JP2002043245A - 結晶性半導体薄膜の形成方法 - Google Patents

結晶性半導体薄膜の形成方法

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JP2002043245A
JP2002043245A JP2000230703A JP2000230703A JP2002043245A JP 2002043245 A JP2002043245 A JP 2002043245A JP 2000230703 A JP2000230703 A JP 2000230703A JP 2000230703 A JP2000230703 A JP 2000230703A JP 2002043245 A JP2002043245 A JP 2002043245A
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light
laser
forming
laser beam
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Katsuyuki Suga
勝行 菅
Mitsuru Senda
満 千田
Takuya Hirano
琢也 平野
Seiji Doi
誠児 土井
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Fujitsu Ltd
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Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キャリヤ移動度のばらつきが小さい結晶性半
導体薄膜の形成方法を提供することである。 【解決手段】 ガラス基板11上のアモルファスシリコ
ン膜12の上に遮光膜15を形成する。そして、線状に
整形されたレーザー光の長さ方向の端部を遮光膜15に
より遮光しながら、スキャンアニール法によりアモルフ
ァスシリコン膜12をレーザー照射して、アモルファス
シリコンをポリシリコンに変化させる。その後、遮光膜
15を除去し、遮光膜15で覆われていた部分のアモル
ファスシリコン膜13にレーザー光を照射して、アモル
ファスシリコンをポリシリコンに変化させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置やシ
ステムオングラスの電子機器に使用する薄膜トランジス
タ(Thin Film Transistor:以下、TFTともいう)の
製造に好適な結晶性(多結晶又は単結晶)半導体薄膜の
形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置は、薄くて軽量であるとと
もに低電圧で駆動できて消費電力が少ないという長所が
あり、各種電子機器に広く使用されている。特に、画素
毎にTFTが設けられたアクティブマトリクス方式の液
晶表示装置は、表示品質の点でもCRT(Cathode-Ray
Tube)に匹敵するほど優れているため、テレビやパーソ
ナルコンピュータ等のディスプレイにも使用されてい
る。
【0003】近年、液晶表示装置では、TFTの活性層
にポリシリコンが使用されるようになった。ポリシリコ
ンは、アモルファスシリコンに比べてキャリヤ移動度が
2桁以上大きいため、素子サイズを小さくでき、液晶表
示装置の高精細化が可能になる。また、データドライバ
及びゲートドライバ等の駆動回路をTFTで構成するこ
とが可能になるので、駆動回路と表示部とを同一基板上
に集積化することができる。これにより、工程数の削減
及び部品数の減少が可能になり、液晶表示装置の製造コ
ストが低減されるとともに、信頼性も向上する。
【0004】図20,図21は、活性層にポリシリコン
を使用した従来のTFTの製造方法の一例を示す断面図
である。まず、図20(a)に示すように、CVD(Ch
emical Vapor Deposition )法により、ガラス基板51
上に下地膜として酸化シリコン(SiO2 )膜52を形
成する。その後、酸化シリコン膜52の上にCVD法に
よりアモルファスシリコン膜53を形成する。
【0005】次に、エキシマレーザー装置60を使用
し、スキャンアニール法によりアモルファスシリコンを
ポリシリコンに変化させる。すなわち、レーザー装置6
0から出力されたレーザー光を図示しないホモジナイザ
ーにより、例えば長さが200mm程度、幅が0.6m
m〜1.0mm程度の線状に整形し、この線状のレーザ
ー光によりアモルファスシリコン膜53を照射する。そ
して、レーザー光の照射域を、その幅方向に1ショット
毎に順次移動させる。このとき、レーザー光の照射域が
前の照射域に90〜99%程度重なるようにする。レー
ザー光に照射された部分のアモルファスシリコンは溶融
し、冷却時に結晶化してポリシリコンとなる。このよう
にして、ガラス基板11上にポリシリコン膜54が形成
される。
【0006】次に、フォトリソグラフィにより、図20
(b)に示すようにポリシリコン膜54をパターニング
し、その上にゲート絶縁膜55及びゲート電極56を形
成する。そして、イオンドーピング法によってポリシリ
コン膜54の所定の領域(ソース・ドレイン領域)に不
純物を注入する。次に、図21(a)に示すように、エ
キシマレーザー装置60を使用し、スキャンアニール法
によってポリシリコン膜54を加熱して、ソース・ドレ
イン領域の不純物の活性化を行う。
【0007】次いで、図21(b)に示すように、ガラ
ス基板51の上側全面に酸化シリコン膜57を成膜し
て、ポリシリコン膜54、ゲート酸化膜55及びゲート
電極56の上を覆う。その後、酸化シリコン膜57の所
定個所にポリシリコン膜54のソース・ドレイン領域に
到達するコンタクト孔を形成した後、ガラス基板51の
上側全面に導電体膜を成膜する。その後、フォトリソグ
ラフィにより導電体膜をパターニングして、ソース電極
58a及びドレイン電極58bを形成する。このように
して、TFTが完成する。
【0008】ところで、通常、アモルファスシリコンを
溶融し結晶化するためには、レーザー光のエネルギー密
度が200mJ/cm2 以上であることが必要とされて
いる。これに対して、現状では、レーザー装置の出力は
最大でも700mJ程度であるので、ガラス基板51の
サイズが大きいときは、そのガラス基板51上のアモル
ファスシリコン膜を1ショットで全て溶融し結晶化する
ことは不可能である。このため、上述したように、レー
ザー光を線状に整形し、このレーザー光をスキャンして
基板上のアモルファスシリコン膜をポリシリコン膜に変
えていく。
【0009】また、光学系の制限から、長さ方向のエネ
ルギー均一性を良好な状態とするためには、レーザー光
の照射域の長さを200〜300mm程度以下とする必
要がある。従って、ガラス基板51の幅がこれよりも大
きいときは、図22に示すように、基板面をレーザー光
55の照射域の長さよりも小さい複数の領域(図では2
つの領域I,II)に分割して、各領域毎に線状のレーザ
ー光51をスキャンして基板上のシリコンを結晶化して
いる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本願発明者らは、上述
した従来の結晶性半導体薄膜の形成方法には以下に示す
問題点があると考えている。すなわち、レーザー光の照
射域の端部では、中央部に比べてエネルギーが低くなっ
ている。図23はレーザー光のスキャン方向のエネルギ
ー分布とスキャンアニール後のシリコン膜のキャリヤ移
動度を示す図である。この図23に示すように、レーザ
ー光はその照射域の中央部ではエネルギーが高く且つ均
一であるが、照射域の端部(以下、スロープ部ともい
う)では、エネルギーが連続的に減少している。そし
て、1ショット目でスロープ部の低いエネルギーで結晶
化された領域は、2ショット目で中央部の高いエネルギ
ーを照射されても、1ショット目にレーザー光の中心部
で結晶化された部分に比べて結晶性が悪く、キャリヤ移
動度が小さくなる。これは、最初のレーザー照射による
結晶化で融点が上昇するため、又はレーザー光の吸収係
数が低下するためと考えられる。この現象により、ポリ
シリコン膜の面内でキャリヤ移動度のばらつきが発生す
る。
【0011】キャリヤ移動度のばらつきは、TFTのし
きい値電圧やオフセット電流などの特性のばらつきをも
意味し、このような特性のばらつきは、液晶表示装置で
は表示品位の低下や周辺駆動回路の動作速度の低下を招
く。レーザー光の照射域の端部で結晶化された部分の特
性のばらつきは、レーザー照射域の重ね率(オーバーラ
ップ)を増やすことである程度改善されることが知られ
ている。通常、スキャン方向の重ね率は90〜99%程
度であり、特性のばらつきは比較的小さい。しかし、こ
の方法をレーザー照射域の長さ方向の端部にも適用しよ
うとすると、照射回数が著しく増加し、処理時間が長く
なる。また、レーザー装置にも大きな負荷をかけること
になり、メンテナンス周期を短くする必要があるので、
メンテナンスコストが高くなる。
【0012】以上から、本発明の目的は、キャリヤ移動
度のばらつきが小さい結晶性半導体薄膜を形成できる結
晶性半導体薄膜の形成方法を提供することである。ま
た、本発明の他の目的は、駆動回路一体型液晶表示装置
の製造に好適な結晶性半導体薄膜の形成方法において、
スループットの低下を抑え、駆動回路に適したキャリヤ
移動度が高い領域を形成することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本願請求項1に記載の結
晶性半導体薄膜の形成方法は、基板上に非晶質半導体膜
を形成する工程と、前記非晶質半導体膜の上に遮光膜を
配置する工程と、線状に整形されたレーザー光の長さ方
向の端部を前記遮光膜により遮光しながら、スキャンア
ニール法により前記遮光膜に覆われていない部分の前記
非晶質半導体膜にレーザー光を照射し、非晶質半導体を
結晶性半導体に変える第1の照射工程と、前記遮光膜を
除去する工程と、スキャンアニール法により前記遮光膜
に覆われていた部分に線状に整形されたレーザー光の中
央部を照射して非晶質半導体を結晶性半導体に変える第
2の照射工程とを有することを特徴とする。
【0014】本発明においては、非晶質半導体膜の上に
遮光膜を配置し、この遮光膜でレーザー光の長さ方向の
端部を遮光しながら、スキャンアニール法により遮光膜
に覆われていない部分の非晶質半導体膜にレーザー光を
照射して、半導体を結晶化する。その後、遮光膜を除去
した後、遮光膜で覆われていた部分の非晶質半導体膜に
レーザー光の中央部を照射して、半導体を結晶化する。
【0015】このように、本発明においては、レーザー
光の長さ方向の端部の部分で半導体が結晶化することを
防止しているので、低いエネルギーで結晶化することに
起因する特性のばらつきが回避される。本願請求項2に
記載の結晶性半導体薄膜の形成方法においては、基板上
に非晶質半導体膜を形成する工程と、前記非晶質半導体
膜の上に遮光膜をストライプ状に配置する工程と、矩形
状に整形されたレーザー光の長辺側端部を前記遮光膜で
遮光しながら、前記遮光膜に覆われていない部分の前記
非晶質半導体膜に前記レーザー光の中央部を照射して非
晶質半導体を結晶性半導体に変える第1の照射工程と、
前記遮光膜を除去する工程と、前記遮光膜に覆われてい
た部分に矩形状に整形されたレーザー光の中央部を照射
して非晶質半導体を結晶性半導体に変える第2の照射工
程とを有することを特徴とする。
【0016】本発明においては、非晶質半導体膜の上に
遮光膜をストライプ状に形成し、この遮光膜により矩形
状に整形されたレーザー光の長辺側端部を遮光する。そ
して、レーザー光の中央部で遮光膜に覆われていない部
分の非晶質半導体膜に対し、例えば同一個所にレーザー
光を複数ショット照射して半導体を結晶化させる。その
後、遮光膜を除去した後、遮光膜に覆われていた部分に
レーザー光を照射して半導体を結晶化させる。このとき
も、レーザー光の照射域の端部でアモルファスの部分が
照射されないようにすることが必要である。
【0017】本発明においても、レーザー光の端部のエ
ネルギーが低い部分で半導体が結晶化することを防止し
ているので、キャリヤ移動度のばらつきが少ない結晶性
半導体膜を形成することができる。本願請求項3に記載
の結晶性半導体薄膜の形成方法は、基板上に非晶質半導
体膜を形成する工程と、スキャンアニール法により、前
記非晶質半導体膜の第1の領域にレーザー光を照射し
て、前記第1の領域の非晶質半導体を結晶性半導体に変
化させる第1の照射工程工程と、固定アニール法によ
り、前記非晶質半導体膜の第2の領域にレーザー光を照
射して、前記第2の領域の非晶質半導体を結晶性半導体
に変化させる第2の照射工程とを有することを特徴とす
る。但し、本発明において、第1の照射工程の後に第2
の照射工程を実施してもよく、第2の照射工程の後に第
1の照射工程を実施してもよい。
【0018】本発明においては、非晶質半導体膜の第1
の領域をスキャンアニール法によりレーザー照射し、第
2の領域を固定アニール法によりレーザー照射してシリ
コンを結晶化する。液晶表示装置の表示部領域のように
大面積の領域をレーザー照射して半導体を結晶化する場
合は、スキャンアニール法によりレーザー照射すること
により、処理時間を短縮することができる。しかし、ス
キャンアニール法では、キャリヤ移動度を高くしようと
するとばらつきが大きくなり、ばらつきを小さくしよう
とするとキャリヤ移動度が小さくなる。
【0019】そこで、本発明においては、例えば表示部
領域(第1の領域)はスキャンアニール法で半導体を結
晶化し、駆動回路を形成すべき領域(第2の領域)は固
定アニール法で半導体を結晶化する。固定アニール法で
は、大面積の領域の半導体を結晶化することはできない
ものの、レーザー光の中央部、すなわちエネルギーが高
く且つ均一な部分のみで結晶化された半導体を得ること
ができる。従って、キャリヤ移動度が高く、特性が均一
なTFTの製造が可能になる。
【0020】このように、本発明においては、スループ
ットを重視する領域ではスキャンアニール法により半導
体を結晶化し、結晶性を重視する領域では固定アニール
法により半導体を結晶化するので、スループットの低下
を抑制しつつ、特性が良好な結晶性半導体薄膜を形成す
ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、添付の図面を参照して説明する。 (第1の実施の形態)図1〜図5は本発明の第1の実施
の形態の結晶性半導体薄膜の形成方法を示す図である。
これらの図1〜図5において、いずれも(a)は上面
図、(b)は断面図を示している。
【0022】まず、図1(a),(b)に示すように、
プラズマCVD法により、ガラス基板11の上に下地膜
として酸化シリコン(SiO2 )膜12を200nmの
厚さに形成する。その後、プラズマCVD法により、酸
化シリコン膜12の上にアモルファスシリコン膜13を
10〜200nm程度の厚さ(例えば50nm)に形成
する。
【0023】次に、図2(a),(b)に示すように、
アモルファスシリコン膜13上に遮光膜15を形成す
る。この遮光膜15は、次に説明するレーザー照射工程
で線状に整形されたレーザー光の長さ方向の端部によっ
てシリコンが結晶化することを防止するためのものであ
る。この遮光膜15は、例えば酸化シリコン等の絶縁膜
とAl(アルミニウム)膜との2層構造とする。この場
合、Alによりレーザー光が反射され、絶縁膜により、
アモルファスシリコン膜中へのAlの拡散が防止され
る。この遮光膜は、例えばCVD法により絶縁膜を形成
し、スパッタ法によりAl膜を形成して、フォトリソグ
ラフィにより絶縁膜及びAl膜をパターニングすること
により形成される。なお、絶縁膜形成後に450℃の温
度で2時間アニールを施し、その後Al膜を成膜するこ
とが好ましい。
【0024】遮光膜15はレーザー光を完全に遮断する
ものである必要はなく、遮光膜15で覆われた部分でア
モルファスシリコンからポリシリコンへの変化が起きな
い程度に光を減衰するものであればよい。ポリシリコン
への結晶化の最適エネルギーは、アモルファスシリコン
の膜厚や雰囲気等により異なるが、最適エネルギーの5
0%以下にすることにより結晶化が避けられる。従っ
て、遮光膜のレーザー光に対する反射率は50%以上で
あることが好ましい。
【0025】なお、遮光膜15は、上記の絶縁膜とAl
膜(金属膜)との積層構造に限定されるものではなく、
例えば誘電体薄膜を積層して光を反射するようにした膜
でもよい。例えば、SiN(35nm)/SiO2 (5
0nm)/アモルファスシリコンの積層膜(但し、Si
Nが最上層)の場合、波長λ=308nmのレーザー光
に対する反射率は約64%となる。また、SiN(35
nm)/SiO2 (50nm)/SiN(35nm)/
SiO2 (50nm)/アモルファスシリコンの積層膜
の場合(但し、SiNが最上層)、波長λ=308nm
のレーザー光に対する反射率は約82%となる。
【0026】図2(a),(b)ではアモルファスシリ
コン膜13を2つの領域(I,II)に分割しているが、
アモルファスシリコン膜13のサイズによって分割数を
適宜設定する。次に、図3(a),(b)に示すよう
に、線状に整形されたレーザー光を領域Iに照射してス
キャンアニールを実施し、アモルファスシリコンをポリ
シリコンに変化させる。レーザー光の重ね率は例えば9
5%とする。このとき、本実施の形態では、レーザー光
の長さ方向の端部が遮光膜15で遮光されるので、低エ
ネルギーのレーザー光で結晶化される領域が存在しな
い。
【0027】次いで、領域IIに、同様にスキャンアニー
ルを実施する。このときも、既にポリシリコンに変化し
た領域Iや、未だアモルファスシリコンの部分にレーザ
ー光の長手方向の端部が照射されないようにすることが
重要である。次に、図4(a),(b)に示すように、
遮光膜15を除去する。そして、図5(a),(b)に
示すように、遮光膜15で覆われていた領域にレーザー
光の長さ方向の中央部を照射して、スキャンアニールす
る。これにより、遮光膜15に覆われていた領域、すな
わち2つの領域I,IIの境界部分のアモルファスシリコ
ンがポリシリコンに変化する。このようにして、ガラス
基板11の上側全面にポリシリコン膜14が形成され
る。
【0028】液晶表示装置を製造する場合、これ以降の
工程は従来と同様であるので、ここでは説明を省略す
る。また、逆スタガー型TFTを形成する場合は、基板
上にゲート電極及びゲート絶縁膜を形成した後、上述し
たようにしてポリシリコン膜を形成すればよい。本実施
の形態では、遮光膜15により、線状に整形されたレー
ザー光の長さ方向の端部を遮断してスキャンアニールす
るので、低いエネルギーで結晶化される部分が存在せ
ず、キャリヤ移動度のばらつきが抑制される。これによ
り、駆動回路一体型液晶表示装置を歩留まりよく生産す
ることができる。
【0029】なお、本実施の形態で製造したポリシリコ
ン膜を使用してTFT又はアクティブマトリクス型液晶
表示装置を製造する場合、遮光膜で遮光した領域と遮光
していない領域I,IIとの境界部分は、従来方法による
レーザー光の端部で結晶化した部分ほどではないもの
の、他の部分に比べて特性が劣ることが考えられるの
で、TFTのチャネル領域が存在しないようにすること
が好ましい。
【0030】(第1の実施の形態の変形例)第1の実施
の形態では、レーザー光の照射域の端部に相当する部分
に帯状に遮光膜15を形成したが、図6〜図10に示す
ように、領域Iをレーザーアニールするときに、領域I
以外の領域全体を遮光膜で遮光するようにしてもよい。
すなわち、図6(a),(b)に示すようにガラス基板
11上に酸化シリコン膜12及びアモルファスシリコン
膜13を形成する。その後、図7(a),(b)に示す
ように、アモルファスシリコン膜13の領域I以外の領
域全体(図では領域II)を、遮光膜15aで覆う。
【0031】そして、図8(a),(b)に示すよう
に、遮光膜15aによりレーザー光の長さ方向の端部を
遮光しながら、スキャンアニール法により、遮光膜15
aで覆われていない部分のアモルファスシリコン膜13
にレーザー光を照射してアモルファスシリコンをポリシ
リコンに変化させる。次に、図9(a),(b)に示す
ように遮光膜15aを除去した後、図10(a),
(b)に示すように、未だアモルファスシリコンの部分
にレーザー光の端部がかからないようにして、スキャン
アニール法により、遮光膜15aに覆われていた部分
(領域II)にレーザー光を照射する。これにより、ガラ
ス基板11の上側全面にポリシリコン膜14が形成され
る。
【0032】また、工程を簡略化するために、遮光膜を
形成する替わりに、アモルファスシリコン膜13の上に
薄い金属板(図示せず)などを配置してレーザー光の端
部を遮光するようにしてもよい。但し,この場合は金属
板の位置精度を確保する必要がある。 (第2の実施の形態)図11(a)〜(d)は本発明の
第2の実施の形態の結晶性半導体薄膜の形成方法を示す
平面図である。
【0033】まず、第1の実施の形態と同様にして、ガ
ラス基板上に下地膜として酸化シリコン膜を形成し、そ
の上にアモルファスシリコン膜13を形成する。次に、
図11(a)に示すように、アモルファスシリコン膜1
3上に遮光膜15bをストライプ状に形成する。遮光膜
15bは、例えば第1の実施の形態と同様に、絶縁膜と
Al膜との積層構造とする。
【0034】このとき、遮光膜15bのサイズはレーザ
ー光の照射域の中央部(エネルギーが均一な部分)と同
じ又はそれよりも小さく設定し、遮光膜15bの幅も、
レーザー光の照射域の中央部の幅と同じ又はそれよりも
小さく設定することが重要である。次に、図11(b)
に示すように、矩形状に整形されたレーザー光(図の上
部にプロファイルを示す)の照射域の中央部により、遮
光膜15bに覆われていない部分を照射する。このと
き、同一個所を1〜300ショット照射して、アモルフ
ァスをポリシリコンに変える。また、レーザー光の短辺
側端部はアモルファスシリコン膜13の外側に位置し、
長辺側端部は遮光膜15b上に位置するようにする。
【0035】その後、レーザー光の照射域を移動して、
次のアモルファスシリコンが露出している部分にレーザ
ー光を照射する。このようにして、遮光膜15bに覆わ
れていない部分のアモルファスシリコンをポリシリコン
に変化させた後、図11(c)に示すように遮光膜15
bを除去する。そして、図11(d)に示すように、遮
光膜15bで覆われていた部分にレーザー光を1〜30
0ショット照射して、アモルファスシリコンをポリシリ
コンに変化させる。このときも、未だアモルファスシリ
コンの部分がレーザー光の端部で照射されないようにす
る。
【0036】このようにして、アモルファスシリコン膜
13の全体をレーザー照射してシリコンを結晶化し、ガ
ラス基板の上側全面にポリシリコン膜14を形成する。
本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、
アモルファスシリコン膜全体がほぼ均一な条件でアニー
ルされてポリシリコン膜が形成されるので、キャリヤ移
動度のばらつきが抑制される。これにより、駆動回路一
体型液晶表示装置を歩留まりよく生産することができ
る。
【0037】(第3の実施の形態)図12,図13は本
発明の第3の実施の形態の結晶性半導体薄膜の形成方法
を示す模式図である。まず、第1の実施の形態と同様
に、プラズマCVD法により、ガラス基板11の上に下
地膜として酸化シリコン膜を200nmの厚さに形成す
る。その後、プラズマCVD法により、酸化シリコン膜
の上にアモルファスシリコン膜を例えば50nmの厚さ
に形成する。そして、450℃の温度で2時間加熱する
水素抜きアニールを実施する。
【0038】次に、図12に示すように、パルス幅が例
えば40nsのXeClエキシマレーザー装置10を使
用し、スキャンアニール法によって、ガラス基板11の
表示部領域11a上のアモルファスシリコン膜13に対
しレーザー光を照射してポリシリコン膜14とする。こ
のとき、アモルファスシリコン膜13へのレーザー光の
照射は大気中で行う。また、例えば、照射エネルギーは
380mJ/cm2 、基板温度は300℃、レーザー光
の照射域のサイズは200mm×1.0mm、レーザー
光の重ね率は92%とする。
【0039】次に、ホモジナイザーを調整してレーザー
光の照射域のサイズを、例えば25mm×8mmの矩形
状に調整する。そして、図13に示すように、表示部領
域11aの外側のデータドライバ形成領域11b及びゲ
ートドライバ形成領域11cのアモルファスシリコン膜
13に対し、固定照射法で、すなわちレーザー光の照射
域を移動させることなく、同一個所にレーザー光を例え
ば50ショット照射してポリシリコン膜14とする。こ
のとき、レーザー光の照射は大気中で行う。また、例え
ば照射エネルギーは380mJ/cm2 とする。
【0040】データドライバ形成領域11b及びゲート
ドライバ形成領域11cへの照射は、表示部領域11a
を照射したときと同じ線状に整形されたレーザー光を使
用してもよい。しかし、表示部領域11aの照射に使用
するレーザー光では幅が1mm程度であるので、駆動回
路形成領域(データドライバ形成領域11b及びゲート
ドライバ形成領域11c)の幅が狭くなる。このため、
形成すべき駆動回路に合わせてレーザー光の照射域のサ
イズを変更することが好ましい。
【0041】なお、この例では表示部領域11aにレー
ザー光を照射した後に駆動回路形成領域にレーザー光を
照射するとしたが、駆動回路形成領域にレーザー光を照
射した後に表示部領域11aにレーザー光を照射しても
よい。このようにして形成したポリシリコン膜をパター
ニングした後、ポリシリコン膜の上に酸化シリコンから
なるゲート酸化膜及びアルミニウムからなるゲート電極
を形成する。ゲート酸化膜の厚さは例えば120nmと
し、ゲート電極の厚さは例えば200nmとする。
【0042】次いで、ポリシリコン膜のソース・ドレイ
ン領域に不純物をドーピングする。その後、ポリシリコ
ン膜をレーザー照射することによって、不純物の活性化
を行う。この不純物活性化工程では、線状のレーザー光
をスキャンして基板全面を照射してもよいが、固定照射
法で結晶が形成された領域は再び固定照射法によって活
性化を行うことが好ましい。また、レーザー光のエネル
ギーは、結晶化時の70%程度とする。このようにして
TFTが形成される。
【0043】本実施の形態においては、上述したよう
に、面積が大きい表示部領域11aではスキャンアニー
ル法によってシリコンを結晶化する。また、駆動回路形
成領域では、固定アニール法によってシリコンを結晶化
する。以下に、本実施の形態の効果について説明する。
現在量産されている駆動回路一体型液晶表示装置では、
長さが約200mm、幅が0.6〜1mm程度の線状に
整形されたレーザー光を、90%以上の重ね率でスキャ
ンすることによってポリシリコン膜を形成している。こ
の方法によれば、大面積を短時間で結晶化することが可
能であり、最大で200cm2 /Vs程度のキャリヤ移
動度をもつ薄膜トランジスタを形成することが可能であ
る。
【0044】しかし、このように高いキャリヤ移動度が
得られる条件では、移動度のばらつきが極めて大きくな
るので、実際には、ばらつきが少なくなるように、より
低い移動度、例えばキャリヤ移動度が100cm2 /V
s以下の均一性が良好となる条件でレーザー照射が行わ
れている。薄膜トランジスタの活性層のキャリヤ移動度
が低ければ、それによって駆動回路の性能が制限され
る。液晶表示装置の表示部領域内でスイッチング素子と
して使用されるTFTの場合は、キャリヤ移動度が低く
ても実用上問題は生じない。しかし、記憶回路や演算回
路を形成しようとする場合には、キャリヤ移動度が高
く、且つ均一なポリシリコン膜が必要となる。
【0045】本願発明者らは、スキャンアニール法では
現状以上に素子特性を向上させることが難しいと判断し
た。図14にレーザー光の照射エネルギーとキャリヤ移
動度との関係を示し、図15にレーザー光の照射エネル
ギーとTFTのしきい値電圧との関係を示す。ある条件
において、アモルファスシリコン膜に414mJ/cm
2 のエネルギーのレーザー光を照射すると、キャリヤ移
動度が160cm2 /Vsのポリシリコン膜を形成する
ことができた。これが、そのときの条件におけるポリシ
リコン膜の特性が最も良好となる最適エネルギーであっ
た。図14,図15において、●印は、最初に414m
J/cm2 よりも低いエネルギーでレーザー照射を行っ
た後、414mJ/cm2 のエネルギーでレーザー照射
を行った試料である。また、□印は、最初にアモルファ
スシリコン膜に414mJ/cm2 でレーザー照射を行
い、続いてそれよりも低いエネルギーでレーザー照射を
行った試料である。これらの図14,図15から、アモ
ルファスシリコン膜に最適エネルギーである414mJ
/cm2 のエネルギーの光が照射される前又は後に、そ
れよりも低いエネルギーの光が照射されると、キャリヤ
移動度は低下し、しきい値電圧は変動することがわか
る。
【0046】図16は、ガラス基板上のある1ステップ
分の面積の領域に着目して、レーザー光のエネルギーの
変化を示した図である。この図で示したように、スキャ
ンアニール法では、まず、スロープ先端部分のエネルギ
ーで結晶化され、次にレーザー光の中央部(頂上部)の
最適エネルギーが照射された後に、最後に、スロープ後
部で再び弱いエネルギーが照射される。このため、図1
4に見られるような、最初に弱いエネルギーが照射され
た状態と、後から弱いエネルギーが照射された状態の両
方の状態になっており、素子の特性が最適な値よりも低
い値しか得ることができない。
【0047】また、スキャンアニール法では、レーザー
照射域の端部のエネルギーが一定でない領域の影響や、
エキシマレーザー本体のエネルギー変動によって、レー
ザー光をスキャンさせる1つの領域に照射されるエネル
ギーの履歴が場所によって異なってくる。このような照
射エネルギーの履歴の違いは、図15に見られるような
しきい値電圧の変動となって現れると考えられる。この
ようなしきい値電圧の変動は、表示部領域ではそれほど
影響しないが、駆動回路の性能を向上させる上で障害と
なる。
【0048】そこで、第3の実施の形態では、キャリヤ
移動度がそれほど重要でない表示部領域11aではスキ
ャンアニール法によりアモルファスシリコンをポリシリ
コンに変え、キャリヤ移動度が重要である駆動回路部分
では固定アニール法によりアモルファスシリコン膜をポ
リシリコン膜に変えている。これにより、スループット
の低下を抑制しつつ、駆動回路の性能を向上させること
ができる。
【0049】(第3の実施の形態の変形例1)第3の実
施の形態においては、レーザー照射は、スキャンアニー
ル法及び固定照射法ともに大気中で行ったが、レーザー
アニールにおいてはレーザー照射時の雰囲気は極めて重
要である。図17は、横軸にレーザーの照射回数をと
り、縦軸にそれにより形成されたポリシリコン膜のキャ
リヤ移動度をとって両者の関係を示す図である。大気中
でレーザー照射を行った場合は、50ショット以下の少
ない照射回数で最大の特性が得られる。但しこの条件で
はポリシリコン膜の表面の凹凸は極めて大きくなる。こ
れに対して、真空中でレーザー光を照射した場合には、
照射回数が少ないときは大気中で照射したときよりも特
性が劣っているが、照射回数を増やしていけば大気中で
照射したときと同等又はそれ以上の特性となり、表面の
平坦な結晶性半導体膜を形成することができる。
【0050】本願発明者らの実験では、このような差が
生じる原因は大気中に含まれている酸素にあり、酸素濃
度を変化させることにより、大気中と真空中の間で、得
られる結晶の特性や表面凹凸、最適な照射回数などは連
続的に変化することが判明している。そのため、表示部
領域と駆動回路形成領域とでは、照射雰囲気中の酸素濃
度を変えて最適な値に制御するのが好ましい。例えば、
スループットを重視するのであれば、大面積を占める表
示部領域は、少ない照射回数で最大の特性が得られる大
気中、つまり酸素濃度が高い雰囲気中でレーザー照射を
行い、面積の少ない駆動回路形成領域は、真空中で照射
回数を増やすことによって、表面の平坦な特性の優れた
ポリシリコン膜を形成する。また、ポリシリコン膜の凹
凸が素子特性よりも表示品質のほうに影響を与えるよう
であるのなら、駆動回路形成領域のシリコンを大気中で
結晶化し、表示部領域のシリコンを真空中で結晶化する
ことによって平坦な膜を形成する等の方法もある。
【0051】また、アモルファスシリコンの表面に存在
する酸化膜によっても表面の凹凸が変わる。従って酸化
膜の有無又は厚さによりポリシリコン膜の表面の平坦性
やキャリヤ移動度を調整するようにしてもよい。 (第3の実施の形態の変形例2)エキシマレーザーのビ
ームを線状や矩形に形成するためには、シリンドリカル
レンズや集光レンズで構成されたホモジナイザーを使う
のが一般的である。
【0052】図18にレーザーアニール装置の構成を示
す。ホモジナイザー31は、複数のシリンドカルレンズ
で構成されるレンズアレイを、縦方向と横方向にそれぞ
れ一対用意し、このレンズアレイ同士の間隔を調整する
ことによってレーザー照射域の形状を変化させることが
できる。そして、これらのレンズアレイで整形された光
を集光用のレンズによって基板上に集光させる。
【0053】エキシマレーザーから出力されたレーザー
光は、レーザー光の縦方向と横方向では、広がり角が異
なる。そのため、光学系は、どちらか一方向からの広が
り角に合わせて調整される。例えば、線状(細長い矩形
状)のレーザー光では、短軸(幅)方向のプロファイル
が重要であるため、短軸方向の広がり角に合わせて光学
系を調整する。そのため、短軸方向を拡大し、長軸方向
を縮小してレーザー光の形状を変化させて相似形として
も、レーザー光の広がり角が異なるため、プロファイル
まで同一とすることは難しい。
【0054】そこで、図18に示すように、エキシマレ
ーザーから出力されたレーザー光の光路を複数のミラー
によって変化させることによって、ホモジナイザー31
に導かれるビームの方向を90°回転させることができ
る。つまり、このようにホモジナイザー31に導かれる
光路を複数用意することによって、レーザー光の照射域
を、全く同一の形状で90°回転させることが可能とな
る。この例では、ミラー32,33,34により第1の
光路が形成され、ミラー32,35,36,37,3
8,39により第2の光路が構成される。ミラー35は
ミラー32とミラー33との間に挿入され、ミラー39
はミラー34と排他的に配置される。すなわち、ミラー
34,35,39により,光路を切替えることができ
る。
【0055】また、図19に示すように、ガラス基板4
1を固定するステージ40を90°回転させて、同一の
レーザー光でデータドライバ形成領域及びゲートドライ
バ形成領域に同一条件でレーザー光を照射してポリシリ
コン膜を形成するようにしてもよい。 (付記1)基板上に非晶質半導体膜を形成する工程と、
前記非晶質半導体膜の上に遮光膜を配置する工程と、線
状に整形されたレーザー光の長さ方向の端部を前記遮光
膜により遮光しながら、スキャンアニール法により前記
遮光膜に覆われていない部分の前記非晶質半導体膜にレ
ーザー光を照射し、非晶質半導体を結晶性半導体に変え
る第1の照射工程と、前記遮光膜を除去する工程と、ス
キャンアニール法により前記遮光膜に覆われていた部分
に線状に整形されたレーザー光の中央部を照射して非晶
質半導体を結晶性半導体に変える第2の照射工程とを有
することを特徴とする結晶性半導体薄膜の形成方法。
【0056】(付記2)基板上に非晶質半導体膜を形成
する工程と、前記非晶質半導体膜の上に遮光膜をストラ
イプ状に配置する工程と、矩形状に整形されたレーザー
光の長辺側端部を前記遮光膜で遮光しながら、前記遮光
膜に覆われていない部分の前記非晶質半導体膜に前記レ
ーザー光の中央部を照射して非晶質半導体を結晶性半導
体に変える第1の照射工程と、前記遮光膜を除去する工
程と、前記遮光膜に覆われていた部分に矩形状に整形さ
れたレーザー光の中央部を照射して非晶質半導体を結晶
性半導体に変える第2の照射工程とを有することを特徴
とする結晶性半導体薄膜の形成方法。
【0057】(付記3)前記第1及び第2の照射工程の
少なくとも一方の工程において、同一個所にレーザー光
を複数ショット照射することを特徴とする付記2に記載
の結晶性半導体薄膜の形成方法。 (付記4)前記遮光膜は、レーザー光の50%以上を反
射する膜であることを特徴とする付記1又は2に記載の
結晶性半導体薄膜の形成方法。
【0058】(付記5)基板上に非晶質半導体膜を形成
する工程と、スキャンアニール法により、前記非晶質半
導体膜の第1の領域にレーザー光を照射して、前記第1
の領域の非晶質半導体を結晶性半導体に変化させる第1
の照射工程工程と、固定アニール法により、前記非晶質
半導体膜の第2の領域にレーザー光を照射して、前記第
2の領域の非晶質半導体を結晶性半導体に変化させる第
2の照射工程とを有することを特徴とする結晶性半導体
薄膜の形成方法。
【0059】(付記6)前記第1の照射工程ではレーザ
ー光を線状に整形し、前記第2の照射工程ではレーザー
光を矩形状に整形することを特徴とする付記5に記載の
結晶性半導体薄膜の形成方法。 (付記7)前記第1の照射工程と前記第2の照射工程で
は、雰囲気中の酸素量が異なることを特徴とする付記5
に記載の結晶性半導体薄膜の形成方法。
【0060】(付記8)前記第1の照射工程と前記第2
の照射工程では、前記非晶質半導体膜の表面の酸素量が
異なることを特徴とする付記5に記載の結晶性半導体薄
膜の形成方法。 (付記9)前記第2の照射工程では、レーザー光出力部
とホモジナイザーとの間に切替え可能な少なくとも2系
統の光路が設けられ、各光路を通過した光の照射域が相
似形で相互に回転角が異なるレーザーアニール装置を使
用することを特徴とする付記5に記載の結晶性半導体薄
膜の形成方法。
【0061】(付記10)前記第2の照射工程では、前
記基板を回転させて、複数の異なる領域にレーザー光を
照射することを特徴とする付記5に記載の結晶性半導体
薄膜の形成方法。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明によれ
ば、非晶質半導体膜の上に遮光膜を形成し、該遮光膜に
よりレーザー光の照射域の端部を遮光しながら、レーザ
ー光の中央部で半導体を結晶化するので、結晶性の不均
一が抑制され、キャリヤ移動度のばらつきが少ない結晶
性半導体膜を形成することができる。
【0063】また、本願他の発明によれば、非晶質半導
体膜の第1の領域をスキャンアニール法によりレーザー
照射し、第2の領域を固定アニール法によりレーザー照
射するので、アクティブマトリクス型液晶表示装置のス
ループットの低下を抑制しつつ、駆動回路の特性を向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の第1の実施の形態の結晶性半導
体薄膜の形成方法を示す図(その1)である。
【図2】図2は本発明の第1の実施の形態の結晶性半導
体薄膜の形成方法を示す図(その2)である。
【図3】図3は本発明の第1の実施の形態の結晶性半導
体薄膜の形成方法を示す図(その3)である。
【図4】図4は本発明の第1の実施の形態の結晶性半導
体薄膜の形成方法を示す図(その4)である。
【図5】図5は本発明の第1の実施の形態の結晶性半導
体薄膜の形成方法を示す図(その5)である。
【図6】図6は第1の実施の形態の変形例に係る結晶性
半導体薄膜の形成方法を示す図(その1)である。
【図7】図7は第1の実施の形態の変形例に係る結晶性
半導体薄膜の形成方法を示す図(その2)である。
【図8】図8は第1の実施の形態の変形例に係る結晶性
半導体薄膜の形成方法を示す図(その3)である。
【図9】図9は第1の実施の形態の変形例に係る結晶性
半導体薄膜の形成方法を示す図(その4)である。
【図10】図10は第1の実施の形態の変形例に係る結
晶性半導体薄膜の形成方法を示す図(その5)である。
【図11】図11(a)〜(d)は本発明の第2の実施
の形態の結晶性半導体薄膜の形成方法を示す平面図であ
る。
【図12】図12は本発明の第3の実施の形態の結晶性
半導体薄膜の形成方法を示す模式図(その1)である。
【図13】図13は本発明の第3の実施の形態の結晶性
半導体薄膜の形成方法を示す模式図(その2)である。
【図14】図14はレーザー光の照射エネルギーとキャ
リヤ移動度との関係を示す図である。
【図15】図15はレーザー光の照射エネルギーとTF
Tのしきい値電圧との関係を示す図である。
【図16】図16は、ガラス基板上のある1ステップ分
の面積の領域に着目して、レーザー光のエネルギーの変
化を示した図である。
【図17】図17は、レーザーの照射回数とポリシリコ
ン膜のキャリヤ移動度との関係を示す図である。
【図18】図18は、第3の実施の形態の変形例2で使
用するレーザーアニール装置の構成を示す図である。
【図19】図19は、基板を固定するステージの回転を
示す模式図である。
【図20】図20は、活性層にポリシリコンを使用した
従来のTFTの製造方法の一例を示す断面図(その1)
である。
【図21】図21は、活性層にポリシリコンを使用した
従来のTFTの製造方法の一例を示す断面図(その2)
である。
【図22】図22は、レーザー光の照射域に応じたガラ
ス基板上の領域の分割を示す図である。
【図23】図23はレーザー光のスキャン方向のエネル
ギー分布とスキャンアニール後のシリコン膜のキャリヤ
移動度を示す図である。
【符号の説明】
10,60…レーザー装置、 11,51…ガラス基板、 11a…表示部領域、 11b…データドライバ形成領域、 11c…ゲートドライバ形成領域 12,52…酸化シリコン膜、 13,53…アモルファスシリコン膜、 14、54…ポリシリコン膜、 15,15a,15b…遮光膜、 31…ホモジナイザー、 32〜39…ミラー 55…ゲート絶縁膜、 56…ゲート電極、 57…絶縁膜、 58a…ソース電極、 58b…ドレイン電極。
フロントページの続き (72)発明者 平野 琢也 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 土井 誠児 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 Fターム(参考) 2H092 JA24 KA05 MA08 MA13 MA30 NA24 5F052 AA02 BA02 BA07 BB07 CA07 DA02 DB03 FA25 JA01 5F110 AA07 AA30 BB02 CC02 CC07 DD02 DD13 EE03 FF02 GG02 GG06 GG13 GG24 GG25 GG45 HJ23 PP03 PP05 PP06 PP31 PP35

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に非晶質半導体膜を形成する工程
    と、 前記非晶質半導体膜の上に遮光膜を配置する工程と、 線状に整形されたレーザー光の長さ方向の端部を前記遮
    光膜により遮光しながら、スキャンアニール法により前
    記遮光膜に覆われていない部分の前記非晶質半導体膜に
    レーザー光を照射し、非晶質半導体を結晶性半導体に変
    える第1の照射工程と、 前記遮光膜を除去する工程と、 スキャンアニール法により前記遮光膜に覆われていた部
    分に線状に整形されたレーザー光の中央部を照射して非
    晶質半導体を結晶性晶半導体に変える第2の照射工程と
    を有することを特徴とする結晶性半導体薄膜の形成方
    法。
  2. 【請求項2】 基板上に非晶質半導体膜を形成する工程
    と、 前記非晶質半導体膜の上に遮光膜をストライプ状に配置
    する工程と、 矩形状に整形されたレーザー光の長辺側端部を前記遮光
    膜で遮光しながら、前記遮光膜に覆われていない部分の
    前記非晶質半導体膜に前記レーザー光の中央部を照射し
    て非晶質半導体を結晶性半導体に変える第1の照射工程
    と、 前記遮光膜を除去する工程と、 前記遮光膜に覆われていた部分に矩形状に整形されたレ
    ーザー光の中央部を照射して非晶質半導体を結晶性半導
    体に変える第2の照射工程とを有することを特徴とする
    結晶性半導体薄膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 基板上に非晶質半導体膜を形成する工程
    と、 スキャンアニール法により、前記非晶質半導体膜の第1
    の領域にレーザー光を照射して、前記第1の領域の非晶
    質半導体を結晶性半導体に変化させる第1の照射工程工
    程と、 固定アニール法により、前記非晶質半導体膜の第2の領
    域にレーザー光を照射して、前記第2の領域の非晶質半
    導体を結晶性半導体に変化させる第2の照射工程とを有
    することを特徴とする結晶性半導体薄膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 前記第1の照射工程ではレーザー光を線
    状に整形し、前記第2の照射工程ではレーザー光を矩形
    状に整形することを特徴とする請求項3に記載の結晶性
    半導体薄膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の照射工程と前記第2の照射工
    程では、雰囲気中の酸素量が異なることを特徴とする請
    求項3に記載の結晶性半導体薄膜の形成方法。
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