JP2002025540A - 非水電解質二次電池および非水電解質二次電池用極板の製造方法 - Google Patents
非水電解質二次電池および非水電解質二次電池用極板の製造方法Info
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Abstract
抑制することで、サイクル特性に優れた非水電解質二次
電池を提供することを目的とする。 【解決手段】 非水電解質二次電池用極板の製造方法に
おいて、活物質及び結着剤を含む合剤をペースト化し導
電性の支持体に塗布し合剤層を設け、乾燥し極板を作製
する工程と、前記極板を平板で挟持し前記結着剤のガラ
ス転移点以上の温度で前記平板を加圧する工程を経るこ
ととする。
Description
池の、とくにその極板に用いる結着剤の結着力向上に関
するものである。
には炭素材料が用いられている。この炭素材料の特性と
して充放電時において炭素がリチウムイオンを吸蔵し活
物質粒子が膨張し、放電時にはリチウムイオンを放出す
ることで活物質粒子が収縮する。この充放電に伴う膨張
収縮により極板内に存在する電子伝導のネットワークが
切断され、電池容量や充放電レート特性が劣化するとい
う問題を有している。特に、充放電サイクルの繰り返し
に伴い極板の劣化が蓄積され、電池のサイクル寿命特性
を低下させる原因となっている。
伝導ネットワークが切断されていく原因としては、極板
を所定の合剤密度にまで圧延する工程において合剤層中
の結着剤が切断され、十分に結着力を発揮していないこ
とが原因と考えられる。従って、圧延工程を行わなけれ
ば上記問題を解決することができるが、極板体積当たり
の容量が低下し電池の高エネルギー密度化が達成できな
くなる。また、圧延後も強度な結着力を保持できるよう
に結着剤を過剰に投入する方法があるが、活物質粒子の
表面を過度に被覆することになり電池の充放電における
高レート特性を低下させることになる。
03500号公報では、極板の圧延を所定の温度におい
て行うことで結着剤の塑形変形を起こし圧延時の結着剤
の損傷を最小限にとどめ、これにより充放電サイクルに
伴う結着剤の劣化を防ぐ方法が提案されている。しか
し、この方法においても、黒鉛粒子のような滑り易い粒
子では、通常行われるロール圧延時に粒子の移動が大き
く結着剤の塑形変形だけでは対応できない。その結果、
結着力が不充分となり充放電における電子伝導ネットワ
ークの破壊が生じることになる。
解決するものであり、充放電のサイクルに伴う合剤中の
結着剤が劣化し電子ネットワークが破壊されることを抑
制し、電池のサイクル寿命特性を向上させることを目的
とするものである。
く、本発明の非水電解質二次電池用極板の製造方法は、
(1)活物質及び結着剤を含む合剤をペースト化し導電
性の支持体に塗布して合剤層を設けた後乾燥し極板を作
製する工程と、前記極板を平板で挟持し前記結着剤のガ
ラス転移点以上の温度に前記極板を加熱した後で前記平
板を加圧する工程を経ることとするもの、(2)活物質
及び結着剤を含む合剤をペースト化し導電性の支持体に
塗布して合剤層を設けた後乾燥し極板を作製する工程
と、前記極板を加圧成形する工程と、前記加圧成形後の
極板の合剤層に結着剤を溶解又は分散保持可能な溶媒を
含ませる工程と、前記溶媒を除去する工程を経ることと
するもの、(3)活物質及び結着剤を含む合剤をペース
ト化し導電性の支持体に塗布して合剤層を設けた後乾燥
し極板を作製する工程と、前記極板に結着剤を溶解又は
分散保持可能な溶媒を含ませる工程と、前記溶媒を含ん
だ極板を結着剤のガラス転移点以上の温度で加圧成形す
る工程とを経ることとするもの、(4)活物質及び結着
剤を含む合剤をペースト化し導電性の支持体に塗布して
合剤層を設けた後乾燥し極板を作製する工程と、前記極
板を加圧成形する工程と、前記加圧成形後の合剤層に結
着剤を再度含ませる工程を経ることとするもの、であ
る。
を平板で挟持しその平板を加圧することで、黒鉛のよう
な潤滑性の粒子であっても粒子の移動を最小限にするこ
とができる。また、使用する結着剤のガラス転移点以上
の温度で加圧することにより結着剤に柔軟性をもたせる
ことができる。これらにより、粒子と結着剤との接合を
強固に保持することが可能となる。
の合剤層に結着剤を溶解又は分散保持可能な溶媒を含ま
せることにより、溶媒が結着剤を溶解し、加圧圧延工程
で切断された粒子と結着剤とを再度接合し、投入した結
着剤の効果を最大限に発揮させることができる。
結着剤の柔軟性を持たせるために次の2つの工程を行う
ものである。1つは、結着剤を溶解又は分散保持可能な
溶媒を合剤層に含ませることで、結着剤に溶剤を含ませ
て柔軟な状態にするものである。もう1つは、使用する
結着剤のガラス転移点以上の温度で加圧成形を行うもの
である。これにより、結着剤の柔軟性を向上することに
より接合が切断されることなく加圧圧延後においても十
分な結着力を保持することができる。
を再度導入するものである。すなわち、合剤ペースト中
に混合する初期の結着剤は活物質を最低限つなげておけ
るだけの量だけにしておく。粒子と初期の結着剤との接
合は加圧成形により切断される。そこで、再度結着剤を
導入することで粒子と結着剤の接合を再生することがで
きる。このときには、粒子と結着剤の接合が充放電サイ
クルに耐えうる量の結着剤を含ませることが必要であ
る。加圧成形後に必要な結着剤を入れていることから、
結着剤の変形も行われないため、上記(1)〜(3)の
製造方法よりも強固な極板が得られる製造方法である。
また、結着剤を再度含ませる方法として、結着剤を溶媒
に溶解又は分散保持させた後、この溶媒を合剤層に含ま
せる方法がある。
製することにより、合剤の加圧成形後においても結着剤
の効力を保持し、充放電のサイクルに伴う結着剤の劣化
を最小限にとどめ、サイクル寿命特性の向上を図ること
ができる。
放電サイクルの経過に伴う合剤層の体積膨張率が0.0
5%/100サイクル以下としたものである。これによ
り、充放電のサイクルに伴う結着剤の劣化を最小限にと
どめることができ、結果として非水電解質二次電池のサ
イクル寿命特性を向上させることができる。
極の活物質として炭素材料を用いた極板の活物質密度が
1.3g/cm3以上でかつ充放電サイクルの経過に伴
う合剤層の体積膨張率が0.05%/100サイクル以
下としたものである。上記製造方法により、活物質を電
極に多く含んだ場合においても、充放電サイクルの経過
に伴う極板の体積変化を抑制し結着剤の劣化を最小限に
とどめることができる。
よる(002)面の面間隔が0.337nm以下の高結
晶性の黒鉛を用いると好ましい。
1の円筒型電池の縦断面図を参照しながら説明する。
ずれかにより作製する。結着剤としては、例えば、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレ
ン、ポリフッ化ビニリデン、スチレンブタジエンゴム、
テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロエチレン共重
合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロ
アルキルビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン−
クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テト
ラフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロ
エチレン、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレ
ン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重
合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合
体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロエチレン−テト
ラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パー
フルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレ
ン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体または前記
材料のNaイオン架橋体、エチレン−メタクリル酸共重
合体または前記材料のNaイオン架橋体、エチレン−ア
クリル酸メチル共重合体または前記材料のNaイオン架
橋体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体または前
記材料のNaイオン架橋体を挙げることがであきる。特
に好ましい材料はポリフッ化ビニリデンである。集電体
としては、銅やアルミニウム等が挙げられる。活物質と
して、特に好ましいのは、本発明の効果が顕著に現れる
炭素材料である。特にXRD測定による(002)面の
面間隔が0.337nm以下の高結晶性の黒鉛が望まし
い。また、この黒鉛を活物質の全質量に対して0.1〜
1の割合で含ませ、他の活物質粒子と混合して用いても
よい。
ることができる。正極活物質に導電剤、結着剤を混合
し、さらに溶媒を用いてスラリーを作製し集電体上に塗
布し、乾燥後圧延して作製する。
して複数回渦巻状に巻回して極板群4を形成し、電池ケ
ース1内に収容する。尚、正極板からは正極リード5が
引き出されて封口板2に、負極板からは負極リード6が
引き出されて電池ケース1の底部に接続されている。ま
た、極板群4の上下には絶縁リング7をそれぞれ設けて
いる。電解液を注入後、封口板2を用いて電池を封口し
円筒型電池を作製する。
明する。
た。黒鉛97重量%と結着剤のポリフッ化ビニリデン樹
脂3重量%を混合し、これらをカルボキシメチルセルロ
ースの1%水溶液に分散させてスラリーを作製し、銅箔
からなる負極集電体上に塗布し合剤層を設け、乾燥し
た。このように作製した負極板を平板で挟持し、ポリフ
ッ化ビニリデンのガラス転移点である120℃の温度下
においてプレスによる極板の加圧成形を行った。尚、黒
鉛はティムカル製の黒鉛SFG44(XRD測定による
(002)面の面間隔が0.337nm以下)を使用
し、これをターボミルによる粉砕と粒度調整を行うこと
で、比表面積が2.4m2/g、湿式レーザ粒度計によ
る粒径が15〜22μmの範囲内の黒鉛粉末サンプルを
用いた。なお、活物質密度については1.3g/cm3
以上となるように加圧成形を行った。
5重量%に対し、導電剤の炭素粉末10重量%と結着剤
のポリフッ化ビニリデン樹脂5重量%を混合し、これら
をカルボキシメチルセルロースの1%水溶液に分散させ
てスラリーを作製し、アルミニウム箔からなる正極集電
体上に塗布し、乾燥後、圧延して作製した。尚、コバル
ト酸リチウムは比表面積が0.4m2/gの材料を用い
た。
ートとエチルメチルカーボネートの体積比1:1の混合
溶媒にLiPF6を1.5モル/リットル溶解したもの
を使用した。
径18mm、高さ65mmの図1に示すような円筒型非
水電解質二次電池を構成した。
た。黒鉛97重量%と結着剤のポリフッ化ビニリデン樹
脂3重量%を混合し、これらをカルボキシメチルセルロ
ースの1%水溶液に分散させてスラリーを作製し、銅箔
からなる負極集電体上に塗布し合剤層を設け乾燥した。
このように作製した負極板を合剤層が一定の密度になる
ように加圧成形を行った。次に、ポリフッ化ビニリデン
樹脂を水溶液中に分散保持しうる界面活性剤を0.1重
量%投入した水溶液を極板の合剤層に含ませた後、極板
を乾燥させた。なお、水溶液中にポリフッ化ビニリデン
樹脂は含まれていない。
1と同様に円筒型非水電解質二次電池を構成した。
た。黒鉛97重量%と結着剤のポリフッ化ビニリデン樹
脂3重量%を混合し、これらをカルボキシメチルセルロ
ースの1%水溶液に分散させてスラリーを作製し、銅箔
からなる負極集電体上に塗布し合剤層を設け乾燥した。
次に、ポリフッ化ビニリデン樹脂を水溶液中に分散保持
しうる界面活性剤を0.1重量%投入した水溶液を極板
の合剤層に含ませた。なお、水溶液中にポリフッ化ビニ
リデンは含まれていない。その後、この極板を合剤層が
一定の密度になるように120℃の温度下において加圧
成形を行った。
1と同様に円筒型非水電解質二次電池を構成した。
た。黒鉛97重量%と結着剤のポリフッ化ビニリデン樹
脂1重量%を混合し、これらをカルボキシメチルセルロ
ースの1%水溶液に分散させてスラリーを作製し、銅箔
からなる負極集電体上に塗布し合剤層を設け乾燥した。
このように作製した負極板を合剤層が一定の密度になる
ように加圧成形を行った。次に、ポリフッ化ビニリデン
樹脂20重量%を含み、これを水溶液中に分散保持しう
る界面活性剤も0.1重量%含む水溶液を極板の合剤層
に含ませた。このとき黒鉛97重量%に対し、結着剤の
ポリフッ化ビニリデン樹脂が先にスラリーに混合したも
のと合わせて3重量%となるようにして合剤層へ水溶液
を含ませた。その後極板を乾燥した。
1と同様に円筒型非水電解質二次電池を構成した。
た。黒鉛97重量%と結着剤のポリフッ化ビニリデン樹
脂3重量%を混合し、これらをカルボキシメチルセルロ
ースの1%水溶液に分散させてスラリーを作製し、銅箔
からなる負極集電体上に塗布し合剤層を設け乾燥した。
このように作製した負極板を合剤が一定の密度になるよ
うに加圧成形を行った。
1と同様に円筒型非水電解質二次電池を構成した。
池について充放電サイクル試験を行った。電池電圧の上
限が4.2VのCVCC充電を行い最大制限電流を1A
とし、電流が100mAになった時点で充電終了とし
た。放電は1400mAの定電流で3.0Vになるまで
放電し、充放電切り替え時の休止時間は20分とした。
尚、充放電は20℃の恒温槽の中で行った。
したときの電池の放電容量が50%まで減少したときの
サイクル数を電池のサイクル寿命としてサイクル特性の
評価の指標とした。また、1サイクル目と100サイク
ル目において放電状態の電池を分解し、負極板の厚みを
計測し合剤の密度を計算した。(サイクルに伴う合剤の
密度変化率)=((100サイクル目の合剤密度)−
(1サイクル目の合剤密度))/(1サイクル目の合剤
密度)としてサイクルに伴う合剤の密度変化の指標とし
た。(表1)にこの結果を示す。
負極板の膨れが小さくサイクル特性がよくなっているこ
とが確認できる。これに対しこれに対し比較の電池は極
板の膨れが大きくこれに伴う合剤内の電子ネットワーク
が切断され、サイクル特性が低下したものと考えられ
る。
能な溶媒として水の例を示したが、この他にエタノール
などの有機溶媒であってもよい。
極板を作製することで、電池の充放電サイクルに伴う結
着剤の劣化を最小限にとどめ、合剤内の電子ネットワー
クを良好に保つことによりサイクル寿命特性に優れた非
水電解質二次電池が得られる。
二次電池の縦断面図
Claims (9)
- 【請求項1】 活物質及び結着剤を含む合剤をペースト
化し導電性の支持体に塗布して合剤層を設けた後、乾燥
し極板を作製する工程と、前記極板を平板で挟持し前記
結着剤のガラス転移点以上の温度に前記極板を加熱した
後で前記平板を加圧する工程を経ることを特徴とする非
水電解質二次電池用極板の製造方法。 - 【請求項2】 活物質及び結着剤を含む合剤をペースト
化し導電性の支持体に塗布して合剤層を設けた後、乾燥
し極板を作製する工程と、前記極板を加圧成形する工程
と、前記加圧成形後の極板の合剤層に結着剤を溶解又は
分散保持可能な溶媒を含ませる工程と、前記溶媒を除去
する工程を経ることを特徴とする非水電解質二次電池用
極板の製造方法。 - 【請求項3】 活物質及び結着剤を含む合剤をペースト
化し導電性の支持体に塗布して合剤層を設けた後、乾燥
し極板を作製する工程と、前記極板に結着剤を溶解又は
分散保持可能な溶媒を含ませる工程と、前記溶媒を含ん
だ極板を結着剤のガラス転移点以上の温度で加圧成形す
る工程とを経ることを特徴とする非水電解質二次電池用
極板の製造方法。 - 【請求項4】 活物質及び結着剤を含む合剤をペースト
化し導電性の支持体に塗布して合剤層を設けた後、乾燥
し極板を作製する工程と、前記極板を加圧成形する工程
と、前記加圧成形後の合剤層に結着剤を再度含ませる工
程を経ることを特徴とする非水電解質二次電池用極板の
製造方法。 - 【請求項5】 合剤層に結着剤を再度含ませる工程が、
結着剤を溶解又は分散保持した溶媒を合剤層に含ませる
ものであることを特徴とする請求項4に記載の非水電解
質二次電池用極板の製造方法。 - 【請求項6】 前記活物質がXRD測定による(00
2)面の面間隔が0.337nm以下の黒鉛である請求
項1〜5のいずれかに記載の非水電解質二次電池用極板
の製造方法。 - 【請求項7】 リチウムの吸蔵・放出が可能な正極と負
極を備えた非水電解質二次電池において、充放電サイク
ルの経過に伴う合剤層の体積膨張率が0.05%/10
0サイクル以下であることを特徴とする非水電解質二次
電池。 - 【請求項8】 リチウムの吸蔵・放出が可能な正極と負
極を備えた非水電解質二次電池において、前記負極の活
物質として炭素材料を用い、かつ合剤中の活物質密度が
1.3g/cm3以上でかつ充放電サイクルの経過に伴
う合剤層の体積膨張率が0.05%/100サイクル以
下であることを特徴とする非水電解質二次電池。 - 【請求項9】 前記炭素材料は、XRD測定による(0
02)面の面間隔が0.337nm以下の黒鉛である請
求項8記載の非水電解質二次電池。
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JP2000200666A JP4830180B2 (ja) | 2000-07-03 | 2000-07-03 | 非水電解質二次電池用極板の製造方法 |
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