JP2002076745A - アンテナビーム合成法及びアンテナビーム合成装置 - Google Patents

アンテナビーム合成法及びアンテナビーム合成装置

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JP2002076745A JP2000263995A JP2000263995A JP2002076745A JP 2002076745 A JP2002076745 A JP 2002076745A JP 2000263995 A JP2000263995 A JP 2000263995A JP 2000263995 A JP2000263995 A JP 2000263995A JP 2002076745 A JP2002076745 A JP 2002076745A
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antenna
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各アンテナ素子ごとの受信信号対雑音電力比
がかなり低い状態においても、精度の高い信号合成を実
現する。 【解決手段】 受信モジュール2は各アンテナ素子1か
らの受信信号を第1局部発振器3からの局発信号で中間
周波数に変換し、A/D変換器4でデジタル信号に変換
して準同期検波器5に入力する。準同期検波器5は第2
局部発振器6からの信号により、受信信号を同相成分及
び直交成分に変換する。信号電力推定部7は最大受信電
力を有するアンテナ素子を基準アンテナ素子として、基
準アンテナ素子に含まれる変調信号の信号電力推定値を
推定する。重み係数演算部8はその信号電力推定値から
各アンテナ素子の重み係数を演算し重み係数によって各
アンテナ素子の振幅位相を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、アンテナビーム
合成法及びアンテナビーム合成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のアンテナビーム合成法及びアンテ
ナビーム合成装置として、例えば、特許公報(P301740
0)ではデジタルビームフォーミングアンテナにおい
て、各アンテナ素子ごとの受信信号対雑音電力比が比較
的低い環境でも、高速でかつ安定に、また機械的な駆動
を行わずに、さらに方位センサ等のセンサを用いず、到
来ビームの捕捉追尾を行うことのできるアレーアンテナ
の制御方法について提案されている。この従来例におい
ては、フィードバックループを含まず、通信データで変
調された受信信号を直接利用することができるため、位
相制御を行うための特別なトレーニング信号や参照信号
を必要とせず、システム構成を簡単化できる。よって、
パケット通信のようなバーストモード通信の場合におい
ても、リアルタイムで高速な追尾、捕捉が可能である。
この従来例の場合、フィードバックループを含まないた
めに1つのアンテナ素子当りの受信搬送波電力対雑音電
力比(CNR)が比較的低い場合においても、精度良い位
相制御が可能である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のアンテナビーム
合成法及びアンテナビーム合成装置は以上のように構成
されているので、振幅制御に関しては各アンテナ素子で
の受信レベルに応じた制御がなされるので、CNRがか
なり低い場合においては雑音成分の影響が大きく、正確
な振幅制御が行われず、精度の高い信号合成ができない
という課題があった。
【0004】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、各アンテナ素子ごとの受信信号対
雑音電力比がかなり低い状態においても、精度の高い信
号合成を実現するアンテナビーム合成方法及びアンテナ
ビーム合成装置を得ることを目的とする。
【0005】
【発明を解決するための手段】この発明に係るアンテナ
ビーム合成方法は、無線通信システムにおいて複数のア
ンテナ素子からなるアレーアンテナの受信信号を用いて
最大比合成を行うとき、各アンテナ素子でそれぞれ受信
された複数の受信信号をそれぞれ共通の局部発振信号を
用いて、局部発振信号と同相である同相成分及び局部発
振信号と直交する直交成分に変換し、同相成分及び直交
成分により各アンテナ素子における受信電力値をそれぞ
れ計算し、その中で最大受信電力を有するアンテナ素子
を基準アンテナ素子とし基準アンテナ素子以外の1つの
アンテナ素子を指定して指定アンテナ素子として、基準
アンテナ素子及び指定アンテナ素子における同相成分同
士の積と直交成分同士の積との和を計算したものを第1
のデータとし、基準アンテナ素子の同相成分及び指定ア
ンテナ素子の直交成分の積と基準アンテナ素子の直交成
分及び指定アンテナ素子の同相成分の積との差を計算し
たものを第2のデータとし、第1のデータ及び第2のデ
ータにそれぞれ雑音抑圧処理を施した後、雑音抑制処理
された第1のデータの2乗値と第2のデータの2乗値と
の和を計算したものを第3のデータとし、さらに基準ア
ンテナ素子における受信電力値と指定アンテナ素子にお
ける受信電力値の差を計算したものを第4のデータとし
て、第4のデータに(−1)を乗算して得られたものを
2次方程式の1次の係数とし第3のデータに(−1)を
乗算して得られたものを2次方程式の定数として2次方
程式の解を計算し、正の値の解を基準アンテナ素子に含
まれる変調信号の信号電力推定値とし、信号電力推定値
から基準アンテナ素子の重み係数における振幅成分を決
定する過程を含むものである。
【0006】この発明に係るアンテナビーム合成方法
は、無線通信システムにおいて複数のアンテナ素子から
なるアレーアンテナの受信信号を用いて最大比合成を行
うとき、各アンテナ素子でそれぞれ受信された複数の受
信信号をそれぞれ共通の局部発振信号を用いて、局部発
振信号と同相である同相成分及び局部発振信号と直交す
る直交成分に変換し、同相成分及び直交成分により各ア
ンテナ素子における受信電力値をそれぞれ計算し、その
中で最大受信電力を有するアンテナ素子を基準アンテナ
素子とし基準アンテナ素子以外の1つのアンテナ素子を
指定して指定アンテナ素子として、基準アンテナ素子及
び指定アンテナ素子における同相成分同士の積と直交成
分同士の積との和を計算したものを第1のデータとし、
基準アンテナ素子の同相成分及び指定アンテナ素子の直
交成分の積と基準アンテナ素子の直交成分及び指定アン
テナ素子の同相成分の積との差を計算したものを第2の
データとし、第1のデータ及び第2のデータにそれぞれ
雑音抑圧処理を施した後、雑音抑制処理された第1のデ
ータの2乗値と第2のデータの2乗値との和を計算した
ものを第3のデータとし、さらに基準アンテナ素子にお
ける受信電力値と指定アンテナ素子における受信電力値
の差を計算したものを第4のデータとして、第4のデー
タに(−1)を乗算して得られたものを2次方程式の1
次の係数とし第3のデータに(−1)を乗算して得られ
たものを2次方程式の定数として2次方程式の解を計算
し、正の値の解を基準アンテナ素子に含まれる変調信号
の信号電力推定値とし、信号電力推定値から基準アンテ
ナ素子の重み係数における振幅成分を決定し、他のアン
テナ素子の重み係数の振幅成分については信号電力推定
値及び基準アンテナ素子と他のアンテナ素子との受信電
力値の差からそれぞれ決定する過程を含むものである。
【0007】この発明に係るアンテナビーム合成方法に
おいて、指定アンテナ素子は、基準アンテナ素子の次に
受信電力値の大きいアンテナ素子にするものである。
【0008】この発明に係るアンテナビーム合成方法に
おいて、指定アンテナ素子は、基準アンテナ素子以外の
他の全てのアンテナ素子の中で受信電力の最も小さいア
ンテナ素子にするものである。
【0009】この発明に係るアンテナビーム合成方法
は、基準アンテナ素子以外の所定数のアンテナ素子の中
の1つのアンテナ素子を指定し、指定アンテナ素子と基
準アンテナ素子との受信信号を用いて信号電力推定値を
演算し、所定数のアンテナ素子のそれぞれについて演算
した所定数の信号電力推定値の平均値から基準アンテナ
素子の重み係数の振幅成分を決定するものである。
【0010】この発明に係るアンテナビーム合成方法
は、無線通信システムにおいて複数のアンテナ素子から
なるアレーアンテナの受信信号を用いて最大比合成を行
うとき、各アンテナ素子でそれぞれ受信された複数の受
信信号をそれぞれ共通の局部発振信号を用いて、局部発
振信号と同相である同相成分及び局部発振信号と直交す
る直交成分に変換し、同相成分及び直交成分に所定の信
号変換処理を施して各アンテナ素子ごとのビーム信号を
求め、各ビーム信号から受信電力の大きい順に所定数の
ビーム信号を選択し、選択された所定数のビーム信号か
ら最大受信電力を有するビーム信号を基準ビーム信号と
して決定し、基準ビーム信号に含まれる信号電力を推定
して信号電力推定値を求め、信号電力推定値及び所定数
のビーム信号に基づいて所定数のビーム信号の受信信号
の振幅位相を補正する重み係数を演算し、重み係数を乗
算して補正した所定数のビーム信号を同相合成するもの
である。
【0011】この発明に係るアンテナビーム合成方法
は、基準ビーム信号及び所定数のビーム信号の中で基準
ビーム信号の次に受信電力値の大きいビーム信号に基づ
いて基準ビーム信号の信号電力推定値を求めるものであ
る。
【0012】この発明に係るアンテナビーム合成方法
は、基準ビーム信号及び所定数のビーム信号の中で受信
電力値の最も小さいビーム信号に基づいて基準ビーム信
号の信号電力推定値を求めるものである。
【0013】この発明に係るアンテナビーム合成方法
は、基準ビーム信号以外の所定数のビーム信号の中の1
つのビーム信号を指定し、指定ビーム信号と基準ビーム
信号とを用いて信号電力推定値を演算し、所定数のビー
ム信号のそれぞれについて演算した所定数の信号電力推
定値の平均値から基準ビーム信号の重み係数の振幅成分
を決定するものである。
【0014】この発明に係るアンテナビーム合成装置
は、無線通信システムにおいて複数のアンテナ素子から
なるアレーアンテナの受信信号を用いて最大比合成を行
うとき、各アンテナ素子でそれぞれ受信された複数の受
信信号をそれぞれ共通の局部発振信号を用いて、局部発
振信号と同相である同相成分及び局部発振信号と直交す
る直交成分に変換する信号変換手段と、同相成分及び直
交成分により各アンテナ素子における受信電力値をそれ
ぞれ計算し、その中で最大受信電力を有するアンテナ素
子を基準アンテナ素子とし基準アンテナ素子以外の1つ
のアンテナ素子を指定して指定アンテナ素子として、基
準アンテナ素子及び指定アンテナ素子における同相成分
同士の積と直交成分同士の積との和を計算したものを第
1のデータとし、基準アンテナ素子の同相成分及び指定
アンテナ素子の直交成分の積と基準アンテナ素子の直交
成分及び指定アンテナ素子の同相成分の積との差を計算
したものを第2のデータとし、第1のデータ及び第2の
データにそれぞれ雑音抑圧処理を施した後、雑音抑制処
理された第1のデータの2乗値と第2のデータの2乗値
との和を計算したものを第3のデータとし、さらに基準
アンテナ素子における受信電力値と指定アンテナ素子に
おける受信電力値の差を計算したものを第4のデータと
して、第4のデータに(−1)を乗算して得られたもの
を2次方程式の1次の係数とし第3のデータに(−1)
を乗算して得られたものを2次方程式の定数として当該
2次方程式の解を計算し、正の値の解を基準アンテナ素
子に含まれる変調信号の信号電力推定値として計算する
信号電力推定部と、信号電力推定値から各アンテナ素子
の重み係数を演算し重み係数によって各アンテナ素子の
振幅位相を補正する重み係数演算部と、重み係数演算部
で補正された各アンテナ素子の同相成分及び直交成分を
合成する合成部とを備えたものである。
【0015】この発明に係るアンテナビーム合成装置
は、無線通信システムにおいて複数のアンテナ素子から
なるアレーアンテナの受信信号を用いて最大比合成を行
うとき、各アンテナ素子でそれぞれ受信された複数の受
信信号をそれぞれ共通の局部発振信号を用いて、局部発
振信号と同相である同相成分及び局部発振信号と直交す
る直交成分に変換する信号変換手段と、同相成分及び直
交成分により各アンテナ素子における受信電力値をそれ
ぞれ計算し、その中で最大受信電力を有するアンテナ素
子を基準アンテナ素子とし基準アンテナ素子以外の1つ
のアンテナ素子を指定して指定アンテナ素子として、基
準アンテナ素子及び指定アンテナ素子における同相成分
同士の積と直交成分同士の積との和を計算したものを第
1のデータとし、基準アンテナ素子の同相成分及び指定
アンテナ素子の直交成分の積と基準アンテナ素子の直交
成分及び指定アンテナ素子の同相成分の積との差を計算
したものを第2のデータとし、第1のデータ及び第2の
データにそれぞれ雑音抑圧処理を施した後、雑音抑制処
理された第1のデータの2乗値と第2のデータの2乗値
との和を計算したものを第3のデータとし、さらに基準
アンテナ素子における受信電力値と指定アンテナ素子に
おける受信電力値の差を計算したものを第4のデータと
して、第4のデータに(−1)を乗算して得られたもの
を2次方程式の1次の係数とし第3のデータに(−1)
を乗算して得られたものを2次方程式の定数として2次
方程式の解を計算し、正の値の解を基準アンテナ素子に
含まれる変調信号の信号電力推定値とし、基準アンテナ
素子と他のアンテナ素子との受信電力値の差から他のア
ンテナ素子に含まれる変調信号の信号電力推定値を算出
する信号電力推定部と、信号電力推定値から各アンテナ
素子の重み係数を演算し当該重み係数によって各アンテ
ナ素子の振幅位相を補正する重み係数演算部と、重み係
数演算部で補正された各アンテナ素子の同相成分及び直
交成分を合成する合成部とを備えたものである。
【0016】この発明に係るアンテナビーム合成装置に
おいて、指定アンテナ素子は、基準アンテナ素子の次に
受信電力値の大きいアンテナ素子にするものである。
【0017】この発明に係るアンテナビーム合成装置に
おいて、指定アンテナ素子は、基準アンテナ素子以外の
他の全てのアンテナ素子の中で受信電力の最も小さいア
ンテナ素子にするものである。
【0018】この発明に係るアンテナビーム合成装置に
おいて、重み係数演算部は、基準アンテナ素子以外の所
定数のアンテナ素子の中の1つのアンテナ素子を指定
し、指定アンテナ素子と基準アンテナ素子との受信信号
を用いて信号電力推定値を演算し、所定数のアンテナ素
子のそれぞれについて演算した所定数の信号電力推定値
の平均値から基準アンテナ素子の重み係数の振幅成分を
決定するものである。
【0019】この発明に係るアンテナビーム合成装置
は、無線通信システムにおいて複数のアンテナ素子から
なるアレーアンテナの受信信号を用いて最大比合成を行
うとき、各アンテナ素子でそれぞれ受信された複数の受
信信号をそれぞれ共通の局部発振信号を用いて、局部発
振信号と同相である同相成分及び局部発振信号と直交す
る直交成分に変換する信号変換手段と、同相成分及び直
交成分に所定の信号変換処理を施して各アンテナ素子ご
とのビーム信号を求めるマルチビーム形成部と、マルチ
ビーム形成部から出力される各ビーム信号から受信電力
の大きい順に所定数のビーム信号を選択するビーム選択
部と、選択された所定数のビーム信号から最大受信電力
を有するビーム信号を基準ビーム信号として決定し、基
準ビーム信号に含まれる信号電力を推定して信号電力推
定値を求める信号電力推定部と、信号電力推定値及び所
定数のビーム信号に基づいて重み係数を演算し、重み係
数によって所定数のビーム信号の受信信号の振幅位相を
補正する重み係数演算部と、重み係数を乗算して補正さ
れた所定数のビーム信号を同相合成する合成部とを備え
たものである。
【0020】この発明に係るアンテナビーム合成装置に
おいて、信号電力推定部は、基準ビーム信号及び所定数
のビーム信号の中で前記基準ビーム信号の次に受信電力
値の大きいビーム信号に基づいて基準ビーム信号の信号
電力推定値を求めるものである。
【0021】この発明に係るアンテナビーム合成装置に
おいて、信号電力推定部は、基準ビーム信号及び所定数
のビーム信号の中で受信電力値の最も小さいビーム信号
に基づいて基準ビーム信号の信号電力推定値を求めるも
のである。
【0022】この発明に係るアンテナビーム合成装置に
おいて、重み係数演算部は、基準ビーム信号以外の所定
数のビーム信号の中の1つのビーム信号を指定し、指定
ビーム信号と基準ビーム信号とを用いて信号電力推定値
を演算し、所定数のビーム信号のそれぞれについて演算
した所定数の信号電力推定値の平均値から基準ビーム信
号の重み係数の振幅成分を決定するものである。
【0023】この発明に係るアンテナビーム合成装置
は、重み係数を初期値とし、その後MMSE(Minimum Mean
Square Error)又はCMA(Constant Modulus Algorith
m)の干渉除去アルゴリズムによる重み係数更新を行う
ことにより干渉となる信号成分を除去する重み係数更新
手段をさらに備えたものである。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1における
アンテナビーム合成方法を実現する装置の受信機のブロ
ック図である。図において、1は1−1,1−2,…,
1−NからなるN個のアンテナ素子で構成されたアレー
アンテナ、2は2−1,2−2,…,2−NからなるN
個の受信モジュール、21は各受信モジュール2の低雑
音増幅器、22は各受信モジュール2のダウンコンバー
タ、3は第1局部発振信号を生成する第1局部発振器、
4は4−1,4−2,…,4−NからなるN個のA/D
変換器、5は5−1,5−2,…,5−NからなるN個
の準同期検波器(信号変換手段)、6は第2局部発振信
号を生成する第2局部発振器、7は信号電力推定部、8
は重み係数演算部、9は合成部、10は復調器である。
【0025】次に動作について説明する。アンテナ素子
1−1,1−2,…,1−Nからなるアレーアンテナ1
はそれぞれ到来する電波を受信して、受信信号を各アン
テナ素子に対応する受信モジュール2に入力する。受信
モジュール2は、アレーアンテナ1からの高周波信号で
ある受信信号を低雑音増幅器21によって増幅し、ダウ
ンコンバータ22において低雑音増幅器21からの高周
波信号を第1局部発振器3から出力される共通の第1局
部発信信号によって中間周波数に変換する。各受信モジ
ュール2から出力された中間周波数の受信信号は、対応
する各A/D変換器4においてデジタル信号に変換され
て、対応する各準同期検波器5に入力される。
【0026】各準同期検波器5は、第2局部発振器6か
ら出力される共通の第2局部発振信号を用いて、各A/
D変換器4から入力される中間周波数信号を準同期検波
して、例えば準同期検波器5−1では第2局部発振信号
と同相のベースバンド信号の同相成分I及び第2局部
発振信号と直交するベースバンド信号の直交成分Q
変換する。すなわち、互いに直交する2つのベースバン
ド信号(以下、これら2つのベースバンド信号を直交ベ
ースバンド信号という)に変換する。
【0027】信号電力推定部7は、N個の準同期検波器
5からの直交ベースバンド信号を用いて、各アンテナ素
子1−1,1−2,…,1−Nでの受信信号における変
調信号の受信電力値を計算し、最も電力の大きいアンテ
ナ素子を選択し、これを基準アンテナ素子とする。次
に、基準アンテナ素子に含まれる信号電力を推定する。
重み係数演算部8は、N個の準同期検波器5からの直交
ベースバンド信号を用いて、各アンテナ素子間の位相差
推定値を計算し、これと信号電力推定部7から入力され
る信号電力推定値を用いて、各アンテナ素子1−1,1
−2,…,1−Nごとに振幅位相補正処理を実行し、す
べてのベースバンド信号に重み付けを行って同相にす
る。合成部9は重み係数演算部8からの出力信号を同相
合成して、復調器10に供給する。
【0028】この実施の形態1においては、1つのアン
テナ素子当りの信号対雑音電力比(以下、CNRとす
る。)がかなり低い場合において、最大比合成を実現す
るために重み係数の優れた振幅制御を行う。位相制御に
ついては、既存の手法がそのまま適用可能である。ま
た、既存の手法と同様にトレーニングシンボルや参照信
号を用いずに各アンテナ素子の受信信号だけを用いる。
【0029】いま、基準アンテナ素子を1−1とし、他
の任意のアンテナ素子を1−iとすると、CNRが低い
場合でも平均化処理による雑音抑圧処理を施すことで比
較的精度良く得られるパラメータとしては、アンテナ素
子1−iの受信電力Pi と、基準アンテナ素子1−1と
アンテナ素子1−iに含まれる変調信号の振幅成分の積
a1aiがある。これはアンテナ素子1−1とアンテナ
素子1−iでの直交信号を数1のように複素表現する
と、数2が成り立つからである。
【数1】
【数2】 ここで、Ii ,Qi はアンテナ素子1−iにおける直交
ベースバンド信号であり、si はアンテナ素子1−iに
含まれる変調信号成分の複素表現、ni はアンテナ素子
1−iに含まれる雑音成分の複素表現であり、は平均
化を施すことを、*は複素共役をそれぞれ表す。
【0030】すなわち、数2のように信号と雑音の相関
および異なるアンテナ素子における雑音間の相関が零で
あることを利用して、数2の絶対値を取ることにより、
アンテナ素子1−1とアンテナ素子1−iに含まれる信
号成分の振幅の積sa1aiが得られる。すなわち、アン
テナ素子1−1及びアンテナ素子1−iにおける同相成
分同士の積と直交成分同士の積との和を計算した(I1
・Ii +Q1 ・Qi )を第1のデータとし、同相成分及
び直交成分同士の積の差を計算した(I1 ・Q i −Ii
・Q1 )を第2のデータとし、それぞれに雑音抑圧処理
を施した後、第1のデータの2乗値と第2のデータの2
乗値との和を計算した第3のデータは
【数3】 として求まる。この場合にはパラメータを用いて振幅補
正を行う。ここで、アンテナ素子1−iでの受信電力の
内訳は数4のようになる。
【数4】
【0031】ここで、saiはアンテナ素子1−iでの受
信信号に含まれる変調信号の振幅値、naiは熱雑音の振
幅である。また、各アンテナ素子1に接続される低雑音
増幅器21、ダウンコンバータ22、A/D変換器4、
準同期検波器5の諸特性がほぼ一様であるならば、(n
a12 =(naN2 =σ2 (雑音電力)という仮定が成
り立つ。そこで、まず基準アンテナ素子1−1とアンテ
ナ素子1−iの受信電力値の差を第4のデータとして数
5のように求める。
【数5】
【0032】ここで、X=(saia12 ,Y=P1
i として、基準アンテナ素子1−1に含まれる信号電
力(sa12 をPsaとして数6の2次方程式が得られ
る。
【数6】 この2次方程式を解くと、
【数7】 数7により推定した信号電力は理想的には雑音の影響を
完全に取り除いたものであるから、これを基準アンテナ
素子の重み係数とすることで低CNRにおいても良好な
最大比合成を実現する。
【0033】実際に信号電力を推定する際に用いるアン
テナ素子については、基準アンテナ素子に次いで2番目
に受信電力の大きいアンテナ素子を用いる方法、全アン
テナ素子あるいは複数のアンテナ素子を用いて基準アン
テナ素子中の信号電力をそれぞれ推定し、各推定値の平
均値とする方法、最も受信レベルの低いアンテナ素子を
利用する方法などが挙げられる。ここで、最も受信レベ
ルの低いアンテナ素子は雑音成分のみである場合には、
数5はさらに簡易になり
【数8】 と受信電力値の差を求めるだけで信号電力の推定が可能
となる。
【0034】以上のように、実施の形態1によれば、基
準アンテナ素子の信号電力を推定することにより、各ア
ンテナ素子ごとの受信信号対雑音電力比がかなり低い状
態においても、精度の高い信号合成を実現することがで
きるという効果がある。
【0035】なお、上記実施の形態1においては、CN
Rが低い場合に平均化処理による雑音抑圧処理を施す構
成にしたが、異なるアンテナ素子における雑音間の相関
が零であることを利用して、一定時間ごとの差分を採っ
て雑音抑圧処理を施す構成にしてもよい。要は何らかの
雑音抑圧処理を施した後に、数3に示した振幅の積を求
める計算を行う。
【0036】実施の形態2.実施の形態2におけるアン
テナビーム合成装置の構成は、図1に示した実施の形態
1の構成と同じである。ただし、実施の形態1において
は振幅制御と位相制御を同時に行ったが、一般的に最大
比合成を行なう場合、振幅制御と位相制御は個別に行わ
れる。よって、低CNRにおいては、雑音の影響による
振幅誤差をすべてのアンテナ素子が含むことになる。
【0037】次に動作について説明する。この実施の形
態2におけるアンテナビーム合成方法においては、数7
により求めた基準アンテナ素子の信号電力推定値Psa
用いて各アンテナ素子に含まれる変調信号の電力値を推
定する。具体的には、アンテナ素子1−iの信号電力は
数9により求める。
【数9】 これら各アンテナ素子における信号電力推定値を信号電
力推定部7にて計算した後、重み係数演算部8において
振幅位相補正を行う。
【0038】以上のように、実施の形態2によれば、基
準アンテナ素子だけでなく他の各アンテナ素子の信号電
力を推定することにより、各アンテナ素子ごとの受信信
号対雑音電力比がかなり低い状態においても、より精度
の高い信号合成を実現することができるという効果があ
る。
【0039】実施の形態3.図2はこの発明における実
施の形態3の最大比合成方法を実現する受信機の一部を
示すブロック図であり、図において、11はマルチビー
ム形成部、12はビーム選択部である。他の構成につい
ては、図1に示した構成と同じであり同一の符号で表さ
れている。すなわち、図2の構成は、図1における準同
期検波器5と信号電力推定部7及び重み係数演算部8と
の間に、マルチビーム形成部11及びビーム選択部12
が挿入された構成になっている。
【0040】次に動作について説明する。マルチビーム
形成部11は、各アンテナ素子のN個の受信信号を高速
フーリエ変換(FFT)又は離散フーリエ変換(DF
T)によりN個のビーム信号BE−1からBE−Nに変
換する。ビーム選択部12は、マルチビーム形成部11
から得られた複数N個のビーム信号BE−1乃至BE−
Nの中から、電力の最も大きいビーム信号から電力の大
きい順番に、所定数であるL個のビーム信号BES−1
乃至BES−Lを選択する。
【0041】信号電力推定部7は、それら複数のビーム
信号BES−1乃至BES−Lの中から最も電力の大き
いビーム信号を選択しこれを基準ビームとする。そして
基準ビームに含まれる信号電力を推定する。重み係数演
算部8は、この信号電力値に基づいて各ビーム信号に対
する重み係数を決定し、各ビーム信号の振幅成分、位相
成分を補正する。合成部9は各ビームの出力信号を同相
合成(最大比合成)し、その出力を後段の復調器10に
渡す。
【0042】信号電力の推定法は実施の形態1,2の方
法と同様であるが、この実施の形態3の利点は、1素子
あたりの信号対雑音電力比がより低い環境においても良
好に動作する点である。つまり、予めマルチビーム形成
部11およびビーム選択部12により信号対雑音電力比
が高いビームを形成して選択しておくことにより、振幅
位相補正の精度への影響を小さくすることができる。ま
た、強い干渉信号が到来する場合には、ビーム選択によ
りこれらをある程度空間的に分離できるため、影響を抑
えることが可能となる。
【0043】以上のように構成された実施の形態3のア
ンテナビーム合成方法の効果を確認するために行ったシ
ミュレーションの計算結果について説明する。ここで、
シミュレーション条件を表1に示す。
【表1】
【0044】表1の条件において、入力CNRを変化さ
せたときの出力CNRの改善量を図3に示す。図から明
らかなように、入力CNRが低くなるにつれて優れた改
善特性を有することがわかる。例えば、入力CNRが−
15dBの場合、出力CNRが約2.2dBも改善され
ている。
【0045】以上のように、実施の形態3によれば、各
アンテナ素子の複数の受信信号をフーリエ変換して複数
のビーム信号に変換し、さらにその中から受信電力の大
きい順に所定数のビーム信号を選択して、最も受信電力
の大きい基準ビーム信号の信号電力を推定することによ
り、アンテナ素子の受信信号対雑音電力比が極端に低い
状態が発生しても、精度の高い信号合成を実現すること
ができるという効果がある。
【0046】実施の形態4.実施の形態4においては、
実施の形態1乃至実施の形態3のいずれかにおいて求め
た最大比合成を実現する重み係数を元に、良好な通信状
態を保持するものである。次に動作について説明する。
通常、最大比合成による方法単独では干渉信号の抑圧は
行えないので、干渉信号が存在する場合は通信品質が劣
化する。また、ビーム選択によりある程度干渉レベルを
低減できるものの完全ではない。
【0047】そこで、実施の形態1乃至実施の形態3の
手順により求めた最大比合成を実現する重み係数を初期
値として、MMSE(Minimum Mean Square Error)やC
MA(Constant Modulus Algorithm)に代表される干渉除
去アルゴリズムを動作させることにより、重み係数更新
を行って、干渉信号を抑圧して良好な通信状態を保持す
ることが可能になる。
【0048】以上のように、実施の形態4によれば、最
大比合成を実現する重み係数を初期値として、干渉除去
アルゴリズムを動作させて重み係数更新を行うことによ
り、良好な通信状態を保持できるという効果がある。
【0049】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、無線
通信システムにおいて複数のアンテナ素子からなるアレ
ーアンテナの受信信号を用いて最大比合成を行うとき、
各アンテナ素子でそれぞれ受信された複数の受信信号を
それぞれ共通の局部発振信号を用いて、局部発振信号と
同相である同相成分及び局部発振信号と直交する直交成
分に変換し、同相成分及び直交成分により各アンテナ素
子における受信電力値をそれぞれ計算し、その中で最大
受信電力を有するアンテナ素子を基準アンテナ素子とし
基準アンテナ素子以外の1つのアンテナ素子を指定して
指定アンテナ素子として、基準アンテナ素子及び指定ア
ンテナ素子における同相成分同士の積と直交成分同士の
積との和を計算したものを第1のデータとし、基準アン
テナ素子の同相成分及び指定アンテナ素子の直交成分の
積と基準アンテナ素子の直交成分及び指定アンテナ素子
の同相成分の積との差を計算したものを第2のデータと
し、第1のデータ及び第2のデータにそれぞれ雑音抑圧
処理を施した後、雑音抑制処理された第1のデータの2
乗値と第2のデータの2乗値との和を計算したものを第
3のデータとし、さらに基準アンテナ素子における受信
電力値と指定アンテナ素子における受信電力値の差を計
算したものを第4のデータとして、第4のデータに(−
1)を乗算して得られたものを2次方程式の1次の係数
とし第3のデータに(−1)を乗算して得られたものを
2次方程式の定数として2次方程式の解を計算し、正の
値の解を基準アンテナ素子に含まれる変調信号の信号電
力推定値とし、信号電力推定値から基準アンテナ素子の
重み係数における振幅成分を決定する過程を含むように
構成したので、基準アンテナ素子の信号電力を推定する
ことにより、各アンテナ素子ごとの受信信号対雑音電力
比がかなり低い状態においても、精度の高い信号合成を
実現することができるという効果がある。
【0050】この発明によれば、無線通信システムにお
いて複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナの受信
信号を用いて最大比合成を行うとき、各アンテナ素子で
それぞれ受信された複数の受信信号をそれぞれ共通の局
部発振信号を用いて、局部発振信号と同相である同相成
分及び局部発振信号と直交する直交成分に変換し、同相
成分及び直交成分により各アンテナ素子における受信電
力値をそれぞれ計算し、その中で最大受信電力を有する
アンテナ素子を基準アンテナ素子とし基準アンテナ素子
以外の1つのアンテナ素子を指定して指定アンテナ素子
として、基準アンテナ素子及び指定アンテナ素子におけ
る同相成分同士の積と直交成分同士の積との和を計算し
たものを第1のデータとし、基準アンテナ素子の同相成
分及び指定アンテナ素子の直交成分の積と基準アンテナ
素子の直交成分及び指定アンテナ素子の同相成分の積と
の差を計算したものを第2のデータとし、第1のデータ
及び第2のデータにそれぞれ雑音抑圧処理を施した後、
雑音抑制処理された第1のデータの2乗値と第2のデー
タの2乗値との和を計算したものを第3のデータとし、
さらに基準アンテナ素子における受信電力値と指定アン
テナ素子における受信電力値の差を計算したものを第4
のデータとして、第4のデータに(−1)を乗算して得
られたものを2次方程式の1次の係数とし第3のデータ
に(−1)を乗算して得られたものを2次方程式の定数
として2次方程式の解を計算し、正の値の解を基準アン
テナ素子に含まれる変調信号の信号電力推定値とし、信
号電力推定値から基準アンテナ素子の重み係数における
振幅成分を決定し、他のアンテナ素子の重み係数の振幅
成分については信号電力推定値及び基準アンテナ素子と
他のアンテナ素子との受信電力値の差からそれぞれ決定
する過程を含むように構成したので、基準アンテナ素子
だけでなく他の各アンテナ素子の信号電力を推定するこ
とにより、各アンテナ素子ごとの受信信号対雑音電力比
がかなり低い状態においても、より精度の高い信号合成
を実現することができるという効果がある。
【0051】この発明によれば、指定アンテナ素子を、
基準アンテナ素子の次に受信電力値の大きいアンテナ素
子にするように構成したので、各アンテナ素子ごとの受
信信号対雑音電力比がかなり低い状態においても、精度
の高い信号合成を実現することができるという効果があ
る。
【0052】この発明によれば、指定アンテナ素子を、
基準アンテナ素子以外の他の全てのアンテナ素子の中で
受信電力の最も小さいアンテナ素子にするように構成し
たので、各アンテナ素子ごとの受信信号対雑音電力比が
かなり低い状態においても、精度の高い信号合成を実現
することができるという効果がある。
【0053】この発明によれば、基準アンテナ素子以外
の所定数のアンテナ素子の中の1つのアンテナ素子を指
定し、指定アンテナ素子と基準アンテナ素子との受信信
号を用いて信号電力推定値を演算し、所定数のアンテナ
素子のそれぞれについて演算した所定数の信号電力推定
値の平均値から基準アンテナ素子の重み係数の振幅成分
を決定するように構成したので、各アンテナ素子ごとの
受信信号対雑音電力比がかなり低い状態においても、精
度の高い信号合成を実現することができるという効果が
ある。
【0054】この発明によれば、無線通信システムにお
いて複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナの受信
信号を用いて最大比合成を行うとき、各アンテナ素子で
それぞれ受信された複数の受信信号をそれぞれ共通の局
部発振信号を用いて、局部発振信号と同相である同相成
分及び局部発振信号と直交する直交成分に変換し、同相
成分及び直交成分に所定の信号変換処理を施して各アン
テナ素子ごとのビーム信号を求め、各ビーム信号から受
信電力の大きい順に所定数のビーム信号を選択し、選択
された所定数のビーム信号から最大受信電力を有するビ
ーム信号を基準ビーム信号として決定し、基準ビーム信
号に含まれる信号電力を推定して信号電力推定値を求
め、信号電力推定値及び所定数のビーム信号に基づいて
所定数のビーム信号の受信信号の振幅位相を補正する重
み係数を演算し、重み係数を乗算して補正した所定数の
ビーム信号を同相合成するように構成したので、アンテ
ナ素子の受信信号対雑音電力比が極端に低い状態が発生
しても、精度の高い信号合成を実現することができると
いう効果がある。
【0055】この発明によれば、基準ビーム信号及び所
定数のビーム信号の中で基準ビーム信号の次に受信電力
値の大きいビーム信号に基づいて基準ビーム信号の信号
電力推定値を求めるように構成したので、アンテナ素子
の受信信号対雑音電力比が極端に低い状態が発生して
も、精度の高い信号合成を実現することができるという
効果がある。
【0056】この発明によれば、基準ビーム信号及び所
定数のビーム信号の中で受信電力値の最も小さいビーム
信号に基づいて基準ビーム信号の信号電力推定値を求め
るように構成したので、アンテナ素子の受信信号対雑音
電力比が極端に低い状態が発生しても、精度の高い信号
合成を実現することができるという効果がある。
【0057】この発明によれば、基準ビーム信号以外の
所定数のビーム信号の中の1つのビーム信号を指定し、
指定ビーム信号と基準ビーム信号とを用いて信号電力推
定値を演算し、所定数のアンテナ素子のそれぞれについ
て演算した所定数の信号電力推定値の平均値から基準ビ
ーム信号の重み係数の振幅成分を決定するように構成し
たので、アンテナ素子の受信信号対雑音電力比が極端に
低い状態が発生しても、1つのアンテナ素子あたりの受
信信号対雑音電力比がかなり低い状態においても、精度
の高い信号合成を実現することができるという効果があ
る。
【0058】この発明によれば、無線通信システムにお
いて複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナの受信
信号を用いて最大比合成を行うとき、各アンテナ素子で
それぞれ受信された複数の受信信号をそれぞれ共通の局
部発振信号を用いて、局部発振信号と同相である同相成
分及び局部発振信号と直交する直交成分に変換する信号
変換手段と、同相成分及び直交成分により各アンテナ素
子における受信電力値をそれぞれ計算し、その中で最大
受信電力を有するアンテナ素子を基準アンテナ素子とし
基準アンテナ素子以外の1つのアンテナ素子を指定して
指定アンテナ素子として、基準アンテナ素子及び指定ア
ンテナ素子における同相成分同士の積と直交成分同士の
積との和を計算したものを第1のデータとし、基準アン
テナ素子の同相成分及び指定アンテナ素子の直交成分の
積と基準アンテナ素子の直交成分及び指定アンテナ素子
の同相成分の積との差を計算したものを第2のデータと
し、第1のデータ及び第2のデータにそれぞれ雑音抑圧
処理を施した後、雑音抑制処理された第1のデータの2
乗値と第2のデータの2乗値との和を計算したものを第
3のデータとし、さらに基準アンテナ素子における受信
電力値と指定アンテナ素子における受信電力値の差を計
算したものを第4のデータとして、第4のデータに(−
1)を乗算して得られたものを2次方程式の1次の係数
とし第3のデータに(−1)を乗算して得られたものを
2次方程式の定数として当該2次方程式の解を計算し、
正の値の解を基準アンテナ素子に含まれる変調信号の信
号電力推定値として計算する信号電力推定部と、信号電
力推定値から各アンテナ素子の重み係数を演算し重み係
数によって各アンテナ素子の振幅位相を補正する重み係
数演算部と、重み係数演算部で補正された各アンテナ素
子の同相成分及び直交成分を合成する合成部とを備える
ように構成したので、基準アンテナ素子の信号電力を推
定することにより、各アンテナ素子ごとの受信信号対雑
音電力比がかなり低い状態においても、精度の高い信号
合成を実現することができるという効果がある。
【0059】この発明によれば、無線通信システムにお
いて複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナの受信
信号を用いて最大比合成を行うとき、各アンテナ素子で
それぞれ受信された複数の受信信号をそれぞれ共通の局
部発振信号を用いて、局部発振信号と同相である同相成
分及び局部発振信号と直交する直交成分に変換する信号
変換手段と、同相成分及び直交成分により各アンテナ素
子における受信電力値をそれぞれ計算し、その中で最大
受信電力を有するアンテナ素子を基準アンテナ素子とし
基準アンテナ素子以外の1つのアンテナ素子を指定して
指定アンテナ素子として、基準アンテナ素子及び指定ア
ンテナ素子における同相成分同士の積と直交成分同士の
積との和を計算したものを第1のデータとし、基準アン
テナ素子の同相成分及び指定アンテナ素子の直交成分の
積と基準アンテナ素子の直交成分及び指定アンテナ素子
の同相成分の積との差を計算したものを第2のデータと
し、第1のデータ及び第2のデータにそれぞれ雑音抑圧
処理を施した後、雑音抑制処理された第1のデータの2
乗値と第2のデータの2乗値との和を計算したものを第
3のデータとし、さらに基準アンテナ素子における受信
電力値と指定アンテナ素子における受信電力値の差を計
算したものを第4のデータとして、第4のデータに(−
1)を乗算して得られたものを2次方程式の1次の係数
とし第3のデータに(−1)を乗算して得られたものを
2次方程式の定数として2次方程式の解を計算し、正の
値の解を基準アンテナ素子に含まれる変調信号の信号電
力推定値とし、基準アンテナ素子と他のアンテナ素子と
の受信電力値の差から他のアンテナ素子に含まれる変調
信号の信号電力推定値を算出する信号電力推定部と、信
号電力推定値から各アンテナ素子の重み係数を演算し当
該重み係数によって各アンテナ素子の振幅位相を補正す
る重み係数演算部と、重み係数演算部で補正された各ア
ンテナ素子の同相成分及び直交成分を合成する合成部と
を備えるように構成したので、基準アンテナ素子だけで
なく他の各アンテナ素子の信号電力を推定することによ
り、各アンテナ素子ごとの受信信号対雑音電力比がかな
り低い状態においても、より精度の高い信号合成を実現
することができるという効果がある。
【0060】この発明によれば、指定アンテナ素子を、
基準アンテナ素子の次に受信電力値の大きいアンテナ素
子にするように構成したので、各アンテナ素子ごとの受
信信号対雑音電力比がかなり低い状態においても、精度
の高い信号合成を実現することができるという効果があ
る。
【0061】この発明によれば、指定アンテナ素子を、
基準アンテナ素子以外の他の全てのアンテナ素子の中で
受信電力の最も小さいアンテナ素子にするように構成し
たので、各アンテナ素子ごとの受信信号対雑音電力比が
かなり低い状態においても、精度の高い信号合成を実現
することができるという効果がある。
【0062】この発明によれば、重み係数演算部を、基
準アンテナ素子以外の所定数のアンテナ素子の中の1つ
のアンテナ素子を指定し、指定アンテナ素子と基準アン
テナ素子とを用いて信号電力推定値を演算し、所定数の
アンテナ素子のそれぞれについて演算した所定数の信号
電力推定値の平均値から基準アンテナ素子の重み係数の
振幅成分を決定するように構成したので、各アンテナ素
子ごとの受信信号対雑音電力比がかなり低い状態におい
ても、精度の高い信号合成を実現することができるとい
う効果がある。
【0063】この発明によれば、無線通信システムにお
いて複数のアンテナ素子からなるアレーアンテナの受信
信号を用いて最大比合成を行うとき、各アンテナ素子で
それぞれ受信された複数の受信信号をそれぞれ共通の局
部発振信号を用いて、局部発振信号と同相である同相成
分及び局部発振信号と直交する直交成分に変換する信号
変換手段と、同相成分及び直交成分に所定の信号変換処
理を施して各アンテナ素子ごとのビーム信号を求めるマ
ルチビーム形成部と、マルチビーム形成部から出力され
る各ビーム信号から受信電力の大きい順に所定数のビー
ム信号を選択するビーム選択部と、選択された所定数の
ビーム信号から最大受信電力を有するビーム信号を基準
ビーム信号として決定し、基準ビーム信号に含まれる信
号電力を推定して信号電力推定値を求める信号電力推定
部と、信号電力推定値及び所定数のビーム信号に基づい
て重み係数を演算し、重み係数によって所定数のビーム
信号の受信信号の振幅位相を補正する重み係数演算部
と、重み係数を乗算して補正された所定数のビーム信号
を同相合成する合成部とを備えるように構成したので、
アンテナ素子の受信信号対雑音電力比が極端に低い状態
が発生しても、精度の高い信号合成を実現することがで
きるという効果がある。
【0064】この発明によれば、信号電力推定部を、基
準ビーム信号及び所定数のビーム信号の中で前記基準ビ
ーム信号の次に受信電力値の大きいビーム信号に基づい
て前記基準ビーム信号の信号電力推定値を求めるように
構成したので、アンテナ素子の受信信号対雑音電力比が
極端に低い状態が発生しても、精度の高い信号合成を実
現することができるという効果がある。
【0065】この発明によれば、信号電力推定部を、基
準ビーム信号及び所定数のビーム信号の中で受信電力値
の最も小さいビーム信号に基づいて基準ビーム信号の信
号電力推定値を求めるように構成したので、アンテナ素
子の受信信号対雑音電力比が極端に低い状態が発生して
も、精度の高い信号合成を実現することができるという
効果がある。
【0066】この発明によれば、重み係数演算部を、基
準ビーム信号以外の所定数のビーム信号の中の1つのビ
ーム信号を指定し、指定ビーム信号と基準ビーム信号と
を用いて信号電力推定値を演算し、所定数のビーム信号
のそれぞれについて演算した所定数の信号電力推定値の
平均値から基準ビーム信号の重み係数の振幅成分を決定
するように構成したので、アンテナ素子の受信信号対雑
音電力比が極端に低い状態が発生しても、精度の高い信
号合成を実現することができるという効果がある。
【0067】この発明によれば、重み係数を初期値と
し、その後MMSE(Minimum Mean Square Error)又はCMA
(Constant Modulus Algorithm)の干渉除去アルゴリズ
ムによる重み係数更新を行うことにより干渉となる信号
成分を除去する重み係数更新手段をさらに備える構成に
したので、最大比合成を実現する重み係数を初期値とし
て、干渉除去アルゴリズムを動作させて重み係数更新を
行うことにより、干渉信号を抑圧して良好な通信状態を
保持できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1におけるアンテナビ
ーム合成装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態3におけるアンテナビ
ーム合成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】 この発明の実施の形態3におけるアンテナビ
ーム合成方法の効果を示す図である。
【符号の説明】 1 N個のアレーアンテナ、2 N個の受信モジュー
ル、3 第1局部発振器、4 N個のA/D変換器、5
N個の準同期検波器(信号変換手段)、6 第2局部
発振器、7 信号電力推定部、8 重み係数演算部、9
合成部、10復調器、11 マルチビーム形成部、1
2 ビーム選択部、21 低雑音増幅器、22 ダウン
コンバータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5J021 AA05 CA06 DB02 DB03 EA04 FA14 FA15 FA16 FA17 FA20 FA24 FA26 FA29 FA30 FA32 GA02 HA05 HA10 5K059 CC03 CC04 DD35 EE02

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無線通信システムにおいて複数のアンテ
    ナ素子からなるアレーアンテナの受信信号を用いて最大
    比合成を行うとき、各アンテナ素子でそれぞれ受信され
    た複数の受信信号をそれぞれ共通の局部発振信号を用い
    て、前記局部発振信号と同相である同相成分及び当該局
    部発振信号と直交する直交成分に変換し、 前記同相成分及び前記直交成分により前記各アンテナ素
    子における受信電力値をそれぞれ計算し、その中で最大
    受信電力を有するアンテナ素子を基準アンテナ素子とし
    当該基準アンテナ素子以外の1つのアンテナ素子を指定
    して指定アンテナ素子として、前記基準アンテナ素子及
    び前記指定アンテナ素子における同相成分同士の積と直
    交成分同士の積との和を計算したものを第1のデータと
    し、前記基準アンテナ素子の同相成分及び前記指定アン
    テナ素子の直交成分の積と前記基準アンテナ素子の直交
    成分及び前記指定アンテナ素子の同相成分の積との差を
    計算したものを第2のデータとし、前記第1のデータ及
    び前記第2のデータにそれぞれ雑音抑圧処理を施した
    後、当該雑音抑制処理された第1のデータの2乗値と第
    2のデータの2乗値との和を計算したものを第3のデー
    タとし、さらに前記基準アンテナ素子における受信電力
    値と前記指定アンテナ素子における受信電力値の差を計
    算したものを第4のデータとして、前記第4のデータに
    (−1)を乗算して得られたものを2次方程式の1次の
    係数とし前記第3のデータに(−1)を乗算して得られ
    たものを2次方程式の定数として当該2次方程式の解を
    計算し、正の値の解を前記基準アンテナ素子に含まれる
    変調信号の信号電力推定値とし、 当該信号電力推定値から前記基準アンテナ素子の重み係
    数における振幅成分を決定する過程を含むアンテナビー
    ム合成方法。
  2. 【請求項2】 無線通信システムにおいて複数のアンテ
    ナ素子からなるアレーアンテナの受信信号を用いて最大
    比合成を行うとき、各アンテナ素子でそれぞれ受信され
    た複数の受信信号をそれぞれ共通の局部発振信号を用い
    て、当該局部発振信号と同相である同相成分及び当該局
    部発振信号と直交する直交成分に変換し、 前記同相成分及び前記直交成分により前記各アンテナ素
    子における受信電力値をそれぞれ計算し、その中で最大
    受信電力を有するアンテナ素子を基準アンテナ素子とし
    当該基準アンテナ素子以外の1つのアンテナ素子を指定
    して指定アンテナ素子として、前記基準アンテナ素子及
    び前記指定アンテナ素子における同相成分同士の積と直
    交成分同士の積との和を計算したものを第1のデータと
    し、前記基準アンテナ素子の同相成分及び前記指定アン
    テナ素子の直交成分の積と前記基準アンテナ素子の直交
    成分及び前記指定アンテナ素子の同相成分の積との差を
    計算したものを第2のデータとし、前記第1のデータ及
    び前記第2のデータにそれぞれ雑音抑圧処理を施した
    後、当該雑音抑制処理された第1のデータの2乗値と第
    2のデータの2乗値との和を計算したものを第3のデー
    タとし、さらに前記基準アンテナ素子における受信電力
    値と前記指定アンテナ素子における受信電力値の差を計
    算したものを第4のデータとして、前記第4のデータに
    (−1)を乗算して得られたものを2次方程式の1次の
    係数とし前記第3のデータに(−1)を乗算して得られ
    たものを2次方程式の定数として当該2次方程式の解を
    計算し、正の値の解を前記基準アンテナ素子に含まれる
    変調信号の信号電力推定値とし、 当該信号電力推定値から前記基準アンテナ素子の重み係
    数における振幅成分を決定し、他のアンテナ素子の重み
    係数の振幅成分については前記信号電力推定値及び前記
    基準アンテナ素子と前記他のアンテナ素子との受信電力
    値の差からそれぞれ決定する過程を含むアンテナビーム
    合成方法。
  3. 【請求項3】 指定アンテナ素子は、基準アンテナ素子
    の次に受信電力値の大きいアンテナ素子であることを特
    徴とする請求項1又は請求項2記載のアンテナビーム合
    成方法。
  4. 【請求項4】 指定アンテナ素子は、基準アンテナ素子
    以外の他の全てのアンテナ素子の中で受信電力の最も小
    さいアンテナ素子であることを特徴とする請求項1又は
    請求項2記載のアンテナビーム合成方法。
  5. 【請求項5】 基準アンテナ以外の所定数のアンテナ素
    子の中の1つのアンテナ素子を指定して、当該指定アン
    テナ素子と前記基準アンテナ素子との受信信号を用いて
    信号電力推定値を演算し、前記所定数のアンテナ素子の
    それぞれについて演算した所定数の信号電力推定値の平
    均値から前記基準アンテナ素子の重み係数の振幅成分を
    決定することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の
    アンテナビーム合成方法。
  6. 【請求項6】 無線通信システムにおいて複数のアンテ
    ナ素子からなるアレーアンテナの受信信号を用いて最大
    比合成を行うとき、各アンテナ素子でそれぞれ受信され
    た複数の受信信号をそれぞれ共通の局部発振信号を用い
    て、当該局部発振信号と同相である同相成分及び当該局
    部発振信号と直交する直交成分に変換し、 前記同相成分及び前記直交成分に所定の信号変換処理を
    施して前記各アンテナ素子ごとのビーム信号を求め、 各ビーム信号から受信電力の大きい順に所定数のビーム
    信号を選択し、 選択された前記所定数のビーム信号から最大受信電力を
    有するビーム信号を基準ビーム信号として決定し、 前記基準ビーム信号に含まれる信号電力を推定して信号
    電力推定値を求め、 前記信号電力推定値及び前記所定数のビーム信号に基づ
    いて前記所定数のビーム信号の受信信号の振幅位相を補
    正する重み係数を演算し、 前記重み係数を乗算して補正した前記所定数のビーム信
    号を同相合成するアンテナビーム合成方法。
  7. 【請求項7】 基準ビーム信号及び所定数のビーム信号
    の中で前記基準ビーム信号の次に受信電力値の大きいビ
    ーム信号に基づいて前記基準ビーム信号の信号電力推定
    値を求めることを特徴とする請求項6記載のアンテナビ
    ーム合成方法。
  8. 【請求項8】 基準ビーム信号及び所定数のビーム信号
    の中で受信電力値の最も小さいビーム信号に基づいて前
    記基準ビーム信号の信号電力推定値を求めることを特徴
    とする請求項6記載のアンテナビーム合成方法。
  9. 【請求項9】 基準ビーム信号以外の所定数のビーム信
    号の中の1つのビーム信号を指定して、当該指定ビーム
    信号と前記基準ビーム信号とを用いて信号電力推定値を
    演算し、前記所定数のビーム信号のそれぞれについて演
    算した所定数の信号電力推定値の平均値から前記基準ビ
    ーム信号の重み係数の振幅成分を決定することを特徴と
    する請求項6記載のアンテナビーム合成方法。
  10. 【請求項10】 無線通信システムにおいて複数のアン
    テナ素子からなるアレーアンテナの受信信号を用いて最
    大比合成を行うとき、各アンテナ素子でそれぞれ受信さ
    れた複数の受信信号をそれぞれ共通の局部発振信号を用
    いて、当該局部発振信号と同相である同相成分及び当該
    局部発振信号と直交する直交成分に変換する信号変換手
    段と、 前記同相成分及び前記直交成分により前記各アンテナ素
    子における受信電力値をそれぞれ計算し、その中で最大
    受信電力を有するアンテナ素子を基準アンテナ素子とし
    当該基準アンテナ素子以外の1つのアンテナ素子を指定
    して指定アンテナ素子として、前記基準アンテナ素子及
    び前記指定アンテナ素子における同相成分同士の積と直
    交成分同士の積との和を計算したものを第1のデータと
    し、前記基準アンテナ素子の同相成分及び前記指定アン
    テナ素子の直交成分の積と前記基準アンテナ素子の直交
    成分及び前記指定アンテナ素子の同相成分の積との差を
    計算したものを第2のデータとし、前記第1のデータ及
    び前記第2のデータにそれぞれ雑音抑圧処理を施した
    後、当該雑音抑制処理された第1のデータの2乗値と第
    2のデータの2乗値との和を計算したものを第3のデー
    タとし、さらに前記基準アンテナ素子における受信電力
    値と前記指定アンテナ素子における受信電力値の差を計
    算したものを第4のデータとして、前記第4のデータに
    (−1)を乗算して得られたものを2次方程式の1次の
    係数とし前記第3のデータに(−1)を乗算して得られ
    たものを2次方程式の定数として当該2次方程式の解を
    計算し、正の値の解を前記基準アンテナ素子に含まれる
    変調信号の信号電力推定値として計算する信号電力推定
    部と、 当該信号電力推定値から前記各アンテナ素子の重み係数
    を演算し当該重み係数によって前記各アンテナ素子の振
    幅位相を補正する重み係数演算部と、 当該重み係数演算部で補正された前記各アンテナ素子の
    前記同相成分及び前記直交成分を合成する合成部とを備
    えたアンテナビーム合成装置。
  11. 【請求項11】 無線通信システムにおいて複数のアン
    テナ素子からなるアレーアンテナの受信信号を用いて最
    大比合成を行うとき、各アンテナ素子でそれぞれ受信さ
    れた複数の受信信号をそれぞれ共通の局部発振信号を用
    いて、当該局部発振信号と同相である同相成分及び当該
    局部発振信号と直交する直交成分に変換する信号変換手
    段と、 前記同相成分及び前記直交成分により前記各アンテナ素
    子における受信電力値をそれぞれ計算し、その中で最大
    受信電力を有するアンテナ素子を基準アンテナ素子とし
    当該基準アンテナ素子以外の1つのアンテナ素子を指定
    して指定アンテナ素子として、前記基準アンテナ素子及
    び前記指定アンテナ素子における同相成分同士の積と直
    交成分同士の積との和を計算したものを第1のデータと
    し、前記基準アンテナ素子の同相成分及び前記指定アン
    テナ素子の直交成分の積と前記基準アンテナ素子の直交
    成分及び前記指定アンテナ素子の同相成分の積との差を
    計算したものを第2のデータとし、前記第1のデータ及
    び前記第2のデータにそれぞれ雑音抑圧処理を施した
    後、当該雑音抑制処理された第1のデータの2乗値と第
    2のデータの2乗値との和を計算したものを第3のデー
    タとし、さらに前記基準アンテナ素子における受信電力
    値と前記指定アンテナ素子における受信電力値の差を計
    算したものを第4のデータとして、前記第4のデータに
    (−1)を乗算して得られたものを2次方程式の1次の
    係数とし前記第3のデータに(−1)を乗算して得られ
    たものを2次方程式の定数として当該2次方程式の解を
    計算し、正の値の解を前記基準アンテナ素子に含まれる
    変調信号の信号電力推定値とし、前記基準アンテナ素子
    と他のアンテナ素子との受信電力値の差から前記他のア
    ンテナ素子に含まれる変調信号の信号電力推定値を算出
    する信号電力推定部と、 当該信号電力推定値から前記各アンテナ素子の重み係数
    を演算し当該重み係数によって前記各アンテナ素子の振
    幅位相を補正する重み係数演算部と、 当該重み係数演算部で補正された前記各アンテナ素子の
    前記同相成分及び前記直交成分を合成する合成部とを備
    えたアンテナビーム合成装置。
  12. 【請求項12】 指定アンテナ素子は、基準アンテナ素
    子の次に受信電力値の大きいアンテナ素子であることを
    特徴とする請求項10又は請求項11記載のアンテナビ
    ーム合成装置。
  13. 【請求項13】 指定アンテナ素子は、基準アンテナ素
    子以外の他の全てのアンテナ素子の中で受信電力の最も
    小さいアンテナ素子であることを特徴とする請求項10
    又は請求項11記載のアンテナビーム合成装置。
  14. 【請求項14】 重み係数演算部は、基準アンテナ素子
    以外の所定数のアンテナ素子の中の1つのアンテナ素子
    を指定し、当該指定アンテナ素子と前記基準アンテナと
    の受信信号を用いて信号電力推定値を演算し、前記所定
    数のアンテナ素子のそれぞれについて演算した所定数の
    信号電力推定値の平均値から前記基準アンテナ素子の重
    み係数の振幅成分を決定することを特徴とする請求項1
    0又は請求項11記載のアンテナビーム合成装置。
  15. 【請求項15】 無線通信システムにおいて複数のアン
    テナ素子からなるアレーアンテナの受信信号を用いて最
    大比合成を行うとき、各アンテナ素子でそれぞれ受信さ
    れた複数の受信信号をそれぞれ共通の局部発振信号を用
    いて、当該局部発振信号と同相である同相成分及び当該
    局部発振信号と直交する直交成分に変換する信号変換手
    段と、 前記同相成分及び前記直交成分に所定の信号変換処理を
    施して前記各アンテナ素子ごとのビーム信号を求めるマ
    ルチビーム形成部と、 当該マルチビーム形成部から出力される各ビーム信号か
    ら受信電力の大きい順に所定数のビーム信号を選択する
    ビーム選択部と、 選択された前記所定数のビーム信号から最大受信電力を
    有するビーム信号を基準ビーム信号として決定し、当該
    基準ビーム信号に含まれる信号電力を推定して信号電力
    推定値を求める信号電力推定部と、 前記信号電力推定値及び前記所定数のビーム信号に基づ
    いて重み係数を演算し、当該重み係数によって前記所定
    数のビーム信号の受信信号の振幅位相を補正する重み係
    数演算部と、 前記重み係数を乗算して補正された前記所定数のビーム
    信号を同相合成する合成部とを備えたアンテナビーム合
    成装置。
  16. 【請求項16】 信号電力推定部は、基準ビーム信号及
    び所定数のビーム信号の中で前記基準ビーム信号の次に
    受信電力値の大きいビーム信号に基づいて前記基準ビー
    ム信号の信号電力推定値を求めることを特徴とする請求
    項15記載のアンテナビーム合成装置。
  17. 【請求項17】 信号電力推定部は、基準ビーム信号及
    び所定数のビーム信号の中で受信電力値の最も小さいビ
    ーム信号に基づいて前記基準ビーム信号の電力推定値を
    求めることを特徴とする請求項15記載のアンテナビー
    ム合成装置。
  18. 【請求項18】 重み係数演算部は、基準ビーム信号以
    外の所定数のビーム信号の中の1つのビーム信号を指定
    して、当該指定ビーム信号と前記基準ビーム信号とを用
    いて信号電力推定値を演算し、前記所定数のビーム信号
    のそれぞれについて演算した所定数の信号電力推定値の
    平均値から前記基準ビーム信号の重み係数の振幅成分を
    決定することを特徴とする請求項16又は請求項17記
    載のアンテナビーム合成装置。
  19. 【請求項19】 重み係数を初期値とし、その後MMSE
    (Minimum Mean Square Error)又はCMA(Constant Mod
    ulus Algorithm)の干渉除去アルゴリズムによる重み係
    数更新を行うことにより干渉となる信号成分を除去する
    重み係数更新手段をさらに備えたことを特徴とする請求
    項10乃至請求項18のいずれか1項記載のアンテナビ
    ーム合成装置。
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