JP2002069686A - 極薄電解金属箔の製造方法及び装置並びにそれを用いたプリント基板の製造方法 - Google Patents

極薄電解金属箔の製造方法及び装置並びにそれを用いたプリント基板の製造方法

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JP2002069686A
JP2002069686A JP2000266352A JP2000266352A JP2002069686A JP 2002069686 A JP2002069686 A JP 2002069686A JP 2000266352 A JP2000266352 A JP 2000266352A JP 2000266352 A JP2000266352 A JP 2000266352A JP 2002069686 A JP2002069686 A JP 2002069686A
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Fumiaki Yamaya
文明 山家
Toshihisa Uehara
利久 上原
Mamoru Kuroiwa
藩 黒岩
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Original Assignee
AIREX Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高密度配線に対応するため、極簿銅箔の取り
扱い性を改善し、効率良い使用を可能とする。 【解決手段】 プリント基板の製造に用いる極薄電解金
属箔を金属板10の表面に成層させた金属めっき層Pと
し、該めっき層を絶縁樹脂材I又は該樹脂材を介して回
路形成基材に貼り付け後、金属板10から引き剥がす。
金属板10を絶縁樹脂材I又は回路形成基材に貼り付け
るまでの銅箔のキャリアとすることで、極簿銅箔の取り
扱い性が改善される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリント基板の製造に
関し、特に極薄電解金属箔の生成とそれを用いるプリン
ト基板の製造技術に関する。
【0002】
【従来の技術】プリント配線板は、その多くをガラスク
ロスとエポキシ樹脂等を絶縁材料とし、その表面(表裏
両面)に銅箔を貼付してなる銅張り積層板を材料にして
生産される。絶縁材に貼付する銅箔には電解銅箔を用
い、その箔厚は、5〜70μmというように製品の電気
特性及び生産方法に合わせて決定される。ところで、近
年、電子機器の小型・軽量化に伴い、プリント基板の回
路配線幅や回路間隔が狭くなっており、こうした基板の
製造に厚い銅箔を用いる場合、それをエッチングして回
路形成する工程において、エッチングの量が多くなって
歩留まりが低下するばかりでなく、銅箔の厚さと孔加工
後に孔内の導通を得るための銅めっき厚さを加算した導
体厚さが、細線化に対応することができなくなってお
り、エッチングによる回路形成自体も難しくなってい
る。
【0003】こうした面から、歩留まり低下の原因とな
るエッチング量を少なくする対策として、5μm、9μ
m、12μm等の薄い銅箔の使用が考慮され始めている
が、こうした極薄銅箔は、厚い銅箔とは生産方法を変え
なければならないためコストが高くなるばかりでなく、
その薄さゆえの取り扱いの難しさから、量産取り扱いの
面で箔厚は12μm程度が限界とされている。この取り
扱いの難しさについては、35μm程度の厚い銅箔をキ
ャリアとして使用する方法も無いではないが、これも、
その後の工程でのキャリアの除去等で作業を複雑にする
ことから、量産に適した方法とはなり得ない。
【0004】また、回路幅や回路間隔の細線化に対応す
る回路エッチングの対策としては、従来使用されている
プリント基板用材料の銅張り積層板や樹脂付き銅箔の表
面の導体厚さを薄くすべく、表面にある銅箔を塩化第二
銅エッチング液等で全て又はほとんどを溶解させるか、
あるいは銅箔の付いていない樹脂シートやインク状の樹
脂を塗布し硬化した物の表面を過マンガン酸溶液等の樹
脂を溶解する薬品の溶液を用いて粗化洗浄し、その後銅
めっきによって表面層に導体を形成し、回路形成を行う
という工法を採用し始めている。しかしながら、この工
法では、樹脂表面に形成しためっき導体と樹脂の間の接
着性を強くする(銅箔とエポキシ樹脂の密着強度向上の
ための銅箔下面凹凸(プロファイル)を小さくしする)
ことが難しく、強い接着力が得られる粗化洗浄の方法の
開発が重要な課題となっている。
【0005】他方、このような接着性の問題を解決しな
がら、回路幅や回路間隔の細線化に対応するために、樹
脂付き銅箔等を用いて、その表面の銅箔を樹脂層との接
着面、すなわち銅箔下面凹凸(プロファイル)が露出す
る程度までエッチングで溶解除去して薄肉化し、接着面
に残された銅箔を孔加工後の銅めっきと接着させること
で強度を得ながら、表面の合計導体厚さを薄くする方法
なども行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
銅箔の歩留まりの低下に対する対策は、取り扱いの困難
さを生じさせる極薄銅箔の使用を必要とするものであ
る。また、極薄銅箔の取り扱いの困難さに対する対策
は、その後の積層段階に新たな付加的工程を必要とする
ものである。更に、回路幅や回路間隔の細線化への対応
策も、ビルドアップ基板の製造工程に箔厚を薄くするた
めのエッチングや粗化洗浄のための化学的処理を付加す
ることになり、製造工程を複雑化させる問題点を残して
いる。
【0007】そこで本発明は、近年の電子機器の小型・
軽量化による高密度配線に対応するため、極簿銅箔(本
明細書を通じて、厚さ9μm以下のものをいう)の取り
扱い性を改善し、その効率良い使用を可能とすることを
主たる目的とする。次に、本発明は、極薄銅箔を使用す
る際のキャリアの再使用により製造コストを低減するこ
とを第2の目的とする。また、本発明は、従来の9μm
以上の銅箔を用いる加工方法において行われている箔厚
をエッチングにより薄くする等の作業を無くすことを第
3の目的とする。更に、本発明は、極簿銅箔に予め絶縁
樹脂を塗布又は貼り付けることで、ビルドアップ基板用
の樹脂付きの極薄銅箔を取得し、これを用いてビルドア
ップ基板を作成することで、炭酸ガスレーザにより銅箔
上から絶縁層までを一括で穴明けし、従来の加工方法で
用いられている表面銅箔をあらかじめエッチングにより
除去し樹脂面を出してからレーザ加工を行なう工程を無
くすことを第4の目的とする。更に、極簿銅箔を使用す
ることで、高密度配線の回路エッチングを行い易くする
ことを第5の目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は、プリント基板の製造に用いる極薄電解金
属箔の生成方法であって、前記極薄電解金属箔は、カソ
ード電極板の表面に成層させた金属めっき層のカソード
電極板からの引き剥がしにより生成されることを特徴と
する。
【0009】上記の構成におけるカソード電極板は、そ
の周縁にめっきの析出を妨げる絶縁材を備える構成とす
るのが有効である。
【0010】具体的には、前記カソード電極板は、表面
を平滑に整面された一対の導電性の金属板と、それらの
間に挟みこみ状態に積層された電気絶縁材とから成り、
該電気絶縁材は、一対の金属板の周縁から露出する縁面
を有し、該縁面によりめっきの析出を妨げる構成とする
のが有効である。
【0011】また、前記の方法において、金属めっき層
の外面は、金属めっきの析出の際又はめっき後の処理に
より凹凸のある粗面とされるのが有効である。
【0012】次に、本発明は、回路形成された基材の表
面に絶縁樹脂層を介して極薄金属箔層を成層させて多層
構造のプリント配線板を製造する方法において、金属板
の表面に金属めっきを施す工程と、めっき済み金属板を
絶縁樹脂材を挟んで回路形成された基材に重ね合わせる
工程と、めっき済み金属板を冶具として回路形成された
基材に絶縁樹脂を熱圧接プレスして積層基材を生成する
工程と、絶縁樹脂層に接着された金属めっき層を残して
積層基材から金属板を引き剥がす工程とから成ることを
特徴とする。
【0013】上記の製造方法において、絶縁樹脂材は、
回路形成された基材へのめっき済み金属板の重ね合わせ
の前に、めっき済み金属板の金属めっき層の外面側に成
層される構成とすると更に有効である。
【0014】
【作用】上記の構成より成る本発明では、電解金属めっ
きの際にカソード電極板の金属表面に極薄の金属めっき
層を成層させ、それを適宜の工程で剥がすことで金属箔
を生成させているため、カソード電極板をそのままめっ
き後のキャリアとして利用することができ、極薄金属箔
の取り扱いが容易となる。
【0015】また、カソード電極板の周縁に配置された
絶縁部は、電解金属めっきを行なう際に、めっきされな
い部分を生じさせ、この部分を境とする定位置での安定
しためっき層の引き剥がしが可能となるため、引き剥が
しの際の極薄金属箔の欠損を防ぐことができる。更に、
極薄金属箔の引き剥がしの後に、カソード電極板はその
金属表面を整面し直すことで、再度使用することがで
き、従来の銅やアルミ箔から成るキャリアのように、電
解再生等の処理による再利用を必要としない。
【0016】また、金属めっき層の外面を、金属めっき
の析出の際又はめっき後の処理により凹凸のある粗面と
することで、カソード電極板の平滑に整面された金属板
表面とめっき層との付着力に対して、めっき層に適宜の
工程で成層される絶縁樹脂材層とめっき層との付着力を
強くすることができるため、めっき層のカソード電極板
からの引き剥がしが一層容易となり、引き剥がしの際の
極薄金属箔の欠損の可能性が一層低減する。
【0017】そして、本発明のカソード電極板をビルド
アップ基板用の多層材の製造工程に用いることで、極薄
金属めっきを行なったカソード電極板をキャリアとして
のみならず、熱圧着積層プレス時の中間板治具として利
用することもがきることから、熱圧着積層プレスの準備
も容易に行なえるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態を説明する。図1は、プリント基板の製造に
用いる極薄電解金属箔を銅箔とする場合の、その生成の
ためのカソード電極板の一実施形態を示す。本発明に係
る極薄電解金属箔は、カソード電極板の表面に成層させ
た金属めっき層のカソード電極板からの引き剥がしによ
り生成されることを基本的思想とするところから、図に
示すように、カソード電極板(以下実施形態の説明にお
いて極板という)1は、全板厚100μm以上のステン
レス製、チタン製等の素材から成り、製品サイズに外形
を合わせた一対の導電性の金属板10A,10Bと、そ
れらの間に挟みこみ状態に積層された電気絶縁材11と
から構成されている。両金属板10A,10Bの表面
(極板1の表裏面)は、鏡面仕上げ等により平滑に整面
されている。電気絶縁材11は、一対の金属板10A,
10Bの周縁から露出する縁面11aを有し、該縁面に
より極板1の周縁へのめっきの析出を妨げる構成とされ
ている。
【0019】次に、図2は極板1の他の実施形態を示
す。この形態では、極板1は、前記金属板10A,10
Bと同様の素材と外形から成り、その板厚自体で前記極
板1の厚さと同等の金属板10の表裏周縁部に電気絶縁
材11A,11Bを添着又は塗布して成る構成とされて
いる。この場合も、金属板10の表裏両面は、鏡面仕上
げ等により平滑に整面されている。このように絶縁材1
1,11A,11Bは、めっきが部分的に析出しないよ
うにする目的で配置されるため、他の方法で同様の効果
を求めてもよい。
【0020】(極薄銅箔の製作)上記の構成から成る極
板1をカソード極として、図3に示すように、垂直方式
(A)又は水平方式(B)により、必要に応じてめっき
液Lを供給しながら極板1上に電解銅めっき(9μm以
下)を行う。このときの銅めっきは、後に詳述する工程
との関係で、極板1の両面に行ってもよいし、片面のみ
に行なってもよい。また、この極板1へのめっきは、効
率を上げるべく特に高い電流密度で行う場合、アノード
電極2には不溶解性のものを使用することが望ましい
が、銅ボール等の溶解性電極を用いてもよい。このめっ
き工程により、極板1の両面にめっきを行なった場合、
先の図1に示す構成の極板1には、図4に示すように両
金属板10A,10Bの表面に、4辺の絶縁材11の縁
面で表裏に分離しためっき層Pが成層される。また、図
2に示す構成の極板1には、図5の(A)に示すような
4辺の絶縁材11Aで外形を定められた平板状のめっき
層Pが極板1の表裏面それぞれに成層される。このめっ
き工程において、図5の(A)の部分拡大部に示すよう
に、めっき層P表面にその後の工程での樹脂との密着性
を向上させるために、凹凸Pa形状となるめっきを析出
させる。なお、この凹凸Paの形成は、めっき完了後の
工程とすることもでき、この場合、凹凸Paの形成は、
機械的処理や化学的にエッチングを行なうことで成され
る。
【0021】こうして表面にめっきを行った後、図5
(B)に示すように、極板1の金属板10表裏面に析出
した銅めっき層Pの外面に、エポキシ樹脂等の絶縁樹脂
を塗布又は貼付して絶縁樹脂層Iを成層させる。この貼
り合わせにより、凹凸Pa形状面で接着する銅めっき層
Pと絶縁樹脂層Iとの接着力が、平滑に整面された面で
接着する金属板10と銅めっき層Pとの接着力より強固
となる。
【0022】その後、図5(C)に示すように、極板1
上に成層した銅めっき層Pと極板1とを引き剥がすこと
で、銅めっき層Pは極板1の絶縁材11Aとの境目から
剥がれ、絶縁樹脂層Iを裏打ちのキャリア材として、所
定の厚さを備える取り扱いの容易な極薄銅箔を生成する
ことができる。このとき、銅めっき層Pの外縁に絶縁材
11Aによる極板1との縁切りが成されているため、特
に極板1の表面と裏面に銅めっきを施した場合に、銅め
っき層Pが意図しない部分に切れ目を生じて不規則な形
状で剥がれる可能性を無くすことができる。こうして作
成された極薄銅箔は、在来の銅箔と同様の手法で絶縁樹
脂層Iを接着層として内層回路が形成された基材に貼り
合わせることで、銅めっき側に絶縁樹脂と内層回路の形
成された、多層構造の基材を作成することができる。
【0023】銅めっき層Pを剥がした極板1は、図2に
示すもとの状態となる。そこで、水洗等による洗浄で表
面の残留物や汚れ等を除去し、必要に応じて金属板面を
平滑に整面し直し、再度銅めっきを施して再使用に供す
る。
【0024】以上要するに、この実施形態による極板1
を使用した極薄銅箔の製造工程は、(1)極板投入、
(2)整面、(3)水洗、(4)乾燥、(5)めっき前
処理、(6)電気銅めっき、(7)水洗、(8)乾燥、
(9)樹脂塗布、(10)乾燥、(11)めっき後受け
取りの順番に行なわれる。なお、上記工程中の(9)及
び(10)の工程は、極板1に絶縁樹脂層を成層させる
場合の付加的工程であり、必ずしも必須の工程ではな
い。この工程を行なう生産装置は、連続処理装置とする
ことができるため、従来の手作業による極薄銅箔の取り
扱いに対して工程の合理化が可能となる。
【0025】上記実施形態では、極板1を専ら極薄銅箔
生成までのキャリア材として機能させる場合を例示した
が、極板1は、回路形成された基材の表面に絶縁樹脂層
を介して極薄金属箔層を成層させて多層構造のプリント
配線板を製造する方法における極薄銅箔を多層基材に成
層するまで一貫してキャリア材兼冶具として用いること
もできる。そこで、次に極板1を成層までのキャリア材
及び成層時の冶具として利用するプリント配線板の製造
方法を説明する。
【0026】この場合の工程は、極板1の表面に銅めっ
きを施す工程と、めっき済み極板1を絶縁樹脂材Iを挟
んで回路形成された基材に重ね合わせる工程と、めっき
済み極板1を冶具として回路形成された基材に絶縁樹脂
を熱圧接プレスして積層基材を生成する工程と、絶縁樹
脂層に接着された金属めっき層を残して積層基材から極
板1を引き剥がす工程とから成る。
【0027】上記の工程のうち、極板1の表面に銅めっ
きを施す工程は、先に述べたとおりである。次に、めっ
き済み極板1を絶縁樹脂材Iを挟んで回路形成された基
材Cに重ね合わせる工程は、先の極薄銅箔の生成と同様
の方法で、図6に示すように、絶縁樹脂材Iを回路形成
された基材Cへのめっき済み極板1の重ね合わせの前
に、めっき済み極板1の金属めっき層Pの外面側に成層
される方法とすることもできるが、他の方法として、あ
らかじめ多層プリント配線板の内層回路の形成された基
材C上にエポキシ樹脂等の絶縁樹脂を塗布するか、又は
図7に示すように、内層回路の形成された基材Cとめっ
き済み極板1の間に、樹脂シートIを配置する方法を採
ることができる。この場合の絶縁樹脂シートIとして
は、紙やガラスクロス、ガラス不織布、有機繊維布等に
エポキシ樹脂等を含浸した物を使用するか、又はエポキ
シ樹脂等の絶縁樹脂だけのシートを用いても良い。
【0028】次のめっき済み極板1を冶具として回路形
成された基材Cに絶縁樹脂を熱圧接プレスして積層基材
を生成する工程では、図6又は図7に示すように、回路
形成された基材Cを間に挟んで両端にめっき済み極板1
を重ねて配置し、熱圧着により絶縁樹脂材Iを熱硬化さ
せて貼り合わせる。
【0029】こうした工程により、図8に示すように一
対の極板1に挟まれた多層基材が生成される。最終的な
絶縁樹脂層Iに接着された金属めっき層Pを残して積層
基材Uから極板1を引き剥がす工程では、図8の部分拡
大部に示すように、極板1上に成層した銅めっき層Pと
極板1とを引き剥がすことで、銅めっき層Pは極板1の
絶縁材11Aとの境目から絶縁樹脂層I側に付着したま
ま剥がれる。このとき、銅めっき層Pの外縁に絶縁材1
1Aによる極板1との縁切りが成されているため、特に
極板1の表面と裏面に銅めっきを施した場合に、銅めっ
き層Pが意図しない部分に切れ目を生じて不規則な形状
で剥がれる可能性を無くすことができる。こうして図9
に示すような極薄銅箔Pが絶縁樹脂層Iを接着層として
内層回路が形成された基材Cに貼り合わせられた多層構
造のビルドアップ基材Uが作成される。
【0030】(レーザ穴加工)上記のようにして得られ
た多層基材Uの内層回路に合わせて、図10の(A)〜
(B)に示すように、炭酸ガスレーザ又はドリルにより
内層の回路導体Piに達する穴明け加工を行う。レーザ
穴明け加工のレーザ種類は、炭酸ガスレーザに限定する
ものではないが、これによると、加工コストが他の方法
に比べ安価である。
【0031】(高密度回路形成)穴明け加工をレーザ及
びドリルによって行った後、図10(C)に示すよう
に、感光性めっきレジスト(ドライフィルム)Fを表面
に熱圧着し、図示しないマスクフィルム等により回路画
像を紫外線光で、図10(D)に示すように感光性めっ
きレジストFに露光する。露光後は、感光性めっきレジ
ストFを炭酸ナトリウム溶液にて現像し、図10(E)
に示すように回路導体となる部分のレジストを取り除
く。現像後の多層基材Uは、いくつかの薬品により前処
理を行った後に電気銅めっき液により図10(F)に示
すように配線回路部(内層の回路導体Pi表面から穴の
表面を経て感光部下面の銅箔P部分に至る範囲)のみに
銅めっきPaを施し、感光性めっきレジストFを水酸化
ナトリウム溶液等のアルカリ性溶液で剥離する。剥離後
に露出した極薄銅箔Pは、塩化第二銅や硫酸過水系のエ
ッチング液で取り除き、図10(G)に示すように銅め
っきにて作成した配線回路部のみが残るようにする。こ
のことにより内層の回路導体Piと外層の銅箔P部分と
を銅めっきPaで接続した高密度回路が得られる。
【0032】以上要するに、この多層化の製造工程は、
前記(1)〜(11)の工程(ただし(9)及び(1
0)の工程については任意)によるめっき済み極板の供
給、絶縁シートの供給と重ね、内層回路形成された基材
の供給と重ね、絶縁シートの供給と重ね、めっき済み極
板の供給と重ね、を内層回路を1層とする基本の1セッ
トの重ね合わせとし、セット数に応じて、絶縁シートの
供給と重ねを介して同じ供給と重ねの繰り返しにより所
定の枚数を重ね合わせた後に熱圧着装置にて貼り合わせ
るものである。この供給と重ねの関係は、各セットにつ
いて内層回路を複数枚とする場合についても同様であ
る。このセット数の関係から、最終的に最外側に供給す
るめっき済み極板については、片面のみのめっきとして
もよい。
【0033】かくして、この実施形態によれば、極板1
を極薄銅箔の生成から、多層化の製造工程への供給、更
には該工程での冶具として使用し、更にこれを再使用す
るプリント配線基板の生産性向上と高密度回路形成化が
達成できる。
【0034】以上、本発明を極薄金属箔を銅箔とした実
施形態に基づき詳説したが、本発明は他の金属箔につい
ても適用可能なものであり、例示の実施形態に限らず、
特許請求の範囲に記載の範囲で、種々の形態で実施可能
なものである。
【0035】
【発明の効果】従来銅箔の製作は、ドラム式の連続めっ
き装置で作成されており、極薄銅箔は作成後の取り扱い
が困難であることより特殊な処理を行い、搬送用のキャ
リアを配置することが行なわれ、量産性が悪く、高価な
物であったのに対して、本発明の請求項1記載の構成に
よれば、極薄銅箔は金属板上に施しためっき層として製
造工程に供給可能となるため、従来のようにめっき後の
取り扱い性が難しくはならず、容易に極薄銅箔を作成す
ることが可能となった。
【0036】次に、請求項2記載の構成によれば、カソ
ード電極板の絶縁部にめっきされない部分を生じさせ、
この部分を境とする定位置での安定しためっき層の引き
剥がしが成されるため、極薄金属箔の欠損を防ぐことが
できる。
【0037】次に、請求項3記載の構成によれば、カソ
ード電極板を金属板と絶縁板を単純な積層構造として、
上記定位置での安定しためっき層の引き剥がしが成され
るカソード電極板を得ることができる。
【0038】次に、請求項4記載の構成によれば、金属
めっき層の外面を凹凸のある粗面とすることで、カソー
ド電極板の金属板表面とめっき層との付着力に対して、
めっき層に適宜の工程で成層される絶縁樹脂材層とめっ
き層との付着力を強くすることができるため、カソード
電極板の引き剥がしが一層容易となり、引き剥がしの際
の極薄金属箔の欠損の可能性が一層低減する。
【0039】次に、請求項5記載の構成によれば、取り
扱いの容易な極薄金属箔を用いたビルドアツプ基板用の
多層材を作成できる。この作業に際し、極薄金属めっき
を行った金属板を熱圧着積層プレス時の中間板治具の代
用とすることもできることから、熱圧着積層プレスの準
備も容易に行なえるようになる。しかも、こうして得ら
れたビルドアップ基板用の多層材は、金属箔が薄いこと
で、その後の穴明けが容易となり、高密度回路形成の加
工時のエッチング量も少なくなるため、プリント配線板
の製造工程全体の効率化の達成に役立つ。
【0040】次に、請求項6記載の構成によれば、製作
した極薄銅箔上に絶縁樹脂を塗布形成することで、容易
に極薄金属箔付き絶縁シート材料を得ることができ、こ
れを内層回路形成後の基材と貼り合わせることで、極薄
金属箔のビルドアップ基板用の多層材を作成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るカソード電極板を
模式化して示す斜視図である。
【図2】第2実施形態のカソード電極板を模式化して示
す斜視図である。
【図3】カソード電極板へのめっき工程を示す模式断面
図である。
【図4】第1実施形態に係るカソード電極板のめっき後
の形態を示す模式断面図である。
【図5】第2実施形態に係るカソード電極板を用いた極
薄銅箔の生成工程を示す工程図である。
【図6】ビルドアップ基板製造のための重ね合わせ例を
示す模式図である。
【図7】ビルドアップ基板製造のための他の重ね合わせ
例を示す模式図である。
【図8】ビルドアップ基板からのカソード電極板の引き
剥がし工程を示す工程図である。
【図9】積層後のビルドアップ基板を示す断面図であ
る。
【図10】ビルドアップ基板のレーザ穴加工と高密度回
路形成の工程を示す工程図である。
【符号の説明】
1 カソード電極板(極板) 10,10A,10B 金属板 11,11A,11B 絶縁材 11a 縁面 P 銅めっき層(金属めっき層) Pa 凹凸 Pi 内層の回路導体 C 回路形成された基材 I 絶縁樹脂層 U 積層基材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒岩 藩 神奈川県横浜市都筑区川和町280番地 株 式会社アイレックス内 Fターム(参考) 5E343 AA02 AA13 AA15 AA17 BB24 BB67 DD44 DD54 DD75 ER52 FF16 FF18 GG01 GG11 5E346 AA02 AA04 AA06 AA12 AA15 AA22 AA32 AA43 AA51 CC04 CC09 CC32 DD02 DD03 DD12 DD24 DD32 DD44 EE06 EE09 EE13 EE18 EE19 EE31 EE33 EE38 FF04 FF14 GG15 GG17 GG26 GG27 GG28 HH26 HH31

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリント基板の製造に用いる極薄電解金
    属箔の生成方法であって、前記極薄電解金属箔は、カソ
    ード電極板の表面に成層させた金属めっき層のカソード
    電極板からの引き剥がしにより生成されることを特徴と
    する極薄電解金属箔の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記カソード電極板は、その周縁にめっ
    きの析出を妨げる絶縁材を備えることを特徴とする、請
    求項1記載の極薄電解金属箔の製造に用いるカソード電
    極板。
  3. 【請求項3】 前記カソード電極板は、表面を平滑に整
    面された一対の導電性の金属板と、それらの間に挟みこ
    み状態に積層された電気絶縁材とから成り、該電気絶縁
    材は、一対の金属板の周縁から露出する縁面を有し、該
    縁面によりめっきの析出を妨げる、請求項2記載のカソ
    ード電極板。
  4. 【請求項4】 前記金属めっき層の外面は、金属めっき
    の析出の際又はめっき後の処理により凹凸のある粗面と
    されることを特徴とする、請求項1記載の極薄電解銅箔
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 回路形成された基材の表面に絶縁樹脂層
    を介して極薄金属箔層を成層させて多層構造のプリント
    配線板を製造する方法であって、 金属板の表面に金属めっきを施す工程と、 めっき済み金属板を絶縁樹脂材を挟んで回路形成された
    基材に重ね合わせる工程と、 めっき済み金属板を冶具として回路形成された基材に絶
    縁樹脂を熱圧接プレスして積層基材を生成する工程と、 絶縁樹脂層に接着された金属めっき層を残して積層基材
    から金属板を引き剥がす工程とから成ることを特徴とす
    るプリント配線板の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記絶縁樹脂材は、回路形成された基材
    へのめっき済み金属板の重ね合わせの前に、めっき済み
    金属板の金属めっき層の外面側に成層される、請求項5
    記載のプリント配線板の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112672543A (zh) * 2020-12-09 2021-04-16 四会富仕电子科技股份有限公司 一种可分离电镀铜层的方法
CN112739069A (zh) * 2020-12-09 2021-04-30 四会富仕电子科技股份有限公司 一种改善电镀铜层剥离不净的方法

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CN112672543A (zh) * 2020-12-09 2021-04-16 四会富仕电子科技股份有限公司 一种可分离电镀铜层的方法
CN112739069A (zh) * 2020-12-09 2021-04-30 四会富仕电子科技股份有限公司 一种改善电镀铜层剥离不净的方法
CN112739069B (zh) * 2020-12-09 2023-08-08 四会富仕电子科技股份有限公司 一种改善电镀铜层剥离不净的方法
CN112672543B (zh) * 2020-12-09 2023-08-18 四会富仕电子科技股份有限公司 一种可分离电镀铜层的方法

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