JP2002025050A - 磁気記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体及びその製造方法

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JP2002025050A
JP2002025050A JP2000212935A JP2000212935A JP2002025050A JP 2002025050 A JP2002025050 A JP 2002025050A JP 2000212935 A JP2000212935 A JP 2000212935A JP 2000212935 A JP2000212935 A JP 2000212935A JP 2002025050 A JP2002025050 A JP 2002025050A
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Haruo Watanabe
春夫 渡辺
Hirofumi Kondo
洋文 近藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短波長記録において充分な出力が得られると
共にノイズを低減することができる磁気記録媒体及びそ
の製造方法を提供する。 【解決手段】 六方晶フェライトの結晶構造を有する非
磁性あるいは弱磁性の微粒子を含有する分散液を基材上
に塗布した膜を乾燥あるいは加熱処理して磁気記録層が
形成された磁気記録媒体を構成する。また、六方晶フェ
ライトの結晶構造を有する非磁性あるいは弱磁性の微粒
子を含有する分散液を基材上に塗布して塗布膜を形成
し、この塗布膜を乾燥あるいは加熱処理して磁気記録層
を形成することにより磁気記録媒体を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体及び
その製造方法に関し、特に高密度記録に適する新規な磁
気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】基材上に磁性層が形成された磁気記録媒
体を製造する方法としては、磁性粒子を塗料に分散させ
た磁性塗料を基材上に塗布乾燥して作製する方法、ある
いは磁性層を蒸着法やスパッタリング法等に代表される
物理的蒸気析出方法により作製する方法が行われてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の磁性塗料を塗布
乾燥する方法では、強い磁性を有する粒子を塗布乾燥し
基材に被着させることにより磁性層を形成している。し
かし、この場合、塗料中の磁性粒子の磁気的な相互作用
により凝集するため、磁性粒子が個々に孤立して磁性層
を形成することが困難になる。このため、短波長の記録
を行おうとすると充分な出力を得ることができず、また
高いノイズレベルを生ずる。
【0004】一方、物理的蒸気析出方法により作製する
方法では、真空ならびに特定の気体により制御された低
気圧雰囲気下で基材に磁性層を形成している。このた
め、設備コストが大きくなる。
【0005】また、形成される磁性層は、化学的に高エ
ネルギー状態にあり、かつ極めて薄く形成されるため、
磁気ヘッドと摺動させると破壊されやすい。そのため、
表面の潤滑性を与えて磨耗破壊を防止する目的で、無視
できない厚さの保護膜を形成することが必要とされる。
このため、短波長の記録を行おうとすると、この保護層
によりスペーシングロスを生じて、充分な入出力がとれ
なくなる。
【0006】上述した問題の解決のために、本発明にお
いては、短波長記録において充分な出力が得られると共
にノイズを低減することができる磁気記録媒体及びその
製造方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録媒体
は、六方晶フェライトの結晶構造を有する非磁性あるい
は弱磁性の微粒子を含有する分散液を基材上に塗布した
膜を乾燥あるいは加熱処理して磁気記録層が形成されて
成るものである。
【0008】本発明の磁気記録媒体の製造方法は、六方
晶フェライトの結晶構造を有する非磁性あるいは弱磁性
の微粒子を分散する分散液を基材上に塗布して塗布膜を
形成し、この塗布膜を乾燥あるいは加熱処理して磁気記
録層を形成するものである。
【0009】上述の本発明の磁気記録媒体によれば、六
方晶フェライトの結晶構造を有する非磁性あるいは弱磁
性の微粒子を含有する分散液を基材上に塗布した膜は、
微粒子が非磁性あるいは弱磁性であるため、微粒子の磁
気的な相互作用が抑制されている。また、この膜を乾燥
あるいは加熱処理して磁気記録層が形成されていること
により、乾燥あるいは加熱処理により磁化が発現して、
微粒子が非磁性あるいは弱磁性の状態から、記録磁化を
担持できる程度の磁化を有する状態となっている。
【0010】上述の本発明製法によれば、六方晶フェラ
イトの結晶構造を有する非磁性あるいは弱磁性の微粒子
を含有する分散液を基材上に塗布して塗布膜を形成する
ことにより、微粒子が非磁性あるいは弱磁性であるた
め、磁気記録層の形成時の微粒子の磁気的な相互作用を
抑制することができる。また、塗布膜を乾燥あるいは加
熱処理して磁気記録層を形成することにより、磁化が発
現して、微粒子を非磁性あるいは弱磁性の状態から記録
磁化を担持できる程度の磁化を有する状態へ変化させる
ことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、六方晶フェライトの結
晶構造を有する非磁性あるいは弱磁性の微粒子を含有す
る分散液を基材上に塗布した膜を乾燥あるいは加熱処理
して磁気記録層が形成されて成る磁気記録媒体である。
【0012】また本発明は、上記磁気記録媒体におい
て、微粒子の平均粒径が200nm以下である構成とす
る。
【0013】また本発明は、上記磁気記録媒体におい
て、微粒子の平均磁化が10emu/g以下である構成
とする。
【0014】本発明は、六方晶フェライトの結晶構造を
有する非磁性あるいは弱磁性の微粒子を分散する分散液
を基材上に塗布して塗布膜を形成し、塗布膜を乾燥ある
いは加熱処理して磁気記録層を形成する磁気記録媒体の
製造方法である。
【0015】また本発明は、上記磁気記録媒体の製造方
法において、微粒子の平均粒径を200nm以下とす
る。
【0016】また本発明は、上記磁気記録媒体の製造方
法において、微粒子の平均磁化を10emu/g以下と
する。
【0017】本発明では、基材上に磁気記録層を形成し
た磁気記録媒体において、特に非磁性あるいは弱磁性の
微粒子(前駆体)を用いて、この微粒子(前駆体)を分
散させた分散液を基材上に塗布して塗布膜を形成し、こ
の塗布膜を乾燥あるいは加熱して磁気記録層を形成す
る。
【0018】六方晶フェライトの結晶構造を有し、非磁
性あるいは弱磁性の微粒子(前駆体)を分散させた分散
液を基材上に塗布して塗布膜を形成することにより、微
粒子(前駆体)が非磁性あるいは弱磁性であるため、微
粒子の磁気的な相互作用はほとんどなく、塗布膜の形成
時におけるこの相互作用を抑制することができる。
【0019】そして、塗布膜を形成した後に、乾燥ある
いは加熱することにより、微粒子(前駆体)に対して磁
性を発現させて、充分な磁化を有する磁性粒子とするこ
とができるものである。
【0020】前駆体となる微粒子は、六方晶フェライト
の結晶構造を有し、かつ非磁性あるいは弱磁性の微粒子
とする。また、上述のような乾燥あるいは加熱する処理
により、非磁性あるいは磁性の低い状態から記録磁化を
担持できる程度の磁化を有する状態になる必要がある。
【0021】この前駆体の微粒子に用いられる六方晶フ
ェライトとしては、バリウムフェライト、ストロンチウ
ムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライトの
各置換体が挙げられる。より具体的には、マグネトプラ
ンバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフ
ェライト、スピネルで粒子表面を被覆したマグネトプラ
ンバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフ
ェライト、さらに一部スピネル相を含有したマグネトプ
ランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウム
フェライト等が挙げられる。また、W型六方晶フェライ
トを用いることも可能である。その他所定の原子以外に
も、Al,Si,S,Sc,Ti,V,Cr,Cu,
Y,Mo,Rh,Pd,Ag,Sn,Sb,Te,B
a,Ta,W,Re,Au,Hg,Pb,Bi,La,
Ce,Pr,Nd,P,Co,Mn,Zn,Ni,S
r,B,Ge,Nb等の原子を含んでもよい。一般的に
は、Co−Zn,Co−Ti,Co−Ti−Zr,Co
−Ti−Zn,Ni−Ti−Zn,Nb−Zn−Co,
Sb−Zn−Co,Nb−Zn等の元素を添加したもの
を使用することができる。
【0022】この前駆体の微粒子は、磁化を発現させる
ために乾燥あるいは加熱を行う処理までは、非磁性ある
いは低い磁性を有する状態である必要がある。これによ
り、粒子間の磁気的相互作用による、粒子間の連結や凝
集を最小限に抑えることができる。そのために、前駆体
の微粒子の平均磁化は、反磁性の負の値をとることも含
め低い必要があり、好ましくは10emu/g以下、よ
り好ましくは5emu/g以下とする。
【0023】ここで六方晶フェライトの結晶構造を有す
る前駆体の微粒子を作製する方法としては、例えば以下
の3つの方法が挙げられる。 1)酸化バリウム、酸化鉄等の金属酸化物、並びにガラ
ス形成物質として酸化ホウ素等を、所望のフェライト組
成になるように混合した後溶融し、急冷して非晶質体と
し、続いて制御された加熱処理をした後、ガラスを溶解
洗浄して前駆体粒子を得るガラス結晶化法 2)バリウムフェライト組成の金属塩溶液をアルカリで
中和し、副生成物を除去した後、制御された液相加熱を
行って、洗浄して前駆体粒子を得る水熱反応法 3)バリウムフェライト組成の金属塩溶液をアルカリで
中和し、副生成物を除去し、必要に応じて制御された熱
処理を行い、前駆体粒子を得る共沈法 このいずれの方法によっても、六方晶フェライトの結晶
構造を有し、非磁性あるいは弱磁性の微粒子を作製する
ことができる。
【0024】さらに、前駆体の微粒子は、液体(分散
媒)に分散され、この分散液を基材上に塗布して磁気記
録層となる塗布膜を形成する。このときに用いる分散媒
は、水であってもよいし、無機あるいは有機の非水溶媒
であってもよい。非水溶媒としては、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチル
ケトン、シクロヘキサノン、等のケトン系溶剤、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプ
ロパノール等のアルコール系溶剤、酢酸メチル、酢酸エ
チル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、ベンゼン、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤等が挙げられ
る。
【0025】さらに、前駆体の微粒子の分散媒への分散
性と懸濁安定性を達成するために、分散剤を添加するこ
とができる。この分散剤としては、サポニン等の天然界
面活性剤、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グ
リシドール系等のノニオン系界面活性剤、ピリジンその
他複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類等のカ
チオン系界面活性剤、カルボン酸、スルホン酸、燐酸、
硫酸エステル基、燐酸エステル基等の酸性基を有するア
ニオン系界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸
類、アミノアルコールの硫酸または燐酸エステル等の両
性界面活性剤等が挙げられる。さらに、他の分散剤とし
ては、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エラ
イジン酸、リノール酸、リノレン酸等の炭素原子数8〜
18の脂肪酸、これら脂肪酸のアルカリ金属塩、あるい
はアルカリ土類金属塩、あるいは炭素原子数12以上の
アルコールならびにその硫酸エステル等が挙げられる。
【0026】また、分散液が塗布される磁気記録媒体の
基材の材料としては、有機高分子材料例えば樹脂フィル
ム、ガラス、セラミックス、金属、合金、あるいはそれ
らの複合材料を用いることができる。
【0027】次に、前駆体の分散液を塗布して形成され
た塗布膜に対して、前駆体の微粒子に磁化を発現させる
ために乾燥あるいは加熱を行う処理を施して磁気記録層
が完成される。この乾燥あるいは加熱を行う処理によ
り、塗布膜を形成するための分散液の溶媒の除去と、前
駆体に磁性を発現させるあるいは磁性を増大させる処理
とを兼ねることができる。
【0028】前駆体から磁性粒子になる際には、微粒子
の磁化は変化するが、結晶構造は六方晶フェライトの構
造が維持される。即ち磁気記録層を構成する磁性粒子
は、六方晶フェライトを主体とした金属酸化物となる。
【0029】加熱処理を単純な加熱処理で行うには、あ
る程度の耐熱性のある材料を基材に用いる必要がある。
一方、放射性のエネルギー、例えば光や粒子線等を用い
た加熱を利用すれば、基材の耐熱性の必要性が低くな
る。この場合、表面付近のみを加熱することも可能であ
る。
【0030】加熱処理における雰囲気は、還元性でも酸
化性でも適宜選択することができる。ただし、還元性の
前駆体に対して酸化により磁性を発現あるいは増大させ
る場合には、酸化性雰囲気が好ましい。また、分散液が
有機溶媒である場合、あるいは有機性分散剤を用いる場
合は、酸化性雰囲気を用いることが好ましい。酸化性雰
囲気としては、空気あるいは酸素混合気体、酸化窒素等
がある。還元性雰囲気としては、窒素、アルゴン、ヘリ
ウム等のいわゆる不活性ガス、さらに、水素、炭化水素
系気体ならびに、これらと上述の不活性ガスの混合気体
が使用可能である。
【0031】このように、非磁性あるいは弱磁性の微粒
子(前駆体)を塗布して塗布膜を形成してから、磁化を
発現させる処理を行って磁気記録層を形成しているた
め、塗布膜の形成時における微粒子間の磁気的な相互作
用が少なくなり、磁気記録層に形成される磁性粒子個々
の孤立した磁化の発現が助長されることになる。従っ
て、短波長記録が可能になり、ノイズの低減も可能とな
る。
【0032】ところで、短波長記録を達成するために
は、磁気記録層を構成する磁性粒子が微細な粒子である
ことが必要である。通常、磁性粒子の微細化があるレベ
ル以下になると、これに伴い超常磁性を示し、磁化の低
下と不安定性が顕在化する。このために、磁性粒子の構
成材料には、結晶磁気異方性エネルギーの高いものが求
められる。
【0033】また、磁気記録媒体の磁気記録層が磁気ヘ
ッドの摺動により変質や破壊されにくくするために、化
学的に安定であると共に化学的にエネルギーの低い材料
が求められる。
【0034】結晶磁気異方性エネルギーの高い材料は、
金属あるいは合金に多いが、金属あるいは合金は化学的
に高エネルギー状態にあるため、磁気ヘッドとの摺動に
より磁気記録層が化学的に変質しやすくなり、これに伴
い磁気的な性質が変化して記録が破壊されることにな
る。そこで、本発明では、六方晶フェライトを主体とし
た金属酸化物により記録磁性層の磁性粒子を構成するよ
うにしている。
【0035】磁性粒子の粒径は、磁性粒子の磁性に超常
磁性を強く発現させない程度の大きさ以上である必要が
ある。また、磁性粒子の形状は、2次元あるいは3次元
の充填密度を向上させるために、球形あるいはそれに近
似した形状であることが望ましい。
【0036】即ち充填密度及びノイズ特性を向上させる
ために、磁性粒子は粒径が揃った、いわゆる単分散粒子
であること、あるいは単分散粒子に準ずる粒径の分布の
小さいことが望まれる。
【0037】特にトラック密度を上げるために磁気抵抗
効果型ヘッド(MRヘッド)で再生する場合、低ノイズ
にする必要があり、磁性粒子の平均粒径は200nm以
下が好ましい。磁性粒子の平均粒径が200nmを超え
ると、ノイズが高くなり、高密度記録には向かない。
【0038】尚、平均粒径が小さいほどノイズの低減に
は有効であるが、平均粒径を5nm以下とすると、熱揺
らぎのため磁化が不安定になる傾向が発現しやすくな
る。
【0039】上述の点を考慮して、磁性粒子の平均粒径
を200nm以下、好ましくは5nm〜200nm、さ
らに好ましくは10nm〜100nmとする。
【0040】ノイズを低下させるには、さらに磁性粒子
の粒径の分布の幅を狭くすることが望まれる。そのため
には、粒子生成反応系、本発明では前駆体の生成反応系
をできるだけ均一にすると共に、生成した粒子に分布改
良処理を施すことも有効である。例えば酸溶液中で超微
細粒子を選別的に溶解する方法も有効である。
【0041】この場合の磁性粒子の粒径の分布は、有効
な粒子の粒径の平均値を100%に設定した場合、プラ
スマイナス30%以内に粒子数の比で50%以上、より
好ましくは60%以上分布していることが望まれる。
尚、ここにおいて、磁性粒子の粒径は1粒子の体積を真
球に換算したものであり、また磁性粒子の形状は旧来の
いわゆる針状の粒子ではなく非等方性のパラメーターで
ある針状比が3以下のもの、より好ましくは2以下のも
のである。
【0042】また、この粒径の分布は、単一ピーク型の
分布であり、いわゆる正規分布に類似し、正規分布に準
ずることが望まれる。
【0043】そして、前駆体の粒子の粒径は、最終的に
形成される磁性粒子の粒径を考慮して設定する必要があ
る。また、前駆体の粒径の分布も上述の磁性粒子の粒径
の分布に準ずることが要請される。即ち、前駆体の微粒
子の平均粒径を200nm以下、好ましくは5nm〜2
00nm、さらに好ましくは10nm〜100nmとす
る。また、前駆体の粒径の分布は、有効な粒子の粒径の
平均値を100%に設定した場合、プラスマイナス30
%以内に粒子数の比で50%以上、より好ましくは60
%以上分布しているようにする。
【0044】また、磁気記録層の磁気特性は、好ましく
は抗磁力Hc500〜5000Oeの範囲内とする。よ
り好ましくは磁性粒子の抗磁力Hcを1800〜350
0Oeの範囲内とする。この抗磁力Hcが高いほど高密
度記録に有利である。
【0045】尚、ハードディスクドライブに適用した場
合のように、特にトラック密度を上げるためにMRヘッ
ドで再生する場合には、磁気ヘッドの能力により抗磁力
Hcが制限されるため、磁性粒子の抗磁力Hcは170
0〜4000Oeの範囲内とする。
【0046】この磁気記録層の抗磁力Hcは、磁性粒子
の粒径即ち前駆体の粒径、含有元素の種類とその量、元
素の置換サイト、粒子生成の反応条件等により制御する
ことができる。
【0047】また、磁気記録層の飽和磁化量σsは40
〜80emu/gの範囲内とすることが望ましい。この
飽和磁化量σsは高い方が好ましいが、微粒子になるほ
ど小さくなる傾向がある。飽和磁化量σsを向上させる
ためには、前駆体においてマグネトプランバイトフェラ
イトにスピネルフェライトを複合したり、含有元素の種
類やその添加量の最適化を行ったりすればよい。
【0048】(実施例)ここで、実際に本発明に係わる
磁気記録媒体として実際に試料を作製し、その評価を行
った。
【0049】(磁気記録媒体の作製)充分に脱酸素を行
った純水750重量部に、20重量部の硝酸カリウムと
10重量部の水酸化カリウムを溶解し、この溶液に室温
で純窒素をバブルして酸素の混入を防いだ。次に、この
溶液に、25重量部の塩化第一鉄4水和物を溶解し、約
30分間バブルを継続した。さらに、この溶液に対し
て、充分に脱酸素した純水120重量部に硝酸バリウム
80重量部を溶解した水溶液を加え、約30分間バブル
を継続した。
【0050】こうして得られた溶液に、オレイン酸10
重量部を加えて溶解し、約90℃で一昼夜保持した。そ
の後、この溶液を遠心分離器にかけ、析出物を補集し
た。この補集した析出物をpH2の希硝酸に再分散させ
て、遠心分離器で補集する洗浄操作を2回行った。さら
に、最終的に純水で同様の洗浄操作を2回行った。
【0051】このとき得られた析出物を乾燥して得られ
たものについて、平均磁化を測定したところ、1.8e
mu/gであった。このようにして前駆体を得た。この
場合は、前述した共沈法を用いて前駆体の微粒子を作製
している。
【0052】前駆体の微粒子をTEM(透過型電子顕微
鏡)で観察・撮影して平均粒径と粒子径の分布を測定し
た。その結果、前駆体の平均粒径は90nmであり、粒
子径の分布は、平均粒径のプラスマイナス30%以内の
サイズに粒子数の85%がおさまっていた。
【0053】この析出物の水分散系100重量部にオレ
イン酸10重量部を加え、超音波で均一安定分散系とな
った分散液を作製した。
【0054】次に、この分散液を、ハードディスクガラ
ス基板の上にスピンナーで塗布して乾燥し、さらに60
0℃で空気の酸化雰囲気下で2時間熱処理を行った。こ
れにより、六方晶フェライト粒子に充分な磁性を発現さ
せることができる。このようにして磁気ディスク(ハー
ドディスク)を作製した。
【0055】作製された磁気ディスクの磁気記録層を構
成する磁性粒子の磁気特性を測定したところ、磁気成分
換算で飽和磁化量58emu/g、抗磁力2800Oe
であった。
【0056】これにより、前述した飽和磁化量40〜8
0emu/g及び抗磁力1800〜3500Oeの範囲
内であり、良好な磁気特性を有していることがわかる。
即ち短波長記録が可能になり、ノイズの低減が可能とな
る。
【0057】上述の実施例では、ガラス基板上に磁気記
録層を形成したハードディスクに適用した例であった
が、その他の磁気記録媒体においても、本発明を適用す
ることができる。
【0058】例えば樹脂フィルム上に磁気記録層を形成
した磁気テープにも本発明を適用して、前駆体の分散液
を塗布した後に乾燥或いは低温熱処理等を行うことによ
り、六方晶フェライトに充分な磁性を発現させて、ノイ
ズが少なく、磁気特性が良好な磁気テープを作製するこ
とができる。
【0059】本発明は、上述の実施の形態に限定される
ものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲でその他
様々な構成が取り得る。
【0060】
【発明の効果】上述の本発明によれば、六方晶フェライ
トの結晶構造を有し、非磁性あるいは磁性が弱く、磁気
的な相互作用の小さな前駆体の分散液を基材に塗布した
後に、前駆体の磁性を発現させる処理を施して磁気記録
層を形成することにより、磁性粒子が個々に孤立して磁
化されて磁気記録層が構成される。
【0061】また、形成される磁性粒子の化学的エネル
ギーが低くなるため、磁気ヘッドの摺動によって化学的
に変質しにくい。このため、磁気記録層を覆って厚い保
護層を設ける必要がなく、保護層によるスペーシングロ
スの発生が回避される。
【0062】従って、本発明により、短波長記録におい
ても充分な出力が得られ磁気記録媒体に短波長記録を行
うことが可能になると共に、ノイズの低減が可能とな
る。
【0063】また、磁気記録層を形成する際に、雰囲気
を真空や低気圧に制御する必要がなく、高価な設備を設
けなくとも良好な磁気特性の磁気記録媒体を製造するこ
とができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 六方晶フェライトの結晶構造を有する非
    磁性あるいは弱磁性の微粒子を含有する分散液を基材上
    に塗布した膜を乾燥あるいは加熱処理して磁気記録層が
    形成されて成ることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記微粒子の平均粒径が200nm以下
    であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 上記微粒子の平均磁化が10emu/g
    以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録
    媒体。
  4. 【請求項4】 六方晶フェライトの結晶構造を有する非
    磁性あるいは弱磁性の微粒子を分散する分散液を基材上
    に塗布して塗布膜を形成し、上記塗布膜を乾燥あるいは
    加熱処理して磁気記録層を形成することを特徴とする磁
    気記録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】 上記微粒子の平均粒径が200nm以下
    であることを特徴とする請求項4に記載の磁気記録媒体
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記微粒子の平均磁化が10emu/g
    以下であることを特徴とする請求項4に記載の磁気記録
    媒体の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012160486A (ja) * 2010-01-21 2012-08-23 Fujifilm Corp 磁性粒子およびその製造方法、ならびに磁気記録媒体
JP2013251293A (ja) * 2012-05-30 2013-12-12 Fujifilm Corp 六方晶フェライト磁性粉末およびその製造方法、ならびに磁気記録媒体およびその製造方法
JP2017054564A (ja) * 2015-09-08 2017-03-16 富士フイルム株式会社 磁気記録媒体

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