%放出日から90重量%放出日までの期間
を放出期間とした場合、放出抑制期間/放出期間の比率
が0.2以上である放出パターンを意味し、本発明にお
いて好ましくは、0.4〜10の範囲であり、特に好ま
しくは0.5〜5の範囲である。
【0075】そのためには、熱可塑性樹脂を含有する被
膜材料で農薬粒子を被覆することが有効であり、更に、
熱可塑性樹脂としてオレフィン重合体、オレフィン共重
合体、塩化ビニリデン重合体、塩化ビニリデン共重合体
を用いることが有効である。特にポリエチレン、ポリプ
ロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−
一酸化炭素共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、エ
チレン−ブテン共重合体、プロピレン−ブテン共重合体
及びこれらの混合物を最も好ましい被膜材料として挙げ
ることができる。これらの被膜材料を用い、ピンホール
や亀裂のない被膜が形成されれば、水分の透過量は極僅
かとなる。
【0076】本発明に使用する被膜材料は、樹脂の他に
補助成分を含有するものであっても良い。該補助成分と
しては0.1〜100μmの微粉体が好ましく、具体的
にはタルク、雲母等の鉱物質微粉、澱粉等の糖重合体
粉、イオウ、アセチルアセトン鉄、ジブチルジチオカル
バメートニッケル等の金属錯体、前述の高吸水性樹脂等
が挙げられる。該補助成分の被膜への添加により、本発
明の被覆農薬粒剤に、農薬活性成分放出後の被膜の分解
性向上などの機能を付加することができる。
【0077】本発明における被覆農薬粒剤の被膜の厚さ
は、1〜150μmになるように被覆するのが好まし
く、より好ましくは10〜100μmである。
【0078】本発明被覆農薬粒剤の徐放機能は、施用直
後から放出を開始するタイプの放出であってもよいが、
前述の時限放出型の徐放機能を有するのものであれば、
省力栽培、例えば播種と同時に施用することにより農薬
の施用回数を減らすことや、種子の極近傍に施用し、あ
る程度生長し後に必要な量だけ放出させ、発芽障害等の
薬害を発生させることなく、農薬成分の利用効率を向上
させることも可能である。
【0079】時限放出型の徐放機能は、何れの発現機構
によるものであっても構わない。農薬は一般に、肥料に
比べ水に難溶であることから、被被覆物である農薬粒子
に含有された農薬成分を外界へ放出するためには、特開
平6−9303号公報、特開平6−9304号公報、特
開平6−72805号公報、特開平6−80514号公
報、および特開平9−77608号公報等に開示されて
いるように、被膜を破壊ないし溶解させ被膜内部の農薬
粒剤を被膜外部の環境(土壌、水など)に直接曝すこと
により達成されることが好ましい。
【0080】上記従来技術のうち、特開平6−9303
号公報、特開平6−9304号公報、特開平6−728
05号公報、および特開平6−80514号公報に開示
の被覆農薬粒剤は、農薬成分を含有する粒状担体の表面
を、二層からなる被膜で被覆したものであるが、二層被
膜にするための被覆操作の煩雑さや、製造設備にかかる
設備投資等の費用の点などから、被膜は一層であること
が好ましい。
【0081】一層からなる被膜で時限放出型の徐放機能
を達成している被覆農薬粒剤としては、例えば特開平9
−77608号公報に開示のような、少なくとも1種以
上の農薬成分と少なくとも1種以上の水膨潤性物質から
なる農薬粒子の表面に樹脂を主成分とする被膜材料で被
覆した被覆農薬粒剤を挙げることができる。この組成の
被覆農薬粒剤は圃場等に施用後、被膜の透湿性により圃
場に供給された水分が芯材の水膨潤性物質に作用し、農
薬粒子が膨潤を開始する。この水膨潤性物質の膨潤によ
って生じる応力により一定期間経過後被膜が崩壊し、被
膜内部の農薬粒子が被膜外部の環境(土壌、水など)に
直接曝されることになる。
【0082】本発明の被服農薬粒剤における被膜材料の
被覆割合は、放出の制御ができる範囲であれば特に限定
されるものではないが、農薬粒子に対する被膜材料の割
合が0.5〜30重量%範囲であることが好ましい。た
だし被膜材料の量が多すぎると被膜材料の量が増し、更
に相対的に農薬成分の含有率が低くなるためコスト高と
なる。
【0083】本発明の農薬粒子の表面を被膜材料で被覆
する被覆方法は特に限定するものではないが、転動また
は流動状態にある該農薬粒子の表面に、樹脂を含有する
被膜材料を噴霧することにより被膜を形成させる方法で
あることが好ましい。噴霧する被膜材料は溶解若しくは
溶融した液状であることが好ましく、被覆に際し、溶解
液と溶融液の取扱易さ、スプレーし易さを考慮すると有
機溶剤に被膜材料(樹脂)を溶解させた液状であること
が好ましい。
【0084】好ましい一例を挙げるならば、樹脂を含有
する被膜材料を有機溶媒に溶解させた被膜材料溶解液
を、噴流状態にある該農薬粒子に噴霧する一方、高速熱
風流により該農薬粒子表面の溶媒を乾燥除去し、該農薬
粒子の表面に被膜材料を被覆する方法を挙げることがで
きる。
【0085】該被覆方法に使用し得る被覆装置の一例に
ついて添付図面を参照しながら説明する。該農薬粒子の
表面を被覆する方法は、図1に示される噴流層を用いて
行うのが最も好ましい。該被覆方法においては、本発明
にかかわる被膜材料を均一に分散させるため、特に被膜
材料溶解液液の撹拌を強力に行う必要がある。この噴流
層は、転動または流動状態にある農薬粒子3に対し、被
膜材料の被膜材料溶解液を配管5経由で輸送され、スプ
レーノズル2により噴霧し、農薬粒子3の表面に吹き付
けて、該表面を被覆すると同時並行的に、高温気体を噴
流塔1の下部からガイド管6へ向けて流入させ、該高速
熱風流によって、該農薬粒子表面に付着している被膜材
料溶解液中の溶媒を瞬時に蒸発乾燥させるものである。
【0086】時限放出放出型の徐放機能を有する本発明
の被覆農薬粒剤は、前述の高吸水性樹脂を含有し且つ粉
化や崩壊の発生しにくい農薬粒子を、被被覆物として使
用していることから、高吸水性樹脂と結合材を任意に選
択することによって、被膜に欠陥が生じた粒剤において
も、放出抑制期間中に例え農薬成分の放出が始まった場
合であっても、農薬成分の拡散速度が遅いことから、徐
々に拡散させることが可能で、農薬成分による作物への
薬害の発生が少ない。これは該農薬粒子の保存運搬中に
おける粉化や崩壊、被膜の欠陥による品質の低下を防ぐ
意味で重要である。
【0087】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。 実施例1:農薬粒子Aの製造 クレー(竹原化学工業製、商品名:5号クレー)521
0g、高吸水性樹脂(住友精化製、商品名:アクアキー
プ10SH−NF)240g、デキストリン(日澱化学
製、商品名:ND−S)300gおよび1−(6−クロ
ロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロイミダゾリジン
−2−イリデンアミンを72%含有する農薬250gか
らなる原料組成物をミキサー(M20型、松坂貿易製)
に供給し、均一になるまで混練した。該混練物に、水道
水を840ml供給して更に混練し、原料組成物重量に
対しする水分の割合が15重量%である混練物を得た。
この時の水分は赤外線水分計(FD‐620 Kett
社製)で測定したものである。得られた混練物をスクリ
ュー押出造粒機、(TDG−110、不二パウダル製)
で押出成形し、円柱状の成形粒子を得た。その際、該造
粒機には孔径0.8mmφのダイを取りつけて運転し
た。
【0088】次いで、回転板型整粒機(QJ−400、
不二パウダル製)を用いて、該成形粒子を円形度係数が
0.7以上になるまで整粒(球形化処理)した。その際
の該整粒機の運転条件は下記の通りである。続いて流動
乾燥器(MDD−400N、不二パウダル製)を用いて
乾燥(熱風温度100℃、20分)行った。乾燥終了
後、篩い分け(円型振動篩機、KOWA製)することに
より粒径0.85〜1.4mmφの農薬粒子Aを得た。 マルメライザー運転条件 運転方式:回分式 運転時間:3分 回転板の目:3mm 回転数:657rpm 仕込量:3L(約2kg)
【0089】実施例2:農薬粒子Bの製造 原料組成物をクレー(竹原化学工業製、商品名:5号ク
レー)5210g、高吸水性樹脂(クラレ製、商品名:
KIゲル201K‐F2)240g、グルコース(和光
純薬製)300gおよび1−(6−クロロ−3−ピリジ
ルメチル)−N−ニトロイミダゾリジン−2−イリデン
アミンが72%含有されている農薬250gからなるも
のとした以外は、実施例1に準じて農薬粒子Bを製造し
た。
【0090】実施例3:農薬粒子Cの製造 原料組成物をクレー(竹原化学工業製、商品名:5号ク
レー)5210g、高吸水性樹脂(三洋化成製、商品
名:サンフレッシュ100MPS)240g、デキストリ
ン(日澱化学製、商品名:ND−S)200g、ショ糖
(和光純薬製)100gおよび1−(6−クロロ−3−
ピリジルメチル)−N−ニトロイミダゾリジン−2−イ
リデンアミンが72%含有されている農薬250gから
なるものとした以外は、実施例1に準じて農薬粒子Cを
製造した。
【0091】実施例4:農薬粒子Dの製造 原料組成物をクレー(竹原化学工業製、商品名:5号ク
レー)5210g、高吸水性樹脂(日本合成化学製、商
品名:アクアリザーブGP)240g、デキストリン
(日澱化学製、商品名:ND−S)300gおよび1−
(6−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロイミ
ダゾリジン−2−イリデンアミンが72%含有されてい
る農薬250gからなるものとした以外は、実施例1に
準じて農薬粒子Dを製造した。
【0092】実施例5:農薬粒子Eの製造 原料組成物をクレー(竹原化学工業製、商品名:5号ク
レー)5210g、高吸水性樹脂(住友精化製、商品
名:アクアコーク)240g、デキストリン(日澱化学
製、商品名:ND−S)300gおよび1−(6−クロ
ロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロイミダゾリジン
−2−イリデンアミンが72%含有されている農薬25
0gからなるものとした以外は、実施例1に準じて農薬
粒子Eを製造した。
【0093】比較例1:農薬粒子Fの製造 原料組成物をクレー(竹原化学工業製、商品名:5号ク
レー)5450g、デキストリン(日澱化学製、商品
名:ND−S)300gおよび1−(6−クロロ−3−
ピリジルメチル)−N−ニトロイミダゾリジン−2−イ
リデンアミンが72%含有されている農薬250gから
なるものとした以外は、実施例1に準じて農薬粒子Fを
製造した。
【0094】比較例2:農薬粒子Gの製造 マルメライザーの運転時間を30秒とした以外は、実施
例1に準じて農薬粒子Gを製造した。
【0095】農薬粒子の物性評価1(膨潤力試験) 実施例1〜5および比較例1、2によって得られた農薬
粒子を粉砕し、それぞれ2gずつ100ml純水中に静
かに加え、24時間後の試料の体積を読み取り、膨潤力
とした。結果を表1に示した。
【0096】農薬粒子の物性評価2(形状測定) 株式会社ピアス製のPIAS−IVを用いて、実施例1
〜5および比較例1、2によって得られた農薬粒子の円
形度係数を測定した。測定条件は、ランダムに取り出し
た農薬粒子100個を用いて行った。円形度係数は下式
によった。結果を表1に示した。 円形度係数=(4π×粒子の投影面積)/(粒子投影図の
輪郭の長さ)2
【0097】
【表1】
【0098】表1より、実施例1〜5は自体積の4.5
〜5倍の膨潤力を示し、円形度係数は最小のものでも
0.7以上を示し、良好な球状粒子が製造できているこ
とが示された。一方、比較例1は膨潤が認められず、該
膨潤力が高吸水性樹脂によるものであることが示され
た。また、比較例2は、平均値、最小値ともに0.7を
下回る結果となった。
【0099】農薬粒子の物性評価3(硬度測定) 実施例1〜5によって得られた農薬粒子を100g秤量
した。ボールミル用磁性ポット(内径100×内深10
0mm)に秤量した農薬粒子100gおよび磁性玉(直
径30mm、重量35g)を3個入れ該ポットのふたを
しめ、1分間に75回転の速度で15分間該ポットを回
転させた後、該ポット内の農薬粒子を標準篩500μm
で篩い、通過した微粉生成量(A)を秤り、次式によっ
て崩壊率を求め、硬度とした。 崩壊率(%)=A(g)/100(g)×100 更に、市販の粒剤、ジイソプロピル‐1,3‐ジチオラ
ン‐2‐イリデン‐マロネート(一般名:イソプロチオ
ラン)を12.0%含有した農薬粒剤(日本農薬製、商
品名:フジワン粒剤、比較例3)と、1,2,5,6‐
テトラヒドロピロロ〔3,2,1‐ij〕キノリン‐4
‐オン(一般名:ピロキロン)を5.0%含有した農薬
粒剤(クミアイ化学製、商品名:コラトップ粒剤5、比
較例4)の硬度も測定し、実施例1〜5の結果とともに
表2に示した。
【0100】
【表2】
【0101】表2より、実施例1〜5は最大でも2.6
9%と3%に満たない値を示し、十分な硬度を示した。
一方、比較例3、4は3%以上の崩壊率を示し、十分な
硬度が得られなかった。
【0102】被覆農薬粒剤の製造(実施例6〜10、比
較例5、6) 低密度ポリエチレン(MFR6.6〜7.4g/10m
in)15重量%、アセチルアセトン第二鉄0.5重量
%、タルク(平均粒径5μm) 84.5重量%の組成
からなる被膜材料を、図1に示した噴流被覆装置(塔径
250mm、高さ3000mm)を用いて、実施例1〜
5および比較例1、2で得られた農薬粒子A〜Gの表面
に、被覆率が被覆農薬粒剤に対して20重量%となるま
で被覆し、被覆農薬粒剤(実施例6〜10、比較例5、
6)を得、更に、低密度ポリエチレン(MFR6.6〜
7.4g/10min)15重量%、アセチルアセトン
第二鉄0.5重量%、タルク(平均粒径5μm)83.
5重量%、高吸水性樹脂(クラレ製、商品名:KIゲル
201K‐F2)1重量%の組成からなる被膜材料を、
図1に示した噴流被覆装置(塔径250mm、高さ30
00mm)を用いて、実施例1で得られた農薬粒子Aの
表面に、被覆率が被覆農薬粒剤に対して20重量%とな
るまで被覆し、被覆農薬粒剤(実施例11)を得た。製
造条件は以下の通り。
【0103】被覆率は、農薬粒子の重量(a)と被膜の
重量(b)との和を100%とした被覆農薬粒剤に対す
る被膜の重量(b)の比率であり、算式 [b×100/
(a+b)]で求めた値である。被覆は前述の被膜材料を
テトラクロロエチレンに溶解させ、2.5%の均一な被
膜材溶解液を用いた。 一流体ノズル:開口0.4mmフルコーン型 農薬粒子:3kg 熱風温度:105±2℃ 熱風風量:100m3/h スプレー流速:12.5kg/h
【0104】被覆農薬粒剤の徐放機能の評価(水中放出
試験) 前述の「被覆農薬粒剤の製造」によって得られた被覆農
薬粒剤(実施例6〜11、比較例5、6)の水中放出試
験を行った。キャップ付試験管(12mm×72mm)
に水(未脱気)を1.5mL入れ、試験管1本当たり被
覆農薬粒剤を1粒投入した後キャップをした。これを各
被覆農薬粒剤当たり100管(粒)作成した。被膜の崩
壊を放出とみなして、水温20℃一定の条件下で被覆農
薬粒剤の崩壊の個数をカウントした。観察は試験開始か
ら毎日、50日観察した。累積放出率は供試粒剤の崩壊
数で、累積放出率が10%に達するまでを放出抑制期
間、累積放出率が10〜90%に達するまでを放出期間
とし、結果を表3に示した。
【0105】
【表3】
【0106】表3より、実施例6〜11においては一定
期間農薬成分の放出が抑制された放出抑制期間と、該放
出抑制期間経過後農薬成分の放出が持続する放出期間と
からなる時限放出型の徐放機能を有していた。一方、比
較例5は50日経過後も農薬成分の放出は認められなか
った。比較例6の結果から明らかなように、円形度係数
0.7以下の農薬粒子を用いた被覆農薬粒剤は、評価初
期から農薬成分の放出がみられ、放出抑制期間が得られ
なかった。
【0107】
【発明の効果】農薬成分、高級水性樹脂、および結合材
とを含有し、下記計算式より求められる円形度係数が
0.7以上である本発明の農薬粒子であれば、該農薬粒
子の粉化や崩壊が発生しにくく、本発明の農薬粒子の表
面を被膜材料で被覆した本発明の被覆農薬粒剤であれ
ば、被覆操作に起因する放出機能の低下が少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】噴流塔被覆装置の断面図
【符号の説明】
1:噴流塔 2:スプレーノズル 3:農薬粒子 4:熱風送気管 5:被膜材料導入管 6:ガイド管

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 農薬成分、高吸水性樹脂、および結合材
    とを含有し、下記計算式より求められる円形度係数が
    0.7以上である農薬粒子。 円形度係数=(4π×粒子の投影面積)/(粒子投影図の
    輪郭の長さ)2
  2. 【請求項2】 高吸水性樹脂が架橋ポリアクリル酸ソー
    ダ、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体架橋物、澱
    粉−アクリル酸グラフト重合体、ポリビニルアルコール
    架橋重合体、およびポリアルキレンオキサイド系ノニオ
    ン型吸水性樹脂から選ばれた1種以上である請求項1記
    載の農薬粒子。
  3. 【請求項3】 結合材がスターチ、タピオカ、グルコー
    ス、ショ糖、デキストリンおよび糖蜜から選ばれた1種
    以上である請求項1記載の農薬粒子。
  4. 【請求項4】 結合材がデキストリンである請求項1記
    載の農薬粒子。
  5. 【請求項5】 円形度係数が0.85以上である請求項
    1記載の農薬粒子。
  6. 【請求項6】 円形度係数が0.9以上である請求項1
    記載の農薬粒子。
  7. 【請求項7】 高吸水性樹脂の含有割合が農薬粒子に対
    して1〜10重量%の範囲である請求項1記載の農薬粒
    子。
  8. 【請求項8】 さらに微粉末担体を含有する請求項1〜
    7の何れか1項記載の農薬粒子。
  9. 【請求項9】 微粉末担体がクレー、カオリン、ベント
    ナイトおよびタルクから選ばれた1種以上である請求項
    8記載の農薬粒子。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9の何れか1項記載の農薬
    粒子の表面が被膜材料で被覆された被覆農薬粒剤。
  11. 【請求項11】 下記第1〜第3工程を有する農薬粒子
    の製造方法。 第1工程:農薬成分、高吸水性樹脂、結合材を含有する
    原料組成物と水とを混合する工程。 第2工程:第1工程で得られた原料組成物の混合物を押
    出成形することにより成型粒子を得る造粒工程。 第3工程:第2工程で得られた成型粒子を、下記計算式
    より求めた円形度係数が0.7以上となるように球形化
    処理を行う工程。 円形度係数=(4π×粒子の投影面積)/(粒子投影図の
    輪郭の長さ)2
  12. 【請求項12】 高吸水性樹脂が、架橋ポリアクリル酸
    ソーダ、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体架橋
    物、澱粉−アクリル酸グラフト重合体、ポリビニルアル
    コール架橋重合体、ポリアルキレンオキサイド系ノニオ
    ン型吸水性樹脂から選ばれた1種以上である請求項11
    記載の農薬粒子の製造方法。
  13. 【請求項13】 結合材がスターチ、タピオカ、グルコ
    ース、ショ糖、デキストリンおよび糖蜜から選ばれた1
    種以上である請求項11に記載の農薬粒子の製造方法。
  14. 【請求項14】 円形度係数が0.85以上である請求
    項11記載の農薬粒子の製造方法。
  15. 【請求項15】 円形度係数が0.9以上である請求項
    11記載の農薬粒子の製造方法。
  16. 【請求項16】 高吸水性樹脂の含有割合が農薬粒子に
    対して1〜10重量%の範囲である請求項11記載の農
    薬粒子の製造方法。
  17. 【請求項17】 球形化処理が回転板型整粒機を用いる
    球形化処理である請求項11記載の農薬粒子の製造方
    法。
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