JP2002028186A - 搭乗したままトイレ便器に座り替え可能な車椅子 - Google Patents

搭乗したままトイレ便器に座り替え可能な車椅子

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JP2002028186A
JP2002028186A JP2000212244A JP2000212244A JP2002028186A JP 2002028186 A JP2002028186 A JP 2002028186A JP 2000212244 A JP2000212244 A JP 2000212244A JP 2000212244 A JP2000212244 A JP 2000212244A JP 2002028186 A JP2002028186 A JP 2002028186A
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wheelchair
toilet
knee
occupant
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JP2000212244A
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Hideji Hanabusa
秀二 花房
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HAATSU SYSTEMS KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 歩行に不自由な車椅子搭乗者は、自分で車椅
子からトイレ便器に座り替えることができず、用便の度
に介助者の手助けを必要としていた。 【解決手段】 座面部3に搭乗者の臀部Maを載せるシ
ート座30と膝Mbを載せる膝レスト6とを設け、背凭
れ部4に座席フレーム11に対して背凭れ板40を上下
スライド自在に設け、シート座30は着座位置と後方退
避位置との間でスライド可能にし、膝レスト6はシート
座30の上面より上方の膝支持位置とトイレ便器Tの座
面より下方の退避位置との間で移動可能にし、膝レスト
6と背凭れ板40とをリフト装置7で上下動させ得るよ
うにするとともに、車椅子をトイレ便器T上に跨がせた
状態で、リフト装置7を操作することにより、車椅子搭
乗者を、シート座30と膝レスト6との間、及び膝レス
ト6とトイレ便器Tの座面との間でそれぞれ移し替え得
るようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本願発明は、歩行に不自由な
人が使用する車椅子に関し、さらに詳しくは座面部に搭
乗したままトイレ便器に座り替えができるようにした車
椅子に関するものである。
【0002】
【発明の背景及び従来の技術】歩行に不自由な人にとっ
て、車椅子は自分で移動するための重要な移動手段であ
るが、自分で車椅子に乗り降りできない患者は、車椅子
搭乗時に便意をもよおすと、介助者に声をかけて簡易便
器あるいはトイレ便器に座らせてもらい、そこで用便を
済ませた後、再度車椅子に乗せてもらっていた。
【0003】ところで、歩行できない患者にとっては、
介助者に用便の世話をしてもらうことは精神的な負担
(負い目)が非常に大きい。又、介助者にとっては、患
者の用便の世話に多大の時間を拘束されるとともに、患
者を車椅子と便器の間で抱きかかえて移し替えなければ
ならず、患者の用便のたびに多大の労力を必要としてい
た。このように、歩行に不自由な患者の用便処理につい
ては、患者自身及び介助者の双方に精神的及び物理的な
高負担を強いられているのが現状である。
【0004】近年、例えば特開平8−308878号公
報に示されるように、車椅子の座面部の下に便器を付設
して、車椅子に乗ったまま用便できるようにした便器付
き車椅子が提案されている。この公知の便器付き車椅子
では、座面部に用便用の大きな穴を形成し、その穴から
下方の便器内に用便し得るようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記公知
(特開平8−308878号公報)の便器付き車椅子で
は、次のような問題がある。即ち、この公知の車椅子で
は、座面部に用便用の大きな穴が常時開放されているの
で、搭乗者にとっては座り心地が非常に悪いという問題
がある。他方、介助者にとっては、便器内への***物を
その都度処理(便器の抜出し→***物の排除→便器の洗
浄→再セット)しなければならず、介助者の物理的(時
間的)及び精神的(汚物の処理)な負担が大きいという
問題がある。尚、便器内に***物が入ったままでは、そ
の臭気が周囲に発散するとともに、汚物の上方に座って
いるという不快感が生じる。
【0006】本願発明は、上記して事情に鑑み、歩行不
自由者が車椅子に乗って自分でトイレに行き、且つ自分
で車椅子からトイレ便器に座り替えて用便できるように
した車椅子、即ち、搭乗したままトイレ便器に座り替え
可能な車椅子を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願発明は、上記課題を
解決するための手段として次の構成を有している。尚、
本願発明は、添付図面に例示するように、座面部3と背
凭れ部4とを有する座席部1の左右に車輪2,2を設け
且つ洋式のトイレ便器T上を跨ぐことのできる車椅子を
対象にしている。又、本願の車椅子は、電動走行式のも
のでも、ハンドリムを手動で回転させる手動走行式のも
のでもよい。
【0008】そして、本願の車椅子は、その座面部3
に、搭乗者の臀部Maを載せるシート座30と該シート
座30の前縁より前側において膝Mbを載せる膝レスト
6とをそれぞれ設けている。又、背凭れ部4には、座席
フレーム11に対して背凭れ板40を上下スライド自在
に設けている。
【0009】シート座30は、座席フレーム11に対し
て着座位置と該着座位置を開放して臀部Maを下方に落
とし込み得る退避位置(着座位置の後方又は側方の退避
位置)との間でスライド可能に設置している。このシー
ト座30は、後述するように搭乗者をシート座から浮か
せた状態でスライドさせるが、このシート座30のスラ
イド操作は手動でも電動駆動装置によるものでもよい。
【0010】膝レスト6は、着座位置にあるシート座3
0の上面高さより上方の膝支持位置とトイレ便器Tの座
面高さより下方の退避位置との間で移動可能に設置して
いる。尚、この膝レスト6は、搭乗者の左右両膝を同時
に支持し得るようになっている。
【0011】膝レスト6と背凭れ板40とは、リフト装
置7でそれぞれ上下動させ得るようになっている。この
リフト装置7は、バッテリー電源で作動する電動式のも
のが採用され、アップ側動作及びダウン側動作をそれぞ
れリミッターで停止させるようになっている。尚、リフ
ト装置7は、膝レスト6と背凭れ板40とを若干の時間
差をもたせて作動させるようにしてもよい。
【0012】そして、本願の車椅子では、トイレ便器T
上に跨がせた状態でリフト装置7を操作することによ
り、車椅子搭乗者を、シート座30と膝レスト6との
間、及び膝レスト6とトイレ便器Tの座面との間でそれ
ぞれ移し替え得るようになっている。
【0013】即ち、車椅子搭乗者が用便したいときに
は、次のように操作する。 まず車椅子に乗ったままトイレまで移動し、そこで
車椅子をトイレ便器(洋式便器)T上に跨がせた位置で
停止させる。 次に、リフト装置7をアップ側に操作すると、膝レ
スト6及び背凭れ板40がそれぞれ上動して、搭乗者の
両膝と背中をそれぞれ膝レスト6と背凭れ板40で支持
して搭乗者の臀部Maをシート座30から浮かせる。こ
の状態では、両膝が膝レスト6に掛けられ、且つ背中の
大面積部分が背凭れ板40に圧接されることにより、さ
ほど力を入れずとも臀部Maがずり落ちることはない。
尚、このように、臀部Maをシート座30から浮かせた
状態で、臀部を被覆している衣類(ズボン、スカート、
パンツ等)を膝側にずらせるとその脱衣作業が比較的簡
単に行える。 次に、搭乗者の臀部を浮かせた状態で、シート座3
0を退避位置までスライドさせる。このように、シート
座30を退避位置(着座位置の後方又は側方)までスラ
イドさせた状態では、座面部3におけるトイレ便器Tの
座面が対応する部分は全面開放されている。 続いて、リフト装置7をダウン側に操作すると、膝
レスト6と背凭れ板40とが下動して、搭乗者の臀部M
aがトイレ便器Tの座面上に着座する。 そして、この状態(臀部Maをトイレ便器Tの座面
に着座させた状態)で用便を済ませ、その後、リフト装
置7をアップ側に操作する。すると、膝レスト6と背凭
れ板40とが上動して、搭乗者を一旦最上動位置まで持
ち上げる。このとき、搭乗者は両膝が膝レスト6で支持
され且つ背中が背凭れ板40に圧接していて、身体がず
り落ちることがない。又、この状態では、臀部Maがシ
ート座30の上面高さより高位置になる。尚、このと
き、ずらせた衣類を元に戻す。 次に、退避位置にあるシート座30を着座位置まで
スライドさせる。尚、シート座30のスライド操作は、
手動でも行えるが、電動の駆動装置を使用することもで
きる。 その後、リフト装置7をダウン側に操作して、膝レ
スト6及び背凭れ板40を通常位置(走行時の使用位
置)まで戻すと、搭乗者の臀部Maがシート座30上に
着座し、一連の用便操作が完了する。
【0014】このように、本願発明の車椅子では、搭乗
者が車椅子に乗ったまま自分で用便をすることができ、
用便時に介助者の補助が不要となる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1〜図10を参照して本願実施
形態の車椅子を説明する。この実施形態の車椅子は、図
1〜図3に示すように、座面部3と背凭れ部4とを有す
る座席部1の左右に一対の車輪2,2を設け且つ洋式の
トイレ便器T上を跨ぐことのできる構成となっている。
【0016】座席部1の座席フレーム11は、図4及び
図5に示すように背凭れ部4において左右の側面フレー
ム12,12と上面フレーム13と下面フレーム14と
で四角形の枠状に形成されている。
【0017】各車輪2,2は、左右の車輪フレーム2
1,21の各外側に取付けている。又、各車輪フレーム
21,21には前方に延びる延出部を設けており、その
延出部22の先端にそれぞれ補助輪23,23を取付け
ている。各車輪フレーム21,21間には、図2に示す
ように洋式のトイレ便器Tを跨ぐことができる間隔を有
している。
【0018】座面部3には、搭乗者が座るシート座30
と、左右のアームレスト5,5と、左右の膝Mbを支持
する膝レスト6,6とを設けている。
【0019】シート座30は、枠フレーム31の上面に
座面板33を取付けている。そして、このシート座30
は、座席フレーム11に対して前後にスライド可能に設
置されている。即ち、図4及び図5に示すように、座席
フレーム11の各側面フレーム12,12の下端寄り内
面に上下1組で前後に間隔をもった2箇所にガイドロー
ラ(前ガイドローラ34,34、後ガイドローラ35,
35)を取付ける一方、シート座30の左右各側辺フレ
ーム32,32(図5)をそれぞれ前後各一対のガイド
ローラ34,34、35,35で上下から挟んでいる。
そして、このシート座30は、座席フレーム11に対し
て、図1、図3、図4、図6及び図7に示す前方側の着
座位置と、図8〜図10に示す後方退避位置との間で前
後にスライドさせ得るようにしている。又、図8〜図1
0に示すように、シート座30を後方退避位置までスラ
イドさせると、着座位置の下方が障害物のない状態で大
きく開放され、その開放部を車椅子搭乗者の臀部Maが
上下に移動できるようになっている。尚、この実施形態
では、シート座30は搭乗者が手動で前後にスライドさ
せるようにしているが、電動式のスライド駆動装置を組
込んでスイッチ操作によりシート座30を前後にスライ
ドさせ得るようにしてもよい。又、この実施形態では、
シート座30のスライド位置を検出するシート座センサ
ー36を設けており、該シート座センサー36でシート
座30のスライド位置を検出して、後述のリフト装置7
(モータ71への通電)の危険側作動を禁止させる制御
をするようにしている。
【0020】左右の各アームレスト5,5は、それぞれ
前後に長い下辺棒51と略L形の上辺棒52と後辺棒5
3とを略台形状に組付けて形成している。そして、この
各アームレスト5,5は、座席フレーム11の左右各外
側に配置し、各アームレスト後側下端部を後述するフリ
ースライダー74に連続する各垂下片85,78の下端
部にそれぞれ軸(同一軸線上にある)55,55で枢着
するとともに、各アームレスト後側上端部を左右方向に
向く連結棒54で連結している。従って、この各アーム
レスト5,5は、その枢着部(各軸55,55)を中心
にして、アームレスト前側が上下に弧回動し得るように
なっている。又、このアームレスト5,5は、その各下
辺棒51,51と後述するネジスライダー73に連続す
る各スライド筒77,77間をそれぞれリンク片57,
57で連結することで、姿勢を維持させている。尚、こ
のアームレスト5,5は後述のリフト装置7で上下に揺
動又は上下にスライドせしめられるが、その動きについ
ては後で詳述する。
【0021】膝レスト6,6は、例えば直径が50〜6
0mm程度で長さが100〜120mm程度のロール状のも
のが採用されている。このロール状膝レスト6,6は、
各アームレスト5,5の各下辺棒51,51の前端部に
それぞれ内向き状態で取付けられている。この膝レスト
6,6は、図1、図3、図4、図6及び図7に示すよう
に着座位置(前側スライド位置)にあるシート座30の
前縁より前側に位置していて、該各膝レスト6,6がシ
ート座30の前縁より前側において上下に移動し得るよ
うになっている。
【0022】座席部1の背凭れ部4には、枠フレーム4
1の前面にクッション板42を取付けた背凭れ板40を
設けている。この背凭れ板40は、座席フレーム11に
対して上下にスライドし得る状態で設けられており、後
述するリフト装置7で上下にスライドせしめられる。
【0023】アームレスト5,5と背凭れ板40とは、
リフト装置7で上下動せしめられるが、このリフト装置
7は、次のように構成されている。即ち、このリフト装
置7は、図4及び図5に拡大図示するように、座席フレ
ーム11の上面フレーム13と下面フレーム14間にお
いて回転自在に支持されているリフトネジ72と、該リ
フトネジ72を回転せしめるモータ71と、リフトネジ
72に螺合されているネジスライダー74と、該ネジス
ライダー74の上側でリフトネジ72に自由状態で嵌合
されているフリースライダー76とを有している。
【0024】リフトネジ72は、座席フレーム11の左
右幅中央部に上下方向に向けて設置している。そして、
このリフトネジ72は、モータ71により正逆両方向に
回転せしめ得るようになっている。尚、このモータ71
の正逆各回転操作は、図示しない手元スイッチによって
行える。
【0025】図5に示すように、ネジスライダー74に
は、左右2つのスライド筒75,75が一体的に連結さ
れている。又、フリースライダー76にも、左右2つの
スライド筒77,77が一体的に連結されている。ネジ
スライダー74側の各スライド筒75,75とフリース
ライダー76側の各スライド筒77,77とは、座席フ
レーム11の左右各端部付近の上下同位置にある。
【0026】他方、座席フレーム11の上面フレーム1
3と下面フレーム14間の左右各端部付近には、リフト
ネジ72と平行に2本のガイド棒73,73が介設され
ている。そして、ネジスライダー74側の各スライド筒
75,75とフリースライダー76側の各スライド筒7
7,77とを、それぞれ各側のガイド棒73,73に上
下自由状態で嵌合させている。尚、以下の説明では、ネ
ジスライダー74とそれに連結されている各スライド筒
75,75とを下側昇降体Aといい、フリースライダー
76とそれに連結されている各スライド筒77,77と
を上側昇降体Bということがある。
【0027】ネジスライダー74側の各スライド筒7
5,75と、左右のアームレスト5,5の各下辺棒5
1,51とは、それぞれリンク片57,57で連結して
いる。即ち、各リンク片57,57の上端部とスライド
筒75,75とが軸58,58で枢支され、各リンク片
57,57の下端部とアームレスト5,5の各下辺棒5
1,51とが軸59,59で枢支されている。
【0028】他方、フリースライダー76側の各スライ
ド筒77,77には、背凭れ板40の枠フレーム41が
固定されていて、上側昇降体Bと背凭れ板40とが一体
的に上下動するようになっている。又、このフリースラ
イダー76側の各スライド筒77,77には、それぞれ
下方に向けて垂下片78,78が一体的に取付けられて
いる。この各垂下片78,78の各下端部と、アームレ
スト5,5の各下辺棒51,51の後端部とは、それぞ
れ軸55,55で枢着している。
【0029】下側昇降体Aと上側昇降体Bとは、係脱機
構8によって図3〜図6、及び図10に示すように離脱
させたり、図7〜図9に示すように連係させたりし得る
ようになっている。即ち、この係脱機構8は、図4及び
図5に拡大図示するように、上側昇降体Bの各垂下片7
8,78にキャッチャー81,81を取付け、下側昇降
体Aの各スライド筒75,75に各キャッチャー81,
81を係止させる突起状のキャッチポイント82,82
を設けるとともに、キャッチャー81,81を係止解除
する上下2つの係止解除バー(上側係止解除バー83,
下側係止解除バー85)を有して構成されている。上側
係止解除バー83はソレノイド84によって前後に揺動
せしめられる。又、このソレノイド84は上側昇降体B
に取付けた位置センサー86によって作動せしめられ
る。下側係止解除バー85は定位置で固定されている。
尚、この係脱機構8の機能は後述する車椅子使用方法の
中で説明する。
【0030】座席フレーム11の後面には、カバー15
が取付けられている。そして、このカバー15の後面部
には、シート座30を出没させる窓穴16が形成されて
おり、又カバー15の側面部には、両アームレスト5,
5の連結棒54を移動させる窓穴17が形成されてい
る。さらに、座席フレーム11の左右各側面フレーム1
2,12には、リンク片57,57の上部側の軸58,
58を上下動させる窓穴18(図1参照)が形成されて
いる。
【0031】この実施形態の車椅子は次のようにして使
用される。まず通常の走行は、図3の状態で行うが、こ
の図3の状態では、シート座30が前方側の着座位置に
あり、下側昇降体Aは中間高さに位置し、上側昇降体B
は下側昇降体Aの上方に所定高さだけ離間した位置にあ
る。又、この状態では、アームレスト5はほぼ水平姿勢
に維持されており、膝レスト6がシート座30より下方
に位置している。さらに、背凭れ板40は上下動範囲の
中間位置にある。又、係脱機構8のキャッチャー81
は、上側係止解除バー83に係止されていて非係合姿勢
にある。
【0032】そして、車椅子搭乗者Mが車椅子に乗った
まま用便したいときには、次のように操作する。 (1) まず車椅子に乗ったままトイレまで移動し、そこで
車椅子をトイレ便器(洋式便器)T上に跨がせた位置で
停止させる。 (2) 次に、手元スイッチを操作してリフト装置7をアッ
プ側に作動させる(モータ71によりリフトネジ72が
上方から見て右回転する)。尚、搭乗者Mは、手元スイ
ッチを操作した後、左右の手でそれぞれアームレスト5
の上辺棒52を握っておき、且つ両肘をそれぞれ上辺棒
52上に載せておくと、体重の一部をそこで支持させる
ことができる。このようにリフト装置7をアップ側に操
作すると、リフトネジ72に螺合されているネジスライ
ダー74が上動し、まず図6に示すように下側昇降体A
がその上方で待機している上側昇降体Bに衝合する。こ
のとき、リンク片57が持ち上げられることにより、ア
ームレスト5が軸55を中心にして上方に傾斜し、膝レ
スト6がシート座30より上方に位置する。この図6の
状態では、搭乗者Mの膝Mb(の下面)が膝レスト6で
シート座30の上面よりやや上方位置で支持されてお
り、且つ搭乗者Mの背中Mcは背凭れ板40に圧接状態
で接触している。 (3) リフト装置7のアップ側作動は継続しており、さら
にネジスライダー74(下側昇降体A)が上動して、図
7に示すように下側昇降体Aで上側昇降体Bを押し上げ
る。すると、アームレスト5(膝レスト6を含む)及び
背凭れ板40が同時に上動して、搭乗者Mの膝Mbが膝
レスト6で支持され且つ背中Mcが背凭れ板40に圧接
していることにより、搭乗者Mは自動的に持ち上げら
れ、臀部Maがシート座30から浮き上がる。そして、
位置センサー86が最上動位置(停止位置)を検出する
と、その検出信号によりモータ71を停止させる。又こ
のとき(図7の状態)、キャッチャー81が下側昇降体
Aのキャッチポイント82を保持しているとともに、ソ
レノイド84が作動して上側係止解除バー83を後側
(キャッチ解除側)に揺動させている。尚、この状態で
は、両膝Mbが膝レスト6に掛けられ、且つ背中Mcの
大面積部分が背凭れ板40に圧接されていることによ
り、さほど力を入れずとも臀部Maがずり落ちることは
ない。そして、臀部Maをシート座30から浮かせた状
態で、臀部を被覆している衣類(ズボン、スカート、パ
ンツ等)を膝側にずらせる。 (4) 次に、搭乗者の臀部を浮かせた状態(図7の状態)
で、シート座30を図8に示すように後方退避位置まで
スライドさせる。尚、この実施形態では、シート座30
を手動でスライドさせるようにしているが、電動式(例
えばガイドローラ34,35を駆動させる)にスライド
させるようにしてもよい。このように、シート座30を
後方退避位置までスライドさせると、座面部3における
トイレ便器Tの座面が対応する部分は全面開放される。
又、シート座30が後方退避位置にスライドしている状
態では、シート座センサー36がONになり、次のダウ
ン側動作が可能となる。 (5) 続いて、リフト装置7をダウン側に操作すると、モ
ータ71が逆回転してリフトネジ72を上方から見て左
回転させ、ネジスライダー74(下側昇降体A)を下動
させる。このとき、上側昇降体Bはキャッチャー81で
下側昇降体Aに保持されているので、図9に示すように
上下両昇降体A,Bが共に下動し、アームレスト5(膝
レスト6を含む)及び背凭れ板40が下動して、搭乗者
Mの臀部Maがトイレ便器Tの座面に着座する。又、こ
のとき、キャッチャー81が下側係止解除バー85に近
接し、係止解除動作の直前状態にある。尚、この図9の
状態では、アームレスト5はその前側が上向きに傾斜し
たままである。 (6) そして、続いてリフトネジ72がさらにダウン側に
回転(左回転)すると、図10に示すようにキャッチャ
ー81が下側係止解除バー85に衝合して係止解除さ
れ、上側昇降体Bが定位置のままで下側昇降体Aのみが
下動する。すると、アームレスト5(膝レスト6を含
む)が図9の傾斜状態から図10のほぼ水平姿勢まで変
位し(膝レスト6がトイレ便器Tの座面より下方に位置
する)、搭乗者Mを完全にトイレ便器T上に移乗させ
る。 (7) そして、図10の状態で用便を済ませ、その後、リ
フト装置7をアップ側に操作する(リフトネジ72が右
回転する)。すると、膝レスト6を含むアームレスト5
及び背凭れ板40が、図10の状態から、図9の状態を
経て図8の状態の最上動位置まで持ち上げられて、搭乗
者を一旦最上動位置まで持ち上げる。このとき、位置セ
ンサー86で上側昇降体Bの最上動位置を検出し、モー
タ71を停止させるとともに、ソレノイド84により上
側係止解除バー83を前方側の係止可能位置に揺動させ
る。尚、この状態では、臀部Maがシート座30の上面
高さより高位置になり、このとき、ずらせた衣類を元に
戻す。 (8) 次に、後方退避位置(図8)にあるシート座30を
図7に示す前方の着座位置までスライドさせる。尚、シ
ート座30が前方の着座位置までスライドすると、シー
ト座センサー36がOFFになって、モータ71に対し
てダウン側の回転動作を許容する。 (9) その後、リフト装置7をダウン側に操作すると、膝
レスト6を含むアームレスト5及び背凭れ板40が図3
に示す通常位置(走行時の使用位置)まで戻り、搭乗者
の臀部Maがシート座30上に着座して、一連の用便操
作が完了する。
【0033】このように、本願発明の車椅子では、搭乗
者が車椅子に乗ったまま自分で用便をすることができ、
用便時に介助者の補助が不要となる。
【0034】
【発明の効果】本願発明の車椅子は、上記したように、
車椅子搭乗者Mが用便をする場合には、搭乗者が乗った
ままで車椅子をトイレ便器Tに跨がせる位置まで移動さ
せ、その後、リフト装置7をアップ操作して搭乗者を膝
レスト6と背凭れ板40とで支持してシート座30から
上方に浮かせ、続いてシート座30を退避位置までスラ
イドさせ、その状態で衣類(ズボンやパンツ)をずら
せ、続いてリフト装置7をダウン操作することで、搭乗
者自身でトイレ便器T上に座ることができる。そして、
用便後に、リフト装置7を上記とは逆順序で作動させる
ことにより、搭乗者をトイレ便器上に座っている状態か
ら、通常の車椅子搭乗姿勢まで自動で変位させることが
できるようになっている。
【0035】従って、本願発明の搭乗したままトイレ便
器に座り替え可能な車椅子では、歩行に不自由な人でも
介助者の手を借りることなく、自分でトイレ便器まで移
動し、且つ自分で用便をし、さらに用便後に自分でトイ
レ便器Tの座面から車椅子の座面部3に座り替えること
ができるという車椅子使用者にとっては画期的な効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願実施形態の車椅子の側面図である。
【図2】図1の車椅子の正面図である。
【図3】図2のIII−III断面図である。
【図4】図3の要部拡大断面図である。
【図5】図4のV−V矢視図である。
【図6】図3からの状態変化図である。
【図7】図6からの状態変化図である。
【図8】図7からの状態変化図である。
【図9】図8からの状態変化図である。
【図10】図9からの状態変化図である。
【符号の説明】
1は座席部、2は車輪、3は座面部、4は背凭れ部、5
はアームレスト、6は膝レスト、7はリフト装置、11
は座席フレーム、30はシート座、40は背凭れ板、7
1はモータ、72はリフトネジ、Aは下側昇降体、Bは
上側昇降体、Tはトイレ便器、Mは搭乗者、Maは臀
部、Mbは膝、Mcは背中である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 座面部(3)と背凭れ部(4)とを有す
    る座席部(1)の左右に車輪(2,2)を設け且つ洋式
    のトイレ便器(T)上を跨ぐことのできる車椅子におい
    て、 座面部(3)には、搭乗者の臀部(Ma)を載せるシー
    ト座(30)と該シート座(30)の前縁より前側にお
    いて膝(Mb)を載せる膝レスト(6)とをそれぞれ設
    け、 背凭れ部(4)には、座席フレーム(11)に対して背
    凭れ板(40)を上下スライド自在に設け、 シート座(30)は、座席フレーム(11)に対して着
    座位置と該着座位置を開放して臀部(Ma)を下方に落
    とし込み得る退避位置との間でスライド可能にし、 膝レスト(6)は、着座位置にあるシート座(30)の
    上面高さより上方の膝支持位置とトイレ便器(T)の座
    面高さより下方の退避位置との間で移動可能にし、 膝レスト(6)と背凭れ板(40)とをリフト装置
    (7)でそれぞれ上下動させ得るようにするとともに、 車椅子をトイレ便器(T)上に跨がせた状態でリフト装
    置(7)を操作することにより、車椅子搭乗者を、シー
    ト座(30)と膝レスト(6)との間、及び膝レスト
    (6)とトイレ便器(T)の座面との間でそれぞれ移し
    替え得るようにした、 ことを特徴とする搭乗したままトイレ便器に座り替え可
    能な車椅子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011064279A (ja) * 2009-09-17 2011-03-31 Mitsuba Corp 電動車椅子
JP5624246B1 (ja) * 2014-04-25 2014-11-12 富永 一 摺動板付車椅子
CN114365918A (zh) * 2022-01-27 2022-04-19 西安建筑科技大学 一种户外风景园林的可滑动收缩多用环形靠背椅

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