JP3465079B2 - 接合方法 - Google Patents

接合方法

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JP3465079B2
JP3465079B2 JP2001218706A JP2001218706A JP3465079B2 JP 3465079 B2 JP3465079 B2 JP 3465079B2 JP 2001218706 A JP2001218706 A JP 2001218706A JP 2001218706 A JP2001218706 A JP 2001218706A JP 3465079 B2 JP3465079 B2 JP 3465079B2
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秀樹 高部
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、拡散接合方法を用
いた金属管の接合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼板、鋼管等の金属材を接合する場合、
接合すべき金属材の溶融を伴う従来の溶接方法に比べて
熱変形及び化学組成変化が少ない接合方法として、拡散
接合方法が一般に用いられている。
【0003】図2は、拡散接合方法で金属材を接合する
従来の接合装置の構成を示す模式図である。図中4はチ
ャンバであり、該チャンバ4内には、接合すべき金属管
11,12を夫々挟持するクランプ機構21,22が適
度な距離を隔てて対向配置してあり、該クランプ機構2
1,22は油圧装置2に駆動されて夫々接離方向に移動
し、挟持した金属管11,12を軸方向に突き合わせ
て、接合部を圧縮すべく軸方向に圧力を加えるよう構成
されている。クランプ機構21,22には接合時の圧力
を監視する圧力センサ50が取り付けられており、該圧
力センサ50の計測結果は制御部60に与えられ、制御
部60は前記計測結果をフィードバックして油圧装置2
が出力する加圧力を制御し、接合圧力を所要の圧力値に
維持する。
【0004】クランプ機構21,22の略中央部に、高
周波電源31に接続された加熱コイル30が配置してあ
り、該加熱コイル30の内側には接合温度を監視するた
めの図示しない温度センサが配置してある。また、温度
センサが計測した金属管11,12の接合部近傍の温度
のデータは制御部60に与えられ、制御部60は前記デ
ータを用いて加熱コイル30に流すべき高周波電流を制
御し、接合温度を所要の温度に維持する。
【0005】以上のような接合装置を用いる場合、金属
管11,12を軸方向に接合するとき、クランプ機構2
1,22に夫々金属管11,12を挟持し、金属管1
1,12の夫々の接合面を、金属管11,12より低融
点の接合材を介在して、互いに突き合わせる。次に、図
示しないガス導入管を用いてチャンバ4内に酸化防止用
の窒素ガスを導入して雰囲気を調整し、加熱コイル30
に高周波電流を流し、前記接合材が溶融する接合温度ま
で、金属管11,12の接合部近傍を急速に誘導加熱す
る。次に、油圧装置2は所要の加圧力を出力し、該加圧
力はクランプ機構21,22に夫々伝達されて金属管1
1,12を図中の白抜矢符方向に急激に圧縮して、金属
管11,12を接合する。制御部60は油圧装置2及び
高周波電源31を制御して加熱又は加圧の開始、終了、
又は調整等を行なう。また、圧力センサ50が測定した
金属管11,12の接合圧力及び前記温度センサが測定
した接合温度をフィードバックして、接合圧力及び接合
温度が適切な値になるよう油圧装置2及び高周波電源3
1を制御する。
【0006】図3は金属管の接合部近傍の塑性変形の説
明図、図4は金属管の接合部近傍の拡管変形の説明図、
図5は金属管の接合部近傍の塑性変形及び拡管変形の説
明図である。金属管11,12は熱及び圧力を加えられ
るため、金属管11,12の接合部近傍が塑性変形を起
こし、図3に示すように、接合部の外側及び内側に、膨
らむように突出する突出部10a,10aを生じる。ま
た、本発明者らは、金属管11,12の肉厚/径比が小
さく、そのため金属管11,12の剛性が低い場合は、
接合部近傍が挫屈を起こして拡管変形し、図4に示すよ
うに、金属管11,12夫々の端部が外側に拡がるよう
にして、接合部の外側に突出部10cを生じ、内側にV
溝状の陥没部10bを生じるという知見を得た。
【0007】金属管11,12が挫屈を起こす場合、実
際には、塑性変形及び拡管変形が複合して起きるため、
図5に示すように、接合部の外側では突出部10aと突
出部10cとが重畳して突出部1aを生じ、接合部の内
側では突出部10aと陥没部10bとが重畳して、突出
部1aと陥没部1bとを有する複雑な凹凸が生じる。塑
性変形による突出部10a又は塑性変形及び拡管変形に
よる突出部1aと陥没部1bとが生じた場合、接合部に
発生する応力集中が増大して、金属管11,12の接合
強度が低下し、接合部の疲れ強さが低下する。加圧を行
なわなければ塑性変形又は拡管変形は生じないが、金属
管11,12の接合面の加工精度、又は接合面の突き合
わせ精度が低い場合、接合面同士が密着せず、確実に接
合することが出来ない。また、接合面間に必要以上の接
合材が残留している場合、接合強度が低下する。更に、
接合時間が長くなるという問題もある。接合面同士を密
着し、必要以上の接合材を排出して、短時間で確実に接
合するためには、適宜の加圧を急激に行なう必要があ
る。
【0008】特開平9−262684号公報では、接合
部を加熱する軸方向長さを制限し、塑性変形による突出
部の突出長さ/接合した金属管の半径比を1.0〜1.
1にすることによって、接合強度及び接合部の疲れ強さ
を満足する接合方法を開示している。また、特開平9−
267184号公報では、加圧力の大きさと、該加圧力
を金属管に与えるタイミングとを制御することによっ
て、塑性変形を低減し、接合強度及び接合部の疲れ強さ
を満足する接合方法を開示している。更に、特開平11
−104854号公報では、二相ステンレス鋼を用い、
接合部を加熱する軸方向長さを制限することによって、
塑性変形を低減し、接合強度及び接合部の疲れ強さを満
足する接合方法を開示している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の接合方法は、接
合部の挫屈による拡管変形が考慮されていないため、塑
性変形及び拡管変形の複合変形を有効に抑制することが
できず、接合強度及び接合部の疲れ強さが低下するとい
う問題があった。また、接合部の外側の突出部1aは、
例えばグラインダを用いて機械的に研削することによっ
て金属管11,12の接合後に修正することができる
が、内側の陥没部1bは接合後に修正することができな
いという問題もあった。また、従来の接合装置は、加圧
力を用いて油圧装置2を制御するため、制御部60及び
圧力センサ50等の設備構成が複雑であるという問題も
あった。斯かる問題を解決するために、発明者らは、金
属管の肉厚/径比が小さく、そのため金属管の剛性が低
い場合、軸方向の長さ(幅)がWである加熱器を用い、
肉厚tの金属管に、軸方向の変形長さがaになるよう圧
力を加えて接合する実験を行ない、その結果、金属管が
挫屈を起こして拡管変形し、接合部の内側に陥没深さd
の陥没部が生じたとき、d/t(%)=(W/t)×
(a/t)/2の関係が成立するという知見を得た。
【0010】本発明は、斯かる知見に基づいてなされた
ものであり、軸方向の長さWの加熱器を用いて肉圧tの
金属管を接合するとき、金属管の変形長さaをW及びt
を用いて決定することにより、接合部に陥没部が発生す
ることを抑制し、陥没部の陥没深さを低減して、接合強
度及び疲れ強さの低下を防止することができる接合方法
を提供することを目的とする。本発明の他の目的は、加
熱器の幅W及び金属管の変形長さaを肉圧tの5倍以下
に制限することにより、拡管変形を抑制して、実用上充
分な接合強度及び疲れ強さを得ることができる接合方法
を提供することにある。本発明の他の目的は、金属管を
加圧する時間を5秒以下に制限することにより、接合部
の陥没を効率良く低減し、更に、作業時間を短縮するこ
とができる接合方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1発明に係る接合方法
は、軸方向に接合すべき2本の金属管を、該金属管の接
合面間に該金属管より低融点の接合材を挟んで突き合わ
せ、該接合材の融点以上の接合温度になるまで加熱器を
用いて前記金属管の接合部を加熱し、前記金属管を軸方
向に加圧して前記接合部を圧縮して接合する接合方法に
おいて、接合した肉厚tの金属管の接合部の内側に挫屈
による陥没深さDの陥没部が生じることが許容される場
合、軸方向の長さがWの加熱器を用いて前記接合部を加
熱し、次いで、(W/t)×(a/t)/2≦D/tの
式を満たすように決定した軸方向の変形長さaとなるま
で前記金属管を加圧することを特徴とする。
【0012】第1発明にあっては、金属管の軸方向の加
熱器の長さ(以下、加熱器の幅と言う)Wの加熱器を用
いて肉圧tの金属管を接合する場合、該金属管の材質又
は肉厚/径比等に応じて、接合した金属管に生じる陥没
部が接合部の接合強度及び疲れ強さに大きな影響を及ぼ
さない陥没深さ/肉厚比 D/tをあらかじめ求めてお
き、金属管の軸方向の変形長さaを、(W/t)×(a
/t)/2≦D/tの式を満たすように決定する。次い
で、前記加熱器を用いて接合部を加熱し、接合部が接合
温度まで加熱されたとき、変形長さaになるまで金属管
に圧力を加えることによって、即ち金属管の変形長さを
制限することによって金属管に加えられる圧力を制限し
て、座屈の発生を抑制するため、接合部に陥没部が発生
することを抑制し、陥没部の陥没深さを低減して、接合
強度及び疲れ強さの低下を防止することができる。ま
た、所定の変形長さaになったか否かは肉眼又はゲージ
等を用いて容易に判断できるため、所定の幅Wを有する
加熱器を備え、加圧力を制御して接合を行なう従来の接
合装置を用いて本発明の接合方法を実施することができ
る。
【0013】第2発明に係る接合方法は、前記長さW及
び前記変形長さaの上限は5tであることを特徴とす
る。第2発明にあっては、加熱器の幅W及び金属管の変
形長さaは、理想的には肉圧tの値以下のとき、金属管
が温度上昇する範囲を制限して、加熱によって金属管の
強度低下が生じて挫屈が生じ易くなる範囲を最小にす
る。また、金属管の変形長さを制限して、金属管に対す
る加圧を制限する。このため、金属管に圧力が加えられ
たとき、強度低下を生じた部分を、強度が保たれている
部分で補強することができ、挫屈の発生を防止すること
ができる。しかしながら、金属管の寸法、材質又は接合
条件等によっては、実施が困難である場合、又は充分な
接合強度を得られない場合がある。実験的には夫々が5
t以下、特に変形長さaが0.4t以上2t以下のとき
に、拡管変形を抑制して、実用上充分な接合強度及び疲
れ強さを得ることができる。また、加熱器の幅及び金属
管に加えられる圧力を制限することによって、金属管の
塑性変形を低減できるため、本発明の接合方法を、剛性
が高くて挫屈が起きない金属管又は金属材に用いた場合
であっても、接合強度及び疲れ強さの低下を抑制するこ
とができる。
【0014】第3発明に係る接合方法は、前記金属管を
加圧する時間を5秒以下とすることを特徴とする。第3
発明にあっては、加熱及び加圧に過度の時間を費やした
場合、金属管が加熱されて強度が低下する範囲が熱伝導
によって広がり、また、長時間の加圧によって金属管の
強度が更に低下して挫屈し易くなるため、加熱及び加圧
は短時間で行なう。接合温度に達するまでの時間は装置
の昇温速度に依存するため、接合温度を保持する時間、
即ち加圧時間が、実験的に5秒、好ましくは3秒以下の
場合に、接合部の陥没を効率良く低減し、更に、作業時
間を短縮することができる。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態を
示す図面に基づいて詳述する。図1は、肉厚t(mm)の
金属管を、陥没部の陥没深さ/肉厚比 D/t(%)以
下で接合する本発明の接合装置の構成を示す模式図であ
る。図中4はチャンバであり、該チャンバ4内には窒素
ガスを導入する図示しないガス導入管を備えている。チ
ャンバ4内には、接合すべき金属管11,12を夫々挟
持するクランプ機構21,22が適度な距離を隔てて対
向配置してあり、該クランプ機構21,22はチャンバ
4外部の油圧装置2に駆動されて夫々接離方向に移動
し、挟持した金属管11,12を突き合わせて、接合部
を圧縮すべく圧力を加えるよう構成されている。
【0019】クランプ機構21,22の略中央部に銅製
の1ターンの加熱コイル3が、該加熱コイル3の軸方向
と前記接離方向とを合わせて配置してある。該加熱コイ
ル3の幅(軸長)はW(mm)≦5tであり、直径は前記
金属管11,12よりも大きい。また、加熱コイル3の
内側には接合温度を監視するための図示しない温度セン
サが配置してある。加熱コイル3は、チャンバ4外部の
高周波電源31に接続してある。前記温度センサが計測
した金属管11,12の接合部近傍の温度のデータは制
御部6に与えられ、制御部6は前記データを用いて高周
波電源31を制御し、加熱コイル3に流すべき高周波電
流を増減し、接合温度を所要の温度に維持する。
【0020】クランプ機構21(22)と加熱コイル3
との間には、クランプ機構21(22)の移動を防止す
るストッパ51(52)が備えられている。該ストッパ
51(52)は前記接離方向に移動可能であり、接合し
た金属管11,12の接合部の内側に挫屈による陥没深
さD(mm)の陥没部が生じることが許容される場合にD
/t≧(W/t)×(a/t)/2の関係を満たすa
(mm)≦5tを選択し、接合開始時のクランプ機構21
(22)の位置を基準に、該位置からa/2(mm)の距
離を隔ててチャンバ4内部に固定するよう構成してあ
る。
【0021】以上のような接合装置を用いる場合、肉厚
tの金属管11,12を軸方向に接合するとき、クラン
プ機構21,22に夫々金属管11,12を挟持し、金
属管11,12の夫々の接合面を、金属管11,12よ
り低融点の接合材を介在して互いに突き合わせる。次
に、前記ガス導入管を用いてチャンバ4内をガス置換し
て雰囲気を調整し、加熱コイル3に高周波電流を流し
て、前記接合材の融点以上であって金属管11,12の
融点未満である所要の接合温度まで、加熱コイル3で金
属管11,12の接合部近傍を誘導加熱する。誘導加熱
は、金属管11,12の温度上昇する範囲が加熱コイル
3の幅Wより大幅に拡がらないよう急激に行なう。ま
た、制御部6は加熱の開始、終了、又は調整等を行なう
べく高周波電源31を制御し、前記温度センサが測定し
た接合温度をフィードバックして、接合温度が適切な値
になるよう高周波電源31を制御する。
【0022】接合部が接合温度に達したとき、油圧装置
2は所要の加圧力を出力し、該加圧力はクランプ機構2
1,22に夫々伝達されて金属管11,12を図中の白
抜矢符方向に圧縮する。加圧は、前記範囲が幅Wより大
幅に拡がらないよう急激に行なう。このため、前記白抜
矢符方向に夫々移動したクランプ機構21,22は、5
秒以内の短時間(加圧時間T(s))で夫々a/2(m
m)移動してストッパに突き当たる。このとき金属管1
1,12は夫々がa/2(mm)ずつ圧縮されて変形し、
このため、接合された金属管11,12は、軸方向にa
(mm)の変形長さを有する。制御部6は、加圧開始から
前記加圧時間Tが経過したときに、油圧装置2を制御し
て加圧を終了する。
【0023】表1は、前記接合装置を用いて接合した金
属管11,12の肉厚t、加熱コイル3の幅W、金属管
11,12の変形長さa、加圧時間T、及び陥没部深さ
の実測値dを示している。
【0024】
【表1】
【0025】接合には、組成が0.25%C−0.2%
Si−0.45%Mn−1.0%Cr−0.45%Mo
−0.02%Ti−残部実質Fe、外径が60.3mmで
あり、焼入(950℃)−焼戻(620℃)処理された
継目無し鋼管を金属管11及び金属管12として用い、
接合材として、市販のアモルファス箔MBF−20
(7.0%Cr−3.0%Fe−4.5%Si−3.2
%B−残部Ni、融点1024℃)を用いた。接合温度
は1250℃であり、該接合温度まで約30s(平均昇
温速度40℃/s)で加熱し、次いで、該接合温度を1
80s間保持した。また、陥没部深さdは、接合した金
属管11,12の接合部を周方向90°間隔の4ヶ所で
測定し、その平均値を算出した。許容される陥没深さ/
肉厚比 D/tの値は、JIS G3452、G345
4、アメリカ石油協会の油井管規格API 5CT等
に、肉厚4mm以上の金属管の肉厚許容差が12.5%ま
で規格として認められていることから、ここでは10%
以下を良好な値と判断した。実験番号は1〜19まであ
り、実験番号7、8、9、10、18、19は比較実験
である。
【0026】表2は、前記金属管11,12の加熱コイ
ル幅/肉厚比 W/t、変形長さ/肉厚比 a/t、陥
没深さ/肉厚比 d/t(%)の理論値及び実験値、並
びに曲げ試験結果を示している。なお、d/tの理論値
は(W/t)×(a/t)/2を用いて算出した。
【0027】
【表2】
【0028】曲げ試験は、接合した金属管11,12か
ら、周方向長さ20mm、軸方向長さ200mmの試験片
を、該試験片の軸方向の中央に接合部が位置するよう採
取し、曲げ半径10mmで180°の表曲げ及び裏曲げ試
験を行ない、接合部が開口するか否かで良否を判断し、
開口した場合を×、開口しなかった場合を〇で示した。
【0029】表より、加熱コイル幅/肉厚比 W/tが
5t以下であって変形長さ/肉厚比a/tが5t以下の
場合、陥没深さ/肉厚比は10%未満と良好な値を示し
ていることがわかる。また、W/tが一定のとき、a/
tの減少に伴ってd/tの実験値も減少していることが
わかる。実験番号7は変形長さが5tを超過しており、
実験番号8は加圧時間が8sと長く、実験番号9及び1
0は加熱コイル幅が5tを超過しているため、陥没深さ
/肉厚比が10%以上の大きな値となっている。また、
実験番号18及び19は、変形長さが0.4t未満であ
り、そのため陥没深さ/肉厚比は1%未満の良好な値を
示しているが、曲げ試験において接合部が開口してい
る。陥没深さ/肉厚比 d/tの理論値と実験値とを比
較すると、比較的大きなズレがある実験番号は7〜9で
あり、本発明の接合方法の条件下で行なっている場合は
実用上問題なく一致している。
【0030】なお、本発明の接合方法に用いる金属管
は、炭素鋼、ステンレス鋼、又はNi合金等を用いても
良く、材質は限定しない。また、接合材料は、金属管に
比べて低い融点を有する合金であって、金属管の材質に
合わせて適切な材質の物を用いる。例えばNi又は鉄に
C、Si、P、B等の融点降下元素を添加した合金のア
モルファス(非晶質)箔、又は前記合金の粉末を有機バ
インダでシート状にした物を接合面と接合面との間に挟
み込んで用いる。また、鍍金又は溶射等の方法で接合面
に前記合金の層を形成して用いても良い。また、接合温
度は金属管の融点未満であり接合材の融点以上の範囲で
任意に選択することができる。例えば炭素鋼管、低合金
鋼管、ステンレス鋼管を接合する場合には適正な接合温
度は約1100℃〜1300℃の範囲となる。接合温度
が接合材の融点を越えて選択されない場合には、接合面
間に充分な液層が形成されず、接合欠陥の発生原因とな
る。
【0031】また、接合部の酸化を防止する必要がある
場合には、接合部周辺を不活性ガスでシールドする方法
又はチャンバ4内を減圧して真空状にする方法等を用い
る。また、クランプ機構21を固定し、クランプ機構2
2を介して金属管11,12を加圧する構成としても良
い。このとき、クランプ機構21と加熱コイル3との間
にストッパ51は必要なく、クランプ機構22と加熱コ
イル3との間にのみストッパ52を設置して、加圧時に
金属管11,12が変形することによる接合部の加圧方
向への移動に伴って加熱コイル3が加圧方向に移動する
ように構成してもよい。このとき、クランプ機構22と
ストッパ52との間の距離は軸方向の変形長さaに等し
い。
【0032】
【発明の効果】本発明の接合方法によれば、軸方向の長
さWの加熱器を用いて肉圧tの金属管を接合するとき、
金属管の変形長さaをW及びtを用いて決定することに
より、金属管の軸方向の加熱器の長さ(以下、加熱器の
幅と言う)Wの加熱器を用いて肉圧tの金属管を接合す
る場合、該金属管の材質又は肉厚/径比等に応じて、接
合した金属管に生じる陥没部が接合部の接合強度及び疲
れ強さに大きな影響を及ぼさない陥没深さ/肉厚比 D
/tをあらかじめ求めておき、金属管の軸方向の変形長
さaを、(W/t)×(a/t)/2≦D/tの式を満
たすように決定する。次いで、前記加熱器を用いて接合
部を加熱し、接合部が接合温度まで加熱されたとき、変
形長さaになるまで金属管に圧力を加えることによっ
て、即ち金属管の変形長さを制限することによって金属
管に加えられる圧力を制限して、座屈の発生を抑制する
ため、接合部に陥没部が発生することを抑制し、陥没部
の陥没深さを低減して、接合強度及び疲れ強さの低下を
防止することができる。また、所定の変形長さaになっ
たか否かは肉眼又はゲージ等を用いて容易に判断できる
ため、所定の幅Wを有する加熱器を備え、加圧力を制御
して接合を行なう従来の接合装置を用いて本発明の接合
方法を実施することができる。
【0033】また、加熱器の幅W及び金属管の変形長さ
aを肉圧tの5倍以下に制限することにより、加熱器の
幅W及び金属管の変形長さaは、理想的には肉圧tの値
以下のとき、金属管が温度上昇する範囲を制限して、加
熱によって金属管の強度低下が生じて挫屈が生じ易くな
る範囲を最小にする。また、金属管の変形長さを制限し
て、金属管に対する加圧を制限する。このため、金属管
に圧力が加えられたとき、強度低下を生じた部分を、強
度が保たれている部分で補強することができ、挫屈の発
生を防止することができる。しかしながら、金属管の寸
法、材質又は接合条件等によっては、実施が困難である
場合、又は充分な接合強度を得られない場合がある。実
験的には夫々が5t以下、特に変形長さaが0.4t以
上2t以下のときに、拡管変形を抑制して、実用上充分
な接合強度及び疲れ強さを得ることができる。また、加
熱器の幅及び金属管に加えられる圧力を制限することに
よって、金属管の塑性変形を低減できるため、本発明の
接合方法を、剛性が高くて挫屈が起きない金属管又は金
属材に用いた場合であっても、接合強度及び疲れ強さの
低下を抑制することができる。
【0034】また、金属管を加圧する時間を5秒以下に
制限することにより、加熱及び加圧に過度の時間を費や
した場合、金属管が加熱されて強度が低下する範囲が熱
伝導によって広がり、また、長時間の加圧によって金属
管の強度が更に低下して挫屈し易くなるため、加熱及び
加圧は短時間で行なう。接合温度に達するまでの時間は
装置の昇温速度に依存するため、接合温度を保持する時
間、即ち加圧時間が、実験的に5秒、好ましくは3秒以
下の場合に、接合部の陥没を効率良く低減し、更に、作
業時間を短縮することができる。
【0035】
【0036】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施に使用する接合装置の構成を示す
模式図である。
【図2】従来の接合装置の構成を示す模式図である。
【図3】金属管の接合部近傍の塑性変形の説明図であ
る。
【図4】金属管の接合部近傍の拡管変形の説明図であ
る。
【図5】金属管の接合部近傍の塑性変形及び拡管変形の
説明図である。
【符号の説明】
11,12 金属管 2 油圧装置 21,22 クランプ機構 3 加熱コイル 51,52 ストッパ 6 制御部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に接合すべき2本の金属管を、該
    金属管の接合面間に該金属管より低融点の接合材を挟ん
    で突き合わせ、該接合材の融点以上の接合温度になるま
    で加熱器を用いて前記金属管の接合部を加熱し、前記金
    属管を軸方向に加圧して前記接合部を圧縮して接合する
    接合方法において、 接合した肉厚tの金属管の接合部の内側に挫屈による陥
    没深さDの陥没部が生じることが許容される場合、軸方
    向の長さがWの加熱器を用いて前記接合部を加熱し、次
    いで、 (W/t)×(a/t)/2≦D/t の式を満たすように決定した軸方向の変形長さaとなる
    まで前記金属管を加圧することを特徴とする接合方法。
  2. 【請求項2】 前記長さW及び前記変形長さaの上限は
    5tであることを特徴とする請求項1に記載の接合方
    法。
  3. 【請求項3】 前記金属管を加圧する時間を5秒以下と
    することを特徴とする請求項1又は2に記載の接合方
    法。
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