JP2002061119A - ケーブル止水カバー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケーブルと取付け管との間の大きな偏芯に容
易に対応できるケーブル止水カバーを提供する。 【解決手段】 一端の締付部４ａをケーブル１外周面
に、他端の締付部４ｂを取付管２外周面に密着させて取
り付けるケーブル止水カバー３において、少なくとも取
付管側の締付部の内周面をケーブル長手方向に断面山形
形状に形成したケーブル止水カバー３。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ケーブル止水カバ
ーに関し、更に詳しくは、ケーブルと取付け管との間の
大きな偏芯に容易に対応できるケーブル止水カバーに関
する。

【０００２】

【従来の技術】斜張橋の橋桁の支持等にワイヤーロープ
等の各種ケーブルが広く使用されている。このケーブル
が橋桁や塔に取り付けられている引込部には、図３に示
されるように、ケーブル１の外周面に一端の締付部４ａ
を、筒状に形成した取付管２の外周面に他端の締付部４
ｂを密着させるように漏斗形状のゴムからなるケーブル
止水カバー３を取り付けて、ケーブルの揺れによる変位
に追従して引込部への雨水の侵入を防ぎ、ケーブル１や
橋の構成部材の腐食による損傷を防止するように構成さ
れている。

【０００３】ところが、ケーブル止水カバー３の変形量
には限界があり、ケーブル１や取付管２等の施工誤差に
より、ケーブル１の芯の位置が取付管２の中心軸から大
きな偏芯量でずれた場合、その取付けに際してケーブル
止水カバー３自体を無理に変形させるには大きな力が必
要になるとともに、変位追従できる範囲が小さくなり、
その向きを変えるには、締付部４ａ、４ｂの内面をサイ
ズを合わせて削り取る必要があるため、作業性が悪化
し、大きな偏芯には対応できないという問題があった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、ケーブルと取付け管との間の大きな偏芯に容易に対
応できるケーブル止水カバーを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、一端の
締付部をケーブル外周面に、他端の締付部を取付管外周
面に密着させて取り付けるケーブル止水カバーにおい
て、少なくとも取付管側の締付部の内周面をケーブル長
手方向に断面山形形状に形成したケーブル止水カバーが
提供される。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の構成について添付
の図面を参照しながら詳細に説明する。図１および図１
のＡ−Ａ矢視断面図である図２は、本発明のケーブル止
水カバーを斜張橋に使用した一例を示し、他端を図示し
ない橋の塔に固定したケーブル１の一端を橋桁に取り付
ける引込部の断面図である。図１は、ケーブル１が取付
管２の中心軸に対して図の上方に偏芯している場合であ
るが、ケーブル１の外周面に漏斗形状のゴムからなるケ
ーブル止水カバー３の締付部４ａが密着して取り付けら
れている。この締付部４ａの外周面には締結手段５とし
てステンレススチール製のバンドが巻かれ、締付部４ａ
を締め付けてケーブル１に固定させている。

【０００７】一方、取付管２の外周面にはケーブル止水
カバー３の締付部４ｂが密着して取り付けられている。
この締付部４ｂの外周面にも同様に締結手段５としてス
テンレススチール製のバンドが巻かれ、締付部４ｂを締
め付けて取付管２に固定させている。

【０００８】これらの締付部４ａ、４ｂの内周面は、断
面形状がケーブル長手方向に山形形状に形成されてお
り、山形形状の傾斜面がケーブル１や取付管２の外周面
に沿うように密着するので、ケーブル１の偏芯に対応し
てケーブル止水カバー３が傾斜するように固定され、ケ
ーブル止水カバー３を無理に変形させて取り付ける必要
がなく、取付け作業性が良好で、ケーブル止水カバー３
の変位追従性能を阻害しないという利点が得られる。

【０００９】なお、前記山形形状は、締付部４ａ、４ｂ
の内周面の長手方向の前後部にそれぞれ傾斜を有してい
ればよく、例えば、断面半円状のように断面を曲線で形
成したり、断面台形状のように断面の中央部が平らにな
るように形成するようにしてもよい。また、山形形状の
傾斜の角度は、取り付ける構造物の条件により、適宜設
定すればよい。

【００１０】この山形形状は、締付部４ａと締付部４ｂ
の両方に形成するのが好ましいが、４ｂ側のみに設ける
ようにしてもよい。また、ケーブル止水カバーと締付部
との隙間に、シール材を塗布して、密着性すなわち止水
性を向上させるようにしてもよい。

【００１１】また、ケーブル止水カバー３は、漏斗形状
に形成し、ケーブル１や取付管２に随時装着固定出来る
ように周上一個所で軸方向に切り離されており、その分
割突合わせ部の両末端にそれぞれ図１に示すフランジ部
６が設けられており、フランジ部６を介してボルト等を
用いて締付けて接合するように構成されている。なお、
ケーブル止水カバー３は、シート状の部材を巻き付け
て、その端末部同士を重ね合せ、固定するようなものを
使用してもよい。

【００１２】本発明のケーブル止水カバーの材料は、ゴ
ムや樹脂等の弾性部材であれば特に限定されないが、耐
候性のあるＥＰＤＭ、ＣＲ等のゴムを用いるのが好まし
い。

【００１３】また、本発明のケーブル止水カバーは、斜
張橋以外の各種橋梁、建築物に使われているケーブルの
取付け固定部にも適用可能である。

【００１４】

【発明の効果】本発明に従って、ケーブル止水カバーの
締付部の内周面をケーブル長手方向に断面山形形状に形
成することによって、ケーブルと取付け管との間の大き
な偏芯に容易に対応できるケーブル止水カバーを得るこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のケーブル止水カバーの断面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ矢視断面図である。

【図３】従来のケーブル止水カバーの断面図である。

【符号の説明】

１ ケーブル ２ 取付管 ３ ケーブル止水カバー ４ａ、４ｂ 締付部 ５ 締結手段 ６ フランジ部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一端の締付部をケーブル外周面に、他端
   の締付部を取付管外周面に密着させて取り付けるケーブ
   ル止水カバーにおいて、少なくとも取付管側の締付部の
   内周面をケーブル長手方向に断面山形形状に形成したケ
   ーブル止水カバー。