JP2002040205A - 反射防止バリアフィルム - Google Patents

反射防止バリアフィルム

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JP2002040205A
JP2002040205A JP2000219505A JP2000219505A JP2002040205A JP 2002040205 A JP2002040205 A JP 2002040205A JP 2000219505 A JP2000219505 A JP 2000219505A JP 2000219505 A JP2000219505 A JP 2000219505A JP 2002040205 A JP2002040205 A JP 2002040205A
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thickness
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Hirokazu Ishikawa
博一 石川
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 積層数が増加したとしても、各層界面での反
射を抑え、良好な反射防止特性を有する。 【解決手段】 透明基板上に、少なくとも1層以上の無
機構成膜からなる無機膜と、有機膜とが交互に少なくと
も1組以上積層形成されてなり、当該無機膜と、当該有
機膜とは、それらの界面における反射を抑えるように膜
厚や光学特性が組み合わされている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反射防止バリアフ
ィルムに関し、具体的には、各構成層界面での反射を抑
えた反射防止バリアフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチック上に無機バリア薄膜を成膜
した、水分や酸素などのガスに対するバリアフィルムに
関しては、食品パッケージ用途としてすでに広く用いら
れている。無機バリア膜として最もポピュラーなのはア
ルミであり、透明フィルムの用途では、SiOxやAl
xなどが使われている。食料品用途では、これらのバ
リアフィルムは十分にその要求仕様を満足している。し
かし、近年注目されているディスプレイ用途でのガラス
板の代替となるためのバリア特性には、現存の透明バリ
ア膜は不十分である。例えば、プラスチック液晶ディス
プレイ用途では食品パッケージ用に用いられているもの
に比べて2桁以上のバリア特性が必要である。また、有
機電界発光素子(有機EL)ディスプレイで、有機EL
材料の劣化を防止する目的で用いる場合には更に1桁以
上のバリア性を向上させねばならない。そのような厳し
い仕様を満足するためには、単層の無機バリア膜では限
界がある。
【0003】バリア特性は、無機バリアの膜厚に、ある
範囲までは依存するが、あまり厚くはできない。それ
は、ある厚さ以上ではクラックが入りやすくかえって特
性が落ちてしまうからである。C.Brightの報告
では、ITOの単層バリア膜において、130nmまで
は膜厚の上昇と共にバリア性が良くなるが、200nm
のITOではバリア性が劣化している。(Transparent
Barrier Coating Based on ITO for Flexible
Plastic Display, Proceedings of 13th Intern
ational Conference on Vacuum Web Coating,pp.2
47-264)。そこで、彼らは、無機バリア膜と有機膜の積
層構成を提案している。この手法では、無機バリア膜の
成膜表面の平滑化が実現でき、有機膜層による応力緩和
効果で無機バリア膜のトータル膜厚を上げてバリア性を
向上させられるのではないかと期待されている。また、
現実にアルミニウムを用いたものでは、A.Yiali
zisなどが、38thSVCで報告している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、無機バ
リア膜の材料としてアルミを用いるとディスプレイ用途
でのガラスの代替には使えない。そこで、ITOやAl
x、SiOx、SiNxなどの透明無機薄膜を用いるこ
とになるが、これらも何層かの積層構成とすると光の反
射が大きくなり、透過率が低下する。その理由は、上記
無機バリア膜の屈折率は2.0前後であり、光学領域で
は高屈折率材料の範疇にある。一方、プラスチック基板
や有機膜層の屈折率はおおむね1.4から1.6の間に
ある。つまり、無機バリア膜と基板や有機膜の間には屈
折率のミスマッチがあることとなり、その界面では
{(np−nb)/(np+nb)}2の反射が生じる。こ
こでnbは無機バリア膜材料の屈折率、npは有機膜の屈
折率である。nb=2、np=1.5の場合、ひとつの界
面での反射は2%となる。もしその界面が2つあると4
%、4つあると8%の反射となる。つまり、積層数に比
例して反射が大きくなり、透過光量はその差(100−
8=92%)となり低下する。
【0005】本発明は、上述したような従来の実情に鑑
みて提案されたものであり、積層数が増加したとして
も、各層界面での反射を抑え、良好な反射防止特性を有
する反射防止バリアフィルムを提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の反射防止バリア
フィルムは、透明基板上に、少なくとも1層以上の無機
構成膜からなる無機膜と、有機膜とが交互に少なくとも
1組以上積層形成されてなり、当該無機膜と、当該有機
膜とは、それらの界面における反射を抑えるように膜厚
や光学特性が組み合わされていることを特徴とする。
【0007】上述したような本発明に係る反射防止バリ
アフィルムでは、界面における反射を抑えるように膜厚
や光学特性が組み合わされているので、積層数が増加し
たとしても、各層界面での反射が小さく、良好な反射防
止特性を有するものとなる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0009】本実施の形態に係る反射防止バリアフィル
ム1の一構成例を図1に示す。この反射防止バリアフィ
ルム1は、透明基材2上に、第1の無機単層膜3と、有
機膜4と、第2の無機単層膜5とが形成されている。
【0010】透明基材2は、表示装置としての機能を満
たすものであれば特に限定されることはなく、例えば可
視光に対して透明なガラス板やプラスチック板、プラス
チックフィルムなど公知の材料が利用できる。
【0011】第1及び第2の無機単層膜3,5は、水分
やガスに対するバリア特性を有するとともに、可視光に
対して透明な無機酸化物、無機窒化物又は無機酸窒化物
を真空蒸着法、イオンプレーティング法、スパッタリン
グ法などに代表される各種PVD法又はCVD法により
被着させて形成される。
【0012】第1及び第2の無機単層膜3,5の材料と
して具体的には、例えばSiN、Al23、SiO2
TiO2、テフロン(登録商標)などが挙げられる。
【0013】有機膜4は、可視光に対して透明な、例え
ばエポキシ系樹脂やポリイミド系の光硬化樹脂を、スピ
ンコーティングした後、光硬化させて形成される。この
有機膜4の屈折率は、1.3から1.6の間であること
が好ましい。
【0014】また、この有機膜4の厚さは0.5μm以
上、130μm以下の範囲であることが好ましい。さら
に、より好ましい透明有機膜4の厚みは、1μm以上、
120μm以下の範囲である。有機膜4の厚さが薄すぎ
ると、表面のゴミの埋め込み及び平坦化の効果の他、第
1及び第2の無機単層膜3,5への応力を緩和する効果
が十分に得られない。また、有機膜4の厚さが薄すぎる
と、光干渉の影響も出てきてしまう。一方、スピンコー
ティング等の塗布法により有機膜4を形成することを考
えると、有機膜4の厚さは少なくとも100μm程度は
必要である。
【0015】このように、反射防止バリアフィルム1
は、屈折率の異なる構成膜を積層して形成されている。
屈折率の異なる構成膜を積層すれば、その界面において
光が反射してしまうことは避けられない。界面での反射
は、当該界面で接する2層の屈折率差が大きいほど、大
きくなる。さらに、構成膜の積層数が多くなれば、その
分だけ構成膜の界面部分も増え、全体としての反射が大
きくなってしまう。
【0016】本発明者は、このような問題点を解決する
ために、有機膜4と第1及び第2の無機単層膜3,5の
屈折率や膜厚を調整して全体での反射を少なくするよう
に工夫した。
【0017】そのひとつは、第1及び第2の無機単層膜
3,5と有機膜4との屈折率を同程度にすることであ
る。第1及び第2の無機単層膜3,5と有機膜4との屈
折率を同程度にすることで、界面の反射をほぼ抑えるこ
とができる。具体的には、両者の屈折率の差が0.2程
度であれば界面での反射は0.4%以下であり、第1及
び第2の無機単層膜3,5の上下の界面でも0.8%程
度なのでおおむね無視することのできる値である。第1
及び第2の無機単層膜3,5と有機膜4との屈折率の差
が0.1以下であればより好ましい。
【0018】しかしながら、上述した方法では、第1及
び第2の無機単層膜3,5の屈折率が有機膜4の屈折率
に近くならなければならないという材料の制約ができて
しまう。有機膜4の屈折率は1.3から1.6程度なの
で、それに該当するものは一般に低屈折率材料となり、
無機材料ではSiO2などが挙げられるが、材料の選択
肢は狭い。さらに、SiO2は一般的にあまり良い特性
のバリア膜ではない。
【0019】そこで、この反射防止バリアフィルム1で
は、第1及び第2の無機単層膜5の光学的膜厚が、設計
波長のλ/2程度となされている。後述する実験例にも
示されるように、反射防止バリアフィルム1を構成する
第1及び第2の無機単層膜3,5の光学的膜厚を、設計
波長のλ/2程度とすることで、その設計波長に対して
は反射等の特性に影響を与えない。
【0020】すなわち、反射防止バリアフィルム1の構
成層の積層数が増加したとしても、第1及び第2の無機
単層膜3,5の光学的膜厚を、設計波長のλ/2程度と
することで、反射防止バリアフィルム1全体の反射率を
低く抑えることができる。
【0021】さらに、本発明に係る反射防止バリアフィ
ルムにおいては、無機膜を上述したような単層膜から複
層膜構成にすることが好ましい。無機膜を複層構成とす
ることで、反射防止特性をさらに向上することができ
る。
【0022】すなわち、例えば図2に示す反射防止バリ
アフィルム10では、透明基材11上に、第1の無機複
層膜12と、有機膜13と、第2の無機複層膜14とが
形成されている。
【0023】この反射防止バリアフィルム10では、無
機膜を3層の構成膜からなる複層膜としている。これら
の第1及び第2の無機複層膜12,14は、それぞれ中
間屈折率膜12a,14a、高屈折率膜12b,14
b、中間屈折率膜12c,14cが順に積層されてな
る。無機膜を中間屈折率膜12a,14a、高屈折率膜
12b,14b、中間屈折率膜12c,14cからなる
複層構成とすることで、反射防止バリアフィルム10の
反射防止特性をさらに向上することができる。
【0024】これら中間屈折率膜12a,14a、高屈
折率膜12b,14b、中間屈折率膜12c,14cの
屈折率については特に限定されないが、中間屈折率膜1
2a,12c,14a,14cの屈折率が、有機膜13
の屈折率よりも高く、高屈折率膜12b,14bの屈折
率よりも低くなされていればよい。具体的には、有機膜
13の屈折率が1.3から1.6の間であり、高屈折率
膜12b,14bの屈折率が1.9以上であることが好
ましい。屈折率が1.9以上であるような材料として
は、酸化アルミニウム(Al23)を挙げることができ
る。
【0025】さらに、この第1及び第2の無機複層膜1
2,14では、各構成膜の設計波長λに対する光学的膜
厚が、中間屈折率膜12a,12c,14a,14cで
はλ/4程度、高屈折率膜ではλ/2程度、中間屈折率
膜12b,14bではλ/4程度となされている。3層
からなる無機複層膜の各層の光学的膜厚を上述のように
規定して組み合わせることで、界面での反射を著しく抑
えることができ、ワイドバンドの反射防止特性を示すも
のとなる。
【0026】屈折率1.5の有機膜に挟まれた無機膜に
ついて、当該有機膜と無機膜との界面における反射率を
比較したものを図3に示す。屈折率2.0、厚さ100
nmの無機単層膜(a)、厚さを137.5nm(λ/
2にあたる)とした無機単層膜(b)、さらに屈折率
2.0、厚さ137.5nmの無機膜の両側を、屈折率
1.6、厚さ84.9nm(λ/4にあたる)で挟んだ
3層構成とした無機複層膜(c)について、有機膜との
界面における反射を比較している。3層構成の無機複層
膜の界面での反射が著しく低いことが分かる。一般的
に、積層層数が多くなると反射率も大きくなるが、この
構成では反射はさほど大きくならない。
【0027】以上のように、3層からなる第1及び第2
の無機複層膜12,14の各構成層の光学的膜厚を上述
のように規定して組み合わせることで、各層の界面での
反射を抑えて反射防止バリアフィルム10の反射防止特
性をさらに向上することができる。
【0028】なお、上述した実施の形態で例に挙げた反
射防止バリアフィルム1,10は、本発明を適用した反
射防止バリアフィルムの一例であり、本発明はこれに限
定されるものではなく、各構成膜の組み合わせ方等、本
発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0029】例えば、上述した実施の形態では、透明基
材に最も近い側に無機膜を配した構成としたが、本発明
はこれに限定されるのものではなく、透明基材に最も近
い側に有機膜を配した構成としても構わない。
【0030】また、最上層に無機単層膜又は無機複層膜
を配することや、最上層以外に配される無機単層膜ある
いは無機複層膜に反射防止機能をもたせることも、反射
防止バリアフィルムの反射防止特性を高める上で効果的
である。
【0031】そして、上述したような本発明に係る反射
防止バリアフィルム1,10は、例えば陰極線管、有機
電解発光素子(有機EL素子)ディスプレイ等、各種表
示装置の表示部のフェース・プレートの表面側に、透明
基材側を接着剤層を介して貼り付けられて用いられる。
もしくは、透明基材が表示装置のフェース・プレート自
身であってもよい。そして、本発明の反射防止バリアフ
ィルム1,10が貼り付けられた表示装置においては、
反射防止特性が良好で実用に適したものとなる。
【0032】図4に、本発明の反射防止バリアフィルム
1,10を、有機EL素子20から構成された多数の画
素を備えてなる有機ELディスプレイに適用した例を示
す。
【0033】この有機EL素子20は、ガラス基板等の
透明基板21上にITO(Indiumtin oxide)等の透明
電極22からなる陽極が設けられ、その上に正孔輸送層
23a及び発光層23bからなる有機層23、アルミニ
ウム等からなる陰極24が、この順に設けられることに
より構成されたものである。
【0034】そして、このような構成のもとに有機EL
素子20は、陽極に正の電圧、陰極24に負の電圧が印
加されると、陽極から注入された正孔が正孔輸送層23
aを経て発光層23bに、また陰極24から注入された
電子が発光層23bにそれぞれ到達し、発光層23b内
で電子−正孔の再結合が生じる。このとき、所定の波長
を持った光が発生し、図4中矢印で示すように透明基板
21側から外に出射する。
【0035】このとき、本発明の反射防止バリアフィル
ム1,10が透明基板21の両面に貼り付けられている
ので、バリア性に優れ有機EL素子の劣化を防ぐほか、
発生した光の透明基板21での反射を抑え、透過率の高
い、優れた有機EL素子ディスプレイを構成することが
できる。
【0036】しかし、本発明の反射防止バリアフィルム
は、上述したようなディスプレイ用途に限定されるもの
ではなく、反射防止特性を付与するものとして、各種用
途に用いられる場合にも適用可能である。
【0037】
【実施例】つぎに、本発明の効果を確認すべく行った実
施例について説明する。
【0038】以下に示すようにしてサンプル1〜サンプ
ル12の反射防止バリアフィルムを作製し、これらの反
射防止バリアフィルムについて反射率を計算した。ここ
で作製した反射防止バリアフィルムは設計波長を550
nmに想定しており、また、その反射率は450nmか
ら650nmの範囲における平均反射率である。
【0039】なお、プラスチック基材と、有機膜の屈折
率を共に1.5とした。また、有機膜の膜厚は1μm
(1000nm)とした。
【0040】一方、無機膜の屈折率としては、高屈折率
として2.0、中間屈折率として1.62、低屈折率と
して1.46などの値を用いている。これは、例えばS
iN(屈折率2.0)、酸化アルミニウム(屈折率1.
62)、二酸化珪素(屈折率1.46)などを想定して
いる。
【0041】〈サンプル1〉プラスチック基材のみの場
合である。
【0042】〈サンプル2〉プラスチック基材上に、1
00nm厚の無機単層膜と、有機膜とを積層形成して反
射防止バリアフィルムを作製した。
【0043】〈サンプル3〉プラスチック基材上に、1
37nm(λ/2)厚の無機単層膜と、有機膜とを積層
形成して反射防止バリアフィルムを作製した。
【0044】〈サンプル4〉プラスチック基材上に、1
00nm厚の第1の無機単層膜と、有機膜と、100n
m厚の第2の無機単層膜を積層形成して反射防止バリア
フィルムを作製した。
【0045】〈サンプル5〉プラスチック基材上に、1
37nm(λ/2)厚の第1の無機単層膜と、有機膜
と、137nm(λ/2)厚の第2の無機単層膜を積層
形成して反射防止バリアフィルムを作製した。
【0046】〈サンプル6〉プラスチック基材上に、1
37nm(λ/2)厚の無機単層膜と、有機膜と、無機
複層膜とを積層形成して反射防止バリアフィルムを作製
した。
【0047】ここで、無機複層膜は、屈折率が2.0で
あり、厚さが100nmの第1の構成層と、屈折率が
1.46であり、厚さが75.6nmの第2の構成層と
からなる。
【0048】〈サンプル7〉プラスチック基材上に、1
37nm(λ/2)厚の無機単層膜と、有機膜と、無機
複層膜とを積層形成して反射防止バリアフィルムを作製
した。
【0049】ここで、無機複層膜は、屈折率が2.0で
あり、厚さが137nm(λ/2)の第1の構成層と、
屈折率が1.46であり、厚さが94.5nmの第2の
構成層とからなる。
【0050】〈サンプル8〉プラスチック基材上に、第
1の無機複層膜と、有機膜と、第2の無機複層膜とを積
層形成して反射防止バリアフィルムを作製した。
【0051】ここで、第1の無機複層膜は、屈折率が
1.62であり、厚さが84.9nm(λ/4)である
第1の構成層と、屈折率が2.0であり、厚さが137
nm(λ/2)の第2の構成層と、屈折率が1.62で
あり、厚さが84.90nm(λ/4)である第3の構
成層とからなる。また、第2の無機複層膜は、屈折率が
2.0であり、厚さが137nm(λ/2)の第1の構
成層と、屈折率が1.46であり、厚さが94.5nm
の第2の構成層とからなる。
【0052】〈サンプル9〉プラスチック基材上に、1
37nm(λ/2)厚の無機単層膜と、有機膜と、無機
複層膜とを積層形成して反射防止バリアフィルムを作製
した。
【0053】ここで、無機複層膜は、屈折率が2.0で
あり、厚さが34.4nmである第1の構成層と、屈折
率が1.46であり、厚さが19.9nmの第2の構成
層と、屈折率が2.0であり、厚さが85.7nmであ
る第3の構成層と、屈折率が1.46であり、厚さが9
6.6nmの第4の構成層とからなり、反射防止機能を
有する。
【0054】〈サンプル10〉プラスチック基材上に、
137nm(λ/2)厚の第1の無機単層膜と、第1の
有機膜と、137nm(λ/2)厚の第2の無機単層膜
と、第2の有機膜と、無機複層膜とを積層形成して反射
防止バリアフィルムを作製した。
【0055】ここで、無機複層膜は、屈折率が2.0で
あり、厚さが34.4nmである第1の構成層と、屈折
率が1.46であり、厚さが19.9nmの第2の構成
層と、屈折率が2.0であり、厚さが85.7nmであ
る第3の構成層と、屈折率が1.46であり、厚さが9
6.6nmの第4の構成層とからなり、反射防止機能を
有する。
【0056】〈サンプル11〉プラスチック基材上に、
第1の無機複層膜と、有機膜と、第2の無機複層膜とを
積層形成して反射防止バリアフィルムを作製した。
【0057】ここで、第1の無機複層膜は、屈折率が
1.62であり、厚さが84.9nm(λ/4)である
第1の構成層と、屈折率が2.0であり、厚さが137
nm(λ/2)の第2の構成層と、屈折率が1.62で
あり、厚さが84.90nm(λ/4)である第3の構
成層とからなる。
【0058】また、第2の無機複層膜は、屈折率が2.
0であり、厚さが25.6nmである第1の構成層と、
屈折率が1.46であり、厚さが24.4nmの第2の
構成層と、屈折率が2.0であり、厚さが73.4nm
である第3の構成層と、屈折率が1.46であり、厚さ
が91.3nmの第4の構成層とからなり、反射防止機
能を有する。
【0059】〈サンプル12〉プラスチック基材上に、
第1の無機複層膜と、第1の有機膜と、第2の無機複層
膜と、第2の有機膜と、第3の無機複層膜とを積層形成
して反射防止バリアフィルムを作製した。
【0060】ここで、第1及び第2の無機複層膜は、屈
折率が1.62であり、厚さが84.9nm(λ/4)
である第1の構成層と、屈折率が2.0であり、厚さが
137nm(λ/2)の第2の構成層と、屈折率が1.
62であり、厚さが84.90nm(λ/4)である第
3の構成層とからなる。
【0061】また、第3の無機複層膜は、屈折率が2.
0であり、厚さが25.6nmである第1の構成層と、
屈折率が1.46であり、厚さが24.4nmの第2の
構成層と、屈折率が2.0であり、厚さが73.4nm
である第3の構成層と、屈折率が1.46であり、厚さ
が91.3nmの第4の構成層とからなり、反射防止機
能を有する。
【0062】以上のようにして作製されたサンプル1〜
サンプル12の反射防止バリアフィルムについて、積層
構成と反射率の計算結果とを表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】サンプル1では、プラスチック基材のみの
場合である。この場合、反射率は4.0%となってい
る。
【0065】プラスチック基材上に無機単層膜と有機膜
とを形成したサンプル2では、反射率は8.7%と、サ
ンプル1に比べて大きくなっている。
【0066】しかし、サンプル2と同様の構成で、無機
単層膜の膜厚をλ/2相当にしたサンプル3では、反射
率は5.3%と、サンプル2に比べて小さくなってい
る。無機単層膜の厚みをλ/2相当にすることで、反射
を抑えることができることがわかる。
【0067】サンプル4とサンプル5は、サンプル2と
サンプル4の有機膜上にさらに無機単層膜を形成した場
合である。サンプル2とサンプル4とを比較すると、サ
ンプル4の反射率は15.0%であり、構成層数が増え
たことで、その分反射率も上がってしまっている。しか
し、サンプル4とサンプル5とを比較すると、無機単層
膜の厚みをλ/2相当にしたサンプル5では、反射率が
6.5%と小さく、無機単層膜の厚みをλ/2相当にす
ることで、反射を抑えることができることがわかる。
【0068】サンプル6及びサンプル7は、サンプル4
とサンプル5の無機単層膜を無機複層膜にした場合であ
る。サンプル4とサンプル6とを比較すると、反射率が
15.0%であったサンプル4に対して、サンプル6の
反射率は4.8であり、最上層に配される無機膜を複層
構成にすることで、反射を抑えることができることがわ
かる。さらに、サンプル6とサンプル7とを比較するこ
とで、無機複層膜の構成膜の厚みをλ/2相当にするこ
とで、さらに反射を抑えることができることがわかる。
【0069】サンプル8は、サンプル7のうち、プラス
チック基材と有機膜との間に配される無機膜を3層複層
構成にしたものである。ここで、この無機複層膜は、屈
折率が1.62の中間屈折率膜と、屈折率が2.0の高
屈折率膜と、屈折率が1.62の中間屈折率膜とが積層
されてなる。サンプル7とサンプル8とを比較すると、
サンプル8では反射率が1.9であり、プラスチック基
材と有機膜との間に配される無機膜を3層複層構成にす
ることで、反射を抑えることができることがわかる。
【0070】さらに、サンプル8の無機多層膜では、設
計波長λに対する光学的膜厚が、中間屈折率膜ではλ/
4程度、高屈折率膜ではλ/2程度、中間屈折率膜では
λ/4程度となされている。3層からなる無機多層膜の
各層の光学的膜厚を上述のように規定して組み合わせる
ことで、界面での反射を著しく抑えることができ、ワイ
ドバンドでの反射防止特性に優れたものとなることがわ
かる。
【0071】サンプル9では、最上層に配される無機膜
を反射防止機能(AR機能)を持つ複層膜構成とした。
最上層に配される無機膜が単層膜であるサンプル6の反
射率が15.0%であるのに対して、サンプル9では、
積層層数が多いにも関わらず、反射率は1.2%と非常
に低く押さえられている。従って、透明無機単層膜又は
透明無機多層膜に反射防止機能を持たせることで、積層
数の増加に伴う反射率の増加を抑制することができるこ
とがわかる。
【0072】サンプル10では、無機単層膜と有機膜と
の積層を2重にし、最上層に、反射防止機能を持つ無機
複層膜を配したものである。このサンプル10の反射率
は1.6%であり、積層層数が多くなっているにも関わ
らず、サンプル9とほとんど変わらない低い反射率が実
現されている。
【0073】また、最上層に4層構成の反射防止バリア
フィルムを配したものがサンプル11とサンプル12で
ある。サンプル11は有機膜と無機複層膜との組み合わ
せが1重のもので反射は0.3%、サンプル12は有機
膜と無機複層膜との組み合わせが2重のもので、反射率
は0.36%となっている。積層層数が多いにもかかわ
らず、いずれも十分に低い反射率であることがわかる。
【0074】
【発明の効果】本発明では、各構成膜の界面における反
射を抑えるように、各構成膜の膜厚や光学特性が組み合
わせることで、積層数が増加したとしても、各層界面で
の反射が小さく、良好な反射防止特性を有する反射防止
バリアフィルムを実現することができる。
【0075】そして本発明を適用した反射防止バリアフ
ィルムを用いた各種ディスプレイは、透過率の高い、優
れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る反射防止バリアフィルムの一構成
例を示す断面図である。
【図2】本発明に係る反射防止バリアフィルムの他の一
構成例を示す断面図である。
【図3】構成を変えた無機膜について、当該無機膜と有
機膜との界面における反射率を示した図である。
【図4】本発明に係る本発明に係る反射防止バリアフィ
ルムを有機ELディスプレイに適用した様子を示す断面
図である。
【符号の説明】
1,10 反射防止バリアフィルム、 2,11 透明
基材、 3,5 無機単層膜、 4,12 有機膜、
12,14 無機複層膜、 12a,12c,14a,
14c 中間屈折率膜、 12b,14b 高屈折率膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/1333 505 G02F 1/1335 1/1335 G02B 1/10 A Fターム(参考) 2H090 HB03X HD01 JB03 JD11 2H091 FA37X FB06 FD06 GA01 LA30 2K009 AA05 AA06 AA07 AA09 BB11 CC02 CC03 CC26 CC33 DD03 DD04 DD07 4F100 AA00B AA00D AA00E AA12 AA19 AA20 AA21 AK01A AK01C AK49 AK53 AT00A BA03 BA05 BA07 BA10A BA10B BA13 BA26 EH66 GB23 GB41 JA20B JA20D JA20E JM02B JM02C JM02D JM02E JN01A JN06 JN18B JN18D JN18E YY00B YY00D YY00E 4K029 AA11 AA25 BA03 BA17 BA35 BA44 BA46 BA48 BA58 BB02 BC07 EA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に、少なくとも1層以上の無
    機構成膜からなる無機膜と、有機膜とが交互に少なくと
    も1組以上積層形成されてなり、 当該無機膜と、当該有機膜とは、それらの界面における
    反射を抑えるように膜厚や光学特性が組み合わされてい
    ることを特徴とする反射防止バリアフィルム。
  2. 【請求項2】 上記無機膜は1層の無機構成膜からな
    り、当該無機膜の設計波長λに対する光学膜厚がλ/2
    であることを特徴とする請求項1記載の反射防止バリア
    フィルム。
  3. 【請求項3】 上記無機膜が3層以上の無機構成膜から
    なることを特徴とする請求項1記載の反射防止バリアフ
    ィルム。
  4. 【請求項4】 上記無機膜は、無機構成膜である第1の
    中間屈折率膜と高屈折率膜と第2の中間屈折率膜とがこ
    の順に積層されてなることを特徴とする請求項3記載の
    反射防止バリアフィルム。
  5. 【請求項5】 上記第1及び第2の中間屈折率膜の屈折
    率が、上記有機膜の屈折率より高く、上記高屈折率膜の
    屈折率よりも低いことを特徴とする請求項4記載の反射
    防止バリアフィルム。
  6. 【請求項6】 上記無機膜において、設計波長λに対す
    る上記第1及び第2の中間屈折率膜の光学膜厚がλ/4
    であり、上記高屈折率膜の光学膜厚がλ/2であること
    を特徴とする請求項4記載の反射防止バリアフィルム。
  7. 【請求項7】 最上層に上記無機膜が配されていること
    を特徴とする請求項1記載の反射防止バリアフィルム。
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