JP2002045978A - 中実材の接合方法 - Google Patents
中実材の接合方法Info
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Abstract
に高い接合強度を得られる中実材の接合方法を提供す
る。 【解決手段】 中実材を連ね、これら中実材1,2より
融点の低いインサートメタル3を80μm以上の厚さに
設けて前記中実材1,2で挟み、前記中実材1,2をこ
れらの突き合わせ面に向けて5MPa以上の圧力で加圧
しつつ、接合部を高周波誘導装置等の加熱手段で加熱す
る。
Description
を接合する際に中実材でインサートメタルを挟み込んで
接合する中実材の接合方法であり、特に鉄筋コンクリー
ト鋼棒等の中実棒の接合方法に関する。
法として圧接が知られている(例えば、特開昭55−5
7390号公報、特開昭55−94787号公報参
照)。
き合わせ、ガスなどにより、突合わせ部を1000℃以
上に加熱する。そして、大きな力で接合される中実材を
これらの突き合わせ面に向けて加圧して接合部分を塑性
変形させて接合する方法である。
される中実材に目違いが生じ易い。これは、加熱による
強度の低下が均一に起こらないことや、不均一に加熱さ
れた場合に断面の方向で線膨張も不均一になるためであ
る。
に、接合された中実材の接合部に0.3〜1.5mm程
度の段差Aが形成される。この段差は応力集中源とな
り、疲労強度を低下させるだけでなく、外観も悪い。そ
の他、端部で突き合わせ面が広がり口が開くため接合し
づらい。
のであり、短時間で炭素鋼製の中実材を接合でき、接合
部に段差を生じさせず、しかも、疲労強度を含めた高い
接合強度が得られる中実材の接合方法を提供する。
解決するため、接合される炭素鋼製の中実材より融点の
低いインサートメタルを前記中実材で挟み、前記中実材
をこれらの突き合わせ面に向けて加圧しつつ、前記中実
材の接合部を加熱手段で加熱して前記中実材を接合する
中実材の接合方法であって、この溶融されたインサート
メタルを加圧された前記中実材の接合面から外周部に排
出させて前記接合部にフィレットを形成して接合部の段
差をすべてなだらかにする中実材の接合方法により中実
材を接合する。
ンサートメタルが挟み込まれているため、インサートメ
タルのみが溶融する温度に接合部が加熱されると、イン
サートメタルが溶融する。ここで、加熱手段とは、高周
波誘導装置、ガス加熱装置その他の加熱装置を意味する
が、本発明に用いる加熱手段としては高周波誘導装置が
最適である。
したインサートメタルが中実材の接合面から外周面に排
出されて外周面にフィレット(すみ肉)が形成される。
このフィレット(すみ肉)が加圧により接合部に形成さ
れた段差を被覆して、段差の無い接合部を形成する。
とができ、しかも、段差をなだらかにしたことで、応力
集中を生じさせず、疲労強度を向上させる。
るため、接合される炭素鋼製の中実材より融点の低いイ
ンサートメタルを前記中実材で挟み、前記中実材をこれ
らの突き合わせ面に向けて加圧しつつ、前記中実材の接
合部を加熱手段で加熱して前記中実材を接合する中実材
の接合方法であって、前記インサートメタルを80μm
以上の厚さに設けて、前記中実材をこれらの突き合わさ
れる方向に少なくとも5MPaの圧力で加圧しつつ前記
中実材の接合部を前記加熱手段で加熱して前記インサー
トメタルを溶融させる中実材の接合方法で中実材を接合
する。
ンサートメタルが挟み込まれているため、インサートメ
タルのみが溶融する温度に接合部が加熱されると、イン
サートメタルが溶融する。本発明につても、加熱手段と
して、高周波誘導装置、ガス加熱装置その他の加熱装置
を採用できるが、高周波誘導装置が最適である。
圧しているので、溶融したインサートメタルが中実材の
接合面から外周面に確実に排出されて外周面にフィレッ
ト(すみ肉)が形成される。このフィレット(すみ肉)
が加圧により接合部に形成された段差を被覆して、段差
の無い接合部を形成する。
とができ、しかも、段差をなだらかにしたことで、応力
集中を生じさせず、疲労強度を向上させる。
設けて挟み込めば、中実材の外周面にフィレット(すみ
肉)を形成させることができるが、厚さを120μm以
上にすれば、外周面により多くの溶融されたインサート
メタルを排出し、さらになだらかな勾配のフィレット
(すみ肉)を形成できる。
記インサートメタルとしてFe−Si−B成分系メタル
及びNi−Si−B成分系メタルの少なくとも一方を採
用することで、十分なフィレット(すみ肉)形成を行う
ことができ、高い結合強度を得ることができる。
て図面を参照しながら説明する。
を実施する装置の概要を示しており、接合される中実材
としての鋼棒1,2はこれらの軸方向に連ねられ、軸方
向の端面同士でインサートメタル3を挟み込んで配され
ている。
接合部の近傍を加熱するとともに、鋼棒1,2の軸方向
に加圧するもので、鋼棒1,2の接合部の近傍でこれら
の外周に巻き付けられる加熱コイル4及びこの加熱コイ
ル4に接続された高周波発生装置6からなる高周波誘導
装置と、各鋼棒1,2を保持してこれらをその付き合わ
せ面に向けて加圧するためのクランプ5,5とを備えて
いる。このクランプ5,5は駆動源8から作動油が供給
されて作動する。
おり、接合部の温度調整を行うことが可能となってい
る。コントローラ7には接合部の温度を検出する温度セ
ンサーが接続され、このセンサーからの信号によりコン
トローラ7が温度制御して、接合部が予め設定した温度
以上に過熱されるのを防止している。一方、クランプ
5,5にはコントローラ7に接続されたロードセルなど
の荷重検出センサーが設けられていて、鋼棒1,2に付
加される荷重を検出し、コントローラ7が鋼棒1,2に
負荷される荷重を自在に調整できるようになっている。
ランプ5,5を備えた加圧装置によって接合される鋼棒
1,2をこれらの突き合わせ面に向けて加圧し、その
後、加圧状態を保持しつつ接合部を加熱コイル4で加熱
して鋼棒1,2を接合する。
ートメタル3を示している。このインサートメタル3
は、接合する鋼棒の径に応じて適切な大きさに切断され
たものでBやSiなどの融点降下元素を含有する金属が
使用される。融点降下元素を含有する金属の中でも、ぬ
れ性の良好なFe−Si−B成分系の金属やNi−Si
−B成分系の金属を使用するとよい。
で図1に示した装置に鋼棒1,2をセットした後、鋼棒
1,2をその軸方向に5MPa以上の圧力で、好ましく
は5MPa〜20MPaの範囲の圧力で、鋼棒の材質、
径等に応じて適切な圧力で加圧する。そして、この加圧
状態を保持しつつ高周波誘導装置により接合部を、イン
サートメタルの溶融する1100℃以上に加熱する。こ
の際、加熱する温度は、接合する鋼棒の種類や使用する
インサートメタルの種類により適宜変更されるが、好ま
しくは、1200〜1300℃)の範囲で加熱するとよ
い。
ると挟み込まれたインサートメタルが溶融する。溶融し
たインサートメタルは鋼棒の接合面で鋼棒に作用して、
その表面層を溶解し、汚染層を分解する。
圧されているので、溶融したインサートメタルが接合部
から鋼棒の外周面に絞り出される。なお、高い圧力で加
圧すると、溶融したインサートメタルが接合界面の中央
部から外周部へ絞り出され、融液が接合界面に残留しな
い。このため、圧接と同様の状態で鋼棒1,2が接合さ
れ、さらに高い接合強度を得ることができる。そして、
絞り出されたインサートメタルは、両鋼棒の突き合わせ
の境界線上に滞留する。その結果図3に示すように接合
部においてその外周面には、その全周に亘りなだらかな
傾斜を有するフィレット(すみ肉)10,10が形成さ
れる。
向けて加圧すると、周方向の不均一な線膨張や鋼棒自体
の不均一な肉厚等の影響で目違いが生じ、接合部に段差
が形成される。図3に示すフィレット(すみ肉)10,
10はこの段差部分を被覆して急激な断面形状の変化が
生ずることを防止しする。そのため、接合部に応力集中
が生ずることが無く、疲労破壊の起点になることがなく
なる。
ット(すみ肉)を形成するには絞り出されるインサート
メタルの量がある程度必要である。そのため、鋼棒に挟
み込まれるインサートメタルの厚さを80μm以上、好
ましくは120μm以上の厚さで、接合する鋼棒の材質
や径などに応じて適切な厚さに設けるとよい。インサー
トメタルの厚さを120μm以上にすると図4に示すよ
うに、絞り出される溶融したインサートメタルの量が多
くなり鋼棒1,2の間に生ずる段差をフィレット(すみ
肉)11,11が完全に被覆するとともに、フィレット
(すみ肉)11,11の脚長がより長くなり、その傾斜
をいっそうなだらかに形成できる。なお、本実施形態で
は、板状のインサートメタルを1枚挟み込んで厚さLを
上記の値以上に形成しているが(図2参照)、これには
限定されず、フィレット(すみ肉)を形成させるに足り
る量であれば、板状以外に粒状(成形体を含む)、粉末
状の形状であっても構わない。
鋼棒をこれらの突き合わせ面に向けて加圧し、その後に
加圧状態を保持して接合部を加熱する手順による場合を
示したが、本発明は、かかる手順には限定されず、加熱
した後に、この加熱された温度を保持して鋼棒を加圧し
たり、加圧と加熱とを同じタイミングで行っても構わな
い。なお、加熱する手段についても高周波誘導装置の
他、ガス加熱装置等その他の加熱装置で加熱しても構わ
ない。また、インサートメタルについてもFe−Si−
B成分系の金属やNi−Si−B成分系の金属以外のも
のを使用することを排除するものではない。さらに、本
実施形態では鋼棒を対象として説明したが、中実材であ
れば鋼棒に限定されず、例えば、帯材や形鋼など他の炭
素鋼製の中実材についても適用できることはいうまでも
ない。
直径40.0mmの鉄筋コンクリート用鋼棒(JISG
3112、SD345、呼び名D38)を本発明にかか
る中実材の接合方法で接合し、接合部の引張り試験を行
った。試験は、挟み込むインサートメタルの厚さと、加
圧する圧力とを変化させて接合した数種類の試験片につ
いて行った。
り接合部の周囲をシールドし、加圧したまま高周波誘導
装置で1300℃まで加熱し、この状態を2分間保持し
た。なお、使用した鋼棒の化学組織を表1の記号R1
に、挟み込んだインサートメタルの化学組織を表2のM
1にそれぞれ示す。
なように、本発明の接合方法で定めた範囲からインサー
トメタルの厚さ又は加圧する圧力のいずれかが外れた場
合には、鋼棒の接合面から破断し、また、破断したとき
の応力も低く十分な強度を得ることができなかった。
接合した試験片W1では、接合部に段差が残っており、
フィレット(すみ肉)も十分に形成されていなかった。
また、1MPaと低い圧力で加圧して接合した試験片W
2にあっては、破断面に脆いNiB3が残留していた。
加圧する際の圧力を本発明にかかる接合方法で定めた範
囲で接合したものは、接合面では破断せず、母材たる鋼
棒の部分が破断した。このことから、本発明にかかる接
合方法で鋼棒を接合すると母材の引張強度以上の接合強
度を得る。
直径が33.5mmの鉄筋コンクリート用鋼棒(JIS
3112、SD345、呼び名D32)についても本発
明にかかる中実材の接合方法で接合し、接合部の引張り
試験を行った。この試験についても、インサートメタル
の厚さと、加圧する圧力とを変化させて接合した数種類
の試験片について行った。
り接合部の周囲をシールドし、加圧したまま高周波誘導
装置で1250℃まで加熱し、この状態を2分間保持し
た。使用した鋼棒の化学組織を表1の記号R2に、挟み
込んだインサートメタルの化学組織を表2のM2にそれ
ぞれ示す。
も、本発明の接合方法で定めた範囲からインサートメタ
ルの厚さ又は加圧する圧力の少なくといずれかが外れた
場合には、鋼棒の接合面から破断し、また、破断したと
きの応力も低い。
た範囲外のインサートメタルで接合した試験片W11で
は、接合部に段差が残っており、フィレット(すみ肉)
も十分に形成されていなかった。また、2MPaと低い
圧力で加圧して接合した試験片W12にあっては、破断
面に脆いNiB3が残留していた。
加圧する際の圧力を本発明にかかる接合方法で定めた範
囲で接合したものは、接合面では破断せず、母材たる鋼
棒の部分が破断した。本試験からも本発明にかかる接合
方法で鋼棒を接合すると母材の引張強度以上の接合強度
を得る。
わせて接合する場合、短時間で段差を形成させることな
く接合できるので作業効率を向上させる。しかも、本発
明の中実材の接合方法によれば、応力集中源となる段差
が生じないので、静的な負荷だけでなく疲労に対しても
高い強度の接合部を得ることができる。
統図。
す図。
成されたフィレット(すみ肉)の1態様を示す図。
ンサートメタルより厚いものを使用した場合に形成され
たフィレット(すみ肉)の1態様を示す図。
Claims (3)
- 【請求項1】 接合される炭素鋼製の中実材より融点の
低いインサートメタルを前記中実材で挟み、前記中実材
をこれらの突き合わせ面に向けて加圧しつつ、前記中実
材の接合部を加熱手段で加熱して前記中実材を接合する
中実材の接合方法であって、 前記インサートメタルを前記加熱手段で溶融させ、この
溶融されたインサートメタルを加圧された前記中実材の
接合面から外周部に排出させて前記接合部にフィレット
を形成して接合部の段差をすべてなだらかにすることを
特徴とする中実材の接合方法。 - 【請求項2】 接合される炭素鋼製の中実材より融点の
低いインサートメタルを前記中実材で挟み、前記中実材
をこれらの突き合わせ面に向けて加圧しつつ、前記中実
材の接合部を加熱手段で加熱して前記中実材を接合する
中実材の接合方法であって、 前記インサートメタルを80μm以上の厚さに設けて、
前記中実材をこれらの突き合わされる方向に少なくとも
5MPaの圧力で加圧しつつ前記中実材の接合部を前記
加熱手段で加熱して前記インサートメタルを溶融させる
ことを特徴とする中実材の接合方法。 - 【請求項3】 前記インサートメタルを120μm以上
の厚さに設けたことを特徴とする請求項1記載の中実材
の接合方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000238462A JP4323697B2 (ja) | 2000-08-07 | 2000-08-07 | 中実材の接合方法 |
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JP2000238462A JP4323697B2 (ja) | 2000-08-07 | 2000-08-07 | 中実材の接合方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2002045978A true JP2002045978A (ja) | 2002-02-12 |
JP4323697B2 JP4323697B2 (ja) | 2009-09-02 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP4323697B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101580465B1 (ko) * | 2015-05-26 | 2015-12-28 | (주)월든종합건설 | 목구조 연결철물 |
-
2000
- 2000-08-07 JP JP2000238462A patent/JP4323697B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101580465B1 (ko) * | 2015-05-26 | 2015-12-28 | (주)월든종합건설 | 목구조 연결철물 |
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JP4323697B2 (ja) | 2009-09-02 |
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