JP2002042685A - 偏向ヨーク及び表示装置 - Google Patents

偏向ヨーク及び表示装置

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JP2002042685A
JP2002042685A JP2000218805A JP2000218805A JP2002042685A JP 2002042685 A JP2002042685 A JP 2002042685A JP 2000218805 A JP2000218805 A JP 2000218805A JP 2000218805 A JP2000218805 A JP 2000218805A JP 2002042685 A JP2002042685 A JP 2002042685A
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vertical deflection
variable resistor
deflection coils
temperature
pair
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Kyosuke Aoki
恭介 青木
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 偏向ヨークの偏向効率を悪化させることな
く、温度変化による表示画像の不具合を解消する。 【解決手段】 偏向ヨークの構成として、互いに直列に
接続された一対の垂直偏向コイルLv1,Lv2と、こ
れら一対の垂直偏向コイルLv1,Lv2とブリッジ回
路2を形成して各々の垂直偏向コイルLv1,Lv2に
流れる電流I1,I2の割合を調整する可変抵抗VR
と、温度上昇によって抵抗値が低下する特性を有し、可
変抵抗VRに対して並列に接続されたサーミスタTmと
を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陰極管(CRT)
を用いたテレビジョン受像機やコンピュータ用ディスプ
レイ等の表示装置に係り、特に、表示装置に用いられる
偏向ヨークに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、陰極線管を用いた表示装置で
は、電子銃から出射された3本の電子ビームを上下左右
に偏向することにより、画面上に画像を表示している。
電子ビームの偏向には、水平偏向コイルと垂直偏向コイ
ルを有する偏向ヨーク(Deflection Yoke;DY)が用
いられている。水平偏向コイルは、電子ビームを水平軸
方向(左右方向)に偏向する水平偏向磁界を発生するも
ので、垂直偏向コイルは、電子ビームを垂直軸方向(上
下方向)に偏向する垂直偏向磁界を発生するものであ
る。
【0003】このような表示装置においては、電子銃か
ら出射された3本の電子ビームを偏向ヨークで上下左右
に偏向することにより、陰極線管の蛍光面上で電子ビー
ムのスポットを水平及び垂直方向に走査させてラスター
を形成し、かつ各々の走査位置において3本の電子ビー
ムを集束(コンバージェンス)させることにより、色ず
れのない良好な画像を表示し得るものとなっている。
【0004】ところで、インライン式の陰極線管を用い
た表示装置では、電子銃からインライン状(横一列)の
配列で出射される3本の電子ビームに対し、上記水平偏
向コイルによる水平偏向磁界をピンクッション形(糸巻
き形)に、また上記垂直偏向コイルによる垂直偏向磁界
をバレル形(樽形)にすることにより、画面周辺部の色
ずれを補正している。この場合、水平偏向コイルと垂直
偏向コイルの巻線構造としては、いずれもサドル形(鞍
形)が採用される。
【0005】サドル形に巻かれた垂直偏向コイルは、図
5に示すように、偏向ヨークの水平軸となるX軸方向
(左右)に対をなして配置される。なお、図5において
は、垂直偏向コイルLv1,Lv2の配置を陰極線管の
蛍光面側(パネル側)から見た状態を示し、垂直偏向磁
界φV1,φV2の向きについては3本の電子ビーム
(B,G,R)を画面の下側に偏向するときの向きを示
している。また、これ以降は、説明の便宜上、一方の垂
直偏向コイルLv1を第1の垂直偏向コイルLv1とも
称し、他方の垂直偏向コイルLv2を第2の垂直偏向コ
イルLv2とも称する。
【0006】図5に示す一対の垂直偏向コイルLv1,
Lv2には、図示しない垂直偏向回路によって垂直偏向
周期のノコギリ波電流(垂直偏向電流)が供給される。
このとき、各々の垂直偏向コイルLv1,Lv2に流れ
る電流が同じであっても、垂直偏向コイルLv1,Lv
2を巻線する際の巻きずれや、垂直偏向コイルLv1,
Lv2自体の特性のばらつき、さらには偏向ヨークに垂
直偏向コイルLv1,Lv2を組み込む際の取り付け誤
差等により、一対の垂直偏向コイルLv1,Lv2によ
る磁界φV1,φV2のバランスが左右均等にならない
場合がある。このように垂直偏向磁界φV1,φV2の
バランスが崩れると、画面の左側と右側で電子ビーム
(図5におけるB,G,R)の垂直偏向量に差が生じる
ため、画面上に形成されるラスターが水平台形状に歪む
現象(以下、「水平台形歪み」と記す)が発生する。
【0007】そこで従来においては、図6に示すよう
に、互いに直列に接続された一対の垂直偏向コイルLv
1,Lv2に対し、可変抵抗VRと一対の固定抵抗R
1,R2とを有する直列抵抗回路を並列に接続する構成
が採用されている。一対の固定抵抗R1,R2は、可変
抵抗VRの両側にそれぞれ直列に接続されている。ま
た、可変抵抗VRの摺動子Sは、一対の垂直偏向コイル
Lv1,Lv2の接続点T1に接続され、これによって
一対の垂直偏向コイルLv1,Lv2と可変抵抗VRと
がブリッジ回路21を形成する構成となっている。
【0008】上記回路構成においては、一対の固定抵抗
R1,R2の抵抗値を互いに同じ値としている。そのた
め、可変抵抗VRの摺動子Sがセンター位置にあると、
一対の垂直偏向コイルLv1,Lv2にそれぞれ同じ割
合で電流が流れる。また、可変抵抗VRの摺動子Sをセ
ンター位置から固定抵抗R2側に移動させると、それに
伴う抵抗配分の変動により、第1の垂直偏向コイルLv
1に流れる電流の割合が増加し、その分、第2の垂直偏
向コイルLv2に流れる電流の割合が減少する。これと
逆に、可変抵抗VRの摺動子Sをセンター位置よりも固
定抵抗R1側に移動させると、第2の垂直偏向コイルL
v2に流れる電流の割合が増加し、その分、第1の垂直
偏向コイルLv1に流れる電流の割合が減少する。
【0009】このように上記回路構成においては、可変
抵抗VRの摺動子Sの位置を変えることにより、一対の
垂直偏向コイルLv1,Lv2に流れる電流の割合(バ
ランス)を任意に調整することができる。したがって、
上述のように一対の垂直偏向コイルLv1,Lv2によ
る磁界φV1,φV2のバランスが左右均等にならない
場合は、磁界の強度が弱い方の垂直偏向コイル(Lv1
又はLv2)に、より多くの割合で電流が流れるよう、
可変抵抗VRの摺動子Sの位置を変えることにより、垂
直偏向磁界φV1,φV2のアンバランスを矯正して水
平台形歪みを補正することが可能となる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記水
平台形歪み補正用の回路構成を採用するにあたっては、
次のような難点があった。即ち、偏向ヨークの動作によ
る発熱や表示装置内の発熱体(回路基板等)から放射さ
れる熱などにより周辺の温度が上昇すると、それに伴っ
て各々の垂直偏向コイルLv1,Lv2の直流抵抗値が
増加する。そうした場合、可変抵抗VRの摺動子Sがセ
ンター位置からずれた状態(水平台形歪みを補正した状
態)にあると、上記直流抵抗値の増加によって抵抗比が
変化するため、摺動子Sの位置を変えていないにもかか
わらず、各々の垂直偏向コイルLv1,Lv2に流れる
電流の割合が変化し、これによって垂直偏向磁界φV
1,φV2のバランスも崩れてしまう。
【0011】その結果、表示装置を起動した初期状態で
は、図7(A)に示すようにラスター1が歪みなく形成
されていても、その後、温度上昇に伴う垂直偏向磁界φ
V1,V2のバランス崩れによって図7(B),(C)
に示すようにラスター1が水平台形状に歪んでしまう。
即ち、磁界強度の大小関係がφV2>φV1となった場
合(図7(B)の場合)は、磁界強度が大きいφV2側
で電子ビームがより大きく垂直偏向されるため、ラスタ
ー1の右側が左側よりも幅広となるかたちで水平台形歪
みが発生する。また、磁界強度の大小関係がφV2<φ
V1となった場合(図7(C)の場合)は、磁界強度が
大きいφV1側で電子ビームがより大きく偏向されるた
め、ラスター1の左側が右側よりも幅広となるかたちで
水平台形歪みが発生する。
【0012】さらに、磁界強度の大小関係がφV2>φ
V1となった場合は、ラスター1の上下方向で、図7
(B)に示すように赤色用の電子ビームRが外側、青色
用の電子ビームBが内側にずれるかたちでコンバージェ
ンスが変化し、磁界強度の大小関係がφV2<φV1と
なった場合は、図7(C)に示すように赤色用の電子ビ
ームRが内側、青色用の電子ビームBが外側にずれるか
たちでコンバージェンスが変化する。
【0013】こうした表示画像の不具合に対して、例え
ば、特公平11−2967683号公報には、温度上昇
による垂直偏向コイルの直流抵抗値の増加分を、サーミ
スタを用いた温度補償回路によって打ち消す技術が開示
されている。
【0014】しかしながら、上記公報に記載された技術
では、2つの抵抗を直列に接続するとともに、その両端
にサーミスタを並列に接続して温度補償回路を構成し、
この温度補償回路を一対の垂直偏向コイルの間に直列に
接続しているため、一対の垂直偏向コイルによる直列回
路の直流抵抗値が大幅に増大してしまう。その結果、電
子ビームの垂直偏向に寄与しない抵抗成分の増加によっ
て偏向ヨークの偏向効率が著しく悪化することになる。
【0015】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたもので、その目的とするところは、偏向ヨークの偏
向効率を悪化させることなく、温度変化による表示画像
の不具合を解消することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係る偏向ヨーク
においては、互いに直列に接続された一対の垂直偏向コ
イルと、これら一対の垂直偏向コイルとブリッジ回路を
形成して各々の垂直偏向コイルに流れる電流の割合を調
整する可変抵抗と、温度上昇によって抵抗値が低下する
特性を有し、可変抵抗に対して並列に接続された温度補
償素子とを備えた構成となっている。また、本発明に係
る表示装置においては、上記構成の偏向ヨークを用いた
ものとなっている。
【0017】上記構成からなる偏向ヨーク及びこれを用
いた表示装置では、可変抵抗の摺動子がセンター位置か
らずれた状態(水平台形歪みを補正した状態)で、温度
上昇により各々の垂直偏向コイルの直流抵抗値が増加し
た場合でも、その温度上昇に伴って温度補償素子の抵抗
値が低下することにより、温度上昇の前後で各々の垂直
偏向コイルに流れる電流を同じ比率で変化させることが
可能となる。また、電流バランス調整用の可変抵抗に対
して温度補償素子を並列に接続したことにより、一対の
垂直偏向コイルによる直列回路の直流抵抗値が増加する
こともない。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本実施の形
態においては、上記従来技術で挙げた構成と同様の部分
に同じ符号を付して説明することとする。
【0019】図1は本発明が適用される陰極線管の全体
像を示す概略斜視図である。図1において、陰極線管バ
ルブ(陰極線管本体)10は、パネル部11、ファンネ
ル部12及びネック部13によって構成されている。パ
ネル部11の内面には、赤,青,緑の各色蛍光体をパタ
ーン配列した蛍光面(不図示)が形成されている。一
方、ネック部13には、電子ビームの出射源となる電子
銃14が内装されている。また、ネック部13からファ
ンネル部12に至るコーン部には、電子ビームを偏向す
る偏向ヨーク15が装着されている。この偏向ヨーク1
5は、該ヨーク中心軸が陰極線管バルブ10の中心軸に
一致するように取り付け調整されている。
【0020】上記構成の陰極線管は、パネル部11内面
の蛍光面にカラー画像(又は白黒画像)を再現するのに
必要な各種の付属部品とともに図示せぬ筐体に組み込ま
れ、これによってテレビジョン受像機やコンピュータ用
ディスプレイ等の表示装置が構成される。
【0021】図2は本発明に係る偏向ヨークの一部破断
面を含む側面図である。図2において、偏向ヨーク15
には、水平偏向コイル16、垂直偏向コイル17、セパ
レータ18、DYコア19及びリングマグネット20等
の部品が装備されている。水平偏向コイル16はセパレ
ータ18の内周側でサドル形に巻線され、垂直偏向コイ
ル17はセパレータ18の外周側でサドル形に巻線され
ている。セパレータ18は、樹脂等の絶縁材料によって
略ラッパ状に形成されている。
【0022】また、水平偏向コイル16は偏向ヨーク1
5の上下(垂直軸方向)に対をなして配置され、垂直偏
向コイル17は偏向ヨーク15の左右(水平軸方向)に
対をなして配置されている。そして、電子銃14から出
射される電子ビームの軌道上において、水平偏向コイル
16は電子ビームを画面の左右方向(水平軸方向)に偏
向させる磁界(水平偏向磁界)を発生し、垂直偏向コイ
ル17は電子ビームを画面の上下方向(垂直軸方向)に
偏向させる磁界(垂直偏向磁界)を発生する。
【0023】DYコア19はフェライト等の磁性材料か
らなるもので、ヨーク中心軸方向の一方を他方よりも大
きく開口した円錐筒形状に形成されている。このDYコ
ア19は、水平偏向コイル16及び垂直偏向コイル17
が発生する磁界の効力を高めるために、それらの偏向コ
イル16,17を覆うように装着されている。リングマ
グネット20は、電子銃14の組み立て誤差等による電
子ビームの軌道ずれを補正するために、偏向ヨーク15
の後端部に取り付けられている。
【0024】図3は本発明の実施形態における垂直偏向
コイルの結線状態を示す回路図である。図3において、
垂直偏向コイル17は、それぞれサドル形に巻かれた第
1の垂直偏向コイルLv1と第2の垂直偏向コイルLv
2によって構成されている。これら第1,第2の垂直偏
向コイルLv1,Lv2は、上述した偏向ヨーク15の
左右(水平軸方向)に対をなして配置されるもので、共
通の接続点T1をもって互いに直列に接続されている。
【0025】また、第1,第2の垂直偏向コイルLv
1,Lv2に対しては、可変抵抗VR1と一対の固定抵
抗R1,R2とを有する直列抵抗回路が接続されてい
る。この直列抵抗回路は、第1,第2の垂直偏向コイル
Lv1,Lv2の両端に接続点T2,T3をもって並列
に接続されている。また、直列抵抗回路内においては、
可変抵抗VRの片側(図の左側)に固定抵抗R1が直列
に接続され、その反対側(図の右側)に固定抵抗R2が
直列に接続されている。固定抵抗R1の抵抗値と固定抵
抗R2の抵抗値は互いに同じ値となっている。また、可
変抵抗VRの抵抗値は、各固定抵抗R1,R2の抵抗値
よりも大きな値となっている。
【0026】可変抵抗VRの摺動子Sは、一対の垂直偏
向コイルLv1,Lv2の接続点(直列接続点)T1に
接続され、これによって一対の垂直偏向コイルLv1,
Lv2と可変抵抗VRとがブリッジ回路2を形成する構
成となっている。また、可変抵抗VRに対しては、温度
補償素子となるサーミスタTmが並列に接続されてい
る。即ち、サーミスタTmの一端は、可変抵抗VRと固
定抵抗R1間の接続点T4に接続され、同他端は、可変
抵抗VRと固定抵抗R2間の接続点T5に接続されてい
る。このサーミスタTmは、抵抗の温度係数が負の値を
とるもの、つまり温度上昇によって抵抗値が低下する特
性を有するものとなっている。
【0027】このような回路構成を採用した場合は、可
変抵抗VRの摺動子Sがセンター位置からずれた状態
(水平台形歪みを補正した状態)で、温度上昇(温度変
化)により各々の垂直偏向コイルLv1,Lv2の直流
抵抗値が増加した場合でも、その温度上昇に伴ってサー
ミスタTmの抵抗値が低下することにより、各々の垂直
偏向コイルLv1,Lv2に流れる電流の割合を一定に
維持することができる。
【0028】また、電流バランス調整用の可変抵抗VR
にサーミスタTmを並列に接続しているため、一対の垂
直偏向コイルLv1,Lv2による直列回路の直流抵抗
値が増加することもない。したがって、偏向ヨーク15
の偏向効率の悪化を回避することができる。
【0029】以下に、サーミスタTmによる温度補償の
原理を述べる。先ず、図4に示すように、一対の垂直偏
向コイルLv1,Lv2に対して、図示しない垂直偏向
回路から供給される垂直偏向電流をIvとし、このとき
に第1の垂直偏向コイルLv1に流れる電流をI1、第
2の垂直偏向コイルLv2に流れる電流をI2とする。
また、第1の垂直偏向コイルLv1の直流抵抗をRL1
とし、第2の垂直偏向コイルLv2の直流抵抗をRL2
とする。さらに、図示のように可変抵抗VRの摺動子S
を固定抵抗R1側に最も移動させた場合において、可変
抵抗VRとサーミスタTmの合成抵抗をR3とする。
【0030】そうした場合、第1,第2の垂直偏向コイ
ルLv1,Lv2に流れる電流I1,I2は、それぞれ
次の(1),(2)式によって求まる。 I1=R1/(R1+RL1)・・・(1) I2=(R2+R3)/(R2+R3+RL2)・・・(2) なお、実際の電流値は垂直偏向電流Ivとの積によって
求められるが、本実施形態においては、説明の便宜上、
Iv=1と仮定してその記載を省略してある。
【0031】一方、温度の上昇により各々の垂直偏向コ
イルLv1,Lv2の直流抵抗がΔRずつ増加すると、
第1,第2の垂直偏向コイルLv1,Lv2に流れる電
流I1,I2は、それぞれ次の(3),(4)式によっ
て求まる。 I1=R1/(R1+RL1+ΔR)・・・(3) I2=(R2+R3)/(R2+R3+RL2+ΔR)・・・(4)
【0032】上記(1)〜(4)式から分かるように、
電流I1,I2を求めるにあたって、電流I1に対応す
る(1),(3)式を比較すると、その分数の分母が温
度上昇によってΔRだけ増加し、同様に電流I2に対応
する(2),(4)式を比較しても、その分数の分母が
温度上昇によってΔRだけ増加している。このことか
ら、温度上昇によるコイル直流抵抗RL1,RL2の増
加(ΔR)により、垂直偏向コイルLv1,Lv2に流
れる電流I1,I2は共に低下することになる。
【0033】ここで、電流I1を求める(1),(3)
式における分数の分母と、電流I2を求める(2),
(4)式における分数の分母を比較すると、電流I1側
の分母よりも電流I2側の分母が格段に大きな値をと
る。その理由は、可変抵抗VRの摺動子Sを固定抵抗R
1側に最も移動させたことで、(2),(4)式の分母
に合成抵抗R3が加算されるためである。
【0034】こうした抵抗配分の大きな違いにより、仮
にサーミスタTmが無いものと仮定(合成抵抗R3が温
度上昇の前後で変化しないと仮定)すると、温度上昇よ
って増加するコイル直流抵抗(RL1+ΔR,RL2+
ΔR)の影響が電流I1と電流I2で異なるものとな
る。即ち、上記(1)〜(4)式において、(2),
(4)式の分母が(1),(3)式の分母よりも大きな
値をとることから、温度上昇による電流の低下率(変化
率)は、電流I2よりも電流I1の方が大きくなる。し
たがって、温度上昇前と比較すると、温度上昇後は第2
の垂直偏向コイルLv2に流れる電流I2の割合が増加
してしまう。
【0035】これに対して、サーミスタTmが有る場合
は、温度上昇によってサーミスタTmの抵抗値が低下す
ることから、これにしたがってサーミスタTmと可変抵
抗VRの合成抵抗R3も低下する。そうした場合、合成
抵抗R3の低下とともに第2の垂直偏向コイルLv2に
流れる電流I2も低下するため、温度上昇による電流I
2の低下率が大きくなる。したがって、温度上昇前後に
おける電流I1の変化率(低下率)と、温度上昇前後に
おける電流I2の変化率(低下率)とがほぼ同一になる
条件で、サーミスタTmの抵抗−温度特性を設定するこ
とにより、温度上昇前後で電流I1,I2の割合を一定
に維持することができる。
【0036】以上述べたサーミスタTmによる温度補償
の原理は、可変抵抗VRの摺動子Sがセンター位置から
どちら側に移動しているか、またセンター位置からどの
程度ずれているかにかかわらず、同様の原理が適用され
る。但し、実際に使用するサーミスタTmの抵抗−温度
特性は、通常の使用環境で起こり得る温度変化や、これ
に伴うコイル抵抗の変化、そして直列抵抗回路における
各々の抵抗R1,R2,VRや、水平台形歪みを補正し
た際の摺動子Sの位置に応じて適宜設定する必要があ
る。
【0037】ここで、具体的な数値例を挙げてサーミス
タTmの温度補償効果を立証する。先ず、数値例とし
て、垂直偏向コイルLv1,Lv2の直流抵抗をRL1
=RL2=4Ω、固定抵抗をR1=R2=56Ω、可変
抵抗VRとサーミスタTmの合成抵抗をR3=200Ω
とする。また、温度が20℃から60℃に上昇したとき
に、サーミスタTmの抵抗値の低下によって合成抵抗R
3が1/2(100Ω)に低下し、そのときにコイル直
流抵抗がΔR=1Ω増加するものとする。
【0038】そうした場合、温度が20℃のときは、上
記(1),(2)式への数値代入により、 I1=56/(56+4)=0.9333 I2=(56+200)/(56+200+4)=0.
9846 と求まる。
【0039】また、温度が60℃のときは、サーミスタ
Tmが無いものと仮定(合成抵抗R3=200Ωが温度
上昇の前後で変化なしと仮定)すると、上記(3),
(4)式への数値代入により、 I1=56/(56+4+1)=0.9180 I2=(56+200)/(56+200+4+1)=
0.9808 と求まる。そうすると、温度が20℃のときの電流比は
I1/I2=0.9479となり、温度が60℃のとき
の電流比はI1/I2=0.9360となる。その結
果、温度上昇の前後で電流比に0.0119の差異が生
じる。
【0040】一方、サーミスタTmが有る場合で温度が
60℃のときは、上記(3),(4)式への数値代入に
より、 I1=56/(56+4+1)=0.9180 I2=(56+100)/(56+100+4+1)=
0.9689 と求まる。そして、この場合の電流比はI1/I2=
0.9474となり、上述した温度が20℃のときの電
流比(0.9479)とほぼ一致したものとなる。
【0041】このように温度上昇の前後で一対の垂直偏
向コイルLv1,Lv2に流れる電流I1,I2の割合
を一定に維持することにより、垂直偏向磁界のバランス
崩れを回避することができる。その結果、温度変化によ
る水平台形歪みの発生とコンバージェンスの変化を有効
に防止することができる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、各
々の垂直偏向コイルに流れる電流の割合(電流バラン
ス)を調整する可変抵抗に対して温度補償素子を並列に
接続することにより、一対の垂直偏向コイルによる直列
回路の直流抵抗値を増加させることなく、温度上昇の前
後で各々の垂直偏向コイルに流れる電流の割合を一定に
維持することができる。これにより、偏向ヨークの偏向
効率を悪化させることなく、温度変化による表示画像の
不具合(水平台形歪みの発生、コンバージェンスの変化
等)を解消することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される陰極線管の全体像を示す概
略斜視図である。
【図2】本発明に係る偏向ヨークの一部破断面を含む側
面図である。
【図3】本発明の実施形態における垂直偏向コイルの結
線状態を示す回路図である。
【図4】温度補償素子の動作原理を説明するための図で
ある。
【図5】垂直偏向コイルの配置状態とその発生磁界を示
す図である。
【図6】従来における垂直偏向コイルの結線状態を示す
回路図である。
【図7】垂直偏向磁界のバランス崩れによる不具合を説
明する図である。
【符号の説明】
2…ブリッジ回路、10…陰極線管バルブ、15…偏向
ヨーク、17,Lv1,Lv2…垂直偏向コイル、S…
摺動子、Tm…サーミスタ、VR…可変抵抗

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いに直列に接続された一対の垂直偏向
    コイルと、前記一対の垂直偏向コイルとブリッジ回路を
    形成して各々の垂直偏向コイルに流れる電流の割合を調
    整する可変抵抗と、 温度上昇によって抵抗値が低下する特性を有し、前記可
    変抵抗に対して並列に接続された温度補償素子とを備え
    ることを特徴とする偏向ヨーク。
  2. 【請求項2】 互いに直列に接続された一対の垂直偏向
    コイルと、前記一対の垂直偏向コイルとブリッジ回路を
    形成して各々の垂直偏向コイルに流れる電流の割合を調
    整する可変抵抗と、 温度上昇によって抵抗値が低下する特性を有し、前記可
    変抵抗に対して並列に接続された温度補償素子とを備え
    る偏向ヨークを用いたことを特徴とする表示装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20210199516A1 (en) * 2018-09-05 2021-07-01 Medisim Usa Temperature Sensor Calibration

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