JP2003092549A - 無線基地装置、送信指向性キャリブレーション方法、および送信指向性キャリブレーションプログラム - Google Patents

無線基地装置、送信指向性キャリブレーション方法、および送信指向性キャリブレーションプログラム

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JP2003092549A JP2001284466A JP2001284466A JP2003092549A JP 2003092549 A JP2003092549 A JP 2003092549A JP 2001284466 A JP2001284466 A JP 2001284466A JP 2001284466 A JP2001284466 A JP 2001284466A JP 2003092549 A JP2003092549 A JP 2003092549A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空間多重により他の端末に対するキャリブレ
ーションを実行できる無線基地装置、端末の送信指向性
のキャリブレーション方法およびキャリブレーションプ
ログラムを提供する。 【解決手段】 アダプティブアレイ基地局2は、2本の
アンテナ23,24を用いて1本アンテナ端末1と信号
の送受信を行なうとともに、2本のアンテナ21,22
を用いて、端末1にヌルを向けながらキャリブレーショ
ンの対象となるアダプティブアレイ端末3に所望信号を
送る。アンテナ23,24から端末1への信号が端末3
への干渉信号となる。端末3は、受信ウェイトに基づき
所望信号源21,22および干渉信号源23,24にビ
ームおよびヌルを向ける送信指向性で信号を送信し、基
地局2はDU比を測定する。端末3は、最適のDU比が
得られるように受信ウェイトを補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、無線基地装置、
送信指向性キャリブレーション方法、および送信指向性
キャリブレーションプログラムに関し、特に、アダプテ
ィブアレイ端末の送信指向性のキャリブレーションを行
なうためのアダプティブアレイ基地局、そのようなアダ
プティブアレイ基地局における送信指向性キャリブレー
ション方法および送信指向性キャリブレーションプログ
ラムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、急速に発達しつつある移動体通信
システム(たとえば、Personal Handyphone System:以
下、PHS)では、電波の周波数利用効率を高めるため
に、同一周波数の同一タイムスロットを空間的に分割す
ることにより複数ユーザの無線移動端末装置(以下、端
末)を無線基地装置(以下、基地局)に空間多重接続さ
せることができるPDMA(Path Division Multiple A
ccess)方式が提案されている。
【0003】このPDMA方式では、現在のところアダ
プティブアレイ技術が採用されている。アダプティブア
レイ処理とは、端末からの受信信号に基づいて、基地局
のアンテナごとの受信係数(ウェイト)からなるウェイ
トベクトルを計算して適用制御することによって、所望
の端末からの信号を正確に抽出する処理である。
【0004】このようなアダプティブアレイ処理によ
り、各ユーザ端末のアンテナからの上り信号は、基地局
のアレイアンテナによって受信され、当該ユーザ端末の
受信ウェイトによって受信指向性を伴って分離抽出され
る。
【0005】また、基地局における受信と送信との間の
時間差が0であると仮定すると伝搬路(基地局のアンテ
ナ端と端末のアンテナ端との間の区間)に変動がないた
め、基地局から当該端末への下り信号は、受信時に得ら
れた受信ウェイトを送信ウェイト情報として適用するこ
とにより当該端末のアンテナに対する送信指向性を伴っ
て基地局のアレイアンテナから送信される。
【0006】このようなアダプティブアレイ処理は周知
の技術であり、たとえば菊間信良著の「アレーアンテナ
による適応信号処理」(科学技術出版)の第35頁〜第
49頁の「第3章 MMSEアダプティブアレー」に詳
細に説明されているので、ここではその動作原理につい
ての説明を省略する。
【0007】なお、以下の説明においては、このような
アダプティブアレイ処理を用いて端末に対する下りの送
信指向性制御を行なう基地局をアダプティブアレイ基地
局と称する。
【0008】一方、このようなアダプティブアレイ処理
を用いて受信指向性および送信指向性を形成して信号の
送受信を行なう無線端末装置が開発されている。以下
に、このようなアダプティブアレイ処理を用いて指向性
制御を行なう端末をアダプティブアレイ端末と称する。
【0009】しかしながら、これらのアダプティブアレ
イ基地局およびアダプティブアレイ端末において、たと
え上述のように、伝搬路に変動がなくても、アダプティ
ブアレイ基地局内またはアダプティブアレイ端末内にお
ける受信信号経路と送信信号経路との物理的な差違(た
とえば経路長の差、受信回路および送信回路に含まれる
アンプ、フィルタなどのデバイスの特性差など)によ
り、受信信号経路と送信信号経路とで、送受信信号間に
位相回転量、振幅変動量などの伝送特性の差が生じてし
まうことになる。
【0010】アダプティブアレイ基地局内またはアダプ
ティブアレイ端末内で送受信信号間に伝送特性の差があ
れば、上述のように受信ウェイトをそのまま送信ウェイ
トとして用いる方法では、送信相手先の端末または基地
局に対して最適な送信指向性を向けることができなくな
る。
【0011】このため、通常は、工場出荷時に基地局内
または端末内の受信信号経路の伝送特性と送信信号経路
の伝送特性との差を補償して最適の送信指向性を形成す
るためのキャリブレーションが行なわれる。
【0012】しかしながら、基地局内または端末内の受
信回路および送信回路に含まれるデバイスの特性は、経
年変化や温度変化により、出荷時とは異なってしまうた
め、基地局または端末の使用開始後に定期的にキャリブ
レーション処理を行なう必要がある。
【0013】設置後の基地局におけるそのようなキャリ
ブレーション処理については、たとえば国際公開番号W
O00/08777号公報(国際公開日2000年2月
17日)などに開示されている。このような従来の方法
では、たとえば、アダプティブアレイ基地局のアレイア
ンテナを構成する複数のアンテナのうち、あるアンテナ
から既知の信号を送信し、残りのアンテナでこの既知の
信号をアレイ受信することにより、基地局内の受信信号
経路の伝送特性と送信信号経路の伝送特性との差を測定
し補償して送信指向性を最適化するキャリブレーション
処理を行なっていた。また、アダプティブアレイ端末に
おいても、同様の方法によるキャリブレーション処理が
考えられる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、使用開
始後のアダプティブアレイ端末については、各端末単体
でキャリブレーション処理を行なうことが考えられる。
【0015】この方法では、既知の信号を送信するアン
テナと、これを受信するアンテナとの組合せを順次変更
しながら、アダプティブアレイ端末内の受信信号経路の
伝送特性と送信信号経路の伝送特性との差の補償を繰返
すこととなるため、次のような問題が生じる。
【0016】すなわち、補償を繰返すため全体のキャリ
ブレーション処理に時間を要し、また、既知の信号を送
信するアンテナを除く、残りの本数のアンテナでアレイ
受信をしていたため、アレイアンテナ全体で受信する場
合に比べて、端末のアダプティブアレイ性能すなわちキ
ャリブレーション性能が劣化するという問題があった。
【0017】さらに、単体の端末のアンテナ同士の間で
近距離の信号送受信を行なっていたため、次のような問
題が生じていた。
【0018】すなわち、信号が飽和しないように送受信
の電力制御が必要であり制御が複雑化していた。また、
送信アンテナと受信アンテナとの距離が短すぎると十分
な分解能(たとえばビーム、ヌルの鋭さ)を有する指向
性パターンを形成することが困難となり、アダプティブ
アレイ性能が劣化するという問題があった。
【0019】それゆえに、この発明の目的は、アダプテ
ィブアレイ端末のすべてのアンテナを外部からの既知の
送信信号の受信に用いることにより、アダプティブアレ
イ端末内で複雑な制御を行なうことなく、短時間にかつ
高精度にアダプティブアレイ端末の送信指向性のキャリ
ブレーション処理を行なうことができる無線基地装置、
送信指向性キャリブレーション方法、および送信指向性
キャリブレーションプログラムを提供することである。
【0020】この発明の他の目的は、アダプティブアレ
イ端末のキャリブレーションを行なうためのアダプティ
ブアレイ無線基地装置に、キャリブレーションの対象と
なるアダプティブアレイ端末以外の端末が接続している
場合であっても、アダプティブアレイ端末の送信指向性
のキャリブレーション処理を行なうことができる無線基
地装置、送信指向性キャリブレーション方法、および送
信指向性キャリブレーションプログラムを提供すること
である。
【0021】
【課題を解決するための手段】この発明の1つの局面
は、第1の複数のアンテナを用いてアダプティブアレイ
処理により無線端末装置との通信を行なう無線基地装置
であって、通常モード時に、第1の複数のアンテナの少
なくとも一部を用いて任意の無線端末装置と通信を行う
手段と、第2の複数のアンテナを用いてアダプティブア
レイ処理により無線基地装置との通信を行なう特定の無
線端末装置のキャリブレーションを行なうキャリブレー
ション多重モード時に、第1の複数のアンテナを第3の
複数のアンテナと第4の複数のアンテナとに分割する手
段と、第3の複数のアンテナを用いて任意の無線端末装
置との通信を継続する手段と、第4の複数のアンテナを
用いて、任意の無線端末装置に対しヌルを向ける送信指
向性を形成する手段と、形成された送信指向性で、任意
の無線端末装置との通信に使われる同一の周波数および
タイムスロットで、特定の無線端末装置に対する所望信
号を送信する手段と、特定の無線端末装置から第3の複
数のアンテナで受信した信号と第4の複数のアンテナで
受信した信号との受信レベルに関する情報を生成する手
段と、特定の無線端末装置における送信指向性のキャリ
ブレーションのために、生成された受信レベルに関する
情報を特定の無線端末装置に送信する手段とを備える。
【0022】この発明では、アダプティブアレイ無線基
地装置に、キャリブレーションの対象となるアダプティ
ブアレイ端末以外の任意の無線端末装置が接続している
場合であっても、当該任意の無線端末装置との空間多重
接続を維持しながら、アダプティブアレイ無線端末装置
の送信指向性のキャリブレーション処理を行なうことが
できる。
【0023】好ましくは、無線基地装置は、特定の無線
端末装置からキャリブレーションの終了を指示されるま
で、所望信号の送信と、受信レベルに関する情報の送信
を継続させる手段をさらに備える。
【0024】好ましくは、受信レベルに関する情報を生
成する手段は、第3の複数のアンテナで受信した特定の
無線端末装置からの信号の受信応答ベクトルと、第4の
複数のアンテナで受信した特定の無線端末装置からの信
号の受信応答ベクトルとを算出する手段と、算出された
受信応答ベクトルに基づいて、第3の複数のアンテナお
よび第4の複数のアンテナの受信レベル比を算出して、
受信レベルに関する情報として供給する手段とを含む。
【0025】好ましくは、送信指向性を形成する手段
は、第4の複数のアンテナで受信した任意の無線端末装
置からの信号の受信応答ベクトルを算出する手段と、算
出された受信応答ベクトルに基づいて、任意の無線端末
装置に強制的にヌルを向ける送信ウェイトを算出する手
段とを含む。
【0026】この発明の他の局面は、第1の複数のアン
テナを用いてアダプティブアレイ処理により無線端末装
置との通信を行なう無線基地装置における無線端末装置
の送信指向性キャリブレーション方法であって、通常モ
ード時に、第1の複数のアンテナの少なくとも一部を用
いて任意の無線端末装置と通信を行なうステップと、第
2の複数のアンテナを用いてアダプティブアレイ処理に
より無線基地装置との通信を行なう特定の無線端末装置
のキャリブレーションを行なうキャリブレーション多重
モード時に、第1の複数のアンテナを第3の複数のアン
テナと第4の複数のアンテナとに分割するステップと、
第3の複数のアンテナを用いて任意の無線端末装置との
通信を継続するステップと、第4の複数のアンテナを用
いて、任意の無線端末装置に対しヌルを向ける送信指向
性を形成するステップと、形成された送信指向性で、任
意の無線端末装置との通信に使われる同一の周波数およ
びタイムスロットで、特定の無線端末装置に対する所望
信号を送信するステップと、特定の無線端末装置から第
3の複数のアンテナで受信した信号と第4の複数のアン
テナで受信した信号との受信レベルに関する情報を生成
するステップと、特定の無線端末装置における送信指向
性のキャリブレーションのために、生成された受信レベ
ルに関する情報を特定の無線端末装置に送信するステッ
プとを備える。
【0027】この発明では、アダプティブアレイ無線基
地装置に、キャリブレーションの対象となるアダプティ
ブアレイ端末以外の任意の無線端末装置が接続している
場合であっても、当該任意の無線端末装置との空間多重
接続を維持しながら、アダプティブアレイ無線端末装置
の送信指向性のキャリブレーション処理を行なうことが
できる。
【0028】好ましくは、キャリブレーション方法は、
特定の無線端末装置からキャリブレーションの終了を指
示されるまで、所望信号の送信と、受信レベルに関する
情報の送信を継続させるステップをさらに備える。
【0029】好ましくは、受信レベルに関する情報を生
成するステップは、第3の複数のアンテナで受信した特
定の無線端末装置からの信号の受信応答ベクトルと、第
4の複数のアンテナで受信した特定の無線端末装置から
の信号の受信応答ベクトルとを算出するステップと、算
出された受信応答ベクトルに基づいて、第3の複数のア
ンテナおよび第4の複数のアンテナの受信レベル比を算
出して、受信レベルに関する情報として供給するステッ
プとを含む。
【0030】好ましくは、送信指向性を形成するステッ
プは、第4の複数のアンテナで受信した任意の無線端末
装置からの信号の受信応答ベクトルを算出するステップ
と、算出された受信応答ベクトルに基づいて、任意の無
線端末装置に強制的にヌルを向ける送信ウェイトを算出
するステップとを含む。
【0031】この発明のさらに他の局面は、第1の複数
のアンテナを用いてアダプティブアレイ処理により無線
端末装置との通信を行なう無線基地装置における無線端
末装置の送信指向性キャリブレーションプログラムであ
って、コンピュータに、通常モード時に、第1の複数の
アンテナの少なくとも一部を用いて任意の無線端末装置
と通信を行なうステップと、第2の複数のアンテナを用
いてアダプティブアレイ処理により無線基地装置との通
信を行なう特定の無線端末装置のキャリブレーションを
行なうキャリブレーション多重モード時に、第1の複数
のアンテナを第3の複数のアンテナと第4の複数のアン
テナとに分割するステップと、第3の複数のアンテナを
用いて任意の無線端末装置との通信を継続するステップ
と、第4の複数のアンテナを用いて、任意の無線端末装
置に対しヌルを向ける送信指向性を形成するステップ
と、形成された送信指向性で、任意の無線端末装置との
通信に使われる同一の周波数およびタイムスロットで、
特定の無線端末装置に対する所望信号を送信するステッ
プと、特定の無線端末装置から第3の複数のアンテナで
受信した信号と第4の複数のアンテナで受信した信号と
の受信レベルに関する情報を生成するステップと、特定
の無線端末装置における送信指向性のキャリブレーショ
ンのために、生成された受信レベルに関する情報を特定
の無線端末装置に送信するステップとを実行させる。
【0032】この発明では、アダプティブアレイ無線基
地装置に、キャリブレーションの対象となるアダプティ
ブアレイ端末以外の任意の無線端末装置が接続している
場合であっても、当該任意の無線端末装置との空間多重
接続を維持しながら、アダプティブアレイ無線端末装置
の送信指向性のキャリブレーション処理を行なうことが
できる。
【0033】好ましくは、キャリブレーションプログラ
ムは、特定の無線端末装置からキャリブレーションの終
了を指示されるまで、所望信号の送信と、受信レベルに
関する情報の送信を継続させるステップをさらに実行さ
せる。
【0034】好ましくは、受信レベルに関する情報を生
成するステップは、第3の複数のアンテナで受信した特
定の無線端末装置からの信号の受信応答ベクトルと、第
4の複数のアンテナで受信した特定の無線端末装置から
の信号の受信応答ベクトルとを算出するステップと、算
出された受信応答ベクトルに基づいて、第3の複数のア
ンテナおよび第4の複数のアンテナの受信レベル比を算
出して、受信レベルに関する情報として供給するステッ
プとを含む。
【0035】好ましくは、送信指向性を形成するステッ
プは、第4の複数のアンテナで受信した任意の無線端末
装置からの信号の受信応答ベクトルを算出するステップ
と、算出された受信応答ベクトルに基づいて、任意の無
線端末装置に強制的にヌルを向ける送信ウェイトを算出
するステップとを含む。
【0036】この発明のさらに他の局面は、第1の複数
のアンテナを用いてアダプティブアレイ処理により無線
端末装置との通信を行なう無線基地装置における無線端
末装置の送信指向性キャリブレーション方法であって、
通常モード時に、第1の複数のアンテナの少なくとも一
部を用いて任意の無線端末装置と通信を行なうステップ
と、第2の複数のアンテナを用いてアダプティブアレイ
処理により無線基地装置との通信を行なう特定の無線端
末装置のキャリブレーションを行なうキャリブレーショ
ン多重モード時に、第1の複数のアンテナを第3の複数
のアンテナと第4の複数のアンテナとに分割するステッ
プと、第3の複数のアンテナを用いて任意の無線端末装
置との通信を継続するステップと、第4の複数のアンテ
ナを用いて、任意の無線端末装置に対しヌルを向ける送
信指向性を形成するステップと、形成された送信指向性
で、任意の無線端末装置との通信に使われる同一の周波
数およびタイムスロットで、特定の無線端末装置に対す
る所望信号を第4の複数のアンテナで送信するステップ
と、特定の無線端末装置において第2の複数のアンテナ
で受信した、第4の複数のアンテナからの所望の信号お
よび第3の複数のアンテナから送信された信号に基づい
て第4の複数のアンテナにビームを向けかつ第3の複数
のアンテナにヌルを向ける送信指向性パターンを形成す
るためのウェイト情報を計算するステップと、計算され
たウェイト情報を補正するステップと、補正されたウェ
イト情報に基づく送信指向性パターンで特定の無線端末
装置から無線基地装置に所定の信号を送信するステップ
と、特定の無線端末装置から第3の複数のアンテナで受
信した所定の信号と第4の複数のアンテナで受信した所
定の信号との受信レベルに関する情報を生成するステッ
プと、特定の無線端末装置における送信指向性のキャリ
ブレーションのために、生成された受信レベルに関する
情報を特定の無線端末装置に送信するステップと、特定
の無線端末装置において受信した受信レベルに関する情
報に基づいて、無線基地装置における受信レベルに関す
る情報が最適となる前記ウェイト情報の補正の値を決定
するステップとを備える。
【0037】この発明では、アダプティブアレイ無線基
地装置に、キャリブレーションの対象となるアダプティ
ブアレイ端末以外の任意の無線端末装置が接続している
場合であっても、当該任意の無線端末装置との空間多重
接続を維持しながら、アダプティブアレイ無線端末装置
の送信指向性のキャリブレーション処理を行なうことが
できる。
【0038】好ましくは、キャリブレーション方法は、
特定の無線端末装置からキャリブレーションの終了を指
示されるまで、所望信号の送信と、受信レベルに関する
情報の送信を継続させるステップをさらに備える。
【0039】好ましくは、受信レベルに関する情報を生
成するステップは、第3の複数のアンテナで受信した特
定の無線端末装置からの信号の受信応答ベクトルと、第
4の複数のアンテナで受信した特定の無線端末装置から
の信号の受信応答ベクトルとを算出するステップと、算
出された受信応答ベクトルに基づいて、第3の複数のア
ンテナおよび第4の複数のアンテナの受信レベル比を算
出して、受信レベルに関する情報として供給するステッ
プとを含む。
【0040】好ましくは、受信レベル比を算出するステ
ップは、受信レベル比を所定期間にわたって平均したも
のを算出された受信レベル比として供給するステップを
含む。
【0041】好ましくは、送信指向性を形成するステッ
プは、第4の複数のアンテナで受信した任意の無線端末
装置からの信号の受信応答ベクトルを算出するステップ
と、算出された受信応答ベクトルに基づいて、任意の無
線端末装置に強制的にヌルを向ける送信ウェイトを算出
するステップとを含む。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相
当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0043】図1〜図3は、この発明の実施の形態のア
ダプティブアレイ端末の送信指向性のキャリブレーショ
ン方法の原理を模式的に示す概念図である。
【0044】この発明は、前述のように各アダプティブ
アレイ端末単体でキャリブレーション処理を行なうので
はなく、外部のアダプティブアレイ基地局との間で信号
のやり取りをすることにより、アダプティブアレイ端末
の送信指向性のキャリブレーション処理を行なうもので
ある。
【0045】特に図1〜図3に示した実施の形態では、
少なくとも4本のアンテナを有する外部のアダプティブ
アレイ基地局との信号のやり取りにより、当該アダプテ
ィブアレイ端末のキャリブレーションを行なうタイムス
ロットに他の端末が空間多重接続している場合であって
も、当該アダプティブアレイ端末の送信指向性のキャリ
ブレーション処理を可能にするものである。
【0046】以下に、図1〜図3を参照して、この発明
の実施の形態によるアダプティブアレイ端末の送信指向
性のキャリブレーション方法の原理について説明する。
【0047】図1において、無線装置1は、キャリブレ
ーション処理の対象ではない通常の1本アンテナ端末で
あり、無線装置2は、端末1との間で通信を行なってい
るアダプティブアレイ基地局である。
【0048】1本アンテナ端末1のアンテナ11から送
信された信号は、アダプティブアレイ基地局2のアレイ
アンテナを構成する少なくとも4本のアンテナ21,2
2,23,24によってアレイ受信され、アダプティブ
アレイ処理の結果得られる受信ウェイトに基づいて、実
線で示すような受信指向性パターンで、アンテナ11か
らの信号が分離抽出される。
【0049】このように4本のアンテナのすべてを用い
てアレイ処理を行なっているアダプティブアレイ基地局
2は、そのままでは、他のアダプティブアレイ端末のキ
ャリブレーションのために使用することはできない。
【0050】そこで、この発明の実施の形態では、図2
および図3の概念図に示すような原理で、端末1との空
間多重接続を維持しながら、キャリブレーション対象で
ある他のキャリブレーション端末のキャリブレーション
を実行するものである。
【0051】図2において、無線装置3は、キャリブレ
ーション処理の対象となるアダプティブアレイ端末であ
る。アダプティブアレイ端末3からのキャリブレーショ
ンの要求により、アダプティブアレイ基地局2は、少な
くとも2本のアンテナ23および24を用いて1本アン
テナ端末1に対する指向性パターンを形成し、少なくと
も2本のアンテナ21および22を用いてアダプティブ
アレイ端末3に対する指向性パターンを形成するよう基
地局2内の制御を切替えて、キャリブレーション処理を
開始する。
【0052】より具体的に、1本アンテナ端末1に対し
ては、図2において実線で示すように、端末1のアンテ
ナ11にビームが向けられた送信指向性パターンが、ア
ダプティブアレイ基地局2のアンテナ23,24による
アレイ処理により形成される。
【0053】一方、アダプティブアレイ端末3に対して
は、図2において破線で示すように、端末1のアンテナ
11に強制的にヌルが向けられた送信指向性パターン
が、アダプティブアレイ基地局2のアンテナ21,22
によるアレイ処理により形成される。
【0054】これにより、アダプティブアレイ基地局2
の2本のアンテナ21,22から、端末3にとって所望
信号となる、端末1との通信に使用されている所定周波
数と同じ周波数の既知の信号が送信され、2本のアンテ
ナ23,24から端末1に送信される上記所定周波数の
信号が端末3にとっての干渉信号となる。
【0055】これらの送信信号は、アダプティブアレイ
端末3のアレイアンテナを構成する少なくとも2本のア
ンテナ31,32によってアレイ受信され、アダプティ
ブアレイ処理の結果得られる受信ウェイトに基づいて、
図示するような受信指向性パターンで、基地局2のアン
テナ21,22からの所望信号が分離抽出される。
【0056】アダプティブアレイ端末3において、この
ような受信時に得られた受信ウェイトにはある補正値が
乗算されて後述する送信指向性の形成に用いられる。
【0057】次に、図3に示すように、アダプティブア
レイ端末3は、受信時に得られ、上述の補正値が乗算さ
れた受信ウェイトを送信ウェイトとして用いて、図示す
るような送信指向性パターンを形成し、アダプティブア
レイ基地局2に向かって信号を送信する。図示するよう
に、受信ウェイトを用いた送信ウェイトに基づいて形成
された送信指向性パターンは、アダプティブアレイ基地
局2のアンテナのうち、所望信号を送信したアンテナ2
1,22にビームが向けられており、干渉信号を送信し
たアンテナ23,24にヌルが向けられている。
【0058】アダプティブアレイ基地局2は、2本のア
ンテナ21,22で、アダプティブアレイ端末3からの
ビームの信号(所望信号)および1本アンテナ端末1か
らのヌルの信号(干渉信号)をアダプティブアレイ受信
し、端末3の受信応答ベクトル(Desired user's wav
e:以下、D波)を計算する。
【0059】一方、アダプティブアレイ基地局2は、2
本のアンテナ23,24で、1本アンテナ端末1からの
ビームの信号(所望信号)およびアダプティブアレイ端
末3からのヌルの信号(干渉信号)をアダプティブアレ
イ受信し、端末3の受信応答ベクトル(Undesired use
r's wave:以下、U波)を計算する。
【0060】アダプティブアレイ基地局2において、こ
れらの受信応答ベクトル(D波およびU波)の大きさを
計算し、その比率であるDU(Desired user's power:
Undesired user's power)比を算出する。言い換える
と、このDU比は、アダプティブアレイ基地局2に対す
る送信指向性パターンの形状におけるヌルの深さを表わ
している。
【0061】アダプティブアレイ端末3の送信指向性パ
ターンの精度が高いほど、アダプティブアレイ基地局2
のアンテナ21,22に対してはビームが、アンテナ2
3,24に対してはヌルが、それぞれより正確に向くこ
とになり(すなわちヌルが深くなり)、アンテナ21,
22での受信電力は増大し、アンテナ23,24での受
信電力は低下することになる。すなわち、DU比は高く
なる。
【0062】このことから、アダプティブアレイ基地局
2で測定されたDU比は、アダプティブアレイ端末3に
おいて送信指向性が正確に形成されているかを示す指標
として用いることができる。すなわち、アダプティブア
レイ基地局2で測定されるDU比が最適(最高)となる
ように、アダプティブアレイ端末3において受信ウェイ
トに乗算する補正値を決定すれば、アダプティブアレイ
端末3の送信指向性のキャリブレーションが行なわれた
ことになる。
【0063】なお、各アンテナの受信電力には、端末1
からの受信電力も含まれるので、端末3のみに対するD
U比を求めるために、各アンテナの受信電力から直接D
U比を求めるのではなく、端末3の受信応答ベクトルか
らDU比を算出するようにしたものである。
【0064】図4は、図1〜図3に示した実施の形態に
よる送信指向性のキャリブレーション方法の手順を示す
タイミング図である。
【0065】図4を参照して、左側にキャリブレーショ
ンの対象となるアダプティブアレイ端末3の動作を示
し、右側にキャリブレーションを行なうための外部の無
線装置としての少なくとも4本のアンテナを有するアダ
プティブアレイ基地局2の動作を示している。
【0066】図4を参照して、この発明の実施の形態に
よるキャリブレーション方法の具体的な手順について説
明する。
【0067】まず、端末側で、キャリブレーションを起
動する条件が満たされているか否かが判断される(ステ
ップS1)。ここで、キャリブレーションの起動条件と
は、たとえば、前回のキャリブレーション実行時からの
所定の期間の経過を計っているキャリブレーションタイ
マが満了したこと、前回のキャリブレーション実行時か
ら温度が変化したことを検出したこと、干渉回避動作
(たとえば基地局からのチャネル切替要求)の回数など
から送信指向性の劣化により通信品質が劣化したと判断
されたこと、などが挙げられる。
【0068】ステップS1において、これらの条件のい
ずれかが満たされていることが判断されると、端末側で
キャリブレーションが起動され、ステップS2において
キャリブレーションのための測定条件が満たされている
か否かが判定される。ここでは、端末が周囲の電波環境
をモニタし、干渉波が少ないこと、フェージングがない
ことなどが判断されると、キャリブレーション測定のた
めの条件は満たされていると判断し、キャリブレーショ
ン測定要求を基地局側に送信する。キャリブレーション
測定要求は、測定時間(後述するDU比の平均時間)、
使用する信号周波数など、キャリブレーションに関する
諸条件を含んでいる。このキャリブレーション測定要求
は、制御チャネルCCHによって端末から基地局へ送信
される。
【0069】このキャリブレーション測定要求を受けた
基地局側では、ステップS3においてキャリブレーショ
ンのための測定条件が満たされているか否かが判定され
る。ここでの測定条件は、基地局の周囲に干渉波が少な
いこと、フェージングがないことなどの電波環境に関す
る条件の他に、当該基地局自体がキャリブレーションの
実行に適しているか否かに関する条件を含む。すなわ
ち、当該基地局がキャリブレーションに使用するタイム
スロットにおいて他の端末と通信状態にあるか否かなど
である。
【0070】ステップS3において、当該基地局は、キ
ャリブレーションのための測定条件が満たされていると
判断すると、キャリブレーション測定指示を端末側に送
信する。このキャリブレーション測定指示は、制御チャ
ネルCCHによって基地局から端末へ送信される。
【0071】その後、制御チャネルCCHから通話チャ
ネルTCHに移行し、データ通信中に、図2および図3
に示した原理によるアダプティブアレイ端末の送信指向
性のキャリブレーション処理が実行される。
【0072】まず、アダプティブアレイ基地局2側から
キャリブレーション用の信号がアダプティブアレイ端末
3に送信される(ステップS4)。より具体的には、図
2に示したように、アダプティブアレイ基地局2のアン
テナ21,22から所望信号が、アンテナ23,24か
ら干渉信号が送信される。
【0073】アダプティブアレイ端末3側ではこれらの
キャリブレーション用の信号をアレイ受信する(ステッ
プS5)。より具体的には、アダプティブアレイ端末3
は、アダプティブアレイ処理により、図2に示したよう
な受信指向性パターンで基地局2からの信号を受信す
る。
【0074】端末3側では、所望信号の受信のために形
成された受信ウェイトにある補正値を乗算して送信ウェ
イトとし、図3に示すような送信指向性パターンを形成
して、すなわち基地局2のアンテナ21,22にビーム
を向けかつアンテナ23,24にヌルを向けた状態で、
信号を送信する(ステップS5)。ここで、補正値の初
期値としては、たとえば前回のキャリブレーション時に
決定されていた既存の補正値を用いるものとする。
【0075】基地局2側では、このように端末3から送
信された信号を受信し、アンテナ21,22で受信した
端末3からの信号の受信応答ベクトル(D波)と、アン
テナ23,24で受信した端末3からの信号の受信応答
ベクトル(U波)とに基づいて、アンテナ間の受信信号
電力のDU比を測定する(ステップS4)。そして基地
局2側のメモリに測定結果を記憶する。
【0076】このようなステップS4および5によるD
U比の測定動作を、通話チャネルのデータ通信中に、所
定の時間(キャリブレーション測定要求によって端末か
ら指定された時間)にわたって繰返し実行する。
【0077】そして、所定時間が経過すると、その時間
内に基地局側で測定されたDU比の平均値が基地局側で
計算され、その結果が端末側に通知される(ステップS
6)。このDU比測定結果は、通話チャネルTCHによ
って基地局から端末へ送信される。
【0078】アダプティブアレイ端末3側はこのDU比
測定結果を受信し、所定値以上になっているか否かを判
定する(ステップS7)。図3に関連して説明したよう
に、端末3の送信指向性が良好なほど、送信指向性パタ
ーン形状におけるヌルは深くなり(干渉成分が少なくな
り)、基地局側で測定されるDU比は大きくなる。
【0079】端末3は、測定された平均DU比が所定値
以上であれば、上述のステップS5において受信ウェイ
トはすでに適切な補正値によって補正されているものと
判断し、当該補正値を最終のキャリブレーション補正値
として決定し、記録する。そして、基地局2側にキャリ
ブレーション終了通知を送信する(ステップS7)。
【0080】そして、端末3では、次回のキャリブレー
ション実行時まで、当該補正値を受信ウェイトに乗算す
ることにより送信ウェイトを形成する。これにより、最
適な送信指向性が形成される。
【0081】一方、測定された平均DU比が所定値以上
になっていないと端末で判断されると、補正値を変更し
てキャリブレーション処理を継続することを決定し、キ
ャリブレーション継続要求を基地局側に送信する(ステ
ップS7)。
【0082】以後の動作は、上述のステップS3からS
7までの動作の繰返しであり、基地局側でキャリブレー
ション測定条件を再度確認し、条件が満たされていれば
キャリブレーション測定指示を端末側に送信し、データ
通信中に上述のDU比の測定を繰返す。
【0083】このように、基地局2側で得られる平均D
U比が所定値以上になるまで、端末側3で受信ウェイト
に乗算する補正値を更新しながら、キャリブレーション
処理(平均DU比の測定)を継続する。そして最終的に
平均DU比が所定値以上となったときの補正値をキャリ
ブレーション補正値として決定する。
【0084】なお、上述の方法では、所定時間内に測定
されたDU比の平均値を基地局側で測定し端末側に送り
返しているが、この実施の形態1によるDU比に基づく
キャリブレーション方法はこのような方法に限定される
ものではない。
【0085】たとえば、図4のステップS4および5に
おいて、端末側で補正値を変更しながらその都度基地局
側で測定されたDU比を基地局から返送させ、ステップ
S4および5の過程で最適な(最大の)DU比が得られ
た補正値を決定するようにしてもよい。
【0086】なお、基地局側からは計算された受信応答
ベクトル(D波およびU波)を端末側へ送信させ、端末
側でDU比を算出するようにしてもよい。
【0087】次に、図5は、図2〜図4に示した実施の
形態による送信指向性キャリブレーションの対象となる
アダプティブアレイ端末3の構成を示すブロック図であ
る。
【0088】図5を参照して、キャリブレーションの対
象となるアダプティブアレイ端末3の構成について詳細
に説明する。図5のアダプティブアレイ端末3は、複数
本のアンテナ、たとえばアンテナ31,32からなるア
レイアンテナを備えている。アンテナ31,32は、そ
れぞれ、無線部310,320に接続される。無線部3
10および320は全く同じ構成を有している。
【0089】無線部310は、スイッチ315と、送信
部311と、受信部312と、D/A変換器313と、
A/D変換器314とを備えている。
【0090】受信時には、アンテナ31で受信した信号
が受信部312に与えられるようにスイッチ315は切
換わる。受信部312はローノイズアンプ等を含み、与
えられた受信信号に対し、高周波から低周波への周波数
変換、増幅などの各種のアナログ信号処理を施してA/
D変換器314へ与える。A/D変換器314に与えら
れた受信信号はデジタル信号に変換されてユーザ信号処
理部50に与えられる。
【0091】一方、無線部320は、スイッチ325
と、送信部321と、受信部322と、D/A変換器3
23と、A/D変換器324とを備えている。
【0092】受信時には、アンテナ32で受信した信号
が受信部322に与えられるようにスイッチ325は切
換わる。受信部322はローノイズアンプ等を含み、与
えられた受信信号に対し、高周波から低周波への周波数
変換、増幅などの各種のアナログ信号処理を施してA/
D変換器324へ与える。A/D変換器324に与えら
れた受信信号はデジタル信号に変換されてユーザ信号処
理部50に与えられる。
【0093】ユーザ信号処理部50は、後述する制御部
70の制御下に、端末3の受信および送信の指向性パタ
ーンの形成に関する処理を実行する。すなわち、ユーザ
信号処理部50は、後述するアダプティブアレイ処理に
より、当該端末3と通信している基地局からのユーザ信
号を抽出する。抽出された基地局からのユーザ信号は、
モデム部60に与えられて、π/4シフトQPSK復調
を含む所定の処理が施され、元の信号に復元されて図示
しないスピーカなどの音声再生装置に供給される。
【0094】一方、送信時には、図示しないマイクなど
の音声信号源から与えられた送信信号は、モデム部60
を介してπ/4シフトQPSK変調を含む所定の処理が
施され、ユーザ信号処理部50に与えられる。
【0095】ユーザ信号処理部50は、後述するよう
に、モデム部60から入力された送信信号を所望の端末
へ送信できるように重み付けして(送信指向性を形成し
て)、無線部310のD/A変換器313および無線部
320のD/A変換器323に与える。
【0096】無線部310のD/A変換器313でアナ
ログ信号に変換された送信信号は、ハイパワーアンプ等
を含む送信部311に与えられ、そこで、低周波から高
周波への周波数変換、送信出力レベルまでの増幅など、
無線送信に必要な各種のアナログ信号処理が施される。
なお、送信出力は、制御部70からの指示に応じてハイ
パワーアンプのゲインを制御することによって調整され
る。
【0097】送信時には、スイッチ315は、送信部3
11とアンテナ31とを接続するように切換わり、送信
部311で無線処理された送信信号は、アンテナ31か
ら送信される。
【0098】一方、無線部320のD/A変換器323
でアナログ信号に変換された送信信号は、ハイパワーア
ンプ等を含む送信部321に与えられ、そこで、低周波
から高周波への周波数変換、送信出力レベルまでの増幅
など、無線送信に必要な各種のアナログ信号処理が施さ
れる。なお、送信出力は、制御部70からの指示に応じ
てハイパワーアンプのゲインを制御することによって調
整される。
【0099】送信時には、スイッチ325は、送信部3
21とアンテナ32とを接続するように切換わり、送信
部321で無線処理された送信信号は、アンテナ32か
ら送信される。
【0100】制御部70は、送信指向性のキャリブレー
ション時に、モデム部60によって復調された受信信号
に含まれる相手先のアダプティブアレイ基地局2からの
情報にしたがって、キャリブレーション処理を実行する
ように、ユーザ信号処理部50を制御する。制御部70
は、中央処理装置(CPU)、メモリなどで構成され
る。
【0101】ユーザ信号処理部50はデジタルシグナル
プロセッサ(DSP)を用いてソフトウェアで実現され
る。
【0102】図6は、図5に示したユーザ信号処理部5
0の構成を示す機能ブロック図である。図6を参照し
て、図5のアンテナ31に対応する無線部310の受信
部312からA/D変換器314を介して与えられたデ
ジタルの受信信号およびアンテナ32に対応する無線部
320の受信部322からA/D変換器324を介して
与えられたデジタルの受信信号がユーザ信号処理部50
に与えられる。
【0103】以下に、ユーザ信号処理部50に与えられ
たこれらのデジタル信号の処理について説明する。ユー
ザ信号処理部50に与えられたこれらの信号に対して
は、図6に示す機能ブロック図に従って、当該アダプテ
ィブアレイ端末の図示しないDSPにより、ソフトウェ
ア的にアダプティブアレイ処理が施される。
【0104】図6を参照して、無線部310,320よ
りユーザ信号処理部50に与えられた2系統のデジタル
受信信号からなる受信信号ベクトルx1(t),x2
(t)は、乗算器MR1,MR2のそれぞれの一方入力
に与えられるとともに、受信ウェイトベクトル計算機5
2に与えられる。
【0105】受信ウェイトベクトル計算機52は、周知
のアダプティブアレイアルゴリズムリズムにより、アン
テナごとのウェイトからなるウェイトベクトルw1,w2
を算出し、乗算器MR1,MR2のそれぞれの他方入力
に与えて、対応するアンテナからの受信信号ベクトルと
それぞれ複素乗算する。加算器AD1によりその複素乗
算結果の総和である受信信号が得られ、図5のモデム部
60に与えられる。
【0106】一方、送信ウェイトベクトル計算機54
は、受信ウェイトベクトル計算機52からの受信ウェイ
トベクトルw1,w2を補正値乗算回路55で補正したウ
ェイトベクトルを送信ウェイトベクトルとして出力す
る。
【0107】図5のモデム部60からの送信信号が、乗
算器MT1,MT2のそれぞれの一方入力端子に与えら
れ、乗算器MT1,MT2のそれぞれの他方入力端子に
は、送信ウェイトベクトル計算機54で得られた送信ウ
ェイトベクトルが印加される。
【0108】このように、ユーザ信号処理部50で送信
ウェイトベクトルとの複素乗算で重み付けされたデジタ
ル送信信号はそれぞれ無線部310,320に与えられ
る。無線部310,320に与えられたデジタル送信信
号は、それぞれアンテナ31,32を介して送信され
る。
【0109】次に、受信ウェイトベクトル計算機52に
よる受信ウェイトベクトルの算出について説明する。こ
こで、たとえば所望基地局および干渉基地局の2つの基
地局が存在し、そのうち所望基地局からの信号を所望信
号、干渉基地局からの信号を干渉信号とする。
【0110】まず、所望基地局からの信号をA(t),
干渉基地局からの信号をB(t)とすると、図5のアン
テナ31での受信信号x1(t)は、次式のように表わ
される: x1(t)=a1×A(t)+b1×B(t) ここで、a1,b1は、リアルタイムで変化する係数で
ある。
【0111】次に、アンテナ32での受信信号x2
(t)は、次式のように表わされる: x2(t)=a2×A(t)+b2×B(t) ここで、a2,b2も同様にリアルタイムで変化する係
数である。
【0112】上述の係数a1,a2は、所望基地局から
の信号電波に対し、アンテナ31,32のそれぞれの受
信信号の位相および振幅情報を表わし、係数b1,b2
は、干渉基地局からの信号電波に対し、アンテナ31,
32のそれぞれの受信信号の位相および振幅情報を表わ
している。端末は移動しているため、これらの係数はリ
アルタイムで変化する。
【0113】それぞれのアンテナで受信された信号x1
(t),x2(t)は、アダプティブアレイを構成する
乗算器MR1,MR2の一方入力にそれぞれ与えられ、
これらの乗算器の他方入力には、受信ウェイトベクトル
計算機52によってリアルタイムで計算されたそれぞれ
のアンテナでの受信信号に対する重みからなるウェイト
ベクトルw1,w2が印加される。
【0114】したがって、乗算器MR1の出力は、w1
×(a1A(t)+b1B(t))となり、乗算器MR
2の出力は、w2×(a2A(t)+b2B(t))と
なる。
【0115】これらの乗算器MR1,MR2の出力は、
加算器AD1で加算され、その出力は次のようになる: w1(a1A(t)+b1B(t))+w2(a2A
(t)+b2B(t)) これを信号A(t)に関する項と信号B(t)に関する
項とに分けると次のようになる: (w1a1+w2a2)A(t)+(w1b1+w2b2)
B(t) ここで、受信ウェイトベクトル計算機52は、所望基地
局および干渉基地局を識別し、所望基地局の端末からの
信号のみを抽出できるように、上記ウェイトw 1,w2
計算する。たとえば、ユーザ信号処理部50の受信ウェ
イトベクトル計算機52は、所望基地局からの信号A
(t)のみを抽出するために、係数a1,a2,b1,
b2を定数とみなし、信号A(t)の係数が全体として
1、信号B(t)の係数が全体として0となるように、
ウェイトw1,w2を計算する。
【0116】このようにウェイトw1,w2を設定するこ
とにより、加算器AD1の出力信号は下記のとおりとな
る。
【0117】 出力信号=1×A(t)+0×B(t)=A(t) 上述のように、所望信号源である基地局からの所望信号
A(t)に対する係数が1、干渉信号源である基地局か
らの干渉信号B(t)に対する係数が0となるような受
信ウェイトw1,w2を求めて送信ウェイトとして用いる
ことにより、所望信号源である基地局にビームが向けら
れ、干渉信号源である基地局にヌルが向けられた送信指
向性が形成される。
【0118】図5および図6に示す上述のアダプティブ
アレイ端末3において、この発明の実施の形態による送
信指向性のキャリブレーション処理がどのように行なわ
れるかについて以下に説明する。
【0119】図2に示すアダプティブアレイ基地局2の
アンテナ21,22が、上述の所望信号源(所望基地
局)に相当し、アンテナ23,24が干渉信号源(干渉
基地局)に相当する。
【0120】そして、キャリブレーションの対象である
アダプティブアレイ端末3のユーザ信号処理部50(図
6)の受信ウェイトベクトル計算機52により、所望信
号源(アンテナ21,22)からの信号A(t)に対す
る係数が1、干渉信号源(アンテナ23,24)からの
信号B(t)に対する係数が0となるような受信ウェイ
トw1,w2を求め、送信ウェイトとして使用する。
【0121】これにより、図3に示すように、所望信号
源(アンテナ21,22)にビームが向き、干渉信号源
(アンテナ23,24)にヌルが向いた、送信指向性パ
ターンが形成される。
【0122】ただし、受信ウェイトw1,w2は、補正値
乗算回路55により、補正値が乗算される。図4に関連
して説明したように、アダプティブアレイ基地局2から
は、測定されたDU比情報が端末3に送信されてくる。
【0123】このDU比情報は、端末3のモデム部60
で再現され、制御部70に与えられる。制御部70は、
図4で説明した手順で、アダプティブアレイ基地局2か
ら送られてきたDU比が所定値以上になったことを判定
するまで、受信ウェイトw1,w2に乗算される補正値を
更新するよう補正値乗算回路55を制御する。
【0124】一方、少なくとも4本のアンテナを有する
アダプティブアレイ基地局2の構成を図7に示す。
【0125】図7を参照して、キャリブレーションを行
なうためのアダプティブアレイ基地局2の構成について
詳細に説明する。図7のアダプティブアレイ基地局2
は、少なくとも4本のアンテナ、たとえばアンテナ2
1,22,23,24からなるアレイアンテナを備えて
いる。アンテナ21,22,23,24は、それぞれ、
無線部210,220,230,240に接続される。
無線部210,220,230,240は全く同じ構成
を有しているので、無線部210についてのみその構成
および動作を説明する。
【0126】無線部210は、スイッチ215と、送信
部211と、受信部212と、D/A変換器213と、
A/D変換器214とを備えている。
【0127】受信時には、アンテナ21で受信した信号
が受信部212に与えられるようにスイッチ215は切
換わる。受信部212はローノイズアンプ等を含み、与
えられた受信信号に対し、高周波から低周波への周波数
変換、増幅などの各種のアナログ信号処理を施してA/
D変換器214へ与える。A/D変換器214に与えら
れた受信信号はデジタル信号に変換されてユーザ信号処
理部80に与えられる。
【0128】無線部220,230,240からもデジ
タル信号に変換された受信信号がユーザ信号処理部80
に与えられる。
【0129】ユーザ信号処理部80は、図1に示すよう
にアダプティブアレイ基地局2が1つの端末1と通信し
ているときと、図2および図3に示すようにこの端末1
との接続を維持しながらアダプティブアレイ端末3のキ
ャリブレーションをおこなうときとでは、動作が異な
る。これらの動作については後述する。
【0130】ユーザ信号処理部80は、通常は、アダプ
ティブアレイ処理により、当該アダプティブアレイ基地
局2に接続している端末からの受信信号を分離抽出す
る。分離抽出された端末からの受信信号は、モデム部9
0に与えられて、π/4シフトQPSK復調を含む所定
の処理が施され、もとの信号に復元されて図示しない公
衆回線網に供給される。
【0131】一方、送信時には、図示しない公衆回線網
から与えられた送信信号は、モデム部90を介してπ/
4シフトQPSK変調を含む所定の処理が施され、ユー
ザ信号処理部80に与えられる。
【0132】ユーザ信号処理部80は、モデム部90か
ら入力された送信信号を所望の端末へ送信できるように
重み付けして(送信指向性を形成して)、無線部210
のD/A変換器213および無線部220,230,2
40の図示しないD/A変換器に与える。
【0133】無線部210のD/A変換器213でアナ
ログ信号に変換された送信信号は、ハイパワーアンプ等
を含む送信部211に与えられ、そこで、低周波から高
周波への周波数変換、送信出力レベルまでの増幅など、
無線送信に必要な各種のアナログ信号処理が施される。
なお、送信出力は、図示しない制御部からの指示に応じ
てハイパワーアンプのゲインを制御することによって調
整される。
【0134】送信時には、スイッチ215は、送信部2
11とアンテナ21とを接続するように切換わり、送信
部211で無線処理された送信信号は、アンテナ31か
ら送信される。
【0135】無線部220,230,240においても
同様の処理が行なわれ、無線処理された送信信号は、ア
ンテナ22,23,24から送信される。
【0136】次に、図7に示したアダプティブアレイ基
地局2を用いて、この発明の実施の形態による送信指向
性のキャリブレーション処理がどのように行われるかに
ついて説明する。
【0137】図8は、図1に示すようにアダプティブア
レイ基地局2が4本のアンテナを用いて1つの端末1と
通信しているときのユーザ信号処理部80を構成するD
SPの処理を機能的に説明する機能ブロック図であり、
図9および図10は、図2および図3に示すようなアン
テナの分割使用により、この端末1との接続を維持しな
がらアダプティブアレイ端末3のキャリブレーションを
おこなうときのユーザ信号処理部80を構成するDSP
の処理を機能的に説明する機能ブロック図である。これ
らのブロック図は、DSPによって実現される動作の原
理を説明するためにDSPを各種の回路要素の結合とし
て実現したものであり、現実には図4および後述する図
12のフロー図に沿った処理をソフトウェアで実現する
ものである。
【0138】まず、図8を参照して、図1に示すように
アダプティブアレイ基地局2が1つの端末1と通信して
いるときのユーザ信号処理部80の動作について説明す
る。
【0139】図8において、図7のアンテナ21に対応
する無線部210の受信部212からA/D変換器21
4を介して与えられたデジタルの受信信号、およびアン
テナ22,23,24に対応する無線部220,23
0,240のそれぞれの図示しない受信部から図示しな
いA/D変換器を介して与えられたデジタルの受信信号
がユーザ信号処理部80に与えられる。
【0140】以下に、ユーザ信号処理部80に与えられ
たこれらのデジタル信号の処理について説明する。ユー
ザ信号処理部80に与えられたこれらの信号に対して
は、図8に示す機能ブロック図に従って、当該アダプテ
ィブアレイ基地局2の図示しないDSPにより、ソフト
ウェア的にアダプティブアレイ処理が施される。
【0141】図8を参照して、無線部210,220,
230,240よりユーザ信号処理部80に与えられた
4系統のデジタル受信信号からなる受信信号ベクトルx
1(t),x2(t),x3(t),x4(t)は、乗
算器MR1,MR2,MR3,MR4のそれぞれの一方
入力に与えられるとともに、受信ウェイトベクトル計算
機81に与えられる。
【0142】受信ウェイトベクトル計算機81は、図6
のアダプティブアレイ端末3のユーザ信号処理部50に
関連してすでに説明した周知のアダプティブアレイアル
ゴリズムリズムにより、アンテナごとのウェイトからな
るウェイトベクトルw1,w2,w3,w4を算出し、乗算
器MR1,MR2,MR3,MR4のそれぞれの他方入
力に与えて、対応するアンテナからの受信信号ベクトル
とそれぞれ複素乗算する。加算器AD1によりその複素
乗算結果の総和である受信信号が得られ、図7のモデム
部90に与えられる。
【0143】一方、送信ウェイトベクトル計算機82
は、受信ウェイトベクトル計算機81からの受信ウェイ
トベクトルw1,w2,w3,w4を受けて送信ウェイトベ
クトルとして出力する。
【0144】図7のモデム部90からの送信信号が、乗
算器MT1,MT2,MT3,MT4のそれぞれの一方
入力端子に与えられ、乗算器MT1,MT2,MT3,
MT4のそれぞれの他方入力端子には、送信ウェイトベ
クトル計算機82で得られた送信ウェイトベクトルが印
加される。
【0145】このように、ユーザ信号処理部80で送信
ウェイトベクトルとの複素乗算で重み付けされたデジタ
ル送信信号はそれぞれ無線部210,220,230,
240に与えられる。無線部210,220,230,
240に与えられたデジタル送信信号は、それぞれアン
テナ21,22,23,24を介して送信される。
【0146】これにより、図1に示す送信指向性パター
ンで端末1のアンテナ11に対してビームが向けられた
形で、アダプティブアレイ基地局2から信号が送信され
る。
【0147】これに対し、図2および図3に示すよう
に、端末1との接続を維持しながら、アダプティブアレ
イ端末3のキャリブレーションを実行する場合のアダプ
ティブアレイ基地局2のユーザ信号処理部80の動作に
ついて説明する。
【0148】この場合、ユーザ信号処理部80は、図9
に示す端末1用の処理部80aの機能と、図10に示す
端末3用の処理部80bの機能とを、並行して実現す
る。すなわち、図2および図3に関連して先に説明した
ように、この場合には、4本のアンテナ21,22,2
3,24を2グループに分割し、アンテナ21,22を
端末3のキャリブレーションに使用し、アンテナ23,
24を端末1との通信の維持に使用している。
【0149】まず、図9を参照して、アンテナ23,2
4を使用したアダプティブアレイ基地局2の処理部80
aによる端末1に対する指向性の形成処理について説明
する。
【0150】図9を参照して、アンテナ23に対応する
無線部230の図示しない受信部から図示しないA/D
変換器を介して与えられたデジタルの受信信号およびア
ンテナ24に対応する無線部240の図示しない受信部
から図示しないA/D変換器を介して与えられたデジタ
ルの受信信号がユーザ信号処理部80aに与えられる。
【0151】以下に、ユーザ信号処理部80aに与えら
れたこれらのデジタル信号の処理について説明する。ユ
ーザ信号処理部80aに与えられたこれらの信号に対し
ては、図9に示す機能ブロック図に従って、当該アダプ
ティブアレイ基地局2の図示しないDSPにより、ソフ
トウェア的に信号処理が施される。
【0152】図9を参照して、無線部230,240よ
りユーザ信号処理部80aに与えられた2系統のデジタ
ル受信信号からなる端末1からの受信信号ベクトルx1
(t),x2(t)は、乗算器MR1,MR2のそれぞ
れの一方入力に与えられるとともに、受信ウェイトベク
トル計算機87および受信応答ベクトル推定部88に与
えられる。
【0153】受信ウェイトベクトル計算機87は、すで
に説明した周知のアダプティブアレイアルゴリズムリズ
ムにより、アンテナごとのウェイトからなるウェイトベ
クトルw1,w2を算出し、乗算器MR1,MR2のそれ
ぞれの他方入力に与えて、対応するアンテナからの受信
信号ベクトルとそれぞれ複素乗算する。加算器AD1に
よりその複素乗算結果の総和である受信信号が得られ、
図7のモデム部90に与えられる。
【0154】一方、受信応答ベクトル推定部88は、受
信信号ベクトルx1(t),x2(t)と、後述する処
理部80b(図10)で抽出され、図7のモデム部90
で復調された端末3の信号とに基づいて、後述する方法
で、端末3の信号の受信応答ベクトルを計算し、図7の
DU比測定部100に与える。
【0155】図7のモデム部90からの送信信号が、乗
算器MT1,MT2のそれぞれの一方入力端子に与えら
れ、乗算器MT1,MT2のそれぞれの他方入力端子に
は、受信ウェイトベクトルが送信ウェイトベクトルとし
て送信ウェイトベクトル計算機89から印加される。
【0156】このように、ユーザ信号処理部80aで送
信ウェイトベクトルとの複素乗算で重み付けされたデジ
タル送信信号はそれぞれ無線部230,240に与えら
れる。無線部230,240に与えられたデジタル送信
信号は、それぞれアンテナ23,24を介して送信され
る。
【0157】次に、受信応答ベクトル推定部88による
受信応答ベクトルの推定について説明する。まず、受信
応答ベクトルの計算の基本的な考え方について説明す
る。
【0158】アンテナ23,24における受信信号x1
(t),x2(t)が前述の式で表わされるとき、端末
3からの受信応答ベクトルHaは、次式で表わされる: Ha=[a1,a2]T(Tは転置) ここで、端末3の信号A(t)と端末1の信号B(t)
とには相関がないものとする。また、参照信号として端
末3の信号A(t)を生成するものとする。
【0159】受信応答ベクトル推定部88は、受信信号
x1(t)に参照信号A*(t)(*は複素共役)を乗
じてアンサンブル平均を取ることにより、次式に基づい
てa1を算出する: E[x1(t)A*(t)] =E[a1A(t)A*(t)]+E[b1B(t)A
*(t)] ≒a1 ここで、同一信号間のアンサンブル平均は1、相関が無
い信号間のアンサンブル平均はほぼ0となることから、
E[A(t)A*(t)]=1、E[B(t)A*
(t)]≒0である。
【0160】次に、受信信号x2(t)に対して同様の
計算をすることによってa2を算出する: E[x2(t)A*(t)] =E[a2A(t)A*(t)]+E[b2B(t)A
*(t)] ≒a2 以上により、端末3の受信応答ベクトルを計算すること
ができる。この端末3の受信応答ベクトルは、前述のよ
うに、図7のDU比測定部100に与えられる。
【0161】一方、図2に示すように、アダプティブア
レイ基地局2のアンテナ21,22からは、端末1に対
し強制的にヌルを向けた送信指向性で、端末3にとって
の所望信号が送信される。また、図3に示すように、ア
ダプティブアレイ基地局2のアンテナ21,22には、
端末3からビームが向けられた送信指向性パターンで信
号が送信される。
【0162】次に、図10を参照して、アンテナ21,
22を使用したアダプティブアレイ基地局2の処理部8
0bによる端末3に対する指向性の形成処理について説
明する。
【0163】図10を参照して、アンテナ21に対応す
る無線部210の受信部212からA/D変換器214
を介して与えられたデジタルの受信信号およびアンテナ
22に対応する無線部220の図示しない受信部から図
示しないA/D変換器を介して与えられたデジタルの受
信信号がユーザ信号処理部80bに与えられる。
【0164】以下に、ユーザ信号処理部80bに与えら
れたこれらのデジタル信号の処理について説明する。ユ
ーザ信号処理部80bに与えられたこれらの信号に対し
ては、図10に示す機能ブロック図に従って、当該アダ
プティブアレイ基地局2の図示しないDSPにより、ソ
フトウェア的に信号処理が施される。
【0165】図10を参照して、無線部210,220
よりユーザ信号処理部80bに与えられた2系統のデジ
タル受信信号からなる端末3からの受信信号ベクトルx
1(t),x2(t)は、乗算器MR1,MR2のそれ
ぞれの一方入力に与えられるとともに、受信ウェイトベ
クトル計算機83および受信応答ベクトル推定部84に
与えられる。
【0166】受信ウェイトベクトル計算機84は、すで
に説明した周知のアダプティブアレイアルゴリズムリズ
ムにより、アンテナごとのウェイトからなるウェイトベ
クトルw1,w2を算出し、乗算器MR1,MR2のそれ
ぞれの他方入力に与えて、対応するアンテナからの受信
信号ベクトルとそれぞれ複素乗算する。加算器AD1に
よりその複素乗算結果の総和である受信信号が得られ、
図7のモデム部90に与えられる。
【0167】一方、受信応答ベクトル推定部84は、受
信信号ベクトルx1(t),x2(t)と、処理部80
aおよび80bでそれぞれ抽出され、図7のモデム部9
0で復調された端末1および3の信号とに基づいて、前
述の方法で、端末1および3の信号の受信応答ベクトル
を計算して、強制ヌルウェイト推定部85に与える。計
算された端末3の信号の受信応答ベクトルはまた、図7
のDU比測定部100に与えられる。
【0168】強制ヌルウェイト推定部85は、与えられ
た端末1および3の信号の受信応答ベクトルに基づい
て、後述する方法で、端末1にヌルを向ける強制ヌルウ
ェイトベクトルを推定し、送信ウェイトベクトル計算機
86に与える。
【0169】図7のモデム部90からの送信信号が、乗
算器MT1,MT2のそれぞれの一方入力端子に与えら
れ、乗算器MT1,MT2のそれぞれの他方入力端子に
は、送信ウェイトベクトル計算機86から、強制ヌルウ
ェイトベクトルが、送信ウェイトベクトルとして印加さ
れる。
【0170】このように、ユーザ信号処理部80bで送
信ウェイトベクトルとの複素乗算で重み付けされたデジ
タル送信信号はそれぞれ無線部210,220に与えら
れる。無線部210,220に与えられたデジタル送信
信号は、それぞれアンテナ21,22を介して送信され
る。
【0171】強制ヌルウェイト推定部85は、受信応答
ベクトル推定部84から端末1および3の受信応答ベク
トルを受け、端末1にヌルが向くようなウェイトベクト
ル(以下、強制ヌルウェイトベクトル)を計算する。以
下に、強制ヌルウェイトベクトルの計算の基本的な考え
方について説明する。
【0172】前述のように、アダプティブアレイの出力
信号を端末3の信号A(t)に関する項と端末1の信号
B(t)に関する項とに分けると、次式のように表すこ
とができる: (w1a1+w2a2)A(t)+(w1b1+w2b2)
B(t) このとき、端末1からの信号B(t)を抑圧するため
に、信号B(t)の係数が全体として0となり、信号A
(t)の係数が全体として1となるように、重みw1
2を計算する: w1b1+w2b2=0 w1a1+w2a2=1 受信ウェイトベクトル計算機83によって、b1,b2
は既知であるから、上記の式により直接w1,w2を計算
することができる。このように計算されたウェイトを強
制ヌルウェイトと称する。
【0173】端末3の送信指向性のキャリブレーション
時には、基地局2では、アダプティブアレイを構成する
乗算器MT1,MT2の一方入力にはそれぞれモデム部
90から送信信号が入力され、これらの乗算器の他方入
力には強制ヌルウェイト推定部85で計算された強制ヌ
ルウェイトベクトルが入力される。
【0174】これにより、図2および図3に示すよう
に、アダプティブアレイ基地局2は、端末1に対してヌ
ルを向けた受信および送信指向性で、端末3と信号のや
り取りが可能となる。
【0175】アンテナ23,24で受信した端末3から
の信号の受信応答ベクトルは、処理部80aの受信応答
ベクトル推定部88からDU比測定部100に与えら
れ、アンテナ21,22で受信した端末3からの信号の
受信応答ベクトルは、処理部80bの受信応答ベクトル
推定部84からDU比測定部100に与えられる。
【0176】DU比測定部100は、次のように受信応
答ベクトルからDU比を算出する。すなわち、アンテナ
21,22で受信された端末3の受信応答ベクトル(D
波)をHDとし、アンテナ23,24で受信された端末
3の受信応答ベクトル(U波)をHUとすると、DU比
は次式で表わされる: DU=10・LOG10(|HD|/|HU|) DU比測定部100は、前述のように所定期間にわたる
DU比の平均値を求め、その結果をモデム部90に与え
る。
【0177】モデム部90は、このDU比測定情報を送
信信号に挿入して、アダプティブアレイ端末3に送信す
る。端末3は、このDU比測定情報に基づいて前述のよ
うに補正値乗算回路55(図6)を制御する。
【0178】次に、この発明の実施の形態による送信指
向性キャリブレーション方法のうち、図11は、図5お
よび図6に示したキャリブレーションの対象となるアダ
プティブアレイ端末3側でソフトウェアで実行される処
理を示すフロー図であり、図12は、図7〜図10に示
したアダプティブアレイ基地局2側で実行される処理を
示すフロー図である。
【0179】図11および図12を参照して、この発明
による実施の形態によるキャリブレーション処理につい
て詳細に説明する。
【0180】まず、アダプティブアレイ端末3側で、図
4に関連して説明したキャリブレーションの起動条件が
満たされているか否かが判定される(図11のステップ
S101)。起動条件が満たされていると判定されれ
ば、端末3側で、図4に関連して説明したキャリブレー
ションの測定条件が満たされているか否かが判定される
(図11のステップS102)。
【0181】測定条件が満たされていると判定されれ
ば、端末3から基地局2へキャリブレーション測定要求
が送信される(図11のステップS103)。
【0182】基地局2側では、端末3からのキャリブレ
ーション測定要求を受信したか否かが判定され(図12
のステップS201)、受信したと判定されると、図4
に関連して説明したキャリブレーションの測定条件が満
たされているか否かが判定される(図12のステップS
202)。
【0183】測定条件が満たされていると判定されれ
ば、基地局2から端末3へキャリブレーション測定指示
が送信される(図12のステップS203)。そして、
図1に示すアンテナ21,22,23,24を用いた端
末1との通信状態(通常モード)を、図2および図3に
示す端末1と端末3とでアンテナを分割使用する状態
に、すなわち基地局2において空間多重接続によりキャ
リブレーションを行なうモード(キャリブレーション多
重モード)に切替える(図12のステップS204)。
端末3側では、メッセージ受信タイマが満了するまでに
(図11のステップS105)、基地局2からのキャリ
ブレーション測定指示を受信したか否かが判定され(図
11のステップS104)、満了するまでに受信しなけ
ればステップS103に戻ってキャリブレーション測定
要求を再度基地局2に送信する。
【0184】メッセージ受信タイマが満了するまでに
(図11のステップS105)、基地局2からのキャリ
ブレーション測定指示を受信したことが判定されると
(図11のステップS104)、端末3と基地局2との
データ通信中に、図1〜図4に関連して説明したよう
に、基地局2によるデータ送信および受信信号のDU比
の測定(図12のステップS205)、および端末3に
よる受信ウェイトの補正値を更新しながらのアレイ送受
信(図11のステップS106)が実行される。
【0185】このような端末3と基地局2との間の送受
信は、端末3および基地局2の双方において、キャリブ
レーション測定タイマが満了するまで実行される(図1
1のステップS107および図12のステップS20
6)。
【0186】基地局2側では、キャリブレーション測定
タイマが満了するまでの期間中に測定されたDU比の平
均値が算出され、端末3に送信される(図12のステッ
プS207)。
【0187】端末3側では、基地局2からDU比の測定
結果(平均値)を受信したか否かが判定され(図11の
ステップS108)、受信したことが判定されると、そ
のDU比の記録および判定が実行される(図11のステ
ップS109)。
【0188】そして、受信したDUの測定結果が所定の
DU比に達しているか否かが判定され(図11のステッ
プS110)、達していないことが判断されれば、ステ
ップS103のキャリブレーション測定要求に戻り、ス
テップS106のアレイ送受信時に受信ウェイトの補正
値を更新して、基地局2によるDU比の測定をやり直
す。
【0189】端末3においてこのように、測定されたD
U比が所定のDU比に達したと判定されるまで(図11
のステップS110)、端末3および基地局2によるキ
ャリブレーション処理は継続される。
【0190】測定されたDU比が所定のDU比に達した
と判定されると(図11のステップS110)、端末3
から基地局2にキャリブレーション終了通知が送信され
(図11のステップS111)、既存のキャリブレーシ
ョン補正値が、ステップS106のアレイ送受信時に変
えられていた補正値で更新(書換え)される(図11の
ステップS112)。そして端末1は処理を終了する。
【0191】基地局2側では、キャリブレーション終了
通知が受信されたことが判定されるまでキャリブレーシ
ョン処理が実行され、キャリブレーション終了通知が受
信されたことが判定されると(図12のステップS20
8)、基地局2は処理を終了する。
【0192】そして、アンテナの分割使用を中止し、図
1に示すようなアンテナ21,22,23,24を用い
た端末1との通信状態(通常モード)に復帰する(図1
2のステップS209)。
【0193】以上のように、この発明の実施の形態で
は、少なくとも4本のアンテナを有するアダプティブア
レイ基地局2から、キャリブレーションの対象となるア
ダプティブアレイ端末3に所望信号および干渉信号を送
り、アダプティブアレイ端末3のアレイアンテナのすべ
てのアンテナでこれらの信号を一度にアレイ受信するよ
うに構成している。
【0194】したがって、キャリブレーションの対象と
なるアダプティブアレイ端末3において、アンテナの組
合せを変えながらキャリブレーションを繰返す必要がな
くなり、キャリブレーションに要する時間を著しく短縮
することができ、またすべてのアンテナで受信するため
受信性能が向上し、キャリブレーションの精度を高める
ことができる。
【0195】また、キャリブレーションの対象となる端
末3からある程度離れた位置にあるアダプティブアレイ
基地局2からキャリブレーション用の信号を受信してい
るので、送受信信号の電力制御が簡略化され、またアダ
プティブアレイ基地局2に対する送信指向性パターンの
分解能を向上させることができる。
【0196】さらに、この実施の形態によれば、基地局
2が、端末1と通信している場合であっても、同一タイ
ムスロットにおいて、並行して他の端末3のキャリブレ
ーションを実行することができる。
【0197】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0198】
【発明の効果】以上のように、この発明では、アダプテ
ィブアレイ基地局から、キャリブレーションの対象とな
るアダプティブアレイ端末にキャリブレーション用の信
号を送り、キャリブレーションの対象となるアダプティ
ブアレイ端末のアレイアンテナのすべてのアンテナでこ
れらの信号を一度にアレイ受信するように構成してい
る。
【0199】したがって、キャリブレーションに要する
時間を著しく短縮することができ、送受信信号の電力制
御を簡略化することができ、さらにキャリブレーション
の精度を高めることができる。
【0200】さらに、この発明によれば、アダプティブ
アレイ基地局が、すてに端末と通信している場合であっ
ても、同一タイムスロットにおいて他のアダプティブア
レイ端末と空間多重接続することにより、並行して当該
他のアダプティブアレイ端末のキャリブレーションを実
行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態によるキャリブレーシ
ョン方法の第1段階を模式的に示す概念図である。
【図2】 この発明の実施の形態によるキャリブレーシ
ョン方法の第2段階を模式的に示す概念図である。
【図3】 この発明の実施の形態によるキャリブレーシ
ョン方法の第3段階を模式的に示す概念図である。
【図4】 この発明の実施の形態によるキャリブレーシ
ョン方法の手順を示すタイミング図である。
【図5】 この発明の実施の形態によるキャリブレーシ
ョンの対象となるアダプティブアレイ端末の構成を示す
ブロック図である。
【図6】 図5に示すユーザ信号処理部50の構成を示
す機能ブロック図である。
【図7】 この発明の実施の形態によるキャリブレーシ
ョンを行なうアダプティブアレイ基地局の構成を示すブ
ロック図である。
【図8】 図7に示すユーザ信号処理部80の通常モー
ドの動作を説明する機能ブロック図である。
【図9】 図7に示すユーザ信号処理部80のキャリブ
レーション多重モードの動作を説明する機能ブロック図
である。
【図10】 図7に示すユーザ信号処理部80のキャリ
ブレーション多重モードの動作を説明する機能ブロック
図である。
【図11】 この発明の実施の形態によるキャリブレー
ションの対象となるアダプティブアレイ端末の動作を示
すフロー図である。
【図12】 この発明の実施の形態によるキャリブレー
ションを行なうアダプティブアレイ基地局の動作を示す
フロー図である。
【符号の説明】
1 1本アンテナ、2 アダプティブアレイ基地局、3
アダプティブアレイ端末、11,21,22,23,
24,31,32 アンテナ、50,80 ユーザ信号
処理部、60,90 モデム部、70 制御部、100
DU比測定部、210,220,230,240,3
10,320 無線部。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の複数のアンテナを用いてアダプテ
    ィブアレイ処理により無線端末装置との通信を行なう無
    線基地装置であって、 通常モード時に、前記第1の複数のアンテナの少なくと
    も一部を用いて任意の無線端末装置と通信を行なう手段
    と、 第2の複数のアンテナを用いてアダプティブアレイ処理
    により無線基地装置との通信を行なう特定の無線端末装
    置のキャリブレーションを行なうキャリブレーション多
    重モード時に、前記第1の複数のアンテナを第3の複数
    のアンテナと第4の複数のアンテナとに分割する手段
    と、 前記第3の複数のアンテナを用いて前記任意の無線端末
    装置との通信を継続する手段と、 前記第4の複数のアンテナを用いて、前記任意の無線端
    末装置に対しヌルを向ける送信指向性を形成する手段
    と、 前記形成された送信指向性で、前記任意の無線端末装置
    との通信に使われる同一の周波数およびタイムスロット
    で、前記特定の無線端末装置に対する所望信号を送信す
    る手段と、 前記特定の無線端末装置から前記第3の複数のアンテナ
    で受信した信号と前記第4の複数のアンテナで受信した
    信号との受信レベルに関する情報を生成する手段と、 前記特定の無線端末装置における送信指向性のキャリブ
    レーションのために、前記生成された受信レベルに関す
    る情報を前記特定の無線端末装置に送信する手段とを備
    えた、無線基地装置。
  2. 【請求項2】 前記特定の無線端末装置からキャリブレ
    ーションの終了を指示されるまで、前記所望信号の送信
    と、前記受信レベルに関する情報の送信を継続させる手
    段をさらに備える、請求項1に記載の無線基地装置。
  3. 【請求項3】 前記受信レベルに関する情報を生成する
    手段は、 前記第3の複数のアンテナで受信した前記特定の無線端
    末装置からの信号の受信応答ベクトルと、前記第4の複
    数のアンテナで受信した前記特定の無線端末装置からの
    信号の受信応答ベクトルとを算出する手段と、 前記算出された受信応答ベクトルに基づいて、前記第3
    の複数のアンテナおよび前記第4の複数のアンテナの受
    信レベル比を算出して、前記受信レベルに関する情報と
    して供給する手段とを含む、請求項1に記載の無線基地
    装置。
  4. 【請求項4】 前記送信指向性を形成する手段は、 前記第4の複数のアンテナで受信した前記任意の無線端
    末装置からの信号の受信応答ベクトルを算出する手段
    と、 前記算出された受信応答ベクトルに基づいて、前記任意
    の無線端末装置に強制的にヌルを向ける送信ウェイトを
    算出する手段とを含む、請求項1に記載の無線基地装
    置。
  5. 【請求項5】 第1の複数のアンテナを用いてアダプテ
    ィブアレイ処理により無線端末装置との通信を行なう無
    線基地装置における無線端末装置の送信指向性キャリブ
    レーション方法であって、 通常モード時に、前記第1の複数のアンテナの少なくと
    も一部を用いて任意の無線端末装置と通信を行なうステ
    ップと、 第2の複数のアンテナを用いてアダプティブアレイ処理
    により無線基地装置との通信を行なう特定の無線端末装
    置のキャリブレーションを行なうキャリブレーション多
    重モード時に、前記第1の複数のアンテナを第3の複数
    のアンテナと第4の複数のアンテナとに分割するステッ
    プと、 前記第3の複数のアンテナを用いて前記任意の無線端末
    装置との通信を継続するステップと、 前記第4の複数のアンテナを用いて、前記任意の無線端
    末装置に対しヌルを向ける送信指向性を形成するステッ
    プと、 前記形成された送信指向性で、前記任意の無線端末装置
    との通信に使われる同一の周波数およびタイムスロット
    で、前記特定の無線端末装置に対する所望信号を送信す
    るステップと、 前記特定の無線端末装置から前記第3の複数のアンテナ
    で受信した信号と前記第4の複数のアンテナで受信した
    信号との受信レベルに関する情報を生成するステップ
    と、 前記特定の無線端末装置における送信指向性のキャリブ
    レーションのために、前記生成された受信レベルに関す
    る情報を前記特定の無線端末装置に送信するステップと
    を備えた、キャリブレーション方法。
  6. 【請求項6】 前記特定の無線端末装置からキャリブレ
    ーションの終了を指示されるまで、前記所望信号の送信
    と、前記受信レベルに関する情報の送信を継続させるス
    テップをさらに備える、請求項5に記載のキャリブレー
    ション方法。
  7. 【請求項7】 前記受信レベルに関する情報を生成する
    ステップは、 前記第3の複数のアンテナで受信した前記特定の無線端
    末装置からの信号の受信応答ベクトルと、前記第4の複
    数のアンテナで受信した前記特定の無線端末装置からの
    信号の受信応答ベクトルとを算出するステップと、 前記算出された受信応答ベクトルに基づいて、前記第3
    の複数のアンテナおよび前記第4の複数のアンテナの受
    信レベル比を算出して、前記受信レベルに関する情報と
    して供給するステップとを含む、請求項5に記載のキャ
    リブレーション方法。
  8. 【請求項8】 前記送信指向性を形成するステップは、 前記第4の複数のアンテナで受信した前記任意の無線端
    末装置からの信号の受信応答ベクトルを算出するステッ
    プと、 前記算出された受信応答ベクトルに基づいて、前記任意
    の無線端末装置に強制的にヌルを向ける送信ウェイトを
    算出するステップとを含む、請求項5に記載のキャリブ
    レーション方法。
  9. 【請求項9】 第1の複数のアンテナを用いてアダプテ
    ィブアレイ処理により無線端末装置との通信を行なう無
    線基地装置における無線端末装置の送信指向性キャリブ
    レーションプログラムであって、コンピュータに、 通常モード時に、前記第1の複数のアンテナの少なくと
    も一部を用いて任意の無線端末装置と通信を行なうステ
    ップと、 第2の複数のアンテナを用いてアダプティブアレイ処理
    により無線基地装置との通信を行なう特定の無線端末装
    置のキャリブレーションを行なうキャリブレーション多
    重モード時に、前記第1の複数のアンテナを第3の複数
    のアンテナと第4の複数のアンテナとに分割するステッ
    プと、 前記第3の複数のアンテナを用いて前記任意の無線端末
    装置との通信を継続するステップと、 前記第4の複数のアンテナを用いて、前記任意の無線端
    末装置に対しヌルを向ける送信指向性を形成するステッ
    プと、 前記形成された送信指向性で、前記任意の無線端末装置
    との通信に使われる同一の周波数およびタイムスロット
    で、前記特定の無線端末装置に対する所望信号を送信す
    るステップと、 前記特定の無線端末装置から前記第3の複数のアンテナ
    で受信した信号と前記第4の複数のアンテナで受信した
    信号との受信レベルに関する情報を生成するステップ
    と、 前記特定の無線端末装置における送信指向性のキャリブ
    レーションのために、前記生成された受信レベルに関す
    る情報を前記特定の無線端末装置に送信するステップと
    を実行させる、キャリブレーションプログラム。
  10. 【請求項10】 前記特定の無線端末装置からキャリブ
    レーションの終了を指示されるまで、前記所望信号の送
    信と、前記受信レベルに関する情報の送信を継続させる
    ステップをさらに備える、請求項9に記載のキャリブレ
    ーションプログラム。
  11. 【請求項11】 前記受信レベルに関する情報を生成す
    るステップは、 前記第3の複数のアンテナで受信した前記特定の無線端
    末装置からの信号の受信応答ベクトルと、前記第4の複
    数のアンテナで受信した前記特定の無線端末装置からの
    信号の受信応答ベクトルとを算出するステップと、 前記算出された受信応答ベクトルに基づいて、前記第3
    の複数のアンテナおよび前記第4の複数のアンテナの受
    信レベル比を算出して、前記受信レベルに関する情報と
    して供給するステップとを含む、請求項9に記載のキャ
    リブレーションプログラム。
  12. 【請求項12】 前記送信指向性を形成するステップ
    は、 前記第4の複数のアンテナで受信した前記任意の無線端
    末装置からの信号の受信応答ベクトルを算出するステッ
    プと、 前記算出された受信応答ベクトルに基づいて、前記任意
    の無線端末装置に強制的にヌルを向ける送信ウェイトを
    算出するステップとを含む、請求項9に記載のキャリブ
    レーションプログラム。
  13. 【請求項13】 第1の複数のアンテナを用いてアダプ
    ティブアレイ処理により無線端末装置との通信を行なう
    無線基地装置における無線端末装置の送信指向性キャリ
    ブレーション方法であって、 通常モード時に、前記第1の複数のアンテナの少なくと
    も一部を用いて任意の無線端末装置と通信を行なうステ
    ップと、 第2の複数のアンテナを用いてアダプティブアレイ処理
    により無線基地装置との通信を行なう特定の無線端末装
    置のキャリブレーションを行なうキャリブレーション多
    重モード時に、前記第1の複数のアンテナを第3の複数
    のアンテナと第4の複数のアンテナとに分割するステッ
    プと、 前記第3の複数のアンテナを用いて前記任意の無線端末
    装置との通信を継続するステップと、 前記第4の複数のアンテナを用いて、前記任意の無線端
    末装置に対しヌルを向ける送信指向性を形成するステッ
    プと、 前記形成された送信指向性で、前記任意の無線端末装置
    との通信に使われる同一の周波数およびタイムスロット
    で、前記特定の無線端末装置に対する所望信号を前記第
    4の複数のアンテナで送信するステップと、 前記特定の無線端末装置において前記第2の複数のアン
    テナで受信した、前記第4の複数のアンテナからの所望
    の信号および前記第3の複数のアンテナから送信された
    信号に基づいて前記第4の複数のアンテナにビームを向
    けかつ前記第3の複数のアンテナにヌルを向ける送信指
    向性パターンを形成するためのウェイト情報を計算する
    ステップと、 前記計算されたウェイト情報を補正するステップと、 前記補正されたウェイト情報に基づく送信指向性パター
    ンで前記特定の無線端末装置から前記無線基地装置に所
    定の信号を送信するステップと、 前記特定の無線端末装置から前記第3の複数のアンテナ
    で受信した前記所定の信号と前記第4の複数のアンテナ
    で受信した前記所定の信号との受信レベルに関する情報
    を生成するステップと、 前記特定の無線端末装置における送信指向性のキャリブ
    レーションのために、前記生成された受信レベルに関す
    る情報を前記特定の無線端末装置に送信するステップ
    と、 前記特定の無線端末装置において受信した前記受信レベ
    ルに関する情報に基づいて、前記無線基地装置における
    受信レベルに関する情報が最適となる前記ウェイト情報
    の補正の値を決定するステップとを備えた、キャリブレ
    ーション方法。
  14. 【請求項14】 前記特定の無線端末装置からキャリブ
    レーションの終了を指示されるまで、前記所望信号の送
    信と、前記受信レベルに関する情報の送信を継続させる
    ステップをさらに備える、請求項13に記載のキャリブ
    レーション方法。
  15. 【請求項15】 前記受信レベルに関する情報を生成す
    るステップは、 前記第3の複数のアンテナで受信した前記特定の無線端
    末装置からの信号の受信応答ベクトルと、前記第4の複
    数のアンテナで受信した前記特定の無線端末装置からの
    信号の受信応答ベクトルとを算出するステップと、 前記算出された受信応答ベクトルに基づいて、前記第3
    の複数のアンテナおよび前記第4の複数のアンテナの受
    信レベル比を算出して、前記受信レベルに関する情報と
    して供給するステップとを含む、請求項13に記載のキ
    ャリブレーション方法。
  16. 【請求項16】 前記受信レベル比を算出するステップ
    は、前記受信レベル比を所定期間にわたって平均したも
    のを前記算出された受信レベル比として供給するステッ
    プを含む、請求項15に記載のキャリブレーション方
    法。
  17. 【請求項17】 前記送信指向性を形成するステップ
    は、 前記第4の複数のアンテナで受信した前記任意の無線端
    末装置からの信号の受信応答ベクトルを算出するステッ
    プと、 前記算出された受信応答ベクトルに基づいて、前記任意
    の無線端末装置に強制的にヌルを向ける送信ウェイトを
    算出するステップとを含む、請求項13に記載のキャリ
    ブレーション方法。
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