JP2002050323A - 密閉型電池ケース - Google Patents

密閉型電池ケース

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JP2002050323A
JP2002050323A JP2000237112A JP2000237112A JP2002050323A JP 2002050323 A JP2002050323 A JP 2002050323A JP 2000237112 A JP2000237112 A JP 2000237112A JP 2000237112 A JP2000237112 A JP 2000237112A JP 2002050323 A JP2002050323 A JP 2002050323A
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battery case
resin
crystalline
weight
resin composition
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JP2000237112A
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Satoru Ono
悟 小野
Michihiro Kitayama
道宏 北山
Mitsuhiro Yoshimura
光浩 吉村
Junji Koizumi
順二 小泉
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Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01MPROCESSES OR MEANS, e.g. BATTERIES, FOR THE DIRECT CONVERSION OF CHEMICAL ENERGY INTO ELECTRICAL ENERGY
    • H01M50/00Constructional details or processes of manufacture of the non-active parts of electrochemical cells other than fuel cells, e.g. hybrid cells
    • H01M50/10Primary casings; Jackets or wrappings
    • H01M50/116Primary casings; Jackets or wrappings characterised by the material
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    • HELECTRICITY
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    • H01M50/14Primary casings; Jackets or wrappings for protecting against damage caused by external factors
    • H01M50/141Primary casings; Jackets or wrappings for protecting against damage caused by external factors for protecting against humidity
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温時の耐久性能に優れ,かつ水分透過率も
低い密閉型電池ケースを提供する。 【解決手段】 荷重たわみ温度(荷重1.81MPa)
70℃以上及び引張破断伸び(23℃,50mm/分)
50%以上の結晶性ポリプロピレン樹脂50〜100重
量%と,ポリフェニレンエーテル系樹脂0〜50重量%
とからなる樹脂組成物よりなる密閉型電池ケースであっ
て,上記樹脂組成物のウェルド強度(95℃)は13M
Pa以上であり,ノッチ付き曲げ強度(95℃)は25
0N以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,樹脂組成物からなる密閉型電池
ケースに関する。
【0002】
【従来技術】近年,自動車等に搭載される密閉式二次電
池ケースは,金属製のものに限らず,樹脂製のものも多
く生産されている。樹脂製の電池ケースの中でも,軽量
で耐薬品性の観点から,ポリプロピレン(以下,「P
P」と記載する。)/ポリフェニレンエーテル(以下,
「PPE」と記載する。)複合材が量産されている。
【0003】PP/PPE複合材については,電池の出
力アップ及びケースの小型・軽量化のニーズから,更
に,強度及び耐熱性を向上させる必要がある。そのた
め,従来,PP/PPE複合材におけるPPEの含有量
を増加することにより,熱間中での剛性,強度,クリー
プ性の向上を図っていた。
【0004】また,PP/PPE複合材については,特
開平2−92957,9−241499,10−110
069,6−16924,3−26740,2000−
58007等で多数提案されている。特開平7−184
985,特開平8−195188では耐熱クリープ性を
改良する手法として,PPEの分散形態の制御が開示さ
れている。
【0005】
【解決しようとする課題】しかしながら,PPEの多量
添加や分散形態の制御を施したPP/PPE複合材は,
荷重たわみ温度,高温強度等の機械物性の向上は認めら
れるが,電池ケースとして高温時に耐圧試験を行なう
と,短時間でコーナー部やウェルド部において破損して
しまう。
【0006】密閉型の電池ケースの耐久性能として特に
重要な特性である高温時の耐圧性能を向上させるために
は,従来から行われている荷重たわみ温度,高温強度,
クリープ特性の向上だけでは不充分である。
【0007】これは,電池ケースが後述する図1に示さ
れるごとく,複数の槽からなる箱型であるため,成形過
程において発生するウェルド部やコーナー部が応力集中
の起点となり,前述の機械物性ではウェルド部やコーナ
ー部の挙動を表わしきれていないためである。
【0008】また,従来材料の中には水分透過率が大き
くなる材料もあるため,長期間使用すると,ケース内の
電解液濃度が変化し,電池の出力低下,さらには電池の
故障等が生じる可能性がある。
【0009】本発明はかかる従来の問題点に鑑み,高温
時の耐久性能に優れ,かつ水分透過率が小さい密閉型電
池ケースを提供しようとするものである。
【0010】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,(A)荷重たわ
み温度(荷重1.81MPa)70℃以上及び引張破断
伸び(23℃,50mm/分)50%以上の結晶性ポリ
プロピレン樹脂50〜100重量%と,(B)ポリフェ
ニレンエーテル系樹脂0〜50重量%とからなる樹脂組
成物よりなる密閉型電池ケースであって,上記樹脂組成
物のウェルド強度(95℃)が13MPa以上であり,
ノッチ付き曲げ強度(95℃)が250N以上であるこ
とを特徴とする密閉型電池ケースである。
【0011】本発明においては,機械物性を種々に検討
し,高温時のウェルド強度とノッチ付き曲げ強度の両者
が,最も製品性能に影響を与えることを見い出し,本発
明をなすに至ったのである。即ち,具体的には,95℃
におけるウェルド強度が13MPa以上であり,かつ9
5℃におけるノッチ付き曲げ強度が250N以上の樹脂
組成物からなる密閉型電池ケースが,耐久性能に優れ,
低い水分透過率を有する。
【0012】そして,樹脂組成物がこの特性を発現する
ためには,耐熱性すなわち高温での荷重たわみ温度と靭
性すなわち引張破断伸びが共に優れる結晶性PPを50
重量%以上,PPE系樹脂が0〜50重量%含むことが
必須要件であり,耐熱性,靭性の少なくとも一方が上記
条件を満たしていない樹脂組成物では,本発明の効果を
得ることができない。また,上記樹脂組成物は,荷重
1.81MPaにおけるたわみ温度が70℃以上,温度
23℃,引張速度50mm/分における引張破断伸びが
50%以上である結晶性PPを含有している。
【0013】このような樹脂組成物を用いることで,マ
トリックスである結晶性PPの靭性,ウェルド強度,耐
水分透過性,ドメインであるPPE系樹脂による耐熱
性,剛性アップという相互作用により,高温時の耐久性
能に優れ,密閉型電池ケースのウェルド部及びコーナー
部における高温時の靭性及び耐圧性が向上し,その結
果,製品性能が向上する。ゆえに,電池ケースが高温に
晒されても,機械的強度を保持することができる。ま
た,水分透過率が低くなるため,長期間使用した際にも
電解液濃度が変化せず,電池の出力低下や故障等の発生
を防止することができる。
【0014】以上,本発明によれば,高温時の耐久性能
に優れ,かつ水分透過率も低い密閉型電池ケースを提供
することができる。
【0015】また,樹脂組成物中に含まれる結晶性PP
の荷重たわみ温度は70℃以上である。70℃未満であ
る場合は,耐熱性が低下し,実使用において変形,破壊
等が生じるおそれがある。また,荷重たわみ温度の上限
は,引張破断伸び等の機械特性が低下するおそれがある
ため,150℃以下とすることが好ましい。また,荷重
たわみ温度は75℃以上とすることがより好ましい。
【0016】また,上記結晶性PPの引張破断伸びは5
0%以上である。50%未満である場合は,靭性が低下
し,小変形でも破断するおそれがある。また,引張破断
伸びの上限は,熱変形温度,曲げ弾性率が低下するおそ
れがあるため,500%以下とすることが好ましい。
【0017】また,使用する結晶性PPを分子量で規定
すれば,これは高温GPC法で求められた重量平均分子
量が25万以上であることが好ましい。これにより,破
断伸びが50%〜500%となる結晶性PPを得ること
ができる。更に好ましくは,28万以上であることが好
ましい。なお,高温GPC法,つまりポリスチレン換算
の分子量分布測定は,下記条件により実施して測定した
値である。
【0018】装置:Waters 150C型高温GPC装置, カラム:東ソーGMH HR−H(S)HT 7.8m
m×300mm×2本, 移動相溶媒:o−ジクロロベンゼン(0.1%BHT添
加) 140℃,1mリットル/分, サンプル:0.1% o−ジクロロベンゼン溶液 50
0μリットル注入, 検出器: 示差屈折検出器, 標準:東ソー単分散標準ポリスチレン1000〜288
万,
【0019】一方,メルトフローレート(以下,MFR
とする)で上記結晶性PPを規定すれば,その値は5.
0g/10分以下であることが好ましい。これにより,
良好な成型加工性を得ることができる。更に好ましく
は,0.2〜5.0/10分の範囲であることが好まし
い。
【0020】また,本発明にかかる樹脂組成物は結晶性
PPとPPE系樹脂よりなり,結晶性PPは50〜10
0重量%含まれる。結晶性PPが50重量%未満の場
合,靭性,ウェルド強度,水分透過率の低下等が生じる
おそれがある。
【0021】また,本発明にかかる樹脂組成物のウェル
ド強度が13MPa未満である場合は,ウェルド部から
破壊が生じるおそれがある。また,ウェルド強度は結晶
性PPの分子量増大と共に大きくなるため,結晶性PP
の伸び,MFRの範囲内にある必要があるため,上限は
50MPa以下とすることが好ましい。また,ウェルド
強度は14MPa以上とすることがより好ましい。
【0022】また,ノッチ付き曲げ強度が250N未満
である場合は,コーナー部から破壊するおそれがある。
また,ノッチ付き曲げ強度の上限は,曲げ強度の上昇に
ともないウェルド強度が低下するため,1000N以下
とすることが好ましい。
【0023】本発明において使用される結晶性PPにつ
いて具体的に説明する。上記結晶性PPは,単独重合体
又は共重合体である結晶性ポリプロピレン樹脂である。
この樹脂はプロピレンを主成分として重合してなる結晶
性樹脂であり,具体的にはプロピレンの単独重合体,プ
ロピレンを主成分とし,これとエチレン,ブテン−1,
ヘキセン−1,ヘプテン−1,4−メチルペンテン−1
等のα−オレフィンとの共重合体が挙げられる。
【0024】上記結晶性PPにおいて,共重合体として
はランダム共重合体でもブロック共重合体でもよいが,
ポリプロピレン重合体中にプロピレン−α−オレフィン
共重合体が分散した形態を取るブロック共重合体が好ま
しい。単独重合体又は共重合体である結晶性ポリプロピ
レン樹脂としては,好ましくは,プロピレン単独重合体
やプロピレン−エチレンブロック共重合体などが挙げら
れる。
【0025】単独重合体又は共重合体である結晶性ポリ
プロピレン樹脂の製造方法としては,重合によって上記
の範囲の密度を有するポリプロピレンを得る方法や,こ
うした密度未満のポリプロピレンに核剤を添加すること
によって密度を向上させ上記範囲の密度のポリプロピレ
ンを得る方法などが挙げられる。
【0026】核剤としては,ポリプロピレンの結晶性を
向上させるものなら何でも良い。代表的なものとして
は,芳香族カルボン酸の金属塩,ソルビトール系誘導
体,有機リン酸塩,芳香族アミド化合物等の有機系核剤
や,タルク等の無機核剤を挙げることができるが,特に
これらに限定されるものではない。
【0027】本発明において使用されるPPE系樹脂に
ついて具体的に説明する。上記PPE系樹脂としては,
ポリフェニレンエーテル,およびポリフェニレンエーテ
ルとスチレン系樹脂との混合物などが挙げられる。ポリ
フェニレンエーテルとしては,下記一般式で示される構
造を有する単独重合体および共重合体が挙げられる。
【0028】
【化1】
【0029】式中,Q1は各々ハロゲン原子,第一級ま
たは第二級アルキル基,アリール基,アミノアルキル
基,炭化水素オキシ基又はハロ炭化水素オキシ基を表
し,Q2は各々水素原子,ハロゲン原子,第一級または
第二級アルキル基,アリール基,ハロアルキル基,炭化
水素オキシ基又はハロ炭化水素オキシ基を表し,mは1
0以上の数を表す。
【0030】Q1及びQ2の第一級アルキル基の好適な例
は,メチル,エチル,n−プロピル,n−ブチル,n−
アミル,イソアミル,2−メチルブチル,n−ヘキシ
ル,2,3−ジメチルブチル,2−,3−または4−メ
チルペンチル又はヘプチルである。第二級アルキル基の
好適な例は,イソプロピル,sec−ブチル又は1−エ
チルプロピルである。多くの場合,Q1はアルキル基又
はフェニル基,特に炭素数1〜4のアルキル基であり,
2は水素原子である。
【0031】ポリフェニレンエーテルの単独重合体とし
ては,好ましくは,2,6−ジメチル−1,4−フェニ
レンエーテル単位からなる重合体が挙げられる。共重合
体としては,上記単位と2,3,6−トリメチル−1,
4−フェニレンエーテル単位との組合せからなるランダ
ム共重合体が挙げられる。多くの好適な単独重合体又は
ランダム共重合体が特許及び文献に記載されている。例
えば,分子量,溶融粘度及び/又は耐衝撃強度等の特性
を改良する分子構成部分を含むポリフェニレンエーテル
もまた好適である。
【0032】ポリフェニレンエーテルの固有粘度は,好
ましくは,クロロホルム中30℃での測定で,0.2〜
0.8dl/gであり,より好ましくは0.2〜0.7
dl/gであり,最も好ましくは0.25〜0.6dl
/gである。固有粘度が0.2dl/g未満であると樹
脂組成物の耐衝撃性が不足し,0.8dl/gを越える
と成形性が不十分である。
【0033】スチレン系樹脂としては,ポリスチレンお
よびゴム強化ポリスチレンなどが挙げられる。スチレン
系樹脂の配合量は,ポリフェニレンエーテルとスチレン
系樹脂との合計の0〜80重量%であることが好まし
い。80重量%を越えると耐熱性が低下しやすい。
【0034】本発明の密閉型電池ケースには,相溶化
剤,酸化防止剤,増核剤,着色剤などを添加することも
できる。密閉型電池ケースを製造するに当たっては,上
記結晶性PPと上記PPE系樹脂とを各種混練機で混練
し,ペレットを作製し,該ペレットを例えば射出成形
法,押出成型法等により成形する。
【0035】請求項2の発明のように,上記樹脂組成物
における,上記結晶性ポリプロピレン樹脂の含有量は5
0〜99.9重量%であり,かつ上記ポリフェニレンエ
ーテル系樹脂の含有量は0.1〜50重量%であること
が好ましい。結晶性PPとPPE系樹脂とが上記範囲で
混合されていることにより,ノッチ付曲げ強度が更に向
上する。
【0036】なお,上記樹脂組成物における結晶性PP
とPPE系樹脂との含有量は,結晶性PPを55〜95
重量%,PPE系樹脂を5〜45重量%とすることがよ
り一層好ましい。こうすることで,より一層高いノッチ
付け曲げ強度を得ることができる。また,特に耐圧性能
を重視した電池ケースが必要な場合は,結晶性PPとP
PE系樹脂とを両方含む樹脂組成物を用いることが好ま
しい。また,特に耐水分透過性を重視する場合は,PP
E系樹脂の添加量を極力少なくすることが好ましい。
【0037】請求項3の発明のように,上記樹脂組成物
における,上記結晶性ポリプロピレン樹脂の含有量は1
00重量%であり,かつ上記ポリフェニレンエーテル系
樹脂の含有量は0重量%であることが好ましい。この場
合には,耐水分透過性に優れる電池ケースを得ることが
できる。
【0038】
【発明の実施の形態】実施形態例1 本発明の実施形態に係る密閉型電池ケースについて,図
1〜図5を用いて説明する。本例の密閉型電池ケース1
は,結晶性PPとPPE系樹脂とからなる樹脂組成物を
射出成形法により成形したものである。
【0039】密閉型電池ケース1は,図1〜図3に示す
ごとく,隔壁11によって複数の槽10に分かれてい
る。各槽10の中は電極群109が装着され電解液で満
たされる。密閉型電池ケース1は蓋17が溶着してい
る。図3に示すごとく,密閉型電池ケース1を射出成形
するためのゲート160が底壁15の複数箇所に位置し
ている。成形時には,側壁15(図1),隔壁11(図
2),底壁16(図3)の各部において,材料の融合部
にウェルドライン12が形成されることがある。
【0040】密閉型電池ケース1に用いる樹脂組成物
は,結晶性PPとPPE系樹脂からなる樹脂組成物であ
る。この樹脂組成物について表1にかかる試料1〜試料
5,比較試料C1〜比較試料C3を準備して,次のよう
な検討を行なった。
【0041】まず上記各試料,比較試料について説明す
る。結晶性PPとして,後述する実施形態例2にかかる
試料6,比較試料C4及びC5にかかる3種を準備し
た。この3種の結晶性PPの物性や重量平均分子量は後
述する実施形態例2の表2に記載した。上記結晶性PP
に対しPPE系樹脂を配合した。また,結晶性PPとP
PE系樹脂との配合組成を表1に示す。それぞれの樹脂
組成物を試料1〜試料5,また,比較試料C1〜比較試
料C3とした。なお,各樹脂組成物について,相溶化剤
としてSEPS(スチレン−エチレン−プロピレン−ス
チレン共重合体)をPPE系樹脂の10%添加した。
【0042】これらの各試料,比較試料を特徴づける各
物性を,以下の要領で測定した。 (ウェルド強度)ウェルド強度の測定にあたっては,A
STM(D638)1号ダンベル型の上下2箇所より樹
脂を注入し,中央部にウェルド部を有する試験片を成形
した。この試験片についてASTM D638に準じて
引張り試験を行った。試験時の温度は95℃,引張速度
は10mm/分とした。
【0043】(ノッチ付き曲げ強度)この試験の様子を
図4に記載した。ASTM D790の曲げ試験片71
にノッチ加工を施し,D790に準じてノッチ付き曲げ
試験を行った。上記ノッチ加工は,ASTM D256
アイゾット衝撃試験法の中のノッチ加工法に基づいて行
った。なお,ノッチ72と加圧点74との距離Dは10
mmである。
【0044】図4において,支持台73の間の距離Cは
40mmとした。ノッチ72は,床面側に向けた。ノッ
チ72に対して真上から圧縮力75を加えて,2mm/
分の速度で試験片71を曲げた。試験時の温度は95℃
とした。上記試験において,曲げによる変位(つまり曲
げ変位)と変位が生じた際の荷重との関係を測定した。
そして,曲げ変位が10mmの時の曲げ荷重を,ノッチ
付き曲げ強度とした。
【0045】(荷重たわみ温度)荷重たわみ温度の測定
は,ASTM D648に従って行った。荷重時の加圧
力は1.81MPaとした。 (引張破断伸び)引張破断伸びの測定は,ASTM D
638に従って行った。引張試験時の温度は23℃,引
張速度は10mm/分とした。
【0046】(熱間耐圧性)図5に示すごとく,雰囲気
温度95℃中で,本試験において変形しない程度の十分
な板厚を有する2枚の板状治具81にて,試料1〜5,
比較試料C1〜C3で構成した密閉型電池ケース1の側
壁15の両側を挟み込んだ。板状治具81の間に,厚み
調整治具82を介在させて,ボルト83とナット84に
て締めつけた。
【0047】これにより,密閉型電池ケース1の側壁1
5を,片側0.1mmずつ圧縮して,拘束した。このと
き,密閉型電池ケース1の側壁以外の面は拘束されてい
ない。そして,溶着した蓋13にホース85を取付け
て,ケース内部に,エアーを圧入した。エアーによる加
圧力は1MPaとした。電池ケース1は,複数の槽に分
かれているが,各槽は隔壁に各1箇所ずつ穴があけら
れ,つながった空間を形成しているため,全槽にエアー
による圧力がかかる。この状態で,エアーにより圧力を
加え続け,電池ケース1が破壊するまでの時間を測定し
た。熱間耐圧性は図1〜図3にかかる密閉型電池ケース
1を作製した時,該電池ケース1の高温時耐久性(耐圧
性)の良否の指標となる。
【0048】(水分透過率)水分透過率は,JIS K
7129のB法に従って測定する。試験時の温度は40
℃,湿度は90%RHとし,試験片厚みは2mmとす
る。この試験から単位面積,単位時間あたりの水分の透
過量が得られる。水分透過率が低い材料は水を透過させ
難いため,耐水分透過性に優れている。水分透過率は,
電池を長期間使用した際に電解液濃度が変化しやすい
か,し難いかの指標となる。
【0049】以上の測定結果を表1に記載した。ここに
試料1〜5は(A)荷重たわみ温度が70℃以上で引張
破断伸びが50%以上の結晶性PP55〜99重量%
と,(B)PPE系樹脂1〜45重量%とからなる樹脂
組成物である。比較試料C1〜C3に用いられた結晶性
PPは荷重たわみ温度が70℃以上で引張破断伸びが5
0%以上に該当しない。同表より知れるように,試料1
〜5は,比較試料C1〜C3と比べていずれも,ウェル
ド強度,ノッチ付き曲げ強度,熱間耐圧性が高いと共
に,水分透過率は低いか同程度で耐水分透過性に優れて
いた。
【0050】
【表1】
【0051】また,試料2,比較試料C1については,
ノッチ付き曲げ強度を測定する際の曲げ荷重と曲げ変位
との関係を図6,図7に記載した。図7に示すごとく,
比較試料C1の場合には,曲げ変位の増加に伴って曲げ
荷重も増加するが,ある変位量Eを過ぎると,ノッチ部
から亀裂が進展し,試験片が切り裂かれるため,曲げ荷
重が強度が急激に減少した。
【0052】これとは対照的に,図6に示すごとく,試
料2の場合には,比較試料C1での極大点となった変位
量Eを超え,ノッチ部で微小な亀裂が発生した後も,亀
裂の大きな進展はなく,曲げ荷重の減少幅も小さかっ
た。また,他の試料や比較試料についても同様の結果を
得ることができる。
【0053】実施形態例2 本例は,結晶性PPよりなる樹脂組成物について,実施
形態例1と同様の測定を行った。結晶性PPとして,表
2に記載した重量平均分子量やメルトフローレートを持
つ試料6,7,8,比較試料C4,C5,C6を準備し
た。これらの結晶性PPについて,実施形態例1と同様
の試験を行った。但し,引張破断伸び試験での引張速度
は50mm/分とした。
【0054】上記測定結果を表2に記載した。ここに試
料6〜8は(A)荷重たわみ温度が70℃以上で引張破
断伸びが50%以上の結晶性PPよりなり,比較試料C
4〜6は上記要件を満たしてない結晶性PPである。同
表より知られるように,試料6,7,8は,比較試料C
4,C5,C6と比べていずれも,ウェルド強度,ノッ
チ付き曲げ強度,熱間耐圧性が高いと共に,水分透過率
は低くて耐水分透過性に優れていた。
【0055】
【表2】
【0056】また,実施形態例1及び上述の記載より,
試料1〜8,比較試料C1〜C6によるウェルド強度と
ノッチ付き曲げ強度との関係を図8に示した。図8に示
すごとく,試料1〜試料8のいずれも,ウェルド強度1
3MPa以上であり,ノッチ付き曲げ強度250N以上
である。これらの樹脂組成物から成形した密閉型電池ケ
ースは,95℃の高温下で加圧力1MPaを加えても,
破断は生じなかった。比較試料C1〜C6から成形した
密閉型電池ケースは,図9,図10に示すごとく,ウェ
ルドラインにおいて破断線19が発生した。このことか
ら,ウェルド強度13MPa以上で,ノッチ付き曲げ強
度250N以上である結晶性PPを用いて成形した電池
ケースは,高温時の耐圧性に優れていることがわかる。
【0057】また,試料1〜試料8から成形した電池ケ
ースは,樹脂組成物が耐水分透過性に優れていることか
ら,電解液の揮発が生じ難い。そのため,長期間使用し
ても電解液濃度が一定に保たれるため,電池の出力低下
や故障が生じ難く,耐久年数を長くすることができる。
【0058】また,試料3〜5は,試料6〜8に比べ
て,熱間耐圧性が更に良好であり,水分透過率について
は若干大きかった。このことから,PP単体系の電池ケ
ースよりも,PP/PPE複合材の場合の方が,熱間耐
圧性がより高く,耐水分透過性については若干劣る傾向
にあることがわかる。
【0059】そのため,より耐久性,耐圧性に優れた電
池が必要な場合は結晶性PPとPPE系樹脂との複合材
よりなる電池ケースを用い,耐水分透過性に優れ,長期
の使用において電解液の濃度が変化せず,電池性能が非
常に劣化し難い優れた電池が必要な場合は,PP単体系
で構成した電池ケースを使用すればよい。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば,高温時の耐久性能に優
れ,かつ水分透過率も低い密閉型電池ケースを提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,側壁側からみた蓋付き
の密閉型電池ケースの斜視展開図。
【図2】実施形態例1における,密閉型電池ケースの一
部切欠き斜視図。
【図3】実施形態例1における,底影側からみた密閉型
電池ケースの斜視図。
【図4】実施形態例1における,ノッチ曲げ強度の測定
方法を示す説明図。
【図5】実施形態例1における,熱間耐圧性試験の説明
図。
【図6】実施形態例1における,試料2の樹脂組成物の
曲げ変位量と曲げ荷重との関係を示す線図。
【図7】実施形態例1における,比較試料C1の樹脂組
成物の曲げ変位量と曲げ荷重との関係を示す線図。
【図8】ウェルド強度とノッチ付き曲げ強度の関係を示
す説明図。
【図9】破断部位を示すための,密閉型電池ケースの一
部切欠き斜視図。
【図10】破断部位を示すための,密閉型電池ケースの
底部側斜視図。
【符号の説明】
1...密閉型電池ケース, 10...槽, 11...隔壁, 12...ウェルドライン, 13...蓋, 15...側壁, 16...底壁, 19...破断線, 71...試験片, 72...ノッチ, 73...支持台, 81...板状治具,
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 71:12) C08L 71:12) (C08L 53/00 (C08L 53/00 71:12) 71:12) (72)発明者 吉村 光浩 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 (72)発明者 小泉 順二 愛知県西春日井郡春日町大字落合字長畑1 番地 豊田合成株式会社内 Fターム(参考) 4F071 AA15 AA15X AA20 AA20X AA21 AA21X AA51 AA75 AA76 AF13Y AF15Y AF17Y AF21Y AF45Y AH12 BC04 BC07 4J002 BB121 BB141 BB151 BP021 BP031 CH072 GG01 5H011 AA02 AA10 CC02 CC08 CC09 KK00 KK02 KK04

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)荷重たわみ温度(荷重1.81M
    Pa)70℃以上及び引張破断伸び(23℃,50mm
    /分)50%以上の結晶性ポリプロピレン樹脂50〜1
    00重量%と,(B)ポリフェニレンエーテル系樹脂0
    〜50重量%とからなる樹脂組成物よりなる密閉型電池
    ケースであって,上記樹脂組成物のウェルド強度(95
    ℃)が13MPa以上であり,ノッチ付き曲げ強度(9
    5℃)が250N以上であることを特徴とする密閉型電
    池ケース。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記樹脂組成物にお
    ける,上記結晶性ポリプロピレン樹脂の含有量は50〜
    99.9重量%であり,かつ上記ポリフェニレンエーテ
    ル系樹脂の含有量は0.1〜50重量%であることを特
    徴とする密閉型電池ケース。
  3. 【請求項3】 請求項1において,上記樹脂組成物にお
    ける,上記結晶性ポリプロピレン樹脂の含有量は100
    重量%であり,かつ上記ポリフェニレンエーテル系樹脂
    の含有量は0重量%であることを特徴とする密閉型電池
    ケース。
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