JP2002069793A - 嵩高性織編物およびその製造方法 - Google Patents

嵩高性織編物およびその製造方法

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JP2002069793A
JP2002069793A JP2000259756A JP2000259756A JP2002069793A JP 2002069793 A JP2002069793 A JP 2002069793A JP 2000259756 A JP2000259756 A JP 2000259756A JP 2000259756 A JP2000259756 A JP 2000259756A JP 2002069793 A JP2002069793 A JP 2002069793A
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yarn
woven
spun yarn
fabric
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Tadahito Onodera
忠人 小野寺
Mitsuo Tanida
光雄 谷田
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ジャケット、パンツ、スーツ、ブラウス、フリ
ース、コート、スカート等の衣料用途に好適な耐久高捲
縮性に富み、芯部に芯の残らないソフトな織編物を提供
すること。 【解決手段】芯部に中空断面もしくは異型度1.8以上
の断面形状を有する沸水収縮率30%以上、60〜16
0℃間の最大熱応力が 0.12cN/dtex以上の共重合ポ
リエステル繊維を配した多層構造紡績糸からなることを
芯部に共重合ポリエステル繊維を配した多層構造紡績糸
からなる嵩高性織編物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は高収縮ポリエステル
紡績糸或いは高収縮ポリエステル短繊維と他素材との混
紡糸を用いたソフトで耐久高捲縮性に富む織編物および
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高収縮ポリエステル繊維および紡績糸に
関する技術は多く提案されており、例えば変性ポリエス
テル繊維を用いた特公昭58‐30412号公報(沸水収縮率
8〜20%、熱水中の応力0.15g/d)、特公昭58‐2837
4号公報(沸水収縮率8〜20%、熱水中の応力0.15g/
d)、及び特公昭58‐28373号公報(沸水収縮率8〜20
%、熱水中の応力0.15g/d)、等が挙げられる。これら
の発明は染色後の高温乾熱処理で収縮を発現させようと
するものであるが、沸水収縮率が最大で20%程度では
収縮力弱く、液熱中で発現する以上の収縮効果は殆どな
い。特に、編物に比較し、組織拘束力の強い織物では紡
績糸中の高収縮繊維は応力緩和を起こし、収縮・捲縮発
現力は阻害され、十分な嵩高は得られない。ましてや混
紡糸ではその収縮効果は得られない。また経糸がサイジ
ングされると、更に染色加工時における紡績糸の熱収縮
力は低下し、織物の捲縮発現力は低下するのが実態であ
る。
【0003】また特開平10‐204722号公報(中空ポリエ
ステル繊維、沸水収縮率8〜20%)では、中空で軽量
化、剛性による張り・腰といった風合に言及するのみ
で、本発明の重要な構成要素である繊維の熱収縮力、熱
応力効果には言及していない。
【0004】高捲縮発現の手段としての高収縮エステル
フィラメントを紡績工程で混繊・混紡した混紡糸は高価
であり、短繊維のみの混紡糸に比較し、嵩高、ソフトさ
に劣る。嵩高、ソフト、軽量を得るための手段として、
水溶性繊維を混紡し、織編物にした後、水溶性繊維を除
去し、紡績糸中の繊維間に空隙を設ける方法もあるが、
高価であり、資源の浪費でもある。
【0005】更に特開平3‐249239号公報には沸水収縮
率が20%以上のイソフタル酸共重合ポリエステル繊維
使いの紡績糸が開示されているが、かかる方法では効果
的な収縮力を得ることが困難である。そして同公報に記
載の丸断面ポリエステル繊維では収縮力が弱く、織物、
特に混紡糸を用いた織物では収縮発現は不十分であっ
た。従って十分な捲縮を得るためは高収縮ポリエステル
繊維を高混率にする必要があり、結果的に混紡繊維の風
合が生かせない、抗ピル性に劣る、高コスト化といった
不都合が生じていた。このような背景から安価で、混紡
素材の風合を十分に生かせるバルキー感、ソフト風合に
富む高捲縮性紡績糸織編物が切望されていた。
【0006】
【発明が解決するための手段】ポリエステル紡績糸の沸
水収縮率と熱応力をいかに強く発現させ、熱応力緩和を
いかに防ぐかを鋭意研究した結果、本発明に至った。即
ち、物に係る発明は芯部に中空断面の共重合ポリエステ
ル繊維を配した多層構造紡績糸からなることを特徴とす
る嵩高性織編物である。また、芯部に異型度1.8以上
の断面形状を有する共重合ポリエステル繊維を配した多
層構造紡績糸からなることを特徴とする嵩高性織編物で
ある。そして具体的には、共重合ポリエステル繊維が、
沸水収縮率30%以上、60〜160℃間の最大熱応力
が 0.12cN/dtex以上であるイソフタル酸共重合ポリ
エステル繊維であることを特徴とする上記記載の高嵩高
性織編物、多層構造紡績糸が、沸水収縮率が25%以
上、60〜160℃間の最大熱応力が0.05cN/dtex
以上であることを特徴とする上記記載の高嵩高性織編物
である。
【0007】次に製造方法に係る発明は、芯部に中空断
面の共重合ポリエステル繊維を配した多層構造紡績糸を
製織後、精練リラックス工程において液熱60〜80℃
で生地を収縮処理させた後、高圧液熱リラックス処理す
ることを特徴とする嵩高性織編物の製造方法である。ま
た芯部に異型度1.8以上の断面形状を有する共重合ポ
リエステル繊維を配した多層構造紡績糸を製織後、精練
リラックス工程において液熱60〜80℃で生地を収縮
処理させた後、高圧液熱リラックス処理することを特徴
とする嵩高性織編物の製造方法である。
【0008】以下、本発明を詳述する。本発明に係る共
重合ポリエステル繊維は、高収縮ポリエステル短繊維の
断面形状:イソフタル酸共重合ポリエステル短繊維であ
っても従来の丸断面では収縮力が弱く実用性に欠く。単
繊維が一個(例えば丸断面)、または複数の中空断面
(例えば田の字型で4個の中空形状)を有する中空断面
形状であることが必要である。中空率は5-35%が好まし
く、36%以上では断面が潰れたりして収縮効果が減少す
る。また、異型度(外接円直径/内接円直径)は1.8以
上、好ましくは2.0以上の異型断面形状(十字型、Y型、
他の溝型等)を有する単繊維であることが必要である。
異型度がそれ以下では応力緩和が大きく、生地での収縮
力が低下し、好ましくない。
【0009】ポリエステル繊維の通常の精練、染色温度
である液熱50〜130℃における収縮率の大きさが生地の
収縮発現、つまり捲縮発現に直接的に寄与するため、60
〜160℃間の最大熱応力値と共にこの値の大きさが本発
明の重要な要件である。また高収縮ポリエステル短繊維
の沸水収縮率が30%以上、好ましくは35%以上であるこ
とが肝要である。紡績糸は該高収縮ポリエステル短繊維
100%で構成された糸でもよく、他繊維との混紡糸でも
よい。高収縮ポリエステル短繊維の沸水収縮率がこれ以
下では混紡糸の場合は収縮力、捲縮発現力が不十分であ
る。混紡糸の沸水収縮率は25%以上、好ましくは30%以
上であることが好ましい。高収縮ポリエステルの混率は
10〜50%で、好ましくは15〜40%である。50%以上では
高収縮化が図ることができるが、逆に混紡素材の風合い
を損ねてしまう。また、10%未満では十分な収縮率が得
られないので好ましくない。本発明によれば記載のよう
な高収縮ポリエステル短繊維とすることで高収縮率化が
計られ、結果として混紡糸中の混率を少なくすることが
でき、かつ混紡素材の特徴が生かされる。
【0010】混紡素材としては、綿、ウール、シルク、
麻等の天然繊維、レーヨン、モダール、キュプラ、ポリ
ノジック、リヨセル、ジアセテート又はトリアセテ−ト
等の再生繊維、精製繊維、半合成繊維、カチオン可染等
の変性ポリエステルやフルダル、中空タイプ等のポリエ
ステル繊維、ポリアミド繊維、ポリトリメチレンテレフ
タレート繊維、ポリアミド繊維とポリエステル繊維との
2成分紡糸割繊型繊維等の合成繊維があるが、これらに
限定されるものではない。混紡素材の沸水収縮率は収縮
差を大きくし、高捲縮・高嵩高な糸を得るために2.0%
以下、好ましくは1.0%以下が好ましい。また、沸水収
縮率が0%未満の潜在自発伸長性繊維は高捲縮発現には
効果的である。
【0011】本発明に係る共重合ポリエステル繊維の最
大熱応力が60〜160℃間に存在することは、生地の組織
拘束力に抗して収縮力、つまり捲縮発現力を発揮する点
で重要な要素であり、高収縮ポリエステル短繊維のそれ
が0.12cN/dtex以上、好ましくは0.15cN/dtex以上の高
収縮ポリエステル短繊維からなる紡績糸であり、この範
囲における最大熱応力が100%からなる紡績糸では0.12c
N/dtex、好ましくは0.14cN/dtex以上であり、混紡糸に
おいては0.05cN/dtex以上,好ましくは0.06cN/dtexで
あることが必要である。その値は混紡率で加減される。
最大熱応力値を60〜160℃間に限定する理由は、ポリエ
ステル繊維の通常の精練、染色工程において生地、従っ
て紡績糸が収縮を発現し、実質的に嵩高、風合に寄与す
る温度範囲(60〜160℃)での収縮力(沸水収縮率,熱応
力)が重要であり、実質的に加工温度範囲外である200
℃を超えた温度範囲で示される最大熱応力値は意味を為
さないからである。
【0012】高収縮ポリエステル短繊維は4〜12モル%
のイソフタル酸共重合ポリエステル繊維であることが必
要である。4%未満では収縮が不十分で、12%を超え
ると後加工時に応力緩和が起き易く、収縮力、原綿強
力、熱安定性が低下し、不十分である。高収縮ポリエス
テル短繊維にはスルフォイソフタル酸等が本発明を構成
するポリエステルの原綿基本性能を変えない範囲で含ま
れていてもよい。
【0013】高収縮ポリエステル短繊維のデニールは0.
5〜4.0dtex、好ましくは0.8〜3.5dtexの範囲とする。太
過ぎると生地が粗硬化し、細過ぎると収縮力が減少し、
好ましくない。混紡素材のデニールは特に制約はない
が、0.1〜4.0dtexが好ましい。紡績糸の素材に含まれる
添加物として酸化チタン、シリカ、カオリナイト、抗菌
剤、制菌剤等が例示できるが、特に制約はない。また高
収縮ポリエステル短繊維と混紡素材の繊維長は特に制約
はないが、32〜76mmが適当であり、又それ以上でもよ
い。高収縮ポリエステル短繊維の繊維長は長い程紡績糸
としての収縮力は大きくなる。
【0014】紡績方法はリング、オープンエンド等既存
の方式が採用される。リング紡績方式においては糸の比
較的芯部に高収縮原綿が集中するような紡績方法が好ま
しい。紡績糸の撚り係数は3.0〜5.0、好ましくは3.2〜
4.5が好ましい。3.0未満では紡績糸強度が低下し、後工
程通過性が劣る。また、5.0以上では糸の拘束力が増
し、糸の収縮率が低下し、かつ、編み立て時にスナール
が発生するため好ましくない。紡績糸の撚り止めセット
はないほうがよい。必要な場合は70℃以下の低温セット
が好ましい。これ以上では紡績糸の潜在収縮力を低下せ
るため好ましくない。セットは精紡木管でもよいが、リ
ワインド後のチーズ、またはコーン形態でのセットが糸
の収縮斑が僅少になり好ましい。
【0015】織編物を構成する際は、該高収縮原綿糸、
または該高収縮原綿混紡糸と高収縮原綿を含まない他の
繊維との交編、交織でもよい。織物の場合、経糸がサイ
ジングなしで製織されていてもよく、また、製織性向上
の目的でサイジングされていてもよい。サイジングする
場合は65〜70℃の糊温度、95℃以下、好ましくは90℃
以下、更に好ましくは85℃以下の低温乾燥、および低張
力サイジングとし、該サイジング糸の沸水収縮率が15%
以上に維持するよう条件設定することが肝要である。そ
れぞれそれ以上の温度条件では糸の残留収縮率が低下
し、15%未満の残留収縮率では精練・染色加工工程で十
分な収縮、従って捲縮が発現されず好ましくない。
【0016】本発明においては精練リラックス工程にお
いて急激な昇温は避け、液熱50℃〜90℃の間、好ましく
は80℃以下の温度条件下で液流染色機等による一定時間
の収縮発現処理を行った後、高圧液流リラックス処理す
ることが好ましい。この緩慢な液熱処理を行うことで生
地の潜在捲縮を十分にかつ均一に顕在化させることがで
きる。 この処理がない場合は、昇温途上で発生したし
わ、目寄れ、不規則な低捲縮発現部分等が熱固定され、
いわゆる収縮発現斑を生じ、高品位の織編物が得られな
い。拡布状態で連続糊抜き精練を行う場合は、容易に糸
に応力緩和を生じさせるシリンダー乾燥工程は避け、無
緊張下のネット上で連続熱風乾燥させた後高圧液流染色
機による十分なリラックス処理を行ない、捲縮を十分に
発現させることが好ましい。
【0017】このようにしてできた織編物は、ソフトで
十分な嵩高性を有し、高収縮原綿混紡糸は高捲縮性を示
し、比較的芯部がイソフタル酸共重合ポリエステル繊維
で構成された芯鞘構造形態を示す。混紡される他素材が
2種以上であれば、多層構造の芯鞘構造糸形態となり、
色彩、風合、機能効果等付加価値を増す織編物を提供で
きる。
【0018】本発明により得られた生地はジャケット、
パンツ、スーツ、ブラウス、フリース、コート、スカー
ト等の衣料用途に好適に用いられる。
【0019】
【実施例】以下、実施例によって本発明を説明する。 (実施例1)中空率15%の円形断面形状を有し、1.6T、
38mmカット長、沸水収縮率39%、60〜160℃間におけ
る最大熱応力値が0.18cN/dtex(106℃)であるイソフ
タル酸を10モル%を含む高収縮性イソフタル酸共重合ポ
リエステル繊維のみで構成された紡績糸(A)40単糸
(英式綿番手、撚り係数3.4、セットなし)と、沸水収
縮率0.9%のイソフタル酸を含まないポリエステル繊維
紡績糸(B)40単糸(英式綿番手、撚り係数3.4、セット
なし)を各々10本交互で経緯に用い、経32本/cm緯28本
/cmの平織物を製織した。
【0020】その際、経糸(A)と(B)を別工程でサイ
ジングし、(A)は糊温度65℃、乾燥温度80℃でサイジ
ング、乾燥し、沸水収縮率を26%に維持した。 次いで
この生地を液流染色機で、75℃で20分リラックス処理
後、2℃/分で昇温させ、120℃で20分間のリラックス処
理した。常法による脱水・乾燥後の該生地の収縮率は経
方向23%、緯方向32%で、収縮発現斑に起因する加工し
わがなく、凹凸感が大きく表面が均一な高品位の織物が
得られた。
【0021】(比較例1)実施例1の生機をリラックス
する際、常温から実施例1に示すような途中タイミング
をとることなく2℃/分で120℃まで昇温させ、20分リ
ラックス処理した。次いで脱水・乾燥させた。該生地は
実施例1とほぼ同等の収縮率、凹凸感を示したが、生地
表面には加工中のロープ状しわ形状と思われる不規則な
しわ状収縮発現斑が多数発生しており、実用に供し得な
い品位であった。
【0022】(比較例2)沸水収縮率24%、60-160℃間
の熱応力0.09cN/dtexである中実丸断面形状とした以外
は実施例1と同じ方法で紡糸、紡績したイソフタル酸共
重合ポリエステル繊維紡績糸(C)を、実施例1と同様
のサイジング、製織、リラックス・乾燥処理を行った。
(C)のサイジング糸の沸水収縮率は9%であった。ま
た、該生地の収縮率は経10%緯17%で、この収縮率から
も知れるように生地表面は明らかに凹凸感に劣るもので
あった。
【0023】(比較例3)実施例1の(A)糸を、サイ
ジング乾燥温度を110℃で行った以外は実施例1と同一
条件で織物を得、同一のリラックス処理を行った。この
サイジング糸の沸水収縮率は4%であった。得られた織
物は凹凸感の殆どないフラットな仕上りの生地表面であ
った。
【0024】(実施例2)1.1dtex、38mmのポリノジッ
ク繊維60%と、1.6dtex,38mmの繊維断面形状が異型度
2.6の十字型を有し、沸水収縮率36%、熱応力0.15 cN/d
texであるイソフタル酸共重合ポリエステル繊維40%の
混紡糸40双糸(英式綿番手、単糸の撚り係数3.4、セッ
トなし、合撚糸の撚り係数を2.7とし、単糸と逆方向に
合撚、セットなし)を経糸および緯糸に用い、密度を経
30本/cm,緯22本/cmとする3/1ツイルを織った。そ
の際の紡績糸の沸水収縮率は30.5%、熱応力は0.07cN/
dtexであり、経糸はオイリングのみで整経し、サイジン
グは施さなかった。
【0025】この生地を実施例1と同様の捲縮発現処理
と引き続きポリノジック繊維を減量率4%の酵素処理を
行い、次いで130℃で20分のポリエステル染色を行っ
た。脱水乾燥後、170℃30秒の有巾仕上げセット後、エ
アタンブラーにて80℃60分の揉布処理を行った。生地密
度は経41本/cm,緯30本/cm(収縮率は経糸36.4%、緯
糸36.7%)であり、生機に対する目付が57.4%増しの緻
密で嵩高性に富み、かつビロード様の微細なフィブリル
表面を有する芯のないソフトでドレープ性に優れた生地
に仕上った。生地から解いた紡績糸はほぼ直線状に配さ
れたポリエステル繊維の大部分が芯部を占め、鞘部の大
部分をポリノジック繊維が占め、高捲縮形状を有する2
層構造糸形態を示した。
【0026】(比較例4)実施例2のイソフタル酸共重
合繊維を中実丸断面形状の沸水収縮率25.2%、熱応力0.
09cN/dtexとする以外は同様条件で40双糸の紡績糸、織
物を得た。この紡績糸の沸水収縮率は20%、熱応力は0.
03cN/dtexであった。実施例2と同一工程を経て得られ
た織物は経37本/cm,緯25本/cm(糸の収縮率 経糸1
3.6%、緯23.3%)で、生機に対する目付が42.5%増し
の柔軟ではあるが嵩高性とフィブリル性に劣り、実施例
2に比べ見劣りする生地であった。
【0027】(実施例3)実施例1で使用した中空断面
形状高収縮性イソフタル酸共重合ポリエステル繊維20%
と綿80%の混紡糸30単糸(英式綿番手)を使用し、ルー
プ長275mmで30吋22ゲージのスムース生地を編んだ
後、パドル染色機で98℃、20分の収縮処理を行ない、次
いで脱水、タンブル乾燥を実施した。該紡績糸の沸水収
縮率、および該処理生地の生機に対する目付け増加率、
及び通気度を表1に示す。目付け増加率と通気度から比
較例5,6の比較において実施例3は嵩高性に優れ、緻
密な構造になっていることが知れる。
【0028】(比較例5)比較例4に使用した中実断面
形状高収縮性イソフタル酸共重合ポリエステル繊維20%
を用いる以外は実施例3と同様に紡績、編み立て、収縮
処理を実施した。該紡績糸の沸水収縮率、生地の目付け
増加率、及び通気度を表1に示す。比較例6と比べると
目付けが増加し、嵩高になっているが、実施例3の嵩高
性には及ばない。
【0029】(比較例6)イソフタル酸を含まないポリ
エステル紡績糸を用いる以外は実施例3と同様に編み立
て、収縮処理を実施した。該紡績糸の沸水収縮率、生地
の目付け増加率、及び通気度を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】本発明における測定方法は以下の通りであ
る。中空率(%)は、内接中空部面積/外接円面積で求
めた。異型度は、外接円径/内接円径で求めた。熱応力
(cN/dtex)は、セイコウ電子工業 TMA-SS100 初荷重
0.06cN/dtex,30℃〜280℃まで10℃/分で昇温、60℃〜
160℃の最大熱応力値、測定原綿繊度は55dtex, 糸は番
手をデニール換算して求めた。沸水収縮率(100℃時、
%)は、原綿 についてはJIS −L1015(1992)に、糸に
ついてはJIS− L1095(1990)に基いて測定した。生地
収縮率(%)は、(生機―加工布)/加工布×100の値
とした。目付け増加率(%)は、(生機目付けー加工布
目付け)/加工布目付け×100の値とした。通気度(cm3
/cm2/秒)は、JIS−L1096(1979)フラジール法に基い
て測定した。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば耐久高捲縮性に富み、芯
部に芯の残らないソフトな織編物ができるため、混紡素
材、または交編織素材の風合い、機能を最大に付加可能
な織編物を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D04B 21/00 D04B 21/00 B D06B 19/00 D06B 19/00 Z D06C 23/04 D06C 23/04 A // D01F 6/62 303 D01F 6/62 303E 303F 6/84 301 6/84 301E Fターム(参考) 3B154 AA07 AA18 AA20 AB20 AB21 BA21 BA39 BB02 BB12 BF01 BF06 BF18 BF20 DA09 4L002 AA07 AB01 AC02 BA02 DA01 EA00 EA02 FA01 4L035 DD02 DD03 EE02 GG08 4L036 MA05 MA19 MA20 MA35 MA39 PA31 PA33 RA03 RA04 RA24 UA01 UA07 4L048 AA20 AA37 AA39 AB05 AB19 AC11 BA01 CA12 CA13 DA01 EB05

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芯部に中空断面の共重合ポリエステル繊維
    を配した多層構造紡績糸からなることを特徴とする嵩高
    性織編物。
  2. 【請求項2】芯部に異型度1.8以上の断面形状を有す
    る共重合ポリエステル繊維を配した多層構造紡績糸から
    なることを特徴とする嵩高性織編物。
  3. 【請求項3】共重合ポリエステル繊維が、沸水収縮率3
    0%以上、60〜160℃間の最大熱応力が 0.12c
    N/dtex以上であるイソフタル酸共重合ポリエステル繊維
    であることを特徴とする請求項1または2記載の高嵩高
    性織編物。
  4. 【請求項4】多層構造紡績糸が、沸水収縮率が25%以
    上、60〜160℃間の最大熱応力が0.05cN/dtex
    以上であることを特徴とする請求項1または2記載の高
    嵩高性織編物。
  5. 【請求項5】芯部に中空断面の共重合ポリエステル繊維
    を配した多層構造紡績糸を製織後、精練リラックス工程
    において液熱60〜80℃で生地を収縮処理させた後、
    高圧液熱リラックス処理することを特徴とする嵩高性織
    編物の製造方法。
  6. 【請求項6】芯部に異型度1.8以上の断面形状を有す
    る共重合ポリエステル繊維を配した多層構造紡績糸を製
    織後、精練リラックス工程において液熱60〜80℃で
    生地を収縮処理させた後、高圧液熱リラックス処理する
    ことを特徴とする嵩高性織編物の製造方法。
JP2000259756A 2000-08-29 2000-08-29 嵩高性織編物およびその製造方法 Withdrawn JP2002069793A (ja)

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CN111945341A (zh) * 2020-08-13 2020-11-17 广东溢达纺织有限公司 牛津珠地布加工方法以及牛津珠地布
CN114395847A (zh) * 2021-10-29 2022-04-26 东莞德永佳纺织制衣有限公司 一种中空立体感保暖面料及其制备方法

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