JP2002029255A - 車両用サンバイザ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両天井には、サンバイザ以外にも他の付属
品（アクセサリ）が備えられていることに着目し、それ
ら他の付属品との一体化によって、車両天井に対する組
付け工数を実質的に削減して組み付け性を改善すること
ができる車両用サンバイザを提供する。 【解決手段】 サンバイザ本体６を基礎として、棚２、
収納ケース３、ルームミラー４及びマップランプ５等の
複数のアクセサリを組付けることによって単一化（モジ
ュール化）された１つの部品としての、車両用サンバイ
ザ１（オーバーヘッドシェルフ一体型サンバイザ）を構
成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車両に
装備され、乗員を光線から保護するための車両用サンバ
イザに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の車両用サンバイザは、横長の略長
方形をなす平板形状のサンバイザ本体を有している。サ
ンバイザ本体は、アームの先端に設けられた取付ブラケ
ットを介してフロントウインドウガラス上端近くの車両
天井に取り付けられ、上下方向への回動によって、天井
面に沿う格納位置と、下方へ引き下げられた使用位置と
の間で変位可能とされ、またフロントドアガラス側へ水
平に回動することによってサイドバイザとして使用でき
るようになっている。また、サンバイザ本体は、フロン
トウインドウガラス側にあるときは、車両天井に取り付
けられるサポートフックによって自由端側を回動可能か
つ係脱可能に支持される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の車両用サンバイ
ザにおいては、上述したように、サンバイザ本体とサポ
ートフックとは、車両天井に対して個々にクリップやネ
ジ等の固定手段を用いて組み付ける構成であり、このた
め、組付け工数が多く、車両の外側から腕を差し込んで
組み付けるのは作業が困難であるといった問題がある。

【０００４】本発明は、上述した従来の問題点に鑑みて
なされたものであり、その目的とするところは、車両天
井には、サンバイザ以外にも他の付属品（アクセサリ）
が備えられていることに着目し、それら他の付属品との
一体化によって、車両天井に対する組付け工数を実質的
に削減して組み付け性を改善することができる車両用サ
ンバイザを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、本発明に係る車両用サンバイザは、特許請求の範囲
の各請求項に記載の通りの構成を備えた。すなわち、請
求項１に記載の発明は、棚にサンバイザ本体を組み付け
て一体化し、車両天井に対する組付け部品として単位化
（モジュール化）したものである。このことにより、車
両天井に対する組付けは、単位化された１つの部品を取
り付けるだけとなり、車両天井に対する付属品の組付け
工数を実質的に削減することができ、組み付け性が向上
する。なお、サンバイザ本体は棚に対して棚下面に沿う
格納位置と棚下方に引き下げられた使用位置との間で上
下回動可能に組み付けられているため、サンバイザとし
ての機能を維持することができる。

【０００６】この場合において、請求項２に記載したよ
うに、棚には、弾性撓みを利用して取り付けることが可
能な複数のクリップを一体に設けることがことが好まし
く、このような構成を採用したときは、車両用サンバイ
ザを車内に搬入し、車両天井に設けた取付穴に対してク
リップを位置決め後、差し込むことによって簡単に取り
付けることができる。

【０００７】また、請求項３に記載の発明によれば、棚
は、フロントウインドガラス上部近くの車両天井におい
て車幅方向に延在されており、その棚には運転席と助手
席に対応する２つのサンバイザ本体が組み付けられてい
る構成としたので、単位化された付属品の点数が増加さ
れる。このため、車両天井に組み付けられる付属品の組
付け工数をさらに削減することができる。

【０００８】また、請求項４に記載の発明によれば、棚
における車幅方向の中央部には、さらに他の付属品とし
ての収納ボックス及びルームミラーを備える構成とした
ことによって、単位化された付属品の点数がさらに増加
され、車両天井に組み付けられる付属品の組付け工数を
大幅に削減することができる。

【０００９】また、請求項５の発明によれば、サンバイ
ザ本体が、棚に水平回動可能に取り付けられ、サンバイ
ザ本体と棚側との間には、該サンバイザ本体を係脱可能
に支持する支持手段を備えたので、常にはサンバイザ本
体を棚側に安定状態で保持することができ、必要に応じ
てフロントドアガラス側へ回動することによってサイド
バイザとして使用することができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１は本実施の形態に係る車両用
サンバイザを示す斜視図である。図２はサンバイザ本体
の取付構造を示す縦断面図である。図３は図２のＩＩＩ
−ＩＩＩ線断面図であり、図４は図２のＩＶ−ＩＶ線断
面図である。

【００１１】図１に示すように、本実施の形態に係る車
両用サンバイザ１は、複数の付属品（以下、アクセサリ
ともいう）を組み付けによる一体化あるいは一体成形に
よって単位化された１つの部品を形成し、その部品に備
えられた取付手段としてのクリップによって車両天井に
取り付けるようにしたものである。上記部品は、アクセ
サリとしてのサンバイザ本体６、棚２、収納ケース３、
ルームミラー４及びマップランプ５から構成されてい
る。

【００１２】棚２は、略長方形の平板形状に形成された
硬質の樹脂成形品であり、車両天井１０の横幅に対応す
る左右長さ（幅）と、少なくともＡ４サイズのマップ等
を乗せ得る前後方向の長さ（奥行き）の平面広さを有し
ている。棚２の外周縁上面には、乗員と対向する手前側
を除いてフランジ部２ａが上向きに一体に形成され、ま
た長手方向中央部には、ケース取付部２ｂとミラーホル
ダー部２ｃが一体に形成されている。ケース取付部２ｂ
は、棚２の上下両面よりも上下方向に膨出するように中
空状に形成されており、上面側への膨出高さが前記フラ
ンジ部２ａの高さに整合されている。そして、フランジ
部２ａの上面及びケース取付部２ｂの上面には、車両天
井１０に形成された取付穴１１に対して弾性撓みを利用
して取り付けることが可能な複数のクリップ２１が備え
られている。

【００１３】クリップ２１は、図４に示すように、フラ
ンジ部２ａの上面及びケース取付部２ｂの上面に一体に
形成されており、取付穴１１に挿入されたときに、車両
天井１０の裏面に係止する係止爪２１ａを有し、この係
止爪２１ａと、フランジ部２ａ又はケース取付部２ｂに
よって車両天井１０を上下から挟着することによって棚
２を車両天井１０に固定する。固定後は、棚２の上面側
には、天井面との間に手前側のみが開放され、かつケー
ス取付部２ｂにて仕切られた左右の収納スペース１５が
形成される。なお、車両天井１０は、鉄板製のボデーパ
ネル１０ａと、そのボデーパネル１０ａの室内面側に配
置されるルーフライニング１０ｂとによって成立してい
る。

【００１４】ケース取付部２ｂの下面側には、開口が形
成され、その開口部に、例えばサングラスを収納可能な
収納ケース３が開閉可能に取り付けられており、この収
納ケース３は、開放時にサングラスが落下しない形状、
例えば図１に仮想線で示す如く、底板、前板、三角形の
側板とから略バケット状に形成されている。また、ミラ
ーホルダー部２ｃは、乗員からの視認性を確保するため
に、ケース取付部２ｂの奥側下面から垂下状に形成さ
れ、それにルームミラー４が取り付けられている。な
お、ルームミラー４は、図示を省略するが、向きを自由
に調整することが可能な支持構造を介して組み付けられ
る。

【００１５】上記のように、棚２の長手方向の中央部に
ケース取付部２ｂを設けることによって棚２の下面は左
右に仕切られており、左右の下面には、運転席用と助手
席用のサンバイザ本体６が組み付けられている。図２に
示すように、サンバイザ本体６は、例えばポリプロピレ
ン樹脂のビーズ発泡成形品によって形成されており、そ
の発泡成形時に上側の一端には略箱形の軸受ケース６１
が、上側の他端には略円筒形のサポートケース６４がそ
れぞれインサート成形される。なお、サンバイザ本体６
は表皮７によってその全体が被覆されている。

【００１６】軸受ケース６１内には略Ｕ字形の金属クリ
ップ６２（図３参照）が備えられるとともに、棒状のア
ーム６３の一端が回動可能に挿入されている。このアー
ム６３の他端部はＬ形に曲げられるとともに、棚２の隅
部に形成されたアーム取付ボス２ｅの筒穴内に下方から
挿入されかつ抜け止めされて水平回動可能に支持されて
いる。かくして、サンバイザ本体６は、アーム６３に対
する上下方向への回動によって、棚２の下面に沿う格納
位置と、下方へ引き下げられる使用位置との間で変位可
能とされ、またフロントドアガラス側（側方）へ水平に
回動することによってサイドバイザとして使用すること
ができる。図１の左側にはサンバイザ本体６の格納状態
を、右側には使用状態を示し、さらに右側には仮想線で
サイドバイザとしての使用状態を示してある。

【００１７】なお、金属クリップ６２を貫通するアーム
６３の外周面には平坦な切欠６３ａが設定されており、
サンバイザ本体６が格納位置へ回動されたときに、この
切欠６３ａが金属クリップ６２と係合することによって
サンバイザ本体６を格納位置に確実に保持するようにな
っている（図３仮想線参照）。

【００１８】また、略円筒形のサポートケース６４内に
は、係合子６５が軸方向（左右方向）に摺動可能に嵌合
されている。この係合子６５は、先端が球面状に形成さ
れるとともにサンバイザ本体６の側面から外側に突出さ
れていて、常に板バネ６６によって突出方向に付勢され
ている。そして、サンバイザ本体６が棚２側にあると
き、係合子６５はケース取付部２ｂの外側面に形成され
た凹部６７に係合することによって該サンバイザ本体６
を上下回動可能に支持する。すなわち、サンバイザ本体
６は棚２側にあるときは、両端支持によって安定した状
態での回動操作が可能とされている。なお、凹部６７と
それに係脱可能な係合子６５及びサポートケース６４等
によって本発明の支持手段が構成されている。

【００１９】また、図２に示すように、アーム取付ボス
２ｅの下方には、棚２から一体に延びるランプ取付部２
ｄが設定され、そのランプ取付部２ｄにマップランプ５
が組み付けられている。そして、ランプ取付部２ｄはア
ーム取付ボス２ｅとの間にアーム６３の水平回動を許容
するスリットＳを形成している。

【００２０】上述したように、本実施の形態は、サンバ
イザ本体６を基礎として、棚２、収納ケース３、ルーム
ミラー４及びマップランプ５等の複数のアクセサリを組
付けることによって単一化（モジュール化）された１つ
の部品としての、車両用サンバイザ１（オーバーヘッド
シェルフ一体型サンバイザ）を構成したものである。従
って、本実施の形態によれば、車両用サンバイザ１を車
内に搬入後、車両天井１０の取付穴１１に対してクリッ
プ２１を位置決め後、挿入するという作業を行うことに
よって、車両天井１０に対する取り付けを簡単に行うこ
とができる。すなわち、上述したような各アクセサリを
車両天井１０に個々に組み付ける場合に比べると、組付
け工数が大幅に削減されることになり、組み付け性を向
上することができる。また、上記のようにして車両天井
１０に組み付けられた車両用サンバイザ１によれば、単
位化されることによってデザイン上の自由度を得ること
ができ、例えばフロントウインドウガラス上部付近の車
両天井に調和のとれたすっきり感を持たせることが可能
となる。

【００２１】なお、本発明は図示の実施の形態に限定さ
れるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々
の変更が可能である。例えば、車両天井１０への取付手
段は、棚２に一体に設けられるクリップ２１に限るもの
ではなく、別体のクリップあるいはネジを用いてもよ
い。また、サンバイザ本体６の他端部を、棚２に対して
係脱可能に支持する支持手段は、従来と同様なフック式
に変更してもよく、その設定箇所についてもケース取付
部２ｂの側面に限らず、棚２の下面であってもよい。

【００２２】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
車両天井に対する組付け工数を実質的に削減して組み付
け性を改善することが可能な車両用サンバイザを提供す
ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施の形態に係る車両用サンバイザを示す斜
視図である。

【図２】サンバイザ本体の取付構造を示す縦断面図であ
る。

【図３】図２のＩＩＩ−ＩＩＩ線断面図である。

【図４】図２のＩＶ−ＩＶ線断面図である。

【符号の説明】

１ 車両用サンバイザ ２ 棚 ３ 収納ケース ４ ルームミラー ５ マップランプ ６ サンバイザ本体 １０ 車両天井 １１ 取付穴 ２１ クリップ

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両天井に取り付けられる車両用サンバ
   イザであって、棚と、その棚下面に組み付けられて該棚
   下面に沿う格納位置と棚下方に引き下げられた使用位置
   との間で上下回動可能とされたサンバイザ本体とを備え
   ていることを特徴とする車両用サンバイザ。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の車両用サンバイザであ
   って、前記棚には、天井に形成された取付穴に対して弾
   性撓みを利用して装着可能な複数のクリップが一体に備
   えられていることを特徴とする車両用サンバイザ。
3. 【請求項３】 請求項１又は２に記載の車両用サンバイ
   ザであって、前記棚は、フロントウインドガラス上部近
   くの車両天井において車幅方向に延在されており、その
   棚には運転席と助手席に対応する２つのサンバイザ本体
   が組み付けられていることを特徴とする車両用サンバイ
   ザ。
4. 【請求項４】 請求項３に記載の車両用サンバイザであ
   って、前記棚における車幅方向の中央部には、収納ボッ
   クス及びルームミラーが備えられていることを特徴とす
   る車両用サンバイザ。
5. 【請求項５】 請求項１〜４のいずれかに記載の車両用
   サンバイザであって、前記サンバイザ本体が、棚に水平
   回動可能に取り付けられ、サンバイザ本体と棚側との間
   には、該サンバイザ本体を係脱可能に支持する支持手段
   が備えられていることを特徴とする車両用サンバイザ。