JP2002043826A - アンテナ装置 - Google Patents
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Abstract
が少ない、小型広帯域のアンテナ装置を提供する。 【解決手段】長方形の1波長ループアンテナエレメント
103を無線機地板101に近接して設置し、さらにル
ープアンテナエレメント103の両端を給電部に向かっ
て折り曲げることで、折り返し最先端部の電流がゼロと
なる電流分布を構成する。また、ループアンテナエレメ
ント103上に電流を集中させることで無線機地板10
1上に流れる電流成分を低減し、人体が手に持った時の
影響を抑えるとともに、到来波に応じた指向特性を形成
する。
Description
機で使用されるアンテナ装置に関し、特に、携帯無線機
に内蔵され、人体に近接させて使用される場合でも良好
な放射特性が得られるアンテナ装置に関する。
需要が急激に高まっており、小型軽量で薄い無線機が求
められている。そのため、従来は、アンテナとして固定
式ヘリカルアンテナ、板状逆Fアンテナ等を用い、 小
型無線機に使用する場合に邪魔にならない小型で携帯性
のよいアンテナ系が実現されている。
広く使用されている固定式ヘリカルアンテナの外観図で
あり、携帯電話本体20上に固定式ヘリカルアンテナエ
レメント21を配置することで、小型軽量なアンテナ系
を実現している。
ンテナとして広く使用されている板状逆Fアンテナの構
造図であり、携帯電話本体の中に内蔵可能で無線機地板
上に近接して配置可能である。このアンテナは放射エレ
メント22が無線機地板23に平行に近接して配置さ
れ、、放射エレメント22の一部を接地点24に接地
し、一部に給電点25から給電することで低背なアンテ
ナを実現し、携帯電話本体からアンテナが飛び出ない携
帯電話のデザインを可能としている。
式ヘリカルアンテナの場合も、図20の板状逆Fアンテ
ナの場合も、アンテナ素子だけでなく無線機地板上にも
多くのア−ス電流が流れてしまい、そのため無線機を人
体に近接させて使用するときには、手や頭部の影響を受
けて利得が大きく劣化してしまうという問題がある。
の電流分布図である。図21では無線機地板およびアン
テナエレメントをワイヤ26で近似し、アンテナに給電
した時にワイヤ26上に流れる電流の絶対値分布27を
3次元的に表現している。この図からも明らかなように
ヘリカルアンテナ上だけでなく無線機地板上にも多くの
ア−ス電流が流れている様子が分かる。
ンテナの放射指向性を表わした特性図であるが、アンテ
ナ上だけではなく無線機地板上にも大きなア−ス電流が
流れた結果、θ成分が支配的になっており、結果として
人が手に持って無線機を傾けて使用している状態では、
基地局からの到来波の偏波と無線機アンテナの偏波が一
致せずに受信性能が大きく低下してしまうという不具合
が合った。
機本体の内部に配置した場合に、周辺部品や無線機地板
の影響を受けて狭帯域になるとともに利得が大きく劣化
する不具合があった。
るものであり、無線機地板上に流れる電流成分を低減さ
せ、人体に近接させて使用した状態でも利得の低下が少
ない平衡系のアンテナを実現すると共に、無線機地板上
に近接して実装しても広帯域であり、さらに到来波に応
じた放射指向性を形成できる、小型広帯域高利得なアン
テナ装置を提供することを目的としている。
体内に内蔵されるアンテナ装置は、短辺対長辺の比が1
0以上である長方形のル−プアンテナエレメントを具備
し、前記ル−プアンテナエレメントは、第1の周波数に
おける1波長と略同一の外周囲長を有し、前記無線機地
板に対して、平行にかつ前記波長に比べて十分小さい間
隔で近接して配置され、さらに前記短辺が給電部側に近
接するように折り返されている。
電流分布が集中し、無線機地板上に流れる電流成分を低
らすことができ、人体の影響を低減できる。さらにアン
テナアレメントを折り返すことで、無線機地板上に極め
て近接して配置しているにもかかわらず、広帯域特性を
持ちながら小型化することが出来る。
電流分布がゼロになるような構成とすることで、近接平
行している電流成分同志で打ち消し合うこと無く高効率
に動作可能であり、小型ながら高利得なアンテナ装置を
実現することが出来る。
電線に接続されているために、安定してル−プアンテナ
エレメント上に電流分布を集中させることができる。
て、波長に比べて十分小さい間隔で、1つ以上の無給電
エレメントが配置することで広帯域特性を持たせること
が出来、広帯域で安定して受信することが出来る。
1の周波数と異なるように構成することによって、2共
振あるいは3共振特性を持たせることが出来、複数の周
波数やシステムにおいて安定して受信することが出来
る。
無給電エレメントの一部もしくは全体を板状に構成する
ことで、さらに帯域が広がり、広帯域で安定して受信す
ることが出来る。
無給電エレメントは、樹脂、セラミック又はプリント基
板の構造体上に形成することで、堅固で安定したアンテ
ナ系を実現することが出来る。
る電流と無線機地板上に流れる高周波電流の比率を変化
させることで、使用環境や到来電波の変化に応じて最適
な放射指向性を形成でき、高感度なアンテナ系を実現で
きる。高周波電流の比率を変化させる手段としては、平
衡給電線から供給される高周波信号の間に、位相差をも
たせる調整手段を設けることや、ル−プアンテナエレメ
ントあるいは無給電エレメントを、給電部に対して非対
称な構成とすることで、実現できる。
て、図1から図18を用いて説明する。
ンテナ装置の第1の実施の形態を示している。図中、1
01は無線機地板、102は無線回路、103はル−プ
アンテナエレメントである。ル−プアンテナエレメント
103の一端は無線回路102に接続されており、別の
一端は無線機地板101に接地されている。このアンテ
ナ装置は、無線機に内蔵して使用される。
7λ×0.23λ(λは第1の周波数における波長)の
大きさの銅板を使用しているが、無線機のプリント基板
上にパタ−ンを構成して無線機地板としてもよい。ル−
プアンテナエレメント103は、長辺2W+2H−G、
短辺Pの長方形を折り返した構成になっており、折り返
した後のサイズは横幅W=0.233λ、縦幅P=0.
0033λ、高さH=0.067λを持ち、無線機地板
101に対して波長に比べて十分小さい間隔S=0.0
067λで無線機地板101に平行に近接して配置され
ている。 線材には線径0.005λの銅線を使用して
いるが、帯状のパタ−ンで構成しても良い。
は横幅Wの幅で無線機地板101に対して垂直方向に折
り返しており、高さH=0.067λの所でさらに内側
に折り返されて、給電部側に近接している。図1では、
両端で折り返されたル−プアンテナエレメント103が
間隙G=0.067λまで近接しているが、さらにもう
一度、給電部側に折り曲げても良い。
はL=4W+4H−2G+2P=1.07λと約1波長
の長さになっている。また、図のル−プアンテナエレメ
ント103を展開した元の長方形の短辺と長辺の比は
(2W+2H−G )/P=161.5となっている。
説明するための図である。給電部から供給される電流は
点Aから点Lに向かって流れるが、全外周囲長が約1波
長であるため電流分布の節と腹が4分の1波長毎に交互
に発生し、節の部分で位相が反転する。図2では、長方
形の短辺であるC−D、I−J部分が節に相当するため
電流分布がほぼゼロに等しくなり、L−AとF−Gの部
分が腹に相当するため電流分布がほぼ最大となる。また
位相関係はD−IとJ−Cで逆相になるため、近接平行
している各経路では全て逆相同振幅となっている。この
ため近接平行している電流成分同志で打ち消し合うこと
無く、高効率に動作可能である。
条件としては長方形の短辺の長さが長辺の長さに比べて
小さい条件が必要であり、短辺対長辺の比が10以上に
なるように構成することで、こうした電流分布を実現し
ている。
K−Lの部分では互いに逆相同振幅の電流分布になって
いる為に、遠方界で見た時にはこの部分の放射電界成分
は打ち消しあってゼロになる。しかしながらB−C、D
−E、H−I、J−Kの部分とL−A、F−Gの部分で
は逆相であっても振幅の分布が異なり、特にL−A、F
−Gの中央部分の電流成分が大きいために、この部分は
有効に放射性分として動作する。
いるが、片側接地で片側給電の不平衡給電型であっても
接地点と給電点が近接し、ル−プアンテナエレメントを
対称に構成していれば同様の電流分布で動作するため
に、接地点から無線機地板に誘起される電流を低減でき
る。
ピ−ダンス特性図であり、(a)はスミスチャ−ト、
(b)の縦軸はVSWR、横軸は周波数を表わしてい
る。一般的に地板に近接したル−プアンテナは狭帯域で
あるが、この構成のル−プアンテナの場合には共振周波
数が所望の受信周波数である2110MHZ〜2170
MHZでVSWR<2.5が確保されており、広帯域で
あることがわかる。
指向性を示す特性図である。 図4(a)、(b)、
(c)の放射指向性パタ−ンにおいて、実線は電界のθ
成分(Eθ)、点線は電界のφ成分(Eφ)である。図
4に示す座標系において−X軸方向に電界のφ成分が放
射され、通話状態で人体と反対方向により多くの電磁波
が放射する指向性パタ−ンとなっており、人体による電
磁波の吸収が低減できる。図22に示した従来のヘリカ
ルアンテナの放射指向性ではいずれの方向でもθ成分が
支配的であり、傾けた時に基地局の偏波と合わなくなっ
てしまうのに比べ、図 4(b)においてはY−Z面で
60度傾けて使用した通話状態時ではθ成分が垂直偏波
に近くなるため、基地局からの到来波の主偏波であると
ころの垂直偏波を受信しやすくなり、実電波環境での受
信性能が向上する。
の電流分布図である。図5では無線機地板およびアンテ
ナエレメントをワイヤ10で近似し、アンテナに給電し
た時にワイヤ10上に流れる電流の絶対値分布11を3
次元的に表現している。ル−プアンテナエレメント10
3上に平衡電流が流れているため、無線機地板上には大
きなア−ス電流が流れていないことが分かる。この電流
分布の様子は図21に示した従来の固定式ヘリカルアン
テナの電流分布と比較しても、無線機地板上に流れる電
流が非常に少ない様子が分かる。図21のように無線機
地板上の電流が多いと、地板もアンテナの一部として動
作してしまう為、人が手に持った時に電流分布が大きく
変化し、アンテナインピ−ダンスの変化や放射効率の低
下を招いてしまうが、図5のように無線機地板上の電流
を少なくすることでこうした人体の影響を低減すること
ができる。また、無線機地板上の電流は無線機を人体頭
部に近接させた時の局所吸収電力(SAR)の発生原因
になるが、本発明のアンテナ装置はSARの低減も図れ
る。
の複数の構成例を模式的に表わしたものである。図6
(a)は、図1に示したル−プアンテナエレメント10
3と同様に無線機地板101に平行にル−プ開口面を持
ち、両端部を給電部に向かって2回折り曲げた構成であ
り、折り返すことで広帯域特性を持ちながら小型化する
ことが出来る。図6(b)は、無線機地板101に垂直
にル−プ開口面を持ち、両端部を無線機地板101に対
して給電部に向かって2回折り曲げた構成であり、広帯
域特性を持ちながら幅方向で薄型化することが出来る。
図6(c)は、ル−プアンテナエレメント103の各折
り曲げ部分を滑らかに折り曲げた構成であり、電流がス
ム−ズに流れる為に効率低下を抑える事が出来る。 な
お、滑らかに折り曲げる部位はいずれの場所であっても
良い。図6(d)は、ル−プアンテナエレメント103
の先端部でさらに給電部に向かって折り曲げ、両端部を
計3回折り曲げた構成であり、さらに小型化することが
出来る。図6(e)は、ル−プアンテナエレメント10
3を1回目の折り曲げの後にクランク状に折り曲げ、両
端部を計3回折り曲げた構成であり、さらに小型化する
ことが出来る。図6(f)は、ル−プアンテナエレメン
ト103を板状に構成したものであり、板状に構成する
ことで、さらに帯域が広がり、広帯域で安定して受信す
ることが出来る。なお、板状に構成する部分は一部であ
っても良い。図6(g)は、ル−プアンテナエレメント
103を、樹脂やセラミックやプリント基板などの構造
体107の上にパタ−ン化して構成したものであり、構
造上堅固であるとともに高精度に安定して制作可能であ
る。さらに無線機地板101をプリント基板で構成すれ
ば表面実装によって簡便に組み立てることができる。
3の周囲長を約1波長の長さとすることで無線機地板1
01上を流れるア−ス電流を低減できる。またアンテナ
を無線機地板101に近接させることにより、無線機を
薄型形状に成形できると共に、無線機のプリント基板上
にアンテナを実装することも可能になるとともに地板方
向の放射成分を低減できる。さらに一般的に金属板に近
接させたル−プアンテナでは低インピ−ダンスかつ狭帯
域になるが、ル−プアンテナエレメント103の先端部
分を折り曲げて無線機地板101から遠ざける構造とす
ることで広帯域化が図れる。
ンテナ装置の第2の実施の形態を示している。このアン
テナ装置は、ル−プアンテナエレメント103に平衡給
電することで安定してル−プアンテナエレメント上に電
流分布を集中させるようにしたものである。図7に示す
ように、ル−プアンテナエレメント103への給電を無
線回路102からバラン105および平衡給電線104
を経由して平衡系で行なっており、その他の構成は第1
の実施の形態と変わりがない。
系の給電線に接続されている場合に、不平衡と平衡系と
を仲介するために置かれており、無線回路102の出力
が元々平衡系で構成されている場合には、バラン105
を経由しないで、無線回路102とル−プアンテナエレ
メント103とを給電線104で直接接続することがで
きる。図中のバラン105は、1対4のインピ−ダンス
変換器を使用しており、無線回路102の出力インピ−
ダンスが50オ−ムであるのに対し、平衡給電線104
およびル−プアンテナエレメント103の入力インピ−
ダンスは200オ−ムとなっている。200オ−ムのル
−プアンテナを1対4のインピ−ダンス変換をすること
により、より広帯域に動作する。また、ル−プアンテナ
エレメント103に平衡給電することにより、安定に平
衡動作させることができる。
ピ−ダンス特性図であり、(a)はスミスチャ−ト、
(b)の縦軸はVSWR、横軸は周波数を表わしてい
る。図中のインピ−ダンスはバラン105を使用した場
合であるために200オ−ムで正規化して表わしてい
る。図3のインピ−ダンス特性に比べてさらに広帯域で
あることがわかる。このアンテナ装置の放射指向性、電
流分布等の基本特性は第1の実施の形態と変わりがな
い。
ンテナ装置の第3の実施の形態を示している。このアン
テナ装置は、さらに無給電エレメント106を1つ以上
設けることにより、さらなる広帯域化を図ったものであ
る。図9に示すように、ル−プアンテナエレメント10
3に沿って、波長に比べて十分小さい間隔で無給電エレ
メント106を配置しており、その他の構成は第2の実
施の形態と変わりがない。
0.233λ、縦幅P'=0.0132λを持ち、波長
に比べて十分小さい間隔S'=0.0067λで、無線
機地板101に近接してほぼ平行するように配置されて
いる。無給電エレメント106の両端部は、無線機地板
101に対して垂直方向に折り返しており、高さH1'=
0.067λの部分でさらに内側に折り返されている。
図9では両端で折り返されたル−プアンテナエレメント
103が間隙G'=0.067λまで近接し、さらにも
う1度内側にH2'=0.033λだけ折り曲げている。
この折り曲げた無給電エレメント106の全長は、L'
=2W'+2H1'−G'+2H2'=0.599λで、第1
の周波数に対しては0.6波長の長さになっているが、
複共振させる第2の周波数に対してはほぼ0.5波長に
相当する長さとなっている。
−プアンテナエレメント103の第1の周波数と異なる
第2の周波数に相当する自己共振特性を持っており、ル
−プアンテナエレメント103と近接させる事により電
磁的に結合し、アンテナ装置を複数の帯域で動作可能と
する。
して、ル−プアンテナエレメント103の電流が最大と
なる中心付近に無給電エレメント106の中心が来るよ
うにすると結合度が最大になる。
プアンテナエレメント103に対して距離DI'=0.
0132λだけ離して平行に配置しているが、距離や位
置関係に応じて電磁的な結合度を調整できるため、広帯
域特性あるいは複共振特性を任意に作り出すことが可能
である。
05を用いた平衡給電線104によって給電している
が、不平衡給電であってもアンテナ上に平衡な電流分布
が構成されていれば、同様な効果が得られる。
ンピ−ダンス特性図であり、(a)はスミスチャ−ト、
(b)の縦軸はVSWR、横軸は周波数を表わしてい
る。図中のインピ−ダンスはバラン105を使用した場
合であるために200オ−ムで正規化して表わしてい
る。このアンテナ装置では、第1の周波数帯域である2
110MHZ〜2170MHZ、および第2の周波数帯
域である1920MHZ〜1980MHZのいずれにお
いてもVSWR<2.5が確保されており、複数の帯域
で動作している様子がわかる。
例を示したものである。図11(a)は、無給電エレメ
ント106をワイヤ−状の導体で構成し、無線機地板1
01に対して垂直および平行に2回折り曲げた構成であ
り、無給電エレメント106をル−プアンテナエレメン
ト103と同様な方向に折り返すことで電磁的な結合度
を保ちながら小型化することが出来る。 図11(b)
は、図11(a)の無給電エレメント106をさらに内
側に折り曲げ、両端部を計3回折り曲げた構成であり、
図11(a)以上に小型化することが出来る。図11
(c)は、無給電エレメント106の各折り曲げ部分を
滑らかに折り曲げた構成であり、電流がスム−ズに流れ
る為に効率低下を抑える事が出来る。 なお、滑らかに
折り曲げる部位はいずれの場所であっても良い。図11
(d)から図11(f)は、図11(a)および図11
(b)に示した無給電エレメント106を板状に構成し
たものであり、板状に構成することでさらに帯域が広が
り、広帯域で安定して受信することが出来る。
図6(g)に示した樹脂やセラミックやプリント基板な
どの構造体107の上にル−プアンテナエレメント10
3と一体化してパタ−ン化すれば堅固に制作できるとと
もに、ル−プアンテナエレメント103と無給電エレメ
ント106との位置関係を高精度に保つことが出来る為
に、安定して制作できる。
アンテナ装置の第4の実施の形態を示している。このア
ンテナ装置は、平衡給電線から供給される起電圧の間に
位相差をもたせたことで、ル−プアンテナエレメント1
03および無線機地板101上に流れる電流を変化さ
せ、使用環境や到来電波に合わせた放射指向性を形成で
きるようにしたものである。図12に示すように、平衡
給電線104とバラン105の間に位相回路108を配
置しており、その他の構成は第2の実施の形態と変わり
がない。
ト103へ給電する平衡線路間の起電圧の位相差を変化
させたものであり、固定値あるいは調整回路を設けるこ
とにより、ル−プアンテナエレメント103上の電流分
布を平衡からずらす機能を持つ。この位相回路108は
バラン105の中に設けても良く、予め所望の周波数で
任意の位相差をもたせたバランを使用することで同様な
効果を得られる。
放射指向性を示す特性図である。図13(a)、
(b)、(c)の放射指向性パタ−ンにおいて、実線は
電界のθ成分(Eθ)、点線は電界のφ成分(Eφ)で
ある。図13は、位相回路108を動作させた場合の放
射指向性パタ−ンであり、図4とは明らかに異なる指向
性に変化しており、むしろ図22に示す従来のヘリカル
アンテナの放射指向性に近い放射指向性パタ−ンとなっ
ている。これは位相回路108の位相差を多くして、平
衡状態から不平衡状態に近づけていくにつれて無線機地
板101上にア−ス電流が流れるようになるため、不平
衡系アンテナとして動作するためである。
により、使用環境や到来電波に応じて、平衡状態と不平
衡状態を切り替える、あるいはその間の状態を持つこと
が可能になり、1つのアンテナ系で複数の放射指向性パ
タ−ンを形成することが出来る。そのため本発明のアン
テナ装置の放射指向性を変化できる機能を利用したダイ
バ−シチ受信方式や、指向性制御受信方式を行なうこと
で、高感度なアンテナ系を実現できる。
たものである。図14(a)は、位相回路にマイクロス
トリップ線路109を使用し、PINダイオ−ド110
をONした時には平衡状態、OFFした時には不平衡状
態にすることが可能であり、2つの放射指向性を切替え
可能である。図14(b)は、位相回路にキャパシタ1
10を使用し、PINダイオ−ド110をONした時に
は不平衡状態、OFFした時には平衡状態にすることが
可能である。また、図14(b)においてPINダイオ
−ド110の代わりにバリキャップダイオ−ドを使用し
てもよく、このことで位相差連続的に変化させることが
可能となり、連続的に放射指向性を切替え可能である。
アンテナ装置の第5の実施の形態を示している。このア
ンテナ装置は、ル−プアンテナエレメントあるいは無給
電エレメントを、給電部に対して非対称な構成とし、意
図的に無線機地板101上の電流成分を多くしたもので
ある。図15に示すように、ル−プアンテナエレメント
103の開口面の片側を先端部分からT=0.03λだ
け塞いでおり、その他の構成は第3の実施の形態と変わ
りがない。
03によって共振している第1の周波数帯では、無線機
地板101上に不平衡電流が流れ、放射指向性パタ−ン
にこの電流による成分が増加する。しかしながら無給電
エレメント106は給電点に対して対称に配置されてい
る為、無給電エレメント106によって共振している第
2の周波数帯においては平衡動作であるため無線機地板
101上には電流が流れず、放射指向性パタ−ンは第1
の実施の形態と変わりがない。ル−プアンテナエレメン
ト103を非対称に構成する手段としては開口面の一部
を塞ぐ他にも、給電部から折り返し端までの左右の長さ
を変える、給電部の位置を中心からずらす、部分的に幅
Pや高さHを変える、開口面の一部をダイオ−ドなどで
ショ−トするなどの手段が考えられ、いずれも同様な効
果が得られる。また、無給電エレメント106を非対称
に構成する手段としてはル−プアンテナエレメント10
3との位置関係を非対称にする、左右の長さを変える、
等の手段が考えられ、この場合には無給電エレメント1
06によって生じる第2の周波数帯で不平衡動作し、放
射指向性パタ−ンが変化する。
インピ−ダンス特性図であり、(a)はスミスチャ−
ト、(b)の縦軸はVSWR、横軸は周波数を表わして
いる。図10のインピ−ダンス特性図と比較して若干狭
帯域になっているものの、第2の周波数帯域である19
20MHZ〜1980MHZおよび第1の周波数帯域で
ある2110MHZ〜2170MHZのいずれにおいて
もVSWR<2.5が確保されており、複数の帯域で動
作している様子が分かる。
テナ装置の放射指向性を示す特性図である。図17は、
第1の周波数帯域の放射指向性パタ−ン、図18は、第
2の周波数帯域の放射指向性パタ−ンを示している。図
18(a2)(b2)(c2)においては、図4に示し
た第1の実施の形態のアンテナ装置の放射指向性と同じ
く、アンテナ装置が平衡動作した場合の放射指向性パタ
−ンとなっているが、図17(c1)のX−Z面ではθ
成分(Eθ)が増加しており、やや不平衡動作している
様子が分かる。図17(c1)のX−Z面でθ成分(E
θ)が増加した分、φ成分(Eφ)は減少しており、ル
−プアンテナエレメント103および無給電エレメント
106上の電流が減少してこうした指向性になったこと
が分かる。このようにアンテナ装置の一部を非対称な構
造とすることで、平衡系アンテナと不平衡系アンテナを
共存でき、使用環境や到来電波の変化や使用周波数帯の
違いに応じて最適な放射指向性を形成できるため、高感
度なアンテナ系を実現できる。
のアンテナ装置は、内蔵された無線機の地板上に流れる
電流成分を低らすことで、無線機を人体に近接して使用
する場合の利得の低下を抑えることができる。また、折
り返し構造や無給電エレメントを配置したことにより一
般的に狭帯域な平衡系アンテナを広帯域で使用できるよ
うになる。さらに平衡系と不平衡系を切り替える機能を
付加することにより、電波環境や使用環境に応じた放射
指向性パタ−ンを構成できる。
帯域な無線通信システムでも使用可能な、小型高利得広
帯域アンテナ装置が実現でき、高品位で安定した移動通
信を可能とする効果が得られる。
す図
す図
す図
示す図
性図
示す図
図
おける放射指向性を示す特性図
おける放射指向性を示す特性図
機の斜視図
を示す特性図
Claims (10)
- 【請求項1】 携帯無線機本体内に内蔵されるアンテナ
装置であって、 短辺対長辺の比が10以上である長方形のル−プアンテ
ナエレメントを具備し、 前記ル−プアンテナエレメントは、第1の周波数におけ
る1波長と略同一の外周囲長を有し、前記無線機地板に
対して、平行にかつ前記波長に比べて十分小さい間隔で
近接して配置され、さらに前記短辺が給電部側に近接す
るように折り返されているアンテナ装置。 - 【請求項2】 請求項1記載のアンテナ装置であって、 前記ル−プアンテナエレメントの短辺の電流分布がゼロ
であるアンテナ装置。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載のアンテナ装置であ
って、 前記ル−プアンテナエレメントが平衡給電線に接続され
ているアンテナ装置。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項記載の
アンテナ装置であって、 前記ル−プアンテナエレメントに沿って、前記波長に比
べて十分小さい間隔で、1つ以上の無給電エレメントが
配置されているアンテナ装置。 - 【請求項5】 請求項4記載のアンテナ装置であって、 前記無給電エレメントの共振周波数が前記第1の周波数
と異なるアンテナ装置。 - 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項記載の
アンテナ装置であって、 前記ル−プアンテナエレメントあるいは前記無給電エレ
メントの一部もしくは全体が板状であるアンテナ装置。 - 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれか1項記載の
アンテナ装置であって、 前記ル−プアンテナエレメントあるいは前記無給電エレ
メントは、樹脂、セラミック又はプリント基板の構造体
上に形成されるアンテナ装置。 - 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれか1項記載の
アンテナ装置であって、 前記ル−プアンテナエレメント上に流れる電流と前記無
線機地板上に流れる高周波電流の比率を変化させる機能
を有するアンテナ装置。 - 【請求項9】 請求項8記載のアンテナ装置であって、 前記アンテナエレメントは、平衡給電線に接続され、 前記平衡給電線と前記アンテナエレメントの間に、位相
差をもたせる調整手段を有するアンテナ装置。 - 【請求項10】 請求項8記載のアンテナ装置であっ
て、 前記ル−プアンテナエレメントあるいは前記無給電エレ
メントは、前記給電部に対して非対称であるアンテナ装
置。
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